■2020/04/17 馬名変更できるんだ!カシアスがケモノ(Kemono)に馬名変更
■2024/12/16 日本でも出走後の馬名変更!名馬トキノミノルも馬名変更
■2022/05/08 昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例
■2020/04/17 馬名変更できるんだ!カシアスがケモノ(Kemono)に馬名変更
デビュー前の馬の馬名を変更するというケースは何度か聞いたことがあったものの、すでにデビューしている馬を馬名変更できるとは思いませんでした。でも、できるみたいですね。ただ、日本国内ではなく、海外へ移籍して…というケースです。
【海外競馬】豪州移籍のカシアス“Kemono”に馬名変更、9月1日に移籍初戦の可能性 | 競馬ニュース - netkeiba.comによると、父キンシャサノキセキ、母ラブディラン、その父ディラントーマスのこの馬は日本でカシアスとしてデビュー。2017年の函館2歳Sに勝利しています。
ただ、翌年の NHKマイルC10着後に、豪州のダレン・ウィアー厩舎に移籍。オーストラリアデビューの前にケモノ(Kemono)に馬名変更を行った…という話でした。
実はこれ、キンシャサノキセキのWikipediaを見ていて気づいたもの。 「グレード制重賞優勝馬」のところで「カシアス / Kemono[注釈 1] 」という書き方をしていてあれ?って思ったんですね。ここで「オーストラリアに移籍後、馬名が変更された」と書かれていました。
こういう場合、netkeibaはどうしているのか?と思ったら、「カシアス」のまま。「kemono」で検索してもヒットしません。ただ、海外の戦績は逐次反映していないため、日本やビッグレースへの参戦があれば、情報更新されるかもしれません。一方、Wikipediaは「ケモノ (競走馬)」というタイトルにしていました。
ちなみに元の名前の「カシアス」は全然「ケモノ」とは関係ない名前。「人名より」とのことでした。おそらくボクシング世界チャンピオンのモハメド・アリの本名カシアス・クレイからとったのではないかと思われます。父のキンシャサノキセキは、モハメド・アリがザイール共和国(現コンゴ民主共和国)の首都キンシャサでジョージ・フォアマンに勝ち、プロボクシング世界ヘビー級王座を奪還した際に謳われた「キンシャサの奇跡」から取られた名前でした。
このモハメド・アリに「獣」というあだ名があったみたいな話じゃなくて、やはり新しい名前の「ケモノ」は特に関係ないのでは?と予想。モハメド・アリで有名なたとえ(?)は、「蝶のように舞い、蜂のように刺す!」でした。獣じゃなくて虫です。ケモノというのは、特に血統などとは関係なく、改名された感じがします。
■2024/12/16 日本でも出走後の馬名変更!名馬トキノミノルも馬名変更
<馬名変更できるんだ!カシアスがケモノ(Kemono)に馬名変更>で書いていた馬名変更に関する話がニコニコ大百科の<競走馬の命名規則とは (キョウソウバノメイメイキソクとは) [単語記事]>にありました。ニコニコ大百科は出典がなく、信頼性はいまひとつではありますけどね…。
<以下、特記がない限り日本の競走馬について解説する。
競走馬名の登録にはルールが設けられており、審査を通過した馬名のみ使用可能となる。
申請した際に却下されるケースも当然あるため、申請の際には申込書に第3希望まで記載することが可能である。また、初出走後の馬名変更は現在はいかなる事情があろうとも認められていない。>
https://dic.nicovideo.jp/a/%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC%E3%81%AE%E5%91%BD%E5%90%8D%E8%A6%8F%E5%89%87
初出走前なら1回まで変更は認められているという話もありましたが、<初出走後の馬名変更は現在はいかなる事情があろうとも認められていない>とあるので、日本ではやはり出走後の馬名変更は認められていないようです。カシアスがケモノに馬名変更の件で、私が驚いたのは当然でしたね。海外ならではのようです。
なお、過去には日本でも変更が認められていたという話も、ニコニコ大百科ではありました。そういえば、ダービーなどを勝った歴史的な名馬であるトキノミノルが馬名変更だったという話は聞いた覚えがありますわ…。
<かつては初出走後も2歳(旧3歳)時や中央・地方移籍の時にも改名が認められており、「パーフエクト」が新馬勝ちした後「トキノミノル」に、夏競馬でデビューし8戦した「タマサン」が年明けに「ダイナナホウシユウ」に、南関東公営競馬で走っていた「ネンタカラ」が中央移籍時に「ゴールデンウエーブ」に改名した例がある。
これ以外では例外的な事例で促音(小さなッ)や、拗音(小さなャュョ)の表記が可能になった時に、菊花賞と天皇賞(秋)を勝っていたニツトエイトがニットエイトと5歳時(旧6歳)の現役中に表記変更を行った事がある。>
■2022/05/08 昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例
ナスルーラの直仔であるAbou Ben Adhemという種牡馬は日本に輸入されたとき、ナスアローと名前を変えられたようです。元の名前の最初は一瞬見間違えそうですが、「アロー」ではなく「Abou」。一語も合っていませんね。
<ナスアローの掲示板 | 競走馬データ - netkeiba.com>のコメントでは、以下のような説明で同じ輸入種牡馬でナスルーラ系のキングナスルーラもそうだとしていました。ウェブではこれと同様の記述が見られるサイトがあります。
<自身の競争成績が一流とはいえないため、
ナスルーラ直仔をアピールするために登録名を変えたらしいです。
同様にInaugural Day→キングナスルーラーというのも>
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=000a000a09
一方で、「私見ですが」として、「単に名前が難しい、もしくは名前の響きが悪いからと考えています」と書いている人もいました。ただ、飽くまで「私見」ですので、事実ということはないのでしょう。前述の情報も信頼できるソースがないことには変わりないのですが…。
<メジロアサマの母(引用者注:日本では「スヰート」)も英名はSweet Sixteenで、これは名前が長いからと思います。
'80年代にはプロ野球も名前が長い外国人選手はファーストネームで選手登録する様になりましたね。西武ライオンズのスティーブ・オンティベロス、テリー・バートランド・ホィットフィールドは2人共にファーストネームでした>
先程のキングナスルーラーの当初の名前「Inaugural Day」は、「(米国の)大統領就任式の日」という意味。キングはこのプレジデント(大統領)からの連想かもしれませんけど、だいぶ違います。プレジデントがキングになっちゃったのは不思議な感じですね。
一方、「Abou Ben Adhem」は英語ですらなさげ。なんとなくイスラム系の人名かな?と思いました。で、検索してみると、ポエムが出てきました。Wikipediaが存在しており、かなり有名なポエムのようです。全然「アロー」とは関係ありませんね。
"Abou Ben Adhem" is a poem written in 1834 by the English critic, essayist and poet Leigh Hunt. It concerns a pious Middle Eastern sheikh who finds the 'love of God' to have blessed him. The poem has been praised for its non-stereotypical depiction of an Arab. Hunt claims through this poem that true worship manifests itself through the acts of love and service that one shows one's fellowmen and women. The character of 'Abou Ben Adhem' is said to have been based on the ascetic Sufi mystic Ibrahim bin Adham.
<「アブ・ベン・アドヘム」は、1834年に英国の評論家、エッセイスト、詩人のリー・ハントによって書かれた詩です。 それは、「神の愛」が彼を祝福したと考える敬虔な中東のシェイクに関するものです。 この詩は、アラブ人の非ステレオタイプの描写で賞賛されています。 ハントはこの詩を通して、真の崇拝は、仲間や女性を示す愛と奉仕の行為を通して現れると主張しています。 「アブ・ベン・アドヘム」のキャラクターは、禁欲的なスーフィーの神秘的なイブラーヒーム・ビン・アドハムに基づいていると言われています。>(グーグル翻訳)