2025年9月16日火曜日

珍名モズトキキ VS メリオーレム、リーチユアドリーム、フルレゾン、リンドバーグ、アズベリー

■2023/08/25 珍名モズトキキ VS メリオーレム、リーチユアドリーム、フルレゾン、リンドバーグ、アズベリー


■2023/08/25 珍名モズトキキ VS メリオーレム、リーチユアドリーム、フルレゾン、リンドバーグ、アズベリー

 あんまり気になる名前の馬いないなーと思っていた今週の競馬。最初に目についたのは、モズトキキでした。公式の説明は「冠名+人名愛称」となっているんですけど、これたぶん「冠名+と+人名愛称」で「モズとキキ」ってことじゃないですかね。「キキとララ」「ぐりとぐら」みたいな名前。英語表記も「Mozu to Kiki」でしたので、やはりこの理解で良さそうです。珍しい命名の仕方、アイデアの感じる命名の仕方です。
 馬主さんはもちろんモズの冠名でおなじみキャピタル・システム。モズアスコット、 モズスーパーフレアなどが代表馬。モズトキキの母も所有馬のモズジャカランダでした。

 リーチユアドリームは結構好きだなと思った名前の馬。結構人気になりそうで、リーチザクラウンの期待馬か?とリーチザクラウンが好きだった私は期待しましたが、マインドユアビスケッツ産駒で残念。母父などとも関係なく、母名がナッシングバットドリームズだったのでそれが由来のような感じ。ちなみに母のナッシングバットドリームズもその母デインドリームからの連想でしょう。 デインドリームは凱旋門賞など、G1を勝ちまくった歴史的名牝であり、良血です。

 注目馬の方では、小倉2000mのメリオーレム。父シュヴァルグランは正直それほど期待されていないと思うのですけど、意外に走りそうな感じ。兄弟も1勝程度であり、これもやはり強調できないところ。ただ、これくらいの地味さが好みなんですよね。POG指名するかどうか迷っています。

 リアルスティール産駒のアズベリーは正直好きな感じではないものの、インブリードが濃いな~と思ったので注目。以下のように3 x 3、3 x 4という濃いところが入った4本の多重インブリードです。

Storm Cat     25.00%     3 x 3
Monevassia、Kingmambo     18.75%     3 x 4
Mr. Prospector     12.50%     4 x 5 x 5
Northern Dancer     9.38%     5 x 5 x 5

 今週はなぜか気になる名前の馬が少ないので、注目馬を多めにやりましょう。とは言っても、なぜか能力的に気になる馬も少ないので、おまけした感じですけど、アズベリーと同じレースではフルレゾンの方が好み。姉に函館2歳S(G3) 2着の カイカノキセキがいて、仕上がりは早そう。父がオルフェーヴルに変わったのもプラスでしょう。

 うーん、困った。まだ少ないですね。今週最も気になっているメリオーレムのレースでは、ドゥラメンテ産駒リンドバーグも気になるところ。もっと人気になりそうな馬がいますが、メリオーレムのライバルとしてはこの馬を一番警戒しています。


2025年9月15日月曜日

危うくサラブレッドになり損ねるところだったテンポイントの血統

■2013/3/14 危うくサラブレッドになり損ねるところだったテンポイントの血統
■2018/03/18 54戦54勝のキンチェム、祖母は繁殖牝馬にならない予定だった
■2018/03/18 キンチェム、実は間違えた配合で偶然生まれた馬だった
■2018/03/18 見栄えの悪かったキンチェム、購入者にも見捨てられる
■2017/06/08 11万円で5.7億円稼いだテイクオーバーターゲットなど、お買い得だった馬



■2013/3/14 危うくサラブレッドになり損ねるところだったテンポイントの血統

 知らんかったのか、忘れていたのか、どっちだかわかりませんけど、とにかくおもしろかった話。

-----引用 ここから-----
貴公子テンポイントの死から35年     文 有吉正徳    2013年3月8日

 5日は名馬テンポイントの命日だった。1978年のこの朝、治療を受けていた滋賀・栗東トレーニングセンターで息を引き取った。
 関係者の執念が生んだサラブレッドだった。
 祖母のクモワカが「伝貧(でんぴん)」(馬伝染性貧血)と診断されたのは52年。法令で安楽死処分が義務づけられている伝染病である。
 ところがクモワカは伝貧の症状を見せなかった。関係者は処分命令を無視してかくまい、繁殖牝馬(ひんば)として育てた。しかし「死んでいるはず」の繁殖牝馬は軽種馬登録協会からその存在を否定された。
http://www.asahi.com/and_M/interest/TKY201303080080.html?ref=com_fbox_u
-----引用 ここまで-----

 サラブレッドはきちんと登録されているか否かが、たいへん重要です。
 サラブレッドは血統が命ですし、そもそも語源がそういう意味です。

-----引用 ここから-----
語源は Thorough [ 完璧な、徹底的な ] + bred [ 育てられた、躾けられた ] で血統背景だけではなく、育つ環境も含めて完璧であることを指す。

純血を意味するアラビア語の直訳という説もある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89
-----引用 ここまで-----

 さて、テンポイントの祖母クモワカはどうなかったか?と言うと……。

-----引用 ここから-----
  「クモワカ事件」は裁判になり、クモワカとその子どもがサラブレッドとして認められたのは63年になってからだった。娘のワカクモはこの年に誕生した。桜花賞を制するなどの活躍を見せ、母になってテンポイントを産んだ。
-----引用 ここまで-----

 ドラマですね。


■2018/03/18 54戦54勝のキンチェム、祖母は繁殖牝馬にならない予定だった

 ハンガリーの歴史的競走馬キンチェムも生まれなかった可能性があったという話。他でも書いたのですけど、先に戦績から。

 Wikipediaによると、デビューから引退までの無敗記録としては世界記録となる54戦54勝の記録を持ちます。デビューからの連勝記録としてもプエルトリコのカマレロに破られたものの、いまだそれに次ぐ2位の記録。
 キンチェムは牝馬でしたが、2歳時に全て違う競馬場で10戦10勝という快進撃。前半はドイツ、後半はオーストリア・ハンガリー帝国で走っています。
 3歳時には、 ブダペストのネムゼティ賞(ハンガリー2000ギニー)、ハザフィ賞(ハンガリー1000ギニー)といったハンガリーのクラシックに相当するレースを連勝。さらに、中央ヨーロッパの強豪馬たちが出走するレースだったジョッケクルブ賞(オーストリアダービー)を大差で圧勝。古馬とのレースでも負けず、17戦17勝の成績を残しています。
  4歳は途中から西ヨーロッパ遠征を敢行。イギリスでもキンチェムは有名で、「ハンガリーの奇跡」と呼ばれていました。グッドウッドカップは、イギリスの有力馬たちはハンガリー馬に負けるのを恐れ回避してしまっていたため、わずか3頭でレースが行なわれたという逸話を持ちます。
 続いてフランスに行き、ドーヴィル大賞典で1番人気は譲るものの、きっちり勝利。バーデン大賞では、酒に酔ったまま騎乗したマイクル・マデン騎手が極端に後ろからの位置取りをしてしまいましたが、それでも同着。
 このとき、同着の馬と決勝戦が行われたみたいですね。これもトラブル。突然馬場に野良犬が出てきて終始キンチェムに絡み、大きく離されてしまいました。しかしキンチェムは犬を蹴飛ばして追い払い、プリンスジルスとの差を縮めて追いつくとあっという間に交わして6馬身差で楽勝したとのこと。すごすぎです。
 5歳でも、12戦で全て完勝したのですけど、引退の理由がまた個性的。同厩舎の馬との喧嘩により脚を怪我したため、だそうです。

 さて、血統の話。キンチェムの母ウォーターニンフ (Water Nymph) はオークス5着のザマーメイド (The Mermaid) の子で、現役時代にハンガリーの1000ギニーに優勝した名牝でした。
 にも関わらず、キンチェムを生産したエルンスト・フォン・ブラスコヴィッチさんは、自分の乗馬用の馬としてこの馬を購入していました。しかし、周囲に説得されて繁殖牝馬となったおかげで、血が繋がったのです。
  ウォーターニンフは繁殖に入って1年目からハンガリーオークス馬のハマト (Harmat) を輩出。2年目にキンチェムが誕生しました。




 ■2018/03/18 キンチェム、実は間違えた配合で偶然生まれた馬だった

 ただ、この後もキンチェムはおもしろいのです。
  実を言うと、2年目にはバッカニア (Buccaneer) という人気馬が配合されるはずだったのだが、牧場のミスでウォーターニンフはカンバスカン (Cambuscan) に配合されてしまい、そしてキンチェムが生まれました。
 カンバスカンは種牡馬として活躍したニューミンスターを父に持ち、2000ギニー2着、セントレジャーステークス3着に入った後にイギリスで種牡馬となり、2000ギニーを勝ったカムバッロ (Camballo) を出している。
 ただ、その後ハンガリーのジョッキークラブに購入されたが、受胎率が低くバッカニアに比べれば人気はなかったそうです。

 なお、種牡馬の場合、歴史的名馬でも子孫は繁栄せずといったことも多いのですけど、キンチェムは繁殖としても成功しました。
  5頭の産駒は、競走馬または繁殖で活躍。キンチェムの直系の牝系子孫も繁栄。オーストリアやハンガリーのクラシックに何度も勝ち、ドイツ、イタリア、ポーランド、ルーマニアのダービーにも勝っています。
 1974年にはキンチェムから数えて13代目の子孫ポリガミー (Polygamy) が英オークスで勝利。また、このポリガミーの全妹ワンオーバーパー (One Over Parr) の玄孫で、キンチェムから数えて17代目の子孫キャメロット (Camelot) は2012年に2000ギニーとダービーステークスを制して英国クラシック2冠馬となるなど、21世紀となった現在でも、世界各地にキンチェムの子孫が残り活躍を見せているそうです。


 ■2018/03/18 見栄えの悪かったキンチェム、購入者にも見捨てられる

 キンチェムは、デビュー前の逸話もすごいです。
 ブラスコヴィッチの生産馬は1歳時に1人のオーナーに対して一括で売却されることになっており、1875年の1歳馬はアレックス・オークシーという人物に7頭まとめて700ポンド程度の価格で売却されることになりました。
 しかし、購入したにもかかわらずオークシーはキンチェムともう1頭の馬を引き取らなかったといいます。キンチェムはひょろっとした暗い毛色の栗毛馬で外見が悪かったため、オークシーは走らないと判断した模様です。
  結果、キンチェムは生産者であるブラスコヴィッチの所有馬として走ることとなったのですけど、意外な人物にその素質を評価されていた。キンチェムは仔馬の頃ロマに誘拐された事があり、犯人逮捕後に警察が「あの牧場にはもっといい体の馬が沢山いたのに何でこんな馬を狙ったんだ?」と尋ねています。
 すると犯人は、「確かにあの馬は外見は他の馬に見劣りする。でもそれを補って余りある勇気を持っていたんだ」と答えたとのこと。泥棒だけが彼女を評価していました。




■2017/06/08 11万円で5.7億円稼いだテイクオーバーターゲットなど、お買い得だった馬

 クラブ馬主になって夢と賞金を同時に狙う! 安くて強い馬列伝【後編】 週プレNEWS / 2017年4月22日 15時0分は、「クラブ馬主で夢と賞金を同時に狙って、人生も下克上だ!」という記事。
 しかし、これは良いケースだけ見て誤解されているだけですので、非常に悪い話。
 例えば、"ダート戦線で10億円以上を稼いだエスポワールシチーは、500口の共同馬主で1口当たり2万4000円。維持費などは別としても還元額は約204万円で100倍近いリターンだ"だと書いているものの、シチーの馬は大量募集でハズレだらけという印象でした。うまい話でないどころか、駄目な方だと思われます。

 ただ、こういう安馬が大活躍という話自体はおもしろいです。この記事ではそういった例がたくさん載っていました。

モーリス
   2015年の年度代表馬で、10億円を優に超える賞金を稼いだ。1歳時にセリでつけられた価格は150万円。育成牧場に購買され、トレーニングを積んだ後、2歳になって再度、セリに出された値段も1050万円。

ジャスタウェイ 
 セレクトセールでの落札額が1260万円。2013年の天皇賞・秋で勝利。さらに、G1ドバイデューティフリー(現ドバイターフ)で圧勝劇を見せ、2014年の世界ランキング1位にも輝いた。

テイエムオペラオー 
 セリでの落札額はわずか1050万円で獲得賞金総額約18億3000万円。

メイショウドトウ
 生涯9億円以上を稼いだが、海外のセリでの落札額はたったの500万円。

トレヴ
 1歳時のセリでは、2万2000ユーロ(約270万円)で売りに出されるも声がかからず、やむなく牧場の名義で現役生活をスタート。しかし、無敗のままG1フランスオークスを勝利して、800万ユーロ(約10億円)でトレード。その後、凱旋門賞連覇という快挙を達成。

テイクオーバーターゲット
 3歳になっても体質が弱く、まともにレースに使えないことから投げ売り同然の1250豪ドル(約11万円)。タクシー運転手として生活費を稼いでいた馬主兼調教師のジャニアックさんが購入。イギリス、日本(スプリンターズS)、シンガポールなどでG1レースに勝利し、10億円以上を稼ぐ。
(とあったものの、他では600万豪 ドル(約5億7,000万円)くらいになっていました。10億円というのは、海外の賞金額がすでに足された数字にさらにもう一度足してしまったのか、コピペミスではないかと)

 売れなかったトレヴが計算できませんが、他で倍率を計算すると以下のような順位に。

<お買い得馬ランキング>
順位    馬名    獲得賞金(万円)    獲得費用(万円)    回収率  
1位    テイクオーバーターゲット    57,000    11    5,182    倍
2位    メイショウドトウ    92,133    500    184    倍
3位    テイエムオペラオー    183,519    1050    175    倍
4位    エスポワールシチー    102,320    1200    85    倍
5位    モーリス    53,625    1050    51    倍
6位    ジャスタウェイ    59,569    1260    47    倍

 記事とはだいぶ数字が違っていたものの、 オーストラリアのテイクオーバーターゲットは破格でした。


2025年9月14日日曜日

頭の高い馬は悪い…は迷信?シャドーロールの効果、実はない?

■2020/01/25 根拠あると思ってた…シャドーロールの効果、実はない?
■2020/01/25 頭の高い馬は悪い…は迷信?最近では矯正しない調教師も
■2020/01/25  シャドーロールの効果がないときは…ある?
■2022/06/15 国枝栄調教師「シャドーロールは目印のためにつけている」

■2020/01/25 根拠あると思ってた…シャドーロールの効果、実はない?

 【競馬】あの三冠馬が使ったシャドーロールは本当に効果があるのか(web Sportiva 2013.10.25)という記事があり、ひょっとしてシャドーロール着用の効果について、信頼できるような根拠がないって 話かな?と気になりました。
 タイトルになっていた三冠馬というのは、ナリタブライアンのことですね。あだ名がそもそも「シャドーロールの怪物」です。
 記事そのものは、シャドーロールについて、元調教師の秋山雅一さんに解説してもらうという話でした。
 
 シャドーロールは、ふわふわしたロールを馬の目と鼻の間に設置するもの。こうすると、ふわふわロールが邪魔になって、自分の足元が見づらくなってしまいます。人間もぶかぶかのコートを着ると足元が見えづらいですよね。
 これには何も良いことないように見えますけど、一般的には足元を気にしてしまう馬に着用して、気にさせないようにする…という使い方をします。秋山雅一元調教師も「自分の足もとの影を見て驚いてしまう馬が稀(まれ)にいて、そういう馬たちに着用します」としていました。
 私はこれだけを想定していたのですけど、「他にも、特にダート戦で、前方から飛んでくる砂が目に当たるのを防ぐ、という効果が少しだけあります」ともおっしゃっていました。
 この時点では、シャドーロールの効果については特に否定されていない感じです。効果がある馬にはあるといった雰囲気ですね。


■2020/01/25 頭の高い馬は悪い…は迷信?最近では矯正しない調教師も

 ただ、他の用途もあるとされていて、こっちの方が問題っぽかったです。シャドーロールを着けて足もとが見えなくなると、逆に足もとを見てやろうとして、頭を下げる馬がたまにいるとのこと。
 これだと逆効果…って話かと思ったらそうではなく、頭を下げたがる馬の気持ちを逆に利用して、頭の高い馬に対して、頭を下げさせるために使うことがあるといいます。効果があるという話になります。ところが、これに否定的な意見があるんだそうです。

<というのも、頭を高くして走るのは、骨格や筋肉のつき方による、競走馬の構造的な問題だからです。要は、一般的に頭を低くしながら前方に伸ばして走るのがいいフォームとされていますが、頭が高い馬にとっては、頭を高くして走るフォームこそが最も走りやすいわけです。そのため、「無理やり頭を下げて走らせることが本当にいいことなのか?」と、疑問に思っている関係者は少なくありません>

 これはシャドーロールの効果の疑問というよりは、馬のフォームに関する迷信といった感じですね。
 インタビューアーが、調教師や騎手の方々が「あの馬は頭が高いから」というコメントをしているのをよく見ると指摘していたように、頭が高い走り方は良くないという認識が一般的。私も低いフォームの走りを好んでいました。
  しかし、人間も走るフォームが異なるように馬だって違うだろうと、秋山雅一元調教師は否定的。走り方を矯正しない調教師というのも、最近は増えているとされていました。


■2020/01/25  シャドーロールの効果がないときは…ある?

 上記で終わりだと思ったら、シャドーロールの効果についての話は、この後また出てきました。
 足もとの視界が遮(さえぎ)られることで、不快に感じる馬がいて、動かなくなったり、暴れたりした馬もいたといいます。ただ、これは効果を全部否定するわけではなく、馬によりけりということ。普通の話です。
 また、シャドーロール単体では効果がないけれども、別の部分の視界を遮るブリンカーやチークピーシズと組み合わせることで、馬の集中力が増したという経験があるそうです。

 さらに、効果という意味で言うと、 飾りの要素でシャドーロールをつけている場合もあるとのこと。メンコなんかだとよくありますが、シャドーロールまでそう使っちゃいますか…。「ブリンカーなどと組み合わせて、カラフルに装備している馬もいましたからね」とのことでした。
 一応全く意味がないわけではない使い方としては、レースや追い切りのときに、自分の馬が見つけやすいというメリットがあるのでは?との予想。どうなんでしょうね。

■2022/06/15 国枝栄調教師「シャドーロールは目印のためにつけている」

 掲示板情報なんで記憶違いなどがある可能性があって、信頼性が高いものでは全然ないのですが、シャドーロールの効果が話題になっていたので紹介。POGで大人気だったのに新馬戦で凡走したエルダーサインについて、このシャドーロールの話が出ていました。


 [350] akiraさん
シャドウロールつけてる馬がデビュー戦で馬群に揉まれたらそりゃやる気なくなるわな
直線向いてルメールが追い出してもイヤイヤしながら走ってるし度外視でいいだろう

 [357] スズカさん
>>350
某偉大な調教師の記事を過去に読みましたが、その方によればシャドーロールは劇的効果はなく、飾りの意味合いが強いとか。(中略)シャドーロール自体に深い意味はないと思料します。

[358] スタークさん
シャドーロールは目印、レース中どこ走ってるか見つけやすい

 [359] ゲストさん
え、あまり知られてないのかな
国枝師本人がシャドーロールは目印の為って言ってますよね
馬主に着けないでって言われた時だけ着けないそうです
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2020103371


 2番めの方の記憶が正しければ、某偉大な調教師というのもシャドーロールに効果は全くない…とは言っていない模様。「シャドーロールは劇的効果はなく、飾りの意味合いが強い」という言い方ですから、ある程度意味はあると考えているのだと思われます。
 


2025年9月13日土曜日

廃止寸前だった高知競馬が売上15倍!売上のほとんどは…

■2020/11/07 競馬は無観客開催でも売上に問題なし…の理由とは?
■2020/12/03 地方競馬は無観客開催で史上最高売上連発 競輪が苦戦する理由
■2021/01/09 極秘命令あり?中央競馬が無観客開催を好む予想外の理由
■2021/02/11 廃止寸前だった高知競馬が売上15倍!売上のほとんどは…
■2021/10/4 地方競馬はネットだけでなくリアルでも復活している?


■2020/11/07 競馬は無観客開催でも売上に問題なし…の理由とは?

 もっと早く紹介しようと思っていたのでえらい昔の話になるのですが、競馬は新型コロナウイルス問題による無観客開催でも意外にイケるのでは?という話について。もともと新型コロナウイルス前から、オンラインの販売比率が上がっていると聞いていたので、私はダメージが少ないんじゃないかと思っていたんですよね。

<(引用者注:新型コロナウイルス感染拡大防止のため、戦後初となる無観客競馬の開催となった2020年2月29日土曜日の開催は、)無観客競馬の影響で競馬場やウインズで購入するファンが、馬券を買えないことで売り上げ減が懸念されたが、この日の売り上げは前年比12・6%減の178億4354万5100円にとどまった>

 これは、JRA異例の無観客競馬も「ネット全盛時代」で売り上げは微減! 即PAT加入者は4倍増 - GJ(2020.03.01 06:00)からの情報。同じ記事では、前年度のネット販売比率も出ています。前年の同時期における総売り上げは、2日間合計で約532億円で、このうち、現金投票による割合が約29・7%にあたる約158億円と、ネット投票による売り上げは約70%の想定となっていました。ネットが7割と大きかったんですね。官民ともにデジタルが壊滅的に弱い日本にしては珍しく、JRAはたいへん優秀でした。そして、わずかに1割減というのは、この「ネット7割」の想定以上の大健闘になっています。

 また、JRAによると2月27日には1722件の新規加入があり、これは前年同日の448件の約4倍の数字だとのこと。記事では指摘がなかったものの、こうしたオンラインへの移行の増加は、以降も続いた可能性がありそう。その後の記事も探してみたいですね。


■2020/12/03 地方競馬は無観客開催で史上最高売上連発 競輪が苦戦する理由

 地方競馬ではむしろ新型コロナウイルス問題がなかったときより馬券が売れているときすらある…という話も紹介したかったのですが、遅くなりました。とりあえず、「無観客」競馬が健闘し、競輪が苦戦している理由 ついにGIレースでも無観客開催が決定 WEDGE Infinity(2020年3月28日)という記事が出ていますので、これを読んでみましょう。

 例えば、2020年3月10日、高知競馬では、1日の馬券発売額(10億8952万9400円)が高知競馬の1日の売り上げレコードを更新。黒船賞があったためですが、実を言うと、従来の売上レコードというのも前年の黒船賞当日。しかも、前年は祝日の開催という好条件で、今年は平日という悪条件。担当者は「無観客の上に平日でもあり売り上げ面は心配だったが、このような結果となり大変ありがたい」としています。同日、名古屋競馬場で開催された「名古屋大賞典」でも発売額でレコードを達成。高知・名古屋ともに、その前後の開催もおおむね前年並みの売り上げをキープしています。

 これらは当然ネット投票が好調だったため。高知競馬での馬券発売は、ネット投票が9割。全国から購入できることで、馬券の売り上げ構成はここ数年大きく変化し、全体の売り上げは10年で10倍も増加しています。上昇気流にそのまま乗って、無観客開催をも乗り切った感じです。

 逆に苦戦しているとタイトルで出ていた競輪ですが、こちらもそのままネット投票の問題でした。競輪は約4割減で、約2割減の中央競馬や競艇(日本モーターボート競走会)よりも減り方が激しいです。競輪とオートレースを統括するJKAの担当者は「現時点の数字からの推測だが、ネット投票へのシフトが他の公営競技より遅れたことが理由の1つであることは否めない」と語っていました。

 これはファン層の問題もあるとの説明。現金で購入するファン層が多いとされていました。比較的ファン層の広い競馬や、対象数が6艇と比較的的中しやすい競艇と異なり競輪は敷居が高く、新規ファンの獲得が難しいかも…と記者は予想。つまり、ファンの高齢化が進んでいて、現金購入以外できない人が多いという予測のようでした。


■2021/01/09 極秘命令あり?中央競馬が無観客開催を好む予想外の理由

 新型コロナウイルス感染拡大により、JRAはまた一部を無観客開催に戻しています。ただ、今回の記事いつまで続く無観客……JRAが「有観客開催」に踏み切れない理由とは? - GJ(2020.07.23 )は、タイトルでわかるように、まだ観客を入れだす前の全部無観客開催でやっていたときのものです。

 記事で挙げられていた無観客開催を続ける理由は中止リスク。有観客にして万が一クラスターが発生し、それこそ開催中止になる方が大問題で、それよりは無観客開催で続けた方が確実という説明でした。これは理解できるものです。前述の通り、競馬の場合は、無観客開催でも売上減少が少ないため、特にそういった判断になるでしょうね。0か100かのギャンブルをする必要性がありません。

 この理由はわかったのですが、それ以上の理由とされていたものは、あまり「そうだよね」とは思えないもの。<何よりJRAが開催を中止できないのは、馬券の売り上げの一部が国に納められていることもある>というものでした。馬券の売り上げは、その1割が国庫に納付されていることを踏まえて、コロナ禍で日本政府の財政が苦しい中で、競馬を中止にするわけにはいかない…とされていました。無観客開催を続けるのは、政府の意向かもしれないといったことも書いています。

 なお、この記事でも売上の話が出ていました。ある競馬記者は「今のコロナ禍の状況から、表立って世間に知らしめることはあまり得策ではないためか、大きく公表はされませんが、JRAの売り上げ自体は毎週下がっていないんです。競馬だけで言うなら、それこそ地方競馬なんかはネット投票の普及で、むしろ売り上げレコードを連発しているくらいバカ売れしていますからね」と言っています。この売上の方が、無観客開催を好む理由だと考えるのが素直だと思いますけどね。


■2021/02/11 廃止寸前だった高知競馬が売上15倍!売上のほとんどは…

 無観客開催の話ではないのですが、ネット販売の好調さに関する記事を紹介。2021年1月17日(日)の高知競馬の売上が10億円を超え、10億4800万円余りになり、これは2020年3月10日に記録した高知競馬1日の売上最高額10億8952万9400円に迫るものとなりました。
 これを紹介した記事は、地域に貢献できるまでになった高知競馬 - 斎藤修 | 競馬コラム - netkeiba.com(2021年01月19日)というタイトル。「地域に貢献」というのはは、高知競馬が1月31日までに行われる7日間の開催で、『新型コロナウイルス感染症対策支援競走』を実施することを発表しており、最終レースのひとつ前のレース(ただし、重賞・準重賞はもっと早い時間帯)で、売得金の1%相当額を高知県新型コロナウイルス感染症対策助け合い寄付金に寄付することを指しています。
 今の高知競馬の馬券の売上は、95%以上をネット・電話投票によって占められているとのこと。なので、おそらくその大部分は県外からのもので、結果的に『高知県新型コロナウイルス感染症対策』に集められた寄付金のほとんどが県外から集められた(と思われる)というのもスゴイと、作者の斎藤修さんは書いていました。
 まだ記憶に新しいでしょうが、以前の地方競馬は廃止の嵐でした。高知競馬でも、中津競馬が廃止されたときは、「次は高知競馬か」と噂されるほどの状況だったとのこと。ただ、しかしどん底だった2008年度の1日平均約4千万円の売上が、今はその15倍以上の1日平均6億円を超えるまでにV字回復。“寄付”という形でその地域に大きな財政貢献ができるまでになったというのは、感慨深いものがあります。


■2021/10/4 地方競馬はネットだけでなくリアルでも復活している?

 Our Pleasure2019年12月号の古谷コンシェルジュの競馬観(古谷剛彦)によると、2019年シーズンのホッカイドウ競馬の年間売得金額は、330 億8214万4890円。歴代最高ではありませんが、歴代6 番目の記録です。ただ、25年ぶりの300億円超えをマークしたとありましたので、上位記録はみなだいぶ昔。やはり他の地方競馬同様に大きく伸びていることがわかります。
 また、以前とは開催条件が異なっているという事情を考えると、もっとすごいかもしれません。300 億から400 億円を発売していた平成初期には、100日を超える開催日数でした。一方、現在は80日間で330 億円超えですから、素晴らしい数字。1日平均で約4億円を超えており、これも歴代最高ではないものの、これも歴代3番目の記録となっています。

 当然、やはりこれはネット投票の力。インターネット投票のシェアは85.6%で、前年より2.1%増と、徐々にその比率
を高めてきています。ただ、私が一番興味を持ったのは、こうしたネット投票の成功が、リアルにもプラスに働いているという話でした。
 札幌駅北口から事前予約制で運行されている無料バスは乗車率が高まり、門別競馬場への来場者数は確実に増加。それとともに、門別競馬場で見込んでいた年間売得金額は、計画比で約1億円を上回っているという好結果に。
 ホッカイドウ競馬のミニ場外であるAiba は、Aiba札幌駅前に前年秋に新たにオープンしたということで、勢いもありそう。様々なイベントを行った上に、今秋からJRA開催のメインレース発売を実施したこともあり、利用者数と売得金額もアップしたそうです。
 地方競馬がネット投票で復活!だけならよくある話ですが、リアルにもプラスになっているというのは珍しい指摘で、こうした流れが全国でできていれば最高ですね。

2025年9月12日金曜日

遅いデビューでの活躍馬 ブロードアピール、ダイユウサク、タマモストロングなど

■2017/02/17 遅いデビューでの活躍馬 ブロードアピール、ダイユウサク、タマモストロングなど
■2022/04/10 G1勝ちまくり最強マイラー・タイキシャトルは遅いデビューでも最強馬?
■2017/10/02  芝で悪くなくてダート変更が遅れたブロードアピール
■2017/10/02  ブロードアピールといえば根岸S!伝説的な追込による勝利
■2017/02/17 「史上最強の一発屋」個性派の名馬ダイユウサク

■2017/02/17 遅いデビューでの活躍馬 ブロードアピール、ダイユウサク、タマモストロングなど

 Enjoy Ruffian 2012年3月号 マイネルデータ 牡・父スダタカオ〈24〉須田鷹雄は、遅いデビューでの活躍馬がテーマでした。

 まず、1992年以降の平地G1馬が最初のレース(新馬戦とは限らず、未出走戦・未勝利戦などでのデビューも含む)を走った時期別成績について、調べています。
 いちばんデビューが遅かったのはフラワーパークで3歳の10月29日。現在なら中央でデビューできないタイミングで、しかもそのデビュー戦で10着と敗れているというから驚きです。(2戦目で勝ち上がり)。
 以下、ジャガーメイルの9月8日、シンコウキングの7月9日と続く。遅れたデビューから3歳のうちにG1を勝った一番の例はオウケンブルースリで、4月26日のデビュー(2着)から菊花賞を制しています。

 これを重賞勝ちにまで広げると、私も大好きだったブロードアピールが一番になります。
 4歳時の9月12日に札幌の500万条件平場でデビューし、2戦目で勝利。1敗を挟んで4連勝すると、デビュー4か月後の京都牝馬特別で早くも重賞入着(3着)。重賞を勝つにはそこからさらに1年かかったが、6歳2月にシルクロードSを制しています。
 これに続く2位がタマモストロング。4歳の5月16日に新潟の500万条件平場でデビュー。その後しばらく停滞しましたが、4歳終わりから7連勝でマーチSを制しました。
 500万条件(400万条件)デビューから出世した例としてはダイユウサク(91年までの重賞しか勝っていないため今回対象外)が有名ですが、そのダイユウサクもデビューは3歳の10月30日。先述した2頭は4歳のデビューでしたからね。

 最近増えているマル地馬での最高記録は、3歳の10月31日にデビューしたダンスアジョ
イ。未勝利のまま1000万条件に出走するという奇策まで繰り出したが勝てず、道営での2戦2勝を挟んで中央に復帰。後に小倉記念を制しました。


■2022/04/10 G1勝ちまくり最強マイラー・タイキシャトルは遅いデビューでも最強馬?

 <遅いデビューと連勝街道|競馬最強の法則WEB>では、日本調教馬による海外GI初制覇が出た直後に2例目の海外GI制覇を果たした名馬タイキシャトルも遅いデビューの馬としてしていました。これを含めてG1を5勝。外国産馬として中央競馬史上初めて年度代表馬に選出された馬でもあり、超大物ですね。

<藤沢和雄厩舎にはいるタイキの馬は、総じて「デビューが遅い」という傾向にあるが、タイキシャトルも同様であった。ただしこの馬の場合、意図的に遅らせたわけではなく、やむを得ない事情があった。
 脚を負傷したため入厩の時期が年明けの2月にズレ込んだばかりか、入った後も脚元のモヤモヤに悩まされていたのである。特に厄介だったのはソエで、稽古で走らせるたびに悪化するので、かなり仕上げに手間取ったのだ。また、当時はゲートの出が悪く、3度目にしてようやくゲート試験に合格したという逸話も残っている。ようやくデビューできたのは、4歳(現表記で3歳)の4月。当然クラシックは間に合わない>
http://saikyo.k-ba.com/members/history/taiki_shuttle/chapter_02.html

 競馬最強の法則WEBでは、<昭和の時代、「最強マイラー」といえばニホンピロウイナーの代名詞のようなものだった>が、<現在、最強マイラーといえば、この馬のことを指すのが一般的>としていました。Wikipediaでも以下のような記述が見られます。遅いデビューの最強馬とも言えるかもしれません。

<1997年ユニコーンステークスから1998年マイルチャンピオンシップまで記録した重賞8連勝の記録はテイエムオペラオーと並ぶJRA所属馬の記録である。さらにマイル戦ではダートを含め7戦7勝という絶対的な強さを誇り、またその勝ちっぷりも圧倒的であった。日本競馬史上最強のマイラーはどの馬かという問いに対して、最も多く名前の挙がる一頭である>

 タイキシャトルの最強マイラー候補としてはモーリスが思い浮かびましたが、モーリスと競った「競馬ファンが選ぶ『平成最強マイラー』ランキング」においても勝利。しかも、大差での勝利です。記憶に新しい馬が選ばれやすいことも考えるとさらにすごいですね。

<2019年春にnetkeiba.comによって行われた「競馬ファンが選ぶ『平成最強マイラー』ランキング」では、総数27000票に及ぶ投票の中、7819票を獲得し、第1位に選出された。2位モーリス(5710票)、3位ウオッカ(2930票)に大差をつけた結果から、現役を引退して20年以上が経過しても「平成」という時代の中でタイキシャトルが超一流のマイラーとして競馬ファンの記憶に大きなインパクトを残しており、最強マイラーとして広く認められていることが示された結果となった>


■2017/10/02  芝で悪くなくてダート変更が遅れたブロードアピール

 ブロードアピールの補足。前述の通り、4歳時の9月12日に札幌の500万条件平場でデビューし、2戦目で勝っているのですが、初戦は芝、2戦目はダートと異なっていました。
 その後の「1敗を挟んで4連勝」というのは芝。これについて、ブロードアピール - Wikipediaでは、以下のように書いていました。

"その後関西での500万下から900万下の芝のレースを4連勝し、その次走に選んだ京都牝馬特別でも負けはしたものの3着という成績を残し、芝の適性を証明することとなった。一方で、これらは後年ダート路線で活躍することとなる当馬の路線転向が遅れた要因の一つにもなっている"

 重賞初制覇となった「シルクロードS」も芝の1200。芝でもかなり強かったのです。この重賞勝利の前でも高松宮記念で6着となかなかでした。

 シルクロードSの後は、高松宮記念8着、マイラーズカップ12着と惨敗。そのせいか、次は2000年5月14日初勝利戦以来のダート戦となるオープン特別の栗東ステークス(ダート1200メートル)に出走。
 すると、牡馬を含めても最高斤量(57キログラム)でしかも6番人気という低評価でもあったにもかかわらず鋭い追い込みでエイシンサンルイス、サウスヴィグラスらを破ってレコード勝ち。
  しかし、それでも陣営はダート路線への転換をせず、芝で4連敗。とはいえ、スプリンターズステークスで4着、スワンSで4着と全然悪くない成績。ダートに転向しなかったというのはわかります。


■2017/10/02  ブロードアピールといえば根岸S!伝説的な追込による勝利

 ただ、このスワンS4着の後の、3戦目のダート戦となった根岸ステークスがやっと転機となりました。レースは最後方からのスタートとなった上に、先頭が残り400メートルの標識を通過する直前まで最後方に位置していたが、そこから後に鬼脚と呼ばれる末脚を見せます。
 直線だけで7馬身以上離れ、更に残り200メートル標識通過時点で5馬身ほど離れた先頭を差し切り、逆に2着のエイシンサンルイスに1 1/4差をつけて重賞2勝目。私はこの動画を保存しています。もともと追い込みが難しいダートで、伝説的な勝ち方をしました。

ブロードアピール ものすごい追い込み 2000年 根岸ステークス.
 <iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/QYGCMtCW8Lc?ecver=1" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 久しぶりに見直してみると、本当すごいですね。ブロードアピール以外は、前残りという展開で、1頭だけ違っていました。結構斜行しちゃってますし、最後もまだ余裕ありそうな感じでした。
 これが6歳の11月。現在の数え方の6歳ですからね。遅いです。仕方なかったのですが、もったいなかったです。
 次が翌年であり、ダートでたくさん走ったのは7歳と8歳というかなりの高齢のとき。 G1には手が届かなかったものの、重賞を4勝。JBCスプリント2着、ドバイゴールデンシャヒーンでの5着の好成績。
 Wikipediaでは、 以下のように書いていました。

"日本国内でのダート戦では全て3着以内を確保しているが、その内訳も1着7回・2着2回・3着2回と勝率にして63%・連対率にして81%にもなる。直線での末脚に賭ける追い込み馬は、その末脚が不発だと大敗を喫するケースがあることを考慮に入れると、この数値は優秀である"

  余談ですが、好きな馬だったので近親をたびたびPOG指名。最近は孫のワグネリアン(父ディープインパクト)がなかなか良い感じで期待しています。(2022/04/10追記:その後、ワグネリアンは見事日本ダービーを勝利。しかし、金子真人さんがなかなか引退させてくれず、6歳のレース中に内臓疾患で亡くなって種牡馬入りできませんでした)


■2017/02/17 「史上最強の一発屋」個性派の名馬ダイユウサク

 ダイユウサクの補足。

ダイユウサク - Wikipedia

 Wikipediaによれば、ダイユウサクは体質の弱さもあってかデビューが大幅に遅れたと言います。旧表記(数え年)で4歳、今で言う3歳になってからしばらく経った1988年10月30日・京都での400万下条件戦でデビューしました。
 しかし、このレースでは、勝ち馬から13秒も離された最下位(11着)に終わりました。さらに、次走の福島での未勝利戦でも7.3秒遅れて最下位(14着)に敗れ、この年は2戦して未勝利に終わっている。2戦ともタイムオーバーに相当する大敗だった。ダメダメでした。

 勝利するのは、1989年。当時の馬齢で5歳になったダイユウサクは4月16日、新潟での400万下条件戦で出口隆義の騎乗でデビューから5戦目にして待望の初勝利を挙げています。

 そんなダイユウサクが、有馬記念を勝ってしまいました。
 有馬記念では14番人気にもかかわらず、圧倒的1番人気のメジロマックイーンを差し切り、レコードタイムで優勝。しかし、このレース以降は1つも勝てずに引退したため、「史上最強の一発屋」などと称されることになります。 ただ、その前に金杯(西)を勝っていますので、一発屋というのもちょっとかわいそうですね。


2025年9月11日木曜日

アルママ・ナイママの名前の由来は仏教って本当?

■2020/01/04 アルママ・ナイママの名前の由来は仏教って本当? 
■2023/03/10 禅僧が書いた『ないがままで生きる』という書籍があった! 
■2025/09/11 重賞5勝G1・1勝の名牝の子が全然走らず 兄弟で通算中央2勝!

■2020/01/04 アルママ・ナイママの名前の由来は仏教って本当?

 アルママ・ナイママって変な名前だなと思っていたら、由来がOur Pleasure 2018年10月号 馬恋慕(河村清明)に載っていました。
 岡田繁幸さんによると、「お釈迦様の言葉が由来」だとして、以下のように説明していたそうです。

「お釈迦様の教えを弟子たちが経典にまとめようとした時に『そんなことはしなくていい。すべてはあるがままに受け入れるしかない』と言われたそうなんです。馬名を決める頃、自分は体調を崩していて、あるがまま、ないがままを素直に受け入れなければ体が保たんぞって思ったんです。そういう生き方に近づかなければダメだって、自分を戒いましめる意味合いを込めて、アルママ、ナイママって名前を選びました」

 「あるがまま」ならわかったんですけど、「アルママ」ってやっぱちょっと妙な感じ。さらに、ナイママの場合は、上記のエピソードにある話「そのまま」ではなく、ここから派生してつけた名前のようでした。

  ところで、このインタビューの時点では、岡田さんはアルママに期待していた感じで、デビュー前の扱いもそうでしたね。G1ヴィクトリアマイルの勝ち馬ホエールキャプチャの子ということで、ビッグレッドでは珍しい良血。父も普通にオルフェーヴルという良い種牡馬。こりゃ1億円以上だろう…と思ったら、 1億8,360万円 (2016年 セレクトセール)でした。ただ、現時点では1勝で鳴かず飛ばずとなっています。
 一方、このときはおまけ程度の扱いだったナイママは結構頑張っています。地方所属時代にコスモス賞1着、札幌2歳Sを2着。この時点では期待できそうな感じでした。ただ、その後、札幌開催が終わり、五十嵐冬樹騎手から柴田大知騎手に乗り代わってからはいまいち。中央入りしても復活していません。アルママよりは活躍しているんですけどね。
 あっ、値段を見るのを忘れていました。648万円 (2017年 北海道サマーセール)とやすかったにも関わらず、すでに獲得賞金4000万円の活躍です。近親に活躍馬はおらず、父もダノンバラードという地味馬。良血よりこっちの馬の方が岡田繁幸さんらしくて好きですね。

■2023/03/10 禅僧が書いた『ないがままで生きる』という書籍があった!

 「ナイママ」の方は元の仏教の話から派生した感じとしていたら、普通にお坊さんも言っているのか、ズバリ『ないがままで生きる』というお坊さんが書いた書籍があることを知りました。書籍の発売は2016/1/7。ナイママのデビューの2018年より2年くらい前ですね。

ないがままで生きる』(玄侑 宗久)



<この本では、「無分別」「無常」「無我」「無心」という仏教の智慧、また「無為自然」に象徴される老荘思想、そして「無限」では、秩序や必然が、いかに人間の自由に関わるのかを考察してみた。いずれも人間そのものの、最も平和な在り方についての話である。日本で成熟した仏教や禅、老荘の考え方に、今だから触れてほしい>

<玄侑宗久(げんゆう そうきゅう)
昭和31年(1956)、福島県三春町生まれ。慶應義塾大学文学部中国文学科卒業後、さまざまな仕事を経験。その後、京都天龍寺専門道場に掛搭。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。僧職のかたわら執筆活動を行ない、平成13年『中陰の花』で芥川賞を受賞。また、平成26年には東日本大震災を被災者の視点で描いた『光の山』(新潮社)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞>
 
 レビューを見ると、<禅僧であり小説家でもある著書が、「あるがまま」の先を行く「ないがまま」を提唱し、それをエッセイとして展開して行きます>といった話がありました。
 「ないがまま」は老子の思想を思わせるところも個人的にはあったのですが、上記の書籍紹介で出ているように、この書籍内でもそういった話はあるようで、同じレビューアーが以下のように書いている部分があります。

<老荘思想に見る、「あくまで受け身、それも強靭なまでの受け身の姿勢」や、仏教の観音思想にある、「状況の変化に応じて自らを無限に変化させ、それを楽しもうという態度」といった辺りに、対処力に特化した極意を感じました>

 別のレビューアーは「あるがまま、には無理があるから」という興味をそそらせるタイトルで、以下のように書いていました。よく用いられる「あるがまま」という言葉よりも、あまり聞かない違和感を覚える「ないがまま」の方が無理がないのかもしれません。

<玄侑氏は「あるがまま」という言葉に戸惑うという。人間にはいろいろな面があり、「自分」の幅も広い。仏教は人間を六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天道) の幅で、「どの状態になってもその人」と見る。
 状況によって人は悪魔にも天使にも変わるのに「あるがままでいいんだよ」と言われても、どのあたりの自分でいいのか。
 最近は子どものときから「個性を伸ばす」などと言われるけれども、「私という個性はこう」と自分を統一することには無理がある。
 そもそも、自分の考えも喜怒哀楽も、青空にポッカリ浮かんだ雲のようなもので、「ない」のがもともとの状態。
 そう考えて、「ないがまま」という言葉を造ったという>

 したがって、「自分がどういう人間か」という「個性」の「あり方」を探すのは無理があるということに。一方で、確定した個性がなくとも、「私は誰でもない」というのも事実。この予測できない自分の「ないがまま」を楽しみ、無心に生きようというメッセージだと受け取ったそうです。

 ■2025/09/11 重賞5勝G1・1勝の名牝の子が全然走らず 兄弟で通算中央2勝

 ヴィクトリアマイル(G1)を勝った他、関西TVローズS(G2)、府中牝馬S(G2)、デイリー杯クイーンC(G3)、東京新聞杯(G3) を勝った名牝ホエールキャプチャ。G1・2着も3回、G1・3着も2回ということで、まぐれ勝ちG1馬タイプではない、勝利数以上の強さを感じさせた馬でした。

 ただ、牝系図を見ていて驚いたのが、産駒が全然走っていないことです。中央未勝利ではないのですけど、私が見た時点で中央で勝てたのはただ一頭でした。
 その後、これを知ったきっかけの今年のデビュー馬サトノアイボリーが新馬戦で勝利。とはいえ、重賞5勝G1・1勝の名牝の子としてはやはりまだまだ物足りないですね。

 ちなみに、私が見た時点で唯一の中央勝利馬は、他の兄弟が未勝利なのに1人で2勝したアルママでした。中央時代はビッグレッドファーム、岡田繁幸さんの馬。アルママは長男だったために、良血馬なのに走らなくて失敗という印象だったと思われますが、その後の兄弟が壊滅的だとわかった後で見ると、「さすが岡田繁幸さん!この兄弟で2勝させたなんて!」となります。個人的にはもっともっと走ってほしい血統ですどね。

 |-- ホエールキャプチャ ( 牝 2008 芦毛 クロフネ ) 7勝
 |   |    1着 - ヴィクトリアマイル(G1)、関西TVローズS(G2)、府中牝馬S(G2)、デイリー杯クイーンC(G3)、東京新聞杯(G3)
 |   |    2着 - 阪神ジュベナイルF(G1)、桜花賞(G1)、ヴィクトリアマイル(G1)
 |   |    3着 - 優駿牝馬(G1)、秋華賞(G1)、札幌記念(G2)、府中牝馬S(G2)、KBSファンタジーS(G3)
 |   |-- アルママ ( 牡 2016 芦毛 オルフェーヴル ) 2勝、地方2勝
 |   |-- プレイズネイチャ ( 牝 2017 鹿毛 キングカメハメハ )
 |   |   `-- オーサムピクチャ ( 牝 2021 鹿毛 キズナ ) 地方2勝、中央現役
 |   |-- トーセンマッシモ ( セ 2018 芦毛 キングカメハメハ ) 地方14勝
 |   |-- ヘブンズドア ( 牡 2019 鹿毛 オルフェーヴル )
 |   |-- アオイテン ( 牡 2020 芦毛 ロードカナロア )
 |   |-- サトノリアン ( 牡 2021 鹿毛 キズナ ) 地方2勝、中央現役
 |   |-- マザーズウィル ( 牝 2022 鹿毛 キズナ ) 中央現役
 |   |-- サトノアイボリー ( 牡 2023 芦毛 エピファネイア ) 1勝、中央現役
 |   `-- ホエールキャプチャの2024 ( 牡 2024 鹿毛 エピファネイア ) 
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2023105380/


珍名馬・群馬県示すツルマウカタチ(つる舞う形)、カワ、タキ VS シャトーディフ、クルミナーレ

■2023/09/15 珍名馬・群馬県示すツルマウカタチ(つる舞う形)、カワ、タキ VS シャトーディフ、クルミナーレ


■2023/09/15 珍名馬・群馬県示すツルマウカタチ(つる舞う形)、カワ、タキ VS シャトーディフ、クルミナーレ

 最近珍名馬がいなかったので、久しぶりの更新。デビュー馬はむしろ増えている感じなのに、珍名馬が減っているというのは不思議。夏競馬の方が珍名馬が多い…みたいなのあるんですかね?

 とはいっても、今週も珍名馬は少なく、おもしろ系よりは変わっていて、普通の意味で珍しいなという馬がちらほら。その中で一番変わっていると思ったのは、わりと人気になりそうなツルマウカタチですね。
 私はこれ、最初、以前活躍馬を出した冠名の「ツルマル」と誤読。で、どこで切るの?と悩み、「ツル+マウ+カタチ」で「鶴舞う形」(鶴が舞う形)かな?と思います。これなら意味が通じしますね。
 しかし、私が知らないだけで「つるまう」という動詞があるのかも…と検索。すると、<群馬の由来と歴史~“つる舞う形”ができるまで~ - まっぷるトラベルガイド>というページがヒットしました。群馬県民には群馬県を示すワードとして定着しているんだそうです。

<上毛かるたで「つる舞う形の群馬県」と詠まれているように、群馬の形は鶴が羽ばたく形に見えます。群馬県の南東部がくちばしで、上下(南北)に翼を広げて羽ばたいているシルエットです。群馬県民ならみな「県の形は鶴の形」と答えるこの形になるまでには、さまざまな変遷がありました。>
https://www.mapple.net/articles/bk/9610/

 公式の馬名説明では「鶴舞う形。上毛かるたより」とのこと。上毛ってのがそもそも群馬県のことじゃなかったっけ?と思ったらそうですね。1947年(昭和22年)12月に群馬文化協会が初版を発行した [1] 郷土かるただそうです。
 馬主は星野 壽市(じゅいち)さん。鉄のスクラップ加工、産業廃棄物処理などを手がける三栄商事株式会社代表取締役会長。てっきり群馬県出身なんだと思ったら、金物で有名な新潟県三条市出身。しかし、やはり会社などは群馬県でした。そもそも所有馬に「上毛かるた」のフレーズを使用していることで知られている馬主さんなんだそうです。知りませんでしたわ。

「上毛かるた」由来の所有馬
「上毛かるた」由来の馬名は1世代につき1頭名付けている[4]。

アサマノイタズラ[5]
「浅間のいたずら 鬼の押し出し」より
エンギダルマ[6]
「縁起だるまの少林山」より
ココロノトウダイ
「心の灯台 内村鑑三」より
テンカノギジン[7]
「天下の義人 茂左衛門」より
ヘイワノツカイ
「平和の使徒 新島襄」より
ライトカラカゼ
「雷とからっ風 義理人情」より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E9%87%8E%E5%A3%BD%E5%B8%82

 他に気になった馬名はカワ、タキといういずれもシンプルネームな馬名。珍名と言って良いかどうか迷うところですが、珍しいことは間違いないでしょう。てっきり同じ馬主さんだと思ったら、それぞれTNレーシング、(株)スリーエイチレーシングと異なります。ちなみにタキの方はPOG指名馬でもあります。
 馬名意味はそれぞれ「カワウソの女の子より」「人名より」となっていました。「カワウソの女の子より」というのは、検索してみると、多摩動物公園に以前カワちゃんというカワウソがいたとわかったのでそれが由来でしょうか。他の動物園でもありそうな名前ですけど…。

 3頭だけなので、好きな馬の話も。同じレースでぶつかるシャトーディフ、クルミナーレがともに近親がすきな馬です。
 シャトーディフはソングラインの姪っ子というべきなのですけど、私的にはルミナスウイング、モンローブロンド、Attractionなどの近親という血統。大好きな血統で、なおかつ成功して活躍馬の多い血統ですね。それなのによりによってソングラインなど、活躍している馬をことごとく指名できていないのは私らしいです。
 クルミナーレの方は勝ち上がり率の高いクロウキャニオンの子。キラウエア、ヨーホーレイクなどが活躍しています。が、これも私が指名したときの馬はあまり走らない…という見事な逆神状態に。今年は指名しましたので、また走らないかもしれません。


2025年9月10日水曜日

長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?

■2016/3/5 長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?


■2016/3/5 長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?

 タイトルは、<長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?>としました。ただ、マイラーというよりは中距離馬といった方が良い感じ。とはいえ、サドラーズウェルズ系の馬は長距離イメージがありますので、中距離であったとしても意外でしょう。日本でのサドラーズウェルズ系もテイエムオペラオー、メイショウサムソンといった長距離馬が主体でした。

 この話を知ったのは、Enjoy Ruffian 2011年9月号 ザ・ブラッド 血統表を紐解く!〈3〉(T.I.S)という話。以下のように書いています。

<意外なことに自身の競走成績に12ハロン(2400m)以上の勝ち鞍はない。そればかりか2 歳時には8ハロンのG2ベアスフォードS を制し、これを含めた全6勝はG1エクリプスSやG1 愛チャンピオンS など10ハロンまでで挙げたもの。2400mのG1 仏ダービーはダルシャーンの2 着、12ハロンのG1キングジョージはティノーソの2 着と善戦どまりだった。キャリアだけを眺めるとマイラーのそれである>

 私がマイラーというよりは中距離馬と感じたのは、以下の戦績からです。良績は10ハロンが多いですよね。

主な成績
着順     日付     レース名     競馬場     芝ダ     距離     1着馬(2着馬)
1     1984     愛2000ギニー GI     IRE     芝     8.0F     
1     1984     エクリプスS GI     GB     芝     10.0F     
1     1984     フィーニクスチャンピオンS GI     IRE     芝     10.0F     
1     1984     愛ダービートライアルS GII     IRE     芝     10.0F     
1     1983     ベレスフォードS GII     IRE     芝     8.0F     
2     1984     仏ダービー GI     FR     芝     2400     
2     1984     Kジョージ六世&QエリザベスS GI     GB           12.0F     
2     1984     グラッドネスS L     IRE     芝     7.0F
(Sadler's Wells(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)より)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000336572/

 海外の種牡馬でおもしろいのが、戦績が良くない中から名種牡馬が生まれることだと思います。サドラーズウェルズの場合は上記のように10ハロン、8ハロンのG1を3勝しており、G1未勝利といった成績ではなく、正直、意外性はありません。
 ただ、T.I.Sさんによると、現役時代はやや落ちる馬だと見られていたといいます。

<同厩舎にいたエルグランセニョール(父ノーザンダンサー)には直接対決(グラッドネスSで2着)でも敗れたように頭が上がらず、それ故に英ダービーへの参戦も叶わなかった。落ちこぼれとまでは呼べないものの、種牡馬としての比類なき成功は意外性の賜とも言えそうだ>

 なお、ここまで長距離というのを強調しましたが、系統からはマイルでの名馬も出しており、幅広くなってきました。
 日本では今ひとつなのですけど、世界的には本当に歴史に残るものすごい成績を残した種牡馬ですし、この系統はこれからも続いていきそうです。
 


2025年9月9日火曜日

意外にもデビュー戦はすごい追込だったマイネルバサラ

■2018/12/18 意外にもデビュー戦はすごい追込だったマイネルバサラ
■2018/03/05 ムスコローソはエガオヲミセテの近親でG1にも出走
■2017/06/23 POG注目:エアデジャヴーの2015、近親にエアシャカール
■2017/06/23 エアシャカールの近親ではワールドビーターも気になる
■2012/10/22 好き馬:エアキリヤン、エアパグナスの兄弟も好きだったエアソミュール
■2013/3/16 エアグルーヴ最後の子ラストグルーヴ、ラストウィーク新馬戦で勝利
■2018/03/13 リノリオ、障害デビューするも4番人気で見せ場なく10着
■2017/06/23 POG注目:アエラス(シャトヤンシーの2015) 近親にオリービン、ハングリージャック
■2013/1/20 ハングリージャックに競走馬として決定的な弱点が発覚 「前の馬を抜きたくない」




■2018/12/18 意外にもデビュー戦はすごい追込だったマイネルバサラ

  デビュー前から注目していたマイネルバサラは初戦、ものすごい差し脚を見せて勝っています。そのとき書いていたのが、以下の投稿です。
 マイネルバサラはデビュー戦とは打って変わって、ときには逃げも見せる先行馬になりました。ただ、読み直してみると気性の難しさが言われており、そこらへんの関係なのかな?と思いました。

2015/6/21  豪脚を見せて差し切ったマイネルバサラ、過剰評価か?

  当初はかなり期待していたのですが、ゲートがあまりうまくない上に、調教がパッとしない感じ。正直ダメかな?と思いました。ほとんど情報もなく、ネット競馬の掲示板もいつまでたってもゼロ。なので、前売りで7番人気だったのを見て、意外に評価されてる!と思ったくらいです。(最終的には11番人気まで落ちたようです)
 で、「これなら掲示板書き込みあるかも」と見に行ったらまだなし。最終的にレース前には1件だったようです。

-----引用 ここから-----
[47] てんぐさん
この馬レース終わるまで書き込み一件だったのかw
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2013101861
-----引用 ここまで-----

 前述の通り、注目していた馬でしたので、レース見て大興奮。嬉しかったですわ~。そして、掲示板がまた大盛り上がりしていて、また嬉しい。一気に55件まで増えました。お気に入りも増えたようです。

-----引用 ここから-----
[44] オムライサーⅡ世さん
お気に入り登録数激増ワラタ
-----引用 ここまで-----

 掲示板の盛り上がりをどうぞ。

-----引用 ここから-----
 [55] 紅はこべさん
凄いデビュー勝利になりましたね(* ̄∇ ̄)/゚・:*【祝】*:・
見えないところから来てビックリした(笑)

Newnameさん [54]
最内から大外持ち出してからのあの末脚だからなあ
スムーズに競馬したらかなり強いかもね

よーちゅけさん [53] よーちゅけさん
ブロードアピールやん笑

[39] グッチさん
完全に前にいた馬が脚が上がっていたとはいえ凄い脚でしたね^ ^
馬券は買ってなかったけど思わず声が出ちゃいました(^o^)

[36] てんさん
余計な事しやがってって思ったが、最後の脚はすごかった
-----引用 ここまで-----

 好きなブロードアピールの名前がちらほら出ていて嬉しいですね。ここじゃないですが、今年見たレースで一番すごかったとも書いている人もいて、鼻が高いです。

 ただ、「完全に前にいた馬が脚が上がっていた」という言及があります。他にも極稀にその指摘がありました。でも、上がり1番じゃん!と、私は強調したく思いました。が、よく見ると、1番じゃありませんでした。

着順    馬番    馬名    後3F
5    16    ナンヨーファミユ    37.1
1    2    マイネルバサラ    37.9
4    14    ジュンザワールド    38.4
11    5    リワードデュラン    38.7
10    10    エフディサンゼン    38.9
http://race.netkeiba.com/?pid=race&id=c201505030606&mode=top

 ちなみにラップタイムとコーナー通過順位はこちら。

12.7    10.9    11.6    12.0    12.4    12.9    14.1
4コーナー     (*1,6,9)-15-4(8,14)2,13=12(7,16)11,10-(3,5)

 うーむ、こりゃ過剰評価かもしれませんね。応援馬なので信じたいところですが、ハマって強く見えただけパターンな気がします。あと、コメント見ていたら、調教の話出ていましたね。

-----引用 ここから-----
 [29] オムライサーⅡ世さん
馬サブロー新馬調教Dで来た馬初めて見たわwしかも一番難しい方法で勝利wどういうことなの・・・
-----引用 ここまで-----

 調教では引っ掛かっていて、最後脚上がっていたらしいです。だから悪かっただけという話ですが、これは気性に難しさがあるということでもあります。
 今回は課題のゲートも折り合いも両方うまく行ったんですが、乗り難しいタイプと思われます。ここらへんも注意ですね。


■2018/03/05 ムスコローソはエガオヲミセテの近親でG1にも出走

 言うほど好きじゃないのですけど、同じページにエアグルーヴ関連の話(エアグルーヴ最後の子ラストグルーヴ、ラストウィーク新馬戦で勝利)を追加したかったので、ムスコローソの話を。
  本当に好きだったのは、「エガオヲミセテ」。すてきな名前でした。でも、事故で亡くなるという不幸なことになってしまうという悲しいことに。
 その近親を!ということで、ムスコローソをPOG指名。ただ、近親ではエガオヲミセテよりはエガオヲミセテの弟のオレハマッテルゼの方が有名。そして、何と言っても一族ではエアグルーヴ(エガオヲミセテから見るとおば?)が最も有名。ダイナカール一族ですね。
 ムスコローソは、エガオヲミセテの妹ルナレガーロ の長男。父は珍しいヘニーヒューズですけど、2勝して朝日杯フューチュリティステークスにも出ました。頑張ってます。


■2017/06/23 POG注目:エアデジャヴーの2015、近親にエアシャカール

 母も活躍したエアデジャヴーの2015年度産駒は牝馬になりました。父親は予想外の成功を収めているルーラーシップ。アイドリームドアドリーム一族では最も注目されている馬です。

 私にとっては、エアソミュールやエアキリヤンの近親なのですが、エアシャカール、エアメサイア、エアシェイディの近親といった方がいい馬。こう名前を挙げているのでわかるように、活躍馬が多く出ている血統です。
 他の近親では、エアスピネルがPOG指名でなおかつ活躍した馬でした。なおかつ一族としての勢いは近年も持続しています。

2018/03/05追記: 名前はエアシンフォニー。12月の新馬戦を2番人気で一発勝利。期待されて2戦目の500万下も2番人気でしたが、8着。ただ、まだ期待が持てそうな感じです。



■2017/06/23 エアシャカールの近親ではワールドビーターも気になる

 前述の通り、エアソミュールやエアキリヤンが好きなので、私が一番好きなのは彼らの下になる エアラグーン産駒のワールドビーター。
  父はこれも大好きだったジャングルポケットであり、エアソミュールの全弟になります。
  馬主が変わって、岡浩二さんという方になったのは気になるのですが、引き続き応援していきたいと思います。

2018/03/05追記:ワールドビーターは3戦して勝ち星なし。あと、「ぴーたー」だと思っていたら「びーたー」だったことに今気づきました。



■2012/10/22 好き馬:エアキリヤン、エアパグナスの兄弟も好きだったエアソミュール

 以前のブログで2012/10/22に投稿していたもの。

 エアキリヤン、エアパグナスと2頭続けてPOG指名したエアラグーンの子。
 エアラグーンは僅か1勝で別にすごくも何ともないんだけど、母がアイドリームドアドリーム。

 つまり、エアシャカールの兄弟(全妹)ということで、結構良血。近親にはエアシェイディ、エアメサイアいて、他のところは活性で、エアラグーンはイマイチという感じでした。


 1つ上のエアガガだけはPOG指名しなかったんだけど、続けて大好きなジャングルポケットで今度は牡馬。しかも、角居勝彦厩舎なのに何かあまり注目されていなかったようなので、天邪鬼な私は指名を決定しました。
 初仔のエアキリヤンは地味に走ってくれた(3勝)し、大好きでした。


 前評判が高くなかったこともあり、エアソミュールのデビューは、やはり特にすごく人気ということもなく、まずまずな感じ。
 しかし、2走目3着が評価されて3走目1番人気で勝ちあがりました。



 昇級してからはすっかり評価が高くなり、いきなり2番人気。
 ここは5着も次で勝ち上がり。



 その次は重賞の毎日杯だったんですが、5番人気でオッズも一桁。期待しちゃっいました。
 
 でも、ボロクソで、二桁着順。
 この岩田康誠騎手の騎乗が酷かったと言われて、馬のリズムを崩した、ダメにしたという評。
 どんな競馬か忘れちゃったけど、私も見ていてこりゃーないと思った気がします。



 その次にもまた2番人気するけど、やはり大敗。
 もう駄目になってしまった……と思いきや、



 休み明けの前走は良いところ見せました。





 ただ、これもよく覚えていないが、武豊騎手の騎乗には不満があった気がします。
 いつもは中団くらいにつけるのに後方からで、届かんわぁと思ったような?


 で、今回。再び武豊騎手。

 今回はあまりしていなかった先行……と言うか、折り合ってなくね?という。
 道中ずーっと口開けて走っていて、おい、こりゃダメだろう……と思っていたら、4角の時点でグイグイと前へ。

 ん、あれ、ひょっとして余裕ある?と思ったら、やはりそのまま直線は余裕で楽勝。

 本当はすごく強いのかもしんない…と思いました。


 掲示板でも大盛り上がり。

-----引用 ここから-----

http://db.netkeiba.com//?pid=horse_board&id=2009105742

[254] PonAsiaさん

~レース後のコメント~
 1着 エアソミュール(武豊騎手)
 「能力はあります。抜け出してからも遊んでいたくらいですし、あとは気性だけですね」
 http://keiba.radionikkei.jp/keiba/news/entry-223152.html
--------
強い競馬で力のあるところが見れてよかったです。
後、前走すぐに結果出ませんでしたが、続けて騎乗依頼、角居先生ありがとうございます。このコンビ継続お願いします。



 [253] かじいさん


このクラスでは格が違った!母の兄エアシャカールの血を受け継いでるなぁ。あの気性の荒らさは、爆発すれば圧勝する。

年内に重賞戦線に躍り出るかも!
角居さん!豊載せ続けてや!


[251] お父さん・・・さん


前走は折り合ったけど後方すぎて届かず
今回は前できちんと折り合ったとは言えないけど上手く我慢させて上がり最速、完勝。
気性は相変わらずネックですがそこが改善されれば準OPでも楽しみですね。


 [250] フェンダーマスタングさん


さすがの豊さんでも今日の競馬は驚いたはず。本当に凄かった。


 [247] フェンダーマスタングさん


スタートからあんなにかかりまくって、毎日杯の様な大惨敗を覚悟しましたが、そこからあの4角の動きはなんでしょう笑怖

いぐらいの闘争心を感じました。(実際に顔は怖かったですけど)
あんな競馬で勝つなんてゲームの世界。信じて追いかけてきて良かったです。




 [244] スネークたれ蔵さん


毎日杯の騎手の騎乗が酷すぎたからねぇ。よく勝たせたね。おめでとう。


 [241] アーリューマーさん

強い。4コーナー手前で一気に先頭へ。そのまま押し切り勝ち。

武豊騎手も前のレース落馬の影響は全く無しで、見事な騎乗。


 [240] Thunderbirdsさん


強かったですね


 [239] WINSのおっちゃん観察さん


これ強いなぁ
4角までずっと折り合いを抑え付けてて快勝とは
気性を考えたら現状は距離はここらが限界ですかねぇ・・・


[238] キットベイリーさん

外回りでもコーナー4つ。なんとか御して、快勝。陣営の条件選択はズバリですね。コントロールはまだまだですが、ユタカJのしんどい釣りバミ、本当にお疲れさまでした^^さすがです。



Wilmotsさん [237] Wilmotsさん


これは力が違ったなぁ。
掛かりっぱなしなのが不安要素だが、力は十分あるな。


イシヤマさん [236] イシヤマさん


勝ってよかった
難しそうな馬だけどこれは上でも通用するね


ヤスジマさん [235] ヤスジマさん


かかり通しでしたが豊さん我慢してましたね
本格化すればすごい楽しみな馬になりますね
豊さんとのコンビで大きいところ勝ってほしいですね

-----引用 ここまで-----


 いや~ん、そんなに言われると期待しちゃいますわ。
 そういえば、お父さんのジャングルポケットも口割って走っていて気性悪くて、「でも、おい、強いな、これで勝っちゃうのかよ?」と思って好きになった馬。

 大好きだわ、こりゃ。





■2013/3/16 エアグルーヴ最後の子ラストグルーヴ、ラストウィーク新馬戦で勝利

  最終日とは最後の新馬戦とはなりませんでしたけど、十分出来すぎた話。

-----引用 ここから-----
【阪神新馬戦】3億6000万円の超良血 ラストグルーヴ間に合った

 <b>3歳新馬戦は今週で終了する</b>が、オーラスにこの世代の真打ちとでも呼ぶべき超良血が登場する。土曜阪神6R(芝1800メートル)に出走するラストグルーヴ(牝=藤原英)。父ディープインパクト、母エアグルーヴという年度代表馬同士の夢配合。11年セレクトセール1歳セリで、セール歴代3位となる3億6000万円(税抜き)の高値で取り引きされた。【土曜阪神6R】

[ 2013年3月15日 06:00 ] スポニチ
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/03/15/kiji/K20130315005395630.html
-----引用 ここまで-----

 驚きなのが稽古の相手。

-----引用 ここから-----
 13日の最終追いはCWコースの併せ馬。準オープンのダノンミルを従え、しぶとく伸びて最後まで抜かさせず首差先着した。騎乗した福永は「まだ走りに集中しきれていない」と辛口評価も「乗った感じはいい。まだ馬体も緩く晩成の印象だが、出走態勢は整ったと思う」と及第点の評価。藤原英師は「体質が弱くデビューがここまで延びた。長い目で見てほしい」とした上で「能力は間違いない。全てがいいから、これだけの値段になった」と胸を張る。初陣の走りに注目だ。
-----引用 ここまで-----

 ダノンミルは今は準オープンですけど、3歳のときには重賞でも人気した馬で能力は高いです。

-----引用 ここから-----
【新馬戦】ラストグルーヴいざ出陣
2013年3月13日 デイリースポーツ

 体質的な弱さからデビューは遅れたものの、藤原英厩舎らしくここまで入念に乗り込みを消化。「牧場でも緩めずに乗られていたし、じっくりとやってきた。キャンターでもバネがあり、ディープらしさを感じる。これからもっと良っていくと思いますよ」。つまずくことなく勝ち上がれば、オークス(5月19日・東京)には間に合いそう。初戦でどんなパフォーマンスを見せるか、注目だ。
http://www.daily.co.jp/horse/2013/03/13/0005809367.shtml
-----引用 ここまで-----

-----引用 ここから-----
【新馬戦】超良血馬ラストグルーヴ待望デビュー
待望のデビューとなる超良血馬のラストグルーヴ

 待望の超良血馬が、いよいよターフにお目見えだ。母は97年の年度代表馬のエアグルーヴ、父はディープインパクト。大きな期待を背負ったラストグルーヴが、16日の阪神6R(芝1800メートル)でデビューする。「(最終週の)新馬戦を目標に乗り込んでやってきた。順調にきている」藤原英調教師は力強く言った。

(略)「最後の新馬戦にようやく間に合った。能力があるのは確か。その能力を出し切れるように、今まで体の成長を待っていた」とトレーナー。ここから新たな伝説が始まるかもしれない。
(2013年3月15日06時01分  スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130314-OHT1T00193.htm
-----引用 ここまで-----

 体が弱いので仕方なくでもありますが、どうせなら!と藤原調教師もラストウィークを狙ったんじゃないですかね?

 で、結果です。

-----引用 ここから-----
ラストグルーヴ鮮烈なデビューV/新馬戦

 超良血馬ラストグルーヴ(牝3、藤原英)が鮮烈なデビュー勝ちを決めた。

 中団外めから4角をまわると、スリーベラミと馬体を並べて直線へ。福永騎手が左ステッキを入れると、グンと加速。1馬身1/4差でゴールを切ると、場内からは拍手が起きた。父はディープインパクト、母は名牝エアグルーヴという最高の血統馬の乗り味を、鞍上も絶賛した。「レースがうまくいったこともあるけど、エンジンが違っていました。今の段階でこの勝ちっぷりですから、楽しみですね」と目を輝かせる。藤原英師も多くの関係者に祝福され、「みんなに喜ばれる馬を預かるのは光栄やな」と満面の笑みを見せた。

 [2013年3月16日19時26分]
http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20130316-1098681.html
-----引用 ここまで-----

-----引用 ここから-----
着順    枠番    馬番    馬名    性齢    タイム    人気    単勝オッズ    後3F
1    8    15    ラストグルーヴ    牝3    01:49.9    1    2.2    34.5

3コーナー     (*9,10)12(3,2)15,7(16,14)(4,13)(6,8)5=1 11
4コーナー     (*9,10)12(3,2,15)(7,16,14)(4,13,6)8,5=1 11

http://race.netkeiba.com/?pid=race&id=c201309010706&mode=top
-----引用 ここまで-----

 当然勝利です。

 体質が弱いってことですからクラシックには乗らなそうですけど、この後も話題になるとおもしろいですね。

 ラストという名前からすると、尾張ステークスあたりがおもしろいんですけど、やっぱり有馬記念に出るような馬になってほしいです。




■2018/03/13 リノリオ、障害デビューするも4番人気で見せ場なく10着

 ガンダーラプソディという馬の産駒を何度かPOG指名しています。もともとは最初の子のディジュリドゥーを、未勝利かなにかで気に入ったのがきっかけ。その後、イコピコ、リノリオを指名しました。勝ち上がったので、そこそこ走っています。
 で、その3頭の中では一番下のリノリオが1000万下で戦績が振るわずについに障害デビュー。しかし、最初から後方。もともと差し追込の馬。障害初戦で仕方ないと思ったのですが、4番人気だったのに最後まで見せ場なく10着で終わってしまいました。
 でも、近親をまたPOG指名したいなぁと思っています。

■2017/06/23 POG注目:アエラス(シャトヤンシーの2015) 近親にオリービン、ハングリージャック

 ハングリージャックはPOGに指名した馬で、お気に入りでした。が、同じシャンクシーの子では、弟のオリービンが出世頭で 、 アーリントンC(G3)2着などの戦績を残しています。一族でも一番稼いだ馬でした。
 実を言うと、この一族でほとんど今年デビューの馬はいません。唯一と言って良いのが、シャトヤンシーの2015。オリービンの甥にあたります。

 注目度抜群というよりは穴馬的な感じなのですけど、父は注目のロードカナロア。ロードカナロア産駒の活躍次第ではおもしろいと思われます。
 また、母 シャトヤンシーは2勝馬でまずまず走った馬。私がこの血統を気に入ったのも、もともと地味に勝ち上がっており、そろそろ来るのでは?と思ったためです。
 結果、ハングリージャックが結構活躍してくました。まあ、本当の当たりはその下のオリービンだったというオチではあったのですけど…。

2017/09/06追記:馬名登録されたみたいですね。 アエラスになっていました。ギリシャ語で「空気」という意味とのこと。シンプルで走りそうな名前です。


■2013/1/20 ハングリージャックに競走馬として決定的な弱点が発覚 「前の馬を抜きたくない」

 以下、過去のブログで書いていた話。

 POGで指名したことある馬で、好きなハングリージャック。レースはデビューからずっと見ています。
 プロフィールはこんな感じ。

-----引用 ここから-----
生年月日     2007年03月31日
調教師     加藤征弘
馬主     吉田照哉
生産者     社台ファーム

フジキセキ  サンデーサイレンス
       ミルレーサー
シャンクシー  Zilzal
       Rich and Riotous

http://db.netkeiba.com/horse/2007102785/
-----引用 ここまで-----

 そんな彼に競走馬としては、決定的な弱点が先日発覚しました。

-----引用 ここから-----
[270] ゴンタさん

師のコメントでは前の馬を抜きたがらないとの難しい気性を抱えているようです。

2013年01月05日 17:25:52

http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2007102785
-----引用 ここまで-----

 ちくしょー、かわいいなぁ。ダメな子かわいいわ。

 でも、競馬やるのに前の馬抜きたくないって、ダメダメですね。勝てません。
 もともと前へ行く馬ですけど、もう逃げるっきゃないんでしょうか?
 とは言っても、そこまでのスピードはないと思います。本当ダメな子。

 でもですね、このコメントの後のレースでは勝っちゃいました。
 長いことやっていた1000万条件でやっとこ勝利。

 しかし、彼はもう6歳。
 もっと高齢の馬も珍しくありませんけど、彼のこの困った性格からすると勝利はこれで最後かもしれません。

通算成績  18戦4勝 [4-3-3-8]



2025年9月8日月曜日

珍名馬イツモニコニコ、ウマピョイ、ニャンニャン、パクパクデスワ、ジンセイ、ジンセイハオマツリ

■2023/09/01 珍名馬イツモニコニコ、ウマピョイ、ニャンニャン、パクパクデスワ、ジンセイ、ジンセイハオマツリ
■2023/08/18 珍名馬ジンセイ、ピカリ、ハテナビト。アカキチノイレブン、キミハスコール VS ショウナンサクレツ、ラヴスコール
■2021/06/04 クロニクルノヴァはおばにノームコア、クロノジェネシス


■2023/09/01 珍名馬イツモニコニコ、ウマピョイ、ニャンニャン、パクパクデスワ、ジンセイ、ジンセイハオマツリ

 先週以上に今週はピンとくる名前の馬がいなくておやすみにしようかと思ったのですけど、いい名前の馬がいました!
 その名もイツモニコニコ。珍名ですが、いい名前でもありますね。好きです。
 商売人っぽさも感じて馬主さんを確認。大田恭充さんという方。他の馬を見ると、ウマピョイ、ニャンニャン、パクパクデスワなど珍名馬の宝庫。代表馬はドスハーツという馬ですが、知らない馬でした。

 今週デビューの馬としてはもう1頭、ジンセイ。これも珍名馬だけでなく、味わいのある名前です。
 ただ、人生ではなく、辻仁成(つじじんせい、作家、ミュージシャン)である可能性も考えて馬名意味を調べておくことに。すると、普通に「人生」でした。
 検索では過去の馬もヒット。「ジンセイハオマツリ」もおもしろい名前の馬でしたね。


■2023/08/18 珍名馬ジンセイ、ピカリ、ハテナビト。アカキチノイレブン、キミハスコール VS ショウナンサクレツ、ラヴスコール

 8/19土曜日の新馬の馬名。好きなのは、ショウナンサクレツ、ラヴスコールといったあたり。
 珍名らしい珍名はなぜか全然いませんけど、目についたのは、アカキチノイレブンとキミハスコール。ともに最初どこで区切って読むのか迷った名前。それぞれアカ+キチ+ノ+イレブン、キミハス+コールと読んでしまい、どういう意味?と思いました。でも、たぶん「赤き血のイレブン」と「君はスコール」といった区切り方でしょうね。

 このうち「赤き血のイレブン」は、昔のサッカー漫画。主人公のモデルは日本代表にもなった永井良和さんで、アカキチノイレブンの鞍上を出馬表を見たときに「永野」だったので「惜しい!」と思ってしまいました。そもそも騎手だと永井騎手って聞いたことないですし、現状最も惜しいチョイスかもしれません。

 日曜日の方が珍名っぽい馬が多いかな。ジンセイ、ピカリ、ハテナビトあたりが変わった感じです。
 あと、気になったのが、ザロックという馬。「ザ・ロック」なら名馬ロックオブジブラルタルの愛称と同じ。で、血統を見たのですけど、父はゴールドアリュール産駒のコパノリッキーで、特にロックオブジブラルタルとは関係なさそうでした。




■2021/06/04 クロニクルノヴァはおばにノームコア、クロノジェネシス

 2021/06/05の中京新馬戦。  バウンスシャッセ、コントラチェックなど、近親に活躍馬の多いラクスバラディーが人気。父はドゥラメンテ。
 新種牡馬シルバーステートのナインティゴットも人気。シルバーステートは重賞未勝利なのに予想外に種付け頭数が多いです。兄にザメトロポリタン(G1) のSeville、近親にシックスセンスがいる良血のために期待されているのかも。こういう種牡馬が成功するとおもしろい。好みのタイプではあります。
 もう1頭、クロニクルノヴァも人気しそう。こちらはキズナ産駒。おばにノームコア、クロノジェネシスがいるという良血。好きだったフサイチエアデールと同じ牝系です。

2025年9月7日日曜日

調教師バッジ偽造使用で上村洋行調教師に制裁金 説明が謎

■2024/11/09 調教師バッジ偽造使用で上村洋行調教師に制裁金 説明が謎


■2024/11/09 調教師バッジ偽造使用で上村洋行調教師に制裁金 説明が謎

 前代未聞かもしれません。聞いたことない!と思ったのが、<上村洋行調教師が調教師バッジ偽造&使用で過怠金50万円の制裁 落とし物の届け出から判明>(24/11/9(土) 16:55配信 東スポ競馬)というニュースです。

<JRAは9日、上村洋行調教師(51=栗東)に過怠金50万円の制裁を科したことを発表した。
 10月26日に東京競馬場で調教師記章(バッジ)の拾得物が届け出られたことからJRAが確認したところ、刻印されていた管理番号から上村師のものと判明。しかし、本人が別の記章を着用していたことから事情を確認した結果、紛失防止のため業者に依頼して記章の偽造品を作製し、使用していたことを認めた。>
https://news.yahoo.co.jp/articles/0db043281327d7d756e7d0d54d08047961c55e67

 レプリカが市販されてそうでしたが、わざわざ依頼して作っていたんですね。ただ、「紛失防止のため業者に依頼して記章の偽造品を作製」という説明が謎で、納得しづらいもの。「紛失したために業者に依頼して記章の偽造品を作製」という順番だとわかりやすかったんですけどね。

 この記事のYahooニュースの専門家コメントでは、ライターで競馬評論家の花岡貴子さんが、制裁は真っ当な判断であるとした上で、バッジは時代遅れなのではないか?といった指摘をしていました。
 
<競馬場等での身分の判断を記章で行うという昭和時代から変わらないアナログ的手法ではなく、IDカードや生体認証といったデジタル的手法を取り入れてはどうかと考える。これなら、警備担当者の目視に頼らずにより精度の高い身分照会が可能だし、紛失防止のために自ら模造品をつくる、といった発想には至らないのではないか。>

 そういえば、こうしたバッジでは、政治家さんの議員バッジが有名。これこそ自民党の政治家がゴリ推しているマイナンバーカードにまとめちゃった方が良いかもしれません。

 Yahooニュースのコメント欄でも花岡貴子さんと同様のコメントがありました。同じコメントは、「携帯電話の使用よりもはるかに悪質」とも書いています。その他のいくつかのコメントとともに引用しておきます。

<関係者以外の立入を管理するための身分証が簡単に偽造できてしまっては意味がないかと。管理体制そのものが前時代的すぎると思います。もし一般企業でセキュリティーカードを偽造・使用すれば厳罰を受けます。最近話題になった女性騎手の携帯電話使用もそうですが、公平性を守るために厳しい処分が儲けられています。携帯電話の使用よりもはるかに悪質ですし大問題だと思うのですが。>

<「紛失防止の為に偽造」したのに本物が拾得物で届けられるという矛盾……
 それなら本物は自宅とかに保管していなければおかしい訳で、「見あたらなくて、再発行申請(たぶんペナルティ有り)を怠って偽造したのだろう。受注する業者も業者だと思うし、他にやっている調教師もいるのでは。>

<一般の企業にも紀章バッジはあるが、これがセキュリティと紐付けされてる事はない。全てが時代に乗り遅れている。紛失のペナルティーは明らかではないが、何故こんな手間のかかる事をしたのか?意味不明。
 仲間内では当たり前になっていて、紛失しなくても忘れた時の為に他の調教師もレプリカ作ってるのではないか?ただ通し番号がある紀章は始めて聞いた。議員バッジもそうなんだろうか?>

<まあ、一般企業でも社章なくしたら売店で気軽に新しいの買えるとか気軽なもんじゃなく始末書提出だからな
調教師バッヂの場合、単なる有資格者のためのお飾りじゃなくパスみたいなものだし、紛失に関するルールがかなり厳しいのとこれまで複数回やらかしてるのとかがあって、素直に言い出せなかったのかなぁと
ただ、仮にそうだとしても誤魔化そうとするのはよろしくないね>

 一般企業の社章も管理にうるさいですよね。私のいたところでは、会社を辞めたときに返却するようにうるさく言われました。社章だけでなく、制服類も返却。社員へのなりすましや転売などを防ぐためだと思われます。


2025年9月6日土曜日

昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例

■2020/04/17 馬名変更できるんだ!カシアスがケモノ(Kemono)に馬名変更
■2024/12/16 日本でも出走後の馬名変更!名馬トキノミノルも馬名変更
■2022/05/08 昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例


■2020/04/17 馬名変更できるんだ!カシアスがケモノ(Kemono)に馬名変更

 デビュー前の馬の馬名を変更するというケースは何度か聞いたことがあったものの、すでにデビューしている馬を馬名変更できるとは思いませんでした。でも、できるみたいですね。ただ、日本国内ではなく、海外へ移籍して…というケースです。
   【海外競馬】豪州移籍のカシアス“Kemono”に馬名変更、9月1日に移籍初戦の可能性 | 競馬ニュース - netkeiba.comによると、父キンシャサノキセキ、母ラブディラン、その父ディラントーマスのこの馬は日本でカシアスとしてデビュー。2017年の函館2歳Sに勝利しています。
 ただ、翌年の NHKマイルC10着後に、豪州のダレン・ウィアー厩舎に移籍。オーストラリアデビューの前にケモノ(Kemono)に馬名変更を行った…という話でした。
  実はこれ、キンシャサノキセキのWikipediaを見ていて気づいたもの。 「グレード制重賞優勝馬」のところで「カシアス / Kemono[注釈 1] 」という書き方をしていてあれ?って思ったんですね。ここで「オーストラリアに移籍後、馬名が変更された」と書かれていました。
 こういう場合、netkeibaはどうしているのか?と思ったら、「カシアス」のまま。「kemono」で検索してもヒットしません。ただ、海外の戦績は逐次反映していないため、日本やビッグレースへの参戦があれば、情報更新されるかもしれません。一方、Wikipediaは「ケモノ (競走馬)」というタイトルにしていました。
 
 ちなみに元の名前の「カシアス」は全然「ケモノ」とは関係ない名前。「人名より」とのことでした。おそらくボクシング世界チャンピオンのモハメド・アリの本名カシアス・クレイからとったのではないかと思われます。父のキンシャサノキセキは、モハメド・アリがザイール共和国(現コンゴ民主共和国)の首都キンシャサでジョージ・フォアマンに勝ち、プロボクシング世界ヘビー級王座を奪還した際に謳われた「キンシャサの奇跡」から取られた名前でした。
 このモハメド・アリに「獣」というあだ名があったみたいな話じゃなくて、やはり新しい名前の「ケモノ」は特に関係ないのでは?と予想。モハメド・アリで有名なたとえ(?)は、「蝶のように舞い、蜂のように刺す!」でした。獣じゃなくて虫です。ケモノというのは、特に血統などとは関係なく、改名された感じがします。


■2024/12/16 日本でも出走後の馬名変更!名馬トキノミノルも馬名変更

 <馬名変更できるんだ!カシアスがケモノ(Kemono)に馬名変更>で書いていた馬名変更に関する話がニコニコ大百科の<競走馬の命名規則とは (キョウソウバノメイメイキソクとは) [単語記事]>にありました。ニコニコ大百科は出典がなく、信頼性はいまひとつではありますけどね…。

<以下、特記がない限り日本の競走馬について解説する。
競走馬名の登録にはルールが設けられており、審査を通過した馬名のみ使用可能となる。
申請した際に却下されるケースも当然あるため、申請の際には申込書に第3希望まで記載することが可能である。また、初出走後の馬名変更は現在はいかなる事情があろうとも認められていない。>
https://dic.nicovideo.jp/a/%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC%E3%81%AE%E5%91%BD%E5%90%8D%E8%A6%8F%E5%89%87

 初出走前なら1回まで変更は認められているという話もありましたが、<初出走後の馬名変更は現在はいかなる事情があろうとも認められていない>とあるので、日本ではやはり出走後の馬名変更は認められていないようです。カシアスがケモノに馬名変更の件で、私が驚いたのは当然でしたね。海外ならではのようです。
 なお、過去には日本でも変更が認められていたという話も、ニコニコ大百科ではありました。そういえば、ダービーなどを勝った歴史的な名馬であるトキノミノルが馬名変更だったという話は聞いた覚えがありますわ…。

<かつては初出走後も2歳(旧3歳)時や中央・地方移籍の時にも改名が認められており、「パーフエクト」が新馬勝ちした後「トキノミノル」に、夏競馬でデビューし8戦した「タマサン」が年明けに「ダイナナホウシユウ」に、南関東公営競馬で走っていた「ネンタカラ」が中央移籍時に「ゴールデンウエーブ」に改名した例がある。
 これ以外では例外的な事例で促音(小さなッ)や、拗音(小さなャュョ)の表記が可能になった時に、菊花賞と天皇賞(秋)を勝っていたニツトエイトがニットエイトと5歳時(旧6歳)の現役中に表記変更を行った事がある。>


■2022/05/08 昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例

 ナスルーラの直仔であるAbou Ben Adhemという種牡馬は日本に輸入されたとき、ナスアローと名前を変えられたようです。元の名前の最初は一瞬見間違えそうですが、「アロー」ではなく「Abou」。一語も合っていませんね。
 <ナスアローの掲示板 | 競走馬データ - netkeiba.com>のコメントでは、以下のような説明で同じ輸入種牡馬でナスルーラ系のキングナスルーラもそうだとしていました。ウェブではこれと同様の記述が見られるサイトがあります。

<自身の競争成績が一流とはいえないため、
ナスルーラ直仔をアピールするために登録名を変えたらしいです。
同様にInaugural Day→キングナスルーラーというのも>
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=000a000a09

 一方で、「私見ですが」として、「単に名前が難しい、もしくは名前の響きが悪いからと考えています」と書いている人もいました。ただ、飽くまで「私見」ですので、事実ということはないのでしょう。前述の情報も信頼できるソースがないことには変わりないのですが…。

<メジロアサマの母(引用者注:日本では「スヰート」)も英名はSweet Sixteenで、これは名前が長いからと思います。
'80年代にはプロ野球も名前が長い外国人選手はファーストネームで選手登録する様になりましたね。西武ライオンズのスティーブ・オンティベロス、テリー・バートランド・ホィットフィールドは2人共にファーストネームでした>

 先程のキングナスルーラーの当初の名前「Inaugural Day」は、「(米国の)大統領就任式の日」という意味。キングはこのプレジデント(大統領)からの連想かもしれませんけど、だいぶ違います。プレジデントがキングになっちゃったのは不思議な感じですね。
 一方、「Abou Ben Adhem」は英語ですらなさげ。なんとなくイスラム系の人名かな?と思いました。で、検索してみると、ポエムが出てきました。Wikipediaが存在しており、かなり有名なポエムのようです。全然「アロー」とは関係ありませんね。

"Abou Ben Adhem" is a poem written in 1834 by the English critic, essayist and poet Leigh Hunt. It concerns a pious Middle Eastern sheikh who finds the 'love of God' to have blessed him. The poem has been praised for its non-stereotypical depiction of an Arab. Hunt claims through this poem that true worship manifests itself through the acts of love and service that one shows one's fellowmen and women. The character of 'Abou Ben Adhem' is said to have been based on the ascetic Sufi mystic Ibrahim bin Adham.  
<「アブ・ベン・アドヘム」は、1834年に英国の評論家、エッセイスト、詩人のリー・ハントによって書かれた詩です。 それは、「神の愛」が彼を祝福したと考える敬虔な中東のシェイクに関するものです。 この詩は、アラブ人の非ステレオタイプの描写で賞賛されています。 ハントはこの詩を通して、真の崇拝は、仲間や女性を示す愛と奉仕の行為を通して現れると主張しています。 「アブ・ベン・アドヘム」のキャラクターは、禁欲的なスーフィーの神秘的なイブラーヒーム・ビン・アドハムに基づいていると言われています。>(グーグル翻訳)



2025年9月5日金曜日

引退できず死亡…ワグネリアンはなぜ種牡馬になれなかったのか?

■2021/09/13 ブロードアピールやワグネリアンは良血じゃなくてマイナー血統?
■2021/09/13 ヒムヤー系☓インテント系という絶滅寸前同士のマイナー血統
■2022/01/10 引退できず死亡…ワグネリアンはなぜ種牡馬になれなかったのか?


■2021/09/13 ブロードアピールやワグネリアンは良血じゃなくてマイナー血統?

 ブロードアピールの子ブロードアリュールの掲示板を見ていて、違和感を覚えました。良血扱いされていたためです。
 むしろブロードアピールはマイナー血統で活躍した馬じゃないですかね。ブロードアリュールの場合は父もゴールドアリュールであり、サンデーサイレンス系のトップクラスでもありませんでした。しかも、3勝しており、十分な活躍でしょう。さらに言えば、ゴールドアリュールの上の馬たちでも4勝が最高で、この馬は兄弟でトップクラスの活躍でした。

<この血統でこの馬体で、これだけ安い募集価格は、何かあるとは思い続けてましたが、こういうことか。さすが、プロの眼は違いますね>
<血統的にも非常に期待していたのでとても残念ではありますが、1戦毎に脚元が…と言われていただけにしょうがないのかな。とおもいます>
<この血統とこの素質で、この成績での引退、残念でしかないです>

 私はブロードアピールが大好きだったので、POGでも指名した子どもたちが重賞を勝てなかったのは残念。ブロードアピールは重賞勝ちまくりだったので、もっと活躍しても不思議ありませんでした。なので、「活躍馬の子なのに走らない」ならまだわかりましたけどね。前述の通り、兄弟の中ではむしろ走った子なんですけど。
 一方、成績からすると物足りなくても、不安視される血統背景を考えると十分に活躍したと言えそうな感じ。孫からはダービー制覇のワグネリアンも出て、こちらはPOGでも活躍してくれました。


■2021/09/13 ヒムヤー系☓インテント系という絶滅寸前同士のマイナー血統

 ブロードアピールがマイナー血統であることに触れている例をいくつか掲載しておきましょう。

<父は(中略)27戦14勝とタフな走りをし、種牡馬としても1994年に北米リーディングサイヤーとなったBroad Brush、母は41戦3勝とまたタフな走りをしながらも重賞で結果を残せなかったValid Allure、母父は36戦8勝で主な勝ち鞍がドゥワイアH(GII)という二流馬のValid Appealという血統。
父や母父はマイナー感があるが、母系はアメリカの本流におり、日本馬ではサクセスブロッケン!!!!!!が近親に当たる>(ニコニコ大百科)
https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%AB

<ブロードアピールが亡くなったのか・・(中略)
ヒムヤー×インリアリティというなかなかマイナー系統で産駒自体はそこまで
走らなかったけど孫世代からワグネリアンが出た>
【訃報】競馬 ブロードアピール死去 27歳  2000年の根岸S等で勝利 -page2 | まとめまとめ
https://matomame.jp/user/yonepo665/f70a59e74f3215c04c02?page=2

 父ブロードブラッシュのヒムヤー系は絶滅寸前のマイナー血統。その中ではブロードブラッシュが成功して頑張った感じですが、またすぐに絶滅危機になっています。その上のタッチストン系から絶滅状態に落っている筋金入りのマイナー血統です。
 また、母父のインリアリティ・インテント系は、サラブレッド3代始祖であるゴドルフィンアラビアンの系統が全部絶滅危機種という、気合の入ったスケールのでかい絶滅寸前です。私はなぜかこのインテント系が入る馬で好きな馬が多く、もっと頑張って欲しいんですけど…。

 ということで、ブロードアピール自身はマイナー血統という理解。ただ、ブロードアピールの子ミスアンコールのWikipediaでは「良血」と書いていました。ブロードアピールは良血じゃなくても、大活躍したので「その子は良血」という理解なんですかね。なお、ミスアンコールの場合は父が種牡馬リーディング上位のキングカメハメハであるため、ゴールドアリュール産駒のブロードアリュールよりは血統が良かったと言えそうです。
 気になってもう少し検索してみると、母系の良血には、母親の競争成績が良い場合と、一族に活躍馬が多い場合があるとしているところがあり、どうも単純に「母の競走成績が良いから良血」って理解でも良いみたいですね。私が間違ってたんじゃん!…ただし、ここの定義では「父も大事」となっており、ブロードアリュールは依然として微妙なところがあります。


■2022/01/10 引退できず死亡…ワグネリアンはなぜ種牡馬になれなかったのか?

 ワグネリアンが亡くなっていたと知って驚きました。ショックです。

<昨年11月28日のジャパンC18着後、体調を崩して栗東トレセン診療所に入院していた18年ダービー馬ワグネリアン(牡7=友道、父ディープインパクト)が5日、息を引き取った。(中略)治療を続けていたが年末に容態が急変。胆管に胆石が詰まっていたことから多臓器不全に陥ったとみられている>
https://news.yahoo.co.jp/articles/610a3df6778154f6aff47f2362d6a2b78b617df9

 上記の内容を伝えた<18年ダービー馬ワグネリアン 多臓器不全で急死>(1/6(木) 10:27配信 スポニチアネックス)のヤフーニュースでは、「血統的背景からもいずれは種牡馬への道も開けていたであろう」などと指摘した、以下のような専門家コメントがついていました。

<父は日本競馬史上、有数の名馬であるディープインパクト。母のミスアンコールはその父がキングカメハメハ、母がブロードアピールで、いずれもワグネリアンとディープインパクトも所有する金子真人オーナーの愛馬であった。この血統的背景からもいずれは種牡馬への道も開けていたであろう>

 ただ、私は逆に種牡馬への道がひらけていなかったからこそ6歳(明け7歳で死亡)まで走り続けなくてはいけなかったんだと思いますね。競馬ライター勝木淳さんの専門家コメントでは、「昨年のジャパンCでは史上初の日本ダービー馬4頭そろいぶみ」という話が出ていましたが、これは本来異常です。

<シャフリヤール、コントレイル、そしてワグネリアンとマカヒキ。競馬界の看板である日本ダービー馬は尊く、宝といってもいい。それだけに長く活躍できないことも多い。ダービー馬4頭の対決は、京都大賞典で復活したマカヒキとワグネリアンが長い間現役として走り続けたからこそ、実現できた>

 本来なら種牡馬価値が最も高いはずのダービー馬なのにすぐに種牡馬にされなかったのは、私がもともと書いていたマイナー血統や、ダービー後の成績の悪さではないと考えます。前述した専門家コメントで評価された、父ディープインパクト・母父キングカメハメハという豪華な血統背景が逆に災いしたと考えられます。
 どういうことか?と言うと、要するに似た血統の種牡馬がすでに多くいるため。ディープインパクトが長い間種牡馬リーディング1位だったということは、単純にディープインパクト産駒の種牡馬も多いということになります。そもそもその父サンデーサイレンスも長くリーディング1位で、サンデーサイレンス系があふれた状態です。

 加えて、母父キングカメハメハはディープインパクトに次ぐ2位を長く続けて大成功した種牡馬。こちらも同様に後継種牡馬が多くなっています。
 同様の理由で、母系にも彼らの血が多く入ってきます。父ディープインパクト・母父キングカメハメハの馬は、繁殖牝馬との配合に条件が付き、他の場合より選択肢が少なくなってしまうのです。つまり、種牡馬需要がやや落ちてしまう不利な血統なんですね。
 逆の血統である父父キングカメハメハ(父ルーラーシップ)・母父ディープインパクトのキセキも、7歳で有馬記念まで走ってやっと引退。キセキの場合は種牡馬需要が近年高くない菊花賞勝ち馬という事情があるとはいえ、宝塚記念やジャパンカップを2着していたことからすると、競走成績的には種牡馬需要があっておかしくなかったと思われます。

 ということで、種牡馬需要は微妙でしたが、個人的には是非種牡馬になってほしかったですね。POG馬だったというだけでなく、祖母のブロードアピールから好きだったという思い入れのあった馬です。
 胆石が詰まっての多臓器不全であり、使いすぎ、酷使による死亡ではないと思われるものの、オーバーの金子真人さんにはもっと早く引退させてほしかったところでした。

 なお、前述の日本ダービー馬4頭競演のジャパンカップで出ていたマカヒキの場合は、なんと8歳で出走。明け9歳で現役続行。同じ金子真人ホールディングスの馬です。
 マカヒキの場合はキングカメハメハは入っていないものの、やはり父ディープインパクトのため、種牡馬需要が少ないとみなされているのかも。でも、金子真人さんの方針もあるんですかね。こちらもPOG指名した思い入れある馬なので、早く引退させてほしいんですけど…。

2023/06/17;ワグネリアンが2歳のときのメモが出てきたのでこちらに転載。何頭か書いた「今年の期待のPOG馬」的なもの。書いた時点では重賞挑戦前の2勝馬でした。
2017/10/09:ワグネリアン
 好きだったブロードアピールの孫ということでPOG指名。 子供世代はさんざんだったが、孫世代ならと思う。姉のテンダリーヴォイス、ミンネザングも指名していた。
 新馬戦、野路菊Sと2連勝で評価も高く、この世代期待の1頭。 


2025年9月4日木曜日

スコットランドの英雄ロブ・ロイ(ゼンノロブロイの名前の由来)

■2013/1/27 スコットランドの英雄ロブ・ロイ(ゼンノロブロイの名前の由来)
■2022/07/24 種牡馬としてのゼンノロブロイ…最も賞金を稼いだ代表産駒は?

■2013/1/27 スコットランドの英雄ロブ・ロイ(ゼンノロブロイの名前の由来)

 種牡馬にもなった名馬ゼンノロブロイの名前「ロブロイ」は、スコットランドの英雄であるロブ・ロイ(ロバート・ロイ・マクレガー)から取った名前だそうです。
 <映画で楽しむ世界史 スコットランドの義族「ロブ・ロイ」>(2011-01-27 18:59:21 | 舞台はイギリス・アイルランド)では、映画に出てくるロブ・ロイの話がありました。

<ロブ・ロイという映画がある。18世紀スコットランドに実在した人物、本名ロバート・マクレガー(1761-1834)、通称「ロブ・ロイ=赤毛のロイ」を、「アイバンホー」で有名なスコットが小説化したものが下敷きという。
 (略)要はハイランドで牛を買い付け、低地へ追っていって売却し荒稼ぎした。それをもとに、マクレガー族の首領として、悪徳貴族に反逆した。中味は若干違うが、スコットランド版ロビンフッドと言えよう。剣の達人、民衆の英雄としてスターリング城近くには彼の銅像があるらしい。>
http://blog.goo.ne.jp/ys386kyam/e/20829615e96c4d505719b8f8650c9436

 通称赤毛のロイというくらいだから、赤毛だったんでしょうね。
 ロブロイにはバラの品種名でもあるらしいんですよ。こちらももちろん赤です。

-----引用 ここから-----
和名     ロブロイ
英名     Rob Roy
(略)
作出国     UK(イギリス)
紹介文     強い赤と、くっきりした剣弁高芯咲きの花形が美しいバラ、ロブロイ。
強健種で育てやすい品種です。
http://www.noibara.net/encyclopedia/floribunda_rose/encyclopedia-230.html
-----引用 ここまで-----

 さて、実在の人間のロブ・ロイの話。映画なので脚色アリアリであると思われますが、映画のあらすじってのがわかりやすいと思われます。<あらすじ ロブ・ロイ ロマンに生きた男 - goo 映画>では、以下のような説明がありました。

-----引用 ここから-----
1713年、スコットランドの民衆の多くは、不安定な世情と飢餓に苦しんでいた。義賊のロブ・ロイ(リーアム・ニーソン)は、1000ポンドあれば牛の売買で貧しい民を救えると考え、モントローズ侯爵(ジョン・ハート)に借金を申し込む。侯爵は承諾するが、担保にロブの3000エーカーの土地を要求する。ロブの右腕のアラン(エリック・ストルツ)がモントローズ家の会計係、キラーン(ブライアン・コックス)に約束手形をもらいに行くが、彼はもっともらしい理由をつけて手形ではなく現金を渡す。だが、それはモントローズの配下であるカニンガム(ティム・ロス)とキラーンの策略で、アランは人けのない夜道でカニンガムの待ち伏せに遇い、金と命を奪われて湖に投げ込まれる。カニンガムはかねてより、多額の借金があった。アランが金を盗んでアメリカに逃げたように見えたがロブは信じず、モントローズに金は絶対に返すと誓う。モントローズは、対立するアーガイル公爵(アンドリュー・キアー)について悪い噂を振りまけば大目に見てやると言うが、ロブは拒絶する。怒ったモントローズは山奥に姿を隠したロブを捕らえるよう命じる。彼をおびき出すため、カニンガムは兵隊を繰り出してロブの家を焼き払い、彼の最愛の妻メアリー(ジェシカ・ラング)を犯す。やがてロブの弟アリスデア(ブライアン・マカディ)が戻り強姦の事実を悟るが、敵の狙いが分かっている彼女は、夫に隠し通そうとする。だが、モントローズの軍隊が再度ロブたちを攻撃し、アリスデアをはじめ仲間たちは次々と倒され、ついにはロブ自身も捕まってしまう。移送されるロブに、カニンガムは妻を強姦したことを彼に言い放つ。その頃、メアリーはアーガイル公爵に全てを打ち明け、モントローズの策略を訴えた。公爵はロブに対する彼女の愛と、名誉を重んじるロブの潔さを深く感じとる。ロブは絞首刑の寸前に縄をうまく使って脱出に成功、メアリーの元に戻る。彼女は身ごもったことを伝え、子供の父親はカニンガムかもしれないと告白。子供は殺せないと必死に訴える妻に、ロブは殺さねばならないのはカニンガムだと答える。ロブはアーガイルに決闘の仲介役を頼む。もし彼が勝てばすべての罪を放免し、1000ポンドの借財を水に流すことを条件に、カニンガムに決闘を申し込む。剣の達人であるカニンガムを倒したロブは、メアリーの待つ家へ戻った。
http://movie.goo.ne.jp/movies/p10967/story.html
-----引用 ここまで-----

 ちなみにカニンガムという名前の馬はいないかと探しましたが、ネット競馬検索では出ませんでした。

■2022/07/24 種牡馬としてのゼンノロブロイ…最も賞金を稼いだ代表産駒は?

 今回はゼンノロブロイの産駒について。
 ゼンノロブロイの初年度産駒がデビューしたのは2009年で、翌年14位になり、以降はしばらく12~14位。2015年に突然7位になりますが、これが唯一の一桁でした。サンデーサイレンス系の種牡馬が多かったということもあり、大成しなかった印象ですね。賞金ベスト10は以下のような感じでした。

ペルーサ    牡    29,308.40
トレイルブレイザー    牡    24,783.20
ナムラビクター    牡    24,693.60
コスモネモシン    牝    21,241.80
アニメイトバイオ    牝    21,166.00
タンタアレグリア    牡    19,817.80
メートルダール    牡    19,424.80
グリム    牡    19,202.10
ルルーシュ    牡    18,935.10
サンテミリオン    牝    17,674.10

 思ったより2億円以上の馬が多くてびっくり。とはいえ、やはりサンデーサイレンス系種牡馬としては、見劣りする感じはあります。
 稼ぎ頭はペルーサ。父ゼンノロブロイと同じ藤沢和雄厩舎。ベスト10では、9位のルルーシュも藤沢和雄厩舎ですね。ペルーサはG1を勝てませんでした( 10'青葉賞(G2)などを勝利)が、種牡馬入り。こちらの産駒も見ておみました。まだ種牡馬入りして魔もないですけど、やはり今のところ目立った産駒は出ていませんでした。

ラペルーズ    牡    2,784.20
キラメキビジョン    牡    387
リュウワンヒメ    牝    331
マラドーナ    牡    303
ウインイノセンス    牡    246

2025年9月3日水曜日

マイネルフロストよりウインマーレライの方が高評価だった

■2021/06/09 トキメキスバルはダービー3着マイネルフロストや海外G1馬の近親
■2015/11/22 「この馬、実は今日、勝つんです」言葉通りマイネルフロスト勝利
■2015/12/4 マイネルフロストよりウインマーレライの方が高評価だった
■2015/12/4 古谷剛彦「大物感があるのはウインマーレライ」
■2015/12/4 マイネルフロストより人気だった社台や山本英俊の馬のその後は?
■2014/9/26 マイネルフロストと競優牧場 母スリースノーグラスは未勝利だった
■2019/02/02 早熟心配したマイネルフロスト、息長く活躍して馬主孝行
■2020/07/16 牧場時代はやはりマイネルフロストよりウインマーレライを評価


■2021/06/09 トキメキスバルはダービー3着マイネルフロストや海外G1馬の近親

 マイネルフロスト特集のページ…なのですけど、それだけじゃ読まれないだろいうことで、マイネルフロストの近親でPOGで良さそうな馬を探してみることに。ただ、あまりこの牝系は日本にいませんね。注目馬を見つけられなくて困ります。
 そもそも2021年の2歳は、父ベルシャザール・母フローラルジュノーのトキメキスバル1頭しかいない感じ。マイネルフロストから見ると、いとこにあたります。マイネルフロストの下は今年の2歳にはおらず、来年でした。

 日本では成功していない牝系で、活躍したのは、ダービー3着・毎日杯1着などのマイネルフロストただ1頭。でも、海外だと結構すごい馬が近縁にいます。
 牝馬ウィンター Winterは、あのA.オブライエン厩舎で、英1000ギニー(G1)、 愛1000ギニー(G1)、コロネーションS(G1)、ナッソーS(G1)に勝利。どこかで見た名前だと思ったら、2017年の凱旋門賞にも出走していました。このときは9着ですが、3番人気だったということで、評価の高さがわかります。
 また、 同じ牝系では、デフォー DefoeというG1馬も。ウィンターと同じくコロネーションC(G1)を勝った他、重賞を多数勝利。母がDulkasheという名前で、父もDalakhani(ダカラニ) であり、 いつもとちょっと違うネーミングセンスではありますが、馬主はアガ・カーン殿下だろうと思ったら違いました。オバイド殿下(Sheikh Mohammed Obaid Al Maktoum)という方だそうです。

■2015/11/22 「この馬、実は今日、勝つんです」言葉通りマイネルフロスト勝利
 
 ビッグレッドファーム明和の松尾邦弘さんのエピソード。(Our Pleasure 2014年6月 馬恋慕 河村清明より)

-----引用 ここから-----
 以前、種牡馬の担当をしていた頃から、功労馬・コスモバルクの面倒は松尾さんが見ることが多かった。その流れがあって、バルクが函館競馬場でファンにお披露目されることになった去年8 月11日、馬運車に乗って松尾さんが随行した。
 久しぶりに競馬場に入るのだから、バルクには伝染病の検査が必要になる。だから前日の午後、現地に到着した。それがコスモス賞の土曜日である。
 ̶ じゃ、3 時くらいから検査しますね。
 担当獣医に言われた時、松尾さんはこう願い出たという。
 マイネルフロストという馬が10レースに出ます。<b>この馬、実は今日、勝つんです</b>。どうしても口取りに参加したいので、検査はそのあとにしていただけないでしょうか、と。
 申し出に獣医も頷いてくれた。
 「それくらい自信があったわけですね?」
 松尾さんに聞いた。
 「新馬を勝ったあと明和に戻ってきました。入厩前より成長していましたし、心肺機能も上がっていました。たいていの馬は“3 速” か“4 速” で一杯になるんですけど、フロストはそこでも楽に追走できて、もう一段上の“5 速” があるんですよね。だから自信を持って送り出せたんです。
 ゆったり、大跳びの、2000mを超えたくらいで強さが出るタイプです。我慢も利くし、ずんずんずんずんと、バテずに伸びるので、東京向きと思います。あまり思い込まず、以前の(マイネル)デスポットの菊花賞の時のように自然体で当日を待てば、いい結果が付いてくるんじゃないでしょうか」
-----引用 ここまで-----

 「いい結果が付いてくるんじゃないでしょうか」というのはダービーの話。で、ダービーがどうだったか?と言うと、大方の予想を裏切って大激走。12番人気の3着でした。
 菊花賞が案外だったので、距離が長ければ長いほど良いということはないようですが、2500くらいまでは守備範囲内。十分に戦えている感じです。


■2015/12/4 マイネルフロストよりウインマーレライの方が高評価だった

 マイネルフロストとウインマーレライは、同じビッグレッドファームグループです。しかも、それだけでなく、同じ高木登厩舎。つまり、同厩です。しかし、なぜかこの2頭は同じデビュー戦となりました。
 私はマイネルフロストに注目していたものの、ビッグレッドファームグループの評判ですとウインマーレライが良かった印象なので、てっきり人気になると思っていました。ただ、思ったほどではありませんでした。

ウインマーレライ 3番人気 4.2倍
マイネルフロスト 5番人気 13.1倍

 1番人気、2番人気ではなかったものの、やはり人気でもマイネルフロストよりウインマーレライの方が上。結果は、このレースはマイネルフロストが1着、ウインマーレライが2着。しかし、それでも負けたウインマーレライの方が評判が良かったのです。
 マイネルフロストは2戦目を勝ったときもそんな感じで、以降も常に低評価。そういうタイプですね。とはいえ、このデビュー戦でウインマーレライの評価の方が良かったのはわかります。明らかに馬が若かったためです。


■2015/12/4 古谷剛彦「大物感があるのはウインマーレライ」

 古谷剛彦さんも、マイネルフロストが現時点のセンスで勝ったが、大物感があるのはウインマーレライとしていました。(Our Pleasure 2013年8月号 古谷コンシェルジュの競馬観 古谷剛彦 より)

-----引用 ここから-----
 どの競馬でも本来、スタート後の位置取りから行き脚がつき、落としかける2F 目は極端に速くなることが多いが、このレースは12 秒0という超スローでどの馬も折り合いに気を使う印象を受けた。
 その中でMフロストは好位の内で辛抱でき、どんな距離にも対応できるだけの<b>センスを示した。</b>
 そして、Wマーレライはトモが緩いこともありダッシュがつかず、後方3 番手から進む展開となったが、直線の長い東京ながら4 コーナーからエンジンを吹かし、馬群の外をグングン上がっていく。(中略)
 <b>内ピッタリを立ち回った</b>Mフロストが直線で力強く抜け出し、大外から豪快にWマーレライが強襲。Wマーレライは<b>フラフラ走っていた</b>が、ゴールに近づくにつれMフロストに迫ったものの、<b>ロスなく立ち回ったアドバンテージ</b>を生かし追撃を振り切ったMフロストに凱歌が上がった。
 高木登厩舎のワンツーとなったが、2 週続けてこの2 頭は併せ馬を行い、1 週前のウッドではMフロストが、最終の坂路ではWマーレライが先着し、甲乙つけ難い評価だったが、現時点でのセンスの高さでMフロストに軍配が上がった。しかし、Wマーレライの荒削りな走りは<b>大物感を漂わせ</b>、この号が発刊された頃には福島で2 戦目の結果が出ているだろう。
 マツリダゴッホ産駒がブレイクしているだけに、その中でも屈指の存在と評判のWマーレライも、その流れに続きたいところだ。
-----引用 ここまで-----



■2015/12/4 マイネルフロストより人気だった社台や山本英俊の馬のその後は?

 マイネルフロスト派の私には嬉しい誤算ですが、新馬戦以降もより活躍しているのはマイネルフロストの方です。ただ、ウインマーレライも重賞を勝っており、どっちも立派。同じ厩舎で同じビッグレッドファームグループなのに、なぜ新馬戦で同じレースに出したのか?と本当思います。

ウインマーレライ 1600万下 7,105.5万円 ラジオNIKKEI賞(G3)1着など
マイネルフロスト オープン 16,423.5万円 毎日杯(G3)1着、東京優駿(G1)3着、福島民報杯(OP)1着など

 ついでにこの2頭より人気だった2頭の現在も。

1番人気15着 アピシウス 500万下 1,190.0万円 (藤沢和雄厩舎、山本英俊)
2番人気6着 ロッカバラード 500万下 1,763.6万円 (二ノ宮敬厩舎、社台レースホース)

 2頭とも勝ち上がっており、十分成績は良い方なのですが、重賞勝ちのあるビッグレッドファームグループの2頭と比べると見劣りします。
 アピシウスはセリで2,205万円なので高額馬じゃありませんが、ロッカバラードは社台ファームの馬。ビッグレッドグループのような競走馬ファンドの馬の醍醐味は、こういう馬に勝つことですね。爽快です。



■2014/9/26(2022/07/27再録) マイネルフロストと競優牧場 母スリースノーグラスは未勝利だった

 マイネルフロストで検索していて見つけた<毎日杯 G3 | 重賞ウイナーレポート | 競走馬のふるさと案内所>という記事。マイネルフロストが生まれた競優牧場を紹介する内容でした。タイミングとしては、毎日杯を勝ったときのものですね。

<マイネルフロストの生まれ故郷は新冠町にある競優牧場。昭和7年に創業され、過去には1967年の朝日杯3歳S や1969年の天皇賞(春)などに勝ち、69年には年度代表馬になったタケシバオーや、そのタケシバオーの産駒で1985年のウィンターS(G3)に勝ち、86年のフェブラリーH(G3)2着馬チェリーフット、同じくタケシバオー産駒で1984年のクイーンS(G3)優勝馬で、86年の新潟記念(G3)3着、カブトヤマ記念(G3)3着、87年の福島記念(G3)3着と長く活躍したハッピーオールトンなどを生産した牧場だ。現在は40ヘクタールの土地に14頭の繁殖牝馬をけい養している>
http://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_76594

 競優牧場の生産馬では、超有名なタケシバオーがいます。ただ、いかんせん古いすぎで、誰それ?状態な人も多いでしょう。これが代表馬というのは、近年の活躍馬はいないということでしょうね。
 一応、netkeibaで検索してみると、タケシバオーが古すぎるせいか、出世頭がマイネルフロスト。タケシバオーのデータは未反映のようです。

マイネルフロスト    牡    2011    12,289.20
テイエムリキサン    牡    2000    10,852.00
スリージェム    牡    2001    10,796.80
テイエムジェネラス    牡    1999    10,494.20
ヒゼンノムサシオー    牡    1990    10,063.50
ハッピーオールトン    牝    1981    9,276.00
パラダイスシチー    牡    1999    8,869.40
リキサンフラッシュ    牝    1991    7,939.70
ダノンシャトル    牡    2002    7,889.90
ダイゴウマイオール    牡    1991    7,557.40
エレガントダンサー    牝    1991    7,281.60
ケイビイスパイダー    牝    1999    6,757.70
テイエムフルパワー    牡    2004    6,285.20
ジルハー    牡    2002    5,710.80
エレガントクイン    牝    1990    5,599.60
テイエムシバスキー    牡    2006    5,199.00
リキサンロック    牡    1988    4,783.00
エレガントブーケ    牝    1990    4,400.00
ホーマンマリモ    牝    1984    4,331.00
ハマノドルフィン    牝    1993    4,321.10
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_list&breeder=%B6%A5%CD%A5%CB%D2%BE%EC

 テイエムリキサンはクラシック戦線を湧かせた馬。ただ、10年くらい前ですのでやはり近年活躍馬はいなかったと言えます。テイエムリキサンは重賞も買っていないどころか、2勝のみでしたし、内容的にも完全にマイネルフロストがトップです。

 成績の話はこれくらいにして、記事の続きを。競優牧場の榊明彦さんはマイネルフロストについて「放牧地では馬格的にも決して目立つようなタイプではありませんでしたが、気性の強い馬でした。そういったところがレースで良い方向に向いているのかもしれません」としていました。ラフィアンに来てからも、同じ放牧のグループ内でボス馬だったようです。
 過去にもボス馬で活躍馬はいます。ただ、ラフィアンの他の例を見ると、高額のボス馬がさんざんだったなど…必ずしもボス馬だからと言って結果に繋がっているわけではありません。グループの数だけボスがいると考えると、あるグループのボス馬なんて珍しくない…とも言えそうです。

 競優牧場の榊明彦さんはマイネルフロストの父馬ブラックタイドについては、「現役時代から注目していた馬です。競走馬としては脚部不安のために大成することはできませんでしたが、血統や馬格から秘めた能力はG1級と評価して期待している種牡馬です」と、その配合理由を語っています。

 一方、母馬のスリースノーグラスは"米国で1歳時に買い求めたダイヤモンドスノーが残した最後の産駒"。祖母ダイヤモンドスノーは、ダート1200mの未勝利戦を逃げ切るスピードを見せたものの、結局その1勝のみだったといいます。
 「スリースノーグラスはソエなどの理由もあってJRAでは勝てませんでしたが、牧場時代は評価の高い馬でした。未勝利のままというのもかわいそうだったので、ホッカイドウ競馬と兵庫で3勝をあげてから牧場に戻しました」としていますが、母親も戦績としてははっきり言って悪いです。
 マイネルフロストの上も中央未勝利ですし、こういう血統から活躍馬を見つけ出してくるのが、ラフィアンの真骨頂ですね。


■2019/02/02 早熟心配したマイネルフロスト、息長く活躍して馬主孝行

 2014年9月20日に<馬体重増えなかったマイネルフロスト、成長が心配 早熟懸念は?>という投稿をしていました。当時< 今一番好きな馬で低評価の度にこなくそ!と思っていたんですが、その私が不安になってしまった話>として、ラフィアンターフマンクラブの所属馬情報を紹介した上で、以下のような感想を書いていました。

2014年9月19日(金)
マイネルフロストは、9月21日(日)新潟11R・セントライト記念G2・芝2200mに柴田大知騎手で出走します。(中略)高木調教師は「<b>中間の計量では492キロ。484キロだった前走とそう変わらない馬体重でレースを迎えることになりそうです</b>」と述べていました。
http://www.ruffian.co.jp/belonging/list/belong_list_detail.php?hcd=111112

<うーん、3歳の休み明けで馬体重増えていないってのはちょっと意外。増えてて欲しかったなぁ。
 心配になって「マイネルフロスト 早熟」で検索しましたが、そういった声はなし。早熟って言う場合はもう少し前の時期を言うことが多いですから、ダービー3着などでその懸念は薄れたせいかもしれません。
 ただ、秋以降活躍しなくなっていると嫌だなぁ…>

 しかし、マイネルフロストは8歳にしてまだ現役とむしろ息長く走りました。怪我してついに引退かと思ったものの、現役続行。7歳時は賞金410万円のみですので、ちょっと不思議な判断でしょう。
 ひょっとしたら各種手当で稼げそうだと見ているのかもしれません。各種データで記載される5着までの賞金として稼げていないのですが、 それ以外にもいろいろともらえます。オープンクラスだとそれだけでも大きいのかも。また、唯一の賞金が7歳の12月であり、まだ行けそうだと判断したのかも。
 なお、すでに引退したウインマーレライと総額賞金は、その後さらに差が開いていました。

ウインマーレライ 1600万下 7,375万円 ラジオNIKKEI賞(G3)1着など
マイネルフロスト オープン 2億5,118万円  毎日杯(G3)1着、東京優駿(G1)3着、福島民報杯(OP)1着など

2022/01/30追記:ただ、その後、マイネルフロストは競走中に故障発生で予後不良に。使いすぎのせい…という感じの怪我ではなかったのですが、競走成績の割に引っ張りすぎたかな…とは思いました。終盤は収益的にマイナスが嵩んだだけ。ラフィアンが不振なので、活躍が見込めなくても長く走らせて出資者から回収しているんじゃ?とちょっと思ってしまいました。
 同じラフィアンではマイネルバサラ(同じくかつての重賞馬でもあります)も引退が遅すぎた感じ。厩舎側の方針だったのかもしれませんが、状態が上向かないと言って長期間レースに出ずに調整を長長と続けた末、やっと出たレースで惨敗してやっと引退。当然終盤の収益は悲惨なことになっています。
 マイネルフロストの不信感と合わせて、これらは私のラフィアン退会の理由の一つになりました。



■2020/07/16 牧場時代はやはりマイネルフロストよりウインマーレライを評価

 その後、マイネルフロストは競走中に故障発生で予後不良に。非常にショックで、しばらくはなにかあるたびに思い出しましたし、他の人の反応も見たくないと思って見ないようにしていました。
 今回の追記は、 Our Pleasure2019年3月号の高木登調教師のインタビューでマイネルフロストの話が載っていたため。ちょうど当初書いていたウインマーレライとセットで出ています。
 そもそも高木登厩舎はマイネルフロストが重賞初勝利で、その次がウインマーレライだったようです。そして、本来なら同じ新馬戦に出したくなかったとしていました。理由は相変わらず不明ですけど…。あと、やはりマイネルフロストは、当初は期待されていなかったという話もしています。

「今でもウチの厩舎スタッフはあのレースを『伝説の新馬戦』と呼んでいます(笑)。正直な気持ちを言うとどちらも凄い馬でしたから、同じ厩舎で同じ新馬戦にぶつけたくはなかったですけどね」
「マーレライはコスモヴューの坂路でも抜群に動いていて能力は感じていたのですが、トレセン入厩後の1本目のコースでの追い切りでは物見をしてまったく動かないなど、粗削りな部分が多かったんです。対してフロストは牧場の評価はそこまでではなかったですが、入厩後も優等生タイプで、マーレライとの追い切りで先着を見せて、『これは行けるな』という感じになったんです。この時はウチの厩舎もまだ重賞未勝利で、将来のことまでは分かりませんでしたが、後々それぞれが重賞を獲ってくれて本当に嬉しかったです」