2023年12月19日火曜日

社台への忖度は?1着馬から禁止薬物で失格、大竹正博厩舎の良血ソーヴァリアント

■2020/11/20 社台への忖度は?1着馬から禁止薬物で失格、大竹正博厩舎の良血ソーヴァリアント
■2021/03/09 JRA側のミスで冤罪!規制薬物での調教師への処分取り消し
■2021/08/28 同厩舎からカフェイン検出が続出したピンクブーケ事件、その原因は?
■2020/04/09 日本の競馬で12頭中7頭除外!主催者のミスが原因
■2019/06/15 前代未聞!禁止薬物検出でJRA156頭が除外に
■2019/06/15 厩舎が悪いわけではない…事件性はないといえる理由
■2019/06/15 問題は厩舎ではなく別なところ?競走馬理化学研究所?JRA?
■2019/06/16 問題のグリーンカル、30年前から売られていたサプリだった



■2020/11/20 社台への忖度は?1着馬から禁止薬物で失格、大竹正博厩舎の良血ソーヴァリアント

 未勝利戦1着馬から禁止薬物 ソーヴァリアント失格 | 競馬ニュース - netkeiba.comによると、2020年11月11日の東京4R2歳未勝利で1着となったソーヴァリアント(牡2歳、美浦・大竹)から、レース後に禁止薬物のカフェインが検出されました。同馬は失格となり、1着賞金は没収。2着馬以下が繰り上がり、改めて賞金が分配されます。JRAでの禁止薬物検出によるレース後の失格は、14年12月の中山で新馬戦勝ちのピンクブーケからカフェインが検出されて以来だといいます。

 賞金などが変更となる一方で、馬券の払戻金に変更はありません。おかしいじゃないか?という声が出ているものの、これはやむを得ないでしょう。レース後検査の結果が出るのは時間がかかり、馬券の確定前にやるというのはムリ。払い戻しは翌日以降などとなると、それこそファンは文句を言います。どうしようもありませんね。

 また、姉に秋華賞2着マジックキャッスルのいる1番人気での良血馬で、しかも、未勝利戦で薬物を使うというのは考えられず、意図的ではなさげ。誰かが陥れるために飲ませたという陰謀論も出ていますが、これは陰謀論ですので証拠がなく問題外。今までもそうだったように、業者側のミスでしょうね。

 あと、今回の馬は、社台ファーム生まれで馬主も社台レースホース。よく社台グループへの忖度があるなどといったこれまた陰謀論的なものが言われますが、忖度なしでしっかりと失格となっている…ということも強調しておきたいです。



■2021/03/09 JRA側のミスで冤罪!規制薬物での調教師への処分取り消し

 これで済ましていいの!?という重大なミスの発生が判明しました。JRAによる馬房の清掃が適切に行われておらず 規制薬物に関する大久保龍志調教師への過怠金が取り消し | 競馬ニュース - netkeiba.comという記事が、2021年03月05日に出ています。
 2020年7月12日の阪神競馬第4競走に出走したトロイカ(牡3、栗東・大久保龍志厩舎)の検体から規制薬物である消炎・鎮痛剤「ジクロフェナク」が検出され、日本中央競馬会競馬施行規程第147条第14号(開催執務委員の命令・指示違反)により、トロイカを管理する大久保龍志調教師に対して過怠金30万円を課していたものの、処分は取り消さています。冤罪の可能性が高いためみたいです。
 というのも、トロイカが競走当日に阪神競馬場で使用した馬房を前日に使用していた別の競走馬が、その馬房内で治療のためにジクロフェナクの投与を受けていたことが判明。さらに、規制薬物を競走馬に対して投与した場合、JRAが敷料の交換を含む当該馬房の清掃を行うところ、それが適切に行われていなかったことが併せて判明しました。
 これにより、この別の競走馬に投与されたジクロフェナクが何らかの形で馬房内に残留し、翌日にトロイカがこれを摂取したことにより、検体からジクロフェナクが検出された可能性が否定できない状態に。ひどい話です。

 ちなみにトロイカの馬主は世界のゴドルフィンでした。JRAはこのゴドルフィンにも謝罪しており、経済的な被害も出たのでは?と思いました。ただ、トロイカの戦績を見てみると、特に失格などにはなっていませんね。規制薬物が検出されても失格にならなかったパターンのようです。これはこれで不思議に思うかもしれません。
 ジクロフェナクは、消炎・鎮痛効果を目的として一般的に使用される治療薬。 規制薬物は治療を目的に施用される薬物であり、競馬法に定められた「禁止薬物」のような競走能力への影響は無いというものであるため、対応が異なるんでしょうね。ただ、「馬の福祉および事故防止の観点から、その影響下にある馬の出走は禁止されている」という説明。治療中なので出走させない、怪我をした状態で出走させないといった意味合いでしょうか。
 なので、上記で書いているソーヴァリアントの失格とは大きく異なるケースだと言えそうです。また、たぶんカフェインは治療にも使われないでしょうから、ソーヴァリアントの場合はトロイカのようなパターンではなさそうでした。

■2021/08/28 同厩舎からカフェイン検出が続出したピンクブーケ事件、その原因は?

 ちらっと名前が出ていたピンクブーケ事件についても振り返っておいた方が良いだろうということで追記。検索してみると、意外にまとまっているところがなくて苦労。競馬マスコミ的にもややタブー感あるんですかね。

 まず、JRAは2014年12月10日、7日(日)に行われた4回中山2日目第6R新馬戦に出走して1着となったピンクブーケ(牝2・小西)の検体を理化学検査した結果、日本中央競馬会競馬施行規程第132条第1項に規定する禁止薬物「カフェイン」が検出されたと発表します。
 これに伴いピンクブーケは施行規程第128条第1項に該当するため失格とし、施行規程第130条第1項及び第3項により当該レースの着順を変更しました。ただし、馬券の払い戻しについては、施行規程第125条第6項により競走終了時に裁決委員が確定した着順に基づいて行うため、確定後に競走成績上の着順の変更があった今回の場合でも、払い戻しの変更はありませんでした。
(新馬戦1着ピンクブーケから禁止薬物を検出 同馬は失格も払い戻しの変更はなし | 東スポの競馬に関するニュースを掲載より)
https://www.tokyo-sports.co.jp/horse/344130/

 カフェインというのは、前述のソーヴァリアントと同じケースです。ただ、ピンクブーケの場合は9番人気での1着であり、人気ではありませんでした。
 また、カフェインは飼料由来だったということで、こちらは後述している「禁止薬物検出でJRA156頭が除外に」の事件と似ていました。小西一男厩舎が意図して添加したわけではないようです。こういう厩舎側に落ち度がないケースの扱いは、スッキリしないものがありますね…。

<同厩舎の他馬についても薬物検査をしたところ、同じ「カフェイン」が検出された。そこで同厩舎が馬に与えている飼料添加物を調べたところ、未開封の飼料添加物からも「カフェイン」が検出された>
<問題の飼料添加物は同トレセン内で販売されているもので、美浦では数厩舎しか使用していない。また栗東トレセンではほとんどの厩舎が使用していない>
(ピンクブーケ失格の小西厩舎、他馬からも「禁止薬物」が検出…[ 2014年12月13日 05:30 ] スポニチより)
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/12/13/kiji/K20141213009450500.html


■2020/04/09 日本の競馬で12頭中7頭除外!主催者のミスが原因

 中央競馬ではなく地方競馬ですが、やっちまいましたね。2020年4月7日の園田競馬8Rの3歳戦で、主催者のミスで牡馬7頭が除外となりました。
 兵庫県競馬組合の規定では、3歳牡馬の負担重量は9月まで55キロ。しかし、番組編成室のミスにより出馬表に56キロと重く記載してしまいました。このままだと54キロで出走する牝馬との斤量差が2キロに広がり、公正な競馬が確保できなくなったため、本来55キロで出走しなければならない牡馬7頭を競走から除外することになったといいます。
(園田競馬8Rで大量7頭が競走除外 負担重量の誤記載で スポーツ報知 2020年4月7日 13:38より)
https://www.excite.co.jp/news/article/SportsHochi_20200407_OHT1T50071/

 競馬ファン的にも馬券の楽しみなどを奪われて腹が立つでしょうが、私は一口馬主をやっているということもあり、馬主的に一番ツライなと思います。出走機会を奪われる損失は少なくありませんからね…。


■2019/06/15 前代未聞!禁止薬物検出でJRA156頭が除外に

 いつものように函館1Rから出馬表をチェックしたら、16頭中4頭が除外(その後見た函館スプリントSでは13頭中6頭除外) でこれはただ事じゃねーぞ!と。検索してみると4頭ともじゃありませんでしたが、3頭が禁止薬物が理由での除外だとのこと。
 これは情報が古く、4頭とも禁止薬物が理由の可能性もあります。とりあえず、土日で156頭もの馬が除外になるという前代未聞のことになっています。(追記:日曜は枠順が決定済みの重賞以外では、出馬表の時点で外されている模様)

 ただ、この責任が厩舎にあるか?というと、そうではなさげ。より問題なのは、 別のところだと思われます。
 とりあえず、156頭の除外が発表された後の記事競走馬のサプリメントに禁止薬物 15、16日の中央競馬で156頭が除外に毎日新聞2019年6月15日 07時26分の情報はこちら。
 
・日本中央競馬会(JRA)は15日、中央競馬のきゅう舎に販売された競走馬向けのサプリメントの一部に禁止薬物「テオブロミン」が含まれていたと発表。
・15、16日に東京、阪神、函館で開催されるレースに出走予定だった馬のうち、サプリを購入したきゅう舎に所属する156頭が競走除外となった。



■2019/06/15 厩舎が悪いわけではない…事件性はないといえる理由

 より問題なのは別なところではというのは、発表前で除外頭数が異なるJRA大激震 禁止薬物検出で152頭出走取消、公正確保へ苦渋の決断― スポニチの情報によります。

・競走馬に与えるカイバに混ぜるサプリメント「グリーンカル」から禁止薬物「テオブロミン(カカオやチョコレートに入っているカフェイン)」が検出されたことが競走馬理化学研究所の調査で判明した。
・152頭は当該サプリメントを購入した厩舎(美浦6、栗東21厩舎)の管理馬。禁止薬物の影響下にある可能性が否定できないため、競走除外の措置を取ることとなった。当該厩舎の次週出走予定馬については15、16日の間に血液検査を行う。
・関係者によれば、問題のサプリメントは海外から輸入したもの。このような馬の口に直接入るものだけでなく、医薬品なども含めて、初めて使用する際には競走馬理化学研究所の検査を受けるのが通例。このサプリメントは検査結果判明前に販売していた。
・競走馬がサプリメントを摂取するのは非常に一般的で、疲労回復などに役立つ。美浦、栗東トレーニングセンター内には、競走馬向けの薬局もあり、サプリメントも販売している。厩舎サイドでは、まさか検査結果前のサプリメントが売られているとは夢にも思わなかったはず…。事件性はなく、競馬界にとっては寝耳に水のアクシデントだった。


■2019/06/15 問題は厩舎ではなく別なところ?競走馬理化学研究所?JRA?

 「今回の事態はいわばアクシデントで、JRAとしては公正競馬を保つため、やむを得ない苦渋の決断だったといえる」と記事ではありました。
 一方、「競走馬理化学研究所のミスであり、開催は中止すべきだった」という反応がありました。ただ、私はこれに同意しません。競走馬理化学研究所が検査しなかったり、販売を許可したりしたわけではないと考えられるためです。
 問題は、 検査結果前のサプリメントが売ってしまったということ。上記の書き方だとそらく、トレセン内の薬局が売ったのが問題でしょう。ここの問題は追及および改善がなされるべきです。
  検索してみると、JRAファシリティーズ株式会社というのが出てきました。栗東・美浦の両トレーニング・センター内には薬局を開設していると書かれています。名前でわかるように、JRAの関連企業。ということで、JRA側のミスにより、厩舎や馬主、ファンなどに迷惑をかけたという形であることも追及されるべきです。


■2019/06/16 問題のグリーンカル、30年前から売られていたサプリだった

 私の理解が違っているところがあったので補足。 新しいサプリではなく、もともとあったサプリが問題になった模様。メーカー側から回収のお知らせが来て発覚ってことだったそうな。
 結局、某調教師は「安全だというお墨付きがあるから使っているのに、これはどういうことか。どうJRAが後始末をつけるのか見もの」と怒っていますが、JRA側としても被害者の側面があり、責任の所在がはっきりせず、もめそうな予感ですね。

・金曜日の14日の午後4時頃、複数の調教師から「納品された飼料“グリーンカル”から禁止薬物が含まれているという検査結果が出たため、業者から回収を求められている」とと報告。
・そこで競走馬理化学研究所が検査したところ、禁止薬物「テオブロミン」が検出された。
・グリーンカルとはビタミン・ミネラル強化をうたう競走馬用カルシウム剤。畜産飼料事業を手掛ける日本農産工業(株)の子会社ニッチク薬品工業(株)が製造し、競走馬理化学研究所による検査を経て、主にJRAファシリティーズ(株)など4社が販売している。
・少なくとも20~30年前から使用されているとされ、東西トレセンでは定番のサプリメントとして流通していた。

 検査に合格したサプリに後々になって禁止薬物が混入するケースを想定していなかったというのは、JRAの落ち度と言えるかもしれません。ただ、前述の通り、JRA側も被害者の側面があります。
 現時点ではっきり悪いと言えるのは、メーカー側。馬主・調教師・JRAなどがメーカーに対し、損害賠償を求めるといったこともできるかもしれませんが、どうなるでしょうか。