2024年5月15日水曜日

珍名馬Potooooooooは、現在の多くのサラブレッドの先祖

■2018/08/21 珍名馬Potooooooooは、現在の多くのサラブレッドの先祖
■2023/03/06 日本の賞金ランキング1位アーモンドアイの祖先もポテイトーズなのか?


■2018/08/21 珍名馬Potooooooooは、現在の多くのサラブレッドの先祖

 ビッグレッドファームグループの広報誌Our Pleasure5月号背表紙での説明では、以下のようなものでした。

・若い厩務員が初めて食べたポテトの名前をメモしようとしたが、つづりがわらかない。
・そこで、発音を頼りにPotooooooooと書いた。
・それを知った馬主がおもしろがって馬名にした

 一方で、馬名のところには、なんの説明もなく「Pot-8-Os」となっていて、これが洒落ているなと私は感心。「ポト・エイト・オーズ」で、つなげて読むと「ポテイトーズ」となっているわけです。
 ウィキペディアも見てみると、以下のような説明でした。

<ある夜、馬丁は何か美味しいものを食べたが、それが何であるか知らなかった。その名を尋ねたところ、「ポテト(ポテイトー)」であると教えられた。馬丁はその正しい綴りを知らなかったため、Pot の先の綴りが分からず、o を 8 個並べて「エイトオー」 (eight-o, ポテトの英語発音はポテイトウに近く、pot + oooooooo[eight-o] = potato となる) と読ませるようにして、これを厩舎に書きつけておいた。馬主のアビンドン伯爵がこの書きつけを見つけ、面白がって正式な馬名として採用、実際にこの名前で競走馬としてデビューさせた>

 栗毛の毛色から馬丁らにそう呼ばれていたとする説があるなどで、はっきりしていないのかも。何しろ1773年生まれの馬です。

 この馬、珍名馬なのですけど、なんと父は サラブレッドの基礎を作ったと言われるエクリプス。競走馬としても優秀で、当時の競走馬としては最強、エクリプス産駒としても最良となる34勝という成績を挙げます。さらにすごいのが、現代に残るエクリプス系競走馬の大半の祖となるほど種牡馬としても成功したということ。
 現在の競走馬はほとんどエクリプス系(2014年の日本では99.85%)ですので、そのエクリプス系の中でポテイトーズが非常に多いとなると、ほとんどがポテイトーズの子孫だとも言えます。すごすぎる珍名馬でした。


■2023/03/06 日本の賞金ランキング1位アーモンドアイの祖先もポテイトーズなのか?

 現在の多くのサラブレッドの先祖がポテイトーズ(Potoooooooo、Pot-8-Os)の子孫…ということを書いていましたので、1頭確かめておこうかな?と思います。
 で、ここ10年くらいの日本の代表馬というと、アーモンドアイかな?と。日本馬の歴代獲得賞金ランキングでもアーモンドアイが19億円でトップですから、文句なしの代表馬です。

 アーモンドアイの父系をたどっていくと、まず、ロードカナロア、キングカメハメハ、Kingmambo、Mr. Prospector、Raise a Native、Native Dancer、Polynesian…とおなじみの馬が続きます。
 この父のUnbreakableは聞き覚えありませんでしたが、さらに2つ前はPhalaris(ファラリス)という超有名馬。ファラリスもほとんどの現在の馬の血統表に名前が入るということで有名な馬です。

<ファラリス(Phalaris、1913年 - 1931年)とは、イギリスの競走馬・種牡馬である。子孫にネアルコやネイティヴダンサーが出ており、現代サラブレッドの約8割がこの馬に辿り着くと言われ、主流父系の始祖となった>
<直系子孫はフェアウェイとその兄ファロス、シックル・ファラモンド兄弟が種牡馬として成功したことで、現在のサラブレッドの8割以上を占めるまでに繁栄した>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%B9_(%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC)

 このファラリスの父Polymelusなど、また私の知らない名前が続きますが、ファラリスの4代父Bend Or(ベンドア)は有名。ファラリスも「ベンドア系」と分類されることが多いです。
 ここからは少し「~系」で見ていきましょう。ベンドアはストックウェル系。ストックウェル系は、バードキャッチャー系となります。
 このバードキャッチャーは、19世紀の馬。彼の4代父を見ると、今回の主役ポテイトーズ(Potoooooooo、Pot-8-Os)が登場。やはりアーモンドアイもポテイトーズの子孫でした!