■2025/11/18 種牡馬シュウジ、わずか3頭の産駒から活躍馬を出してしまう
■2025/11/18 種牡馬シュウジ、わずか3頭の産駒から活躍馬を出してしまう
そもそもシュウジが種牡馬入りしていた記憶がなくてびっくり。戦績そんなに良かったっけ?と見ると、
GⅡ 阪神C、GⅢ 小倉2歳Sで重賞を2勝。重賞2着が3つある他、スプリンターズS4着もあります。思ったより活躍していましたね。とはいえ、種牡馬としては、そう良い成績ではありません。もっと良い成績でも種牡馬入りできないことは、よくあるでしょう。
珍しい血統でもなく、むしろあり余っていて活躍しても種牡馬入りできないことが多いサンデーサイレンス系。フジキセキ、キンシャサノキセキと続く血統でした。母系も母父がキングマンボというサンデーサイレンスの次に種牡馬入りできない血統(キングマンボ系ではキングカメハメハ産駒の活躍馬が多すぎるため)。たぶん一番種牡馬入りが難しい配合ですね。キンシャサノキセキ産駒ですけど、種牡馬になったのは、奇跡のように思えます。
前述の通り、現役時代の成績はそれほど良くないため、初年度2022年の種付け頭数はわずか8頭。そこから誕生し、血統登録された産駒となると、さらに激減して、初年度となる2023年生まれの産駒はわずか3頭でした。
ところが、このわずか3頭の産駒から中央勝利馬を輩出します。正直言えばこの時点で「活躍」と言うとやや大げさですけど、前述のような不人気種牡馬であったことからすると考えられません。なかなかないことでしょう。ドラマ性があります。
この勝利を挙げた産駒は、ロミオという馬。9頭立てだったとはいえ、中山芝2000mの新馬戦から7.3倍の4番人気となかなか高い評価で、おそらく戦前から良い動きをしていたのでしょう。母ペンデュラムも地方2勝程度で、姉は地方も未勝利。血統ではなく、実力を期待されての人気だったと思われます。この新馬戦で、人気よりさらに上の2着という結果を出しました。
中山芝2000mは父の距離適性からうすと意外でしたが、2戦目は距離短縮で中山マイル。ところが、16頭立てと頭数が増えたここでは、6番人気14着と冴えませんでした。
しかし、3戦目、福島に舞台を変えて、さらにはダート替わり(ダート1700)。ここで、3番人気に押されると、好位から抜け出して、なんと5馬身差の圧勝。もっと賞金を加算できそうで、文句なしに「活躍」と言えるようになるかもしれません。
出走頭数2頭とデータが少なく、しかも、まだ出走数も少ないのであれですけど、これのせいでアーニングインデックスとCPI(コンパラブルインデックス)の比がえらいことになっています。
前述の通り、産駒が全然活躍していない母だったこともあり、CPI(コンパラブルインデックス)はわずか0.10。めったに見ない低い数字です。
一方で、ロミオが賞金を稼いだため、アーニングインデックスは2.07という素晴らしい数字。同世代で最も繁殖牝馬の質が高いであろう三冠馬コントレイルは1.48ですから、コントレイルより高いということになります。
このコントレイルのCPIは2.65と高く、やはり繁殖牝馬の質が高いですね。本来なら産駒は活躍して当然であり、アーニングインデックス1.48は物足りない数字。アーニングインデックスをCPIで割った数字は、0.56とかなり低くなっています。
で、この数字がすごいのが、シュウジです。同様の計算をすると、20.7というめったに見ない数字に。一桁間違ってない?という数字。普通この数字が2であってもすごすぎますからね。これは、今だけの異常値なのでしょうが、それにしても素直にすごいと思います。