2024年1月4日木曜日

外国馬参戦減少のジャパンカップは意味ない?不要論

■2019/11/24 ジャパンカップに外国馬がいない…日本馬が強いため?
■2019/11/24  海外の馬はいないが、世界最高峰の外国人騎手だらけに…
■2019/11/24 外国馬参戦減少のジャパンカップは意味ない?不要論
■2019/11/24 ガラパゴス問題と賞金額の問題、改善は必要なのか?


■2019/11/24 ジャパンカップに外国馬がいない…日本馬が強いため?

 私は特に凱旋門賞のときにいつも言っているのですけど、単純に日本馬が強い・弱いではなく、合う・合わないが大きいです。凱旋門賞で惨敗する日本馬は弱い・弱いと言われるものの、ジャパンカップに来た海外馬が凡走することもよくある話。すると、今度は手のひら返しして、「日本馬は強い」と言わなくちゃいけなくなります。実際にはそうではなくて、その国の競馬や競馬場との相性があるんですね。特に日本の馬場は特殊だと、国内でも批判が出ることがあります。
 で、その関係で嫌われたのかな?と思ったのが、2019年のジャパンカップで海外馬が皆無であったこと。以前もあった気がしたのですけど、史上初だったそうな。歴史的なレースとなりました。

 ジャパンカップ史上初の外国馬ゼロ。強い日本馬と、集った世界の名騎手。(Number Web  島田明宏)を読んでみると、当初勝てなかったレースに日本馬が常勝となったことを理由に、単純に日本馬が強くなったため…としていました。
 「日本の厳しい検疫と高速馬場が、外国馬の関係者の参戦意欲を削いでいる」ことも挙げていたものの、「来ても日本の馬に勝てないから」を最大の理由としています。ジャパンカップ創設時にかかげられた「世界に通用する強い馬づくり」という目標は達成されたと言えるともしていました。


■2019/11/24  海外の馬はいないが、世界最高峰の外国人騎手だらけに…

 なお、タイトルになっているように、一方で、騎手は外国人騎手だらけ。これも「日本人は下手」「外国人はいい馬乗ってるだけ」と論争になるのですが、やはり合う・合わないが大きいです。なので、日本で結果を出せない騎手が下手とは言えません。むしろわざわざ呼んでくるのですから、海外でうまく乗っている騎手が大半。サッカーの助っ人外国人みたいなもので、わざわざ下手な人は呼んできませんよね。
 なお、騎手の場合は馬より長くレースをしますので、結果的に日本に合うことが判明している騎手が何度も来る…とは言えるでしょう。控えめに見ても、並の日本人騎手よりはうまい騎手ばかりになります。

 しかし、2019年のジャパンカップの外国人騎手はマジですごいですね。ミルコ・デムーロ騎手が不調ではあるものの、海外で素晴らしい結果を出している、ものすごいメンバーになりました。有力馬に乗っている騎手も多いです。

 <凱旋門賞6勝を含めGIを250勝しているランフランコ・デットーリ、23歳で英国リーディングとなり、その後GIを100勝以上しているライアン・ムーア、仏国で10度リーディングとなったクリストフ・スミヨン、ゴドルフィンのファーストジョッキーであるウィリアム・ビュイック、今年大差で初の英国リーディングとなったオイシン・マーフィー、そして、JRAの騎手として活躍しているクリストフ・ルメールとミルコ・デムーロという、超豪華メンバーである>



■2019/11/24 外国馬参戦減少のジャパンカップは意味ない?不要論

 あと、出るんじゃないか?と思った「意味ない」って声も出ていますね。
 レース創設に尽力し、競馬界で「ミスター・ジャパンカップ」と呼ばれた元JRA副理事長・北原義孝(84)さんが、「がっかりですよ。『もうジャパンカップなんてやめちまえ!』ぐらいの気持ちです」とおっしゃっていました。
 私は上記の記事の単純すぎる理解に不満でしたが、こちらは2番めに強さの話をしているものの、最初に相性の話をしています。

「2018年のJCの走破時計2分20秒6は、当時の(芝2400mの)世界レコードを大幅に上回るもの。それが象徴するように、東京の芝コースは、世界に類を見ないほどの超高速馬場。
 ソフトな馬場で、地力が要求されるヨーロッパの競馬とは、レースそのものの質が違う。これは武豊騎手などが、以前から指摘していたこと」(スポーツ紙記者、ジャパンカップ「外国馬ゼロ」で創設者が「やめちまえ!」 | Smart FLASH[光文社週刊誌]より)


■2019/11/24 ガラパゴス問題と賞金額の問題、改善は必要なのか?

 なお、ガラパゴスな馬場が悪いことかどうかは難しいところ。合う・合わないの話をしたように、私は個性があって良いと思っています。
 ただ、とりあえず、参考のために紹介しておきたいのが、1着賞金が約8億円でジャパンカップよりずっと高いドバイワールドカップの例。ここでは、2010年からオールウェザーで施行するようになりましたが、オールウェザーを嫌ったアメリカ調教馬がドバイワールドカップへの出場を見合わせるようになるというジャパンカップと似た問題が発生。2014年には史上初めてアメリカ調教馬無しで開催となりました。
 この状況を受けて14-15年レーシングシーズンから、ドバイワールドカップを行うメイダンのオールウェザーコース(タペタ)を伝統的なダートコースに置き換えることとなりました。ドバイワールドカップは、国際性を重視するという対応を取っています。

 あと、最初の記事では実を言うと「賞金が高いのに来ないのは日本馬が強い証拠」という無邪気な理解だったのですけど、2つ目の記事では海外でジャパンカップ以上の高額賞金レースが増えたことも指摘。ジャパンカップが安いとまでは言えないものの、相対的に魅力は薄れました。私はこの理由も有力だと思っていたので、この記事は完璧ですね。
 現在以上の高額賞金レース にはスポンサーを見つけるといった、今までと違うやり方が必要だとも指摘。北原義孝・元JRA副理事長は、「『そういうルールを変えてでもやってやろう』という人が、JRAの中にはいない」としていました。