2024年10月27日日曜日

JRA開催失敗のJBCがそもそも間違っている理由とは?

■2018/11/12 JRA開催失敗のJBCがそもそも間違っている理由とは?



■2018/11/12 JRA開催失敗のJBCがそもそも間違っている理由とは?

 初めて中央で行われた地方競馬の祭典JBCについて、産経新聞社の『サンスポ』は「JRA開催効果は絶大!京都のJBC3競走、売り上げ大幅増」と報道。実際、売上レコードは記録しており、一見、大成功だったように思えます。
 
JBCスプリント(G1)が39億3487万4700円(前年比+264.7%)
JBCクラシック(G1)の75億2690万4700円(前年比+315.3%)
JBCレディスクラシック(G1)42億6908万9200円(前年比+458.9%)

 ただ、サンスポの報道はトンチンカンなものだとの指摘があったんですよ。JRA主催で行われることが決まった時点で売上レコードの更新はほぼ確実で、問題は他の中央開催のG1との比較です。これで見ると、3レース合わせてやっと超えるといった程度。成功とは言い難いのです。

JBCのG1・3レース合計 157億3086万8600円
チャンピオンズC 141億7375万2300円
フェブラリーS(G1) 128億8625万2900円
(JRA「期待ハズレ」に地方競馬もガックリ!? JBC開催「売上レコード連発」も手放しで喜べない事情...... | GJより)

 地方でのデータが不明なのですけど、JRA開催以外も含めて、JBCの開催の仕方がそもそも根本的に間違っている可能性があります。というのも、今回あまり売れなかった理由として、以下のようなものが挙げられているためです。

「1つの傾向として、G3やG2も含めた重賞レースを同日、同週にあまり多く固め過ぎると、全体的に各レースの売上が下がる傾向があるようです」
「『重賞だけ馬券を買う』というファンは非常に多く、今回のようにあまり対象レースが増えすぎると『予想し切れない』『馬券を買うのが面倒』といった問題が発生するのかも。お財布の中身も限りがありますしね」(ある記者)

 説得力があるのが、今週行われた他の重賞が全然売れていなかったこと。激減と言って良いほど減っており、重賞を多数同時開催すると共食いを起こして大きな効果が得られない可能性を示唆しています。根拠が皆無の推測ではないんです。

「実際にJBC開催こそ売上アップとなりましたが、同日に東京競馬場で行われたアルゼンチン共和国杯(G2)は前年比‐45%と大きく売上減。さらに土曜日に行われたファンタジーS(G3)も同様に-8.5%、京王杯2歳S(G2)に至っては-41.8%と前日の重賞にも影響を及ぼしていたと考えられます」(同じ記者)

 レース単体で見るのではなく、1場での1日の売上を見た場合、3場で2日開催するよりも、2場で3日開催した方が売上が大きいとも聞いたことがあります。 なるべくレースはバラバラにして実施した方が、売上としては良くなる傾向があるようでした。


2024年10月5日土曜日

伝説の新馬戦勝ち馬エピファネイア、ブエナビスタ、ヴィクトワールピサなど

■2013/3/13  伝説の新馬戦勝ち馬エピファネイア、ブエナビスタ、ヴィクトワールピサなど
■2017/06/15 菊花賞の伝説の新馬戦、近年の戦績は?
■2017/06/15 2015年の1番人気はドレッドノータス
■2017/06/15 2014年の1番人気はオールマンリバー
■2017/12/03 グレイルは久しぶりの大物?伝説の新馬戦の負け馬、そこそこ活躍中


■2013/3/13  伝説の新馬戦勝ち馬エピファネイア、ブエナビスタ、ヴィクトワールピサなど

 10月自体がいい馬出るイメージでしたが、日付まで決まっているとは思いませんでした。これは<「伝説の新馬戦」制した大物息子    文 有吉正徳    2013年3月1日 朝日新聞>という記事で知った話です。

-----引用 ここから-----
  菊花賞当日に京都競馬場で行われる2歳馬のデビュー戦は、後の名馬が出走することが多く、関係者やファンの間で「伝説の新馬戦」と呼ばれている。
 後の皐月賞馬アンライバルド、桜花賞などを制したブエナビスタ、JC優勝馬ローズキングダムやドバイ・ワールドカップ快勝のヴィクトワールピサなどが、この一戦を足がかりに飛躍していった。
 昨年10月21日、伝説の新馬戦を制したのはエピファネイアだった。父シンボリクリスエス、母シーザリオという血統の期待馬は1番人気に応えて鮮やかに勝利をつかんだ。
http://www.asahi.com/and_M/interest/TKY201303010233.html
-----引用 ここまで-----

 ブエナビスタとアンライバルドは同じレースだろう!と確認すると、ブエナビスタが3着、アンライバルドが1着でした。
 ああ、勝利という条件ではないんですね。これの2着のリーチザクラウンと3頭ともG1勝つと思っていたんですが、残念なことに……。
 で、覚えていなかったけど、同じレースの4着が<b>菊花賞馬スリーロールス</b>。言われてみればそうだったような気もしてきましたが、本当すごいレースだったなぁ……。

-----引用 ここから-----
 母のシーザリオは2005年にオークスを制した後、米国に遠征し、GIレースのアメリカンオークスにも勝った名馬だ。エピファネイアの兄や姉は体質が弱く、結果を残すことはできなかったが、ようやく母の実力を受け継ぐ大物感ある息子が現れた。
-----引用 ここまで-----

 エピファネイア、弥生賞は全然でしたけどね。それでも重賞勝ち馬ではあります。おもしろいレースだなぁ!
(2018/01/04追記:この投稿の後、菊花賞を勝ち、エピファネイアもG1勝利しました。あと、ブエナビスタの新馬戦からは、確か地方のG1馬も後に生まれたと思います。)


■2017/06/15 菊花賞の伝説の新馬戦、近年の戦績は?

  「伝説の新馬戦」は後から見てレベルの高かったレースをそう呼ぶのですが、ブエナビスタなどを排出した菊花賞の日に京都で行われる新馬戦を近年は指すことが多いです。
 ただ、その後はイマイチなんじゃないの?と思って、ここ3年ほどを見てみることに。

  ひどかった印象が強いのは、2016年のせいでしょうか。POGで人気した1番人気トゥザクラウンが大ゴケ。
 私も兄のトゥザワールドも指名していたこともあり、指名して爆死しました。

2016/10/23 新馬戦
着順    馬名    人気
1    ベストアプローチ    3
2    アドマイヤローザ    7
3    アオイテソーロ    6
4    トップゴーイング    2
5    ライオネルカズマ    5
6    ラントシャフト    10
7    メイショウテンシャ    4
8    エイシンユニコーン    8
9    トゥザクラウン    1
10    タガノフューチャー    9
11    ウエスタンアッレ    11

  トゥザクラウンはまだ抹消されていないものの、その後未だに復帰できていません。 トゥザクラウン以外では、アオイテソーロに期待したものの、やっと未勝利を脱出したところ。
 ただ、ここで勝ち上がったベストアプローチは、名前覚えていますし、まずまずですかね? 青葉賞を2着して、ダービーにも出走。こちらは9着でしたが、将来に望みを繋げそうです。現在までの獲得賞金は4,860.4万円。
 とはいえ、伝説の新馬戦の伝統からすると、あまりにも物足りない感じです。


■2017/06/15 2015年の1番人気はドレッドノータス

 2015年は誰だっけ?と見ると、ドレッドノータスでした。こちらは1番人気で1着と人気に応えました。私はこの馬も指名していて、活躍を期待した馬。
 確か鞍上の武豊騎手も「伝説の新馬戦ですよね」とコメントしていたと思います。
 ドレッドノータスは、この次の京都2歳Sを勝利。活躍はしたものの、G1は皐月賞のみのチャレンジで15着惨敗。現在の獲得賞金は6,434.2万円。
 ベストアプローチ同様に可能性は残すものの、やはり伝説には程遠くなっています。

2015/10/25 新馬戦
着順    馬名    人気
1    ドレッドノータス    1
2    ナムラシングン    7
3    ファスナハト    2
4    トライブキング    4
5    クロークス    5
6    グレイスディオーネ    3
7    タガノアーバニティ    11
8    カエサル    8
9    テイエムパフューム    12
10    ダークフォース    6
11    エンプレスボード    10
12    ホーリーアーマー    9

 ドレッドノータス以外では、7番人気ながら2着のナムラシングンが一応可能性を残している感じ。POG期間では皐月賞に出走、現在は条件戦ですが、勝ち上がりは期待できそうです。獲得賞金5,744.6万円。



■2017/06/15 2014年の1番人気はオールマンリバー

 最後は2014年。この年は確か事前報道で小粒と言われていたような?
 1番人気は、オールマンリバーで、これまた私が指名していた馬。毎年指名していますね。
  オールマンリバーは当時2着。その後勝ち上がり、獲得賞金は1億円超えの10,506.4万円。十分活躍していますが、まだ条件馬であり、伝説とは言えません。

2014/10/26 新馬戦

着順    馬名    人気
1    タイセイアプローズ    12
2    オールマンリバー    1
3    ウインガニオン    8
4    ドラゴンマジック    7
5    ノースストーム    14
6    ラディカル    4
7    レーゲンヴァルト    3
8    ハギノパトリオット    6
9    レレオーネ    5
10    ワールドレジェンド    9
11    タマモエトワール    11
12    ヒルノデンハーグ    13
13    ミスズダンディー    15
14    ジェルヴェーズ    10
15    トーセンゲイル    2

 この新馬戦で勝ったのは、なんと12番人気だったというタイセイアプローズ。その後もまずまずで、獲得賞金6,904.8万円ですけど、やはり伝説ではありません。
 ここは聞いたことがある馬が多いですね。以下、獲得賞金が多い馬を並べます。

ウインガニオン 8,607.9万円
ラディカル 4,980.1万円
ヒルノデンハーグ 3,415.7万円

 私はオールマンリバー以外にレーゲンヴァルトにも期待していたのですが、未勝利を勝ち上がり、1,180.0万円稼いだところで引退となっています。

 ということで、近年は不発というイメージ通りの惨状。もう「伝説の新馬戦」とは呼ぶべきではないかもしれません。



■2017/12/03 グレイルは久しぶりの大物?伝説の新馬戦の負け馬、そこそこ活躍中

2017/12/03:ネガティブなことを書いた途端に、久しぶりに期待できる馬が登場しました。グレイルです。

着順    馬名    人気
1    グレイル    1
2    ストーミーバローズ    3
3    レイエスプランドル    6
4    ロイヤルバローズ    2
5    ダノンパンサー    7
6    ウォーターエルピス    9
7    コマビショウ    8
8    インスピレーション    5
9    トキノオー    10
10    トーセンアルタイル    4
11    ウエスタンマリーヤ    12
12    トーホウトリニティ    11 

 今年も小粒臭いなと思いつつ、グレイルをPOG指名したら、不良馬場で勝利。2戦目で重賞京都2歳Sをタイムフライヤーに次ぐ2番人気で出走して勝利し、2連勝。ネット競馬の掲示板は私以上に盛り上がっていました。

「藤岡佑君が言うにはまだまだユルユルらしいね。ホンマ来年が楽しみやで」
「ジャンダルムは2000m以上は無理そうだし、そこまで強くは感じない。グラスワンダーが出てきたときのような○外のスケール感があるわけでもなく。タイムフライヤーも大したことないと思う。
 グレイルの方がポテンシャル・強さは2倍・3倍以上あると思う。何だろう、この馬にはクラシックホースの資質のようなものを感じる。不良馬場でも走れる、良馬場なら飛んでいる。
 タニノギムレットっぽいなと思う」
「師の「びっくりするぐらいまだ馬が出来上がっていない。本当に良くなるのは4歳」って中々凄いコメントですね。それで重賞勝つんやからこっちがびっくりするわ。笑」
「文句なしのクラシック候補ですね!!」
 「ここの11月1日のコラムで、グレイルが不良馬場の厳しい新馬戦を走った後に、診察した獣医が「レースを使った後の心臓じゃない」と驚いていたよと野中先生が言ってたのを書いてたので、心肺機能が素晴らしくて強い馬なんだろうなと思ってたのが、本当になった!」
「この荒削りな競馬で差すとは 伸びしろですねー以外ないね」
 「無事に行ければダービー候補になりそうな一頭です」

 ちょっと盛り上がりすぎな気もしますけどね。

2018/03/31;グレイルが2戦目で負かしたタイムフライヤーがG1のホープフルステークスを勝って期待していたのですけど、グレイル自身は復帰初戦の共同通信杯、1番人気でまさかの7着。ついでにいうと、タイムフライヤーも若葉Sを圧倒的1番人気で5着となってしまいました。
 一方、伝説の新馬戦で8番人気7着と目立たなかったエンパイアメーカー産駒のコマビショウ は、ダート替わりで一変。7番人気と冴えなかったものの勝利し、さらにその次の次で2勝目を挙げています。
 また、6番人気3着だった レイエスプランドルも芝で2勝するなど、レベルが低かったわけではなさげ。グレイルには期待しているんですけど…。

2024年10月1日火曜日

菊花賞はいらない?元ネタ世界のセントレジャーは古馬開放・降格・距離短縮

■2021/09/22 菊花賞はいらない?元ネタ世界のセントレジャーは古馬開放・降格・距離短縮
■2022/10/27 菊花賞は未知の魅力 穴馬を狙いたくなる「全馬初めての長距離重賞」


■2021/09/22 菊花賞はいらない?元ネタ世界のセントレジャーは古馬開放・降格・距離短縮

 競馬レースでは「~不要論」というのが多数あるのですが、日本だけでなく世界的にあるの菊花賞不要論。菊花賞は日本だけの名前ですから、正確に言うと、元ネタとなったセントレジャー不要論ですね。
 この世界中にあるセントレジャー系レースの大元である、イギリスのセントレジャーについて、Wikipediaでは、以下のように説明しています。

<セントレジャーステークス(St. Leger Stakes)は、イギリスのクラシック三冠および牝馬クラシック三冠の最終戦としてドンカスター競馬場芝コース1マイル6ハロン115ヤード(約2921メートル)で行われる長距離適性を審査する競馬の競走である。競走名は18世紀のスポーツ愛好家であったアンソニー・セントレジャー陸軍中将に由来する。出走条件は3歳限定で繁殖能力の選定のために行われるため、騸(せん)馬の出走はできない。世界最古のクラシック競走であり、日本の菊花賞のモデル競走>

 Wikipediaでは、<各国に「〜セントレジャー」と名のつくものや本競走をモデルとした競走が数多く施行されている>と多くの競走を紹介。ただ、<いくつかは完全に三冠最終戦としての性格を失っており、古馬を含めた長距離戦としてやただの下級戦となっている例も有る>としていました。リステッド競走まで落ちている寂しいレースもありますね。
 一方で、<日本やトルコ、インドなどは当初の性格を残している>とのこと。Wikipediaの一覧では、距離を短縮したかどうか記載がないのですが、それ以外の「古馬開放」「降格」はわかるので、以下、分類して紹介しておきます。

<3歳G1維持>
・イギリス - セントレジャーステークス(G1)
・アメリカ合衆国 - ベルモントステークス(G1)
・日本 - 菊花賞(GI)
・チリ - チリセントレジャー(G1)
・インド - インドセントレジャー(G1-part2)
・トルコ - アンカラ・コスス賞(G1-part3)

<降格+古馬開放>
・ドイツ - ドイチェスセントレジャー(G2→G3、古馬開放)
・イタリア - セントレジャーイタリアーノ(G2→G3→L→G3、古馬開放)
・ニュージーランド - ニュージーランドセントレジャー(G1→L、古馬開放)

<古馬開放>
・アイルランド - アイリッシュセントレジャー(G1、古馬開放)
・フランス - ロワイヤルオーク賞(G1、古馬開放)
・アルゼンチン - カルロスペルグリニ大賞(G1、創設時より古馬出走可。セントレジャーではないが相当する競走とされることもある。同国の最強馬決定戦の1つ)

<降格>
・南アフリカ - サウスアフリカンセントレジャー(L、降格ではなくもともと?)


■2022/10/27 菊花賞は未知の魅力 穴馬を狙いたくなる「全馬初めての長距離重賞」

 不要論もある菊花賞ですが、私は一番好きなレースのひとつ。特に馬券的には一番好きなレースで、人生で最も馬券を購入しているレースです。ただ、そもそもあまり馬券を買わない私の「人生で最も馬券を購入しているレース」なので、大した金額じゃありませんけどね。JRAさんにはあまり貢献できていません。

 菊花賞がおもしろいというのは、この世代の馬が初めて経験する3000mの重賞であること。わからない部分が多く、穴馬でもチャンスがありそうな気がしてワクワクするんですよね。スロウでスタミナがあまり関係ない展開になることが多いとは言え、実績のない長距離を走りそうな血統が馬券に絡むのでは?とつい買いたくなってしまいます。

 この菊花賞はほぼ毎年買っており、一時は「得意なレース」と思っていた時期もありました。ただ、実際問題、最近さっぱり当たってないよな…と思ったので確認してみることに…。
 で、計算してみると、以下のような悲惨な結果となりました。回収率が100%を上回っていたのは初期の数年だけ。2013年を最後に10年ほど当たっていないという恐ろしい結果です。回収率は6割を切っていますので、むしろ苦手なレースと言った方が良い内容。買わない方が良いレースなのかもしれません。

年度    購入    払い戻し    回収率
2003    1,000    2,790    279%
2004    700    0    164%
2005    400    0    133%
2006    100    760    161%
2007    1,500    0    96%
2008    1,300    0    71%
2009    700    0    62%
2010    300    0    59%
2011    200    0    57%
2012    900    1,920    77%
2013    600    1,900    96%
2014    600    0    89%
2015    600    0    83%
2016    600    0    78%
2017    600    0    73%
2018    600    0    69%
2019    400    0    66%
2020    1,200    0    60%
2021    0    0    60%
2022    600    0    57%
合計    12,900    7,370    57%