2024年10月30日水曜日
珍名モズトキキ VS メリオーレム、リーチユアドリーム、フルレゾン、リンドバーグ、アズベリー
■2023/08/25 珍名モズトキキ VS メリオーレム、リーチユアドリーム、フルレゾン、リンドバーグ、アズベリー
あんまり気になる名前の馬いないなーと思っていた今週の競馬。最初に目についたのは、モズトキキでした。公式の説明は「冠名+人名愛称」となっているんですけど、これたぶん「冠名+と+人名愛称」で「モズとキキ」ってことじゃないですかね。「キキとララ」「ぐりとぐら」みたいな名前。英語表記も「Mozu to Kiki」でしたので、やはりこの理解で良さそうです。珍しい命名の仕方、アイデアの感じる命名の仕方です。
馬主さんはもちろんモズの冠名でおなじみキャピタル・システム。モズアスコット、 モズスーパーフレアなどが代表馬。モズトキキの母も所有馬のモズジャカランダでした。
リーチユアドリームは結構好きだなと思った名前の馬。結構人気になりそうで、リーチザクラウンの期待馬か?とリーチザクラウンが好きだった私は期待しましたが、マインドユアビスケッツ産駒で残念。母父などとも関係なく、母名がナッシングバットドリームズだったのでそれが由来のような感じ。ちなみに母のナッシングバットドリームズもその母デインドリームからの連想でしょう。 デインドリームは凱旋門賞など、G1を勝ちまくった歴史的名牝であり、良血です。
注目馬の方では、小倉2000mのメリオーレム。父シュヴァルグランは正直それほど期待されていないと思うのですけど、意外に走りそうな感じ。兄弟も1勝程度であり、これもやはり強調できないところ。ただ、これくらいの地味さが好みなんですよね。POG指名するかどうか迷っています。
リアルスティール産駒のアズベリーは正直好きな感じではないものの、インブリードが濃いな~と思ったので注目。以下のように3 x 3、3 x 4という濃いところが入った4本の多重インブリードです。
Storm Cat 25.00% 3 x 3
Monevassia、Kingmambo 18.75% 3 x 4
Mr. Prospector 12.50% 4 x 5 x 5
Northern Dancer 9.38% 5 x 5 x 5
今週はなぜか気になる名前の馬が少ないので、注目馬を多めにやりましょう。とは言っても、なぜか能力的に気になる馬も少ないので、おまけした感じですけど、アズベリーと同じレースではフルレゾンの方が好み。姉に函館2歳S(G3) 2着の カイカノキセキがいて、仕上がりは早そう。父がオルフェーヴルに変わったのもプラスでしょう。
うーん、困った。まだ少ないですね。今週最も気になっているメリオーレムのレースでは、ドゥラメンテ産駒リンドバーグも気になるところ。もっと人気になりそうな馬がいますが、メリオーレムのライバルとしてはこの馬を一番警戒しています。
2024年10月29日火曜日
アイルランド児玉敬厩舎から種牡馬入り ポップロック、キングストレイル、ステキシンスケクン、セイウンヒーロー
■2016/10/9 エイシンフラッシュの日本ダービー制覇をアイルランド人が喜んだ理由
■2016/10/9 同じ年にキングズベストの産駒が欧州でもダービー制覇
■2016/10/9 エイシンフラッシュの種牡馬として失敗?データを見ると…
■2016/10/9 アイルランド児玉敬厩舎から種牡馬入り ポップロック、キングストレイル、ステキシンスケクン、セイウンヒーロー
アイルランド児玉敬厩舎から欧州で種牡馬入り した馬がかなりいます。以下は、すべてWikipediaからの引用です。
ポップロック
-----引用 ここから-----
馬主名義を変更したうえで、アイルランドの児玉敬厩舎に移籍して、現役を続行した[1][2]。同時期にコスモバルクのアイルランド移籍も発表されたことから、岡田繁幸が新しい馬主になるという憶測がされることがあったが、フリーライターの河村清明のブログによれば、新しい馬主は岡田ではなく、児玉を含めた複数名で共有することになるという[3]。そして7月30日にゴールウェイ競馬場で行われたギネスレース(一般戦)にフランシス・ベリー騎手鞍上で出走し、シーザーズソングに2馬身1/2差をつけ、移籍初戦を勝利で飾った。続いて9月11日のアイリッシュセントレジャーに出走したが、最後の直線でベリーが脚部の不安を感じて追うのを止め、最下位の8着で入線、レース後の検査で右前脚の浅屈腱炎を発症していることが分かり引退が決まった。引退後はチェコのNapajedla Studで種牡馬入りし、2011年から供用される。初年度の種付け料は25000チェコ・コルナまたは35000チェコ・コルナ[4]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF_(%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC)
-----引用 ここまで-----
キングストレイル
-----引用 ここから-----
アイルランドからのオファーを受け、引退後の現地での種牡馬入りを前提として2011年2月に輸出され、現地で開業する児玉敬厩舎で競走馬として復帰することとなる[1]。12月17日の準重賞ケベックステークスで復帰し、復帰初戦は4馬身以上離された9着。2012年1月27日のオープン戦では1馬身差の2着。2月25日の準重賞ウィンターダービートライアルステークスでは逃げ切りを図るが約2馬身差の4着だった。3月31日の準重賞マグノリアステークスに出走し、1着から約8馬身差の4着に敗れた。約3か月ぶりの出走となった6月20日のロイヤルハントカップでは1着から70馬身以上離された29着に終わった。その後3走したが勝てず、2013年1月4日のレースで5着に敗れたのを最後に現役を引退し、アイルランドのロングフォードハウススタッドで種牡馬となった[2]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%AB
-----引用 ここまで-----
ステキシンスケクン
-----引用 ここから-----
日本からアイルランドへ輸出され、児玉敬厩舎に預けられた[2]が、現地での出走は実現しなかった。8月18日付けでJRAの競走馬登録を抹消され[3]、その際にチリでの種牡馬入りが改めて報じられた[2][3]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%82%AF%E3%83%B3
-----引用 ここまで-----
コスモバルクもじゃなかったっけ?と思ったものの、コスモバルクは勘違い。コスモバルクは右前脚に屈腱炎とみられる故障が発覚し引退して1レースも走れず。走れていれば、また未来は違ったかもしれませんえど…。
あと、種牡馬じゃないですが、ピサノティファニーは厩舎経由で繁殖入り。たぶんアイルランドでしょうね。名馬シーザスターズなどをつけているようです。
「予定」という情報の後、新しい情報がないのですが、セイウンヒーローも種牡馬入りのはずでした。
海外は懐が広く、多様性がありますし、一流競馬国じゃなければさらに需要があります。こういったルートはもっと使われると良いですね。
エイシンフラッシュの母はアイルランドから来ています。
Enjoy Ruffian2010年7月号「シャムロックの草原から」によると、エイシンフラッシュ号の母ムーンレディは、アイルランドの児玉 敬調教師の厩舎のすぐ近くにある友人の牧場にいた牝馬。キングズベストを受胎して日本に渡った馬でした。
友人はエイシンフラッシュ号の日本ダービーの結果を聞きに、朝一番で児玉さんの厩舎にやってきました。ダービー制覇を伝えると、大喜びして日曜の朝からあちこちに電話をして大騒ぎしながらその興奮を仲間達に伝えていたとのこと。
ムーンレディの担当獣医は児玉厩舎の担当獣医でもあり、彼に至っては「今年の日本ダービー馬に世界で最初に触れたのは直検をした俺だ、あの時の受胎確認エコーの画像コピーを取っておけば良かった…」などと真顔で言っていたといいます。
■2016/10/9 同じ年にキングズベストの産駒が欧州でもダービー制覇
ドラマチックだったのが、同じ年に欧州でもキングズベストの産駒がダービー制覇を成し遂げたということ。英国のダービーを勝ったワークフォースです。
-----引用 ここから-----
…数ヶ月前、2歳トレーニングセールの為、英国ニューマーケットに参りました際、親しくしているマイケル・スタウト厩舎のヘッドラッドの所に遊びに行った事がありました。(中略)「この馬が今年のダービー馬だ!」と彼が言うキングズベストの3歳牡馬に出会いました。「キングズベスト〜〜〜?ダービー〜〜?」と言う僕に「タカシ、もしかしたらこの馬がキングズベストの評価を覆すかもしれないぞ」と言っていた彼の言葉が、まさかその数ヵ月後にまさに現実になるとはその時は思いもしませんでした…
絶対に破られる事がないと言われていた神の馬ラムタラの走破した英国ダービーレコードを1秒も更新し、昨年の歴史的名馬シーザスターズに勝るとも劣らない素晴らしいダービーウィナーとなったそのキングズベスト産駒・ワークフォースの出現は、日本ダービーを同じくキングズベスト産駒が勝利する事と共に本当に嬉しい驚きでした。
-----引用 ここまで-----
■2016/10/9 エイシンフラッシュの種牡馬として失敗?データを見ると…
エイシンフラッシュは当然日本で種牡馬入りしています。ただ、まだデビュー前です。
先にデビューしたのはワークフォースなのですが、何とこちらも日本で種牡馬入り。キングズベストの父はキングマンボで日本での戦績は悪くありません。そこらへんの影響でしょうか?
とはいえ、活躍するとは思えない感じでしたし、実際現在の評判は芳しくありません。となると、エイシンフラッシュもキツイかもしれませんね。
2019/05/11追記:2018年の種牡馬リーディング、ワークフォースは40位とふるいませんでした。というか、2017年からアイルランドに行っていますね。やはり失敗だった模様。AEIは0.56という低さでした。
一方、CPIを見ると、1.64というかなり良い数字。繁殖牝馬の質はかなり高かったために壊滅的に種牡馬成績が悪かったことがわかります。(2020/03/07:CPIの理解がおかしかったので修正しました。申し訳ありませんでした)
さて、エイシンフラッシュの方の話。 エイシンフラッシュはなんとワークフォースとほぼ同じ38位。やはりこの数字は悪いです。
AEIはワークフォースよりマシでしたが、0.75と悪いもの。ただ、CPIはやはり1.41と良い方の数字を出しています。ワークフォースほどではないものの、繁殖牝馬のわりに良い産駒を出していないということになり、やはりボロクソです。(2020/03/07:CPIの理解がおかしかったので修正しました。申し訳ありませんでした)
そのせいか、エイシンフラッシュは新ひだか町静内目名にあるレックススタッドにすでに移動していました。
2024年10月28日月曜日
珍名馬・群馬県示すツルマウカタチ(つる舞う形)、カワ、タキ VS シャトーディフ、クルミナーレ
■2023/09/15 珍名馬・群馬県示すツルマウカタチ(つる舞う形)、カワ、タキ VS シャトーディフ、クルミナーレ
最近珍名馬がいなかったので、久しぶりの更新。デビュー馬はむしろ増えている感じなのに、珍名馬が減っているというのは不思議。夏競馬の方が珍名馬が多い…みたいなのあるんですかね?
とはいっても、今週も珍名馬は少なく、おもしろ系よりは変わっていて、普通の意味で珍しいなという馬がちらほら。その中で一番変わっていると思ったのは、わりと人気になりそうなツルマウカタチですね。
私はこれ、最初、以前活躍馬を出した冠名の「ツルマル」と誤読。で、どこで切るの?と悩み、「ツル+マウ+カタチ」で「鶴舞う形」(鶴が舞う形)かな?と思います。これなら意味が通じしますね。
しかし、私が知らないだけで「つるまう」という動詞があるのかも…と検索。すると、<群馬の由来と歴史~“つる舞う形”ができるまで~ - まっぷるトラベルガイド>というページがヒットしました。群馬県民には群馬県を示すワードとして定着しているんだそうです。
<上毛かるたで「つる舞う形の群馬県」と詠まれているように、群馬の形は鶴が羽ばたく形に見えます。群馬県の南東部がくちばしで、上下(南北)に翼を広げて羽ばたいているシルエットです。群馬県民ならみな「県の形は鶴の形」と答えるこの形になるまでには、さまざまな変遷がありました。>
https://www.mapple.net/articles/bk/9610/
公式の馬名説明では「鶴舞う形。上毛かるたより」とのこと。上毛ってのがそもそも群馬県のことじゃなかったっけ?と思ったらそうですね。1947年(昭和22年)12月に群馬文化協会が初版を発行した [1] 郷土かるただそうです。
馬主は星野 壽市(じゅいち)さん。鉄のスクラップ加工、産業廃棄物処理などを手がける三栄商事株式会社代表取締役会長。てっきり群馬県出身なんだと思ったら、金物で有名な新潟県三条市出身。しかし、やはり会社などは群馬県でした。そもそも所有馬に「上毛かるた」のフレーズを使用していることで知られている馬主さんなんだそうです。知りませんでしたわ。
「上毛かるた」由来の所有馬
「上毛かるた」由来の馬名は1世代につき1頭名付けている[4]。
アサマノイタズラ[5]
「浅間のいたずら 鬼の押し出し」より
エンギダルマ[6]
「縁起だるまの少林山」より
ココロノトウダイ
「心の灯台 内村鑑三」より
テンカノギジン[7]
「天下の義人 茂左衛門」より
ヘイワノツカイ
「平和の使徒 新島襄」より
ライトカラカゼ
「雷とからっ風 義理人情」より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E9%87%8E%E5%A3%BD%E5%B8%82
他に気になった馬名はカワ、タキといういずれもシンプルネームな馬名。珍名と言って良いかどうか迷うところですが、珍しいことは間違いないでしょう。てっきり同じ馬主さんだと思ったら、それぞれTNレーシング、(株)スリーエイチレーシングと異なります。ちなみにタキの方はPOG指名馬でもあります。
馬名意味はそれぞれ「カワウソの女の子より」「人名より」となっていました。「カワウソの女の子より」というのは、検索してみると、多摩動物公園に以前カワちゃんというカワウソがいたとわかったのでそれが由来でしょうか。他の動物園でもありそうな名前ですけど…。
3頭だけなので、好きな馬の話も。同じレースでぶつかるシャトーディフ、クルミナーレがともに近親がすきな馬です。
シャトーディフはソングラインの姪っ子というべきなのですけど、私的にはルミナスウイング、モンローブロンド、Attractionなどの近親という血統。大好きな血統で、なおかつ成功して活躍馬の多い血統ですね。それなのによりによってソングラインなど、活躍している馬をことごとく指名できていないのは私らしいです。
クルミナーレの方は勝ち上がり率の高いクロウキャニオンの子。キラウエア、ヨーホーレイクなどが活躍しています。が、これも私が指名したときの馬はあまり走らない…という見事な逆神状態に。今年は指名しましたので、また走らないかもしれません。
2024年10月27日日曜日
JRA開催失敗のJBCがそもそも間違っている理由とは?
■2018/11/12 JRA開催失敗のJBCがそもそも間違っている理由とは?
初めて中央で行われた地方競馬の祭典JBCについて、産経新聞社の『サンスポ』は「JRA開催効果は絶大!京都のJBC3競走、売り上げ大幅増」と報道。実際、売上レコードは記録しており、一見、大成功だったように思えます。
JBCスプリント(G1)が39億3487万4700円(前年比+264.7%)
JBCクラシック(G1)の75億2690万4700円(前年比+315.3%)
JBCレディスクラシック(G1)42億6908万9200円(前年比+458.9%)
ただ、サンスポの報道はトンチンカンなものだとの指摘があったんですよ。JRA主催で行われることが決まった時点で売上レコードの更新はほぼ確実で、問題は他の中央開催のG1との比較です。これで見ると、3レース合わせてやっと超えるといった程度。成功とは言い難いのです。
JBCのG1・3レース合計 157億3086万8600円
チャンピオンズC 141億7375万2300円
フェブラリーS(G1) 128億8625万2900円
(JRA「期待ハズレ」に地方競馬もガックリ!? JBC開催「売上レコード連発」も手放しで喜べない事情...... | GJより)
地方でのデータが不明なのですけど、JRA開催以外も含めて、JBCの開催の仕方がそもそも根本的に間違っている可能性があります。というのも、今回あまり売れなかった理由として、以下のようなものが挙げられているためです。
「1つの傾向として、G3やG2も含めた重賞レースを同日、同週にあまり多く固め過ぎると、全体的に各レースの売上が下がる傾向があるようです」
「『重賞だけ馬券を買う』というファンは非常に多く、今回のようにあまり対象レースが増えすぎると『予想し切れない』『馬券を買うのが面倒』といった問題が発生するのかも。お財布の中身も限りがありますしね」(ある記者)
説得力があるのが、今週行われた他の重賞が全然売れていなかったこと。激減と言って良いほど減っており、重賞を多数同時開催すると共食いを起こして大きな効果が得られない可能性を示唆しています。根拠が皆無の推測ではないんです。
「実際にJBC開催こそ売上アップとなりましたが、同日に東京競馬場で行われたアルゼンチン共和国杯(G2)は前年比‐45%と大きく売上減。さらに土曜日に行われたファンタジーS(G3)も同様に-8.5%、京王杯2歳S(G2)に至っては-41.8%と前日の重賞にも影響を及ぼしていたと考えられます」(同じ記者)
レース単体で見るのではなく、1場での1日の売上を見た場合、3場で2日開催するよりも、2場で3日開催した方が売上が大きいとも聞いたことがあります。 なるべくレースはバラバラにして実施した方が、売上としては良くなる傾向があるようでした。
2024年10月26日土曜日
公式では稀!西園正都調教師が和田竜二騎手に怒りのコメント
■2022/05/01 和田竜二騎手から乗り替わりの国分優作騎手が好騎乗で激走
■2023/09/05 自分で「溜めて味があるタイプではない」とわかってて控える謎騎乗
■2021/12/11 公式では稀!西園正都調教師が和田竜二騎手に怒りのコメント
私はウインレーシングクラブやラフィアンで、何頭かの馬の近況やレース後コメントを追っかけています。ここの調教師コメントを見ていて思うのは、調教師が意外に騎手の騎乗をほとんど批判をしないということ。裏でどう言っているかまではわかりませんけど、騎手を責めるようなコメントはゼロに近い状態です。
応援馬のコメントを追っかけているので、私的には「クソ騎乗しやがって!」ということがしょっちゅうあるのですけど、そんなときでも調教師は批判しないどころか、むしろ擁護するようなコメント、レースがうまく運べなかったことに理解を示すようなコメントが多いです。これはすごく意外でした。
ただ、タイトルにあるように、この前、西園正都調教師が和田竜二騎手に皮肉を交えた、怒りを抑えられない感じのコメントをウインレーシングクラブの公式コメントに寄せていてびっくり。これは2歳馬のウインバグース(父モーリス、母コスモネモシン、母父ゼンノロブロイ)の騎乗についてでした。
西園正都調教師とってウインバグースは勝ち負けになって当然の期待馬だったのですが、2度続けて前行った馬にしてやられる騎乗で敗れています。進歩のない騎乗のため、頭に来たようです。繰り返すように、こういうコメントは極めて珍しいと思います。
2021年10月30日(土)
西園調教師 <ドスローの上がりだけの展開となり、前に行った組にうまく乗られてしまいました。大ベテランのジョッキーなので初戦と同様にレース前の指示は特にしていなかったのですが、せっかくスタートが決まったのに消極的な騎乗で非常にもったいない競馬でした。この後もダメージがなければ続戦を考えています>
https://www.win-rc.co.jp/site/belonging/condition/belong_cond_back.php?mode=init&hcd=20190007&from=detail&org_from=
ウインバグースはキレない馬。他のモーリス産駒もそういう馬が多いんですよね。展開が向けば差せないことはないのでしょうが、スローでキレ勝負といった展開は苦手。なので、スローペースで消極的に乗ると前をつかまえられません。
ところが、和田竜二騎手は新馬戦も2戦目もスローの中で積極的には乗らず、前が残ってしまう展開になってしまいました。新馬戦¥未勝利戦はそうでなくてもスローになることが多いため、本当でしたら馬の特性を考えた工夫が必要でした。掲示板でも「モーリス産駒乗ったことないのか?」と揶揄されたような騎乗だったのです。
ちなみ3戦目は横山和生騎手に乗り替わって勝ち上がっています。思ったほど強い勝ち方はできず、ちょっと西園正都調教師の期待値が高すぎたかな?とは思いました。その意味では、和田竜二騎手には酷だったかもしれません。ただ、横山和生騎手は乗り替わりで一発で結果を出しわけで、見事でした。
横山和生騎手は和田竜二騎手という悪いお手本があったせいか、最初から積極的。ただ、積極的すぎて逃げになってしまいました。見ているときに「逃げるのはさすがにどうかな?」と一瞬焦ったものの、きついハイペースで逃げたわけではなく、悪くないと思い直しました。
そして、直線は他の馬が抜く勢いで追ってきて抜かれそう…というところで抜かれなかったんですよ。抜かれそうでいて抜かれない…というのは、イメージ通りのズブさ。ウインバグースの特徴を活かしきって最後はなんとかしのぎ切りました。良い騎乗だったと思います。
■2022/05/01 和田竜二騎手から乗り替わりの国分優作騎手が好騎乗で激走
和田竜二騎手に悪い話が続いて申し訳ないのですが、上記と同じウインレーシングクラブで応援している別馬ウインスピリタスの話を。ウインスピリタスはタニノギムレット産駒で、モーリス産駒である上記ウインバグースとは異なるものの、前に行くタイプでしかもキレる足を持っていません。そもそもウインやラフィアンって前に行く馬多いイメージですしね。
ウインスピリタスの場合は他にも困った特徴があります。時計が早いと対応できないので、馬場が渋った状態の方が良いのですが、道悪になってしまうとこれまた苦手という注文が多い馬。
さらに、前に行く馬なのにダッシュがそれほど早くないです。タイムがないので芝1200は長い感じ。芝1400の方が良いのですが、これはこれでやや長いかな、という、「帯に短し襷に長し」な感じです。
大差で負けるわけではなく、弱い馬ではないのですが、このように注文がつきすぎてなかなか勝てません。典型的な善戦マンタイプでもなく、26戦2勝 [2-0-0-24]で、2着、3着はないのにも関わらず、4着は8回もあるという妙な善戦マン。一時期の福永騎手みたいですね。福永騎手の馬版、4着男などとでも言っておきましょうか。
馬の特徴がわかったところで騎乗の話です。ウインスピリタスは前走2022/04/16の千種川特別(2勝クラス)で和田竜二騎手が乗って5番人気10着。ただ、個人的にはこのレースは内枠でかなり窮屈になって動きようがなく、仕方なかったかな?という感じ。良いメンバーも揃っていました。
私が不満だったのは前前走2022/03/20摂津特別(2勝クラス)の方。こちらは4番人気4着で、着順だけ見るとこちらの方が良いです。ただ、スロウが予想される9頭立てなのに工夫なしだったんですよ。前述の通り、ウインスピリタスはキレる足がないため、最後にヨーイドンになると絶対負けます。なので、最初から積極的に乗ってほしかったのですが、そういったアクションもなく普通に乗っての敗退でした。個人的にはたいへん不満です。
今回、22/05/01 阪神9R 山陽特別では、以前乗っていた国分優作騎手に乗り替わり。この馬に関して言えば、私は国分優作騎手の方が良いイメージなので歓迎でした。
馬場の方は稍重であり、「吉と出るか凶と出るか」は微妙なところ。とりあえず、また少頭数なので思い切って乗ってほしいと思いました。馬場のせいで差し馬がキレない可能性もあり、なおさら前に行ってほしいところです。それで大敗すれば叩かれそうですが、私は玉砕覚悟で前へ行ってほしいとまで思っていました。
すると、国分優作騎手は今回、最初から激しく先手を主張してハナをとり切りました。前に行く馬ではありますが逃げ馬ではなく、ここまで強烈に主張したレースは記憶にありませんね。忘れているだけかもしれませんけど…。
とりあえず、前述の通り、今日の条件ならこの作戦は大歓迎。1番人気にマークされる嫌な形にはなったものの、前述の理由でやむなし。また、9頭立てで8番人気ですので、勝ち負けが期待されている馬でもないくチャレンジャーの立場。チャレンジしてこそです。
足を残してそうな感じで直線は期待。今日は後続も伸びるのが遅れました。余裕シャクシャクだった感じの1番人気はさすがで交わされましたが、一瞬差し返すか?という気配すら感じる粘りを見せて燃えましたわ。遅れて伸びてきた後続勢もしっかり抑えて初めての2着。ブービー人気での価値ある2着です。個人的な好みとしては、今回の国分優作騎手騎乗はパーフェクトでした。
後からウインレーシングクラブの競馬場速報を見てみると、これは調教師の指示だったみたいですね。長谷川浩調教師は、「いつもはハナ行く馬が何かしらいて好位からのレースになっていましたが、今回はメンバーを見渡してこれといった逃げ馬が見当たりません」とした上で、今回はジョッキーに「何が何でもハナに行ってほしい」と指示を伝えていたそうです。
そういう意味では、国分優作騎手の判断ではなく、褒めるべきでは長谷川浩調教師。ただ、国分優作騎手もうまく乗ってくれました。
前述の通り、テンが早いタイプではないため、毎度逃げるというのは無理そうなのですが、今後は逃げも、オプションの選択肢のとして常に頭の中に入れておいてほしいです。
2022/06/26追記:次走は再び和田竜二騎手で、長谷川浩調教師から「行けるようなら行ってほしい」との指示があったのに、先行すらできず中団からの競馬。5番人気7着と敗退して、逃げを期待して買った人が多い掲示板では非難轟々でした。
ただし、和田竜二騎手は行く気があったのに馬が動かなかったパターン。スタートですでに遅れていて、ここは騎手が原因と多少が疑われるものの、もともとスタートが早い馬ではありません。また、前述の通り、テンも早くありません。終盤まで含めて基本的にスピードがなくて、今日のような早い時計のレースは向かないタイプ。和田竜二騎手のせいではなかったと思われます。前回の最後で「テンが早いタイプではないため、毎度逃げるというのは無理そう」と書いたとおりの競馬になってしまいました。
強い馬ではなく、条件がいろいろ揃わないと好走できない難しい馬。ここらへんは仕方ないですね。ただ、これだけ向かない今日のレースでも7着に残っており、やはり弱くはない馬。内で身動きできないのが幸いして、コーナーでスルスル順位を上げると、最後の直線では掲示板あたりの順位まで来て、なおかつ最後ある程度の脚を見せてくれて、5着に残れるかもと期待しちゃう競馬。差せるスピードを持っている馬ではないので、最後はいつも通り抜かれましたが、向かない展開すぎて惨敗も覚悟していたので、むしろ予想以上の大健闘でした。
■2023/09/05 自分で「溜めて味があるタイプではない」とわかってて控える謎騎乗
ウインバグースは前回勝った初勝利の後、苦戦した時期もありましたが、2勝目を上げ、2勝クラスでも2着を3度しており、このクラスでも通用。西園正都調教師が期待したほど大物ではなかった感じである一方、ある程度やれる馬であることは確認できました。
成績にはムラがあります。これは当初指摘された特徴がそのまま続いているためですね。自分の形になれば勝負できるものの、そうではないとダメとはっきりしているため。当初言われていたように、キレる足がないため、逃げや先行してなおかつラストでキレ勝負とならないときだけ好成績を残しています。
ところで、和田竜二騎手ですが、西園正都調教師が怒った未勝利戦の後も2度騎乗。ただ、2022/03/19以降は騎乗がしばらくなく、他の騎手ばかり乗っていました。
しかし、2023/09/03に久々の騎乗。そして、相変わらず、前述の特徴を理解しない乗り方をやらかして惨敗していました。以下のようにウインレーシングクラブでの公式コメント見ると、どうも本人もウインバグースの足がキレないことはわかっていたみたいなんですが…。不思議なベテラン騎手ですね。
和田竜二騎手<行きたい馬を行かせて好位からレースを選択しましたが、途中からずっと10番の馬(インプロバイザー)に絡まれたことで馬がだいぶリキんでいました。息が入るところがずっとありませんでしたし、隊列の並びが良くなかったです。結果論ですが、ポンといいスタートが切れましたし、溜めて味があるタイプではないので、主張してハナに行き切る形でもよかったかもしれません。失敗しました、申し訳ありません。>
序盤2,3番手で先行できそうだったのに、一旦手綱引いて下がる場面あって、アホ!と思って見ていました。ただ、このときは私がわからなかっただけで、狭くなった…といったやむを得ない事情もあったのかな?と思っていたんですよね。
しかし、上記のコメントで「行きたい馬を行かせて好位からレースを選択しました」とあったので、意図して下げた模様。これがもうウインバグースの特徴を理解していない乗り方で完全にダメです。特に和田竜二騎手が乗らなくなってからのウインバグースは、先行よりも逃げというより前に行く脚質が板についてきていました。アホすぎます。
今回の惨敗は他の馬に絡まれて引っかかったというやむを得ない事情はあります。ただ、その前の選択の時点でダメ。また、馬をコントロールできなかったとも言えなくもないものです。
実を言うと、この1つ前のレースは6番手でも大崩れしない5着でした。このため、前に行かなくてもやれるのでは?と見た人もいるでしょう。
ただ、私は飽くまでウインバグースは最後キレないのは確実との考え。なので、玉砕を覚悟してでも前に行くしかないですね。それでハイペースになって最後バテても仕方ないと割り切ることができます。まず、前に行かないと話にならない馬だと思います。
2024年10月25日金曜日
遅いデビューでの活躍馬 ブロードアピール、ダイユウサク、タマモストロングなど
■2022/04/10 G1勝ちまくり最強マイラー・タイキシャトルは遅いデビューでも最強馬?
■2017/10/02 芝で悪くなくてダート変更が遅れたブロードアピール
■2017/10/02 ブロードアピールといえば根岸S!伝説的な追込による勝利
■2017/02/17 「史上最強の一発屋」個性派の名馬ダイユウサク
■2017/02/17 遅いデビューでの活躍馬 ブロードアピール、ダイユウサク、タマモストロングなど
Enjoy Ruffian 2012年3月号 マイネルデータ 牡・父スダタカオ〈24〉須田鷹雄は、遅いデビューでの活躍馬がテーマでした。
まず、1992年以降の平地G1馬が最初のレース(新馬戦とは限らず、未出走戦・未勝利戦などでのデビューも含む)を走った時期別成績について、調べています。
いちばんデビューが遅かったのはフラワーパークで3歳の10月29日。現在なら中央でデビューできないタイミングで、しかもそのデビュー戦で10着と敗れているというから驚きです。(2戦目で勝ち上がり)。
以下、ジャガーメイルの9月8日、シンコウキングの7月9日と続く。遅れたデビューから3歳のうちにG1を勝った一番の例はオウケンブルースリで、4月26日のデビュー(2着)から菊花賞を制しています。
これを重賞勝ちにまで広げると、私も大好きだったブロードアピールが一番になります。
4歳時の9月12日に札幌の500万条件平場でデビューし、2戦目で勝利。1敗を挟んで4連勝すると、デビュー4か月後の京都牝馬特別で早くも重賞入着(3着)。重賞を勝つにはそこからさらに1年かかったが、6歳2月にシルクロードSを制しています。
これに続く2位がタマモストロング。4歳の5月16日に新潟の500万条件平場でデビュー。その後しばらく停滞しましたが、4歳終わりから7連勝でマーチSを制しました。
500万条件(400万条件)デビューから出世した例としてはダイユウサク(91年までの重賞しか勝っていないため今回対象外)が有名ですが、そのダイユウサクもデビューは3歳の10月30日。先述した2頭は4歳のデビューでしたからね。
最近増えているマル地馬での最高記録は、3歳の10月31日にデビューしたダンスアジョ
イ。未勝利のまま1000万条件に出走するという奇策まで繰り出したが勝てず、道営での2戦2勝を挟んで中央に復帰。後に小倉記念を制しました。
■2022/04/10 G1勝ちまくり最強マイラー・タイキシャトルは遅いデビューでも最強馬?
<遅いデビューと連勝街道|競馬最強の法則WEB>では、日本調教馬による海外GI初制覇が出た直後に2例目の海外GI制覇を果たした名馬タイキシャトルも遅いデビューの馬としてしていました。これを含めてG1を5勝。外国産馬として中央競馬史上初めて年度代表馬に選出された馬でもあり、超大物ですね。
<藤沢和雄厩舎にはいるタイキの馬は、総じて「デビューが遅い」という傾向にあるが、タイキシャトルも同様であった。ただしこの馬の場合、意図的に遅らせたわけではなく、やむを得ない事情があった。
脚を負傷したため入厩の時期が年明けの2月にズレ込んだばかりか、入った後も脚元のモヤモヤに悩まされていたのである。特に厄介だったのはソエで、稽古で走らせるたびに悪化するので、かなり仕上げに手間取ったのだ。また、当時はゲートの出が悪く、3度目にしてようやくゲート試験に合格したという逸話も残っている。ようやくデビューできたのは、4歳(現表記で3歳)の4月。当然クラシックは間に合わない>
http://saikyo.k-ba.com/members/history/taiki_shuttle/chapter_02.html
競馬最強の法則WEBでは、<昭和の時代、「最強マイラー」といえばニホンピロウイナーの代名詞のようなものだった>が、<現在、最強マイラーといえば、この馬のことを指すのが一般的>としていました。Wikipediaでも以下のような記述が見られます。遅いデビューの最強馬とも言えるかもしれません。
<1997年ユニコーンステークスから1998年マイルチャンピオンシップまで記録した重賞8連勝の記録はテイエムオペラオーと並ぶJRA所属馬の記録である。さらにマイル戦ではダートを含め7戦7勝という絶対的な強さを誇り、またその勝ちっぷりも圧倒的であった。日本競馬史上最強のマイラーはどの馬かという問いに対して、最も多く名前の挙がる一頭である>
タイキシャトルの最強マイラー候補としてはモーリスが思い浮かびましたが、モーリスと競った「競馬ファンが選ぶ『平成最強マイラー』ランキング」においても勝利。しかも、大差での勝利です。記憶に新しい馬が選ばれやすいことも考えるとさらにすごいですね。
<2019年春にnetkeiba.comによって行われた「競馬ファンが選ぶ『平成最強マイラー』ランキング」では、総数27000票に及ぶ投票の中、7819票を獲得し、第1位に選出された。2位モーリス(5710票)、3位ウオッカ(2930票)に大差をつけた結果から、現役を引退して20年以上が経過しても「平成」という時代の中でタイキシャトルが超一流のマイラーとして競馬ファンの記憶に大きなインパクトを残しており、最強マイラーとして広く認められていることが示された結果となった>
■2017/10/02 芝で悪くなくてダート変更が遅れたブロードアピール
ブロードアピールの補足。前述の通り、4歳時の9月12日に札幌の500万条件平場でデビューし、2戦目で勝っているのですが、初戦は芝、2戦目はダートと異なっていました。
その後の「1敗を挟んで4連勝」というのは芝。これについて、ブロードアピール - Wikipediaでは、以下のように書いていました。
"その後関西での500万下から900万下の芝のレースを4連勝し、その次走に選んだ京都牝馬特別でも負けはしたものの3着という成績を残し、芝の適性を証明することとなった。一方で、これらは後年ダート路線で活躍することとなる当馬の路線転向が遅れた要因の一つにもなっている"
重賞初制覇となった「シルクロードS」も芝の1200。芝でもかなり強かったのです。この重賞勝利の前でも高松宮記念で6着となかなかでした。
シルクロードSの後は、高松宮記念8着、マイラーズカップ12着と惨敗。そのせいか、次は2000年5月14日初勝利戦以来のダート戦となるオープン特別の栗東ステークス(ダート1200メートル)に出走。
すると、牡馬を含めても最高斤量(57キログラム)でしかも6番人気という低評価でもあったにもかかわらず鋭い追い込みでエイシンサンルイス、サウスヴィグラスらを破ってレコード勝ち。
しかし、それでも陣営はダート路線への転換をせず、芝で4連敗。とはいえ、スプリンターズステークスで4着、スワンSで4着と全然悪くない成績。ダートに転向しなかったというのはわかります。
■2017/10/02 ブロードアピールといえば根岸S!伝説的な追込による勝利
ただ、このスワンS4着の後の、3戦目のダート戦となった根岸ステークスがやっと転機となりました。レースは最後方からのスタートとなった上に、先頭が残り400メートルの標識を通過する直前まで最後方に位置していたが、そこから後に鬼脚と呼ばれる末脚を見せます。
直線だけで7馬身以上離れ、更に残り200メートル標識通過時点で5馬身ほど離れた先頭を差し切り、逆に2着のエイシンサンルイスに1 1/4差をつけて重賞2勝目。私はこの動画を保存しています。もともと追い込みが難しいダートで、伝説的な勝ち方をしました。
ブロードアピール ものすごい追い込み 2000年 根岸ステークス.
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/QYGCMtCW8Lc?ecver=1" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
久しぶりに見直してみると、本当すごいですね。ブロードアピール以外は、前残りという展開で、1頭だけ違っていました。結構斜行しちゃってますし、最後もまだ余裕ありそうな感じでした。
これが6歳の11月。現在の数え方の6歳ですからね。遅いです。仕方なかったのですが、もったいなかったです。
次が翌年であり、ダートでたくさん走ったのは7歳と8歳というかなりの高齢のとき。 G1には手が届かなかったものの、重賞を4勝。JBCスプリント2着、ドバイゴールデンシャヒーンでの5着の好成績。
Wikipediaでは、 以下のように書いていました。
"日本国内でのダート戦では全て3着以内を確保しているが、その内訳も1着7回・2着2回・3着2回と勝率にして63%・連対率にして81%にもなる。直線での末脚に賭ける追い込み馬は、その末脚が不発だと大敗を喫するケースがあることを考慮に入れると、この数値は優秀である"
余談ですが、好きな馬だったので近親をたびたびPOG指名。最近は孫のワグネリアン(父ディープインパクト)がなかなか良い感じで期待しています。(2022/04/10追記:その後、ワグネリアンは見事日本ダービーを勝利。しかし、金子真人さんがなかなか引退させてくれず、6歳のレース中に内臓疾患で亡くなって種牡馬入りできませんでした)
■2017/02/17 「史上最強の一発屋」個性派の名馬ダイユウサク
ダイユウサクの補足。
ダイユウサク - Wikipedia
Wikipediaによれば、ダイユウサクは体質の弱さもあってかデビューが大幅に遅れたと言います。旧表記(数え年)で4歳、今で言う3歳になってからしばらく経った1988年10月30日・京都での400万下条件戦でデビューしました。
しかし、このレースでは、勝ち馬から13秒も離された最下位(11着)に終わりました。さらに、次走の福島での未勝利戦でも7.3秒遅れて最下位(14着)に敗れ、この年は2戦して未勝利に終わっている。2戦ともタイムオーバーに相当する大敗だった。ダメダメでした。
勝利するのは、1989年。当時の馬齢で5歳になったダイユウサクは4月16日、新潟での400万下条件戦で出口隆義の騎乗でデビューから5戦目にして待望の初勝利を挙げています。
そんなダイユウサクが、有馬記念を勝ってしまいました。
有馬記念では14番人気にもかかわらず、圧倒的1番人気のメジロマックイーンを差し切り、レコードタイムで優勝。しかし、このレース以降は1つも勝てずに引退したため、「史上最強の一発屋」などと称されることになります。 ただ、その前に金杯(西)を勝っていますので、一発屋というのもちょっとかわいそうですね。
2024年10月24日木曜日
長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?
■2016/3/5 長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?
タイトルは、<長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?>としました。ただ、マイラーというよりは中距離馬といった方が良い感じ。とはいえ、サドラーズウェルズ系の馬は長距離イメージがありますので、中距離であったとしても意外でしょう。日本でのサドラーズウェルズ系もテイエムオペラオー、メイショウサムソンといった長距離馬が主体でした。
この話を知ったのは、Enjoy Ruffian 2011年9月号 ザ・ブラッド 血統表を紐解く!〈3〉(T.I.S)という話。以下のように書いています。
<意外なことに自身の競走成績に12ハロン(2400m)以上の勝ち鞍はない。そればかりか2 歳時には8ハロンのG2ベアスフォードS を制し、これを含めた全6勝はG1エクリプスSやG1 愛チャンピオンS など10ハロンまでで挙げたもの。2400mのG1 仏ダービーはダルシャーンの2 着、12ハロンのG1キングジョージはティノーソの2 着と善戦どまりだった。キャリアだけを眺めるとマイラーのそれである>
私がマイラーというよりは中距離馬と感じたのは、以下の戦績からです。良績は10ハロンが多いですよね。
主な成績
着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離 1着馬(2着馬)
1 1984 愛2000ギニー GI IRE 芝 8.0F
1 1984 エクリプスS GI GB 芝 10.0F
1 1984 フィーニクスチャンピオンS GI IRE 芝 10.0F
1 1984 愛ダービートライアルS GII IRE 芝 10.0F
1 1983 ベレスフォードS GII IRE 芝 8.0F
2 1984 仏ダービー GI FR 芝 2400
2 1984 Kジョージ六世&QエリザベスS GI GB 12.0F
2 1984 グラッドネスS L IRE 芝 7.0F
(Sadler's Wells(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)より)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000336572/
海外の種牡馬でおもしろいのが、戦績が良くない中から名種牡馬が生まれることだと思います。サドラーズウェルズの場合は上記のように10ハロン、8ハロンのG1を3勝しており、G1未勝利といった成績ではなく、正直、意外性はありません。
ただ、T.I.Sさんによると、現役時代はやや落ちる馬だと見られていたといいます。
<同厩舎にいたエルグランセニョール(父ノーザンダンサー)には直接対決(グラッドネスSで2着)でも敗れたように頭が上がらず、それ故に英ダービーへの参戦も叶わなかった。落ちこぼれとまでは呼べないものの、種牡馬としての比類なき成功は意外性の賜とも言えそうだ>
なお、ここまで長距離というのを強調しましたが、系統からはマイルでの名馬も出しており、幅広くなってきました。
日本では今ひとつなのですけど、世界的には本当に歴史に残るものすごい成績を残した種牡馬ですし、この系統はこれからも続いていきそうです。
2024年10月23日水曜日
意外にもデビュー戦はすごい追込だったマイネルバサラ
■2018/03/05 ムスコローソはエガオヲミセテの近親でG1にも出走
■2017/06/23 POG注目:エアデジャヴーの2015、近親にエアシャカール
■2017/06/23 エアシャカールの近親ではワールドビーターも気になる
■2012/10/22 好き馬:エアキリヤン、エアパグナスの兄弟も好きだったエアソミュール
■2013/3/16 エアグルーヴ最後の子ラストグルーヴ、ラストウィーク新馬戦で勝利
■2018/03/13 リノリオ、障害デビューするも4番人気で見せ場なく10着
■2017/06/23 POG注目:アエラス(シャトヤンシーの2015) 近親にオリービン、ハングリージャック
■2013/1/20 ハングリージャックに競走馬として決定的な弱点が発覚 「前の馬を抜きたくない」
■2018/12/18 意外にもデビュー戦はすごい追込だったマイネルバサラ
デビュー前から注目していたマイネルバサラは初戦、ものすごい差し脚を見せて勝っています。そのとき書いていたのが、以下の投稿です。
マイネルバサラはデビュー戦とは打って変わって、ときには逃げも見せる先行馬になりました。ただ、読み直してみると気性の難しさが言われており、そこらへんの関係なのかな?と思いました。
2015/6/21 豪脚を見せて差し切ったマイネルバサラ、過剰評価か?
当初はかなり期待していたのですが、ゲートがあまりうまくない上に、調教がパッとしない感じ。正直ダメかな?と思いました。ほとんど情報もなく、ネット競馬の掲示板もいつまでたってもゼロ。なので、前売りで7番人気だったのを見て、意外に評価されてる!と思ったくらいです。(最終的には11番人気まで落ちたようです)
で、「これなら掲示板書き込みあるかも」と見に行ったらまだなし。最終的にレース前には1件だったようです。
-----引用 ここから-----
[47] てんぐさん
この馬レース終わるまで書き込み一件だったのかw
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2013101861
-----引用 ここまで-----
前述の通り、注目していた馬でしたので、レース見て大興奮。嬉しかったですわ~。そして、掲示板がまた大盛り上がりしていて、また嬉しい。一気に55件まで増えました。お気に入りも増えたようです。
-----引用 ここから-----
[44] オムライサーⅡ世さん
お気に入り登録数激増ワラタ
-----引用 ここまで-----
掲示板の盛り上がりをどうぞ。
-----引用 ここから-----
[55] 紅はこべさん
凄いデビュー勝利になりましたね(* ̄∇ ̄)/゚・:*【祝】*:・
見えないところから来てビックリした(笑)
Newnameさん [54]
最内から大外持ち出してからのあの末脚だからなあ
スムーズに競馬したらかなり強いかもね
よーちゅけさん [53] よーちゅけさん
ブロードアピールやん笑
[39] グッチさん
完全に前にいた馬が脚が上がっていたとはいえ凄い脚でしたね^ ^
馬券は買ってなかったけど思わず声が出ちゃいました(^o^)
[36] てんさん
余計な事しやがってって思ったが、最後の脚はすごかった
-----引用 ここまで-----
好きなブロードアピールの名前がちらほら出ていて嬉しいですね。ここじゃないですが、今年見たレースで一番すごかったとも書いている人もいて、鼻が高いです。
ただ、「完全に前にいた馬が脚が上がっていた」という言及があります。他にも極稀にその指摘がありました。でも、上がり1番じゃん!と、私は強調したく思いました。が、よく見ると、1番じゃありませんでした。
着順 馬番 馬名 後3F
5 16 ナンヨーファミユ 37.1
1 2 マイネルバサラ 37.9
4 14 ジュンザワールド 38.4
11 5 リワードデュラン 38.7
10 10 エフディサンゼン 38.9
http://race.netkeiba.com/?pid=race&id=c201505030606&mode=top
ちなみにラップタイムとコーナー通過順位はこちら。
12.7 10.9 11.6 12.0 12.4 12.9 14.1
4コーナー (*1,6,9)-15-4(8,14)2,13=12(7,16)11,10-(3,5)
うーむ、こりゃ過剰評価かもしれませんね。応援馬なので信じたいところですが、ハマって強く見えただけパターンな気がします。あと、コメント見ていたら、調教の話出ていましたね。
-----引用 ここから-----
[29] オムライサーⅡ世さん
馬サブロー新馬調教Dで来た馬初めて見たわwしかも一番難しい方法で勝利wどういうことなの・・・
-----引用 ここまで-----
調教では引っ掛かっていて、最後脚上がっていたらしいです。だから悪かっただけという話ですが、これは気性に難しさがあるということでもあります。
今回は課題のゲートも折り合いも両方うまく行ったんですが、乗り難しいタイプと思われます。ここらへんも注意ですね。
■2018/03/05 ムスコローソはエガオヲミセテの近親でG1にも出走
言うほど好きじゃないのですけど、同じページにエアグルーヴ関連の話(エアグルーヴ最後の子ラストグルーヴ、ラストウィーク新馬戦で勝利)を追加したかったので、ムスコローソの話を。
本当に好きだったのは、「エガオヲミセテ」。すてきな名前でした。でも、事故で亡くなるという不幸なことになってしまうという悲しいことに。
その近親を!ということで、ムスコローソをPOG指名。ただ、近親ではエガオヲミセテよりはエガオヲミセテの弟のオレハマッテルゼの方が有名。そして、何と言っても一族ではエアグルーヴ(エガオヲミセテから見るとおば?)が最も有名。ダイナカール一族ですね。
ムスコローソは、エガオヲミセテの妹ルナレガーロ の長男。父は珍しいヘニーヒューズですけど、2勝して朝日杯フューチュリティステークスにも出ました。頑張ってます。
■2017/06/23 POG注目:エアデジャヴーの2015、近親にエアシャカール
母も活躍したエアデジャヴーの2015年度産駒は牝馬になりました。父親は予想外の成功を収めているルーラーシップ。アイドリームドアドリーム一族では最も注目されている馬です。
私にとっては、エアソミュールやエアキリヤンの近親なのですが、エアシャカール、エアメサイア、エアシェイディの近親といった方がいい馬。こう名前を挙げているのでわかるように、活躍馬が多く出ている血統です。
他の近親では、エアスピネルがPOG指名でなおかつ活躍した馬でした。なおかつ一族としての勢いは近年も持続しています。
2018/03/05追記: 名前はエアシンフォニー。12月の新馬戦を2番人気で一発勝利。期待されて2戦目の500万下も2番人気でしたが、8着。ただ、まだ期待が持てそうな感じです。
■2017/06/23 エアシャカールの近親ではワールドビーターも気になる
前述の通り、エアソミュールやエアキリヤンが好きなので、私が一番好きなのは彼らの下になる エアラグーン産駒のワールドビーター。
父はこれも大好きだったジャングルポケットであり、エアソミュールの全弟になります。
馬主が変わって、岡浩二さんという方になったのは気になるのですが、引き続き応援していきたいと思います。
2018/03/05追記:ワールドビーターは3戦して勝ち星なし。あと、「ぴーたー」だと思っていたら「びーたー」だったことに今気づきました。
■2012/10/22 好き馬:エアキリヤン、エアパグナスの兄弟も好きだったエアソミュール
以前のブログで2012/10/22に投稿していたもの。
エアキリヤン、エアパグナスと2頭続けてPOG指名したエアラグーンの子。
エアラグーンは僅か1勝で別にすごくも何ともないんだけど、母がアイドリームドアドリーム。
つまり、エアシャカールの兄弟(全妹)ということで、結構良血。近親にはエアシェイディ、エアメサイアいて、他のところは活性で、エアラグーンはイマイチという感じでした。
1つ上のエアガガだけはPOG指名しなかったんだけど、続けて大好きなジャングルポケットで今度は牡馬。しかも、角居勝彦厩舎なのに何かあまり注目されていなかったようなので、天邪鬼な私は指名を決定しました。
初仔のエアキリヤンは地味に走ってくれた(3勝)し、大好きでした。
前評判が高くなかったこともあり、エアソミュールのデビューは、やはり特にすごく人気ということもなく、まずまずな感じ。
しかし、2走目3着が評価されて3走目1番人気で勝ちあがりました。
昇級してからはすっかり評価が高くなり、いきなり2番人気。
ここは5着も次で勝ち上がり。
その次は重賞の毎日杯だったんですが、5番人気でオッズも一桁。期待しちゃっいました。
でも、ボロクソで、二桁着順。
この岩田康誠騎手の騎乗が酷かったと言われて、馬のリズムを崩した、ダメにしたという評。
どんな競馬か忘れちゃったけど、私も見ていてこりゃーないと思った気がします。
その次にもまた2番人気するけど、やはり大敗。
もう駄目になってしまった……と思いきや、
休み明けの前走は良いところ見せました。
ただ、これもよく覚えていないが、武豊騎手の騎乗には不満があった気がします。
いつもは中団くらいにつけるのに後方からで、届かんわぁと思ったような?
で、今回。再び武豊騎手。
今回はあまりしていなかった先行……と言うか、折り合ってなくね?という。
道中ずーっと口開けて走っていて、おい、こりゃダメだろう……と思っていたら、4角の時点でグイグイと前へ。
ん、あれ、ひょっとして余裕ある?と思ったら、やはりそのまま直線は余裕で楽勝。
本当はすごく強いのかもしんない…と思いました。
掲示板でも大盛り上がり。
-----引用 ここから-----
http://db.netkeiba.com//?pid=horse_board&id=2009105742
[254] PonAsiaさん
~レース後のコメント~
1着 エアソミュール(武豊騎手)
「能力はあります。抜け出してからも遊んでいたくらいですし、あとは気性だけですね」
http://keiba.radionikkei.jp/keiba/news/entry-223152.html
--------
強い競馬で力のあるところが見れてよかったです。
後、前走すぐに結果出ませんでしたが、続けて騎乗依頼、角居先生ありがとうございます。このコンビ継続お願いします。
[253] かじいさん
このクラスでは格が違った!母の兄エアシャカールの血を受け継いでるなぁ。あの気性の荒らさは、爆発すれば圧勝する。
年内に重賞戦線に躍り出るかも!
角居さん!豊載せ続けてや!
[251] お父さん・・・さん
前走は折り合ったけど後方すぎて届かず
今回は前できちんと折り合ったとは言えないけど上手く我慢させて上がり最速、完勝。
気性は相変わらずネックですがそこが改善されれば準OPでも楽しみですね。
[250] フェンダーマスタングさん
さすがの豊さんでも今日の競馬は驚いたはず。本当に凄かった。
[247] フェンダーマスタングさん
スタートからあんなにかかりまくって、毎日杯の様な大惨敗を覚悟しましたが、そこからあの4角の動きはなんでしょう笑怖
いぐらいの闘争心を感じました。(実際に顔は怖かったですけど)
あんな競馬で勝つなんてゲームの世界。信じて追いかけてきて良かったです。
[244] スネークたれ蔵さん
毎日杯の騎手の騎乗が酷すぎたからねぇ。よく勝たせたね。おめでとう。
[241] アーリューマーさん
強い。4コーナー手前で一気に先頭へ。そのまま押し切り勝ち。
武豊騎手も前のレース落馬の影響は全く無しで、見事な騎乗。
[240] Thunderbirdsさん
強かったですね
[239] WINSのおっちゃん観察さん
これ強いなぁ
4角までずっと折り合いを抑え付けてて快勝とは
気性を考えたら現状は距離はここらが限界ですかねぇ・・・
[238] キットベイリーさん
外回りでもコーナー4つ。なんとか御して、快勝。陣営の条件選択はズバリですね。コントロールはまだまだですが、ユタカJのしんどい釣りバミ、本当にお疲れさまでした^^さすがです。
Wilmotsさん [237] Wilmotsさん
これは力が違ったなぁ。
掛かりっぱなしなのが不安要素だが、力は十分あるな。
イシヤマさん [236] イシヤマさん
勝ってよかった
難しそうな馬だけどこれは上でも通用するね
ヤスジマさん [235] ヤスジマさん
かかり通しでしたが豊さん我慢してましたね
本格化すればすごい楽しみな馬になりますね
豊さんとのコンビで大きいところ勝ってほしいですね
-----引用 ここまで-----
いや~ん、そんなに言われると期待しちゃいますわ。
そういえば、お父さんのジャングルポケットも口割って走っていて気性悪くて、「でも、おい、強いな、これで勝っちゃうのかよ?」と思って好きになった馬。
大好きだわ、こりゃ。
■2013/3/16 エアグルーヴ最後の子ラストグルーヴ、ラストウィーク新馬戦で勝利
最終日とは最後の新馬戦とはなりませんでしたけど、十分出来すぎた話。
-----引用 ここから-----
【阪神新馬戦】3億6000万円の超良血 ラストグルーヴ間に合った
<b>3歳新馬戦は今週で終了する</b>が、オーラスにこの世代の真打ちとでも呼ぶべき超良血が登場する。土曜阪神6R(芝1800メートル)に出走するラストグルーヴ(牝=藤原英)。父ディープインパクト、母エアグルーヴという年度代表馬同士の夢配合。11年セレクトセール1歳セリで、セール歴代3位となる3億6000万円(税抜き)の高値で取り引きされた。【土曜阪神6R】
[ 2013年3月15日 06:00 ] スポニチ
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/03/15/kiji/K20130315005395630.html
-----引用 ここまで-----
驚きなのが稽古の相手。
-----引用 ここから-----
13日の最終追いはCWコースの併せ馬。準オープンのダノンミルを従え、しぶとく伸びて最後まで抜かさせず首差先着した。騎乗した福永は「まだ走りに集中しきれていない」と辛口評価も「乗った感じはいい。まだ馬体も緩く晩成の印象だが、出走態勢は整ったと思う」と及第点の評価。藤原英師は「体質が弱くデビューがここまで延びた。長い目で見てほしい」とした上で「能力は間違いない。全てがいいから、これだけの値段になった」と胸を張る。初陣の走りに注目だ。
-----引用 ここまで-----
ダノンミルは今は準オープンですけど、3歳のときには重賞でも人気した馬で能力は高いです。
-----引用 ここから-----
【新馬戦】ラストグルーヴいざ出陣
2013年3月13日 デイリースポーツ
体質的な弱さからデビューは遅れたものの、藤原英厩舎らしくここまで入念に乗り込みを消化。「牧場でも緩めずに乗られていたし、じっくりとやってきた。キャンターでもバネがあり、ディープらしさを感じる。これからもっと良っていくと思いますよ」。つまずくことなく勝ち上がれば、オークス(5月19日・東京)には間に合いそう。初戦でどんなパフォーマンスを見せるか、注目だ。
http://www.daily.co.jp/horse/2013/03/13/0005809367.shtml
-----引用 ここまで-----
-----引用 ここから-----
【新馬戦】超良血馬ラストグルーヴ待望デビュー
待望のデビューとなる超良血馬のラストグルーヴ
待望の超良血馬が、いよいよターフにお目見えだ。母は97年の年度代表馬のエアグルーヴ、父はディープインパクト。大きな期待を背負ったラストグルーヴが、16日の阪神6R(芝1800メートル)でデビューする。「(最終週の)新馬戦を目標に乗り込んでやってきた。順調にきている」藤原英調教師は力強く言った。
(略)「最後の新馬戦にようやく間に合った。能力があるのは確か。その能力を出し切れるように、今まで体の成長を待っていた」とトレーナー。ここから新たな伝説が始まるかもしれない。
(2013年3月15日06時01分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130314-OHT1T00193.htm
-----引用 ここまで-----
体が弱いので仕方なくでもありますが、どうせなら!と藤原調教師もラストウィークを狙ったんじゃないですかね?
で、結果です。
-----引用 ここから-----
ラストグルーヴ鮮烈なデビューV/新馬戦
超良血馬ラストグルーヴ(牝3、藤原英)が鮮烈なデビュー勝ちを決めた。
中団外めから4角をまわると、スリーベラミと馬体を並べて直線へ。福永騎手が左ステッキを入れると、グンと加速。1馬身1/4差でゴールを切ると、場内からは拍手が起きた。父はディープインパクト、母は名牝エアグルーヴという最高の血統馬の乗り味を、鞍上も絶賛した。「レースがうまくいったこともあるけど、エンジンが違っていました。今の段階でこの勝ちっぷりですから、楽しみですね」と目を輝かせる。藤原英師も多くの関係者に祝福され、「みんなに喜ばれる馬を預かるのは光栄やな」と満面の笑みを見せた。
[2013年3月16日19時26分]
http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20130316-1098681.html
-----引用 ここまで-----
-----引用 ここから-----
着順 枠番 馬番 馬名 性齢 タイム 人気 単勝オッズ 後3F
1 8 15 ラストグルーヴ 牝3 01:49.9 1 2.2 34.5
3コーナー (*9,10)12(3,2)15,7(16,14)(4,13)(6,8)5=1 11
4コーナー (*9,10)12(3,2,15)(7,16,14)(4,13,6)8,5=1 11
http://race.netkeiba.com/?pid=race&id=c201309010706&mode=top
-----引用 ここまで-----
当然勝利です。
体質が弱いってことですからクラシックには乗らなそうですけど、この後も話題になるとおもしろいですね。
ラストという名前からすると、尾張ステークスあたりがおもしろいんですけど、やっぱり有馬記念に出るような馬になってほしいです。
■2018/03/13 リノリオ、障害デビューするも4番人気で見せ場なく10着
ガンダーラプソディという馬の産駒を何度かPOG指名しています。もともとは最初の子のディジュリドゥーを、未勝利かなにかで気に入ったのがきっかけ。その後、イコピコ、リノリオを指名しました。勝ち上がったので、そこそこ走っています。
で、その3頭の中では一番下のリノリオが1000万下で戦績が振るわずについに障害デビュー。しかし、最初から後方。もともと差し追込の馬。障害初戦で仕方ないと思ったのですが、4番人気だったのに最後まで見せ場なく10着で終わってしまいました。
でも、近親をまたPOG指名したいなぁと思っています。
■2017/06/23 POG注目:アエラス(シャトヤンシーの2015) 近親にオリービン、ハングリージャック
ハングリージャックはPOGに指名した馬で、お気に入りでした。が、同じシャンクシーの子では、弟のオリービンが出世頭で 、 アーリントンC(G3)2着などの戦績を残しています。一族でも一番稼いだ馬でした。
実を言うと、この一族でほとんど今年デビューの馬はいません。唯一と言って良いのが、シャトヤンシーの2015。オリービンの甥にあたります。
注目度抜群というよりは穴馬的な感じなのですけど、父は注目のロードカナロア。ロードカナロア産駒の活躍次第ではおもしろいと思われます。
また、母 シャトヤンシーは2勝馬でまずまず走った馬。私がこの血統を気に入ったのも、もともと地味に勝ち上がっており、そろそろ来るのでは?と思ったためです。
結果、ハングリージャックが結構活躍してくました。まあ、本当の当たりはその下のオリービンだったというオチではあったのですけど…。
2017/09/06追記:馬名登録されたみたいですね。 アエラスになっていました。ギリシャ語で「空気」という意味とのこと。シンプルで走りそうな名前です。
■2013/1/20 ハングリージャックに競走馬として決定的な弱点が発覚 「前の馬を抜きたくない」
以下、過去のブログで書いていた話。
POGで指名したことある馬で、好きなハングリージャック。レースはデビューからずっと見ています。
プロフィールはこんな感じ。
-----引用 ここから-----
生年月日 2007年03月31日
調教師 加藤征弘
馬主 吉田照哉
生産者 社台ファーム
フジキセキ サンデーサイレンス
ミルレーサー
シャンクシー Zilzal
Rich and Riotous
http://db.netkeiba.com/horse/2007102785/
-----引用 ここまで-----
そんな彼に競走馬としては、決定的な弱点が先日発覚しました。
-----引用 ここから-----
[270] ゴンタさん
師のコメントでは前の馬を抜きたがらないとの難しい気性を抱えているようです。
2013年01月05日 17:25:52
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2007102785
-----引用 ここまで-----
ちくしょー、かわいいなぁ。ダメな子かわいいわ。
でも、競馬やるのに前の馬抜きたくないって、ダメダメですね。勝てません。
もともと前へ行く馬ですけど、もう逃げるっきゃないんでしょうか?
とは言っても、そこまでのスピードはないと思います。本当ダメな子。
でもですね、このコメントの後のレースでは勝っちゃいました。
長いことやっていた1000万条件でやっとこ勝利。
しかし、彼はもう6歳。
もっと高齢の馬も珍しくありませんけど、彼のこの困った性格からすると勝利はこれで最後かもしれません。
通算成績 18戦4勝 [4-3-3-8]
2024年10月22日火曜日
珍名馬イツモニコニコ、ウマピョイ、ニャンニャン、パクパクデスワ、ジンセイ、ジンセイハオマツリ
■2023/08/18 珍名馬ジンセイ、ピカリ、ハテナビト。アカキチノイレブン、キミハスコール VS ショウナンサクレツ、ラヴスコール
■2021/06/04 クロニクルノヴァはおばにノームコア、クロノジェネシス
■2023/09/01 珍名馬イツモニコニコ、ウマピョイ、ニャンニャン、パクパクデスワ、ジンセイ、ジンセイハオマツリ
先週以上に今週はピンとくる名前の馬がいなくておやすみにしようかと思ったのですけど、いい名前の馬がいました!
その名もイツモニコニコ。珍名ですが、いい名前でもありますね。好きです。
商売人っぽさも感じて馬主さんを確認。大田恭充さんという方。他の馬を見ると、ウマピョイ、ニャンニャン、パクパクデスワなど珍名馬の宝庫。代表馬はドスハーツという馬ですが、知らない馬でした。
今週デビューの馬としてはもう1頭、ジンセイ。これも珍名馬だけでなく、味わいのある名前です。
ただ、人生ではなく、辻仁成(つじじんせい、作家、ミュージシャン)である可能性も考えて馬名意味を調べておくことに。すると、普通に「人生」でした。
検索では過去の馬もヒット。「ジンセイハオマツリ」もおもしろい名前の馬でしたね。
■2023/08/18 珍名馬ジンセイ、ピカリ、ハテナビト。アカキチノイレブン、キミハスコール VS ショウナンサクレツ、ラヴスコール
8/19土曜日の新馬の馬名。好きなのは、ショウナンサクレツ、ラヴスコールといったあたり。
珍名らしい珍名はなぜか全然いませんけど、目についたのは、アカキチノイレブンとキミハスコール。ともに最初どこで区切って読むのか迷った名前。それぞれアカ+キチ+ノ+イレブン、キミハス+コールと読んでしまい、どういう意味?と思いました。でも、たぶん「赤き血のイレブン」と「君はスコール」といった区切り方でしょうね。
このうち「赤き血のイレブン」は、昔のサッカー漫画。主人公のモデルは日本代表にもなった永井良和さんで、アカキチノイレブンの鞍上を出馬表を見たときに「永野」だったので「惜しい!」と思ってしまいました。そもそも騎手だと永井騎手って聞いたことないですし、現状最も惜しいチョイスかもしれません。
日曜日の方が珍名っぽい馬が多いかな。ジンセイ、ピカリ、ハテナビトあたりが変わった感じです。
あと、気になったのが、ザロックという馬。「ザ・ロック」なら名馬ロックオブジブラルタルの愛称と同じ。で、血統を見たのですけど、父はゴールドアリュール産駒のコパノリッキーで、特にロックオブジブラルタルとは関係なさそうでした。
■2021/06/04 クロニクルノヴァはおばにノームコア、クロノジェネシス
2021/06/05の中京新馬戦。 バウンスシャッセ、コントラチェックなど、近親に活躍馬の多いラクスバラディーが人気。父はドゥラメンテ。
新種牡馬シルバーステートのナインティゴットも人気。シルバーステートは重賞未勝利なのに予想外に種付け頭数が多いです。兄にザメトロポリタン(G1) のSeville、近親にシックスセンスがいる良血のために期待されているのかも。こういう種牡馬が成功するとおもしろい。好みのタイプではあります。
もう1頭、クロニクルノヴァも人気しそう。こちらはキズナ産駒。おばにノームコア、クロノジェネシスがいるという良血。好きだったフサイチエアデールと同じ牝系です。
2024年10月21日月曜日
フェニックス賞は必要?オープン戦なのに未勝利馬だらけ少頭数の2歳戦
■2013/8/19 フェニックス賞は必要?オープン戦なのに未勝利馬だらけ少頭数の2歳戦
2013年08月09日のnetkeiba.com競馬コラム「トレセン発秘話」では、3歳未勝利戦は出走頭数がどんどん増えている状態について書いていました。優先出走権を持っていない馬は、適度な間隔で、適鞍を使えることは少なくなる…という状態です。ここまでは3歳馬の話なのですが、2歳馬のレースに矛先が向かいます。タイトルも「スカスカ状態で中身薄い2歳競走」というものでした。
<レースによっては40頭近くの馬が出走を表明している3歳未勝利戦がある一方で、2歳戦を見るとスカスカ。そんな状況に「JRAは2歳戦だけを重視して、この時期の3歳未勝利なんてどうでもいいと思っているんやろ」と嫌みを言う関係者も少なくない。(栗東の坂路野郎・高岡功)>
http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=23998
スカスカの2歳戦を象徴するのが、2歳オープン・フェニックス賞です。2013年は、特別登録の時点で12頭。12頭という数字だけだとまだあれなのですが、問題は、その中で勝ち上がっている馬はわずか3頭というところが異常です。残りの馬は?というと、未勝利馬なんですね。これは2013年が異常なのではなく、恒例となっています。
<このレースは昨年も7頭立てで、そのうち中央勝ち上がり馬は4頭だけだった。果たして1着賞金1500万円も出す価値のあるレースなのか、という疑問が生じてしまう。出走することすらできない3歳未勝利馬が数多くいる中で、中身の薄い2歳競走…このいびつな番組は今後、改善の余地が大いにあると言えそうだ>
2013年の場合、特別登録の時点で12頭だったので、そこまで少ないと感じなかったでしょうが、結局、出走は7頭。2012年と同じです。
1着2着は1勝馬でしたが、1番人気だったフェブノヘアは未勝利馬。新馬戦4着、未勝利戦2着の馬でした。そのせいで掲示板ではこんな疑念も出ていました。いろいろな意味であまり良い状態ではないと思われます。
-----引用 ここから-----
[10] \アオ\さん
頭から勝負しましたがよくよく考えたら勝つと損なんですよね…
ここで入着して賞金稼ぎ未勝利勝つ方が得ですからね。
何となく中途半端な競馬ぶりを見ると勝手な想像をしてしまい
モヤモヤした気持ちになりました。
[11] torutoru99さん
>>10
でも、フェニックス賞の2着賞金+未勝利の1着賞金≦フェニックス賞の1着賞金
ではないですか?
出走手当等を考慮しても、ここを1着の方が良いのでは。
2歳戦は層の薄いうちに稼いでおいたほうが得ですし・・・。
[12] \アオ\さん
>>11
この後500万条件に出れますからもう少し稼げますよ。
けど穿った見方をし過ぎかもしれませんね…
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2011103406&thread=horse
-----引用 ここまで-----
2024年10月20日日曜日
廃止寸前だった高知競馬が売上15倍!売上のほとんどは…
■2020/12/03 地方競馬は無観客開催で史上最高売上連発 競輪が苦戦する理由
■2021/01/09 極秘命令あり?中央競馬が無観客開催を好む予想外の理由
■2021/02/11 廃止寸前だった高知競馬が売上15倍!売上のほとんどは…
■2021/10/4 地方競馬はネットだけでなくリアルでも復活している?
■2020/11/07 競馬は無観客開催でも売上に問題なし…の理由とは?
もっと早く紹介しようと思っていたのでえらい昔の話になるのですが、競馬は新型コロナウイルス問題による無観客開催でも意外にイケるのでは?という話について。もともと新型コロナウイルス前から、オンラインの販売比率が上がっていると聞いていたので、私はダメージが少ないんじゃないかと思っていたんですよね。
<(引用者注:新型コロナウイルス感染拡大防止のため、戦後初となる無観客競馬の開催となった2020年2月29日土曜日の開催は、)無観客競馬の影響で競馬場やウインズで購入するファンが、馬券を買えないことで売り上げ減が懸念されたが、この日の売り上げは前年比12・6%減の178億4354万5100円にとどまった>
これは、JRA異例の無観客競馬も「ネット全盛時代」で売り上げは微減! 即PAT加入者は4倍増 - GJ(2020.03.01 06:00)からの情報。同じ記事では、前年度のネット販売比率も出ています。前年の同時期における総売り上げは、2日間合計で約532億円で、このうち、現金投票による割合が約29・7%にあたる約158億円と、ネット投票による売り上げは約70%の想定となっていました。ネットが7割と大きかったんですね。官民ともにデジタルが壊滅的に弱い日本にしては珍しく、JRAはたいへん優秀でした。そして、わずかに1割減というのは、この「ネット7割」の想定以上の大健闘になっています。
また、JRAによると2月27日には1722件の新規加入があり、これは前年同日の448件の約4倍の数字だとのこと。記事では指摘がなかったものの、こうしたオンラインへの移行の増加は、以降も続いた可能性がありそう。その後の記事も探してみたいですね。
■2020/12/03 地方競馬は無観客開催で史上最高売上連発 競輪が苦戦する理由
地方競馬ではむしろ新型コロナウイルス問題がなかったときより馬券が売れているときすらある…という話も紹介したかったのですが、遅くなりました。とりあえず、「無観客」競馬が健闘し、競輪が苦戦している理由 ついにGIレースでも無観客開催が決定 WEDGE Infinity(2020年3月28日)という記事が出ていますので、これを読んでみましょう。
例えば、2020年3月10日、高知競馬では、1日の馬券発売額(10億8952万9400円)が高知競馬の1日の売り上げレコードを更新。黒船賞があったためですが、実を言うと、従来の売上レコードというのも前年の黒船賞当日。しかも、前年は祝日の開催という好条件で、今年は平日という悪条件。担当者は「無観客の上に平日でもあり売り上げ面は心配だったが、このような結果となり大変ありがたい」としています。同日、名古屋競馬場で開催された「名古屋大賞典」でも発売額でレコードを達成。高知・名古屋ともに、その前後の開催もおおむね前年並みの売り上げをキープしています。
これらは当然ネット投票が好調だったため。高知競馬での馬券発売は、ネット投票が9割。全国から購入できることで、馬券の売り上げ構成はここ数年大きく変化し、全体の売り上げは10年で10倍も増加しています。上昇気流にそのまま乗って、無観客開催をも乗り切った感じです。
逆に苦戦しているとタイトルで出ていた競輪ですが、こちらもそのままネット投票の問題でした。競輪は約4割減で、約2割減の中央競馬や競艇(日本モーターボート競走会)よりも減り方が激しいです。競輪とオートレースを統括するJKAの担当者は「現時点の数字からの推測だが、ネット投票へのシフトが他の公営競技より遅れたことが理由の1つであることは否めない」と語っていました。
これはファン層の問題もあるとの説明。現金で購入するファン層が多いとされていました。比較的ファン層の広い競馬や、対象数が6艇と比較的的中しやすい競艇と異なり競輪は敷居が高く、新規ファンの獲得が難しいかも…と記者は予想。つまり、ファンの高齢化が進んでいて、現金購入以外できない人が多いという予測のようでした。
■2021/01/09 極秘命令あり?中央競馬が無観客開催を好む予想外の理由
新型コロナウイルス感染拡大により、JRAはまた一部を無観客開催に戻しています。ただ、今回の記事いつまで続く無観客……JRAが「有観客開催」に踏み切れない理由とは? - GJ(2020.07.23 )は、タイトルでわかるように、まだ観客を入れだす前の全部無観客開催でやっていたときのものです。
記事で挙げられていた無観客開催を続ける理由は中止リスク。有観客にして万が一クラスターが発生し、それこそ開催中止になる方が大問題で、それよりは無観客開催で続けた方が確実という説明でした。これは理解できるものです。前述の通り、競馬の場合は、無観客開催でも売上減少が少ないため、特にそういった判断になるでしょうね。0か100かのギャンブルをする必要性がありません。
この理由はわかったのですが、それ以上の理由とされていたものは、あまり「そうだよね」とは思えないもの。<何よりJRAが開催を中止できないのは、馬券の売り上げの一部が国に納められていることもある>というものでした。馬券の売り上げは、その1割が国庫に納付されていることを踏まえて、コロナ禍で日本政府の財政が苦しい中で、競馬を中止にするわけにはいかない…とされていました。無観客開催を続けるのは、政府の意向かもしれないといったことも書いています。
なお、この記事でも売上の話が出ていました。ある競馬記者は「今のコロナ禍の状況から、表立って世間に知らしめることはあまり得策ではないためか、大きく公表はされませんが、JRAの売り上げ自体は毎週下がっていないんです。競馬だけで言うなら、それこそ地方競馬なんかはネット投票の普及で、むしろ売り上げレコードを連発しているくらいバカ売れしていますからね」と言っています。この売上の方が、無観客開催を好む理由だと考えるのが素直だと思いますけどね。
■2021/02/11 廃止寸前だった高知競馬が売上15倍!売上のほとんどは…
無観客開催の話ではないのですが、ネット販売の好調さに関する記事を紹介。2021年1月17日(日)の高知競馬の売上が10億円を超え、10億4800万円余りになり、これは2020年3月10日に記録した高知競馬1日の売上最高額10億8952万9400円に迫るものとなりました。
これを紹介した記事は、地域に貢献できるまでになった高知競馬 - 斎藤修 | 競馬コラム - netkeiba.com(2021年01月19日)というタイトル。「地域に貢献」というのはは、高知競馬が1月31日までに行われる7日間の開催で、『新型コロナウイルス感染症対策支援競走』を実施することを発表しており、最終レースのひとつ前のレース(ただし、重賞・準重賞はもっと早い時間帯)で、売得金の1%相当額を高知県新型コロナウイルス感染症対策助け合い寄付金に寄付することを指しています。
今の高知競馬の馬券の売上は、95%以上をネット・電話投票によって占められているとのこと。なので、おそらくその大部分は県外からのもので、結果的に『高知県新型コロナウイルス感染症対策』に集められた寄付金のほとんどが県外から集められた(と思われる)というのもスゴイと、作者の斎藤修さんは書いていました。
まだ記憶に新しいでしょうが、以前の地方競馬は廃止の嵐でした。高知競馬でも、中津競馬が廃止されたときは、「次は高知競馬か」と噂されるほどの状況だったとのこと。ただ、しかしどん底だった2008年度の1日平均約4千万円の売上が、今はその15倍以上の1日平均6億円を超えるまでにV字回復。“寄付”という形でその地域に大きな財政貢献ができるまでになったというのは、感慨深いものがあります。
■2021/10/4 地方競馬はネットだけでなくリアルでも復活している?
Our Pleasure2019年12月号の古谷コンシェルジュの競馬観(古谷剛彦)によると、2019年シーズンのホッカイドウ競馬の年間売得金額は、330 億8214万4890円。歴代最高ではありませんが、歴代6 番目の記録です。ただ、25年ぶりの300億円超えをマークしたとありましたので、上位記録はみなだいぶ昔。やはり他の地方競馬同様に大きく伸びていることがわかります。
また、以前とは開催条件が異なっているという事情を考えると、もっとすごいかもしれません。300 億から400 億円を発売していた平成初期には、100日を超える開催日数でした。一方、現在は80日間で330 億円超えですから、素晴らしい数字。1日平均で約4億円を超えており、これも歴代最高ではないものの、これも歴代3番目の記録となっています。
当然、やはりこれはネット投票の力。インターネット投票のシェアは85.6%で、前年より2.1%増と、徐々にその比率
を高めてきています。ただ、私が一番興味を持ったのは、こうしたネット投票の成功が、リアルにもプラスに働いているという話でした。
札幌駅北口から事前予約制で運行されている無料バスは乗車率が高まり、門別競馬場への来場者数は確実に増加。それとともに、門別競馬場で見込んでいた年間売得金額は、計画比で約1億円を上回っているという好結果に。
ホッカイドウ競馬のミニ場外であるAiba は、Aiba札幌駅前に前年秋に新たにオープンしたということで、勢いもありそう。様々なイベントを行った上に、今秋からJRA開催のメインレース発売を実施したこともあり、利用者数と売得金額もアップしたそうです。
地方競馬がネット投票で復活!だけならよくある話ですが、リアルにもプラスになっているというのは珍しい指摘で、こうした流れが全国でできていれば最高ですね。
2024年10月19日土曜日
超良血馬集まる池添学厩舎 社台グループが優遇する理由とは?
■2016/4/18 超良血馬集まる池添学厩舎 社台グループが優遇する理由とは?
こういうコネが生きる世界ってのはむしろ嘆かわしい気がするんですが、池添学厩舎に超良血馬が集まる理由は「コネ」だと書いている記事がありました。このコネとしては、当然「血統」の良さもあります。
<もしも競馬ゲームなら「イージーモード」と言いたくなるような恵まれた環境だが、それを実現している池添学調教師とは一体何者なのか......担当記者の話を聞いて、思わず「なるほど」と頷いてしまった>
「池添学調教師は父が池添兼雄調教師で、兄がオルフェーヴルの主戦だった池添謙一騎手です。明治大学の強豪馬術部でキャプテンを務め、34歳の若さで調教師試験に合格しています。下積み時代には角居厩舎に携わり、ノーザンファームでも経験を積んでいます。一言で言えば競馬界のサラブレッド。エリート中エリートです」(競馬記者)
(ブエナビスタ初仔にハープスター妹も。開業2年目で「超良血馬」続々......兄が三冠ジョッキーの「サラブレッド調教師」とは | ギャンブルジャーナル | ビジネスジャーナルより)
http://biz-journal.jp/gj/2016/04/post_250.html
ただ、社台グループに在籍したことによる「コネ」は、それほど悪いコネだとは思いません。考え方が近い、技術的なものが近い…といった感じで、企業においても古巣と繋がりを持つ…といったことはときどきあります。
「いくら天下の社台グループでも、相手が競馬界の重鎮調教師であれば、なかなか口出しすることも躊躇われます。しかし、すでに若い頃からノーザンファームでノウハウを学んだ池添学調教師であれば、意思の疎通が図りやすい。確かに開業時から良血馬が集められていますが、社台グループとしても明確なメリットがあるということです」(同)
とはいえ、社台グループの意見が通りづらい厩舎って本当にあるんですかね? 社台グループには逆らえないイメージがありますので、ちょっとしっくり来ない説明です。
なお、以下のように名前が出ている馬を見ると、確かに期待を集めた良血馬は多いというのは間違いないでしょう。一方で、まだ大成した馬は出てきていない…つまり、現時点では良血馬をうまく育てられていない感じがしてしまう馬名ばかり挙がっていました。何か手放しには褒めづらい微妙な感じがあります。
<担当記者によると、母ブエナビスタを手掛けた松田博資厩舎へ入厩するのが定番なのだが、松田博調教師が引退されたことで新鋭の池添学調教師に白羽の矢が立ったということらしい。(中略)
先日の桜花賞があった10日の忘れな草賞(OP)を制した良血馬ロッテンマイヤーも池添学厩舎だったことを思い出した。(中略)「ブエナビスタの甥っ子」のロッテンマイヤーも池添学厩舎である。(中略)
主力となっている現3歳馬だけをとってみても、2010年の2歳女王レーヴディソールの初仔アラバスター、エアスピネルの近親にあたるエアエマイユ、2010年のヴィクトリアマイルでブエナビスタと大接戦を演じたヒカルアマランサスの仔ギモーヴ、桜花賞馬ハープスターの妹リュラ......他にも良血のマル外馬がぞろぞろおり、まるでリーディング常連厩舎のような豪華ラインナップだ>
2024年10月18日金曜日
引退できず死亡…ワグネリアンはなぜ種牡馬になれなかったのか?
■2021/09/13 ヒムヤー系☓インテント系という絶滅寸前同士のマイナー血統
■2022/01/10 引退できず死亡…ワグネリアンはなぜ種牡馬になれなかったのか?
■2021/09/13 ブロードアピールやワグネリアンは良血じゃなくてマイナー血統?
ブロードアピールの子ブロードアリュールの掲示板を見ていて、違和感を覚えました。良血扱いされていたためです。
むしろブロードアピールはマイナー血統で活躍した馬じゃないですかね。ブロードアリュールの場合は父もゴールドアリュールであり、サンデーサイレンス系のトップクラスでもありませんでした。しかも、3勝しており、十分な活躍でしょう。さらに言えば、ゴールドアリュールの上の馬たちでも4勝が最高で、この馬は兄弟でトップクラスの活躍でした。
<この血統でこの馬体で、これだけ安い募集価格は、何かあるとは思い続けてましたが、こういうことか。さすが、プロの眼は違いますね>
<血統的にも非常に期待していたのでとても残念ではありますが、1戦毎に脚元が…と言われていただけにしょうがないのかな。とおもいます>
<この血統とこの素質で、この成績での引退、残念でしかないです>
私はブロードアピールが大好きだったので、POGでも指名した子どもたちが重賞を勝てなかったのは残念。ブロードアピールは重賞勝ちまくりだったので、もっと活躍しても不思議ありませんでした。なので、「活躍馬の子なのに走らない」ならまだわかりましたけどね。前述の通り、兄弟の中ではむしろ走った子なんですけど。
一方、成績からすると物足りなくても、不安視される血統背景を考えると十分に活躍したと言えそうな感じ。孫からはダービー制覇のワグネリアンも出て、こちらはPOGでも活躍してくれました。
■2021/09/13 ヒムヤー系☓インテント系という絶滅寸前同士のマイナー血統
ブロードアピールがマイナー血統であることに触れている例をいくつか掲載しておきましょう。
<父は(中略)27戦14勝とタフな走りをし、種牡馬としても1994年に北米リーディングサイヤーとなったBroad Brush、母は41戦3勝とまたタフな走りをしながらも重賞で結果を残せなかったValid Allure、母父は36戦8勝で主な勝ち鞍がドゥワイアH(GII)という二流馬のValid Appealという血統。
父や母父はマイナー感があるが、母系はアメリカの本流におり、日本馬ではサクセスブロッケン!!!!!!が近親に当たる>(ニコニコ大百科)
https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%AB
<ブロードアピールが亡くなったのか・・(中略)
ヒムヤー×インリアリティというなかなかマイナー系統で産駒自体はそこまで
走らなかったけど孫世代からワグネリアンが出た>
【訃報】競馬 ブロードアピール死去 27歳 2000年の根岸S等で勝利 -page2 | まとめまとめ
https://matomame.jp/user/yonepo665/f70a59e74f3215c04c02?page=2
父ブロードブラッシュのヒムヤー系は絶滅寸前のマイナー血統。その中ではブロードブラッシュが成功して頑張った感じですが、またすぐに絶滅危機になっています。その上のタッチストン系から絶滅状態に落っている筋金入りのマイナー血統です。
また、母父のインリアリティ・インテント系は、サラブレッド3代始祖であるゴドルフィンアラビアンの系統が全部絶滅危機種という、気合の入ったスケールのでかい絶滅寸前です。私はなぜかこのインテント系が入る馬で好きな馬が多く、もっと頑張って欲しいんですけど…。
ということで、ブロードアピール自身はマイナー血統という理解。ただ、ブロードアピールの子ミスアンコールのWikipediaでは「良血」と書いていました。ブロードアピールは良血じゃなくても、大活躍したので「その子は良血」という理解なんですかね。なお、ミスアンコールの場合は父が種牡馬リーディング上位のキングカメハメハであるため、ゴールドアリュール産駒のブロードアリュールよりは血統が良かったと言えそうです。
気になってもう少し検索してみると、母系の良血には、母親の競争成績が良い場合と、一族に活躍馬が多い場合があるとしているところがあり、どうも単純に「母の競走成績が良いから良血」って理解でも良いみたいですね。私が間違ってたんじゃん!…ただし、ここの定義では「父も大事」となっており、ブロードアリュールは依然として微妙なところがあります。
■2022/01/10 引退できず死亡…ワグネリアンはなぜ種牡馬になれなかったのか?
ワグネリアンが亡くなっていたと知って驚きました。ショックです。
<昨年11月28日のジャパンC18着後、体調を崩して栗東トレセン診療所に入院していた18年ダービー馬ワグネリアン(牡7=友道、父ディープインパクト)が5日、息を引き取った。(中略)治療を続けていたが年末に容態が急変。胆管に胆石が詰まっていたことから多臓器不全に陥ったとみられている>
https://news.yahoo.co.jp/articles/610a3df6778154f6aff47f2362d6a2b78b617df9
上記の内容を伝えた<18年ダービー馬ワグネリアン 多臓器不全で急死>(1/6(木) 10:27配信 スポニチアネックス)のヤフーニュースでは、「血統的背景からもいずれは種牡馬への道も開けていたであろう」などと指摘した、以下のような専門家コメントがついていました。
<父は日本競馬史上、有数の名馬であるディープインパクト。母のミスアンコールはその父がキングカメハメハ、母がブロードアピールで、いずれもワグネリアンとディープインパクトも所有する金子真人オーナーの愛馬であった。この血統的背景からもいずれは種牡馬への道も開けていたであろう>
ただ、私は逆に種牡馬への道がひらけていなかったからこそ6歳(明け7歳で死亡)まで走り続けなくてはいけなかったんだと思いますね。競馬ライター勝木淳さんの専門家コメントでは、「昨年のジャパンCでは史上初の日本ダービー馬4頭そろいぶみ」という話が出ていましたが、これは本来異常です。
<シャフリヤール、コントレイル、そしてワグネリアンとマカヒキ。競馬界の看板である日本ダービー馬は尊く、宝といってもいい。それだけに長く活躍できないことも多い。ダービー馬4頭の対決は、京都大賞典で復活したマカヒキとワグネリアンが長い間現役として走り続けたからこそ、実現できた>
本来なら種牡馬価値が最も高いはずのダービー馬なのにすぐに種牡馬にされなかったのは、私がもともと書いていたマイナー血統や、ダービー後の成績の悪さではないと考えます。前述した専門家コメントで評価された、父ディープインパクト・母父キングカメハメハという豪華な血統背景が逆に災いしたと考えられます。
どういうことか?と言うと、要するに似た血統の種牡馬がすでに多くいるため。ディープインパクトが長い間種牡馬リーディング1位だったということは、単純にディープインパクト産駒の種牡馬も多いということになります。そもそもその父サンデーサイレンスも長くリーディング1位で、サンデーサイレンス系があふれた状態です。
加えて、母父キングカメハメハはディープインパクトに次ぐ2位を長く続けて大成功した種牡馬。こちらも同様に後継種牡馬が多くなっています。
同様の理由で、母系にも彼らの血が多く入ってきます。父ディープインパクト・母父キングカメハメハの馬は、繁殖牝馬との配合に条件が付き、他の場合より選択肢が少なくなってしまうのです。つまり、種牡馬需要がやや落ちてしまう不利な血統なんですね。
逆の血統である父父キングカメハメハ(父ルーラーシップ)・母父ディープインパクトのキセキも、7歳で有馬記念まで走ってやっと引退。キセキの場合は種牡馬需要が近年高くない菊花賞勝ち馬という事情があるとはいえ、宝塚記念やジャパンカップを2着していたことからすると、競走成績的には種牡馬需要があっておかしくなかったと思われます。
ということで、種牡馬需要は微妙でしたが、個人的には是非種牡馬になってほしかったですね。POG馬だったというだけでなく、祖母のブロードアピールから好きだったという思い入れのあった馬です。
胆石が詰まっての多臓器不全であり、使いすぎ、酷使による死亡ではないと思われるものの、オーバーの金子真人さんにはもっと早く引退させてほしかったところでした。
なお、前述の日本ダービー馬4頭競演のジャパンカップで出ていたマカヒキの場合は、なんと8歳で出走。明け9歳で現役続行。同じ金子真人ホールディングスの馬です。
マカヒキの場合はキングカメハメハは入っていないものの、やはり父ディープインパクトのため、種牡馬需要が少ないとみなされているのかも。でも、金子真人さんの方針もあるんですかね。こちらもPOG指名した思い入れある馬なので、早く引退させてほしいんですけど…。
2023/06/17;ワグネリアンが2歳のときのメモが出てきたのでこちらに転載。何頭か書いた「今年の期待のPOG馬」的なもの。書いた時点では重賞挑戦前の2勝馬でした。
2017/10/09:ワグネリアン
好きだったブロードアピールの孫ということでPOG指名。 子供世代はさんざんだったが、孫世代ならと思う。姉のテンダリーヴォイス、ミンネザングも指名していた。
新馬戦、野路菊Sと2連勝で評価も高く、この世代期待の1頭。
2024年10月16日水曜日
絶滅寸前の三大始祖ゴドルフィンアラビアンとバイアリーターク
■2021/11/2 絶滅寸前の三大始祖ゴドルフィンアラビアンとバイアリーターク
Wikipediaによると、三大始祖とは、現在のサラブレッドの直系父系祖先を可能な限り遡った場合に辿り着く3頭の種牡馬のこと。具体的には、ダーレーアラビアン、バイアリーターク、ゴドルフィンアラビアンですね。
UAE・ドバイのシェイク・モハメド殿下が率いる世界最高峰の競走馬管理団体ゴドルフィンは、このサラブレッドの三大始祖の一頭であるゴドルフィンアラビアンにちなみます。カッコいいですよね、ゴドルフィンって名前。このせいで、ゴドルフィンアラビアンが一番好きです。
ところが、Wikipediaでは、「頭の中では、ダーレーアラビアンの直系子孫がほとんどを占める」と書いてあるんですよ。つまり、ゴドルフィンアラビアンとバイアリータークは消滅寸前なのです。三大始祖が一大始祖になる日も近そうです。
ゴドルフィンアラビアンの方のWikipediaによると、現在のゴドルフィンアラビアンの父系に属する馬は全てマッチェム(Matchem)の直系子孫しかいません。そのため、マッチェム系とも呼ばれています。
現時点では、ここからさらに大きく3系統に分かれ、フランスのヤングラトラー系、南アメリカに残存するハリーオン系、アメリカ合衆国のマンノウォー系の3系統があります。ただし、南アフリカは競馬国としてはややレベルが落ちるもの。さらに、フランスのヤングラトラー系はフランストロッター(繋駕速歩競走)でサラブレッドではありません。
ということで、この中で最も力があるのは、マンノウォー系。アメリカ合衆国及びフランスという競馬最高峰の国で残っており、 最も希望が持てます。
ただし、これは相対的に見て…という話であり、風前の灯であることは否定できそうにないのです。北米におけるマッチェム系(ゴドルフィンアラビアン系)の種付け頭数は2004年の2,307頭から、2020年には468頭まで激減。ヨーロッパでも2020年度で250頭程度だとのこと。残念ですね…。
バイアリーターク系の方ですが、こちらも結局みんな同じ種牡馬のヘロドを経由しているので、ヘロド系とも呼ばれています。ヘロド系のWikipediaでは、以下のように書いており、さんざんな感じです。
<三大父系の一つに数えられるが、縮小が激しくほとんど見ることが無い父系となっている。2021年時点の日本では障害競走馬として細々と残っている程度で、後は中小牧場で開店休業状態となっている>
最新の2018年の状況を見ると、一応上記の書き方よりは期待できそうな感じ。<アイルランドのダイヤモンドボーイが236頭の種付け数を集めたほかは全体的に低調で、2位のパールシークレット(イギリス)が48頭、3番目に多かったのがドゥーナデン16頭(イギリス)>ということで、一応一流国でも残っています。
また、この2018年はやはりレベルが高いオーストラリアで2頭のG1馬が誕生。ここだけ見ると、おっ!と思えます。…ただし、2頭ともオーストラリアにありがちな「せん馬」であり、種牡馬にはなれないことは100%確定。バイアリーターク系も極めて厳しいですね…。
2024年10月15日火曜日
サンデーサイレンスを含む奇跡の血量2本の馬スマッシュアウト
■2024/10/14 サンデーサイレンスを含む奇跡の血量2本の馬スマッシュアウト
■2022/08/20 サンデーサイレンスなど…奇跡の血量2本を含む4本のクロスの馬
インブリードネタを書き始めると、次から次と書きたい話が出てきてキリがないように…。なるべく珍しいのだけ…と思うのですが、ついつい書きたくなってしまいますね。
本日の紹介馬ランフリーバンクスはクロスが4本。これくらいなら全然どうってことないのですが、いわゆる奇跡の血量である「4×3のインブリード」(18.75%)が2本ある配合だったんですよ。
ランフリーバンクス
父エピファネイア 母ワイルドラズベリー 母父ファルブラヴ 母母父サンデーサイレンス
サンデーサイレンス 18.75% 4 x 3
Sadler's Wells、Fairy King 18.75% 4 x 3
Seattle Slew 6.25% 5 x 5
Hail to Reason 6.25% 5 x 5
正直言って、私はこの「奇跡の血量で良い馬が生まれる」という考え方は科学的根拠のない迷信だと思っているのですが、とりあえず、「奇跡の血量」はウィキペディアでもわざわざ単独の項目があるという重要な概念。ウィキペディアでは以下のような説明です。
<奇跡の血量(きせきのけつりょう)とは競走馬の交配を行う場合の血統理論のひとつである。理論名としては発表者であるM・S・フィッツパトリックとL・A・ラックブーの名前からフィッツラック繁殖説またはフィッツラックの18.75%理論と呼ばれる。
インブリードで、4代前祖先(6.25%の血量)と3代前祖先(12.5%の血量)が共通の馬となる場合「4×3のインブリード」という。そのときの血量は6.25%+12.5%=18.75%となり、これをとくに奇跡の血量と呼ぶ>
<近親交配は、その共通する祖先の能力を大きく引き出せるといわれる反面、濃すぎる血量は虚弱体質や気性難など弊害もあるといわれている。そのギリギリのバランスがこの奇跡の血量18.75%と考えられている。
これはイギリスの競馬関係者で古くからあった考え方であり、実践者として第17代ダービー卿が知られている>
奇跡の血量を持つ活躍馬は多数いて、ウィキペディアでは長々と活躍馬の例を挙げています。では、なぜ私がこの概念が眉唾だと考えているのか?と言うと、奇跡の血量を持つ馬はそもそも珍しくないため。奇跡の血量を持っていても活躍しない馬が大量にいるんですよね。この効果を証明するのはかなり難しいと思われます。
あと、最近、インブリードを気にして見ていて気づいたのが、そもそもアウトブリードの馬がほとんどいないということ。大抵の馬がクロスを持っています。このため、インブリードの評価もかなり難しいと思われます。
もっともっとデータを集めたいところですが、インブリードを見ていると好みのインブリード、良さそうに見えるインブリードというのも出てきました。なので、「インブリードに全く意味はない」とも思わないのですが、とりあえず、劇的な効果はなさそうな感じです。
インブリード全般の話ばかりになってしまいました。今回の主役、ランフリーバンクスの話に戻ります。「奇跡の血量を持つ馬はそもそも珍しくない」と書いたものの、彼女のように奇跡の血量を2本持つ馬はやはり珍しいと思いますね。なので、気になりました。きれいな配合だと思います。
このインブリードがどう出るか?ですが、とりあえず、新馬戦は終了。2022年8月20日の札幌1500mでは、4番人気で2着。勝った馬とは3馬身差がつきましたが、他の馬たちとはある程度力量差を感じる強い感じの2着です。成功した配合かもしれません。
ちなみに同じレースに2頭、私が指名したPOG馬が出ていたのですが、いずれも期待外れな負け方でした。ランフリーバンクスを指名しておいた方が良かったですね…。
■2024/10/14 サンデーサイレンスを含む奇跡の血量2本の馬スマッシュアウト
「サンデーサイレンスを含む奇跡の血量2本の馬を発見!インブリードの話に追加しよう!」と思ってインブリードの過去投稿を見たら、そのまんま同じ<サンデーサイレンスなど…奇跡の血量2本を含む4本のクロスの馬>という話を書いていましたわ。
ただし、このときの馬の場合、「4×3のインブリード」(18.75%)」のひとつは、「Sadler's Wells、Fairy King 」という兄弟インブリード(?)でした。今回は、同じ馬での「4×3のインブリード」(18.75%)」が2本。より濃厚で正真正銘の奇跡の血量2本だと言えるんじゃないでしょうか。
スマッシュアウト
父サートゥルナーリア 母セレブレーション 母父ハーツクライ 母母父Storm Cat
Storm Cat 18.75% 4 x 3
サンデーサイレンス 18.75% 4 x 3
Northern Dancer 6.25% 5 x 5
Mr. Prospector 6.25% 5 x 5
このスマッシュアウトですが、新馬戦は2番人気1着。私は「奇跡の血量なんて眉唾!」という考えなんですが、見事に勝ってしまいました。むむむ! ちなみに私は同じレースにPOG馬が出走して負けています。これ2022年の<サンデーサイレンスなど…奇跡の血量2本を含む4本のクロスの馬>と似たパターンですね。
ところで、その2022年のときの<サンデーサイレンスなど…奇跡の血量2本を含む4本のクロスの馬>の馬・ランフリーバンクスはどうなったのでしょうか?
前回の投稿では新馬戦を4番人気2着というところまででした。その後2戦目であっさり未勝利を脱出。これは当たり!といった勢いでしたが、昇級戦の白菊賞(1勝クラス)を1番人気9着と大敗して以降、10着を続けてスランプに。
とはいえ、オープン戦での戦いでしたので、自己条件に戻って掲示板に再び載りました。ところが、掲示板も2戦のみで、自己条件ですら二桁着順だらけになって中央登録抹消・繁殖入りとなっています。
セリ取引価格 8,580万円で、獲得賞金 1,111万円ですので、期待より走らなかったと言えそうですね。奇跡の血量2本による奇跡は起こらなかった感じです。
2024年10月13日日曜日
人間の倍くらいの高さ 巨大馬ペルシュロンがかっこいい
■2017/12/20 実は見たことあるかも!日本にも結構いるペルシュロン
■2017/12/20 人間の倍くらいの高さ 巨大馬ペルシュロンがかっこいい
「人間の倍」ってのは大げさに言いましたが、巨大馬ペルシュロンがかっこいいです。
ウィキペディアによると、ペルシュロンの原産地はフランス・ノルマンディーで、成立は8世紀に遡りフランス原産の重種にアラブ種などの血が入っているとされています。毛色は青毛、芦毛などが多く、体型はサラブレッドに比べ足が短く、胴が太いです。日本で、馬(サラやクォーターホース)を初めて近くで見て「大きいですね!」って仰る方多いんですけど、「大きいほうじゃないですよ」ってお答えしてもあまり信じてもらえないので、ペルシュロンの画像を置いておきます😃 pic.twitter.com/CvLYSW7Ftn— 清水みちる (@Naommin) 2017年10月1日
体高(肩までの高さ)は160-170センチメートルで大きなものでは2メートルを超える。人と同じくらいじゃん!と思うかもしれませんが、「肩までの高さ」でこれですからね。写真を見てわかるように、頭の高さは人間よりずっと上となります。
体重は1トンにもなりサラブレッドの倍ほど。記録が残る最大の馬はドクトゥール・ル・ジェア (Dr Le Gear) という牡馬で体高7フィート(211センチメートル)、体重1,370キログラムにもなったそうです。
2022年2月11日に前半部にももうちょっと画像つきツイートを追加しました。
子ども動物園で飼育していたウマ(ペルシュロン)の「八重誉」が2020年4月17日に死亡しました。高齢(25歳)による老衰でした。
— 千葉市動物公園【公式】 (@ChibaZoo) April 17, 2020
2001年の来園から皆様に可愛がっていただき、ありがとうございました。#chibazoo #ペルシュロン #ウマ pic.twitter.com/R2RI6yat3P
ペルシュロン。😯☀️☀️ pic.twitter.com/uKCoBhQWXs
— Moriarty (@Moriart53913418) September 16, 2021
またやっちまった。。。#ハウルの破壊日記#ホースランド#ペルシュロン#馬車 pic.twitter.com/N8dfsn6hYS
— ハウステンボスホースランド (@W8VjXuVGgHk8Cgd) December 13, 2021
■2017/12/20 実は見たことあるかも!日本にも結構いるペルシュロン
これだけ大きいと怖い気がしますけど、性格はおとなしく鈍重だが、非常に力が強いとのこと。気は優しくて力持ちなわけです。その強い力を生かし、馬車馬、挽馬、ショーなどに使われています。かつては軍馬として、全身甲冑を着こんだ重装騎兵の乗馬や、大砲の牽引などに用いられたともあります。イメージに合いますね。
実は、日本でも使われた馬で、おもに北海道で導入されたとのこと。ばんえい競馬にも使われ、初めて1億円を超える賞金を獲得したキンタローもペルシュロンの影響を強く受けているとのこと。そうなんだ!
以下は札幌のお馬さん。札幌の馬車は見たことがありますし、実は私も見たことあったのかも。競馬好きな友達といっしょのときにたまたま見かけて、いいね~としばらく見ていました。
ペルシュロン種について…ペルシュロンはフランス・ノルマンディー原産の大きな馬でアラブ種も混ざっているそうです。大人しい性格ですが力が強いので、昔は甲冑を着て大砲等を運ぶ軍馬として用いられたそうです(Wikiより)。#ぎんた君 #銀太君 #札幌観光幌馬車 #ペルシュロン #名馬 pic.twitter.com/I4r9okpf63— まんぼう@はぜおこぜ (@manbou_hazeokoz) 2017年10月27日
ペルシュロンは北斗の拳など、漫画で出てきた馬の実写版みたいって感想もよく出る馬です。ペルシュロン種の「ペルシュロン」…種名の由来は、やはりノルマンディー地域圏の中にある「ペルシュ地方」から取られたとの事。細かく調べたら出て来ました。流石渡部さんの仰る通りでした(≧▽≦)— まんぼう@はぜおこぜ (@manbou_hazeokoz) 2017年10月28日
本日28日10時出発前の銀太君。#銀太君 #ぎんた君 #札幌観光幌馬車 #ペルシュロン pic.twitter.com/I6uqd9OBKc
稀勢の里「北斗の拳」化粧まわし あえてラオウ選択 https://t.co/jMp5DQyCz9— さっど【SAD】3日目東K-48b (@SAD_LW) 2017年4月28日
土俵までは是非真っ黒なペルシュロン馬で来て欲しい。 pic.twitter.com/Sn7MMe61i8
世の中には、まだまだあまり知られていない不思議な生物がいるものですね。
2024年10月12日土曜日
史上最高額18億円で売れたザグリーンモンキーのその後…
■2021/09/28 史上最高額18億円で売れたザグリーンモンキーのその後…
Our Pleasure2019年8月の「ザ・ブラッド 血統表を紐解く!」(T.I.S)では、ディスクリートキャットの話でした。ただ、同じ父フォレストリーの別の産駒の話の方が気になってしまいました。
まず、ディスクリートキャットの話ですが、2005年8月27日、サラトガ競馬場のダート1200mのデビュー戦から才能を発揮します。ゴール手前で仕掛けると、あっという間に3馬身半差をつけて優勝。ゴドルフィンで有名なシェイク・モハメド殿下の馬係りだったジョン・ファーガソンさんは、即座にボスの同意を得てトレードで入手しています。
これから約6ヶ月が過ぎた2006 年2月、フロリダのコールダー競馬場で行われたファシグティプトン2歳トレーニングセールで、ディスクリートキャットと同じフォレストリーを父に持つ牡馬をめぐって壮絶な競り合いが繰り広げられました。これは、前述したシェイク・モハメド殿下の馬係りだったジョン・ファーガソンさんと、クールモアのエージェントのデミ・オバーンさんの争いです。
ファーガソンさんは当然入手済みのディスクリートキャットでフォレストリー産駒の印象が良かったため。一方、ケンタッキーにアシュフォードスタッドを持つクールモアには、ジャイアンツコーズウェーに続くストームキャット系の人気種牡馬を必要とした事情があったといいます。
ただ、これだけでは説明できないほど、金額はせり上がりました。なんと今も破られぬ世界レコードとなる1600万ドル(当時の交換レートで17億6000万円、メディアによっては18億4000万円と記載)でクールモア陣営が落札。ゴドルフィンとクールモアという、世界の競馬を代表する二大陣営であり、コラムでは「互いの陣営のメンツにかけて諦めなかったから」としていました。
ところで、この超高額馬は名前をザグリーンモンキーと言います。聞いたことないな…と思ったでしょうが、それもそのはず。彼は全然走らなかったのです。3着したのが最高で、わずか3戦で引退。「高額の割に走らなかった馬」としても破ることができない世界記録な感じですね。全然ほしくない記録ですけど…。
一方、ディスクリートキャットはその後も走り、G1も勝ちました。日本に来ていることでわかるように、種牡馬にもなっています。プライドをかけた戦いでゴドルフィンはクールモアに破れたものの、駄馬を超高額で買う羽目にならずに、入手済みの馬も走った…ということで、実質、ゴドルフィンの大勝利だったようです。
2024年10月11日金曜日
未活躍でも名種牡馬 ミスタープロスペクター、ゴーンウエスト、シルヴァーホーク、ウッドマン、クリスエス
■2015/11/17 僅か700万円しか稼がなかったウッドマン、種牡馬としては成功
■2018/05/10 クラフティプロスペクター、ゴーンウエスト、イルーシヴクオリティもG1または重賞未勝利
■2016/2/19 重賞未勝利のクリスエス、シンボリクリスエスなどを輩出 名前の由来は女性からだった
■2017/10/21 G1未勝利でも名種牡馬となったシルヴァーホーク
■2020/12/30 2戦して未勝利1勝のマリブムーン、G1馬を出しまくる
■2016/1/17 地方の未活躍馬ながら種牡馬入りのゴールドヘイローから活躍馬続出
2022/01/24再投稿
■2013/3/24 ダート1200なのに20馬身差勝利のクラフティプロスペクター
■2013/3/15 大種牡馬ミスタープロスペクター、実は重賞未勝利
ミスタープロスペクターは大種牡馬の1頭であることには疑いがありません。
これを書こうと思ったきっかけのビッグレッドファームグループ会報アワープレジャー2012年8月号のザ・ブラッドでは、20世紀を代表する種牡馬としてあのノーザンダンサーと双璧といった感じの書き方でした。
また、Wikipediaでは種牡馬として「20世紀末でもっとも成功」と書いていました。
ところが、ミスタープロスペクター、意外なことにG1どころか重賞すら勝っていないそうです。
Wikipediaでも以下のように書いています。
-----引用 ここから-----
ミスタープロスペクター (Mr. Prospector) はアメリカ合衆国の競走馬。<b>競走馬としては大成できなかった</b>が、種牡馬としては20世紀末でもっとも成功しミスタープロスペクター系を築いた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC
-----引用 ここまで-----
日本ほどではないとは言えG1未勝利の種牡馬の時点で珍しくなり、大種牡馬となればなおさらです。
しかも、重賞すら未勝利となると、すごいことですね。
ミスタープロスペクターの場合は近親に活躍馬がいて……という種牡馬パターンでもなく、さらに貴重です。
日本なら種牡馬入りしない可能性の高いタイプです。
以下、アワープレジャー2012年8月号のザ・ブラッドによりますが、実際繁殖入りした馬産地を見ても最初から期待されていたわけではないようです。
http://www.ruffian.co.jp/site/ourpleasure/ourpleasure.php
-----引用 ここから-----
温暖な気候に恵まれたフロリダは米国ではケンタッキーに次ぐ馬産地として知られるが、繁殖牝馬のレベルはトップクラスが集結するケンタッキーとは比較にならない。ミスタープロスペクターが繁殖入りした70 年代後半のフロリダには地元育ち
のインリアリティ(77 年の米2歳種牡馬チャンピオン)という超大物が不動のセンターに君臨。75 年に種牡馬入りしたミ
スタープロスペクターは3 歳時にガルフストリームパーク競馬場の6 ハロンのレコードタイムを樹立して、その快速ぶりが知られていたとは言え、看板(重賞勝ち)のない馬の旅立ちは決して恵まれたものではなかった。
ダートの短距離に特化して売り出したミスタープロスペクターは初年度産駒をデビューさせて2 年目の79 年にファピアノらの働きによって米2 歳種牡馬チャンピオンに輝き、81年にはケンタッキーの名門牧場クレイボーンファームにトレード。その後は不動の地位を築くことになる(略)
-----引用 ここまで-----
途中であったようにレコードタイムを持っていました。これが種牡馬入りとなったきっかけかもしれません。
戦績とレコードに関しては、Wikipediaもどうぞ。
-----引用 ここから-----
セクレタリアトと同世代だが、ミスタープロスペクターは出世が遅く、大競走に出ていないため、セクレタリアトとはいちども対戦することはなかった。競走成績は14戦7勝。短距離の競走で2度のレコードを出したが、重賞は2度の2着がある程度で勝つことはできなかった。
-----引用 ここまで-----
しかし、種牡馬として出世し出してからは、すごいです。
-----引用 ここから-----
種牡馬入り直後の産駒には小粒な早熟短距離馬が多かったが、1979年には2歳リーディングサイアーとなり、1982年にはコンキスタドールシエロがベルモントステークスを制した。その後、供用地がケンタッキー州に移ったころからクラシックホースを含む大物を出し始め、また産駒も種牡馬として成功し始めた。1987 - 1988年にはリーディングサイアーとなり、大種牡馬としての地位を確立した。非常にタフな種牡馬としても知られ、死亡した1999年にも種付けをこなしていた。
-----引用 ここまで-----
以下に代表産駒。有名馬が大量です。
-----引用 ここから-----
代表産駒
1978年生
ミスワキ / Miswaki(1980年サラマンドル賞)
1979年生
クラフティプロスペクター / Crafty Prospector(種牡馬、アグネスデジタルの父)
コンキスタドールシエロ / Conquistador Cielo(1982年メトロポリタンハンデキャップ、ベルモントステークス)
1980年生
エイロ / Eillo(1984年ブリーダーズカップ・スプリント)
1981年生
プローチダ / Procida(1984年フォレ賞、ハリウッドダービー)
1982年生
ダミスター / Damister(種牡馬、セルティックスウィング・トロットスターの父)
1983年生
ウッドマン / Woodman(種牡馬、ヘクタープロテクター・ティンバーカントリー・ヒシアケボノなどの父)
1984年生
アフリート / Afleet(1987年ジェロームハンデキャップ)
ガルチ / Gulch(1987年・1988年メトロポリタンハンデキャップ、1988年ブリーダーズカップ・スプリントなど、G1・7勝)
ゴーンウェスト / Gone West(1987年ドワイヤーステークス)
ジェイドハンター / Jade Hunter(1988年ドンハンデキャップ、ガルフストリームパークハンデキャップ)
マイニング / Mining(1988年ヴォスバーステークス)
1985年生
シーキングザゴールド / Seeking the Gold(1988年ドワイヤーステークス、スーパーダービー)
フォーティナイナー / Forty Niner(1987年フューチュリティステークス、シャンペンステークス、1988年ハスケルインビテーショナルハンデキャップ、トラヴァーズステークス)
1987年生
ジェイドロバリー / Jade Robbery(1989年ジャン・リュック・ラガルデール賞〈フランスグランクリテリウム〉)
マキャベリアン / Machiavellian(1989年モルニ賞、サラマンドル賞)
リズム / Rhythm(1989年ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル、1990年トラヴァーズステークス)
1988年生
スキャン / Scan(1991年ジェロームハンデキャップ、ペガサスハンデキャップ)
1990年生
キングマンボ / Kingmambo(1993年プール・デッセ・デ・プーラン〈フランス2000ギニー〉、セントジェームズパレスステークス、ムーラン・ド・ロンシャン賞)
1991年生
アワエンブレム / Our Emblem(種牡馬、ウォーエンブレムの父)
ショウリノメガミ(1996年京都牝馬特別、1997年中山牝馬ステークス)
1992年生
スマートストライク / Smart Strike(1996年フィリップ・H. アイズリンハンデキャップ)
シェイクハンド(1995年ニュージーランドトロフィー4歳ステークス)
1993年生
ターリブ / Ta Rib(1996年プール・デッセ・デ・プーリッシュ〈フランス1000ギニー〉)
1995年生
チェスターハウス / Chester House(2000年アーリントンミリオンステークス)
1997年生
フサイチペガサス / Fusaichi Pegasus(2000年ケンタッキーダービー)
1998年生
アルデバラン / Aldebaran(2003年サンカルロスハンデキャップ、メトロポリタンハンデキャップ、フォアゴーハンデキャップ)
-----引用 ここまで-----
「ミスタープロスペクター系を築いた」と最初にあったように、G1馬を続出させただけでなく、子供たちや孫たちがまた種牡馬として成功していったってのがすごいですね。
■2015/11/17 僅か700万円しか稼がなかったウッドマン、種牡馬としては成功
ミスタープロスペクター系の種牡馬が多いのであれですが、ウッドマンも有名な種牡馬の1頭でしょう。日本では、その子のヘクタープロテクターが輸入されており、こちらの方がさらに馴染みです。
ところが、このウッドマンが現役時代は、2万3760ポンド(約700万円)しか稼がなかったと聞いて驚きました。
ただ、よくよく見てみると、賞金が安いだけで競走成績は十分。一般戦からG3を続けて勝って3連勝、英国遠征で臨んだG1デューハーストS(芝7ハロン)は負けたものの、アイルランド最優秀2 歳馬に選出されたそうです。
3歳は1戦して引退しちゃったのであれですが、弱かったわけではないようです。日本の賞金体系のイメージがあると、間違えますね。
また、血統に関して言えば、さらに良かったみたいです。
そもそもロバート・サンガスターさんが300万ドル(当時の交換レートで約7億5000万円)で手に入れた馬でもあり、高額馬でした。
-----引用 ここから-----
名牝ラトロワンヌ(バックパサーやイージーゴーアらの祖)に遡るピカイチのファミリーラインを持つ鹿毛馬に大枚をはたいたのは、これがケンタッキーで一二を争う名門フィップス家のコレクションから出た馬であり、なお且つ母のプレイメイトが71年の米2歳牝馬チャンピオンに輝いたナンバードアカウントの全妹だったことに加え、父のミスタープロスペクターがノーザンダンサーの跡目を継ぐ存在になるという目星をつけていたからであろう。
Our Pleasure 2014年4月 ザ・ブラッド 血統表を紐解く!(T.I.S)より
-----引用 ここまで-----
とはいえ、前述のような競走成績でしたので、種牡馬入りしても、最初は見向きもされなかったようです。 ところが、これが大ブレイクするのですから、競馬というのはおもしろいものですね。
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生まれ故郷の米国で種牡馬生活を始めたウッドマンに興味を示すホースマンは少なく、88年に生まれた初年度産駒は僅かに45頭を数えるのみだったが、その中から欧州の2歳重賞を総嘗めにしたヘクタープロテクターやプリークネスSとベルモントSの米国二冠を制したハンセル(中略)を送った(略)
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ブラックタイプウイナー(重賞及び準重賞の勝ち馬)もジャスト100頭。名種牡馬の1頭と言えるでしょう。
■2018/05/10 クラフティプロスペクター、ゴーンウエスト、イルーシヴクオリティもG1または重賞未勝利
ミスタープロスペクターは 前述の通り重賞未勝利で名種牡馬となりましたが、この系統からは似たような感じで、競走成績が良くないのに、種牡馬で成功することが多いようようです。
既に書いている ウッドマンはアイルランド最優秀2 歳馬で重賞勝利はありますが、G1は未勝利。賞金はわずか700万円でした。
また、 クラフティプロスペクターは父のミスタープロスペクター同様に重賞すら未勝利でした。
さらに ミスタープロスペクターの直仔では、ゴーンウエストも重賞2勝ではあるものの、G1勝ちのない競走成績(17戦6勝)。しかし、種牡馬になって成功しています。
そして、このゴーンウエストの仔 イルーシヴクオリティがまたまたこのパターン。2 ~ 4歳時に20 戦9勝、2 着3回、3着2回。2 歳時に8 戦4 勝。重賞勝ちはあるものの、G1競走には4度挑戦してウッドバインマイルHの4着が最高でした。
では、なぜ種牡馬になれたのか?と言うと、レコードを持っていたのです。ガルフストリームパーク競馬場のダート7ハロン戦でコースレコードを更新、ベルモントパーク競馬場
の芝8 ハロンを1分31秒63で走り、世界最速レコードを叩き出しました。
そのレースぶりは駆け引きなしの逃げ一本やり。そのために、高いレベルで同脚質馬が現われるG1競走はどうしても不利な流れになり、勝てなかった模様です。
種牡馬入りしたイルーシヴクオリティは最初1万ドル(約110万円)の種付け料でスタートしたのですが、初年度産駒の中からフランスで2歳牡馬王者になったイルーシヴシティなど11頭がブラックタイプ競走(重賞、準重賞)の勝ち馬に。
2年目からは、二冠馬スマーティジョーンズや2007年の米最優秀短距離牝馬に選出されたメアリーフィールドなどが登場で大成功。
交配料は大台の10万ドルまで上がり、当初の10倍にまでなりました。こういう話はわくわくしちゃいます。
(Our Pleasure2018年2月号 ザ・ブラッド 血統表を紐解く! T.I.Sより)
■2016/2/19 重賞未勝利のクリスエス、シンボリクリスエスなどを輩出 名前の由来は女性からだった
Our Pleasure 2015年10月号 ザ・ブラッド 血統表を紐解く! T.I.Sより
"Our Pleasure 2015年10月号 ザ・ブラッド 血統表を紐解く! T.I.S"によると、クリスエスは安かった馬ではなく、一応なかなか期待されていたようです。
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幼少時に蹄に小さな難があったクリスエスは地元の1歳セールでピンフッカーに5万8000ドル(当時の交換レートで約1100万円)で購買され、翌年のカリフォルニアのトレーニングセールに上場されて14万ドル(約
3080万円) という高値で売却された。
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ただし、競走成績は極めて凡庸でした。G1未勝利どころか重賞未勝利。4着が最高です。
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フロリダで生まれ、2、3歳時に5 戦3勝、2 着1回。2 歳時にカリフォルニアのハリウッドパーク競馬場の未勝利戦(ダート5.5ハロン)でデビューし、2 着馬に3馬身差をつけて優勝。2 戦目以降はサンタアニタ競馬場を主戦場とし、8.5ハロンの一般戦と3歳初戦のブラッドバリーS(9ハロン)に優勝した。ブラッドバリーSは水が浮く馬場で道悪巧者ぶりを発揮した。連闘で向かったG2サンフェリペS(8.5ハロン)は重賞ウイナーのレイズアマンに4馬身1/4差の4着し、出世の足がかりとしたが、その後に屈腱炎を発症して引退。
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こんな馬がなぜ種牡馬入りできたか?と言うと、"人気を誇っていたロベルト直仔で伸びのある雄大な馬格が評価されて"とのこと。
ただし、これも期待されていたというわけではなく、安値からのスタートでした。
で、ここからの大出世。競馬はこういうのがおもしろいですね。
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レース実績が不足していたことで初年度の交配料は3500ドル(約84万円)だったが、早い段階からブリーダーズCの大舞台で勝利を掴んだプライズドやハリウッドワイルドキャットといった一流馬が現れて大ブレーク。1993 年にケンタッキーに移動後も有馬記念でぶっちぎりを演じたシンボリクリスエスや英ダービー馬クリスキンらの名馬を送り、2001年の交配料は当時の北米でストームキャット(40万ドル)に次ぐ15万ドル(約1800万円)となった。
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日本ですとあまりこういう大逆転はなくて残念に思っています。未活躍馬の種牡馬入り自体が少ないですよね。種牡馬に層の厚みがありません。
その話は置いておいて、もう一つおもしろいと思ったのが「クリスエス」という名前です。女性名から取られた名前でした。
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馬名のクリスエスはオーナーの長女クリスティン[KRIS]tin・シューネマン[S]chunemannからの命名であ
る。
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ただし、つづりの異なる「クリス (Chris)」自体は男性が多いそうなので、これでも違和感ないのかもしれません。
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クリス (Chris)
主に英語での人名。男性に多く、クリストファー、クリスチャンの通称。女性名としては、クリスティアナ、クリスティーナ、クリスティーンの通称。
クリス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9
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あと、「Kris」という馬がいたのも発見。種牡馬ですので、やはり男です。
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クリス (Kris) とはイギリスの競走馬、種牡馬である。マイル以下の競走で安定した成績を残し、生涯の連対率は100パーセントを誇る。また、種牡馬としても優秀な成績を残した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9_%28%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC%29
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他に東南アジアにある短剣をKrisというそうなので、男っぽいイメージなのかもしれませんね。
■2017/10/21 G1未勝利でも名種牡馬となったシルヴァーホーク
どうも私はそれほど活躍していないのに種牡馬入りして成功という話が好きみたいですね。シルヴァーホークもそういう話でした。
この馬の場合、重賞は勝っています。アメリカ生まれでイギリス育ちの彼は、ニューマーケットのG3クレイヴァンS(8ハロン・直線)を1馬身半差で快勝。
ただ、その後、G1英2000ギニーでは1番人気に支持されたものの、不得手の重馬場に最後、脚が止まって勝ったジーノから5馬身差の5着で入線。
G1英ダービーでも勝負どころで馬群が邪魔になってスムーズさを欠き、ゴールデンフリースから4馬身差、のちに英・愛のセントレジャーを制するタッチングウッドから1馬身差の3着。
G1愛ダービーではこれまた水の浮く不良馬場で2 着。その後の調教で脚部を痛めて引退し、結局、G1は勝てずじまいでした。
このような成績だったシルヴァーホークを、当時ケンタッキーの牧場でも十指に入ったというエアドリースタッドのB.ジョーンズさんが注目。再び故郷のアメリカに戻ってきます。
ただ、最初の数年はまったく無名。変化が訪れたのは3 年目の産駒からで、ホークスター、レデ
ィインシルヴァーなどのG1馬が出ると人気に火が付きました。
種付料はずっと非公開だったが、ベニーザディップが英ダービーを制した1997年は4万ドル(約480万円)、グラスワンダーが日本で活躍した1999年は7万5000ドル(約860万円)にまでアップしました。そうグラスワンダーの父なんです。
シルヴァーホークがいなかったらグラスワンダーもいなかったし、スクリーンヒーローもいませんでした。偉大な相馬眼でしたね。
このスクリーンヒーロー の場合、G1を勝っていますが、種牡馬としては全く期待されない地味なスタート。種付料30万円を出発点に自らの力で這い上がって今や種付料500万円の一流種牡馬となったということで、成り上がり っぷりは似ていました。
なお、シルヴァーホークの場合は、競走馬としても最初期待されていなかった模様です。
彼を見出したのは、サウジアラビアで父のやっていたオイルビジネスを軌道に乗せたマームード・フーストックさん。彼は、米国大学留学時に競馬の魅力に取りつかれて競走馬を持ち、ケンタッキーに牧場を開きました。
競馬の世界に入ってくるパターンとしてはドバイのモハメド殿下と同じのこと。しかし、モハメド殿下ほどの権力も金力もなかったフーストックさんは、相馬眼を養って、幼少時に多少の難のある馬でも、その個体が持っている品格を重視して馬を買うというスタイル。
シルヴァーホークが上場されたケンタッキーのファシグティプトン7月セール自体が地味。上場馬の多くは新種牡馬や、まだ成績の出ていない種牡馬を父に持つ1歳馬だといいます。
シルヴァーホーク自身、母のグリヴィタスは2勝馬です。ただ、その1勝はフランスの重要なマイルG1のジャックルマロワ賞なので「良血」といえる血統。
しかし、フーストックさんの競り落とした金額は、わずか7万7000ドル(当時の交換レートで約1730万円)だったといいます。まさに掘り出し物でした。
シルヴァーホークの父はロベルトという良い種牡馬なので不思議ですが、馬体がいかにも芝向きで血統も欧州色が濃かったからではないかとのこと。
同じ 1980 年に米国のセリで売却されたロベルト産駒の平均売却価格(17万7688ドル)でしたので、他の同じ父の産駒から見ても明らかに安い価格でした。
(Our Pleasure 2016年11月号 ザ・ブラッド サラブレッドインフォメーションシステムより)
■2020/12/30 2戦して未勝利1勝のマリブムーン、G1馬を出しまくる
久しぶりに未活躍でも名種牡馬の話を追加。メモしていたのに、使っていなかった話があったんですよ。あまり日本ではいないので知りませんでしたが、未活躍で成功した種牡馬ではマリブムーン (Malibu Moon) という馬もおもしろいですね。父は大種牡馬エーピーインディ(A.P.Indy)。ボールドルーラー~シアトルスルーの系統です。
マリブムーンは、不動産投資信託などの事業を行うパブリックストレージの創業者でもあるブラッドリー・ウェイン・ヒューズ会長の自家生産馬。近親に多数の活躍馬がいる良血ではありました。とはいえ、1999年4月のデビュー戦2着の後、5月の5ハロンの未勝利戦後に、後膝の骨折が判明し引退。1戦1勝であり、デビュー戦と未勝利しか走っていません。
良血だったということもあり、ヒューズ会長は彼を種牡馬にしようとします。ただ、良血とはいえ、さすがにこの成績では種牡馬入りに苦労しました。馬産の中心地であるケンタッキー州では、引き受けるスタッドは見つかず。仕方なくメリーランド州でデビュー。初年度となる2000年の種付け料は3000ドルだったといいます。
ところが、現役時代や種牡馬入りでは苦労したのとは一転して、種牡馬入りしてからはいきなり成功。初年度産駒がデビューした2003年にいきなり重賞勝ちを記録。翌2004年には、当時G1だったハリウッドフューチュリティ勝ち馬Declan's Moonを出します。
このように活躍したため、念願のケンタッキー州で種牡馬生活を送ることに。ケンタッキー州では、当然、肌馬の質も上がったと思われます。だからと言って走るとは限らず今までのはまぐれだった…ということもあり得るのですけど、マリブムーンは本物でした。今までよりさらに質の高い産駒を輩出し、2010年には北アメリカのリーディングサイアーランキングで初のトップテン入りとなる3位に。
Wikipediaでは、G1勝ち馬だけで9頭記載がありました。パッと見て一番活躍したのは、ケンタッキーダービーなどを勝ったOrb(オーブ)でしょうか。前述のような活躍のおかげで、2014年の種付け料は初年度の30倍以上となる95000ドルとなったそうです。(Wikipediaより)
■2016/1/17 地方の未活躍馬ながら種牡馬入りのゴールドヘイローから活躍馬続出
Enjoy Ruffian 2009年2月号(血統マニアック 藤井正弘)を読んでいてびっくり。ゴールドヘイローはてっきり海外からの輸入種牡馬だと思っていたのですが、日本、しかも、地方の未活躍馬だと今頃知って驚きました。古い雑誌を今頃読んでいるので、めちゃくちゃ時間かかっています。(これをさらに2021年に再投稿。12年も前の話です)
海外だと血統背景からの種牡馬入りは珍しくないものの、日本ではこの成功例が極端に少ない気がしていたので驚きです。
ゴールドヘイローは近親にカーリアンがいますで、血統は良い馬でした。ただ、脚部不安から地方でデビュー。8戦5勝したものの、賞金は1,683.0万円程度。2年間登録抹消されなかったと言いますから、もっと走らせたかったのに、足元のせいで走れなかったということでしょう。
この馬が種牡馬入りしたのは、2004年で中村畜産。中村和夫代表は、「競争能力と種牡馬能力は全く別物」という信念を持っており、故障したミルジョージを輸入して1989年に日本のチャンピオンサイヤーにした方だそうです。
ゴールドヘイローの初期の産駒はほとんどが自分のところの馬だったようです。しかし、その中から地方での善戦する馬が続出。2008年の地方2歳リーディングにも輝きます。2007年の最初の世代は2歳戦の時点で、出走17頭で25頭が勝ち上がり、勝率0.824。第2世代は42頭中35頭の0.833で、何とこれを上回りました。
これは2009年の古い記事だったので、今はどうか?と見ると、1億円ホースが4頭もいて驚きました。繁殖牝馬の質を考えると、驚異的でしょう。(うち3頭は中村和夫さんの生産馬)
トウケイヘイロー 中村和夫 26,758.90
モエレビクトリー 中村和夫 12,889.00
アポロラムセス 中村和夫 10,286.90
プロモントーリオ 道見牧場 10,107.30
ゴールドヘイローはもう高齢馬となっており、これ以上たくさん種付けってことにはならないと思います。もっと注目されたら良かったな…という感じで、残念です。
■2013/3/24 ダート1200なのに20馬身差勝利のクラフティプロスペクター
クラフティプロスペクターは、2 歳時は3 戦2 勝、2 着1回。ここまでは特別すごくなかったのですが、すごかったのが、3歳にから2 戦目の一般戦。これでで2 着馬を20 馬身ちぎる圧巻のパフォーマンスを見せました。20馬身だけで驚くのですが、一番すごいのがこのレースがダート6ハロンのレースだったことです。ダート1200mで20馬身差っておかしいですよね。すごすぎる強烈エピソードでした。
4歳以降は以下のような競争成績で、生涯成績としては、米国で2 ~ 4 歳時に10 戦7 勝、2 着2 回となっています。
<4 歳になって2 連勝で臨んだ重賞初挑戦のG1ガルフストリームパークH でクリスマスパスト(前年の3 歳牝馬チャンピオン)のクビ差2 着し、初めての10 ハロン戦で距離の柔軟性を証明した。すべてのレースで馬券に絡む堅実ぶりと当時、売り出し中だったミスタープロスペクターの直仔が買われて84 年春にフロリダで種牡馬入り>
アワープレジャー2012年8月号のザ・ブラッドより
http://www.ruffian.co.jp/site/ourpleasure/ourpleasure.php
ところで、この戦績を見てわかる通り、父ミスタープロスペクターと同様重賞未勝利なのです。記事では以下のような評価であり、G1を勝てる実力ではあっただろうと見られていますけどね。
<故障によるブランクもあって出走機会は3シーズンで10 回に留まったが、電撃の6 ハロン戦で後続を20馬身ちぎる神業を演じ、デビューから9 戦目での重賞初挑戦となったG1 ガルフストリームパークHでは距離延長と相手強化に臆することなく、直線で果敢に最内を突いて、あわやの2 着。順調であれば、重賞は勿論、G1にも手が届いたであろうことを想像させている>
クラフティプロスペクターは本当に父ミスタープロスペクターと似ていて、やはり同様に質の劣るフロリダで種牡馬デビューし、そこで成功して頂点のケンタッキーへと行っています。なお、この活躍というのは、日本の馬なくしてはありえなかったかもしれません。そういう意味では日本とも縁がありました。
<フロリダで種牡馬入りしたクラフティプロスペクターは、6シーズンを過ごした後にケンタッキーのブルックデールファームに移ったが、メジャー昇格後も人気種牡馬の地位を保つことが出来たのはアグネスデジタルを初めとする日本での産駒の成功があったからに他ならない。柔軟な馬体から繰り出される芝に対応するスピードを備え、鞍上の意のままに動ける賢さは父譲り。八方美人が邪魔をして、母国では超一流と認められるまでに至らなかったが、日本という最適の働き場を得て、31 歳まで元気に生きたのだから、運も強かったのだろう>
アグネスデジタルは芝ダート不問でしたし、距離もマイルだけでなく中距離は強かったです。ここらへんが八方美人と言われるところですかね?良い馬でした。
父ミスタープロスペクターも距離の持つ産駒を輩出し、その子らもまた父として長いところをこなせる馬を出しました。こういう一筋縄ではいかないところも、競馬の血統のおもしろさでしょう。