2025年11月27日木曜日

松岡正海は小学生時代から騎手目指し体を小さくする努力をしていた

■2020/07/18 松岡正海は小学生時代から騎手目指し体を小さくする努力をしていた
■2013/3/10 松岡正海騎手、外食代より安い騎手進上金でも海外に騎乗しに行く


■2020/07/18 松岡正海は小学生時代から騎手目指し体を小さくする努力をしていた

 Our Pleasureの巻頭のごあいさつは、岡田兄弟がかわりばんこでやっていますが、2019年3月号はウインの岡田義広さんの番でした。この回では、ウインの主戦騎手とも言える松岡正海騎手の話をしていていました。
  2019年、ウインブライトで金杯を勝った松岡正海騎手ですが、翌日に馬に蹴られて骨折し乗り替わり。周りからは「金杯で運を使ったな」なんて言われたものの、本人はむしろこれを幸運だといいます。最悪な状態を考えれば、尺骨で済んだのはまだ運が良かったのではというのこと。前向きですね。

  後日、岡田義広さんがその覚悟と行動力にいつも刺激を受けるといった話を本人にすると、小学生時代の以下のような話をしていたそうです。

「小学2、3年生のときから騎手になりたくて、体を大きくしないために、物が入った押し入れの狭いところで寝たり、中学1年のときは体重がすでに41kgで競馬学校の受験資格が43kg以内だったので、そこから、ほとんど物を食べた記憶がないです。そうして中学3年までずっと41kgを維持しました。弟は身長180cmありますけど、自分は騎手を目指してずっと我慢していました。だから、そこらへんの騎手には負けられないんです」

  身長が高い騎手が調整に苦労するという話は過去にもやっています。馬への負担もありますから斤量を増やせ!と主張するわけにもいかないのですけど、ここらへんは結構ブラックなところもありますね。うまい解決策が思いつきません。


■2013/3/10 松岡正海騎手、外食代より安い騎手進上金でも海外で騎乗しに行く

 アワープレジャー2012年8月号児玉敬さんのアイルランド厩舎通信で、アイルランドの児玉敬調教師の馬に乗るために、松岡正海騎手が来た…という話がありました。「僕の厩舎の管理馬に乗るためだけに、ウィークデイの数日を利用して、わざわざ日本から来てくれた」といいます。
http://www.ruffian.co.jp/site/ourpleasure/ourpleasure.php

 このときの騎乗馬はAsian Wingという馬。その時点でトップウェイトかつ1番人気だったそうですが、別の回を見ているとたぶんこのときはボロ負けていたと思います。気性に難がある子のようで、この子の話がまたおもしろいんですけど、それは別の機会に。ここではタイトルにした騎手進上金の話です。

 カラの街の中華料理屋さんの会計がAsian Wing が勝った時の騎手進上金を超える金額であることに気付いて「勝っても中華料理店でご飯も食べられない進上金のレースのために、よくまあ大きな経費を使って日本から乗りに来るよな!? 相変わらずあきれるよ…」とからかうと「世界で一番厳しい競馬をしているこのアイルランドでたとえ1 鞍でも乗れるなら、決してもったいないとは思わないです」と熱い答えで返されたといいます。

 ただし、児玉敬調教師が「松岡君、トレイルまだまだ若いでしょ!(略)シャドウゲイトもやっと動きにタフさが出てきたと思う。この2 頭でまた欧州の大舞台に挑戦出来たらと思う」と夢を語ったところ、上記の発言を踏まえてやり返されました。
 「調教師の進上金でだってさっきの中華料理店でご飯も食べれないですよね!? 何でここで調教師なんですか?」と悪戯っぽく笑っていたといいます。

 児玉敬さんは一度お金がなくなって調教師を辞めていますけど、アイルランドではとにかく調教師が儲からないどころか、お金が減るばっかりみたいです。他の人でも調教師をやるためにお金を溜めて無くなったらまた……みたいなのをやっていると以前書いていたような気がしますね。お金を稼ぐ仕事というよりは趣味の世界です。

 調教師になるハードルは日本の方が高いと思いますけど、きちんとやっていける日本は恵まれています。たぶん馬主が今くらいの損で済んでいるというのも、日本はすごいんじゃないでしょうか。
 こういう(たぶん)世界に誇れるであろう日本競馬の良いところは、残していってほしいですね。



2025年11月26日水曜日

エイダン・オブライエンはジャパンC軽視? 日本人もバリードイルで働いているのに…

■2018/11/27  エイダン・オブライエンはジャパンC軽視? 日本人もバリードイルで働いているのに…
■2025/04/22 エイダン・オブライエン調教師が初来日、ジャパンC参戦で


■2018/11/27 エイダン・オブライエンはジャパンC軽視? 日本人もバリードイルで働いているのに…

 ジャパンカップの出馬表を見ていて、エイダン・オブライエン調教師の名前を発見。アイルランドダービー馬のカプリです。
 それでふと思ったのですけど、なぜかエイダン・オブライエン調教師はジャパンカップにほとんど来ていないのでは?ということ。検索してみると、実際、Wikipediaでも「管理馬を日本に遠征させることはほとんどない」と書かれていました。Wikipedia執筆時点では3頭のみ。カプリを入れても4頭のみという少なさです。

 なお、Wikipediaによると、バリードイル調教場では日本人スタッフも数名働いているとのこと。知りませんでしたわ。
 ただ、私はちょっと勘違いしていたかも。バリードイル= エイダン・オブライエン=クールモアってことではなくて、「バリードイルは、クールモアグループを中心に、一流馬が多数管理・調教 されている アイルランドの調教場」といった説明になっているのを見かけました。
 なので、日本人スタッフというのは、エイダン・オブライエン調教師のもとで働いているかどうか、これだけの文章ではわからないのかもしれません。

 検索してみると、私がよく紹介しているアイルランドの カラ競馬場の児玉敬 さんなどともに紹介されているところがありました。本当にエイダン・オブライエンさんの下で働いている人がいるみたいです。下記以外にも、元・エイダン=オブライエン厩舎所属助手で本木剛介という方がいたとのこと。

<アイルランド>
・児玉敬(調教師。ポップロック、シャドウゲイト、キングストレイルなどを担当して欧州種牡馬入りを後押ししている)
・柘植要(トラックライダー。バリードイル所属、エイダン・オブライエン師の下でガリレオなど数多くの名馬の調教を手掛ける)
・草野涼(トラックライダー。草野太郎騎手の弟。バリードイル所属。)
・原田千秋(アシスタントトレーナー。児玉厩舎からバリードイル所属に。)
・塚田竜(アシスタントトレーナー)
(『サラブレ』10月号 海外で活躍する現役日本人ホースマン特集 - 座布団が行司にクリーンヒット 2014-01-10 より)

 ジャパンカップは賞金が高いですし、 世界中でG1を勝ちまくっているエイダン・オブライエン調教師が嫌う理由はなさそうです。それなのになぜあまり来ないのか?というのは、不思議ですね。理由はわかりません。
 私の勝手な想像になりますけど、勝利にこだわる方ですので、日本の競馬に合わないとして狙わないことが多いのかも。日本人は凱旋門賞ばかりにこだわるものの、私は日本馬が合わないケースが多いと感じており、本来、相性は非常に大切なものです。


■2025/04/22 エイダン・オブライエン調教師が初来日、ジャパンC参戦で

 ジャパンC軽視などとも言われたエイダン・オブライエン調教師ですが、2024年は調教馬が参戦しただけでなく、初来日も果たしました。

・初来日のA・オブライエン調教師が美浦トレセンを電撃訪問 日本の施設を絶賛「ただただ驚きです」 | 競馬ニュース・特集なら東スポ競馬(2024/11/20 (水) 12:49)
<初めての美浦トレセンにA・オブライエン師は「スケールが大きく、施設が充実している点にただただ驚きです」と舌を巻いた。また、同師は来日そのものが初めて。日本の印象についても「おもてなしの心があり、着いた瞬間から居心地がいいと感じました」と満足げな様子だった。
 同師を案内した尾関調教師は「昨日もしかしたら来るかも、と連絡がありました。ウォーキングマシン、洗い場、馬房の中など紹介して、ミストや換気扇とか設備について説明しました。『中にミストが入っていていいね』みたいな感じで言っていた。(記念写真も)せっかく来てくださったので、撮ってもらいました(中略)」とGⅠ・400勝以上を挙げている世界的な名伯楽の意欲的な姿勢に感服していた。>
https://tospo-keiba.jp/breaking_news/51954

 参戦したのは、オーギュストロダン。父はディープインパクトであり、血統的には日本への適性はバッチリ。ただ、逆に血統的には大丈夫そうな日本馬が、凱旋門賞では惨敗してますからね。いつも書いているように、それより調教などが適正に関わってくるのでしょう。案の定、4番人気の8着に敗れています。
 日本の競馬は特殊すぎるので、やっぱりジャパンカップは軽視ってことで良いんじゃないですかね…?

 ただ、この敗退のせいで、「外国調教馬として日本国内の競馬場で実施された史上初めての引退式」に加えて、「JRAのレースを一度も勝利していない馬の引退式の実施も、史上初めて」というおもしろ記録が生まれました。

オーギュストロダン (競走馬) - Wikipedia
<ジャパンカップでは道中中団で脚を溜めたが直線で伸びあぐねて8着に終わり、引退レースを勝利で飾ることはできなかった[30]。レース後、東京競馬場のウィナーズサークルにて『引退お披露目式』と称する事実上の引退式が行われた[31][32]。これは外国調教馬として日本国内の競馬場で実施された史上初めての引退式であり[33]、その実績と日本にゆかりが深いディープインパクト産駒であることから執り行われたものである[33]。JRAのレースを一度も勝利していない馬の引退式の実施も、史上初めてとなった[31]。 >



2025年11月25日火曜日

メジロマックイーン産駒のギンザグリングラスが謎の種牡馬入り

■2015/2/26 メジロマックイーン産駒のギンザグリングラスが謎の種牡馬入り


■2015/2/26 メジロマックイーン産駒のギンザグリングラスが謎の種牡馬入り

 またマイナー種牡馬の話です。たまによくわからない馬の種牡馬入りってありますよね。今回は、ギンザグリングラスというメジロマックイーン産駒の馬が種牡馬入りの話です。
 名前的にグリーングラスの血が入っているのかと思ったら、そうでもなし。戦績は全然なので近親の方が良いのかと思ったら、近親には重賞3着馬すらないという状態です。出走数がやたらと多いのでファンが多かったのかもしれません。109戦もしています。

 ただ、109戦して勝ったのは3勝のみ。前述の通り、ギンザグリングラスの成績は良いわけじゃないんですよね。全体としては、[3-5-11-90]という成績です。また、以下の中央賞金を見てわかる通り、1勝は未勝利のものです。つまり、他の2勝は地方であり、中央3勝から見ると、かなり価値の劣る3勝です。

中央獲得賞金     500.0万円
地方獲得賞金     1,429.2万円

 中央では4戦目で勝ち上がったものの、その後7戦掲示板にすら入れず。中央獲得賞金が500万ピタリなのですから、そりゃそうなんですけどね。新馬戦・未勝利も当然掲示板に入っていなかったので、唯一の中央勝利は12番人気で51.1倍と人気薄での勝利でした。
 また、逆算すると、地方では、2-5-11-79になりそうなのですが、これもそれほど良いわけではありません。少なくとも種牡馬レベルではないでしょう。

 種牡馬レベルうんぬんを抜けば、セリ取引価格     210万円 (2007年 千葉サラブレッド・セール)でしたから、お買い得感はあるかもしれません。この金額からすると、ずいぶん走りました。
 ただ、9歳まで走ったので、委託料もだいぶかかっているはずです。いつも不思議なんですが、地方の委託料ってどれくらいなんでしょうね? 賞金額だけ見ると、どう考えても黒字にならないというケースが多いです。

 今回の種牡馬入り、メジロアサマ、メジロティターン、メジロマックイーンのラインが続くという意味では、なかなかロマンがあります。数頭つけて終わりのような気がしますが、こういう話は紹介したくなりますね。大好物です。

2025年11月24日月曜日

マジ(HONKI)みたいに日本語とローマ字表記が違う馬名は可能?

■2025/01/04 マジ(HONKI)みたいに日本語とローマ字表記が違う馬名は可能?


■2025/01/04 マジ(HONKI)みたいに日本語とローマ字表記が違う馬名は可能?

 漫画なんかでは、漢字などに振られるルビが読み方そのままではなく外国語になっているなど、全然読み方が違うことがもう完全に普通となってきて久しいです。
 この説明で大体意味がわかると思うのですけど、念のために、例として、<漫画やラノベなどで技名に振られているルビについて -タイトル通りです- マンガ・コミック | 教えて!goo>の話を載せておきます。以下みたいなやつを言ってます。

質問
<例えば、「幻想殺し(イマジンブレイカー)」
このルビは英語に基づいて振られていることはわかります。
しかし「究極(ウルティマ)」だとか「最終戦争(ラグナロク)」だとかは何語を基に振られたルビなのでしょう?>

回答
<ウルティマはラテン語、ラグナロクは古ノルド語(北欧神話)です。
漫画やライトノベルでは、ラテン語やドイツ語が響きの良さから使われやすいですね。>
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8953782.html

 こういうのを日本の馬の名前でもできるんだろうか?という話が今日の本題。ズバリ「できない」というのが、回答みたいですね。<競走馬の命名規則とは (キョウソウバノメイメイキソクとは) [単語記事] - ニコニコ大百科>では、以下のように書かれていました。


・馬名はローマ文字(アルファベット)表記で明記しなければならない。
<日本をはじめとする非アルファベット圏の場合、その現地の言語名のほかにアルファベットでの名前を併記する必要がある。
 また、名前がアルファベット圏の言語の単語である場合は、それに由来する表記にしなければならない(例:ゴールドシップ→GOLD SHIP)。ただしそうでない場合は、音声による近似(トランスクリプション)でなければならない(例:エタリオウ→ETARIO)。>


 上記の規則からすると、日本語表記「マジ」の馬をローマ字表記で「Serious」などとできないだけでなく、「HONKI」などとするともダメなんでしょう。音声による近似で「MAJI」などとする必要がありそうでした。


2025年11月23日日曜日

競走馬ではなくレースを輸出して賭けてもらい稼ぐ韓国競馬

■2019/06/24 韓国競馬は先進的…全馬の鞍にICチップを搭載してデータを把握
■2017/09/04 競走馬ではなくレースを輸出して賭けてもらい稼ぐ韓国競馬
■2021/11/26 実は香港がJRAの競馬の馬券を発売している!日本の儲けは?


■2019/06/24 韓国競馬は先進的…全馬の鞍にICチップを搭載してデータを把握

 韓国競馬は競馬レベル的には低いものの、主催者の試みとしては 日本が学べる面があり、ある意味日本競馬より先進的なところがあります。Our Pleasure2018年6月号 古谷コンシェルジュの競馬観(古谷剛彦)でも、以下のような話がありました。

・韓国競馬はレース情報やセール結果などをユーチューブで公開していおり、日本の放送顔負けの充実振り。
・鞍にチップを装着しているので、レース観戦中は各馬の位置取りを常に把握できるようになっている。
・チップを着けていることから、オフィシャルホームページでは、出走各馬のスタート1F のラップや、各コーナーまでのラップ、上がり3Fと1F など、事細かにデータが載っている。

 韓国競馬がすごいと思ったのは、これだけじゃなくて、下に掲載した「競走馬ではなくレース映像を米国に輸出して賭けてもらい稼ぐ韓国」のイメージがあったため。これも非常に良いやリ方だ思います。 日本は韓国に学ぶべきでしょう。


■2017/09/04 競走馬ではなくレースを輸出して賭けてもらい稼ぐ韓国競馬

 おもしろいなと思った米国でも韓国競馬を視聴しながらベッティング 2017年07月18日17時43分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] というニュース。韓国馬事会が、米国競馬輸出事業者である「スカイ・レーシング・ワールド」と「競走輸出契約」を結んだことについて書いている記事です。

 「競走輸出」というのは、妙な名前。実はこれ、競走馬を輸出するのではなく、レーシング映像を外国に販売して現地での馬券販売にともなう手数料を受け取る事業のことをいうとのことです。
 韓国競馬の場合、今回が初めてというわけではなく、既にシンガポール・オーストラリア・マレーシアではやっていました。これに続いて、世界最大の競馬市場である米国にも進出したおかげで、韓国馬事会の2017年海外馬券売り上げは530億ウォン(約53億円)を突破するものと見られれているそうです。

 最近になって、日本では指定レースに限り、海外のG1レースを買えるようになりました。韓国はその逆をやって買ってもらおうというやり方ですね。韓国では国内の売上が「停滞」 しているそうですから、良い試みだと思います。
 日本はやっているんでしょうか? やっていないのでしたら、馬券売上が減少傾向なのですから、是非チャレンジしてほしいですね。


■2021/11/26 実は香港がJRAの競馬の馬券を発売している!日本の儲けは?

 最近すっかりおなじみになった日本での海外馬券の発売。ただ、JRAが香港競馬の馬券発売…ではなく、香港がJRAの競馬の馬券を発売しているという話を知って驚きました。
 で、気になったのは、香港が勝手に発売しているだけなのか、それとも、JRAなどに収入の一部が入る形なのかということ。後者であれば良いですね。私は、日本の競馬の馬券を海外を売ってもっと稼ぐべきだと思っていました。
 ところが、検索しても「香港がJRAの競馬の馬券を発売している」という話が全然出てきません。検索では「JRAが香港競馬の馬券発売」という逆方向の話ばかりが出てきてしまいます。私が知りたかった点は謎でした。

 仕方ないので、今回は、とりあえず、香港でも売っているという話があった記事を紹介。<【エリザベス女王杯】香港で4連単が“1億円馬券”に>(2021年11月14日(日) 19時40分)という話題でした。

<阪神競馬場で行われたエリザベス女王杯(GI)は、序盤は後方に位置した幸英明騎手騎乗のアカイイト(牝4、栗東・中竹和也厩舎)が、(中略)ステラリア(牝3、栗東・斉藤崇史厩舎)の追撃も寄せつけず、2馬身差をつけて優勝した>
<JRAのオッズでは単勝10番人気→7番人気→9番人気の決着。3連単は33939.6倍(339万3960円)の高配当となったが、エリザベス女王杯は香港でも馬券が発売されており、4連単はなんと1095524.1倍=日本で言う“1億955万馬券”の超高額配当となった>
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=195880

 コメント欄でも「香港で売られてるの知らなかった」として、私と同様に知らなかったという人がいました。一方、知っている人は、「Bilibili動画にも、毎週日本競馬をチェックするコミュニティがたくさんある」と書いていました。ビリビリというのは、中国のニコニコ動画みたいなサービスですね。ニコニコ動画より成功している大きいサービスです。

2025年11月22日土曜日

日本と海外の競馬の違い 調教コースに羊の群れやウサギ…など

■2018/07/23 アイルランドの競馬が自由すぎる 調教コースに羊の群れやウサギ
■2018/07/23  アイルランドの調教師はお金がなくなって辞めることが多い
■2018/07/28 「欧米では」は嘘、アメリカと欧州では競馬が全然違う
■2018/07/28 馬を丁寧に世話するアメリカと短時間で済ませるアイルランド
■2018/09/02 レース当日まで昼夜放牧していてG1出走で勝っちゃうアイルランド
■2018/10/27 海外の調教師は儲からない…金持ちの道楽で遺産食い潰しておしまい
■2020/12/19 当歳セールが盛んな日本は異常…など海外競馬との違い

■2018/07/23 アイルランドの競馬が自由すぎる 調教コースに羊の群れやウサギ

  Enjoy Ruffian 2010年4月号シャムロックの草原で、アイルランドの調教師の児玉敬さんは、カラ調教場について、以下のような説明をしていました。

"アイルランドダービーを始めアイルランドのすべてのクラッシックレースがおこなわれるカラ競馬場を中心にした広大な敷地に2000mポリトラック坂路、1800mウッドチップ坂路中心に5本のアップヒルコース、1800mファイバーサンドトラックなど4本の周回コース、地平線に向かって伸びるような直線最長2400mのコースを始めとした無数のグラス坂路コース、そして大きく1周すると5000mにもなる広大な草原調教場など素晴らしい施設を持つ公共の大調教場です"

 こう書くと素晴らしく管理された調教場っぽいのですけど、最後の「広大な草原調教場」というのが真にアイルランドっぽいところ。わりとカオスというか、自由なんですよ。別の号なんか読んでも、これはアイルランド人の気質っぽいですね。
 調教コースを羊の群れが平気で横切り、無数の野ウサギ達が飛び回る、ニジマス釣りを楽しむ人達の横で調教に疲れた脚を川面に落として休息を取る馬達がいるような光景を目にすることができるそんな自然な環境が、このカラ調教場の最大の個性だと、児玉敬さんは、書いていました。すごいですよね。


■2018/07/23  アイルランドの調教師はお金がなくなって辞めることが多い

 あと、アイルランドでは、調教師は儲からない仕事。児玉敬さん自身、一度数シーズン調教師をやってから休業しているように、お金がなくなってやめる調教師が多いとのこと。かなり休業している調教師は多いみたいですね。
  今回の厩舎再開を報告した児玉敬さんの亡き師匠Con Collins師の奥さんも、以下のように呆れていたそうな。

「タカシ、あんたはもうちょっと頭がいい子だと思ってたわ。あんたもConと一緒。勝てないこと、故障、事故、お金の苦労、あんなに頭を抱えて苦しんだこともすぐ忘れちゃうんだから。Conはさすが俺の弟子だって喜ぶでしょうが、あんたの家族を思うとやっぱり辛いわ」

  ただ、調教師の状況は日本がむしろ特殊。海外では調教師だけが調教できるのが普通ということはないですし、参入障壁の高さや優遇措置なども日本が独特だったはず。飼い葉代が異常に高いのも、そういった弊害の現れではないかとも言われています。
 だからといって生活できないのも困るんですけど、これは賞金額の影響が大きいでしょう。極端に変えなくとも、日本は多少見直しが必要だと思われます。

■2018/07/28 「欧米では」の嘘、アメリカと欧州では競馬が全然違う

  児玉敬調教師は、アイルランドの前に、アメリカのサンタアニタ競馬場で2年あまり修行した経験もあります。そのため、アイルランドも好きだけど、アメリカも好きみたいですね。
 そして、日本ではよく「欧米では」とひとからげにして扱うものの、違いがあることもわかっています。Enjoy Ruffian 2009年12月号シャムロックの草原を読むと、当事者であるアイルランド人は、日本で一緒くたにされていることは、さぞかし心外ではないかと思いました。生来の口の悪さと強すぎる愛国心のためか、アメリカの競馬を ボロクソに言っているようです。
  児玉敬調教師は、アメリカ競馬の印象について、アイルランドの競馬にはない洗練された雰囲気があるとしていました。初めて渡った海外であるそのサンタアニタの厩舎で見た、1頭1頭に徹底して行われていた非常にきめ細かい馬へのケアに渡米当初は感動すら覚えたほどだとしていました。

 おもしろかったのが、サンタアニタで新しく設置された派手な黄色のゴミ箱の話。この奇妙なゴミ箱に馬たちは皆一様に物見。馬場入りに支障をきたしていたといいます。日本人的な発想なら 「ゴミ箱を撤去」だと、児玉敬調教師は考えました。しかし、アメリカでは違いました。
  分刻みで調教スケジュールが決められているにもかかわらず、それぞれの乗り手はゆっくり馬達にゴミ箱を見せ馬達が納得させるまで時間をかけていたといいます。児玉敬調教師は非常に感心しました。
  ただ、この話をアイルランド人にしたら、「じゃあデビュー戦の競馬場で初めて大スクリーンやスポンサーの看板、頭の3倍もあるヒラヒラした帽子をかぶってる女の子達を馬が目にして物見した時はどうすんだ?」などと ボロっクソに言われます。
 そして、調教を始める前に、乗り手の指示に即座に応えられる関係を作ってないから悪い、と力説。一理ありますし、理想論としてはそうなのですけど、難しいですよね。

■2018/07/28 馬を丁寧に世話するアメリカと短時間で済ませるアイルランド

 また、サンタアニタでは、馬との信頼関係を作るために、非常に長く丁寧に馬を手入れするそうです。
  ところが、これをアイルランドでやったところ、「お前、何やってんだ!早く馬房を出ろ。いつまでも馬とだらだら一緒にいるんじゃない。20分だ。馬房掃除、手入れ、全部で
20分だ!それ以上馬にかかわるな!」と怒られました。
 これは、馬にとってはむしろストレスなので、接触は最低限 にしろってことみたいですね。それより放牧地に引き出して草でも食わしてやった方が幸せなはずだだという理由もあります。

 さらに驚くのは、24時間放牧を続けるアイルランドの牧場では、餌も与えない時期すらあるということ。自然が最も優れているといった思想みたいですね。ただ、これは科学的根拠に欠ける考え方。
 また、さっきの馬にとってのストレスうんぬんも証明する必要があるでしょう。Enjoy Ruffianの別の号のスタッフの編集後記では、日本のトレーニングセンターには、馬のマッサージ師が出入りしているという話が書かれていました。これだけ聞くと、これまた非科学的な感じがするものの、人間のようにマッサージを受けながら寝てしまう馬もいるとのことで、これを聞くと効果があるのかなとも思います。ともかく人間の世話を好んでいるかどうかは、きちんとよく調べる必要があるでしょう。
 まあ、それはともかく、アイルランドとアメリカでは、こんなに違うよというおもしろい話でした。



■2018/09/02 レース当日まで昼夜放牧していてG1出走で勝っちゃうアイルランド

 ちょうどこの上の自然に任せるという思想に関連するアイルランドの話。今回はいつもの児玉敬調教師ではなく、Enjoy Ruffian 2011年6月号に載っていた斎藤誠厩舎中馬恭嗣調教厩務員の話です。
 中馬さんは、競馬学校厩務員過程に合格することができたものの、すぐには所属が決まりませんでした。その期間を見て、アイルランドに修業へ行くことに。
 しかし、きちんとしたコネがあったわけではなく、以前アイルランドに行っていた知り合いが、そのとき世話になった調教師に『こういう人が行くのでよろしく』と連絡をしておいてもらった、それだけだといいます。えらくいい加減ですけど、受け入れるアイルランド側もいい加減です。
 しかも、この厩舎が弱小厩舎じゃありません。デビッド・ウォッチマン厩舎という、クールモアグループがアイルランドで馬を預けるときに使う厩舎のうちのひとつというものすごいところでした。

 中馬さんが、日本との最大の違いとしていたのは、どんな馬でもおとなしくて、落ち着いていること。「人と馬との結びつきが強い」のではないかとしていました。
 で、この後の「日本の常識ではありえないこと」が、アイルランドらしい話になってきます。

「昼夜放牧に出ていて『競馬場に行くから連れてきてくれ』と言われたその馬が、その日のG1(2009年5月の愛1000ギニー)を勝っちゃうんですよ。レース当日に15─15をやってから競馬場に送り出して、G1を勝ったこともありました。福島(引用者注:天栄ホースパーク)での経験と照らし合わせて実感したのは、馬にとっては自然に近い状態にいるのがいちばんいい、ということですね」

  「日本の厩舎制度だと、アイルランドを再現するのは難しい」とされていたように、日本ではできないことです。


■2018/10/27 海外の調教師は儲からない…金持ちの道楽で遺産食い潰しておしまい
  
 また、欧州初の日本人調教師であるアイルランドの児玉敬さんの話。ただ、資金がなくなって調教師を辞めて、セリ会社・ゴフスの日本人代理人をやっていた時期の話です。(Enjoy Ruffian 2009年7月号馬恋慕〈106〉河村清明より)

 児玉さんがライセンスを取得したのは2000年。日本では「調教師=生活安泰」の印象が強いものの、海外はそうではなく、3シーズンで資金切れ。「調教師のライセンスを持ってる人が、アイルランドには2000人、3000人といるんですよ。けど、調教業だけで生計を立てられるのはほんの数人」とのことです。
  児玉さんの同期の12人は、カー・ディーラーの息子など、みんなお金持ちでした。逆に言うと、そうじゃないと調教師をできないんですね。「親から譲り受けた財産があって、それがなくなったら辞めるんだって言ってましたね。実際、食いつぶして終わっちゃうんですよ」とのことでした。
  一方、「専業で食べていける人は、ほぼオーナー専属」となっています。「厩舎の経費はオーナーが出して、調教師は給料で、というパターンですね。でなければ、イギリス、アイルランドで厩舎経営を続けるのは難しい」といいます。

■2020/12/19 当歳セールが盛んな日本は異常…など海外競馬との違い

 Enjoy Ruffian 2011年11月号 Bell The Horseで、岡田紘和さんはアメリカ・ヨーロッパ・オセアニアの競馬と日本競馬との相違点として、以下のようなところを挙げていました。

・外国では他のギャンブルとの兼ね合いと馬券購入者への情報提供が日本ほど多くないために、馬券の売上額が低く、そのためにレース賞金が安い。
・外国では当歳セールよりも1歳セールの方が活発で平均価格も高いこと。賞金の裏付けがないために、1歳馬よりもリスクの高い当歳馬を買うためにお金を出す人が少ないという合理的な理由。
・繁殖牝馬セールは日本以上に大規模で取引が活発。日本の馬主登録の経済基準が世界一高く馬主数が少ないために、繁殖牝馬を持とうとする人も少ないから。
・原則自由競争の業種なので、外国の調教師は管理頭数に制限を受けずに競争が激しく独立が難しいため、雇われ調教師や施設をスポンサーから提供してもらっている調教師が多い。
・調教師の馬の所有を認めている国が多い。
・外国の競馬メディアは競馬主催者や関係者に批判的な記事も多い。


2025年11月21日金曜日

馬の引退が早すぎて納得できない…にクラブ社長が反論!

■2013/3/30 馬の引退が早すぎて納得できない…にクラブ社長が反論!


■2013/3/30 馬の引退が早すぎて納得できない…にクラブ社長が反論!

 アワープレジャー2012年8月号で、ラフィアンの岡田紘和さんが牧場ツアーの立食パーティー後の二次会での話をしていました。
 会員さんが「2歳のうちに数戦して引退した出資馬がいたが、まだ3 歳未勝利戦も使えるのに引退が早すぎる。その後地方競馬で5 勝していて、もっと中央でも走れたのでは」という話をしていたそうです。こういう疑問は持ちがちですね。ただ、以下のように反論されていました。

<馬名を確認するとその馬は確かに2 歳時にたった2 戦、いずれもタイムオーバーという最悪の結果だったのです。「高額募集馬で期待をしていたのに牧場でやり直してほしかった」とも。そのお気持ちはよく分かりますし、2 戦ともタイムオーバーという結果は申し訳ないと思い、謝りました。ただ、この馬については早期引退が適切だったと思っています。地方競馬で数年走って5 勝、獲得した賞金が150万円というレベルではJRAの未勝利戦では勝つどころか健闘することも難しいのです>

 今のラフィアンに思うところはありますが、この会員さんの意見の場合は同意できず、むしろ岡田紘和さんの言い分が納得できます。地方競馬と中央競馬ではレベルや賞金額が違いすぎるんですよね。この人のように、競馬ファンでもわかっていない人が結構いらっしゃいます。
 まだ岡田繁幸さんの頃に「ラフィアンは走れる馬を引退させている。その証拠に地方ですごく活躍している」と荒らしのように書いている方もいました。具体的な馬名を聞いた方もいましたけど、それっきり掲示板には現れず……。この人もたぶん同じような勘違いをしていたんじゃないかと思います。

 この掲示板の人はクラブ馬で自分が実際に持っていたというケースでした。ただ、そうじゃなくて一般のファンでも馬の引退に関しても結構とやかく言いますよね。特に怪我して引退した場合は、まだやれるのに…みたいなことを言いがちです。
 ただ、復帰までの間、ずっとお金をかける必要があるというのに注意。現役続行を選択しても、復帰後に休養分の費用を取り返せない馬は多いです。復帰後にまた活躍する馬はすごく感動するものがありますけど、すべての馬がそうなるわけじゃないんですよね…。

 一方、岡田紘和さんの話では、珍しいと思った逆パターンもあってびっくり。何が逆なのかと言うと、「早く引退させるべき!」という訴えがあったというんですね。一口馬主は持ち馬に分不相応な期待を持ってしまうために「引退させるな!」が多くなるので、「引退させろ!」は珍しいですね。私は「早く引退させろ」と思う方ですが、一般的にはこれはほとんどないパターンでしょう。以下は、私ですら思わないほど早く見切る逸話でした。

<また別馬の話ですが、数年前の2 歳デビュー戦でタイムオーバーとなった直後に、その馬にご出資いただいている会員様が「全然走りませんね。引退させてください」と。ちょっと驚きましたが、次のようにご説明いたしました。「これまでの調教の動きを考えると、今回この馬は実力を出し切っていません。ましてや未勝利で終わるような馬とは思いません。もう少し時間をください」と。その馬は今やオープン馬です>

 ところで、最後に岡田紘和さんは以下のように書いていました、岡田紘和さんはこの手の話をよく書いています。

<ある時、年老いたフランス人の知り合いがイギリスのせり場のパレードリングの横で突然私に問題を出しました。「ヒロ。走る馬を見極められるけど調教技術が普通の調教師と、走る馬は見極められないけど調教技術は一流の調教師が競ったらどちらが勝つと思う?」 間髪入れず「前者」と答えました。彼はにやりとして頷きました>

 有名な進学塾に通えば、みな東大に入れるか?と言うと、もちろんそうではありません。それだけの才能がなければ、そこまではたどり着けないでしょう。
 調教技術というのも確かに大事なのですが、それ以前の馬の能力というものが最も大きく効いてきます。そういう意味で言うと、馬が走らない一番の原因は募集馬を選んだ時点での失敗だと言えるでしょう。

 そして、最近のラフィアンの場合は、この相馬眼がズタボロだと考えざるを得ない結果なのも事実。最初の地方転出の馬に関しても岡田紘和さんは、<引退時期よりも、そのような馬を募集してしまったことの方が問題であり、大いに反省するところです>と書いていました。
 岡田紘和さんの代になってからの低迷ぶりは顕著ですし、会員の不満が募ること自体は無理からぬところがあります。


2025年11月20日木曜日

馬取り違え競走除外、間違わないと主張のJRA側のミスと判明

■2025/11/20 馬取り違え競走除外、間違わないと主張のJRA側のミスと判明


■2025/11/20 馬取り違え競走除外、間違わないと主張のJRA側のミスと判明

 まず先に”超異例の珍事…まさかの馬取り違えで競走除外 本当の出走予定馬は栗東トレセンに”(9/7(日) 6:00配信 デイリースポーツ)というニュースを…。JRAの競走馬取り違えは栗東・森秀厩舎のエンブレムボムとエコロネオの事例(23年8月19日)以来で今回が4例目だそうです。

<異例の事態が発生した。6日の札幌5R新馬戦に出走予定だったテーオーレックス(牡2歳、栗東・岡田)は、札幌競馬場の装鞍所でマイクロチップを含めた馬体照合をしたところ、僚馬で同じ鹿毛のヒエンジョー(牡2歳)との取り違えが判明。競走除外となった。>
https://news.yahoo.co.jp/articles/f691cd2c14faa0f4b55cc47186c013861f699fed
 
 2頭は8月9日に札幌競馬場へ新規入厩し、入厩検疫所から取り間違えて調教を継続。ヒエンジョーとされた“本当の”テーオーレックスは現在、栗東トレセンに在厩し、ヒエンジョーの調教ゼッケンを着用し、調教を行っていた…というへんてこりんなことになっていました。
 こうやって読んでいくと笑える話なのですけど、馬主にとっては笑えない話。私も一口馬主やっているんで、他人事じゃありません。

 なお、このとき、JRA側の札幌競馬場裁決委員の審判部参与は、まだ調査中としつつも、以下のようにJRA側では「間違わない」という見解でした。

「馬体照合は1頭ずつ出して1頭ずつ戻すので、入れ替わりはない。解放後、馬房に入る流れ。入厩検疫後に、取り違えが起こったものと考えています」
「厩舎は離れていて、馬房が横並びではない。別々の助手が別々の馬房でそれぞれ入ってきた馬を管理。検疫所で間違うことはない。検疫の馬房から出る時に何らかの原因で2頭が入れ違いになったのでは?と考えていますが、もう少し調査が必要。本来は制裁を決めて報告する予定だったが、調査が続行中ということで制裁を決定するまでに至っていません。大きな事案ですので、時間をかけて制裁については確定したい」

 ところが、後の調査により、この「間違わない」とされたJRA側のミスだと判明。調教師に制裁を課すどころか、調教師や馬主側がJRA側に制裁を加えたくなる結果となりました。JRAのミスによる取り違えは今回が初のケースだそうです。

・“馬取り違え”はJRAの個体照合時の誤認が原因 「ご心配、ご迷惑をおかけしたと深くおわび」とJRA(9/13(土) 17:34配信 デイリースポーツ)
<両馬の入厩時の状況を詳しく調査したところ、札幌競馬場入厩時に入れ替わっていたことが判明した。
 JRAは、2頭が同じ馬運車で外部の牧場から運ばれた8月9日午前8時24分に検疫厩舎に到着後、何らかの原因で入れ替わっていたことがその後の調査で判明したと経緯を説明。同日午前10時にJRA担当職員が個体照合を行った際、上記2頭が指定された馬房に入っているものと誤認したまま個体照合を行ったことが原因と思われるとした。>
https://news.yahoo.co.jp/articles/84fb027b86d9f9c510c82f780e4b0e7f5b972ac7

 入厩後に入れ替わることがない、という担当助手の申告を受け、当該馬のDNA鑑定。これにより、9月11日に2頭の遺伝子型が一致せず、入れ替わったことが判明したそうです。
 競走担当理事は「調査の結果、入厩した際、本会の確認ミスによりまして、入れ替わっていたことが判明しました」とした上で謝罪。JRA側のミスだと考えられるようです。競走関連室長は「札幌競馬場の入厩検疫時の馬体検査は新馬入厩時は3名で実施しているが、健康手帳記載の当該馬の情報と、各馬房に記載された情報の一致を確認しなかった可能性があった」と説明しています。

 当然ながら、岡田調教師への制裁はなし。2頭の発走試験はやり直しと当初説明されていましたが、JRAのミスによることから、再度発走審査を受ける必要はないことになりました。
 一方、厩舎や馬主への補償は検討中だとのこと。補償なしになると思っていたので、予想外。しかし、補償がなくて良いという意味ではなく、当然あるべきではあります。JRAはもっとひどい対応をすると思い込んでいたので、そこが意外でした。


浦和競馬でJRA武藤善則厩舎の馬、取り違えで競走除外に

■2025/11/20 浦和競馬でJRA武藤善則厩舎の馬、取り違えで競走除外に


■2025/11/20 浦和競馬でJRA武藤善則厩舎の馬、取り違えで競走除外に

 ”【浦和競馬】出走予定だったJRA所属馬が馬の取り違えで競走除外に”(10/30(木) 19:55配信)というニュース。地方競馬ですけど、問題となったのは中央からの遠征馬だったようです。

<10月30日の浦和競馬10Rに出走予定だったライクファーザー(牡4歳、美浦・武藤善則厩舎)が競走除外になった。浦和競馬によると、同馬を出走させようとしたところ、誤って異なる馬を装鞍所に引き付けてしまったという。競馬の公正を害したとして、競走除外の処置が取られた。>
https://news.yahoo.co.jp/articles/3019842bbb44b04261ef62fea67c95c940c6c3e7

 これにより、管理する武藤調教師は、10日間、地方競馬出走時のみ賞典停止の処分に。「賞典停止」というのは、競馬の公正を害する行為があった場合に、調教師や馬主に対して科される処分で、賞金・出走手当などの「賞典」が受け取れなくなる処分だとのこと。ただ、中央の調教師が地方で…なので、あんまり影響ないでしょうね。
 また、この書き方だと出走そのものはできそうな感じ。あと、今回処分を受けたのは調教師だけなので、処分を受けた調教師の馬が賞金獲得に当たる成績をあげた場合、調教師以外の馬主などは賞金を獲得できるってことですかね?


森中蕃氏のシゲルの馬名、格好悪いのはNGだった ウケ狙いでもないらしい…

■2020/11/23 森中蕃氏のシゲルの馬名、格好悪いのはNGだった ウケ狙いでもないらしい…
■2013-06-08 シゲル軍団の現2歳世代、シゲルオワリから始まり 珍名馬シリーズ


■2020/11/23 森中蕃氏のシゲルの馬名、格好悪いのはNGだった ウケ狙いでもないらしい…

  2020年のシゲルシリーズは、また役職のような感じで前もやったのに?と不思議に思いました。来年のシゲル2歳馬は役職シリーズ復活 21年の馬名シリーズを大募集 2019年12月13日 11時22分スポーツ報知によると、好評なのでもう一度ということみたいです。

<毎年、注目を集めるシゲル軍団の馬名だが、2020年の2歳馬は10年ぶりに役職シリーズの復活となった。森中蕃(しげる)オーナーは「今までで一番のヒット作。社長が負けたと思ったら、平社員がいい競馬をしたりして、面白かった。みんな、ワーワー言って喜んでくれたので、もう一回つけようと思いました」と説明した>

 ただ、私が一番驚いたのは、てっきりウケ狙いでわざと格好悪い名前にしていると思っていたシゲルシリーズの馬名が、笑われるものはダメで、格好悪いものはNGだったという話でした。格好良いものが求められているわけではなく、おもしろさは求められているようなのですが、驚きです。

<私の話をすると、シゲル馬の名付け親になりたくて、以前からシリーズ馬名を何度も提案してきたが、名前をつけるセンスがないのか、悲しいことに採用とはならなかった。中華料理シリーズのアイデアは「シゲルラーメン、シゲルギョウザなんて格好悪い」(森中蕃オーナー)とダメ出し。お菓子は「シゲルクッキー、シゲルキャンディ。当たり前な感じで面白くない」と却下。(中略)いいところまで行ったのが家電製品だが、「これにしようと思ったけど、シゲルレイゾウコと言ったら周りの何人かに笑われたのでやめた」とゴール寸前でボツになった>

■2013-06-08 20:31:43 シゲル軍団の現2歳世代、シゲルオワリから始まり 珍名馬シリーズ
-----引用 ここから-----
[1] のり塩さん

馬名はシゲルオワリの予定。

2012年12月06日 11:21:56
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2011104839&thread=horse
-----引用 ここまで-----

 上記のように昨年時点で馬名が決まっていたようですので、狙ったわけじゃないと思いますが、シゲル軍団の現2歳世代はシゲルオワリから始まりのようです。

-----引用 ここから-----
 [3] とんがりぼうしさん

シゲル旧国名シリーズのトップバッターは、
シゲルオワリですね。トップがオワリ。
今年のシゲルは、
ファンタスティックライト産駒が多くて不安ですが、
頑張って欲しいです。

2013年06月06日 19:04:03

 [4] アオバノアロマさん

シゲルオワリなのにトップバッターなのかw
-----引用 ここまで-----

 シゲル軍団のネーミングセンスにはいつも首をひねるのですけど、この馬も名前の時点で終わってるなぁと思ったら国名の尾張でしたか、失礼。
 もともと前日オッズで1番人気か2番人気だったので気になったんですから、終わってるなんてことはありませんよね?

 ……と思っていたら、最終オッズは最低12番人気。最初にたまたまたくさん買った方がいただけでした。

 そして、新馬戦の結果も最下位でこそなかったものの、12頭中9着というあまり未来が明るくなさそうな感じに。
 やっぱり名前が悪かったのかもしれません。


2025年11月19日水曜日

濃いめのインブリードが3本のカンティーナ、すでに出世頭

■2025/08/26 濃いめのインブリードが3本のカンティーナ、すでに出世頭
■2025/11/19 25%、18.75%、12.5%の濃いクロス3本など、合計5本のクロス


■2025/08/26 濃いめのインブリードが3本のカンティーナ、すでに出世頭

 濃いインブリードシリーズで、カンティーナを。有名ファームではないマリオステーブル生産でなおかつ個人馬主の馬ながら、2025/08/24の新潟芝2000mの新馬戦で1番人気に推されました。結果2着ということで、人気だけで実力がないという馬でもありません。
 肝心のインブリードの話。12%以上のクロスが3本入っていて、なおかつ一本は3 x 3の25%というかなり濃いインブリードとなっています。濃いめが3本で、1本が濃い25%というのは結構珍しいですね。

サンデーサイレンス     25.00%     3 x 3
Hail to Reason     12.50%     5 x 5 x 5 x 5
Roberto     12.50%     4 x 4

 カンティーナは牝馬で、上もすべて牝馬で姉が2頭。この姉2頭は中央での勝ち星がなく、姉妹ではすでに中央2着のカンティーナが出世頭な感じ。濃いインブリードがうまくいったのでしょうか。
 掲示板では直線フラフラしていたことが指摘されており、逆に言えば、今後の伸びしろを感じさせるものでした。

[13] kaoruraさん MZBFkwI
もうちょっとまっすぐ走れていれば…

 [15] みっきーさん F2CEhyk
めっちゃフラフラしてたな笑

 [19] ソーシアさん NAIFkDc
フラフラ走ってたなー、あれではダメだわ

 [20] トッキンさん OEY3AIQ
追うと外にヨレヨレだったな
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2023104576


■2025/11/19 25%、18.75%、12.5%の濃いクロス3本など、合計5本のクロス 

 10%以上のクロスが3本…だけなら珍しくないのですけど、25%     3 x 3、18.75%     3 x 4、12.50%     4 x 5 x 5と濃いめの配合となっていた馬を発見。薄いクロスもあり、5代目までで5本のインブリードが発生しています。
 上で書いた<濃いめのインブリードが3本のカンティーナ、すでに出世頭>に近いですけど、さらにもう少し濃厚なクロスとなっていました。

アドマイヤコジーン     25.00%     3 x 3
サンデーサイレンス     18.75%     3 x 4
Halo     12.50%     4 x 5 x 5
ノーザンテースト     9.38%     5 x 5 x 5
Mr. Prospector     6.25%     5 x 5

 この馬は引退しており、すでに結果が出ています。父ウインブライト、母父ダノンシャンティのアストロマーチという名前の馬です。聞いたことないことで、わかるように全然走りませんでした。
 2025/03/15 中京3歳未勝利を16頭立てで16着、2025/06/01東京3歳未勝利を14頭立てで14着とともに最下位で負けて引退。人気はどちらも12番人気だったのですけど、それ以上に負けました。1位との着差は、それぞれ3.6秒、5.3秒という恐ろしいほどの負け方ですね。特に2戦目は、ブービーの馬からも大差となっています。
 濃い多重インブリードで能力爆発!…とは行きませんでした。


奇跡の血量インブリードが3本も入るミッキーダムール

■2025/11/19 奇跡の血量インブリードが3本も入るミッキーダムール


■2025/11/19 奇跡の血量インブリードが3本も入るミッキーダムール

 新馬戦チェックで見ていたサートゥルナーリア産駒ミッキーダムールの血統。「奇跡の血量」と呼ばれる4 x 3 18.75%のクロスがなんと3本も入っていてびっくりしました。2本でも驚きなのに、3本ってのはすごいですね。考えた人にとって会心の配合だったでしょう。ノーザンファームの生産馬です。

Storm Cat     18.75%     4 x 3
Kingmambo、Monevassia     18.75%     4 x 3
サンデーサイレンス     18.75%     4 x 3
Northern Dancer     6.25%     5 x 5

(Monevassiaは母母母で、Kingmamboと同血)

 前述の通り、父サートゥルナーリア、生産はノーザンファームという時点で大体わかるように良血と言って良さそうな血統。母カデナダムールは未勝利でしたが、おじ・おばにG1馬のリアルスティール、ラヴズオンリーユーがいます。2025/11/01の新馬戦も期待されて1番人気でした。
 ただし、この新馬戦は4着に敗れています。「良血と言って良さそうな血統」と書いたのですが、兄弟3頭には地方1勝の馬が1頭いる程度で、未だ中央未勝利。不安は残ります。新馬戦1番人気になったくらいですし、もっとやれると思うんですけどね。とりあえず、注目したい血統です。


パカパカファームのハリー・スウィーニィ氏「日本は中小牧場に不利」

■2014/9/6 パカパカファームのハリー・スウィーニィ氏「日本は中小牧場に不利」」


■2014/9/6 パカパカファームのハリー・スウィーニィ氏「日本は中小牧場に不利」

 最初目にしたときに、かわいい名前だな…と思った北海道新冠町の『パカパカファーム』。アイルランド人のハリー・スウィーニィさんが2001年に開場したものだと知って驚きました。牧場名に限らず、英語や外国語を使ったサービスなどが増えている中、日本人より日本人的で良いセンスの名前です。

 このパカパカファームは開場当時からおよそ8倍の広さになり、2012年にはダービー馬ディープブリランテを輩出するなど成功。<【競馬】小牧場の悲哀「走る馬なのに買ってもらえない」>(2013.04.21    河合力●文 スポルティーバ)によると、その成功の理由の一つで、特に力を入れているというのが、「ブラディング」だといいます。
 「ブラディング」は重要なビジネス用語のひとつですが、昔ながらのやり方が多い競馬業界ではあまり意識されていないでしょう。記事では、ブランディングを「顧客の関心を高めること。顧客にとって価値あるブランドを構築すること」と説明されていました。
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/keiba_fight/2013/04/21/post_113/

 ブランディングを重視する理由は、"日本の競走馬セリ市を見たときに感じた、日本と海外のバイヤーの行動の違い"のせいだとのこと。これは海外よりも日本の方がブランディングを重視する必要があるということですね。

「例えば、海外のセリ市に行くと、ほとんどのバイヤーが最初から最後まですべての上場馬をチェックします。でも日本では、”目当ての馬”しか見てもらえないケースが多いんです。そして、その”目当ての馬”は、まず牧場名で絞り込まれる割合が高いのです。これはセリ市だけでなく、牧場巡りにおいても同様です。
 ということは、開場したばかりの牧場や、名の知られていない小さな牧場はつらいですよね。いくら魅力的な仔馬を生産しても、バイヤーの方に見てもらう機会を作るのが難しい、ということですから。そのためにもまず、牧場の印象を残す必要があるのです」

 こうした違いは、馬に対する文化の違いではないかとされていました。例えば、スハリー・スウィーニィさんの母国アイルランドでは、小さい頃から馬と触れ合ったり、乗馬を経験したりする人が非常に多く、隣国イギリスでも乗馬文化は定着。そのような中で、自然と馬に対する知識を養っていくと考えられます。
 一方、日本は、普通の日本人が普通の生活の中で馬と触れ合う機会はほとんどありません。馬は「身近」な存在ではないのです。このため、自分で馬の良し悪しを考える馬主も少なくなります。結果、ブランド重視になるというわけです。
 なお、調教師に購入馬を選んでもらい、名前の挙がった馬を馬主が買うというのが一般的で、中小牧場でも問題ないはず…という反論があるかもしれません。ただ、結局、お金を出すのは馬主であるため、調教師も馬主に納得してもらいやすい、実績のある牧場を優先すると説明されていました。

 これは致し方ないところでしょうが、結果として、中小牧場に不利に働くことに。そこで、スハリー・スウィーニィさんは、ブランドに関係なく馬を選ぶことができる調教師にも馬主資格を与える提案をしていました。調教師ならネームバリューではなく、「安価で将来性の高そうな馬」を探すだろうという想像です。
 ただ、こうした改革は難しそうな感じ。実際、この投稿を見直した2022年になっても、こうした改革は行われていません。日本では将来的にも変わらなそうです。

 逆に言えば、相馬眼があるオーナーにとっては走る馬がそこらへんにごろごろ転がっているわけで、そういう能力のある馬主さんにとっては、おいしい状況なんでしょうね。


2025年11月18日火曜日

種牡馬シュウジ、わずか3頭の産駒から活躍馬を出してしまう

■2025/11/18 種牡馬シュウジ、わずか3頭の産駒から活躍馬を出してしまう


■2025/11/18 種牡馬シュウジ、わずか3頭の産駒から活躍馬を出してしまう

 そもそもシュウジが種牡馬入りしていた記憶がなくてびっくり。戦績そんなに良かったっけ?と見ると、
GⅡ 阪神C、GⅢ 小倉2歳Sで重賞を2勝。重賞2着が3つある他、スプリンターズS4着もあります。思ったより活躍していましたね。とはいえ、種牡馬としては、そう良い成績ではありません。もっと良い成績でも種牡馬入りできないことは、よくあるでしょう。
 珍しい血統でもなく、むしろあり余っていて活躍しても種牡馬入りできないことが多いサンデーサイレンス系。フジキセキ、キンシャサノキセキと続く血統でした。母系も母父がキングマンボというサンデーサイレンスの次に種牡馬入りできない血統(キングマンボ系ではキングカメハメハ産駒の活躍馬が多すぎるため)。たぶん一番種牡馬入りが難しい配合ですね。キンシャサノキセキ産駒ですけど、種牡馬になったのは、奇跡のように思えます。

 前述の通り、現役時代の成績はそれほど良くないため、初年度2022年の種付け頭数はわずか8頭。そこから誕生し、血統登録された産駒となると、さらに激減して、初年度となる2023年生まれの産駒はわずか3頭でした。
 ところが、このわずか3頭の産駒から中央勝利馬を輩出します。正直言えばこの時点で「活躍」と言うとやや大げさですけど、前述のような不人気種牡馬であったことからすると考えられません。なかなかないことでしょう。ドラマ性があります。

 この勝利を挙げた産駒は、ロミオという馬。9頭立てだったとはいえ、中山芝2000mの新馬戦から7.3倍の4番人気となかなか高い評価で、おそらく戦前から良い動きをしていたのでしょう。母ペンデュラムも地方2勝程度で、姉は地方も未勝利。血統ではなく、実力を期待されての人気だったと思われます。この新馬戦で、人気よりさらに上の2着という結果を出しました。
 中山芝2000mは父の距離適性からうすと意外でしたが、2戦目は距離短縮で中山マイル。ところが、16頭立てと頭数が増えたここでは、6番人気14着と冴えませんでした。
 しかし、3戦目、福島に舞台を変えて、さらにはダート替わり(ダート1700)。ここで、3番人気に押されると、好位から抜け出して、なんと5馬身差の圧勝。もっと賞金を加算できそうで、文句なしに「活躍」と言えるようになるかもしれません。

 出走頭数2頭とデータが少なく、しかも、まだ出走数も少ないのであれですけど、これのせいでアーニングインデックスとCPI(コンパラブルインデックス)の比がえらいことになっています。
 前述の通り、産駒が全然活躍していない母だったこともあり、CPI(コンパラブルインデックス)はわずか0.10。めったに見ない低い数字です。
 一方で、ロミオが賞金を稼いだため、アーニングインデックスは2.07という素晴らしい数字。同世代で最も繁殖牝馬の質が高いであろう三冠馬コントレイルは1.48ですから、コントレイルより高いということになります。
 このコントレイルのCPIは2.65と高く、やはり繁殖牝馬の質が高いですね。本来なら産駒は活躍して当然であり、アーニングインデックス1.48は物足りない数字。アーニングインデックスをCPIで割った数字は、0.56とかなり低くなっています。
 で、この数字がすごいのが、シュウジです。同様の計算をすると、20.7というめったに見ない数字に。一桁間違ってない?という数字。普通この数字が2であってもすごすぎますからね。これは、今だけの異常値なのでしょうが、それにしても素直にすごいと思います。


モズメイメイ、ロケットスタートどころかついに出遅れるように…

■2023/05/27 ロケットスタートのモズメイメイ、ゲート開く瞬間狙い自分で調整
■2024/09/05 モズメイメイ逃げ馬じゃなかった?差しで復活!ロケットスタートで誤解か
■2025/01/01 モズメイメイ、ロケットスタートどころかついに出遅れるように…


■2023/05/27 ロケットスタートのモズメイメイ、ゲート開く瞬間狙い自分で調整

 2023/05/2京都11R葵ステークス芝1200、1頭だけあり得ないほどポンと抜けてスタートした馬がいてびっくり。武豊騎手鞍上のモズメイメイでした。そのまま逃げ切りますが、負けていたとしても絶賛したであろう素晴らしいスタート。これだけで好きになりました。久々にPOG馬以外で大好きになる馬かもしれません。
 どれくらいすごかったかと言うと、最初からいきなり1頭だけ1馬身前に出ているという状態。もともと逃げ馬でテンも早いため、あっという間に2,3馬身開いてしまいます。
 ゲートの開くタイミングが1頭だけ早かったのかな?と思うほど。実際、掲示板ではそういった反応がありました。

 [2864] BBさん
フライングかと思ったわ

[2910] そらまめさん
フライングかと思うくらいのスタートびっくりでした

 [2950] daiさん
モズメイメイだけ
ゲートずっと開いてた説

 [2945] effectさん
いやー、もう笑うぐらい凄いスタート。
どうやったらあんなこと出来るんだろう。
この馬は豊さんと手が合うんですね。
失礼かと思うけどパトロールで確認してもたわ。
みんな一緒にゲート開いてますた(≧∀≦)
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2020102764

 次に考えたのが、他の17頭の馬がすべて同じようなタイミングで出遅れた…という可能性。これも同じようなコメントがありました。

 [2879] JPNさん
きっと他の17頭がみんな同時に出遅れたから、この子だけ飛び出したみたいに見えたんだろうね。

 この方は上記の後、「よくあることだよ(笑)」と書いていますが、全然よくあることではありません。私は初めて見ましたわ。
 ただ、最後に「(笑)」をつけているので本気でそう思っているわけではなく、冗談でしょうね。掲示板ではやはり「こんなん初めて見た」という反応が出ています。

[2880] 竹輪さん
長いこと競馬やってるけど、あんなロケットスタート初めて観たわ。
ゲート壊れてるんじゃないかと疑うレベル。

 [2957] ハムムさん
ここまで完璧なまさにロケットスタートは初めてみたわwスタートダッシュでランキングつけたら最上位にくるんじゃない

 仮に他の17頭すべての馬がいっせいに出遅れだとしても、天文学的な確率になりそう…。これはこれですごいでしょうから、歴史に残したくなります。
 ちなみに検索してみると、競走馬の出遅れ率は17%くらいみたいですね。これをもとに17頭が出遅れる確率が計算できるかもしれません。

(確率計算は苦手なのでちゃんと得意な人にやってほしいのですが、単純に17%=0.17を17乗した場合は、0.0000000000083%というわけのわからない計算結果に。桁が大きすぎて間違ってそうですが、12兆分の1くらいの確率ですかね?
 ただ、これに加えて1頭だけ出遅れないことやその1頭がモズメイメイではない場合なんかも本来なら考えるべきなんでしょうか? 本当、こういう確率の計算はダメ。誰かできる人にお願いします)

 ところで、モズメイメイちゃんのロケットスタートですが、他の17頭すべての馬がいっせいに出遅れたのではなく、彼女自身が狙っていた可能性が濃厚。どうも鞍上の武豊騎手がそう説明しているようです。
 掲示板情報でソースを確かめていないんですが、本当にそうコメントしているならすごいですね。モズメイメイちゃん賢すぎです。

 [2868] トウカイテイオーさん
◆武豊騎手(1着 モズメイメイ)「もともとスタートが速い馬ですが、きょうはタイミングが合いすぎました。速かったです。逃げというのは頭にはなかったですが、スタートを出たので行きました。(略)」
◆音無秀孝調教師(同)「フライングだわな(笑)。ジョッキーに聞いたら、ゲートが開くのを待っているらしいよ。突っかかるわけじゃなく、ゲートが開いて反応して出ているみたい。桜花賞もゲートは速かったけど、きょうはもっと速かったね。ハナへ行かなくてもいいとジョッキーに伝えてはいたけど、あの形ならハナに行かざるを得ないね。(略)」

[2865] 行里さん
スローで見ると、ゲートが開く直前のタイミングで、後肢に体重を乗せて馬体を沈み込ませて、開いた瞬間にダッシュしている。
分かっていないと出来ないようなタイミングだけど、まさかね…。
でも、重賞で、それを実現させたのが、モズメイメイと武豊。

 [2907] ロージーライフさん
パトロール見ると、馬がロケットスタートを決めようと狙っているように見える。。素晴らしい才能の持ち主かも。


■2024/09/05 モズメイメイ逃げ馬じゃなかった?差しで復活!ロケットスタートで誤解か

 長く低迷していたモズメイメイ。かつてのようなロケットスタートはなくなりましたし、逃げれたときでも逃げれなかったときでもダメ。どうすりゃいいのか?と思っていたら、突然復活!
 ロケットスタートが好きだったので複雑な気持ちですが、差し競馬での復活。下手にロケットスタートを決めてしまったがために逃げ馬と誤解されてしまって復活が遅れてしまったのでは?といった反応が出ていました。

・【アイビスSD】モズメイメイが差し馬に変貌! 復活Vの裏に「新たな調整法」 | 競馬ニュース・特集なら東スポ競馬 2024/07/28 (日)20:06
<28日、新潟競馬場の直線1000メートルを使って夏の新潟名物レース、GⅢアイビスSDが行われた。今年のスピード決戦を制したのはモズメイメイ(牝4・音無)。一時、2桁着順を連発していた不振ホースが23年葵S以来の重賞V。復活のきっかけはどこにあったのか?
 国分恭騎乗で15番枠から五分のスタートを切ったモズメイメイ。行く馬を行かせて中団へつけると、まずは外ラチ沿いから3分どころの馬場を進行。レース後半では馬が殺到していた外ではなく、真ん中へエスコートしていき、ラスト200メートル付近では前を走るウイングレイテストに内から迫り、最後はクビ差捕らえてのゴールだった。>
https://tospo-keiba.jp/breaking_news/47628

 記事では、「1週前に併せ馬をして、当週はやりすぎないように、という調整をしてきた」という調教の工夫が復活の理由と説明。ただ、この一つ前の北九州記念(GIII) でも差して3着しており、「差しで復活」と思ったのはたまたま1戦だけじゃないというのがあります。
 この北九州記念(GIII)のときは16番人気3着という大激走。その前は6戦連続で二桁着順でしたから、本当突然復活しましたね。


■2025/01/01 モズメイメイ、ロケットスタートどころかついに出遅れるように…

 差しで復活したと思ったモズメイメイですが、前回書いたアイビスサマーD(GIII)では先行して3着と前の競馬でも結果を出します。ところが、この後、再びスランプに突入。その次のスプリンターズS(GI)の10着は相手が強かったので仕方ありませんが、京阪杯(GIII)を4番人気11着、阪神C(GII)を15番人気15着で敗れています。
 このうち京阪杯(GIII)は中団からですが、他のふたつのレースは「差し」とすら言えず、「追い込み」という位置取り。さすがに後ろすぎだとダメだろうと思って見ていました。

 また、直近の阪神C(GII)はなんと一番悪いスタートに。「出遅れ」と判断している人もいました。ロケットスタートが代名詞だったのに、ついに出遅れるようになってしまったというのは、残念すぎます。
 この日は、後方ポツンの1頭を除けばほぼ最後方からという競馬にもなりました。直線は外殺到する中、最内スルスルと一瞬伸びたのですが、後半鈍って抜き返されて、結局、15着。後方ポツンにもハナ差負けてしまいました。スランプですね。逃げとか差しとか関係なしに、単にムラ馬なのかなぁ…。

 モズメイメイとは関係ないのですけど、レース後にこの後方ポツンで14着だった馬の鞍上が横山典弘騎手なことを確認して、なんだか安心。それこそモズメイメイのように応援している馬、あるいは、馬券を買っている馬でやられたら最悪とはいえ、中央競馬の風物詩的なところはありますね。


2025年11月17日月曜日

メイケイの馬主・名古屋競馬とは?主催者が競走馬を持ってる?

■2021/03/18 メイケイの馬主・名古屋競馬とは?主催者が馬を持ってる?

■2021/03/18 メイケイの馬主・名古屋競馬とは?主催者が競走馬を持ってる?

 メイケイペガスターなど、昔からある冠名のメイケイですが、馬主を確認したことがありませんでした。ところが、能力が高いのにまともに走れないというクラシック有力牝馬メイケイエールの馬主名を見てびっくり。「名古屋競馬」と書かれています。地方競馬の主催者が馬を持っているの?中央競馬の馬とは言え、公平性の観点でまずくない?と驚きました。
 この疑問の答えの前に、一般的な「名古屋競馬」の説明を先に掲載。愛知県競馬組合が名古屋競馬場で開催する競馬を「名古屋競馬」「名古屋けいば」などと呼びます。JBCを開催したこともありますが、常設としては、かきつばた記念(JpnIII)、名古屋グランプリ(JpnII)、名古屋大賞典(JpnIII)といったところが有名でしょうか。
 という感じなのですが、この説明ですでに出ているように、主催者は名古屋競馬といった名義ではなく、愛知県競馬組合なんですね。組織名としての「名古屋競馬」は使われていないようです。そして、ウィキペディアで「名古屋競馬」を検索すると、上記の名古屋競馬に加えて、曖昧さ回避として、<中京競馬場を所有・管理する株式会社。中京競馬場#名古屋競馬株式会社を参照>というのが出てきました。どうもそういうややこしい名前の会社があるようです。中京競馬場 - Wikipediaでは、「メイケイ」の話もありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E4%BA%AC%E7%AB%B6%E9%A6%AC%E5%A0%B4

<中京競馬場は、JRA直営の他9場とは異なり、スタンドの一部(ツインハット部分)を除き名古屋競馬株式会社が施設を所有し整備している。この会社は競馬法により、東海地方に国営競馬(現在の中央競馬の前身)の開催場をという声に応えるため、1952年8月に設立された。翌1953年8月に競馬場が完成、農林省(現・農林水産省)と施設貸借契約を結び、第1回国営中京競馬を開催することになった。現在は、所有する競馬場の諸施設の修繕等の他に、競馬場近接地にある競馬客用駐車場の管理・運営を行い、JRAの行う中京競馬開催日のイベント・PR活動に協力している。なお、名古屋競馬場を運営する特別地方公共団体の愛知県競馬組合とは別の法人で、愛知県等の地元自治体や名古屋鉄道などの地元企業が出資する非上場の株式会社である。
 また、中央競馬に馬主登録しており、活躍した持ち馬にグリーンサンダー(佐賀記念勝ち)、メイケイペガスター(共同通信杯勝ち)、メイケイダイハード(中京記念勝ち)、メイケイエール(小倉2歳ステークス、ファンタジーステークス、チューリップ賞勝ち)などがいる。勝負服は緑、青袖、白山形二本輪。現在は冠名として「メイケイ」を馬名に使用している。>

 ということで、主催者ではなかったものの、どちらにせよ「問題ないの?」と思う人はいると思われます。確かに不思議な感じはしますね。ただ、名古屋競馬株式会社は飽くまで施設を所有して貸し出ししているだけであり、競馬開催そのものは行っていません。開催に直接関わっているわけではないのでセーフなのでしょう。
 ちなみに、名古屋競馬場の方では、愛知県競馬組合が運営する名古屋競馬で、名古屋競馬株式会社が自社杯の競走である「名古屋競馬株式会社賞 中京ペガスターカップ」を開催しているとのこと。ここらへんも全然問題ないわけですが、こうやって書いているとわけがわからなくなりますね。メイケイ株式会社などと社名変更した方がスッキリすると思うのですが、関係者の方いかがでしょうか?

2025年11月16日日曜日

あわや大惨事!カラ馬逆走でも確定の船橋競馬に非難轟々

■2021/05/13 あわや大惨事!カラ馬逆走でも確定の船橋競馬に非難轟々


■2021/05/13 あわや大惨事!カラ馬逆走でも確定の船橋競馬に非難轟々

 馬は群れて走る習性があります。日本の新潟競馬場では芝の痛み具合に差が出るためにそういうことはありませんが、海外の直線競馬なんかでは内ラチと外ラチに分かれて2つの馬群で固まって走る…なんてことが見られます。落馬競走中止となった場合でも、この習性により、いっしょに走るということが多いです。見た目にはかわいいのですが、危険性もあります。
 ただ、2021年5月5日の船橋8R・ユウゲ賞(ダ1200m)は、普段のカラ馬とは比較にならないほど危険な状態になりました。発走後落馬した馬のあおりでもう1頭が落馬したのですが、問題はカラ馬となったうちの1頭が最後の直線のラチ沿いを逆走してしまったことです。馬群の内側をすり抜けていき、一歩間違えれば大惨事でした。しかし、この件について審議が行われたが、競走全般に重大な支障があったとは認められず、レースは到達順位どおり確定したといいます。
<【地方競馬】あわや大惨事! 船橋競馬で馬がレース中に逆走>(5/5(水) 20:20配信 netkeiba.com)より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/483e79fd17d4be1cbd187e48def7a43a49e1881a

 映像を見てみると、ちょうど最後の直線で反対側の最内をカラ馬が逆走。一番大事な場面での逆走馬との出会いですし、最内にいた1頭はスピードを緩めて後ろを確認しながら大きく斜行。当然、この状態では前を横切られる馬にも影響があります。上位争いの馬はそのまま追っていた感じですが、レースに影響がなかったとは思えません。
 当然ながら、コメント欄では非難轟々。レースが不公正というだけでなく、今後同じような場面があったときに、騎手が安全を優先しなくなる可能性もあるため、たいへん悪い判断でした。たぶんレース不成立とすると全部払い戻しで利益が発生ないため確定させたのだと思われますが、安全よりカネという話で問題があります。

<逆走の馬を真正面に見た騎手は追えないと思うし、これを確定したのは問題があると思う>
<逆走している空馬が競走している馬に近づく事が予測された場合は、競走を中止させ馬を止める必要があったと思う>
<これ事故とはいえ、なんとか途中でもいいからレース不成立に出来なかったのか…
馬が正面衝突寸前にすれ違うとかあってはならない事>
<実況も戸惑ってたからレース不成立の裁定があり得ると思ったのでしょう。
大惨事にならなかったのは結果論で本当に運が良かっただけ。空馬が内ラチ沿いを走ったからよかったものの、もし馬群の中央に突っ込んで大事故になってたら船橋競馬はどう弁明するつもりだったのか。
最近競馬界は八百長、不正受給、馬の顔を蹴る等イメージを悪化させるニュースが立て続いてしまってるのだからもっと厳しく運営するようにほしい>

 なお、2月に高知競馬で故障馬が走路にいたため、レースが不成立になった…というコメントもありました。これを成立させてしまった船橋競馬は問題があると思われます。

 …と書いて終わろうとしたら、ひとりだけ変なコメントしている人を見つけてびっくり! なんでしょう、これ? 何を言っているのかよくわかりません。

<【ギャンブル】に怪我と言った大惨事以外の記事はありえない。
この結果で場があれてギネス級の30万馬券がでたのならまだしも、何をもって大惨事なんだ?
そもそも、ギャンブル。
倍率が上がらない事故は事故ではない>

 「あわや大惨事」の「あわや」の意味を知らないということでしょうか。それとも、オッズに影響ないなら、たとえ競馬で死人が出ようが大事故ではないってことでしょうか。怖い人ですね。他にどんなコメントをしているのか?と見てみたら、いわゆるネトウヨ系の方でしたわ…。テロを思わせるような発言もしています。

(新型コロナウイルスのワクチンの記事について)
<絶対にやって欲しくない事がある。習近平国家が関係したワクチンを使う事。これだけは秘密裏でもやらないで欲しい>

(東京五輪中止求めるデモに関する記事について)
<うわっ!、俺も現地に行けばよかった。そして、この馬鹿共を暴力を使ってでも言葉無き者にしてやれば良かった。五輪は開催されて当たり前>


2025年11月15日土曜日

池江泰郎元調教師、馬主としての成績はイマイチ?所有馬を見ると…

■2021/06/01 池江泰郎元調教師、馬主としての成績はイマイチ?所有馬を見ると…


■2021/06/01 池江泰郎元調教師、馬主としての成績はイマイチ?所有馬を見ると…

 POG馬を探していたら、調教師と馬主の両方に「池江」の名前が並んでいて、なにかの間違いかと思ってしまいました。ただ、調教師が池江泰寿で、馬主が父の池江泰郎。池江泰郎さんは調教師を引退しているので、一応ルール的にはあり。とはいえ、日本では珍しいケースで、アリなの?と驚いてしまいました。
 検索してみると、馬主になってのは全然最近じゃありませんね。私が知らなかっただけでしたわ。2014年にJRAブリーズアップセールで3240万円(税込)で競り落とされたネージュドールはすでに入厩済みとのことで、デビューはおそらく2014年。また、翌年の2015年に初勝利を挙げています。

<元調教師の池江泰郎氏(74)が、かつて管理したディープインパクトの子で馬主初勝利を飾った。阪神4R(2歳未勝利戦、芝1800メートル)で、リボンフラワー(牝、池江)が1番人気に応えて勝利。昨年8月の新潟(新馬戦)でネージュドールを初出走させてから11戦目(地方1戦を含む)>
(池江元調教師ディープの子で馬主初勝利/阪神4R|極ウマ・プレミアム [2015年12月06日 07時15分] より)
https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1575707&year=2015&month=12&day=06

 このリボンフラワーが出世頭ですが、賞金は1300万円程度。4頭しか持っていない(うち1頭はデビュー前)、大馬主ではないので資金力がないとは言え、さすが名伯楽!といった感じはありませんね。しかも、ディープインパクト産駒とステイゴールド産駒でこの成績です。
 ただ、リボンフラワーはアネモネS(OP)5番人気4着の後、故障で引退しており、無事ならもっともっと稼いだ感じはありました。

馬名 性 生年 厩舎 父 生産者 総賞金(万円)
リボンフラワー 牝 2013 [西] 池江泰寿 ディープインパクト 千代田牧場 1,323.40
クレアーレ 牡 2017 [地] 森沢友貴 ディープインパクト 千代田牧場 604
ネージュドール セ 2012 [西] 高橋康之 ステイゴールド 市川牧場 419.3
オールタイムハイ 牡 2019 [西] 池江泰寿 ディープインパクト 千代田牧場 0


2025年11月14日金曜日

連闘も…地方競馬の出走数が多い理由、中央は手抜き?

■2020/10/24 連闘も…地方競馬の出走数が多い理由、中央は手抜き?


■2020/10/24 連闘も…地方競馬の出走数が多い理由、中央は手抜き?

  ヤフー知恵袋で、「どうして地方競馬の馬は連闘連闘また連闘で3歳40戦や5歳100戦とかできるのに、中央競馬の馬は数戦で故障したりしてしまうのでしょうか?」という質問が出ていました。ヤフー知恵袋ですので、信頼性が高いわけではないですし、個人の意見という感じですが、ベストアンサーは概ね妥当だろうという答えが出ています。

 まず、第一に出走数が多いのは、当然お金のため。「特に南関東以外ですとレースの賞金よりも出走手当の方が高い」と指摘されています。要するに着順にこだわるより出走回数を増やした方が良いということです。相対的に「賞金よりも出走手当の方が高い」というのは、地方競馬主催者側が決めることですから、 地方競馬主催者側自身、出走回数を増やしてもらいたいと思っているのでしょう。レースの出走頭数が少なくなることの方を危惧しているのかもしれません。

 ただ、一番の問題は怪我をさせずに、なぜそんなにたくさん出走できるのかというところでしょう。これについては、<誤解を招く言い方かもしれませんが、地方競馬では馬の力を人が出し切る(=無理な仕掛けや無理な追いetc)ようなことは出来ません>としていた他、さらに、以下のような話をしていました。

<中央競馬の馬でも休養明けに7割程度の仕上げで「レース≒調教」のような事をしますが、ローカルの地方競馬の場合約2週間に1回開催があるので調教を兼ねてレースを行ない、仕上げていく慣行があるため、必然的に出走回数が多くなってしまいます。
 地方競馬、特にローカルの地方競馬では中央競馬で言う連闘を重ねて馬の調子を上げていくので、血統やレースタイム&調教タイム以外にも、地方競馬独特の慣習を読みながら予想していかないと競馬を楽しめないかもしれません…>

 これは私の想定した答えと近いです。地方競馬の馬は悪く言うと、手を抜いています。ただ、比較的良い言い方をすると、馬に負担をかけないやり方をしているんですね。だから、連闘が多くて、ガンガン故障する…といったことにならないで済んでいるんです。こういうやり方には批判もあるでしょうけどね。

 ちょうどベストアンサーの最後に予想の話が出ていたのですが、地方競馬に呼ばれたある中央競馬の競馬解説者は「もう二度と呼ばないでほしい」と言ってたという話を聞いたことがあります。
 なぜか?と言うと、地方競馬の馬の仕上げと競争成績が全然一致せず、中央競馬のような解説では結果と全然一致しなかったため。地方競馬独特の仕上げに戸惑ってしまったようでした。

2025年11月13日木曜日

今の1勝クラス・500万下を3連勝した馬がいる…なぜ可能?

■2021/06/27 今の1勝クラス・500万下を3連勝した馬がいる…なぜ可能?
■2012/11/10 重賞ウィーク、2日で5重賞、京都だけで3重賞 エリザベス女王杯、武蔵野S、京王杯2歳S、ファンタジーS
■2023/12/17 秋競馬の3場開催なのに1週間で重賞が2つだけ!朝日杯フューチュリティステークスとターコイズS


■2021/06/27 今の1勝クラス・500万下を3連勝した馬がいる…なぜ可能?

 レースウィングという馬の戦績を見ていたら、3歳以上500万下を3連勝していることに気づきました。未だになれませんが、今で言う1勝クラスを3連勝した形ですね。新しい競馬ファンはなぜ?と思う記録でしょう。

 このレースウィングは新馬戦も未勝利も勝っていないというのが最初のポイント。初戦は3歳9月の未勝利戦。12番人気であり、全然人気にならず、結果も9着でした。
 レースウィングの母馬である「レース」という馬名には聞き覚えがあり、てっきり大物が兄弟にいたと思ったのですが、トーセンアレス が浦和記念(G2) 3着した程度で、しかも、これは弟なのでレースの現役時点では関係なし。レースの子でPOGで人気した馬がいたか、私がPOGに指名したかで名前を覚えていただけかもしれません。

 レースウィングの戦績の話に戻ります。未勝利戦は全く目立たなかったのですが、経験馬に混じったための不人気だったのか、2戦目は突如4番人気。結果も4着となっています。しかし、これで未勝利戦が終わってしまいました。このため、500万下に出ることになったのです。これが最初の500万下勝利で、同じ境遇の馬が多いためか、格上挑戦であってもそれほど悪くない7番人気と悪くない人気。そして、ここで見事に勝利します。この勝利は2002/12/01の500万下でした。
 500万下を勝ちましたが、前述の通り未勝利戦を勝っていたないため、これが最初の勝利。クラスを決める収得賞が少ないために、続けて500万下に出れます。ただ、レースウィングの場合はなんと1年近く休んで2003/11/09が次戦でした。4歳になっています。一度勝っているということもあるのか、長期の休み明けでも2番人気となっていて、これまた見事に勝利しています。

 問題はその次の3戦目の500万下。次は2003/11/22と間髪入れずに、同じ500万下に出走しました。当然このクラスを2度も勝っているので1番人気であり、人気に応えて圧勝しています。このような3連勝が可能であったのは最近まであった「降級制度」のためでしょう。(最後にウィキペディアの説明も記載。参考にしてください)
 時期的にはおそらく休みの間に収得賞金額が半額となったことで、2勝しても収得賞金額が1000万下(現在で言う2勝クラス)に満たないようになり、3戦続けて500万下を勝利するという妙なことになりました。500万下は3戦全勝とも言えます。現在のルールではあり得ないことです。
 ちなみにレースウィングは1000万下の4戦目と5戦目でも、同じ1000万下を連勝! この時期は5歳であり、「収得賞金額が半額」はなかったはずですが、前年の半額のときの計算のせいでこうなったんですかね。私もよくわかりません。
 降級を考慮して狙った競馬というのは以前はよくあり、全く珍しいことではなかったのですが、とりあえず、ここまで見事にルールを使い切った馬はさすがに珍しいんじゃないかと思います。

<降級>
<2019年春季までは4歳馬が夏季開催を迎えると、収得賞金額が半額となるため、それまで上位の競走区分にしか出走できなかった4歳馬が、1つないし2つ下の競走区分に出走できた。これを降級と呼び、その対象馬を降級馬と呼ぶ。通常、降級馬は能力が高いので、夏季開催においては降級馬の好走事例が多数見受けられた>
<過去において降級は2回設定されていた。旧馬齢表記で4歳500万円下・5歳1,000万円下・6歳以上1,500万下というクラス区分であった>


■2012/11/10 重賞ウィーク、2日で5重賞、京都だけで3重賞 エリザベス女王杯、武蔵野S、京王杯2歳S、ファンタジーS

 G1のあるときって、重賞は少なめな気がしていましたが、今週よく見ると5つも重賞がありました。

11月10日(土)     京都 -    京都ジャンプステークス(JG3)
11月10日(土)     東京 -    京王杯2歳ステークス(G2)
11月10日(土)     京都 -    ファンタジーステークス(G3)

11月11日(日)     東京 -    武蔵野ステークス(G3)
11月11日(日)     京都 -    エリザベス女王杯(G1)

 見ての通り一つは障害ですが、それでも立派な重賞。福島開催もあるのにそちらはなしで、京都だけで3重賞というたいへん豪華なことになっています。
 今までもこんなんでしたっけ?覚えがありません。2歳の重賞が同じ週ってのはくさいですね。

 昨年を見てみると、

11月12日 京王杯2歳S
11月12日 京都ジャンプスS
11月13日 武蔵野S
11月13日 エリザベス女王杯

 です。
 やはり2歳の重賞が違いました。ファンタジーSは1週早い11月5日。今年は新設の2歳牝馬の重賞アルテミスSが先週あったため、こちらにズレたようです。
 海外では重賞だらけ……って日がありますけど、日本では5つでも新鮮です。すごいですなぁ。


■2023/12/17 秋競馬の3場開催なのに1週間で重賞が2つだけ!朝日杯フューチュリティステークスとターコイズS

 秋競馬はやたらと重賞が多い…というイメージだったので、2023/12/17の週は重賞の少なさにびっくり。寂しく感じました。3場開催なのに、土曜日と日曜日に重賞はひとつだけ。それぞれターコイズS、朝日杯フューチュリティステークスです。

 というか、ターコイズSって以前、重賞じゃなかったですよね。調べてみると、2015年からであり、重賞になってからもう10年近く…。全然記憶にないです。どうも新しい重賞って覚えられないんですよね…。
 なお、ウィキペディアだと、重賞に格上げではなく、全く新しく創設という書き方になっています。

<牝馬の出走機会を拡大する観点から、2015年に新設された>
     2015年 - 3歳以上の牝馬による重賞(新設重賞)として創設[4]。
    2016年 - 格付け表記を「重賞」に変更[6]。
    2017年 - GIII格付を取得[7]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9#cite_note-JRA%E6%B3%A8%E7%9B%AE-4

 ただし、後半まで読むと、格上げ・引き継ぎではないものの、同名の競走が存在したことは触れられています。私は未だにこのときのイメージを引きずってますね…。

同名の競走
<同名の特別競走が2014年まで行われており、オープンクラスのハンデキャップ競走だった[8]。(1994年から1996年までは夕刊フジ杯として施行されていた) >

2014年までの優勝馬
1982年12月11日     中山     1800m     オープン     ピアレスレデイ     牝3


2025年11月12日水曜日

誰でもしてるクラシック登録を期待馬で忘れるミスをやらかす?

■2023/11/21 誰でもしてるクラシック登録を期待馬で忘れるミスをやらかす?
■2012/11/24 こぼれ話まとめ:いくらなんでもそれは長すぎる長距離戦・芝18600m
■2022/06/21 netkeibaで誤植?血統の戦績紹介で1頭だけ馬名説明があるのはなぜ?


■2023/11/21 誰でもしてるクラシック登録を期待馬で忘れるミスをやらかす?

 ベランジェールという馬の掲示板を見ていて、そんなことあるんだ!と驚いたのが、クラシック登録を忘れてしまい、万が一の際には200万円支払うという痛恨のミスが発生した…という話。
 最終的には、クラブ側(DMMドリームクラブ)のミスということになったそうですけど、調教師(木村哲也)のミスも当初は疑われていました。こういうの気づかないもんなんですかね?
 また、ここのやり取りを見ていて、それほど有望な馬でなくてもとりあえずクラシック登録はしまくっているのかな?とも思いました。事実ならこれも初めて知ったという話。これは期待馬扱いされていたベランジェールがなぜ未登録なのか?といった文脈で出てきた話です。

 あと、気になったのが、200万円の重大性に関するコメントがなかったこと。逆に「追加登録が必要ならクラブ側が費用負担をすると言っていますし、もういいのでは」というコメントならありました。
 「クラブが払う」となると、その金額をクラブはどこかで稼ぐ必要があります。となると、ベランジェールに限らないクラブ会員の負担として最終的には乗っかってくる可能性が高いです。相当なミスであり、割と重大な事態なんですよね…。

 [1007] セイウンコクサイさん
重賞の一つも勝たないと、な価格、育成時はいまだかつてないくらいのアゲアゲコメント、
桜花賞がどうだこうだといっておきながら、なんと!
クラシック登録してなし。

[1008] チョコボウラー向井さん OXkVk5Y フォローする
確かに。1回目からもう登録してない。
私の他の出資馬でまだまだデビュー先になりそうな馬たちいますが、とりあえず1回目は登録してます。
この馬してないってどゆこと?(中略)
万が一出れるようになったら200万払って登録すればいいやって考え?

 [1009] ゲストさん QTQ5l4E フォローする
>>1007
これは驚愕の事実。よく見つけたね…笑
期待馬が登録するものじゃなくて、登録しない理由がある馬が登録しないものくらいに考えてたけど。ましてやクラブ馬なんて気遣ってノータイムで登録ちゃうんかい。
信じられん…

 [1013] うーたんさん FTYiYJE フォローする
>>1012
どうなんでしょうね…
調べてみたら手塚厩舎木村厩舎の他の2歳未勝利馬でも大体クラシック登録されてました。

 [1015] すけ兄さん MSWYBFE フォローする
公式のお知らせで出ましたね
クラブと厩舎間の確認不足とのこと
追加登録費用との“差額”はクラブ持ちらしいです

 [1016] kwtnさん ESOFeVk フォローする
5大競走未登録はまさかのガチ事務作業ミスらしいです。万が一桜花賞、オークスに出る場合はクラブで差額を負担してくれるらしいです。こういうのってクラブ側が一元管理してるものと思ってたのですが、厩舎も絡んでたのですね。ほうれんそう大事。

 [1017] うーたんさん FTYiYJE フォローする
クラブから公式でお知らせ来ましたね。
クラブと厩舎側との確認不足によるミスとのこと。
追加登録料200万と通常登録料の差額は全てはクラブ負担。
再発防止策として今後はクラブが一括して登録を行うという事でした。
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2021105484


■2012/11/24 こぼれ話まとめ:いくらなんでもそれは長すぎる長距離戦・芝18600m

 パソコン内整理していたら出てきた「いくらなんでもそれは長すぎる」というhtml。何かな?と思ったら、トップガンドリームという競馬サイトで以下のような記述があったのを保存していただけでした。

-----引用 ここから-----
時事通信杯 フラワーカップ (GⅢ)
  2003年 3月23日 中山競馬場 <b>芝18600m</b>
  第11レース サラ系3歳牝馬オープン 別定
-----引用 ここまで-----

 まあ、単なる誤植なんですけど、こういうの好きなんですよね。
 芝18600m。嫌すぎますね。どんだけ長いんだよという。スーパーステイヤーです。
 しかも、3歳の牝馬ですよ。かわいそうに。菊花賞が芝3000ですから、6.2回分。菊花賞が3分数秒のタイムですからバテずにそのまま行っても20分くらいかかるかな?長いわぁー。

(補足:トップガンドリームはもう名前も覚えていなかったくらいのサイトですが、残っていたhtml見た感じだとコンピュータによる競馬予想サイト。
私は人気をある程度見ないと予想できないので前日予想オッズがあったか、展開予想が当時好きだったので逃げ・選考馬などの脚質の表示があったか、あるいはその両方か?といった感じじゃないかと思います)


■2022/06/21 netkeibaで誤植?血統の戦績紹介で1頭だけ馬名説明があるのはなぜ?

 誤植系を久々に見つけたので、近い話のあるこちらで紹介。見つけたのは、新馬戦に出走があったヤマタケアオイバラの血統表です。

 ヤマタケアオイバラ自体は8番人気で注目じゃなかったのですが、私は穴馬狙いのPOGもやっていたので確認。デビューした上3頭のうち1頭が中央で3勝しているという、8番人気としてはなかなか良い血統です。ただ、父のジャスタウェイを私は評価していないので、POG指名はせず。結果、8番人気なのに、最下位である16位と予想以上の惨敗でした。

 さて、問題は誤植の話です。上記で少し書いたように、私は兄弟の戦績を参考にするため、netkeibaの血統表のページで兄弟が何勝しているか確認します。netkeibaの血統表の牝系図では、普通以下のヤマタケアオイバラの近親の例のように中央と地方の勝利数と重賞の好走歴などが書かれているのが普通です。

 |-- ファインチョイス (牝 2009 鹿毛 アドマイヤムーン) 4勝
 |   |    1着 - 函館2歳S(G3)
 |   |    3着 - KBSファンタジーS(G3)
 |   |-- プライムチョイス (牝 2015 鹿毛 ロードカナロア) 地方1勝
 |   |   |-- プライスレス (牝 2020 鹿毛 ビッグアーサー) 中央現役
 |   |   `-- プライムチョイスの2021 (牝 2021 鹿毛 モーニン)
 |   |-- ガデスチョイス (牝 2016 黒鹿毛 キンシャサノキセキ)
 |   |-- エクスチェンジ (牝 2017 栗毛 マジェスティックウォリアー) 1勝

 ところが、ヤマタケアオイバラの近くだけ変だったので目立っていました。なぜかヤマタケアオイバラの姉のところにだけ、馬名の意味・由来の説明が書かれていたのです。こんなの、初めて見ましたわ!

 |-- マルヨパトリオット (牝 2008 栗毛 アルカセット) 地方4勝
 |   |-- マルヨパトリオットの2014 (牝 2014 栗毛 フリオーソ)
 |   |-- ミスズフリオーソ (牡 2015 栗毛 フリオーソ) 3勝
 |   |-- リングアップ (牝 2017 栗毛 スマートファルコン) 地方2勝、獲物を狙うハヤブサの旋回上昇(鷹狩り用語)
 |   |-- ケイティレジェンド (牡 2018 鹿毛 リオンディーズ)
 |   |-- ヤマタケアオイバラ (牡 2020 鹿毛 ジャスタウェイ) 中央現役
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2020102211/

 なぜこんな間違いが起きたのか想像できません。そもそもnetkeibaでは、馬名の意味・由来の説明の項目を見たことがないため、別の部分を間違って参照している…という感じでもなさそうです。まさか手作業で反映しているってことはないでしょうが、そうしたミスでも不自然。担当者がいたずらしたんでしょうか?

 なぜか1頭だけ馬名説明のあったリングアップ自身の血統表・牝系図も確認してみると、同様に「獲物を狙うハヤブサの旋回上昇(鷹狩り用語) 」との説明が見えます。
 さらにリングアップのトップページを確認してみると、こちらにもありました! 受賞歴のところに先ほどと同じ馬名説明がなぜか書かれています。

受賞歴
獲物を狙うハヤブサの旋回上昇(鷹狩り用語)
https://db.netkeiba.com/horse/2017100894/

 全然思いつかなかったのですが、そういや血統表・牝系図では受賞歴も網羅。例えば、ジャングルポケットの場合は、トップページと血統表・牝系図で以下のように書いています。

受賞歴
JRA賞年度代表馬(2001年)、JRA賞最優秀3歳牡馬(2001年)
https://db.netkeiba.com/horse/1998101786/

 |   |-- ジャングルポケット (牡 1998 鹿毛 トニービン) 5勝、JRA賞年度代表馬(2001年)、JRA賞最優秀3歳牡馬(2001年)
 |   |        1着 - 東京優駿(G1)、ジャパンC(G1)、札幌3歳S(G3)、共同通信杯(G3)
 |   |        2着 - 天皇賞(春)(G1)、阪神大賞典(G2)、ラジオたんぱ杯3歳S(G3)
 |   |        3着 - 皐月賞(G1)、札幌記念(G2)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/1998101786/

 どうも受賞歴の記載の時点で、自動化したソフトか手作業かなにかでミスして、血統表にも掲載された…という流れである模様。いずれによ「なぜこんな間違いを…?」というものではなありますが、最初見たときよりは理解できるミスになっています。



2025年11月11日火曜日

ルメール騎手が有馬記念で史上初16番枠で馬券圏内、スターズオンアースで 何がうまいのか?

■2023/12/25 ルメール騎手が有馬記念で史上初16番枠で馬券圏内、スターズオンアースで 何がうまいのか?
■2017/01/05 ルメール騎手はやっぱりうまい? 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20
■2012年11月22日 マイネルクロップ人気薄で3着(ルメール) 私見騎手評価ランキング ベスト20


■2023/12/25 ルメール騎手が有馬記念で史上初16番枠で馬券圏内、スターズオンアースで 何がうまいのか?

 2023年の有馬記念は武豊騎手騎乗のドウデュース(牡4歳)が最終コーナーで外を回って仕掛けると、直線で前をとらえてV。単勝2番人気は正直過剰人気だと思っていたのですけど、文句なしの復活です。
 1番人気で川田騎手騎乗のジャスティンパレス(4着)も後ろでしたが、微妙な位置取りの違いや仕掛けるタイミングなどで武豊騎手のうまさが際立ちました。川田騎手は個人的には結構好きな騎手だったんですけどね…。

 一方、私が買っていたのは、単勝7番人気のスターズオンアース(牝4歳)。ジャパンC3着でこちらでもまた来るのは無理じゃないか、これですら過剰人気では?と思いつつも、ルメール騎手が気になって単複購入。1着まで期待させるような走りの2着。しかも、内ラチに当たってたそうで、本当惜しかったです。
 私は全然知らずに購入したんですけど、16番枠は鬼門だったらしいですね。<【有馬記念】鬼門16番枠から先行策に出たスターズオンアース2着も…ルメール騎手「枠は関係なかった」>(12/24(日) 17:03配信 馬トク報知)で知りました。

<16番枠は過去1度も3着以内がなかったが、初めて馬券圏内に好走した。
 クリストフ・ルメール騎手(スターズオンアース=2着)「16番からいいポジションをとれた。スタートで力をロスしなかった。そのあともずっとマイペースで走れて、最後は伸びてくれたが内にもたれてしまった。直線でずっと右に行っていた。それで負けました。枠は関係なかった」
 高柳瑞樹調教師「ゲートは最近出てくれているし、無理せず位置をとれたのは良かった。3コーナーで内にもたれてラチに接触。バランスを崩したし、最後の直線も内にもたれた。フェアリーSのときひどかったけどそれ以降はなかったが、今日はロスのあるところが出てしまった。この後は放牧に出して考える」>
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e1ab3d14c20f18116a42a69eed24e48910a4e99

ヤフーニュースのコメント
<2着とはいえ素晴らしい走りでした。大外枠でどうするのかと思ったら、スタートを決めて2番手につけるとは本当に驚いた。その後もリズムを崩さずに走らせて最後までわからない勝負まで持ち込んだ(中略)。
東京向きのスターズオンアースをしかも大外で2着に持って来れるのはルメール騎手以外ではできなかったでしょう。やっぱり一流騎手は不利な条件でも最善を尽くして乗れるんだなと改めて思いました。>
<16番で勝つならこの戦法しかないというかルメールならやると思った。ディープに勝つ為にディープより前で競馬をする。と同じだよね。>
<超一流のジョッキーには枠は関係なかったですね。去年のダービーも大外18番からイクイノックスを2着に持ってきたルメールなら必ず最高の走りをしてくれると信じてた。>
<武豊のジョッキーカメラ見たけど
ゴールした後に真っ先にルメールが「おめでとう」と言っていて
この方は人間的にも本当に素晴らしいと思った。>
<枠順抽選会であれだけ落胆してたのにこんな神騎乗を見せてもらえるとはすばらしいとしか言えないです。
無難に外を回してあわよくば馬券内ではなく、勝つにはこれしかないという渾身の騎乗でした。
ただ、もう1人のレジェンドがこれまた凄まじい騎乗だったのは仕方ないです。>

 位置取りの話が出ていましたが、私はルメール騎手はあまりポジションを取りに行かない騎手というイメージ。ガンガン前に行かせる競馬はあまりない騎手でしょう。なので、先行馬以外だと後ろすぎかな?ということもよくあります。今回も強く促したわけではなく、馬が行く気になっていたのを無理に抑えずに、折り合って馬に任せた感じでした。
 ただ、こういう前後ろの位置取りではなく、強い馬との位置関係とか、追い出しのときのために追えるコところにあらかじめ動かしておくコース取りみたいなところは、本当関心しますね。今回とは逆に人気の馬をマークしていて、直前で目標にして交わすといったこともよくやる印象。この場合は、コースも人気馬が勝手に作ってくれることがあり、ちゃっかりそのコースを使って、最後だけ抜くということになります。

 あと、素人なので見ていてもわからないのですけど、最後にちゃんと伸びてくるというのは、馬に負担をかけない余力を残したり、溜めたりする騎乗もうまいんでしょうね。今回の場合、コメントにも出ていた武豊騎手のジョッキーカメラでブレが少なくて驚いたとの声が出ていました。武豊騎手は特に差し馬がうまい騎手というイメージです。
 外国人騎手は最後伸びが違うことが多いのもこういう理由なんですかね。先行馬をバテずに行かせるのがうまいという違うタイプですが、モレイラ騎手のブレの少なさは藤沢調教師が絶賛していたことがあります。


■2017/01/05 ルメール騎手はやっぱりうまい? 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20

 最近はあんまり高得点つけていないんですが、以前、騎乗の得点をつけていて気づいたのが、ルメール騎手がやたら高評価なこと。それで一時期好きでした。以下、その頃の記録。その後に、ブノワ騎手絡みの二つの話もまとめます。昔の私見騎手評価ランキングで、ルメール騎手がお気に入りになったあたりのをセットにしました。

・2012年11月11日 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20(全67騎手中)
順位騎手名評価リーディング変動前回
1松岡243.4219-1
2ウィリア183.2846-2
3大庭233.22圏外-3
4藤岡佑193.2134-4
5木幡153.244-5
6川須223.1815△39
7石橋脩183.1725▼16
7柴山183.1741▼16
9ルメール153.1372△716
9国分恭153.1346△110
11勝浦173.1233▼110
12太宰183.1128-12
12三浦183.119-12
12中舘193.1119-12
15津村223.0935-15
16古川123.0850△117
17戸崎圭143.0761▼98
17和田303.0711△118
19大野183.0624-19
19江田照183.0652-19
21佐藤哲203.0531-21
21田辺223.0523-21
23高倉24342圏外圏外
23嘉藤12376-23


 複勝率ランキングでもジャンプアップでしたが、ルメール騎手が7ランクアップの9位。外国人騎手は見るチャンスないので集中的に見て、今週は4レース見ました。2レースは3点で、良かったのは、「ダノンウィスラー12/11/10 京都12R 3歳上1000万下 16:20芝1600」。いつもは差している馬を2番手で競馬。しかも、ゆるゆるで楽に行かせる好判断、好騎乗。危なげなく勝利。これは4点じゃなく5点にしました。
 逆にマイナスだったのは、「ディアマイベイビー12/11/10 京都11R ファンタジーS(G3) 15:45芝1400」。完全に出遅れ、さらに引っかかって前まで。気性の問題だろうなとは思うものの、出遅れは自動的に減点なのでルール通り2点。仕方なかったと思うので、1点にはしませんでした。


■2012年11月22日 マイネルクロップ人気薄で3着(ルメール) 私見騎手評価ランキング ベスト20

私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20(全67騎手中) 
順位騎手名評価リーディング変動
1松岡243.4219-
2ルメール183.3367△7
3ウィリア183.2848▼1
4大庭233.22圏外▼1
5木幡153.244-
6藤岡佑213.1934▼2
7川須243.1714▼1
8柴山193.1641▼1
8石橋脩193.1626▼1
10国分恭153.1348▼1
11勝浦173.1233-
12太宰183.1126-
12中舘193.1119-
14津村223.0934△1
15古川123.0848△1
16和田313.0711△1
17大野183.0624△2
18三浦193.059▼6
18佐藤哲203.0529△3
18田辺223.0523△3
21戸崎圭16357▼4
21福永2735圏外
21吉田隼26310圏外
21藤懸13362圏外

 ルメール騎手って別に好きじゃなかったし、特別印象なかったんですが、この秋は見るレース見るレースいいなぁと。好きになったかも。今週末は3レース見て、4,4,5点という完璧な得点でした。

アグネスフィズ12/11/17 京都7R 2歳新馬 13:20芝1600
 スタートで自動4点。ダッシュよく前へ行って先手。

アルバタックス12/11/17 京都5R 2歳未勝利 12:20芝1800
 もともと人気の馬だけど、前走(確かこのときはもっと後ろだったはず)より前目につけたのが良かった。スムーズに3着。前走2着であり、悪化だけど騎乗の私好みはむしろこちら。また、ハイレベル未勝利でもあったしやむなし。

マイネルクロップ 12/11/17 京都9R もちの木賞(500万下) 14:31ダ1800
 今までは前に行く競馬していた馬。しかし、今走は前に馬が集中して外目だったこともあり、無理せず中団から。良い判断だと思った。ワタシ好み。そこからすっと最内に入れて、最後もロスせずに追って3着。7番人気3着だし良かった。



2025年11月10日月曜日

大馬鹿国税局がギャンブル終了宣言 当たり馬券に脱税だと税金要求、1億円の利益で5億7千万円の納税

■2012/11/30 大馬鹿国税局がギャンブル終了宣言 当たり馬券に脱税だと税金要求、1億円の利益で5億7千万円の納税
■2013/2/9 大阪馬券脱税事件 競馬システム・公営ギャンブル崩壊でノミ屋横行のおそれ
■2012/12/5 当たり馬券で税金不払いは「脱税」という大阪国税局の見解は妥当なのか?
■2013/2/3 大阪国税局脱税事件は実は馬券回収率105%未満 1億4000万円の利益でも
■2013/2/8 大阪馬券脱税事件「外れ馬券は経費ではない。自業自得」と懲役1年を検察が求刑
■2013/2/10 大阪はずれ馬券脱税事件の男性 勤務先を退職に追い込まれて無職
■2013/5/23  外れ馬券を必要経費と初判断 判決は有罪も実質勝訴

 古い話なのですが、ハズレ馬券裁判の過去投稿のまとめです。



■2012/11/30 大馬鹿国税局がギャンブル終了宣言 当たり馬券に脱税だと税金要求、1億円の利益で5億7千万円の納税
-----引用 ここから-----

当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判
(2012年11月29日14時45分  読売新聞)

 競馬の馬券配当で得た所得を申告せず、2009年までの3年間に約5億7000万円を脱税したとして、所得税法違反に問われた会社員男性(39)が大阪地裁の公判で無罪を訴えている。

 配当を得るための「必要経費」には膨大な外れ馬券の購入額も含めるべきで、当たり馬券だけから算定したのは不当と主張。国税関係者は「競馬の必要経費が法廷で争われるのは例がない」と審理の成り行きを注視している。

 国税当局は、必要経費について「収入の発生に直接要した金額」と定めた同法を根拠に、競馬の場合は当たり馬券の購入額のみと判断。配当額から必要経費を差し引いた所得を「一時所得」とし、一般的には給与以外の所得が年20万円を超えれば確定申告が必要になるという。

 男性の弁護人らによると、男性は07~09年の3年間に計約28億7000万円分の馬券を購入。計約30億1000万円の配当を得ており、利益は約1億4000万円だった。

 大阪国税局は税務調査の結果、配当額から当たり馬券の購入額を差し引いた約29億円を一時所得と認定したとみられ、無申告加算税を含む約6億9000万円を追徴課税し、大阪地検に告発。地検が在宅起訴した。

(略)弁護側は「外れ馬券も含めた購入総額こそが必要経費。一生かかっても払えない過大な課税は違法性があり、無効だ」と反論した。(略)

 男性の弁護人らによると、男性は会社員としての年収が約800万円。04年頃、競馬専用の口座を開設して約100万円を入金し、競馬予想ソフトを使って、過去の戦績などから勝つ確率の高い馬を選ぶ方法を独自に開発した。馬券の購入にはインターネットを利用し、仕事のない土日に全国の中央競馬のほぼ全レースで馬券を買い、配当収支の黒字が続いていた。

 その配当金は自転車操業的に次の購入資金に充てており、口座には週明けに馬券の購入総額と配当総額の差額が入金。このため残高が数十億円単位になることはなかったという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121129-OYT1T00868.htm?from=y24h
-----引用 ここまで-----

 これ、競馬の知識ない記者と人の感想で的はずれなことになっていますが、競馬の税金は普通こうなっていたはずです。

-----引用 ここから-----税金対策と節税対策ガイドTOP > その他の税金と確定申告 > 競馬(馬券)の税金と確定申告
競馬(馬券)の税金と確定申告

競馬の場合、「払戻金-当たり馬券の購入費」が50万円超であれば一時所得の課税対象となり、確定申告して税金(所得税+住民税)を納付しなければなりませんが、この「当たり馬券の購入費」とは、的中した馬券のみしか認められませんので、仮に1万円で5点、5万円分、別々の馬券で同じレースに購入していた場合、1点が的中した場合は、その1万円のみしか当たり馬券の購入費として認められないのです。


もちろん、その他のレースのハズレ馬券は当たり馬券の購入費としては認められません。

http://www.zeikin-taisaku.net/2008/03/post_158.html
-----引用 ここまで-----

 高額の配当があったときだけなんですね。ですから、普通は超万馬券のときだけだったはずなんですよ、問題は。しかし、記事では一切その話が出てきませんので、よくわかりません。

 最初のケースの場合、超万馬券じゃなくとも購入額が高いようですので、そうなれば1回の馬券でもこの「50万円超」を満たす可能性があります……ありますが、よくわからないですね。

 掲示板で「~の単勝に~百万円ぶっこむ」などと書いている人も、本当に買っていればこのパターン。
 どちらにしても読売新聞のタイトルは誤解を招くタイトルで、編集は内容を理解していないのかも。


 別記事。

-----引用 ここから-----

脱税:競馬の5.7億円 ハズレ券、経費と認めず

毎日新聞 2012年11月29日 16時50分(最終更新 11月29日 17時52分)

(略)男は総額28億円もの馬券を購入し、1億円を超す利益を得ていたが、大阪地検は外れ馬券の購入額を必要経費と認めず、実際のもうけを大幅に上回る脱税額で立件した。

(略)起訴とは別に、男は05〜09年分の競馬での払戻金について約10億円(地方税も含む)の課税処分を受け、大阪国税不服審判所に審査請求している。

 男は、競馬のもうけのうち約7000万円を株や投資信託につぎ込んだが、リーマン・ショックで損失を出したという。現在は妻子を抱えながら、手取り約30万円の月給から約8万円を税金支払いに充てている。

 大阪国税局によると、一般のサラリーマンは給与所得以外の所得が年間で20万円以上だと確定申告する必要がある。競馬の払戻金については、検察側や国税当局の運用に沿った場合、当たり馬券購入額を差し引いた金額が年間で90万円以上だと申告義務が生じる。宝くじの当選金は非課税だ。【牧野宏美】

http://mainichi.jp/select/news/20121129k0000e040225000c.html

-----引用 ここまで-----

 うーん、20万円は普通の雑所得、副収入の話ですね。上の理解は違うのかな?
 この話を額面通り受け止めるとこうなります。

-----引用 ここから-----
はてなブックマーク > 人気・新着ニュース > 当たり馬券配当30億円、外れは経費
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.yomiuri.co.jp/national/news/20121129-OYT1T00868.htm

kz78
この税務所の論理ならトータルでマイナスになってても納税義務が発生するわけで公営ギャンブル全滅じゃね?ついでに全国のパチンカーに適用したらものすごい税収になるんじゃね? 2012/11/29

yP0hKHY1zj
アホな法律ってことで有名な話だけど、実際指摘されることは無いだろうって思ってた。これがまかり通れば勝ってようが負けてようが競馬好きは多額の税金を払わないとダメってことになる。 2012/11/29
-----引用 ここまで-----

 間違いなくギャンブルは成り立たなくなります。この人は勝っていましたが、勝ち負けは関係ありません。負けでも徴収されるのです。
 1年間で30万円買うとします。1週間で6000円くらいですから、十分あり得るでしょう。

 この30万円で回収率70%とすると21万の払い戻し。9万円のマイナスですが、払い戻しの21万円に税金がかかるのです。頭おかしいですよ、これは。

-----引用 ここから-----

Ceron.jp[セロン]
http://ceron.jp/url/www.yomiuri.co.jp/national/news/20121129-OYT1T00868.htm

 RIKI
tw 10:13
国税局は馬鹿なのか・・・一般人の常識で判断したら、28億7000万円分の馬券を購入して約30億1000万円の配当をもらい、利益が1億4000万円の相手に6億9000万円の税金って? 当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判

えびいち
tw 09:30
国税局の無茶ぶりがひどい。競馬でトータル黒字になるのはスゴイ。 / “当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)”

Liang
tw 09:25
これで被告が負けたら誰も公営ギャンブルやらなくなるんじゃなかろうか 当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

とみたまさひろ
tw 07:46
国税局の言い分だと、トータルで赤字であっても勝った分は税金払えってことだよな。それは厳しいな。 / “当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)”

-----引用 ここまで-----

 あとみんなで確定申告をし出すと、今の一部の人しかしていない申告システムはパンクします。

 政治的な話題になっちゃいますが、国民すべてが確定申告するというのは悪くないことだと思っています。ただ、今はそれを想定しておらず、現実的ではないんですよね。


 本当、国税局頭悪くないですかね?



■2013/2/9 大阪馬券脱税事件 競馬システム・公営ギャンブル崩壊でノミ屋横行のおそれ

 正規が損だからと違法なことをしちゃいけないんですけど、そうは言ってもやる人が出てくることが予想できます。

-----引用 ここから-----
馬券脱税で懲役1年求刑、有罪ならノミ屋が横行も 正規購入は損?  
2013.02.08

 馬券で稼いだ所得を申告しなかったとして、所得税法違反罪に問われている元会社員男性(39)の論告求刑公判が7日、大阪地裁で開かれ、懲役1年が求刑された。儲けをはるかに上回る追徴課税や『外れ馬券は経費に認められるか』という司法判断に注目が集まり、この日の法廷には100人近い報道陣や競馬ファンが殺到、傍聴席があふれ返る騒ぎに。検察の厳しい姿勢に弁護側は「あきれた求刑。被告にとってあまりに過酷」と憤っている。 

 男性はレースデータを基に独自の予想ソフトを開発。インターネット投票でオッズをにらんで賭け金の配分を変える『大量買い』で毎レース少しずつ儲ける馬券購入を繰り返し、2009年までの3年間に約28億7000万円分の馬券を購入、計約30億1000万円の配当を得た。儲けは約1億4000万円だが、国税局は当たり馬券の購入費約1億3000万円のみを経費として、28億8000万円が課税対象に当たると判断。脱税額を5億7000万円とし、男性は地方税などを含め約10億円の課税処分を受けた。(略)

 弁護側の中村和洋弁護士は公判で「あまりに形式的で無責任な判断」としたうえで「営利目的で一定の利益をあげており、外れ馬券も所得を生み出す原資で必要経費」などと主張。これに対し検察側は「仕事じゃないでしょ」「投資に当たらない」と反論、まったくの平行線をたどった。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130208/dms1302081534018-n1.htm
-----引用 ここまで-----

 法律上は確かに苦しいと思うんですけど、常識的に考えるとおかしいです。
 たとえば、1日に500円の馬券を20回の1万円分買って、1回だけ20倍の馬券が当たり1万円の払い戻しを受けたとします。
 普通に考えると今日はトントンだと考えるんですけど、検察の主張は500円買って1万円の払い戻しだから「9500円も儲かった!」というものです。
 これがさらに少ない8000円の払い戻しだったりすると、普通マイナス2000円だと考えるところを、検察国税庁理論なら「7500円もプラスだったよ、やったね!」となります。
 アホだろ?

 この件は実は個人の問題だけでなく、かなり深刻な問題です。

-----引用 ここから-----
 中村弁護士のもとには競馬ファンから男性に対する励ましの電話やメールが殺到しており、「競馬はファンの支えがあって成り立っているのに有罪判決が出ると誰も馬券を買わなくなる。当初は法解釈の問題だけと思っていたが、だんだん競馬産業に関わる重大な問題だと気づいた」と話す。課税処分の取り消しを求めた民事訴訟を起こしたことも明らかにした。

 日本中央競馬会(JRA)法では売り上げの10%は国庫に入ると定められており、「もともと税金を納めている。今回の求刑は横暴だ」という認識の競馬ファンも少なくない。取材にあたっていた競馬ジャーナリストは「もし有罪判決が出たら、ノミ屋が横行する恐れも。正規で馬券を購入しても損をするだけと考えるファンも出てくるでしょうから」と話す。
-----引用 ここまで-----

 昨今は馬券の売上減少があるものの、日本は他国と比べて一般競馬ファンが多く、胸を張っていい発展を遂げてきたと思います。ただ、それももう今回の件で終わりかもしれません。

 一般ファンは普段あまり意識していないかもしれませんけど、馬券の売上はダイレクトに賞金(確か翌年の賞金)に響いてきますので、馬券の売り上げが減れば体力の少ない馬主は撤退していきます。

 赤字だらけでも続けるという馬主は少ないでしょうし、一口馬主(厳密には馬主ではなく投資)みたいな事業も成立しなくなります。

 日本の競馬界をぶっ壊す暴挙です。

■2012/12/5 当たり馬券で税金不払いは「脱税」という大阪国税局の見解は妥当なのか?

 ダイヤモンド・オンラインでこれについて書いている記事を見つけました。

-----引用 ここから-----
2012年12月5日 ダイヤモンド・オンライン 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
競馬をめぐる羨ましくも可哀想な話

競馬から得た収益に関して、一競馬ファンとしての筆者は、「基本的には一時所得であり、年間20万円を超えると確定申告が必要な課税対象だが、普通は損することの方が多いし、馬券による所得は捕捉されにくく、“現実問題として、課税されることはない”」と聞かされることが多かった。

いくらか熱心な競馬ファンなら、年間20万円を超える払戻金を受け取ることはあるだろう。筆者だって十分可能性はある。しかし通常は、毎年(そして通算も)、馬券収支はマイナスだろう。今回の例から判断すると、こうした普通に熱心な程度の競馬ファンも、脱税犯になる可能性があるということだ。
http://diamond.jp/articles/-/28888?page=2
-----引用 ここまで-----

 あら、やっぱり通常の雑収入として考えるんですね。ただ、この書き方はプラスが20万円ってことかな?
 大阪国税局の考え方はプラスマイナスに関係なく、払い戻し金の合計が20万円だと思うんですけど。

-----引用 ここから-----
では、「外れ馬券の購入費は経費ではない」という大阪国税局の見解は、どの程度妥当なのか。

ズバリ筆者の意見を言うなら、馬券を買った時点では、どの馬券が当たるかはわかっていないのだから、仮に馬券の所得が課税対象となる所得だとしても、外れ馬券の分も含めて、馬券の購入費用は「経費」でいいと思う。

馬券を買わなければ、競馬で儲かることはない。そして、馬券は儲けることを目指して買う。購入した時点では、平等に経費とすべきものではないか。

企業では、結果的に収入につながらなかった客を接待した経費でも、一定の条件の下で経費だ。結果的に儲けを生まなかった製品の研究費や製造設備にかけた費用も経費である。

後から遡って、儲けに繋がった直接的なコストだけが税務上の経費で、利益計算上売り上げから差し引くことができるのはこの経費だけだ、とされるなら、ビジネスはあまりに難しい。

まして、競馬で儲けることは普通のビジネスで儲けることよりもはるかに難しいのだから、今回のような経費に関する判断は、一定規模以上の(年間に20万円以上儲かる可能性がある程度の)馬券購入を、税制上強力に抑制しようとしているに等しい。

われらが大阪馬券王氏は、本件の課税が不適切であるとして、大阪地裁に訴訟を起こしている(これは当然と思える)。「経費」に関する論点は前記でほとんど尽きていると思うのだが、裁判を通じて、大阪国税局が屁理屈を言うかも知れないので、もう一つ細かな話を付け加えておこう。
-----引用 ここまで-----

 意外なことにむしろ当然といった書き方で、大阪国税局の方が屁理屈だとしています。私はキツイんじゃないかな?と思っていました。

-----引用 ここから-----
たとえば、1つのレースでM番の馬の単勝馬券(1着を当てる馬券)を買うのと、「1着がM番で2着がN番」という馬番単勝馬券(通称「馬単」)をN通り、購入資金を加減しながら買うのとでは、馬券における裁定が正しく働くなら同等の賭けにすることができる。

しかし、馬券が的中することを考えると、当たり馬券の倍率が大きい一方で、外れ馬券の購入額が大きい馬単馬券の組み合わせを購入することは、課税面で不利だということになる。

実質的に同じ内容の賭けの的中に対して、課税が異なるというのはおかしくないか。結果的に外れになる馬券の購入も含めて、1つの戦略として馬券を買うのであり、購入した馬券全体が配当収入の獲得を目指しているのだ。
-----引用 ここまで-----

 わかりづらいけど、馬単を総当りで買って単勝の代用とするってことでしょうね。まあ、こっちの方が大阪国税局理論では不利なんですが。
 どうなんでしょうね?あんまり芳しくない気がしますけど……。




■2013/2/3 大阪国税局脱税事件は実は馬券回収率105%未満 1億4000万円の利益でも

  そういや計算していなかったかも。以前書いたこの件です。記事をもう一度引用。

-----引用 ここから-----
当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判
(2012年11月29日14時45分  読売新聞)
 男性の弁護人らによると、男性は07~09年の3年間に計約28億7000万円分の馬券を購入。計約30億1000万円の配当を得ており、利益は約1億4000万円だった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121129-OYT1T00868.htm
-----引用 ここまで-----

 28億7000万円 ÷ 30億1000万円 = 1.049
 つまり回収率は104.9%。ほぼ105%ですけど、その程度。意外に大したことありません。

 逆に言えば、これだけの薄利なのに長年かけ続けていたというわけで、相当に肝っ玉がある人だと思います。
 というのもこれだけギリギリとところだと連続で外した場合には、かなりの金額を減らすところまで行っていたんじゃないかと思われるためです。普通、そんなに外したらやめちゃいますよね。

 ただ、まあ、これだけの長期でプラスならやはり立派です。私は一度年間収支でプラスになっただけで、あとは単年度でも全部赤字です。
 短期間でまぐれ的にプラスになっても、数年のスケールでプラスというのはなかなかできないと思います。素晴らしいですね。


■2013/2/8 大阪馬券脱税事件「外れ馬券は経費ではない。自業自得」と懲役1年を検察が求刑

-----引用 ここから-----
 外れ馬券は経費か否か、検察側が懲役1年を求刑
[中央競馬] 2013年02月07日(木)18時00分

 7日、2005年~2009年の期間に馬券で稼いだ所得・約30億1000万円の払戻金(購入金額は約28億7000万円)を申告せず、5億7000万円あまりを脱税したとし、所得税法違反に問われた大阪市の男性(39)の論告求刑公判が大阪地裁(西田真基裁判長)で行われ、検察側は懲役1年を求刑した。なお、判決は5月23日。

 検察側は、「馬の勝ち負けは1レースごと。外れ馬券は儲けの原資に当たらず、経費ではない。外れ馬券が経費にならない可能性を認識していたのに、本来納税すべきものを新たな馬券購入に充てたのは自業自得だ」などと指摘した。

 一方の弁護側は、「外れ馬券も所得を生み出す原資。配当金は偶然に得られた一時所得ではない。一生払いきれないほどの課税は違法で、外れ馬券も経費に認めるべきだ」と無罪を主張した。また弁護側は、国税当局の課税処分の取り消しを求め、大阪地裁に民事訴訟を起こしたことも明らかにした。

 この裁判は、男性側が2009年までの3年間での実質的な馬券の儲け額である、約1億4000万円に対して納税するものであると主張。これに対し、摘発した大阪地検は、「収入を生じた行為のために直接要した金額」を必要経費と規定する所得税法に基づいて、男性が馬券で得た利益、約1億4000万円を含めた(購入金額)約28億7000万円分も、本来の課税対象額であると指摘している。

 つまり、実際の儲けの約20倍にも及ぶ約5億7000万円にも及ぶ申告漏れの指摘は、(外れ)馬券の購入費を経費に認めない事が前提とされる事からも、競馬ファンをはじめ、他の公営ギャンブルのファンなどからも注目が集まっている。

 なお、競馬や競輪による所得は「一時所得」に当たり、一定額以上は課税対象となる。
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=72440&category=A
-----引用 ここまで-----

 「自業自得」って本当憎らしいですね、検察は。

-----引用 ここから-----
「外れ馬券27億円も経費だ」脱税裁判で求刑1年に「理不尽な課税」
スポーツ報知    2013年02月08日08時05分

 一方、弁護側は「競馬を全く理解していない」と猛反論。「一般の競馬愛好家も流し買いなど的中率を高める買い方をしているのは常識。外れ馬券も収入を生む原資になっており、経費に含めるべき」とし、男性の馬券購入は「営利を目的とする継続的行為」として損失を経費算入できる雑所得と主張した。さらに、検察側の主張が通れば「競馬のシステムそのものが崩壊を招きかねない。売り上げが激減する」とも指摘した。
http://news.livedoor.com/article/detail/7392181/
-----引用 ここまで-----

 競馬システムうんぬんについては、他の懸念も出ているんですけど、それはまた別で。

■2013/2/10 大阪はずれ馬券脱税事件の男性 勤務先を退職に追い込まれて無職

 何回書くんだ?って感じですけど、まだネタがあるので追加。

-----引用 ここから-----
外れ馬券は必要経費か…きょう結審
 [2013年2月7日8時38分 紙面から]

 「このままでは、みんなが馬券を買うのをやめる」「競馬が衰退してしまう」-。男性の弁護人を務める中村和洋弁護士のもとには初公判以来、数十件のメールや電話が届いているという。(略)

 男性は、株式の損失や約6800万円の納税で貯蓄も底をつき、手取り約30万円の収入で妻子を養いつつ毎月約8万円の納税を続けているという。中村弁護士は「もう手元には何もない状態。納められない不可能な課税はナンセンス」と指摘する。裁判は早ければ3月にも判決が出る。
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20130207-1081975.html
-----引用 ここまで-----

 「納められない不可能な課税」ってのは確かにめちゃくちゃです。また、以前も書いたようにこれはマイナスであっても課税するということです。

-----引用 ここから-----
 ◆マイナスでも課税!? 外れ馬券が経費と認められなければ、馬券収支がマイナスでも課税される可能性も出てくる。年間の配当金総額から当たり馬券の購入額だけを差し引いて90万円以上になる場合は、確定申告の上で納税の義務がある。例えば年間150万円の馬券を買って払い戻しが100万円しかなくても、的中馬券の購入額が10万円未満であれば、50万円の損失に加えて所得税まで納めなければならない。
-----引用 ここまで-----

 あれ、これは雑所得の20万円じゃなくて90万円で計算していますね。何か情報が錯綜しまくっています。また、「手取り約30万円の収入」は既に消えています。

-----引用 ここから-----
外れ馬券裁判、「自業自得」と懲役1年
 [2013年2月8日8時46分 紙面から]

 さらに男性は、1月末で勤務先を退職に追い込まれていた。原因は所得税法違反に問われたことで、上司から「取引先に知られては困る」などと退職を勧められたという。妻子を抱え、すでに約6800万円の納税などで貯蓄は底をついている。先月までは毎月の手取り約30万円の給与から約8万円を納税していた。

 弁護人の中村和洋弁護士は「今後は決まっていない。(税金は)払える範囲で払うしかない」と説明。求刑には「あきれました」と口にした。

 徹底抗戦の構えは崩していない。弁護側は課税処分の取り消しを求める民事訴訟を1月25日に起こしたことを明らかにした。配当金は偶然に得られた「一時所得」ではなく、先物取引などと同様に損失を経費に算入できる「雑所得」だと指摘。その上で「さまざまな種類の馬券を購入し回収率を上げている。外れ馬券も収入を生む原資で経費に認めるべき」と反論。無罪を主張した。

 男性は意見陳述で「理不尽な課税が(国税庁やJRAによって)周知されていないことも問題。判決を見守っている人は多いと思う。適正な判決を願います」と訴えた。【太田尚樹】
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20130208-1082366.html
-----引用 ここまで-----

 私は違う数字を出していたんですけど、初期の解説は雑所得の20万円枠を使っていました。それだと検察の主張と異なるんでしょうね。

-----引用 ここから-----
「外れ馬券27億円も経費だ」脱税裁判で求刑1年に「理不尽な課税」
スポーツ報知    2013年02月08日08時05分

 ◆一時所得 所得税法が定めた10種類の所得の一つで、会社での勤務や事業経営といった継続的行為で得たものではなく、一時的なもうけが対象。競馬や競輪の払戻金や、懸賞などの賞金、生命保険の一時金などが該当する。宝くじやサッカーくじの当せん金は非課税。税額は、一時所得全体から直接かかった経費と特別控除額(年間最高50万円)を引いた額の半分を基に計算する。
http://news.livedoor.com/article/detail/7392181/
-----引用 ここまで-----

 ここを見ると50万という数字が出てきています。わけわからんです。

■2013/5/23  外れ馬券を必要経費と初判断 判決は有罪も実質勝訴

 私はてっきり国税局寄りの判決だと思っていたので驚きました。

-----引用 ここから-----
外れ馬券:経費と認める初判断 脱税は有罪…大阪地裁
毎日新聞 2013年05月23日 10時44分(最終更新 05月23日 16時26分)

 競馬の所得を申告せず、3年で約5億7000万円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われた元会社員の男(39)=大阪市=の判決が23日、大阪地裁であった。西田真基裁判長は大量の馬券を自動的に繰り返し購入した場合、競馬の所得は「雑所得」に当たり、全ての外れ馬券の購入費が経費になるという初の司法判断を示した。無申告の違法性は認め、懲役2月、執行猶予2年(求刑・懲役1年)の有罪としたが、脱税額を約5000万円に大幅減額した。
http://mainichi.jp/select/news/20130523k0000e040151000c.html
-----引用 ここまで-----

 以前も書いたように無申告が有罪なのは間違いありません。それは当然なんですが、まさか会社員寄りの判決で、しかも雑所得とまで認めてくれるとは思いませんでした。これは想定した中でも相当良い部類の判決でしょうね。

 ただし、普通は「一時所得」という線は崩していません。

-----引用 ここから-----
 判決は馬券の所得を一般的に「一時所得」とした上で、「元会社員は多数、多額、機械的、網羅的に馬券を購入しており、雑所得に当たる」と認定した。

 判決によると、元会社員は市販の競馬予想ソフトを改良した独自のシステムを構築。専用口座を開いて、インターネットでほぼ全レースの馬券を自動的に購入していた。2007年からの3年で購入した馬券は計約28億7000万円分で、計約30億1000万円の払戻金を得た。収支は計約1億4000万円の黒字だった。

 検察側は競馬の所得は一時所得であり、当たり馬券の購入費約1億3000万円だけが経費として控除できると主張、元会社員の3年間の所得を計約29億円と主張していた。

 判決はまず、「馬券の払戻金は偶発的、偶然に入り、継続性は認められず、一時所得に当たる」とした。しかし、「元会社員は無差別に一定の条件で網羅的に購入し、多額の利益を得ていた。元会社員は娯楽ではなく、資産運用の一種ととらえていた」と指摘、外国為替証拠金取引(FX)などと同じ雑所得に分類した。

 そして、払戻金から全ての馬券の購入費を経費として差し引いた、実際のもうけである約1億4000万円を競馬の所得と結論付けた。

 弁護側は「継続的な馬券購入によるFXで得た利益などと同様の雑所得に当たる。外れ馬券の購入費も経費となり、課税処分は無効」と無罪を訴えていた。【内田幸一】
-----引用 ここまで-----

 実質勝訴といった書き方は以下。

-----引用 ここから-----
外れ馬券を実質「経費」と認定、元会社員は有罪 外れ馬券は経費か否か
[中央競馬] 2013年05月23日(木)17時20分 ネット競馬

 この裁判の最大の焦点でもあった課税額については、大阪地検は約5億7000万円分が課税対象にあたるとしていたが、判決では(利益を得た約1億4千万円に対しての)約5200万円と認定するなど、被告側の主張が汲まれた形となった。

 裁判では、大阪地検が「収入を生じた行為のために直接要した金額」を必要経費と規定する所得税法に基づき、馬券で得た利益である約1億4千万円だけではなく、購入金額である約28億7000万円分についても、本来の課税対象額であると指摘し、懲役1年を求刑。

 一方の男性側は、2009年までの3年間での実質的な馬券の儲け額である、約1億4000万円に対して納税するものであると主張。「外れ馬券も所得を生み出す原資。配当金は、偶然に得られた一時所得ではない。一生払いきれないほどの課税は違法で、外れ馬券も経費に認めるべきだ」と、無罪を主張していた。

 今回の判決は、競馬や競輪による所得は本来「一時所得」にあたるため、一定額以上は課税対象となっており、これを怠った男性側の違法性を認めた形となった。しかし、検察側の指摘である5億7000万円分の課税については「(利益を得るための回転資金である)外れ馬券は経費にあたる」という被告側の主張が認められ、脱税額は約5200万円と大幅に減額している。

 また、裁判後、元会社員は中村和洋弁護士(大阪弁護士会)を通して「主張を全面的に認めていただき、納得している。無申告だった責任は果たしたい」と、控訴しない旨のコメントを発表した。
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=75694
-----引用 ここまで-----

 ただ、彼は例外とのことですから、依然として問題は残ります。

-----引用 ここから-----
初判断「外れ馬券は必要経費」 元会社員、有罪も脱税額10分の1に ― スポニチ Sponichi Annex 社会[ 2013年5月23日 10:12 ]

 一般的なサラリーマンの場合、一時所得のもうけが年90万円を超えると申告義務が生じる。
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/05/23/kiji/K20130523005861601.html
-----引用 ここまで-----

-----引用 ここから-----
外れ馬券は「経費」判決 元会社員が実質勝訴 | 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社

 弁護人も「主張を全面的に認めていただいた。実質勝訴という理解でいいです」。ただ、「一般的には雑所得でない。彼のような買い方をしている人は例外。ただちに外れ馬券が経費になるものではない。個人的な見解ですが競馬ファンが安心して競馬ができる制度が必要だと思います」と税制の見直しを訴えた。
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/145884/
-----引用 ここまで-----

 これを機に税制の見直しに動いていただけると良いんですけどね。
 そうすると、逆にJRAや競馬ファンへの負担が増える可能性もありそうですけど…。




2025年11月9日日曜日

欧州三冠なんて言うのは日本だけ?不可思議なレースの組み合わせ

■2021/09/25 欧州三冠なんて言うのは日本だけ?不可思議なレースの組み合わせ
■2021/10/1 フランス人に怒られそうな欧州三冠…英ダービー出走馬の国籍は?


■2021/09/25 欧州三冠なんて言うのは日本だけ?不可思議なレースの組み合わせ

 世界三大夜景…など、三大なんとかが大好きなのは、どうも日本人だけっぽいですね。世界三大夜景なんかも海外では言われていない感じでした。
 一方、競馬のクラシック三冠は、珍しく本場の海外競馬からの輸入品で、日本オリジナルではありません。ただ、同年に英ダービー、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS、凱旋門賞を制覇するという「欧州三冠」の場合はやはり「日本オリジナル」ではないか?と思いました。
 そう思ったのは、<「欧州三冠」が有名なのは意外にも日本だけ!? 同年に無敗達成はわずか1頭のみ、サンデーサイレンス最大のライバルといわれた馬のあまりにも淋しい悲劇 - GJ>(2021.07.27 黒井零)という記事を見かけたため。この記事タイトルだと、有名ではないだけで「欧州三冠」は海外でもあるように見えたものの、本文は以下の通りで、やはり日本人が勝手に作っただけ…という可能性を感じさせました。

<比較的知られているはずの「欧州三冠」という呼称も、実は日本だけということは意外と知られていないかもしれない。欧州の3大レースを制覇したことを便宜上そう呼んでいるが、そもそもイギリスとフランスのレースが混在していることから分かるように、欧州でこのような表現は一般的ではない>
https://biz-journal.jp/gj/2021/07/post_240571.html

 イギリスとフランスが混在するという不可思議な組み合わせ。さらに、3歳限定戦と古馬混合レースも混在しています。よくよく考えてみると、かなり変な「三冠」の選定です。
 イギリスの馬が英ダービーを制して他も狙う…ならまだあり得そうなものの、フランスの馬ってどれくらい英ダービー行くんでしょうね。もし英ダービーは全然狙っていないとすれば、この欧州三冠の定義にフランス人は不満を感じるかもしれません。

 ところで、記事タイトルの後半<同年に無敗達成はわずか1頭のみ、サンデーサイレンス最大のライバルといわれた馬のあまりにも淋しい悲劇>というのはラムタラのことですね。「悲劇」については後述しますが、そもそも「欧州三冠」を達成したのは2頭しかいません。記事では以下のように難易度が理由としていたものの、そもそもヨーロッパでは意識して狙っておらず、チャレンジする馬が少ない可能性も感じます。

<そんな欧州三冠だが、世界最高峰クラスのレースを同年度に3つ勝たなければならない最高難易度ということもあり、過去に達成したのはわずか2頭のみ。1頭は1971年のミルリーフ。その仔であるマグニテュードからは二冠馬ミホノブルボンが誕生したことでも有名だ。
 もう1頭は「奇跡の名馬」、「神の馬」といわれた95年のラムタラである。こちらはなんと無敗で達成という離れ業をやってのけたのだから、とんでもない偉業といえるだろう>

 一方、ラムタラの「悲劇」というのは、要するに種牡馬成績が悲惨だったという話。ライバルと目されたサンデーサイレンスのシンジケートを遥かに上回った契約は、史上最高額であったそうですが、産駒成績は重賞をやっと1頭勝って終わりというひどさであるなど、種牡馬としては大失敗のままに亡くなったことを言っているみたいですね。

<その後、6年にイギリスに売却されたラムタラの売却額は24万ドル。購入時の3000万ドルから100分の1にも満たない評価で、かつて栄華を極めた欧州へと里帰りする。その後、種牡馬を引退してからイギリスのダルハムホーススタッドで余生を送り、14年7月に22歳でその波乱の生涯を終えた。
 現役時代の名馬が、必ずしも名種牡馬とならないことは、競馬の世界で決して珍しいことではないとはいえ、デビューからわずか4戦で無敗の欧州三冠を制した現役時代の華やかさに比べると、あまりにも悲劇的な晩年だったといえるだろう>


■2021/10/1 フランス人に怒られそうな欧州三冠…英ダービー出走馬の国籍は?

 そもそも英ダービーに、フランスの馬なんか出ないのでは?に関して、とりあえず、2021年の英ダービーの出走馬だけ見てみました。<2021英ダービー(G1)の出馬表が確定 JRA>を見ると、やはりイギリスとアイルランドの馬しか出ていませんでしたね。
 以下の通り、12頭のうち9頭がイギリスで、アイルランドが3頭。競馬の世界では、アイルランドとイギリスは同じ枠内であり、すべて地元の出走馬だと言えます。海外から来る年もあるのでしょうが、基本的には地元の馬が多いのではないかと思いました。

(イギリス)
ユーススピリット    A.ボールディング(英)
アダイヤー    C.アップルビー(英)
ハリケーンレーン    C.アップルビー(英)
ワンルーラー    C.アップルビー(英)
ジョンリーパー    E.ダンロップ(英)
ギアアップ    M.ジョンストン(英)
サードレルム    R.ヴェリアン(英)
モジョスター    R.ハノン(英)
モハーフェス    W.ハガス(英)
(アイルランド)
ボリショイバレエ    A.オブライエン(愛)
サザンライツ    J.オブライエン(愛)
マックスウィニー    J.ボルジャー(愛)
https://www.jra.go.jp/news/202106/pdf/060401.pdf

 こういったほぼ地元の馬限定のレースを入れて、「欧州三冠」としてしまうのは問題があります。そもそも英ダービーを狙う気がないフランスの馬は、欧州三冠をほぼ絶対取れないってことになっちゃいますからね。海外の馬が狙わないレースを入れちゃいけませんよ。
 日本のレースを使った例だと、日本ダービー、ジャパンカップ、香港カップで「東アジア三冠」みたいな感じでしょうか。今はそもそもジャパンカップも国内レース化しているのですが、香港にとってはそれ以上に日本馬しか出ない日本ダービーを三冠にするというのはおかしい!と思うでしょう。欧州三冠は妙な選定でした。