2024年2月17日土曜日

「競馬は、内枠有利」という格言 内枠有利・外枠不利だと錯覚する理由とは?

■2019/04/19 「競馬は、内枠有利」という格言 内枠有利というのは本当か?
■2019/04/19 内枠の勝率は高い!馬番だと内枠有利・外枠不利だと錯覚する理由とは?
■2022/09/20 それでも内枠外枠の有利不利があると信じたい!可能性を考えてみた


■2019/04/19 「競馬は、内枠有利」という格言 内枠有利というのは本当か?

 「競馬は、内枠有利」という格言があるんだそうな。初めて聞きました。ただ、私はほとんど気にしないものの、どちらかというと内枠好きですので、それとは合いますね。
 この格言を知ったのは、【競馬コラム】”内枠が有利”の格言をJRA全レースを使用し、分析・検証した件【不変の法則Part3】 – K-BA LIFEというページ。 なんとJRA全レース(140万データ)を分析したそうです。

 まず枠順の勝率・連対率・複勝率は、おもしろいほど差がなし。ここまでバラけるかというほどきれいにバラけています。 K-BA LIFEさんではJRAの工夫のおかげとされていましたけど、本当見事ですね。偏ってもおかしくないものです。
 ただし、人間の思いが関わってくるので、回収率では差がつく可能性があります。例えば、前述したような「内枠有利」の思い込みがあるためです。
 ところが、こっちも実際にはほぼ差がなし。「内枠を買え 」という法則性を導き出すことができなかっただけでなく、「競馬は、内枠有利」に引っ張られてオッズが狂い外枠の方が儲かるということでもないようです。非常に意外でした。



■2019/04/19 内枠の勝率は高い!馬番だと内枠有利・外枠不利だと錯覚する理由とは?

 こちらでは同様に馬番でも見てくださっています。多少でこぼこするものの、馬番で見ても回収率は法則性を見出すほどの差が出ていませんでした。思ったほどバイアス・思い込みが出ないんですね。
 一方、サイトの方はそれでも「あんまり関係ない」と結論づけていましたが、馬番で見ると、勝率については内枠が高く、外枠が低くなっています。ただ、内枠が高く見えるのには、実はちゃんとした理由がありました。

 この理由は出走頭数の関係。1番と18番で考えるとわかりやすいでしょう。
 言われてみるとそりゃそうだという話ですが、18番の馬は除外取り消しを除いて、ほぼ必ず18頭でレースを争います。なので、枠順で勝率が変わらないのであれば、馬番18番の勝率は18分の1で、5.6%に近い数字となると考えられます。で、実際、そうなっていました。
 もうすでに大体わかるでしょうが、一方で馬番1番の馬の場合は全然勝率5.6%とはなりません。もっと高くなるはずです。
 というのも、18番は18頭立てのレースにだけ出るものの、1番などの若い番号はいつでも必ずありますので、もっと少ない頭数、極端なときには5頭立てのレースなんかでも出走するわけです。5頭立てであれば、勝率は2割程度となると予想されます。
 このように1番などの馬番の若い方はより頭数の少ないレース、つまり、より勝率の高いレースが増えるので、馬番の若い方で勝率が高めに出るんですね。実際に、1~6番は勝率で8%を超えていました。ここらへんで内枠有利と誤解している人もいるかもしれません。




■2022/09/20 それでも内枠外枠の有利不利があると信じたい!可能性を考えてみた

 <【キーンランドC予想】内枠は圧倒的に不利のレース? 今年も狙うのは外枠の牝馬か?>(22/8/28(日) 7:35配信 netkeiba.com)という記事が出ていました。

<過去10年。明らかに「内枠不振」の傾向はある。
 まず、1枠に入った馬で馬券になっているのはわずか1回だけ(13年1着)である。2枠も3回(12年1着・13年3着・18年3着)、3枠も1回(16年2着)だけという明らかな内枠不振傾向がみてとれる。
 枠連の馬券組み合わせとしては「4枠から外枠のボックス」という傾向。4枠5回、5枠3回、6枠5回、7枠7回。8枠5回という馬券圏内成績である。近2年、敗れ去った1番人気馬もそれぞれ内枠だった。人気馬で内枠になるのは避けたいところだ>
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7860b68c46b2c36e867a9d148f7cd466465812a

 前述の結果からすれば、内枠外枠に有利不利はない…ということになりそうですが、一応、可能性としては有利不利がある可能性はあるでしょう。「それでも内枠外枠の有利不利があると信じたい!」という人のために、可能性を考えてみました。

 ひとつは、全体として見れば差がないものの、競馬場と距離を限定したコース単位なら有利不利が見える…という可能性です。いかにもありそうな話でしょう。かなり可能性があると思います。
 ただ、注意しなくちゃいけないのは、この記事みたいに、1つのレースに限定した場合、データ数が少なくて相当信頼性が落ちてしまうということ。特にこの記事では10年しか見ていません。たった10レースです。となると、データが少なすぎて「たまたま」ということが多くなります。

 あと、ちょっとひねったところでは、脚質によって枠の有利不利はあるという可能性もありそう。内枠が良いと思う脚質、悪いと思う脚質があったとしても、内枠になるか外枠になるかはランダムなため、全体のデータとしては差が出ませんからね。脚質による枠の有利不利が隠れている…という可能性もあるかもしれません。