2024年3月13日水曜日

米ではノーザンダンサー系が短距離でミスプロ系がスタミナ…日本と違う?

■2021/07/22 米ではノーザンダンサー系が短距離でミスプロ系がスタミナ…日本と違う?
■2013/7/14 ストームバード系種牡馬ヨハネスブルグ やはり短距離だが意外な特性も
■2017/07/15 クロフネ産駒で好きだったのは、マイネル軍団のマイネルクロップ


■2021/07/22 米ではノーザンダンサー系が短距離でミスプロ系がスタミナ…日本と違う?

 ミスタープロスペクター系のWikipediaを見ていたら説明にびっくり。まず「主に北米で発展し、同地域においてはノーザンダンサー系とほぼ拮抗する勢力を築いている」というのは、特に驚く話ではありません。問題はこれに続く部分です。
 Wikipediaでは、「北米では2歳戦や短距離路線のニッチをノーザンダンサー系が占めていることもあり、スタミナと成長力に優れクラシックに強い系統と認識されている」と書かれていたんですよ。(アメリカ三冠は、2012メートル、1911メートル、約2414メートルであり、かなり長いです。特に最後の一冠は長いですね)

 私の認識が正しいかは不明ですが、日本では、ノーザンダンサー系が短距離・ミスタープロスペクターがスタミナという認識はないんじゃないかと思います。どうなんでしょうね。ヨーロッパなんかでは、ノーザンダンサー系はガッツリスタミナ系だとも思います。
 ちなみに前述の部分の出典を見てみると、<Mr. Prospector continues to rule US classics>(Thoroughbred Racing Commentary)という 2015年4月の記事でした。最近の記事です。

 ミスタープロスペクター系もノーザンダンサー系もかなり昔なので今は細分化。短距離から長距離、芝向きダート向きなどかなり広くなっています。そもそも単純に「~向き」とは言えないとは思われます。
 また、この比較というのも、素人にはめちゃくちゃ難しいんですね。非常に荒過ぎるのですが、日本の現役馬の代表的な馬を独断と偏見で何頭か選んで見てみましょうか。

 私が思いついたノーザンダンサー系種牡馬の現役馬でベスト5は以下の通り。私のイメージ通り、中距離~長距離が多いのですが、そもそもアメリカでは非主流の芝馬が多いです。ただ、アメリカ血統(おそらく)なコパノキッキング(父Spring At Last)は、Wikipediaの説明通りにダートの短距離。同じくアメリカ血統のソダシ(父クロフネ)も芝ですが短距離となっています。欧州系とアメリカ系で違うといった感じでしょうか。

ブラストワンピース     ハービンジャー     58,242.10 芝中距離~長距離
ペルシアンナイト     ハービンジャー     43,971.20 芝中距離
コパノキッキング     Spring At Last     29,042.50 ダート・スプリント
ソダシ     クロフネ     26,623.20 芝マイル
トーセンスーリヤ     ローエングリン     19,714.50 芝中距離

 私はミスタープロスペクター系ってダートの短距離イメージでしたが、確かに芝向き・長距離向きな子も結構いて、日本の馬場にも合っているような感じで、ちょくちょくすごい馬を出してくる印象。こちらも私が思いついた現役馬でベスト5を選んでみました。
 最近はミスタープロスペクター系の方が成功している感じがしましたが、実際、頭数が多く、賞金も高いです。5位はノーザンダンサー系が1.9億円なのに対し、ミスタープロスペクター系が3.4億円と大きな差がついています。

 あと、ピックアップ時点で思ったのが、予想以上に芝の中距離以上の馬が多いこと。私のミスタープロスペクター系イメージは古かった感じですね。
 ただ、上位5頭に限って言うと、私の当初のイメージ通りに短距離馬が多くなりました。絶滅しかけている…と思ったミスタープロスペクター系のダート馬も3位にランクインしています。ここらへん、もうちょっと下まで見ると傾向は違うかもしれません。

キセキ     ルーラーシップ     68,426.30 芝中距離~長距離
ダノンスマッシュ     ロードカナロア     58,435.30 芝スプリント
ノンコノユメ     トワイニング     56,151.10 ダート・マイル~中距離
モズスーパーフレア     Speightstown     36,400.70 芝スプリント
ステルヴィオ     ロードカナロア     34,654.00 芝短距離(3歳までは中距離で短縮しつつ、現在は1400専用っぽい感じに)


■2013/7/14 ストームバード系種牡馬ヨハネスブルグ やはり短距離だが意外な特性も

2022/08/27追記:ヨハネスブルグは父ヘネシー、父父ストームキャット、3代父ストームバード、4代父ノーザンダンサーという血統。アメリカ生まれのノーザンダンサー系ということもあり、このページに過去に書いていたヨハネスブルグの投稿をまとめます。
 なお、同じページで書いていた<米ではノーザンダンサー系が短距離でミスプロ系がスタミナ…日本と違う?>というテーマで見ても、ヨハネスブルグはアメリカのノーザンダンサー系の傾向としっかり合います。最初から短距離型種牡馬と見られていましたし、実際、代表産駒も短距離を得意とする馬が多くなりました。

2013/7/14:海外で活躍していたヨハネスブルグ。日本に来ていたんだ!と<【新種牡馬連載(3)】ヨハネスブルグ>(2013.4.9 12:32 サンケイスポーツ)で知ります。以下の<競走成績>を見てわかるように、相当活躍していた馬です。

<英国、アイルランド、フランス、米国で10戦7勝。重賞はGI4勝を含む6勝。自身のハイライトと言うべき2歳時には、GIIIを連勝した勢いに乗ってGI戦線に駒を進め、アイルランド、フランス、英国でそれぞれGI勝ち。そこまでなら「欧州最強2歳馬」で済むところだが、さらに米国にわたってブリーズーズCジュヴェナイルまで制した。欧米4カ国の2歳GIを制するという離れ業は語り草だ>
http://race.sanspo.com/keiba/news/20130408/pog13040817540012-n1.html

 父ヘネシーの父はストームキャット。日本でもちょこちょこ走っていますけど、やっぱりアメリカでこそかな…と個人的には思います。ただ、記事の血統解説では、以下のように「日本向き」といった評価です。

<父は日本でも供用されて、実績のあるヘネシー(サンライズバッカス=フェブラリーSなど)。母の父もやはり日本で供用されていたオジジアンで、祖母の父がMr.Prospectorだけに、明らかにスピードに特化された配合と言える。母系も近親にTale of the CatやMinardiといった活躍馬が出ており上質だ>

 ストームキャット系は芝も十分イケるってイメージ。ただ、記事ではこれも私のイメージとは違う感じで、「ダートでこそ」とのこと。母父に入るミスタープロスペクター系は産駒によりけりですが、母父オジジアンってどうでしたっけ?と印象がないですね。

<芝もこなせる配合だが、より安定感を感じるのはダート。それも短距離でこそ生きてくる絶対的なスピードが武器となる。もう一つの大きな武器は完成度の高さ。持ち前のスピードを武器に、2歳戦からの活躍が見込まれる。2歳時の短距離重賞に複数の産駒が登場する可能性は高い>

 「初年度産駒」について記事では以下のような説明で、<POG的な観点からいけば“開幕ダッシュ”に適した種牡馬>としていました。また、実を言うと、ヨハネスブルグは2歳でG1を勝ちまくった一方で、<3歳時に3戦して勝てないまま引退。早熟の懸念もされている>とのことで、これもある意味POG向きです。

<外国から輸入された種牡馬としては近年でも屈指の期待度があり、初年度から117頭もの繁殖牝馬が集まった。この中にはフラワーホーラーやマヤノアブソルート、タイキトゥインクルといったオープンでの活躍馬も含まれている。セリで1000万円以上の値が付いた馬もおり、POG的な観点からいけば“開幕ダッシュ”に適した種牡馬と言えるだろう>

 ただし、芝向きではなくダート向き…となると、POGには不利。紹介が遅れてすでに産駒がデビューしており、ダート1000でフクノドリームが1番人気2着、コパノハリーが3番人気2着とやはりダートの短距離でスピードを見せていました。
 一方で、ヘヴンリーシチーみたいに芝1400で10番人気5着の後、距離延長の芝1800で11番人気2着、断然の1番人気との組み合わせで馬連56倍の中波乱を起こすといった、おもしろい馬もいます。ダート短距離傾向の予想を裏切るでしょうか?

2022/08/27追記:…といった感じで書いていましたが、ほぼ10年経った2022年で答え合わせしておきましょう。ダントツの稼ぎ頭は32,304.5円のネロ。POGも指名した馬かもしれません。もちろん短距離馬なのですが、彼の場合はほとんど芝で走った馬でした。これは私の予想の方がサンケイスポーツより当たりましたね。
 2番目はまだ現役で1億7,722万円のエイティーンガール。彼女はさらに芝に偏っていて、すべて芝の短距離。しかも、ほぼ芝1200です。

 3番目のエイシンバッケンでやっとダート馬。前半は芝だったものの、ダートに転向してから成功。4番ヨシオもダート馬でしたが、ダ1800で勝利して一時期短距離以外が主戦場だった時期があるという意外さを見せました。
 5番目のトウショウピストは再び芝の短距離馬。上位5頭を見る限り「ダートでこそ」というよりは、「芝ダート両方イケるがやや芝向き…」といった感じでしたね。


■2017/07/15 クロフネ産駒で好きだったのは、マイネル軍団のマイネルクロップ

2024/03/13:2017年度の思い入れある好きな馬で一番好きうな障害馬候補だったマイネルクロップの父がクロフネだったので、ノーザンダンサー系という薄い繋がりでこちらにまとめました。マイネルクロップはダートでもやや長めの1800~2000くらいが得意距離でしたね。

<2017年度・好きな    障害馬>
マイネルクロップ
 好きな馬が多かったラフィアンの1頭、マイネルクロップは父クロフネ、母グレートハーベストの馬。2018/01/28にこのマイネルクロップが障害転向。結構期待していた馬で重賞も勝ってくれた馬です。
 そういった実績があるからか、初障害で4番人気と競った3番人気。途中最内で狭くなって、ヒヤッとするところもあるなどやや不利はあります。重賞馬だし、その分最後は伸びるかなと思ったものの、斜行するなど余力はそれほどなかった感じdした。
 とはいえ、4着。2戦目で変わり身見せる馬もいますし、そう悲観する内容ではなかったかと思います。 (2018/01/28)

2024/03/13追記:悪くない内容だったので、マイネルクロップはやはり次で勝利。さらに、障害オープン ペガサスジャンプステークスも勝って2連勝します。
 2連勝の勢いでJG1中山グランドジャンプに臨み、4番人気と期待されましたが、ここは12着と惨敗。さらにJG3新潟ジャンプステークスでも4番人気11着。重賞ではさんざんでした。
 そこから障害オープンを連戦し、最初は2着でしたが、6着、7着と掲示板を外したところで引退しています。