■2019/06/09 G1クラスの馬が多いのがディープインパクト最大の特徴?
■2019/06/09 ディープインパクトでG1複数勝つ馬は少ない!本当なのか?
■2019/06/09 10億円ホースとなると少なすぎるがそれでもすごいあの種牡馬
■2019/06/09 ディープインパクトに有力後継種牡馬はいない?牡馬限定で調べると…
■2021/02/23 ほぼラストチャンスでコントレイルという超大物が誕生!
■2021/02/23 ディープ孫もステゴ孫も苦戦 サンデーサイレンスひ孫世代は弱い?
■2019/06/09 ディープインパクトの超大物は少ないって本当?ステイゴールドとの違い目立つ
前々から調べたいと思っていたディープインパクトは大物、もしくは超大物が少ないという話。客観的な成績は文句なしで良いものの、確かに後継種牡馬として申し分ないといった競走馬は出てこない印象。G1馬は多いのに、G1をいくつも獲るという馬は牝馬のジェンティルドンナくらいしか思い浮かびません。
ハズレが多いけど当たると大きいイメージのステイゴールドと対照的な印象。
とはいえ、こうしたことが思い込みということもよくある話。ステイゴールドとの対比でのイメージが大きいだけかもしれません。実際に見てみましょう。
調べたのは、2018年のリーディング上位20頭と50位以内やちょっと古い種牡馬で私の気になる馬で、なおかつ産駒が500頭以上いる25頭。2019年5月30日時点のデータです。
一口馬主をやっていて、成功ラインと感じるのは1億円で、まず1億円ホースの確率を見てみます。当然、この時点ではディープインパクトが圧倒的ですごい数字でトップ。
ただ、ハズレが多いイメージのステイゴールドも3位であり、錯覚がこの時点ですでに見えました。また、種牡馬として失敗した印象のアドマイヤムーンが5位であることも、思い込みの強さを示している感じです。
順位 種牡馬名 1億率
1 ディープインパクト 10.3%
2 キングカメハメハ 6.9%
3 ステイゴールド 5.3%
4 ハーツクライ 4.0%
5 アドマイヤムーン 3.8%
ちなみに当時は種付け頭数が今より少ないなどの問題があり、古すぎるデータですけど、種牡馬御三家についても調査。すると、サンデーサイレンスがディープインパクトを圧倒していて驚き。前述の通り、種付け頭数を絞って今より少数精鋭だっため、フェアな比較ではないとは言え、サンデーサイレンスはやはり化物だったんだと思います。
順位 種牡馬名 1億率
1 サンデーサイレンス 14.4%
2 ディープインパクト 10.3%
3 トニービン 7.0%
4 キングカメハメハ 6.9%
5 ブライアンズタイム 5.9%
■2019/06/09 G1クラスの馬が多いのがディープインパクト最大の特徴?
次に3億円以上の馬で同じ調査。例外が多いですが、G1勝っている馬は大体これくらい行きます。
このあたりはディープインパクトがすごい多い印象であり、2位のキングカメハメハとの差が一気に広がりました。むしろすごいところです。
また、アドマイヤムーンが消えてマンハッタンカフェが4位に登場。ステイゴールドは先程より下がった 5位であり、金額が上がってむしろ苦戦する形になりました。
順位 種牡馬名 3億率
1 ディープインパクト 2.5%
2 キングカメハメハ 1.0%
3 ハーツクライ 0.9%
4 マンハッタンカフェ 0.61%
5 ステイゴールド 0.60%
そして、最もディープインパクトが得意であろう、この条件であっても、サンデーサイレンスが1位。やっぱりサンデーサイレンスはすごいですね。
順位 種牡馬名 3億率
1 サンデーサイレンス 3.3%
2 ディープインパクト 2.5%
3 トニービン 1.2%
4 キングカメハメハ 1.04%
5 ブライアンズタイム 1.03%
■2019/06/09 ディープインパクトでG1複数勝つ馬は少ない!本当なのか?
次からが最も知りたかった超大物に近いところ。キリの良い数字は5億円ですが、さっきの3億円と近すぎなので6億円で調査。例によって例外が多いものの、G1を複数勝っていることが多い賞金です。
で、ここだとイメージ通りに順位に大きな動きがありました! ステイゴールドがやはり1位で、それほど差がない2位はまさかのゴールドアリュール。ダートは息長く走るためかもしれません。
そして、3億円で圧倒的だったディープインパクトはなんと一気に4位まで低下。G1勝つ馬は多いが、何個も勝つ馬となると急激に少なくなるというイメージ通りになっています。
ちなみに5位にはブラックタイドが登場しており、兄弟のディープインパクトとは全く違う傾向に。とはいえ、この数字はキタサンブラック1頭での数字のため、信頼性が高いものではありません。
順位 種牡馬名 6億率
1 ステイゴールド 0.37%
2 ゴールドアリュール 0.33%
3 キングカメハメハ 0.32%
4 ディープインパクト 0.25%
5 ブラックタイド 0.19%
それから、種牡馬御三家を入れた数字ですが、ブライアンズタイム6位、トニービン7位と苦戦。しかし、サンデーサイレンスはここでもステイゴールドを寄せ付けない圧倒的な数字でトップ。
サンデーサイレンスはディープインパクト以上の高確率で大物を出して、なおかつステイゴールド以上の確率で超大物を出すと言った感じ。やはり文句なしで日本史上最高の種牡馬でした。
順位 種牡馬名 6億率
1 サンデーサイレンス 0.59%
2 ステイゴールド 0.37%
3 ゴールドアリュール 0.33%
4 キングカメハメハ 0.32%
5 ディープインパクト 0.25%
6 ブライアンズタイム 0.26%
7 トニービン 0.22%
■2019/06/09 10億円ホースとなると少なすぎるがそれでもすごいあの種牡馬
もう一つキリの良い10億円も調べています。10億円となると数が少なすぎて、信頼性はいまいちな気がしますが一応見てみましょう。
これだとブラックタイドが1位に。ただし、前述の通り、キタサンブラック1頭であり、信頼性に疑問があります。これを除けばやはり ステイゴールドがトップでした。
3位には6億円でいなかったハーツクライが突如登場。3億円以上の馬は全部6億円以上なのです。ただし、シュヴァルグラン1頭での数字。G1もジャパンカップ1つだけです。
ステイゴールドが10億円2頭なだけであとは全部1頭。やはりここまで高すぎると参考にしづらい数字ですね。
順位 種牡馬名 10億率
1 ブラックタイド 0.19%
2 ステイゴールド 0.15%
3 ハーツクライ 0.10%
4 タニノギムレット 0.09%
5 ディープインパクト 0.08%
10億円以上では、ブライアンズタイムもトニービンも0頭になってしまいました。ナリタブライアンは確か当時の最高賞金だったと思いますけど、それでも10億円には行っていなかったのです。やはり参考にしづらい数字かも。
ただ、サンデーサイレンスはここでもやはり化物。4頭の10億円ホースを生み出していて、ステイゴールドらに圧勝しています。
順位 種牡馬名 10億率
1 サンデーサイレンス 0.26%
2 ブラックタイド 0.19%
3 ステイゴールド 0.15%
■2019/06/09 ディープインパクトに有力後継種牡馬はいない?牡馬限定で調べると…
ここまでは全部牡馬と牝馬合わせたもの。種牡馬として残るかどうかということで、せん馬を含んだ牡馬でも同じ数字を出しています。
10億円でタニノギムレットが4位に入っていたんですが、ウオッカのせい。残念なことに牝馬でしか超大物が生まれなかったという悲しい種牡馬もいるので、牡馬だけでも見たいと思っていました。
面倒くさいので、ここからは全部種牡馬御三家込みでのデータ。まず、1億円では当然、先ほどと同様にディープインパクトが良いところで、サンデーサイレンスがさらに上という順位です。
順位 種牡馬名 1億率
1 サンデーサイレンス 20.95%
2 ディープインパクト 14.61%
3 キングカメハメハ 10.63%
4 トニービン 10.05%
5 ブライアンズタイム 9.07%
6 ステイゴールド 7.45%
7 ハーツクライ 5.98%
8 アドマイヤムーン 5.73%
3億円もやはり同じ傾向。特におもしろいところは見られません。
順位 種牡馬名 3億率
1 サンデーサイレンス 4.60%
2 ディープインパクト 3.53%
3 ブライアンズタイム 1.84%
4 トニービン 1.83%
5 キングカメハメハ 1.67%
6 ハーツクライ 1.39%
7 ステイゴールド 1.17%
8 アドマイヤムーン 0.96%
おもしろくなるのはここから。ディープインパクトは牡馬の6億円率だと牝馬込みのときよりさらに悪く、なんと11位になってしまいました! サトノダイヤモンドただ1頭なのです。
サトノダイヤモンドは菊花賞と有馬記念でG1を2勝。母はアルゼンチンの馬でそこらへんがマイナスですが、一応彼が後継種牡馬としては一番期待できるんですかね?
ただ、正直やはり物足りなさを感じてしまいます。ひょっとしたらディープインパクト系が続いていかない…という予想外のことも起きるかもしれません。
順位 種牡馬名 6億率
1 サンデーサイレンス 1.02%
2 ステイゴールド 0.73%
3 ゴールドアリュール 0.63%
4 キングカメハメハ 0.60%
5 ブライアンズタイム 0.49%
6 ブラックタイド 0.37%
7 フジキセキ 0.32%
8 トニービン 0.23%
9 ハーツクライ 0.20%
10 ジャングルポケット 0.17%
11 ディープインパクト 0.16%
当てにならない10億円率ですが、こちらだとディープインパクトはゼロに。さっき書いたジェンティルドンナのみなんですね。ちなみに6億円は3頭で、残りの1頭も牝馬のショウナンパンドラでした。
牡馬で10億円出している種牡馬は以下で全部。サンデーサイレンスが4頭、ステイゴールドが2頭の他は1頭のみでした。
順位 種牡馬名 10億率
1 サンデーサイレンス 0.51%
2 ブラックタイド 0.37%
3 ステイゴールド 0.29%
4 ハーツクライ 0.20%
5 ゴールドアリュール 0.16%
6 キングカメハメハ 0.12%
■2021/02/23 ほぼラストチャンスでコントレイルという超大物が誕生!
ディープインパクト産駒の超大物がいない、ディープインパクトの血統が絶えるかも…という話をしていたら、ディープインパクトが亡くなりほぼラストチャンスというタイミングで、コントレイルという超大物が出てきました。私のPOG指名馬だったんですが、デビュー前はそれほど指名数が多くない注目度の低い馬だったので驚きです。
一方、ステイゴールドについては大物が多く後継種牡馬が多数いるものの、その産駒ということで考えるとインパクト不足であることに気づきました。そこで、今回は孫世代を比較。そもそもサンデーサイレンスのひ孫世代は苦戦しているのではないかとも言われており、そこまでまとめて見ていきたいと思います。
まず、ディープインパクトの孫とステイゴールドの孫との比較。3歳世代以上に絞れなかったため、デビュー前やデビューしたばかりの馬を含む不完全な数字ですが、以下の通り。
ディープインパクトの孫 3,801頭 3億円以上1頭 ミッキースワロー(父トーセンホマレボシ)
ステイゴールドの孫 1,818頭 3億円以上1頭 ラッキーライラック(父オルフェーヴル)
ともに3億円以上は少なくて不振。ステイゴールドの孫はラッキーライラックという超大物がいますし、3億円率がディープインパクトより高いためにこれからもチャンスがありそうですが、そのラッキーライラックは牝馬であり、種牡馬として残っていかないことが確実です。
一方、ディープインパクトは牡馬で3億円であるものの、ミッキースワローというのは正直人気種牡馬になりそうな感じないですね。ただ、おもしろいのが、ミッキースワローの父がG1未勝利のトーセンホマレボシであること。トーセンホマレボシですらこのレベルの馬が出たので期待できると考えるか、ディープインパクト産駒の実績馬がいまいち良い子を出さないと考えるかで、迷うところです。
■2021/02/23 ディープ孫もステゴ孫も苦戦 サンデーサイレンスひ孫世代は弱い?
ただ、この苦戦の中でもサンデーサイレンスひ孫としては良いという可能性があります。サンデーサイレンスのひ孫ということで言うと、ディープインパクトやステイゴールドより年上の馬が有利になるでしょうが、上位を見てみました。すると、そのまま前述の2頭がワンツー。ディープ孫とステゴ孫が苦戦というよりは、サンデーサイレンスひ孫世代ではそもそも良い馬が少ないようですね。
サンデーサイレンスひ孫世代 3億円以上4頭
1位 ラッキーライラック オルフェーヴル(ステイゴールド) 73,746.70
2位 ミッキースワロー トーセンホマレボシ(ディープインパクト) 36,492.00
3位 ミツバ カネヒキリ(フジキセキ) 35,481.90
4位 クリンチャー ディープスカイ(アグネスタキオン) 32,765.40
なお、ディープインパクトの孫とステイゴールドの孫(ラッキーライラックとミッキースワロー)との比較で言うと、キングカメハメハの孫世代がすごいです。こちらも1位は牝馬アーモンドアイですが、牡馬でもディープインパクトの孫とステイゴールドの孫よりも3億円以上が多く、なおかつ種牡馬としてもより人気しそうな顔ぶれ。血統は微妙でも現役時代の成績が良いキタサンブラック産駒が今後出てきますし、コントレイルが期待できるので大丈夫だと思いますが、サンデーサイレンス直系が途絶えるというまさかの展開もありそうな戦績の差でした。
キングカメハメハの孫 4,946頭 3億円以上6頭
1位 アーモンドアイ ロードカナロア 151,956.30
2位 キセキ ルーラーシップ 66,256.30
3位 サートゥルナーリア ロードカナロア 52,358.50
4位 ダノンスマッシュ ロードカナロア 45,053.10
5位 ステルヴィオ ロードカナロア 34,654.00
6位 ダンビュライト ルーラーシップ 31,808.70