■2021/08/02 シルバーステート世代の種牡馬が成功 ドレフォンやアメリカンペイトリオットなど
■2021/09/10 シルバーステートや母シルヴァースカヤの馬名の意味は?
■2021/08/02 シルバーステート世代の種牡馬が成功 ドレフォンやアメリカンペイトリオットなど
2021年度の新種牡馬シルバーステートが予想外の成功を収めています。2歳時に3千勝2勝で期待され、長期休養明けも2連勝で底を見せぬまま引退した未完の大器…とはいえ、重賞どころかOP戦すら勝利がない馬でした。夢があって好きなパターンの種牡馬入りで、海外では下剋上の例が結構あるものの、日本では正直典型的な失敗パターンだと思っていました。予想外です。
このシルバーステートは別格の凄さですが、同期の種牡馬は今のところ、牝馬の質以上に走っている印象。日本に合わない気がしていたアメリカのノーザンダンサー系であるストームキャット系のドレフォンも悪くないですね。
その他、トーセンレーヴ、ヴァンキッシュラン、ワンアンドオンリー、ポアゾンブラック、ロゴタイプ、サトノアラジン、イスラボニータ、アメリカンペイトリオット 、ビッグアーサー、コパノリッキーもいい感じ。
苦戦しているように見えるのは、ディーマジェスティとザファクターくらいですね。ちょっと考えられない年です。
追記:大物キタサンブラックを忘れていました。キタサンブラックは牝馬の質を考えると、相応な感じで特別すごくない印象。ただ、牝馬の質がもともと高いため、成績で考えると成功と言えるでしょうし、もっと走らなくても成功として扱われている種牡馬はいくらでもいますからね。現役時代の成績は文句なしでも、血統背景が弱かった馬でどうなるかと思っていた馬でしたので、予想外に良いくらいです。とはいえ、やはり今のところは「すごい!」という感じではありませんが…。
同じ世代で成功馬の多い理由として考えられそうなのが、本来ならぶっちぎりで圧倒的に強いはずのディープインパクトが少ない世代であるからかなと最初思いました。他の世代ではディープインパクト産駒と競う必要がありましたが、そうではないだけで相対的に成績が上がります。
サンデーサイレンス産駒で大成功する種牡馬が後半まで現れなかったのも、ディープインパクト以上に偉大な種牡馬成績を持つサンデーサイレンスと競う必要があったためでしょう。
…などと考えてから、ディープインパクトの種付け頭数見たら、今年はまだ多かったですわ。勘違いです。生産頭数が圧倒的に減るのは次の世代だったようです。じゃあ、さっきの説明は全然関係ないじゃん!
種付年度 血統登録頭数
2016 158
2017 141
2018 109
2019 6
同様にキングカメハメハの引退も大きいだろうと思うので、一応こちらも見てみましたが、やはり来年の世代から。また、キングカメハメハはだいぶ前から減り気味でした。ということで、今年デビューの世代が強いのは結局謎です。
種付年度 血統登録頭数
2012 182
2013 50
2014 110
2015 71
2016 96
2017 72
2018 75
2019 0
■2021/09/10 シルバーステートや母シルヴァースカヤの馬名の意味は?
シルバーステートの馬名の意味を見ると、「銀の州」という意味。これはネバダ州の愛称。アメリカって州に愛称がついているんですよね。
ネバダ州の場合、1859年、コムストック・ロードにおける銀の発見で人口が急増し、1861年にはユタ準州西部が分かれてネバダ準州が創設されたという歴史的経緯と経済発展に与えた重要性からみたいですね。19世紀後半には鉱業が衰退し、人口も減少したのですが、1900年以降にもまた銀がたくさん見つかり、再び人口が増えたそうです。
このシルバーステートという馬名は「母名からの連想」となっていました。その母の名前は、シルヴァースカヤ(Silverskaya)というもの。意味は調べましたがわかりませんでした。マジでわかんないんですよ。造語の可能性があります。
シルヴァースカヤのうち「シルバー」は明らかにシルヴァースカヤの父「Silver Hawk」からでしょう。
一方、シルヴァースカヤの後半「スカヤ」(skaya)は母名から来たのではないかと想像。母は「Boubskaia」という名前で、つづりは異なるものの後半が似た発音だと思われます。
シルヴァースカヤはアメリカの馬で、アメリカの馬ではこういう風に父名と母名をくっつけて多少つづりを変えたのかな?みたいな、微妙な関連性を思わせる名前がちょくちょくあるんですよ。日本ではほとんど見かけないパターンです。
…とここまで書いてから、シルヴァースカヤの姉がシックスセンスの母であるデインスカヤ(Daneskaya)だと気づきました。アメリカパターンの命名と書いたのに、デインスカヤの場合は英国産でした。やはり何か意味があるわけではなく、造語っぽかったです。
ただ、よく見ると、フランスで走っていますし、フランス人が名付けたフランス語由来の名前の可能性も出てきます。手に負えなくなってきました…。アメリカパターンって書いたのに、どんどん離れて行きますねぇ~~。
とりあえず、前述のパターンだと仮定した場合、デインスカヤ(Daneskaya)は、父デインヒル(Danehill)と母「Boubskaia」を組み合わせて多少つづりを変えたものでしょう。シルヴァースカヤはこの命名パターンを踏襲したと考えられます。
ちなみにシルヴァースカヤの母「Boubskaia」の方の名前も調べましたが、やはり意味はわからず。こちらは父Niniski(ニジンスキーではなくその子のニニスキ)、母Frenetiqueで、父母から組み合わせて…といったパターンでもありません。完全にお手上げですね。
…と書いた後、もう少し粘って、グーグル翻訳で「Boubskaia」「skaia」「skaya」を英語やフランス語で何か意味ないかを調べてみたのですが、やはりなさげ。さらにWeblio英語辞書やフランス辞書でも該当なし。特に由来のない造語という可能性が高いと思われます。