2024年12月29日日曜日

日本がまた海外で叩かれる…ゲート入りの異常性を指摘

■2020/12/22 日本のやり方がまた海外で叩かれる…外国馬のゲート入りで苦労
■2020/12/22 日本独特のゲート入りに相当苦戦で、消耗出遅れ大敗?
■2020/12/22 国枝栄調教師も日本のゲート入りの異常性を指摘していた
■2015/3/17 ローブティサージュへのムチ使用批判にJRA「必要な手段だった」
■2015/3/20 ゲート入りを嫌がるのは中央競馬だけ?地方競馬や海外競馬、ムチ使用の違いなど


■2020/12/22 日本のやり方がまた海外で叩かれる…外国馬の枠入りで苦労

  ただでさえ最近は外国馬の参戦が少ないジャパンカップですが、2020年には新型コロナウイルス問題が直撃。しかし、調教師もオーナーも来日できないという逆風の中でもフランスのウェイトゥパリス Way To Parisが参戦してくれました。欧州の重い馬場が合わず、日本の馬場の方が合うだろうと、前年から参戦を検討していたとのこと。本気の参戦ですね。あと、これはうちで繰り返し書いている、日本馬が海外で勝ちづらい・外国馬が日本で勝ちづらいのは、単純な能力というよりは馬場などの問題が大きいという話でもあります。

 ところが、このウェイトゥパリスに大トラブルがありました。レース後に掲示板を見ていたら、どうもゲート入りを嫌がった感じです。しかも、ちょっとやそっとの嫌がり方ではなかった模様。私は最近ネットで見ているので全然知らなかったのですが、テレビで見ていた家族が「枠入りにすごく時間がかかっていて驚いた」という話をしていました。掲示板を見ていて、「もっと大敗するかと思った」といったコメントがあったのは、そのためだった模様。相当消耗したのでしょう。

 また、掲示板では「もっと大敗するかと思った」の他に、「日本のやり方がまた海外で叩かれる」といった趣旨のコメントもあれ?と思っていたのですが、これも同様に枠入りに相当手こずったためのようでした。同じ日本でも、中央競馬の枠入りは地方競馬より強引だと言われています。そして、これが逆に枠入りを嫌がる馬を増やしている可能性も指摘されていました。今回はグイグイ押し込むだけで、以前ひどく批判されたムチを使った枠入りはされなかったようですが、これは外国馬だから配慮したのかもしれません。それだけ中央競馬の枠入りが特殊ということですね。


■2020/12/22 日本独特のゲート入りに相当苦戦で、消耗出遅れ大敗?

 これだけの出来事なら記事にもなっているだろうと検索。やはり記事が出ていました。JRAの「郷に入っては郷に従え」が招いた悪夢の5分間……M.デムーロ「すごく嫌がりました」大出遅れウェイトゥパリス10着。ジャパンC消滅危機「外国馬ゼロ」から1年、再び浮き彫りとなったゲート問題 - GJという長すぎなタイトルの記事です。

<各馬のゲート入りに先んじて先入れを行ったウェイトゥパリスだが、ゲートの前で立ち往生……係員があの手この手を尽くしたものの何度も嫌がり、結局半ば無理やりゲートに詰め込まれたのは5分も後のことだった。
 その後のレースでは案の定、大きな出遅れとなってしまったウェイトゥパリス。最後の直線では最後方から追い上げたものの10着と、不完全燃焼で引退レースを終えてしまった。
「予め目隠しをされていたことや、先入れとなったことからも陣営がウェイトゥパリスのゲートに懸念を持っていたことは間違いないと思います。ただ、この日のレース中継を行った『みんなのKEIBA』(フジテレビ系)の中でも『ヨーロッパでは、こういうゲート入りの仕方はしません』と話していた通り、ウェイトゥパリスは日本独特のゲート入りに相当苦戦していました(略)」(競馬記者)>


■2020/12/22 国枝栄調教師も日本のゲート入りの異常性を指摘していた

 実を言うと、前年のジャパンCには、唯一の外国馬として豪州のプリンスオブアランが出走を予定していたのですが、ゲート面で不安を抱える陣営がJRAへ「バリアブランケット」(ゲート内で落ち着かせるために使用するクッション)の使用を申請ところ、これが認められずに出走を断念した経緯があるとのこと。史上初の外国馬参戦ゼロは、JRA側の対応の問題があったようです。

 やり方が良くて日本が悪いということはなくて、場合によりけりでしょう。ただ、日本国内でも疑問を持っている人はいるようです。ジャパンカップで勝利したアーモンドアイを管理する国枝栄調教師も『東京スポーツ』の取材を通じて「ゲートボーイ(馬のゲート入りを手助けするスタッフ)を導入すれば、より安全性は増すと思うけど、公営で認められる『尾持ち』でさえ中央は認めないから……」と苦言。やはり地方競馬から見ても、中央競馬は異常だという話です。

 ある競馬記者は、「海外では馬優先主義というか、例えば馬がゲートに入りたがらなければ、かなり長い時間待つことも厭いませんが、日本はプログラムの都合もあって、とにかく急かしますよね。今回のウェイトゥパリスも、そんな“事情”の犠牲になった面は否めないでしょう」としていました。「レース中継を行う各局との兼ね合いもあり、とにかく時間通りにレースが行われることを最優先している節があります」とも言っています。かなり身勝手な理由です。

 ただし、「日本競馬はゲート入りもレースの一部として考えられており、公正確保から必要最低限の対応だけに終始しているのが現状です」とも言っていました。これは日本のやり方を正当化できる要素です。ただ、ゲート入りを嫌がる馬を消耗させてまで無理やり入れることこそ不公正では?といった反論も見かけました。ゲート入りを促す措置すら禁止されていることについては、ゲート入りがスムーズな方がより公正とも考えられます。ここらへんは微妙なところですが、先のプログラム進行優先の方が主な理由かもしれませんね。また、ゲートボーイが不公正とは考えづらく、お金がかかるのでやりたくないという可能性も感じました。

■2015/3/17 ローブティサージュへのムチ使用批判にJRA「必要な手段だった」

 朝日新聞が取り上げて話題になったローブティサージュの問題。<むちのトラウマ? 競走馬、出走できず JRAに批判:朝日新聞デジタル>(山本孝興、小野大輔 2015年2月15日15時48分)という記事が出ていたんですよ。

-----引用 ここから-----
 昨年11月30日、京都競馬場であった重賞レース「京阪杯」。ファンファーレが鳴り、18頭がスタート位置へ。だが、ローブティサージュ(牝〈めす〉5歳)が後ろ脚を蹴り上げてゲート入りを拒み、興奮状態になった。2012年にGIレースを制した経験もある馬だ。
 ゲート入りを管理するJRAの発走委員がむちで後ろ脚辺りを数回打った。馬はさらに後ずさりした。三浦皇成(こうせい)騎手(25)が馬を下りると落ち着きを取り戻したが、発走委員はさらに脇腹付近を打った。
 馬は目隠しされて何とかゲートインしたが、14着と惨敗。レース後、三浦騎手は「『目隠しすればすぐに(ゲートに)入る』と伝えたが、聞いてくれなかった。無理やり入れようとした発走委員が蹴られ、それに怒ったのか余計にむちを入れてきた」とコメントした。
http://www.asahi.com/articles/ASH265Q1RH26UTIL03S.html
-----引用 ここまで-----

 タイトルになっていた<競走馬、出走できず>というのは、ゲート再審査で"ぶるぶる震えてゲートに近寄ろうとせず、不合格"となったため。"JRA審判部は取材に対して「感情的なむちではない。『これ以上下がるな』という意味だった。批判はあるかもしれないが必要な手段だった」と説明"しています。
 幸いローブティサージュはその後復活。阪急杯では9番人気ながら3着しています。ただ、ムチの問題に関しては議論が続きそうな感じでした。


■2015/3/20 ゲート入りを嫌がるのは中央競馬だけ?地方競馬や海外競馬、ムチ使用の違いなど

 <ローブティサージュへのムチ使用批判にJRA「必要な手段だった」>の余波的な話。ローブティサージュのムチ問題が有名になったのは朝日新聞の報道が効いた感じなのですが、この朝日新聞では、海外競馬解説者の合田直弘さんの話を紹介していました。

<「日本では中継放送や先に入った馬のことを考慮して時間を厳守し、ゲート入りを急ぐ傾向がある。これを機に、海外の取り組みも試してみては」。海外競馬解説者の合田直弘さんは指摘する。競馬発祥の英国など海外では、発走担当が馬をむちで追い込むのはまれで、時間をかけてゆっくり導くという>
(むちのトラウマ? 競走馬、出走できず JRAに批判:朝日新聞デジタル 山本孝興、小野大輔 2015年2月15日15時48分 より)
http://www.asahi.com/articles/ASH265Q1RH26UTIL03S.html

 さらに、そうなの?と驚いたのが、<大問題になっているローブティサージュへのムチ : ぼんじりの必殺賭け事人 2015年2月18日>というブログの話でした。以下のようにかかれていたのです。

<私は日本中の公営競馬を巡った時から、なぜ中央競馬の馬だけが、ゲート入りを嫌がる馬がいるのか?とても不思議です。公営競馬の馬は、ゲート入りを嫌がる馬は、ほとんどいません。同じサラブレッドなのに>
http://blog.livedoor.jp/bonjiri3/archives/42830581.html

 実を言うと、朝日新聞には、"名古屋競馬場で2005年にあった重賞レースでも、座り込んだ馬を職員が蹴り、愛知県競馬組合が謝罪したことがある"という話がありました。ゲート入りとは違いますけど、地方競馬でも嫌がる例はあるのかもしれません。
 ただ、海外競馬や地方競馬と比較するというのは、問題を把握する上で役立ちそうな感じ。印象論ではなく、実際にデータを集めて…という形だと、説得力が出てきます。どこかの競馬ライターの方で調べてくれる人がいるとありがたいんですけど…。
 

2024年12月28日土曜日

有馬記念後12月28日開催は大成功 ホープフルSなど売上は上々

■2012/12/23 今年の尾張ステークスが「終わり」じゃない件 有馬記念も最後じゃない
■2018/05/10 最後じゃない有馬記念、ホープフルS12月28日開催 売上は成功
■2018/05/10 12月28日開催で東京大賞典の売上が食われる…も杞憂だった
■2018/05/10  馬は年末年始だけうまく休めない…除外対策としても必要では?



■2012/12/23 今年の尾張ステークスが「終わり」じゃない件 有馬記念も最後じゃない

 今更の話なんですが、今年の尾張ステークスが「2012年12月09日」とえらく早くて何で?と思っていました。で、今日競馬日程を見ると日月祝日開催で、しかも、中山・阪神のみ。おお、そんな変則的なのか!
 それで無かったのかな?と思ったんですけど、それにしても今年は早かったです。

 中京競馬に限っても「尾張ステークスで終わり」じゃないんですよね。この後、こう続きます。 2012年12月15日、2012年12月16日と続くのです。ウィキペディアでも以下のような説明がある伝統のダジャレレース。どうしてこうなったのでしょう?

<2006年より12月に開催されているオープン特別「尾張ステークス」は、尾張を「終わり」になぞらえて、中京競馬場の1年を締め括る最終競走として施行されている>
<2005年までは「尾張特別」の名称だった。なお、1600万条件戦として「尾張ステークス」が施行されていた時期もある。ただし、この時はメインレース(第11競走)として施行されていた。また、「ウインターステークス」が第3回中京競馬8日目のメインレースとして施行されていたころ(当時は有馬記念の1週前)は「尾張特別」が第9競走または第10競走で施行されていた。2010年・2011年は小倉競馬で代替開催のため「アンコールステークス」と改称の上、JRA全体としても年内最後のレースとなる。2012年は中京開催が平年より1週早く終了するため4日目のメインレースで開催予定>

 6日目の日程はズラセなかったってことでしょうか。これは他でもツッコまれまくっていました。

12/9 尾張ステークス(OP) 別定 芝1200m 15:30
2 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:14:36.43 ID:yyW0HJIM0
    終わりじゃねーじゃん
3 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:16:50.88 ID:XvYroNuRO
    終わりがはるなら、始まりステークスもあるべき

12/9 尾張ステークス(OP) 別定 芝1200m 15:30
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/keiba/1354435987/

 
2 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:14:36.43 ID:yyW0HJIM0
    終わりじゃねーじゃん
3 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:16:50.88 ID:XvYroNuRO
    終わりがはるなら、始まりステークスもあるべき
6 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:17:56.72 ID:oGwic3cv0
    はええよ
7 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:19:17.51 ID:q0Esm9Rs0
    もうこんな季節か
    有馬も終わったこと・・・あれ?
10 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:31:13.36 ID:K/Beq68x0
    尾張Sは一年の総決算!
    競馬の年貢納め頑張るぞ〜!
11 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:36:51.57 ID:61O6aCeD0
    これが最終じゃないってどう考えてもおかしい
13 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:51:04.66 ID:Djd0p0yU0
    開催の無い最終週は無理としてもせめて中京最終日に持ってきてほしかった
14 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:51:36.14 ID:VhPdBehb0
    JRAは馬鹿過ぎる…
15 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:52:01.67 ID:Lcbh+IkjO
    今年の最終レースでやらないとか意味ねぇーだろ
16 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:56:07.47 ID:i9TBzhMt0
    ああそうか、中京開催三週間しかないもんな…ってまだ来週2週目じゃないか。
17 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:58:28.48 ID:puHwjCcF0
    ハッピーエンドCとファイナルSはあるから別にいいだろ
18 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 18:03:54.42 ID:9MkNF6jc0
    はええよ。
    有馬の日の最終にやれよ。
21 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 18:17:01.58 ID:X9npwwBG0
    >>18
    今年は有馬の次の日も開催だよ
http://2ch-archives.net/awabi.2ch.net-keiba/1-1354435987/

 そう、最初に書いたように今年は変則的なんですよね。びっくりしました。有馬記念が来るとああ、もう今年も終わりだな……と毎年思うものです。しかし、今年は尾張ステークスも含めて、競馬ファンにとっては、しっくり来ない締め方となりました。



■2018/05/10 最後じゃない有馬記念、ホープフルS12月28日開催 売上は成功

 2017年は「伝統」となっていた有馬記念の週が、中央競馬最終週ではなく、もう1日中央競馬が行われました。上記で書いたものとは違い、イレギュラーではない恒久的な変更。JRAとしては、ずっとこれで行くようです。
  ファンからは、「有馬記念で盛り上がったまま幕を閉じるのがベストであり、その後の競馬は興ざめする」など、ネガティブな声が目立ったといいます。ただ、売上という「結果」で見ると、これは大成功だったそうです。

 実際、ホープフルS はG1昇格に加え、有馬記念の前座的なレースだったそれまでとは、飛躍的に売上が違い、112 億円を売り上げました。歴史ある朝日杯FS が約134 億円だったことを考えると、2 歳G1での売上とすれば上々と言える数字だったといいます。
 12 月28 日の売上総額は、中山競馬が約193 億円、阪神競馬は約104 億円で、WIN5も約6 億5 千万円。WIN5 は通常と変わらないぐらいは売れたし、仕事納めで忙しい時の平日開催だったことを考えれば、凄い売上だったと考えられます。
(Our Pleasure2018年2月号 古谷コンシェルジュの競馬観 古谷剛彦より)


 ■2018/05/10 12月28日開催で東京大賞典の売上が食われる…も杞憂だった

  こういうのは、みんな批判ばっかりになるもので、28 日に中央競馬の開催があると、その翌日に行われる東京大賞典の売上が喰われるのでは…という心配の声もあったそうな。ところが、これも結果として杞憂に終わりました。というか、逆に良い効果があったかもしれません。
 東京大賞典の売上は、約42 億7307万円で、地方競馬における1レース当たりの売得金額レコードを約5 億円上回る形で更新!。また、当日の売上総額も、約70 億4365万円で、
こちらも約8 億5 千万円上回るレコードを樹立したそうです。

 28 日の中央競馬の専門紙を見ると、どの新聞にも東京大賞典の馬柱が掲載されていました。翌日の地方競馬の馬柱を掲載するなど、中央競馬のメディアが協力する形で地方競馬を盛り上げてくれたという、相乗効果も生まれたと考えられます。


■2018/05/10  馬は年末年始だけうまく休めない…除外対策としても必要では?

 私は一口馬主でもあるので、馬主的な観点から賛成でした。記事でも、"真ん中に1日でも開催がある方が、除外対策などの面で良いという、厩舎サイドの意見もあり、いろんな意味で考えれば、2017 年の日程は成功と言えるのではないか"としていました。

 馬券だけを楽しむファンは知らないでしょうが、正月明けの除外ラッシュ はひどいものです。馬は年末年始であっても関係なく走れる状態になってしまうわけで、人間のように、この 短期間だけ休めと言われてもうまく休むことはできません。
 ただし、この1日だけの開催では除外ラッシュの解決策とならないでしょうから、よりいっそうの改革が必要だと思われます。