■2021/04/15 白毛なだけじゃない!シラユキヒメ一族は強くて個性的
■2021/04/15 白毛なだけじゃない!シラユキヒメ一族は強くて個性的
当初は白毛馬として話題になったサンデーサイレンス産駒の牝馬シラユキヒメ。突然変異であり、父も母も白毛に似て見える芦毛ではありませんでした。Wikipediaでは、その希少性について、以下のように書いています。
<サンデーサイレンス産駒の白毛馬として話題を集めた。芦毛とは違い白毛は産まれたときから白い。鹿毛のウェイブウインドの初仔である本馬は、父が青鹿毛のサンデーサイレンスであるにもかかわらず、突然変異で誕生した白毛である。突然変異なので、本馬の弟妹には一頭も白毛は生まれていない。
突然変異の場合は白毛馬は非常に生まれる確率が低く、1万頭から2万頭に1頭ほどの確率でしか産まれない。そのため白毛馬は出走した頭数も少なく、地方競馬ではホワイトペガサスが南関東公営競馬で8勝を挙げているのを筆頭に数頭が勝利を挙げているが、中央競馬では本馬が競走馬としてデビューした2001年(平成13年)当時まだ勝利はなかった。
本馬はデビューが遅れたこともあって、出走したレースは中央競馬の500万円以下または900万円以下という厳しい条件であり、初勝利を挙げることはできなかったが、それでも9戦して一度3着に入っており、白毛馬としては中央競馬で初めて馬券に絡む着順(3着以内)に入っている>
シラユキヒメは話題性があったものの、上記の通り、白毛馬初の中央競馬勝利は達成できませんでした。ただ、予想外だったのが、シラユキヒメの子、孫、ひ孫といったシラユキヒメ一族がめちゃくちゃ強くなったことです。驚きました。
娘のユキチャンは、川崎競馬場の重賞・関東オークス (JpnII) では8馬身差で圧勝。日本だけでなく世界初となる白毛馬による重賞勝利を挙げています。
孫では、ハヤヤッコも白毛でレパードS(G3) を勝利していますが、なんと言ってもすごいのがソダシ。白毛馬として史上初めて芝の重賞勝利・GI勝利(阪神ジュベナイルフィリーズ)・牝馬クラシック初出走&初勝利(桜花賞(G1))などを達成しています。
毛色で言うと、一族からは栗ブチ、鹿ブチ、ブチという、これまた珍しい馬も誕生。分類上これらは白毛ですが、頭数の少なさを見ると、単純な白毛以上に珍しいと考えられます。やはり個性的だと言えるでしょう。
さらに、シラユキヒメ一族には、気性難という個性も加わるのがおもしろいですね。シラユキヒメの鹿ブチの娘はその名もブチコというそのまんまな名前でファンの多い人気馬でしたが、オープン入り後の初戦となった2016年4月13日の第20回マリーンカップでは、単勝1.9倍の1番人気に推されていたのに、ゲート入り後に逸って前扉をこじ開けて飛び出してしまい、この際右上眼瞼から出血したため競走除外とった個性派。このレースは主催発表で5億1688万9600円の売上があったのが、ブチコの除外により3億6460万7800円(70.5%)が返還対象となりました。JRAとしてもきついです。その後もゲートをくぐろうとして前扉を破壊したり、放馬したり、騎手を怪我させたりで、ゲート難による引退というひどいことになってしまいました。
ただ、その娘が前述のソダシなのですから、気性面はクリアして能力を発揮しています。一方、シラユキヒメの別の白毛の娘であるユキチャン、さらにその娘のシロインジャーと続いて、鹿毛で生まれたひ孫メイケイエールの方は気性難を克服しきれず。先のソダシと同い年で、重賞を含む3連勝でソダシと全勝対決。ソダシ1番人気、メイケイエール3番人気で、メイケイエールの方は4着に終わっています。勝利しているレースも危なかっかしく、次のチューリップ賞では蛇行して、武豊騎手がよく振り落とされなかった…と感心させられるほど。この状態でG1以外は全勝していたのですが、再びソダシと対決した桜花賞では、3番人気に押されたのに最下位負け。後ろから行ったものの、抑えきれずに先頭に立ち、最後はバテてしまいました。やはり個性的です。ただ、騎手を怪我させたことがあるブチコ同様に鞍上が危ないほどの気性の悪さですし、レース中に他馬にも迷惑をかけてしまう…ということで深刻。個性派!個性派!とばかり言っていられないレベルになっています。