■2016/10/22 競走馬射殺容疑で逮捕の競優牧場・榊明彦代表とは?多方面から馬を学んだ勉強熱心な人
■2016/10/22 競走馬射殺容疑で逮捕の競優牧場・榊明彦代表とは?多方面から馬を学んだ勉強熱心な人
まだ読んでいなかったOur Pleasure2015年7月号「馬恋慕」(河村清明)に、逮捕された競優牧場・榊明彦代表の話が載っていました。もちろん逮捕前ではあるものの、既に射殺事件のあった後の話ですが、この事件については触れられていません。
馬を殺しちゃうくらいですので不真面目な人なのかと思いきや、記事ではベタ褒めだったんですよね。
<北里大学で学び、獣医師の資格を取得した。在学中は馬術部に所属し、卒業後は美浦トレセンやJRA日高育成牧場で研修した。その際、研修の一環として装蹄師免許も取得したという。僕はこれまで、さまざまなホースマンと馬産地で接してきたが、これだけ多方面から馬を学んだ人も珍しい。昭和54 年に牧場へ戻り、父親と協力しながら800mの馬場を作るなど、その後はまっすぐ馬づくりに励んできた>
以前から何度も書いているように、私はこの競優牧場出身のマイネルフロストが今一番好きな馬です。で、マイネルフロストのラフィアンに倣って昼夜放牧も取り入れたとのこと。これも競馬への熱心さを示すエピソードになっていますね。
<フロストはすでにBRF へ移動していたが、同期生を対象に、初めての夜間放牧を競優牧場では行ったという。裏の放牧地が鹿の通り道のため、危険だろうとずっとためらわれていたが、とても暑い夏になり、避暑の意味合いもあった。
すると、てきめんの効果が現れ、関係者を驚かせたのだ。懸念した事故は、小さなケガこそままあるものの、深刻なトラブルには発展していない。何より、熱を出したり、肺炎の兆候を示したりする馬がほとんどいなくなったという。
“ 丈夫さ”こそが競走馬のすべてのベース。
それをフロストが、競優牧場の生産馬たちが証明しているのかもしれない>
ただ、この夜間放牧開始は事件の遠因となっているかもしれません。記憶違いだったら関係ない話になるのですが、確か射殺事件は夜に行われたため。「夜間放牧」がなければ、起きなかった犯行だと言えるでしょう。
また、「裏の放牧地が鹿の通り道」というのも、事件と絡みます。当初は、鹿と間違って撃たれたのでは?という説が出ていたんですよね。北海道では過去にも同様の競走馬射殺事件がある他、ハンターが人間を誤射したと思われる射殺事件があり、「裏の放牧地が鹿の通り道」であったことは、自作自演を隠して偽装しやすい要素となっていました。
実際、私も「ハンターによる誤射の可能性あり」という立場から、最初から「自作自演」と決めつけていたネットの主張に対して、「擁護」していたんですよね。実際には、この「自作自演」の決めつけが当たっていたようなのですが、両方の可能性があるのですから当たることもある…という話であり、決めつけで誹謗中傷して良い理由にはなりません。
…ということで、犯行が判明した後から読むと、かなり複雑な気持ちになる記事でした。