2024年3月21日木曜日

キーファーズのドウデュースって馬名どうでーす?意味は?

■2021/09/07 キーファーズのドウデュースって馬名どうでーす?意味は?
■2021/12/22 名前の通りの連続「ドウデュース」でG1含めて3連勝!
■2022/12/27 ドウデュースPOG指名の理由だったマイラプソディと2頭のその後…


■2021/09/07 キーファーズのドウデュースって馬名どうでーす?意味は?

 ドウデュースは、近親というほど近くないのですが、セイウンカイヒメが近親にいたためにPOGで指名した馬です。このセイウンカイヒメというのは、全然名馬ではない馬。むしろ迷馬な感じの馬です。立ち止まればレースをやめられると覚えてしまい、引退せざるを得なくなったという困った子でした。ある意味賢いお馬さんでしたけどね。
 一応、指名理由はそれだけでなく、私が評価しているハーツクライ産駒というのもあったんですよね。ディープインパクト産駒の上が1勝止まりですが、私はハーツクライを同じくらい評価しており、むしろディープインパクト産駒以上の活躍を期待。馬主が好きだったマイラプソディと同じキーファーズというのもあります。好きなポイントが多く、かなりのお気に入りです。

 ただ、ひとつ気がかりだったのは、「ドウデュース」という名前。なんか「どうで~す?」みたいで変な名前だと思ってしまいました。ひょっとしたら期待していない馬なのかも…と思ったんですよね。私はこうやって馬名についても結構気にして選考しています。
 ところが、私の不安をよそに1.7倍の圧倒的1番人気に応えて新馬戦を一発勝利。辛勝であり、実力はちょっと怪しいかも…と思ったものの、netkeibaの掲示板によると、小倉1800でラスト11.1秒はあのクロノジェネシスと並んで最速タイとのことです。
 さらに武豊騎手が「いいレースができました。すごく気性も素直で、素質がありそうです。レース後もケロッとしていました。楽しみですよ」とコメントしていたとのこと。今年のPOG指名馬では一番良さそうな感じかもしれません。

 この勝利の後に初めて、気になっていた馬名について調査。すると、「する+テニス用語(勝利目前の意味)」と説明されていました。「ドウ」は英語の「Do」だったみたいですね。
 Wikipediaによると、デュース(英語: Deuce)とは、テニスやバレーボールなどのスポーツにおいて、ルール上の区切りとなる得点よりも1点少ない得点以上の得点で同点となった状態。「ジュース」と呼ばれることもある…と言われて、「ああ、あれか!」とわかりました。私の学校でも「ジュース」と呼んでいましたわ。テニス以外でも使われ、どちらかが2ポイント連取するまで続く…という競技ルールになっているのがパターンです。
 「2ポイント連取」の関係でいうと、英語圏では単に「2」の事をdeuceと呼ぶことがあるとのこと。トランプの2の札・サイコロの2の目・二世などの「2」の事をデュースと呼ぶ場合があるそうです。おそらくこっちが語源なんでしょうね。

 ということで、この馬名は「勝利目前の意味」という意味で使われており、悪い意味ではありませんでした。良かったです。ただ、「デュース」は同点で競っている状態を指すために、「勝利目前」というのはだいぶ意訳ですね。辞書を見てもそういった意味はありません。また、デュースは接戦状態であるために、勝利できるとも限らないという意味にも捉えられます。好意的に意訳しても、「接戦を演じる」くらいな感じですかね。
 とりあえず、ドウデュースは、新馬戦でうまいこと接戦をモノにできました。理想としてはこのまま連勝してくれることですが、最強の1勝馬的な感じで重賞戦線で2着を続けるといったパターンでも大歓迎。馬名の通り、「ドウデュース」してほしいところです。



■2021/12/22 名前の通りの連続「ドウデュース」でG1含めて3連勝!

 ドウデュースはその馬名の意味する通り(意訳すると「接戦を演じる」)に、2戦目のアイビーS(L)も接戦。そして、3戦目の G1朝日杯フューチュリティSでも接戦。前回、<馬名の通り、「ドウデュース」してほしいところです>と期待したようによく走っています。ただ、正直、私の期待以上であり、接戦(タイム差-0.1、0.0、-0.1)ではあるものの、無傷の3連勝でG1制覇。めちゃくちゃ走っています。
 また、朝日杯の内容的にも期待が膨らみそうなもの。朝日杯の武豊騎手の騎乗は悪かったわけではなく、むしろ良いものであり、悪い騎乗なのに勝利というパターンではありません。ただ、G1勝利だったにも関わらず、まだドウデュースに余裕がありそうに見えたんですよ。

 3番人気のドウデュースの相手として、最も強敵となりそうだったのは1番人気のセリフォスで、レースでは2頭をいっしょに見ていました。そのセリフォスは最初ポジションをとりにいきやや前。一方、ドウデュースは足を溜める感じで後ろからでした。
 武豊騎手の場合、単に後ろ…ではなく、うまく足を溜められることが多いので良さげに見えます。実際、コーナーで上がってくる感じは行けそうだなと思いました。このコーナーの時点では、ライバル・セリフォスを目標にして最後で差し切るイメージ。能力がどうかは別として、騎乗としてはこの時点で「勝った!」と感じる乗り方でした。
 で、実際、イメージ通りに最後で交わして勝利。馬も目一杯という感じではなかったので、これは強いぞ!と感じました。

 武豊騎手はこの朝日杯勝利により、JRA・G124競走完全制覇へ王手(残りはまだ新しいホープフルS)です。これについて書かれた<【朝日杯FS】ドウデュース無傷3連勝!武豊が悲願の初V 前人未到JRA・G1完全制覇へ王手>(12/19(日) 15:44配信 スポニチアネックス)のヤフーニュース専門家コメントでも評価するコメントでした。来年のクラシックでも中心となれることを期待しちゃいますね。(2022/12/27追記:その後の話を次で少し書いています)

花岡貴子 ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
<上位3頭が後続を離して勝っているが、その中でもかなり余裕を感じさせる勝ちっぷりだったことから、来春の活躍がかなり期待できるだろう>
勝木淳 競馬ライター
<レースは前後半800m46.2-47.3で1.33.5。平均的な流れになり、マイル適性が高いセリフォスが得意な形。馬場の外側が伸びる状態だったとはいえ、道中外をずっと回り、前を追いかけながら脚を使い続けたドウデュースが最後にセリフォスを捕らえたのは光るものがあった>

■2022/12/27 ドウデュースPOG指名の理由だったマイラプソディと2頭のその後…

 今回はドウデュースPOG指名の理由となった以前のPOG指名馬マイラプソディについて書いていた投稿のまとめ。ただ、その前に書いていなかった朝日杯制覇後のドウデュースの戦績について。御存知の通り、ダービーを制覇。そこまでの戦績もドウデュースの名前通り(私は「接戦を演じる」と意訳)、勝利も敗退もすべて接戦になっています。

日付    レース名    着 順    着差
2021/9/5    2歳新馬    1    -0.1
2021/10/23    アイビーS(L)    1    0
2021/12/19    朝日フューチュリティ(G1)    1    -0.1
2022/3/6    報知弥生ディープ記念(G2)    2    0
2022/4/17    皐月賞(G1)    3    0.3
2022/5/29    東京優駿(G1)    1    0

 ところが、この連続接戦記録が凱旋門賞挑戦で途切れます。私は日本馬は凱旋門賞に合わないというのが持論ですが、ドウデュースは特にボロクソでした。日本に戻ってきてももう前のような走りはできないかもしれませんね…。

日付    レース名    着 順 (海外レースは着差データなし)
2022/9/11    ニエル賞(G2)    4   
2022/10/2    凱旋門賞(G1)    19   

 では、今回の目的であるマイラプソディの話の転載。マイラプソディは近親に好きな馬が…というタイプではなく、前日に出馬表を見て指名したPOG馬。2019年はハーツクライ産駒の指名が多く、「あれ、またハーツクライか」と書いていました。
 ドウデュースの前に期待馬として挙げていたのが、サリオスとワーケアでともにディープインパクトからハーツクライに変わったのはむしろプラスとしての指名でした。サリオスはサウジアラビアRC(G3)1着、朝日フューチュリティ(G1)1着、ワーケアもアイビーS(L)1着、ホープフルS(G1)3着とよく走ってくれました。
 ただ、この2019年デビュー世代で三冠とったコントレイルは結局ディープインパクト。期待馬メモで挙げなかったのですが、この馬もPOG指名馬でした。密かに期待していたものの、コントレイルは事前評価がそれほど高くなかったので、あんなに走るとは思いませんでしたわ…。

マイラプソディ

2019/07/17:あれ、またハーツクライか。いつもは素直にディープインパクトが多いんですけどね。新馬戦はやや後ろになった上でに、動けずコーナーで後方に。ただ、最後の直線だけで差し切ったので逆に期待しています。

2019/10/05:少頭数でわずか5頭の野路菊Sに。1.1倍の圧倒的1番人気です。出遅れに近い出方でそたが、5頭の4番目で差のないところ。ある程度差もつけて能力が違うという勝ち方。ただ、あまりにも経験にはならない楽なレースになってしまったことは、マイナスかもしれません。

2022/12/27:どうかな?と思ったマイラプソディですが、上記の次で、ラジオN杯京都2歳S(G3)を勝利。この子も十分稼いでくれました。ところが、その後はスランプ。鞍上の武豊騎手も期待していたようで、首を傾げるコメントを出していました。古馬になっても復活できておらず、早熟みたいな感じになってしまいました…。