■2022/12/21 ムルザバエフ騎手、「日本は欧州と違う」と戸惑いつつ速攻で順応
■2022/12/30 「今日はないな」と思った人気薄でムルザバエフ騎手がG1を勝ってしまう!
■2022/12/21 ムルザバエフ騎手、「日本は欧州と違う」と戸惑いつつ速攻で順応
外国人騎手が多く来ていますね。ムルザバエフ騎手もそのひとりです。
ジャパンカップのときにも来日していたムルザバエフ騎手は、そのジャパンカップの週に見た騎乗のイメージが悪く低評価になっていました。が、今回、本格的に来日して騎乗を見るとイメージが一変。むしろ好きですね。
特に好きだったのは、2022年12月18日(日曜) 6回中京6日8レース3歳以上1勝クラスのダート1800、3番人気のキミコソシャチョウで1着したレースです。
まず、最初ある程度行かせて2番手争い。ダートはある程度前に行かないといけないため、まずこの判断が良いと思ったところです。
最初は前に4頭行って、1頭が抜けた後3頭並びます。ここで譲らずに単騎で2番手に。1頭が抜けましたが、楽に活かせるとまずいと考えたのか、他の馬と違って追いかけてプレッシャーをかけて前を追いかけます。これがもう一つ好みだったポイントです。
直線は早々にこの逃げ馬が脱落。一時はキミコソシャチョウが独走…といった感じになっており、狙い通りの騎乗になったと思わます。
しかし、差し馬も2頭伸びてきて、特に1頭は最後にすごく伸びて際どいところ。結果を見ると、なんと同着でした。ギリギリ残した形ですね。
単独勝利とはなりませんでしたが、乗り方は私の好みとしては完璧。いい騎乗だったと思います。
いつも書いているように、ヨーロッパの騎手はスタートでふわっと出てしまい後手を踏むことが多いです。しかし、ジャパンカップの週の騎乗は忘れましたが、今回の来日だと最初からムルザバエフ騎手にそういった騎乗がありません。スタートは全然問題ないどころか、勝利したレースのように早めに前に行く騎乗が多く、私好みです。
名前からすると、欧米系ではなく、どこの騎手だろう?とわかりませんでした。名前的に出身は欧米ではないか、移民だと思われます。で、調べてみると、出身はカザフスタンでした。
一方、今はドイツのリーディングジョッキーだとのことで、騎乗のイメージとは合いませんね。ヨーロッパの騎手が経験不足なダートでもうまく乗っています。
・ドイツのリーディングジョッキー ムルザバエフ騎手がJRA初勝利 中京2Rをルーパステソーロで逃げ切る
12/18(日) 12:00配信 スポーツ報知
<短期免許で騎乗しているバウルジャン・ムルザバエフ騎手=カザフスタン出身、ドイツ拠点=は、12月18日の中京2R・3歳上1勝クラス(ダート1900メートル)でルーパステソーロに騎乗して1着となり、JRA初勝利を挙げた。2022年11月26日のJRA初騎乗から13戦目>
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb49fcb2d78820b5bd2e33dc0137904d64796362
以前の記事も読んでみると、やはり最初から早い流れの日本の競馬について、ヨーロッパとの違いを指摘していました。となると、ジャパンカップの週に乗った経験を生かして、早くも適応してきた形ですね。最近来る外国人騎手はみんな、日本競馬への順応が早すぎて衝撃的です。
ムルザバエフ騎手は30歳であり、他の最近来日の外国人騎手たちよりは年齢が上ですが、比較的若く柔軟性があるのかもしれません。完全に日本に合わせた乗り方に変えてきたんだと思われます。
・ムルザバエフ騎手が栗東トレセンで調教に初騎乗 「とにかく勝ちたい」 12/15(木) 13:55配信 サンケイスポーツ
<17日から短期免許を取得するバウルジャン・ムルザバエフ騎手(30)=カザフスタン出身、ドイツ拠点=が15日、栗東トレセンを初めて訪れて調教に騎乗した。ダノンプレジャー(安田隆、牡2)などの追い切りにまたがり、感触を確かめた。
「(栗東トレセンは)すごくいいところですね。素晴らしいです。コロナになる前から来たかった」
11月27日のジャパンCではテュネスとコンビを組んで9着。「日本の競馬はすごくレベルが高いです。テンからペースが速いな、とジャパンカップの週で思いました。ヨーロッパとは違いますね」と振り返った。
初めて取得した短期免許の期間は30日まで。4年連続のドイツリーディングが決定的な鞍上は「とにかく勝ちたい。日本の競馬は新しい経験になるので、どんどん慣れていって毎年来られるようにしたい。関係者との関係も築きたいです」と意気込んだ>
https://news.yahoo.co.jp/articles/64f3db200c18216c0b2c353d18058aed0410e711
■2022/12/30 「今日はないな」と思った人気薄でムルザバエフ騎手がG1を勝ってしまう!
ムルザバエフ騎手、やりましたね。ホープフルステークスでG1初制覇ですが、なんと人気薄14番人気のドゥラエレーデでの勝利です。
・【坂口正大元調教師のG1解説】お見事ムルザバエフ騎手 ドイツで名をあげた理由わかる好騎乗 22/12/28(水) 17:49配信 日刊スポーツ
<今回はベテラン横山典弘騎手の絶妙なペース配分と、ムルザバエフ騎手の勝負強さ。これが波乱を呼んだ要因でしょう>
<(引用者注:横山典弘騎手のトップナイフが、)絶妙なペース配分で逃げ切った…という競馬のはずでした。
ですが、勝ったのは2番手追走のドゥラエレーデでした。横山典騎手のペースにうまく乗っかったという面はありますが、2番手という好位を確保したのが1つの勝因です。
そして何より、ムルザバエフ騎手の勝負強さでしょう。身長169センチと騎手としては大柄ですが、長い手をうまく使ってダイナミックに追ってきました。馬場の重いドイツで何年もリーディングを獲得しているホープです。疲れてきた馬を動かす技術にたけているのでしょう。数少ないチャンスで勝利という最高の結果を出す。ドイツで名をあげた理由がわかったような気がしました>
https://news.yahoo.co.jp/articles/dfddfa3fdc7815e8648e35b8e12c3d57b09073d4
一般人にはコメントでは「単なる前残り」というコメントがありました。実際、そうなのですけど、ペース配分がうまかったからこそ。私の騎手評価ランキングは横山典弘騎手を最低クラスに評価にしていますが、今回は満点騎乗でした。
これで次回からは意識されるから、2頭とも好走は難しいかもしれません。もう一度レースをやるとガラッと順位が入れ替わる…というレース。ホープフルステークス組より朝日杯フューチュリティステークス組が信頼できるのでは?という声が出ているのもわかります。
坂口正大元調教師のいいレース解説があったのでいらないんですが、私のメモも一応。
以前から書いているように、ムルザバエフ騎手は日本に順応して最初から前とれる騎手。さらに、ドゥラエレーデももともと先行や逃げをする馬で、すんなり前を見てマーク。もうちょっと後ろでも良いかな?前すぎかな?と思って最初見ていたんですが、思った以上にスロウになって結果的にはベストなところに。
逃げ馬が二の足使って、一時は離されかけたし、最後も体勢不利であり、クビの上げ下げでまさかの勝利。ただ、まぐれというよりは、外国人騎手らしい必死の追い方で最後の最後ギリギリ伸ばして勝ち取ったような勝利に見えました。
激しく追えば良いってもんじゃないとも言うのですが、外国人騎手はこういうので本当に最後ギリギリ伸ばしてきます。たまに日本人騎手である、見せかけだけの追い方じゃなくて、結果がついてくるんですよね。
これが坂口正大元調教師の言う「疲れてきた馬を動かす技術にたけている」なのでしょう。
これまでも褒めまくっていた騎手なんですけど、何しろ回収率30%の男なので、馬券は買っていませんでした。一応、レース前に騎乗馬の戦績を見たんですが、「今日はないな」と思いました。14番人気90倍だし買えないわ。
…しかし、それにしても馬券がさっぱり当たりません。誰か助けて!