■2024/10/07 凱旋門賞は血統傾向がはっきり!なのに当たらない理由
■2020/09/12 日本が優勝馬など、出走馬を買いまくっていた凱旋門賞があった
Our Pleasure 2019年1月号のザ・ブラッド 血統表を紐解く!(T.I.S)では、サンサンという聞いたことのない馬の話でびっくり。ただ、いつもここで紹介される種牡馬ではなく、牝馬であったようです。どうりで聞いたことありませんわ。
ということで、私は知らない牝馬でしたが、なんと凱旋門賞をレコード勝ちしていた馬。そして、この馬を日本が買っていた!というので驚きですね。神戸製鋼グループの資金をバックにした新興勢力の明和牧場が300万フラン(約2億4000万円)を提示したと伝えられているとのこと。いまなら4億円以上になる大きな買い物だったとされていました。
サンサンが活躍した1970 年代前半は日本も高度成長期に突入するあたりで、ちょっと前の爆買い中国みたいな雰囲気なのか、お金と勢いがあった模様。なんとサンサンが勝った1972年の凱旋門賞出走馬も買いまくりでした。オンワードの樫山純三さんがフランスでトレードしたハードツービート、のちにダービー2着馬のリンドブルパンを送るブルパン、天皇賞・春に勝って渡仏し、F.パルメール厩舎に所属したメジロムサシ、えりも牧場の山本慎一氏所有のエリモホーク、のちにハギノトップレディの父になるサンシーなどがいたと説明されています。
また、同時期には、テンポイントを生産した吉田牧場が、英オークス馬のジネブラや米国で最優秀古牝馬に選出されたタイプキャスト(天皇賞・春などに優勝したプリティキャストの母)などのビッグネームを導入していました。
ただ、この頃に日本馬のレベルが一気に引き上げられたかというと、そうでもないかもしれません。また、導入されたビッグネームもいまいち繋がっていない感じ。サンサンの系統から重賞馬が出てはいるものの、 G1馬すらいない感じで、いまいち。高い買い物だったように見えます。
■2024/10/07 凱旋門賞は血統傾向がはっきり!なのに当たらない理由
後述するように、役に立つようでいてあまり役に立たない気もするのですけど、<凱旋門賞の「過去20年の勝ち馬の血統」からわかる狙い目 日本馬シンエンペラーの相性は?>(webSportiva 2024年10月05日(土)12:45)という記事がおもしろかったです。
<血統的視点からこのレースを占っていこう。(中略、引用者注:「過去20年の凱旋門賞勝ち馬の血統」を見ると、サドラーズウェルズ系が、)直近12年で10勝するなど、この直系が20年で11勝している。母の父を見ても、4頭がこの血を持っている。父も母の父もこの系統であるエネイブルを含めて、20頭の勝ち馬のうち13頭がこの血を持っているのだ。>
<最優先すべきは、過去12年で10勝しているサドラーズウェルズ系だろう。>
<ダンチヒの影響力もなかなかのもので、過去20年の勝ち馬で4頭が直系に、さらに4頭が母の父にその血を持っている。凱旋門賞馬の血統を分析してみると、サドラーズウェルズとダンチヒが重要な血であることは明らかだ。>
https://www.excite.co.jp/news/article/WebSportiva_105021/
以上のようにはっきりとした傾向が出たにもかかわらず、<役に立つようでいてあまり役に立たない気もする>と最初に書いたのは理由があります。そもそもヨーロッパではサドラーズウェルズ系が多いことは予想できるためです。
ちょっと前の日本でたとえると、「ダービーはディープインパクト系が強い」くらいな感じですかね。ディープインパクト系がいっぱい出て、全然絞れないじゃん!といった感じ。なお、「サンデーサイレンスが血統に入る」だと出走馬ほぼ全部みたいな状態なので、そこまでは偏っていません。とはいえ、決め手としては弱い情報です。
で、この記事のあった2024年もサドラーズウェルズ系が6頭出走。記事では、「この時点でかなり絞られる」としていたものの、6頭もいますからね。結構難しいです。
ちなみに記事では、サドラーズウェルズ系で母父がダンチヒ系のロスアンゼルスを選択してハズレ(6番人気3着)。やはりこの情報だけじゃ難しいですよね。ロスアンゼルスと同じサドラーズウェルズ系(というか同じ父であるキャメロット産駒)のブルーストッキングが勝ちました(2番人気1着)。
また、2番手に押していたのは、ロスアンゼルスとは逆のパターンで、ダンチヒ系で母父がサドラーズウェルズ系のアヴァンチュール。ブルーストッキングが勝ったのですから、これも当然外れでした。とはいえ、7番人気2着ですから惜しいと言えば惜しいです。6,7番人気で2着、3着ですから、むしろかなり良い予想だったと言えるかもしれません。