2024年10月24日木曜日

長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?

■2016/3/5 長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?


■2016/3/5 長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?

 タイトルは、<長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?>としました。ただ、マイラーというよりは中距離馬といった方が良い感じ。とはいえ、サドラーズウェルズ系の馬は長距離イメージがありますので、中距離であったとしても意外でしょう。日本でのサドラーズウェルズ系もテイエムオペラオー、メイショウサムソンといった長距離馬が主体でした。

 この話を知ったのは、Enjoy Ruffian 2011年9月号 ザ・ブラッド 血統表を紐解く!〈3〉(T.I.S)という話。以下のように書いています。

<意外なことに自身の競走成績に12ハロン(2400m)以上の勝ち鞍はない。そればかりか2 歳時には8ハロンのG2ベアスフォードS を制し、これを含めた全6勝はG1エクリプスSやG1 愛チャンピオンS など10ハロンまでで挙げたもの。2400mのG1 仏ダービーはダルシャーンの2 着、12ハロンのG1キングジョージはティノーソの2 着と善戦どまりだった。キャリアだけを眺めるとマイラーのそれである>

 私がマイラーというよりは中距離馬と感じたのは、以下の戦績からです。良績は10ハロンが多いですよね。

主な成績
着順     日付     レース名     競馬場     芝ダ     距離     1着馬(2着馬)
1     1984     愛2000ギニー GI     IRE     芝     8.0F     
1     1984     エクリプスS GI     GB     芝     10.0F     
1     1984     フィーニクスチャンピオンS GI     IRE     芝     10.0F     
1     1984     愛ダービートライアルS GII     IRE     芝     10.0F     
1     1983     ベレスフォードS GII     IRE     芝     8.0F     
2     1984     仏ダービー GI     FR     芝     2400     
2     1984     Kジョージ六世&QエリザベスS GI     GB           12.0F     
2     1984     グラッドネスS L     IRE     芝     7.0F
(Sadler's Wells(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)より)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000336572/

 海外の種牡馬でおもしろいのが、戦績が良くない中から名種牡馬が生まれることだと思います。サドラーズウェルズの場合は上記のように10ハロン、8ハロンのG1を3勝しており、G1未勝利といった成績ではなく、正直、意外性はありません。
 ただ、T.I.Sさんによると、現役時代はやや落ちる馬だと見られていたといいます。

<同厩舎にいたエルグランセニョール(父ノーザンダンサー)には直接対決(グラッドネスSで2着)でも敗れたように頭が上がらず、それ故に英ダービーへの参戦も叶わなかった。落ちこぼれとまでは呼べないものの、種牡馬としての比類なき成功は意外性の賜とも言えそうだ>

 なお、ここまで長距離というのを強調しましたが、系統からはマイルでの名馬も出しており、幅広くなってきました。
 日本では今ひとつなのですけど、世界的には本当に歴史に残るものすごい成績を残した種牡馬ですし、この系統はこれからも続いていきそうです。