2024年12月31日火曜日

連闘も…地方競馬の出走数が多い理由、中央は手抜き?

■2020/10/24 連闘も…地方競馬の出走数が多い理由、中央は手抜き?


■2020/10/24 連闘も…地方競馬の出走数が多い理由、中央は手抜き?

  ヤフー知恵袋で、「どうして地方競馬の馬は連闘連闘また連闘で3歳40戦や5歳100戦とかできるのに、中央競馬の馬は数戦で故障したりしてしまうのでしょうか?」という質問が出ていました。ヤフー知恵袋ですので、信頼性が高いわけではないですし、個人の意見という感じですが、ベストアンサーは概ね妥当だろうという答えが出ています。

 まず、第一に出走数が多いのは、当然お金のため。「特に南関東以外ですとレースの賞金よりも出走手当の方が高い」と指摘されています。要するに着順にこだわるより出走回数を増やした方が良いということです。相対的に「賞金よりも出走手当の方が高い」というのは、地方競馬主催者側が決めることですから、 地方競馬主催者側自身、出走回数を増やしてもらいたいと思っているのでしょう。レースの出走頭数が少なくなることの方を危惧しているのかもしれません。

 ただ、一番の問題は怪我をさせずに、なぜそんなにたくさん出走できるのかというところでしょう。これについては、<誤解を招く言い方かもしれませんが、地方競馬では馬の力を人が出し切る(=無理な仕掛けや無理な追いetc)ようなことは出来ません>としていた他、さらに、以下のような話をしていました。

<中央競馬の馬でも休養明けに7割程度の仕上げで「レース≒調教」のような事をしますが、ローカルの地方競馬の場合約2週間に1回開催があるので調教を兼ねてレースを行ない、仕上げていく慣行があるため、必然的に出走回数が多くなってしまいます。
 地方競馬、特にローカルの地方競馬では中央競馬で言う連闘を重ねて馬の調子を上げていくので、血統やレースタイム&調教タイム以外にも、地方競馬独特の慣習を読みながら予想していかないと競馬を楽しめないかもしれません…>

 これは私の想定した答えと近いです。地方競馬の馬は悪く言うと、手を抜いています。ただ、比較的良い言い方をすると、馬に負担をかけないやり方をしているんですね。だから、連闘が多くて、ガンガン故障する…といったことにならないで済んでいるんです。こういうやり方には批判もあるでしょうけどね。

 ちょうどベストアンサーの最後に予想の話がしていたのですが、地方競馬に呼ばれたある中央競馬の予想家は「もう二度と呼ばないでほしい」と言ってたとのこと。なぜか?と言うと、地方競馬の馬の仕上げと競争成績が全然一致できず、中央競馬のような解説では結果を全く予想できないため。地方競馬独特の仕上げに戸惑ってしまったようでした。

2024年12月30日月曜日

今の1勝クラス・500万下を3連勝した馬がいる…なぜ可能?

■2021/06/27 今の1勝クラス・500万下を3連勝した馬がいる…なぜ可能?
■2012/11/10 重賞ウィーク、2日で5重賞、京都だけで3重賞 エリザベス女王杯、武蔵野S、京王杯2歳S、ファンタジーS
■2023/12/17 秋競馬の3場開催なのに1週間で重賞が2つだけ!朝日杯フューチュリティステークスとターコイズS


■2021/06/27 今の1勝クラス・500万下を3連勝した馬がいる…なぜ可能?

 レースウィングという馬の戦績を見ていたら、3歳以上500万下を3連勝していることに気づきました。未だになれませんが、今で言う1勝クラスを3連勝した形ですね。新しい競馬ファンはなぜ?と思う記録でしょう。

 このレースウィングは新馬戦も未勝利も勝っていないというのが最初のポイント。初戦は3歳9月の未勝利戦。12番人気であり、全然人気にならず、結果も9着でした。
 レースウィングの母馬である「レース」という馬名には聞き覚えがあり、てっきり大物が兄弟にいたと思ったのですが、トーセンアレス が浦和記念(G2) 3着した程度で、しかも、これは弟なのでレースの現役時点では関係なし。レースの子でPOGで人気した馬がいたか、私がPOGに指名したかで名前を覚えていただけかもしれません。

 レースウィングの戦績の話に戻ります。未勝利戦は全く目立たなかったのですが、経験馬に混じったための不人気だったのか、2戦目は突如4番人気。結果も4着となっています。しかし、これで未勝利戦が終わってしまいました。このため、500万下に出ることになったのです。これが最初の500万下勝利で、同じ境遇の馬が多いためか、格上挑戦であってもそれほど悪くない7番人気と悪くない人気。そして、ここで見事に勝利します。この勝利は2002/12/01の500万下でした。
 500万下を勝ちましたが、前述の通り未勝利戦を勝っていたないため、これが最初の勝利。クラスを決める収得賞が少ないために、続けて500万下に出れます。ただ、レースウィングの場合はなんと1年近く休んで2003/11/09が次戦でした。4歳になっています。一度勝っているということもあるのか、長期の休み明けでも2番人気となっていて、これまた見事に勝利しています。

 問題はその次の3戦目の500万下。次は2003/11/22と間髪入れずに、同じ500万下に出走しました。当然このクラスを2度も勝っているので1番人気であり、人気に応えて圧勝しています。このような3連勝が可能であったのは最近まであった「降級制度」のためでしょう。(最後にウィキペディアの説明も記載。参考にしてください)
 時期的にはおそらく休みの間に収得賞金額が半額となったことで、2勝しても収得賞金額が1000万下(現在で言う2勝クラス)に満たないようになり、3戦続けて500万下を勝利するという妙なことになりました。500万下は3戦全勝とも言えます。現在のルールではあり得ないことです。
 ちなみにレースウィングは1000万下の4戦目と5戦目でも、同じ1000万下を連勝! この時期は5歳であり、「収得賞金額が半額」はなかったはずですが、前年の半額のときの計算のせいでこうなったんですかね。私もよくわかりません。
 降級を考慮して狙った競馬というのは以前はよくあり、全く珍しいことではなかったのですが、とりあえず、ここまで見事にルールを使い切った馬はさすがに珍しいんじゃないかと思います。

<降級>
<2019年春季までは4歳馬が夏季開催を迎えると、収得賞金額が半額となるため、それまで上位の競走区分にしか出走できなかった4歳馬が、1つないし2つ下の競走区分に出走できた。これを降級と呼び、その対象馬を降級馬と呼ぶ。通常、降級馬は能力が高いので、夏季開催においては降級馬の好走事例が多数見受けられた>
<過去において降級は2回設定されていた。旧馬齢表記で4歳500万円下・5歳1,000万円下・6歳以上1,500万下というクラス区分であった>


■2012/11/10 重賞ウィーク、2日で5重賞、京都だけで3重賞 エリザベス女王杯、武蔵野S、京王杯2歳S、ファンタジーS

 G1のあるときって、重賞は少なめな気がしていましたが、今週よく見ると5つも重賞がありました。

11月10日(土)     京都 -    京都ジャンプステークス(JG3)
11月10日(土)     東京 -    京王杯2歳ステークス(G2)
11月10日(土)     京都 -    ファンタジーステークス(G3)

11月11日(日)     東京 -    武蔵野ステークス(G3)
11月11日(日)     京都 -    エリザベス女王杯(G1)

 見ての通り一つは障害ですが、それでも立派な重賞。福島開催もあるのにそちらはなしで、京都だけで3重賞というたいへん豪華なことになっています。
 今までもこんなんでしたっけ?覚えがありません。2歳の重賞が同じ週ってのはくさいですね。

 昨年を見てみると、

11月12日 京王杯2歳S
11月12日 京都ジャンプスS
11月13日 武蔵野S
11月13日 エリザベス女王杯

 です。
 やはり2歳の重賞が違いました。ファンタジーSは1週早い11月5日。今年は新設の2歳牝馬の重賞アルテミスSが先週あったため、こちらにズレたようです。
 海外では重賞だらけ……って日がありますけど、日本では5つでも新鮮です。すごいですなぁ。


■2023/12/17 秋競馬の3場開催なのに1週間で重賞が2つだけ!朝日杯フューチュリティステークスとターコイズS

 秋競馬はやたらと重賞が多い…というイメージだったので、2023/12/17の週は重賞の少なさにびっくり。寂しく感じました。3場開催なのに、土曜日と日曜日に重賞はひとつだけ。それぞれターコイズS、朝日杯フューチュリティステークスです。

 というか、ターコイズSって以前、重賞じゃなかったですよね。調べてみると、2015年からであり、重賞になってからもう10年近く…。全然記憶にないです。どうも新しい重賞って覚えられないんですよね…。
 なお、ウィキペディアだと、重賞に格上げではなく、全く新しく創設という書き方になっています。

<牝馬の出走機会を拡大する観点から、2015年に新設された>
     2015年 - 3歳以上の牝馬による重賞(新設重賞)として創設[4]。
    2016年 - 格付け表記を「重賞」に変更[6]。
    2017年 - GIII格付を取得[7]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9#cite_note-JRA%E6%B3%A8%E7%9B%AE-4

 ただし、後半まで読むと、格上げ・引き継ぎではないものの、同名の競走が存在したことは触れられています。私は未だにこのときのイメージを引きずってますね…。

同名の競走
<同名の特別競走が2014年まで行われており、オープンクラスのハンデキャップ競走だった[8]。(1994年から1996年までは夕刊フジ杯として施行されていた) >

2014年までの優勝馬
1982年12月11日     中山     1800m     オープン     ピアレスレデイ     牝3


2024年12月29日日曜日

日本がまた海外で叩かれる…ゲート入りの異常性を指摘

■2020/12/22 日本のやり方がまた海外で叩かれる…外国馬のゲート入りで苦労
■2020/12/22 日本独特のゲート入りに相当苦戦で、消耗出遅れ大敗?
■2020/12/22 国枝栄調教師も日本のゲート入りの異常性を指摘していた
■2015/3/17 ローブティサージュへのムチ使用批判にJRA「必要な手段だった」
■2015/3/20 ゲート入りを嫌がるのは中央競馬だけ?地方競馬や海外競馬、ムチ使用の違いなど


■2020/12/22 日本のやり方がまた海外で叩かれる…外国馬の枠入りで苦労

  ただでさえ最近は外国馬の参戦が少ないジャパンカップですが、2020年には新型コロナウイルス問題が直撃。しかし、調教師もオーナーも来日できないという逆風の中でもフランスのウェイトゥパリス Way To Parisが参戦してくれました。欧州の重い馬場が合わず、日本の馬場の方が合うだろうと、前年から参戦を検討していたとのこと。本気の参戦ですね。あと、これはうちで繰り返し書いている、日本馬が海外で勝ちづらい・外国馬が日本で勝ちづらいのは、単純な能力というよりは馬場などの問題が大きいという話でもあります。

 ところが、このウェイトゥパリスに大トラブルがありました。レース後に掲示板を見ていたら、どうもゲート入りを嫌がった感じです。しかも、ちょっとやそっとの嫌がり方ではなかった模様。私は最近ネットで見ているので全然知らなかったのですが、テレビで見ていた家族が「枠入りにすごく時間がかかっていて驚いた」という話をしていました。掲示板を見ていて、「もっと大敗するかと思った」といったコメントがあったのは、そのためだった模様。相当消耗したのでしょう。

 また、掲示板では「もっと大敗するかと思った」の他に、「日本のやり方がまた海外で叩かれる」といった趣旨のコメントもあれ?と思っていたのですが、これも同様に枠入りに相当手こずったためのようでした。同じ日本でも、中央競馬の枠入りは地方競馬より強引だと言われています。そして、これが逆に枠入りを嫌がる馬を増やしている可能性も指摘されていました。今回はグイグイ押し込むだけで、以前ひどく批判されたムチを使った枠入りはされなかったようですが、これは外国馬だから配慮したのかもしれません。それだけ中央競馬の枠入りが特殊ということですね。


■2020/12/22 日本独特のゲート入りに相当苦戦で、消耗出遅れ大敗?

 これだけの出来事なら記事にもなっているだろうと検索。やはり記事が出ていました。JRAの「郷に入っては郷に従え」が招いた悪夢の5分間……M.デムーロ「すごく嫌がりました」大出遅れウェイトゥパリス10着。ジャパンC消滅危機「外国馬ゼロ」から1年、再び浮き彫りとなったゲート問題 - GJという長すぎなタイトルの記事です。

<各馬のゲート入りに先んじて先入れを行ったウェイトゥパリスだが、ゲートの前で立ち往生……係員があの手この手を尽くしたものの何度も嫌がり、結局半ば無理やりゲートに詰め込まれたのは5分も後のことだった。
 その後のレースでは案の定、大きな出遅れとなってしまったウェイトゥパリス。最後の直線では最後方から追い上げたものの10着と、不完全燃焼で引退レースを終えてしまった。
「予め目隠しをされていたことや、先入れとなったことからも陣営がウェイトゥパリスのゲートに懸念を持っていたことは間違いないと思います。ただ、この日のレース中継を行った『みんなのKEIBA』(フジテレビ系)の中でも『ヨーロッパでは、こういうゲート入りの仕方はしません』と話していた通り、ウェイトゥパリスは日本独特のゲート入りに相当苦戦していました(略)」(競馬記者)>


■2020/12/22 国枝栄調教師も日本のゲート入りの異常性を指摘していた

 実を言うと、前年のジャパンCには、唯一の外国馬として豪州のプリンスオブアランが出走を予定していたのですが、ゲート面で不安を抱える陣営がJRAへ「バリアブランケット」(ゲート内で落ち着かせるために使用するクッション)の使用を申請ところ、これが認められずに出走を断念した経緯があるとのこと。史上初の外国馬参戦ゼロは、JRA側の対応の問題があったようです。

 やり方が良くて日本が悪いということはなくて、場合によりけりでしょう。ただ、日本国内でも疑問を持っている人はいるようです。ジャパンカップで勝利したアーモンドアイを管理する国枝栄調教師も『東京スポーツ』の取材を通じて「ゲートボーイ(馬のゲート入りを手助けするスタッフ)を導入すれば、より安全性は増すと思うけど、公営で認められる『尾持ち』でさえ中央は認めないから……」と苦言。やはり地方競馬から見ても、中央競馬は異常だという話です。

 ある競馬記者は、「海外では馬優先主義というか、例えば馬がゲートに入りたがらなければ、かなり長い時間待つことも厭いませんが、日本はプログラムの都合もあって、とにかく急かしますよね。今回のウェイトゥパリスも、そんな“事情”の犠牲になった面は否めないでしょう」としていました。「レース中継を行う各局との兼ね合いもあり、とにかく時間通りにレースが行われることを最優先している節があります」とも言っています。かなり身勝手な理由です。

 ただし、「日本競馬はゲート入りもレースの一部として考えられており、公正確保から必要最低限の対応だけに終始しているのが現状です」とも言っていました。これは日本のやり方を正当化できる要素です。ただ、ゲート入りを嫌がる馬を消耗させてまで無理やり入れることこそ不公正では?といった反論も見かけました。ゲート入りを促す措置すら禁止されていることについては、ゲート入りがスムーズな方がより公正とも考えられます。ここらへんは微妙なところですが、先のプログラム進行優先の方が主な理由かもしれませんね。また、ゲートボーイが不公正とは考えづらく、お金がかかるのでやりたくないという可能性も感じました。

■2015/3/17 ローブティサージュへのムチ使用批判にJRA「必要な手段だった」

 朝日新聞が取り上げて話題になったローブティサージュの問題。<むちのトラウマ? 競走馬、出走できず JRAに批判:朝日新聞デジタル>(山本孝興、小野大輔 2015年2月15日15時48分)という記事が出ていたんですよ。

-----引用 ここから-----
 昨年11月30日、京都競馬場であった重賞レース「京阪杯」。ファンファーレが鳴り、18頭がスタート位置へ。だが、ローブティサージュ(牝〈めす〉5歳)が後ろ脚を蹴り上げてゲート入りを拒み、興奮状態になった。2012年にGIレースを制した経験もある馬だ。
 ゲート入りを管理するJRAの発走委員がむちで後ろ脚辺りを数回打った。馬はさらに後ずさりした。三浦皇成(こうせい)騎手(25)が馬を下りると落ち着きを取り戻したが、発走委員はさらに脇腹付近を打った。
 馬は目隠しされて何とかゲートインしたが、14着と惨敗。レース後、三浦騎手は「『目隠しすればすぐに(ゲートに)入る』と伝えたが、聞いてくれなかった。無理やり入れようとした発走委員が蹴られ、それに怒ったのか余計にむちを入れてきた」とコメントした。
http://www.asahi.com/articles/ASH265Q1RH26UTIL03S.html
-----引用 ここまで-----

 タイトルになっていた<競走馬、出走できず>というのは、ゲート再審査で"ぶるぶる震えてゲートに近寄ろうとせず、不合格"となったため。"JRA審判部は取材に対して「感情的なむちではない。『これ以上下がるな』という意味だった。批判はあるかもしれないが必要な手段だった」と説明"しています。
 幸いローブティサージュはその後復活。阪急杯では9番人気ながら3着しています。ただ、ムチの問題に関しては議論が続きそうな感じでした。


■2015/3/20 ゲート入りを嫌がるのは中央競馬だけ?地方競馬や海外競馬、ムチ使用の違いなど

 <ローブティサージュへのムチ使用批判にJRA「必要な手段だった」>の余波的な話。ローブティサージュのムチ問題が有名になったのは朝日新聞の報道が効いた感じなのですが、この朝日新聞では、海外競馬解説者の合田直弘さんの話を紹介していました。

<「日本では中継放送や先に入った馬のことを考慮して時間を厳守し、ゲート入りを急ぐ傾向がある。これを機に、海外の取り組みも試してみては」。海外競馬解説者の合田直弘さんは指摘する。競馬発祥の英国など海外では、発走担当が馬をむちで追い込むのはまれで、時間をかけてゆっくり導くという>
(むちのトラウマ? 競走馬、出走できず JRAに批判:朝日新聞デジタル 山本孝興、小野大輔 2015年2月15日15時48分 より)
http://www.asahi.com/articles/ASH265Q1RH26UTIL03S.html

 さらに、そうなの?と驚いたのが、<大問題になっているローブティサージュへのムチ : ぼんじりの必殺賭け事人 2015年2月18日>というブログの話でした。以下のようにかかれていたのです。

<私は日本中の公営競馬を巡った時から、なぜ中央競馬の馬だけが、ゲート入りを嫌がる馬がいるのか?とても不思議です。公営競馬の馬は、ゲート入りを嫌がる馬は、ほとんどいません。同じサラブレッドなのに>
http://blog.livedoor.jp/bonjiri3/archives/42830581.html

 実を言うと、朝日新聞には、"名古屋競馬場で2005年にあった重賞レースでも、座り込んだ馬を職員が蹴り、愛知県競馬組合が謝罪したことがある"という話がありました。ゲート入りとは違いますけど、地方競馬でも嫌がる例はあるのかもしれません。
 ただ、海外競馬や地方競馬と比較するというのは、問題を把握する上で役立ちそうな感じ。印象論ではなく、実際にデータを集めて…という形だと、説得力が出てきます。どこかの競馬ライターの方で調べてくれる人がいるとありがたいんですけど…。
 

2024年12月28日土曜日

大馬鹿国税局がギャンブル終了宣言 当たり馬券に脱税だと税金要求、1億円の利益で5億7千万円の納税

■2012/11/30 大馬鹿国税局がギャンブル終了宣言 当たり馬券に脱税だと税金要求、1億円の利益で5億7千万円の納税
■2013/2/9 大阪馬券脱税事件 競馬システム・公営ギャンブル崩壊でノミ屋横行のおそれ
■2012/12/5 当たり馬券で税金不払いは「脱税」という大阪国税局の見解は妥当なのか?
■2013/2/3 大阪国税局脱税事件は実は馬券回収率105%未満 1億4000万円の利益でも
■2013/2/8 大阪馬券脱税事件「外れ馬券は経費ではない。自業自得」と懲役1年を検察が求刑
■2013/2/10 大阪はずれ馬券脱税事件の男性 勤務先を退職に追い込まれて無職
■2013/5/23  外れ馬券を必要経費と初判断 判決は有罪も実質勝訴

 古い話なのですが、ハズレ馬券裁判の過去投稿のまとめです。



■2012/11/30 大馬鹿国税局がギャンブル終了宣言 当たり馬券に脱税だと税金要求、1億円の利益で5億7千万円の納税
-----引用 ここから-----

当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判
(2012年11月29日14時45分  読売新聞)

 競馬の馬券配当で得た所得を申告せず、2009年までの3年間に約5億7000万円を脱税したとして、所得税法違反に問われた会社員男性(39)が大阪地裁の公判で無罪を訴えている。

 配当を得るための「必要経費」には膨大な外れ馬券の購入額も含めるべきで、当たり馬券だけから算定したのは不当と主張。国税関係者は「競馬の必要経費が法廷で争われるのは例がない」と審理の成り行きを注視している。

 国税当局は、必要経費について「収入の発生に直接要した金額」と定めた同法を根拠に、競馬の場合は当たり馬券の購入額のみと判断。配当額から必要経費を差し引いた所得を「一時所得」とし、一般的には給与以外の所得が年20万円を超えれば確定申告が必要になるという。

 男性の弁護人らによると、男性は07~09年の3年間に計約28億7000万円分の馬券を購入。計約30億1000万円の配当を得ており、利益は約1億4000万円だった。

 大阪国税局は税務調査の結果、配当額から当たり馬券の購入額を差し引いた約29億円を一時所得と認定したとみられ、無申告加算税を含む約6億9000万円を追徴課税し、大阪地検に告発。地検が在宅起訴した。

(略)弁護側は「外れ馬券も含めた購入総額こそが必要経費。一生かかっても払えない過大な課税は違法性があり、無効だ」と反論した。(略)

 男性の弁護人らによると、男性は会社員としての年収が約800万円。04年頃、競馬専用の口座を開設して約100万円を入金し、競馬予想ソフトを使って、過去の戦績などから勝つ確率の高い馬を選ぶ方法を独自に開発した。馬券の購入にはインターネットを利用し、仕事のない土日に全国の中央競馬のほぼ全レースで馬券を買い、配当収支の黒字が続いていた。

 その配当金は自転車操業的に次の購入資金に充てており、口座には週明けに馬券の購入総額と配当総額の差額が入金。このため残高が数十億円単位になることはなかったという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121129-OYT1T00868.htm?from=y24h
-----引用 ここまで-----

 これ、競馬の知識ない記者と人の感想で的はずれなことになっていますが、競馬の税金は普通こうなっていたはずです。

-----引用 ここから-----税金対策と節税対策ガイドTOP > その他の税金と確定申告 > 競馬(馬券)の税金と確定申告
競馬(馬券)の税金と確定申告

競馬の場合、「払戻金-当たり馬券の購入費」が50万円超であれば一時所得の課税対象となり、確定申告して税金(所得税+住民税)を納付しなければなりませんが、この「当たり馬券の購入費」とは、的中した馬券のみしか認められませんので、仮に1万円で5点、5万円分、別々の馬券で同じレースに購入していた場合、1点が的中した場合は、その1万円のみしか当たり馬券の購入費として認められないのです。


もちろん、その他のレースのハズレ馬券は当たり馬券の購入費としては認められません。

http://www.zeikin-taisaku.net/2008/03/post_158.html
-----引用 ここまで-----

 高額の配当があったときだけなんですね。ですから、普通は超万馬券のときだけだったはずなんですよ、問題は。しかし、記事では一切その話が出てきませんので、よくわかりません。

 最初のケースの場合、超万馬券じゃなくとも購入額が高いようですので、そうなれば1回の馬券でもこの「50万円超」を満たす可能性があります……ありますが、よくわからないですね。

 掲示板で「~の単勝に~百万円ぶっこむ」などと書いている人も、本当に買っていればこのパターン。
 どちらにしても読売新聞のタイトルは誤解を招くタイトルで、編集は内容を理解していないのかも。


 別記事。

-----引用 ここから-----

脱税:競馬の5.7億円 ハズレ券、経費と認めず

毎日新聞 2012年11月29日 16時50分(最終更新 11月29日 17時52分)

(略)男は総額28億円もの馬券を購入し、1億円を超す利益を得ていたが、大阪地検は外れ馬券の購入額を必要経費と認めず、実際のもうけを大幅に上回る脱税額で立件した。

(略)起訴とは別に、男は05〜09年分の競馬での払戻金について約10億円(地方税も含む)の課税処分を受け、大阪国税不服審判所に審査請求している。

 男は、競馬のもうけのうち約7000万円を株や投資信託につぎ込んだが、リーマン・ショックで損失を出したという。現在は妻子を抱えながら、手取り約30万円の月給から約8万円を税金支払いに充てている。

 大阪国税局によると、一般のサラリーマンは給与所得以外の所得が年間で20万円以上だと確定申告する必要がある。競馬の払戻金については、検察側や国税当局の運用に沿った場合、当たり馬券購入額を差し引いた金額が年間で90万円以上だと申告義務が生じる。宝くじの当選金は非課税だ。【牧野宏美】

http://mainichi.jp/select/news/20121129k0000e040225000c.html

-----引用 ここまで-----

 うーん、20万円は普通の雑所得、副収入の話ですね。上の理解は違うのかな?
 この話を額面通り受け止めるとこうなります。

-----引用 ここから-----
はてなブックマーク > 人気・新着ニュース > 当たり馬券配当30億円、外れは経費
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.yomiuri.co.jp/national/news/20121129-OYT1T00868.htm

kz78
この税務所の論理ならトータルでマイナスになってても納税義務が発生するわけで公営ギャンブル全滅じゃね?ついでに全国のパチンカーに適用したらものすごい税収になるんじゃね? 2012/11/29

yP0hKHY1zj
アホな法律ってことで有名な話だけど、実際指摘されることは無いだろうって思ってた。これがまかり通れば勝ってようが負けてようが競馬好きは多額の税金を払わないとダメってことになる。 2012/11/29
-----引用 ここまで-----

 間違いなくギャンブルは成り立たなくなります。この人は勝っていましたが、勝ち負けは関係ありません。負けでも徴収されるのです。
 1年間で30万円買うとします。1週間で6000円くらいですから、十分あり得るでしょう。

 この30万円で回収率70%とすると21万の払い戻し。9万円のマイナスですが、払い戻しの21万円に税金がかかるのです。頭おかしいですよ、これは。

-----引用 ここから-----

Ceron.jp[セロン]
http://ceron.jp/url/www.yomiuri.co.jp/national/news/20121129-OYT1T00868.htm

 RIKI
tw 10:13
国税局は馬鹿なのか・・・一般人の常識で判断したら、28億7000万円分の馬券を購入して約30億1000万円の配当をもらい、利益が1億4000万円の相手に6億9000万円の税金って? 当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判

えびいち
tw 09:30
国税局の無茶ぶりがひどい。競馬でトータル黒字になるのはスゴイ。 / “当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)”

Liang
tw 09:25
これで被告が負けたら誰も公営ギャンブルやらなくなるんじゃなかろうか 当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

とみたまさひろ
tw 07:46
国税局の言い分だと、トータルで赤字であっても勝った分は税金払えってことだよな。それは厳しいな。 / “当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)”

-----引用 ここまで-----

 あとみんなで確定申告をし出すと、今の一部の人しかしていない申告システムはパンクします。

 政治的な話題になっちゃいますが、国民すべてが確定申告するというのは悪くないことだと思っています。ただ、今はそれを想定しておらず、現実的ではないんですよね。


 本当、国税局頭悪くないですかね?



■2013/2/9 大阪馬券脱税事件 競馬システム・公営ギャンブル崩壊でノミ屋横行のおそれ

 正規が損だからと違法なことをしちゃいけないんですけど、そうは言ってもやる人が出てくることが予想できます。

-----引用 ここから-----
馬券脱税で懲役1年求刑、有罪ならノミ屋が横行も 正規購入は損?  
2013.02.08

 馬券で稼いだ所得を申告しなかったとして、所得税法違反罪に問われている元会社員男性(39)の論告求刑公判が7日、大阪地裁で開かれ、懲役1年が求刑された。儲けをはるかに上回る追徴課税や『外れ馬券は経費に認められるか』という司法判断に注目が集まり、この日の法廷には100人近い報道陣や競馬ファンが殺到、傍聴席があふれ返る騒ぎに。検察の厳しい姿勢に弁護側は「あきれた求刑。被告にとってあまりに過酷」と憤っている。 

 男性はレースデータを基に独自の予想ソフトを開発。インターネット投票でオッズをにらんで賭け金の配分を変える『大量買い』で毎レース少しずつ儲ける馬券購入を繰り返し、2009年までの3年間に約28億7000万円分の馬券を購入、計約30億1000万円の配当を得た。儲けは約1億4000万円だが、国税局は当たり馬券の購入費約1億3000万円のみを経費として、28億8000万円が課税対象に当たると判断。脱税額を5億7000万円とし、男性は地方税などを含め約10億円の課税処分を受けた。(略)

 弁護側の中村和洋弁護士は公判で「あまりに形式的で無責任な判断」としたうえで「営利目的で一定の利益をあげており、外れ馬券も所得を生み出す原資で必要経費」などと主張。これに対し検察側は「仕事じゃないでしょ」「投資に当たらない」と反論、まったくの平行線をたどった。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130208/dms1302081534018-n1.htm
-----引用 ここまで-----

 法律上は確かに苦しいと思うんですけど、常識的に考えるとおかしいです。
 たとえば、1日に500円の馬券を20回の1万円分買って、1回だけ20倍の馬券が当たり1万円の払い戻しを受けたとします。
 普通に考えると今日はトントンだと考えるんですけど、検察の主張は500円買って1万円の払い戻しだから「9500円も儲かった!」というものです。
 これがさらに少ない8000円の払い戻しだったりすると、普通マイナス2000円だと考えるところを、検察国税庁理論なら「7500円もプラスだったよ、やったね!」となります。
 アホだろ?

 この件は実は個人の問題だけでなく、かなり深刻な問題です。

-----引用 ここから-----
 中村弁護士のもとには競馬ファンから男性に対する励ましの電話やメールが殺到しており、「競馬はファンの支えがあって成り立っているのに有罪判決が出ると誰も馬券を買わなくなる。当初は法解釈の問題だけと思っていたが、だんだん競馬産業に関わる重大な問題だと気づいた」と話す。課税処分の取り消しを求めた民事訴訟を起こしたことも明らかにした。

 日本中央競馬会(JRA)法では売り上げの10%は国庫に入ると定められており、「もともと税金を納めている。今回の求刑は横暴だ」という認識の競馬ファンも少なくない。取材にあたっていた競馬ジャーナリストは「もし有罪判決が出たら、ノミ屋が横行する恐れも。正規で馬券を購入しても損をするだけと考えるファンも出てくるでしょうから」と話す。
-----引用 ここまで-----

 昨今は馬券の売上減少があるものの、日本は他国と比べて一般競馬ファンが多く、胸を張っていい発展を遂げてきたと思います。ただ、それももう今回の件で終わりかもしれません。

 一般ファンは普段あまり意識していないかもしれませんけど、馬券の売上はダイレクトに賞金(確か翌年の賞金)に響いてきますので、馬券の売り上げが減れば体力の少ない馬主は撤退していきます。

 赤字だらけでも続けるという馬主は少ないでしょうし、一口馬主(厳密には馬主ではなく投資)みたいな事業も成立しなくなります。

 日本の競馬界をぶっ壊す暴挙です。

■2012/12/5 当たり馬券で税金不払いは「脱税」という大阪国税局の見解は妥当なのか?

 ダイヤモンド・オンラインでこれについて書いている記事を見つけました。

-----引用 ここから-----
2012年12月5日 ダイヤモンド・オンライン 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
競馬をめぐる羨ましくも可哀想な話

競馬から得た収益に関して、一競馬ファンとしての筆者は、「基本的には一時所得であり、年間20万円を超えると確定申告が必要な課税対象だが、普通は損することの方が多いし、馬券による所得は捕捉されにくく、“現実問題として、課税されることはない”」と聞かされることが多かった。

いくらか熱心な競馬ファンなら、年間20万円を超える払戻金を受け取ることはあるだろう。筆者だって十分可能性はある。しかし通常は、毎年(そして通算も)、馬券収支はマイナスだろう。今回の例から判断すると、こうした普通に熱心な程度の競馬ファンも、脱税犯になる可能性があるということだ。
http://diamond.jp/articles/-/28888?page=2
-----引用 ここまで-----

 あら、やっぱり通常の雑収入として考えるんですね。ただ、この書き方はプラスが20万円ってことかな?
 大阪国税局の考え方はプラスマイナスに関係なく、払い戻し金の合計が20万円だと思うんですけど。

-----引用 ここから-----
では、「外れ馬券の購入費は経費ではない」という大阪国税局の見解は、どの程度妥当なのか。

ズバリ筆者の意見を言うなら、馬券を買った時点では、どの馬券が当たるかはわかっていないのだから、仮に馬券の所得が課税対象となる所得だとしても、外れ馬券の分も含めて、馬券の購入費用は「経費」でいいと思う。

馬券を買わなければ、競馬で儲かることはない。そして、馬券は儲けることを目指して買う。購入した時点では、平等に経費とすべきものではないか。

企業では、結果的に収入につながらなかった客を接待した経費でも、一定の条件の下で経費だ。結果的に儲けを生まなかった製品の研究費や製造設備にかけた費用も経費である。

後から遡って、儲けに繋がった直接的なコストだけが税務上の経費で、利益計算上売り上げから差し引くことができるのはこの経費だけだ、とされるなら、ビジネスはあまりに難しい。

まして、競馬で儲けることは普通のビジネスで儲けることよりもはるかに難しいのだから、今回のような経費に関する判断は、一定規模以上の(年間に20万円以上儲かる可能性がある程度の)馬券購入を、税制上強力に抑制しようとしているに等しい。

われらが大阪馬券王氏は、本件の課税が不適切であるとして、大阪地裁に訴訟を起こしている(これは当然と思える)。「経費」に関する論点は前記でほとんど尽きていると思うのだが、裁判を通じて、大阪国税局が屁理屈を言うかも知れないので、もう一つ細かな話を付け加えておこう。
-----引用 ここまで-----

 意外なことにむしろ当然といった書き方で、大阪国税局の方が屁理屈だとしています。私はキツイんじゃないかな?と思っていました。

-----引用 ここから-----
たとえば、1つのレースでM番の馬の単勝馬券(1着を当てる馬券)を買うのと、「1着がM番で2着がN番」という馬番単勝馬券(通称「馬単」)をN通り、購入資金を加減しながら買うのとでは、馬券における裁定が正しく働くなら同等の賭けにすることができる。

しかし、馬券が的中することを考えると、当たり馬券の倍率が大きい一方で、外れ馬券の購入額が大きい馬単馬券の組み合わせを購入することは、課税面で不利だということになる。

実質的に同じ内容の賭けの的中に対して、課税が異なるというのはおかしくないか。結果的に外れになる馬券の購入も含めて、1つの戦略として馬券を買うのであり、購入した馬券全体が配当収入の獲得を目指しているのだ。
-----引用 ここまで-----

 わかりづらいけど、馬単を総当りで買って単勝の代用とするってことでしょうね。まあ、こっちの方が大阪国税局理論では不利なんですが。
 どうなんでしょうね?あんまり芳しくない気がしますけど……。




■2013/2/3 大阪国税局脱税事件は実は馬券回収率105%未満 1億4000万円の利益でも

  そういや計算していなかったかも。以前書いたこの件です。記事をもう一度引用。

-----引用 ここから-----
当たり馬券配当30億円、外れは経費?…裁判
(2012年11月29日14時45分  読売新聞)
 男性の弁護人らによると、男性は07~09年の3年間に計約28億7000万円分の馬券を購入。計約30億1000万円の配当を得ており、利益は約1億4000万円だった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121129-OYT1T00868.htm
-----引用 ここまで-----

 28億7000万円 ÷ 30億1000万円 = 1.049
 つまり回収率は104.9%。ほぼ105%ですけど、その程度。意外に大したことありません。

 逆に言えば、これだけの薄利なのに長年かけ続けていたというわけで、相当に肝っ玉がある人だと思います。
 というのもこれだけギリギリとところだと連続で外した場合には、かなりの金額を減らすところまで行っていたんじゃないかと思われるためです。普通、そんなに外したらやめちゃいますよね。

 ただ、まあ、これだけの長期でプラスならやはり立派です。私は一度年間収支でプラスになっただけで、あとは単年度でも全部赤字です。
 短期間でまぐれ的にプラスになっても、数年のスケールでプラスというのはなかなかできないと思います。素晴らしいですね。


■2013/2/8 大阪馬券脱税事件「外れ馬券は経費ではない。自業自得」と懲役1年を検察が求刑

-----引用 ここから-----
 外れ馬券は経費か否か、検察側が懲役1年を求刑
[中央競馬] 2013年02月07日(木)18時00分

 7日、2005年~2009年の期間に馬券で稼いだ所得・約30億1000万円の払戻金(購入金額は約28億7000万円)を申告せず、5億7000万円あまりを脱税したとし、所得税法違反に問われた大阪市の男性(39)の論告求刑公判が大阪地裁(西田真基裁判長)で行われ、検察側は懲役1年を求刑した。なお、判決は5月23日。

 検察側は、「馬の勝ち負けは1レースごと。外れ馬券は儲けの原資に当たらず、経費ではない。外れ馬券が経費にならない可能性を認識していたのに、本来納税すべきものを新たな馬券購入に充てたのは自業自得だ」などと指摘した。

 一方の弁護側は、「外れ馬券も所得を生み出す原資。配当金は偶然に得られた一時所得ではない。一生払いきれないほどの課税は違法で、外れ馬券も経費に認めるべきだ」と無罪を主張した。また弁護側は、国税当局の課税処分の取り消しを求め、大阪地裁に民事訴訟を起こしたことも明らかにした。

 この裁判は、男性側が2009年までの3年間での実質的な馬券の儲け額である、約1億4000万円に対して納税するものであると主張。これに対し、摘発した大阪地検は、「収入を生じた行為のために直接要した金額」を必要経費と規定する所得税法に基づいて、男性が馬券で得た利益、約1億4000万円を含めた(購入金額)約28億7000万円分も、本来の課税対象額であると指摘している。

 つまり、実際の儲けの約20倍にも及ぶ約5億7000万円にも及ぶ申告漏れの指摘は、(外れ)馬券の購入費を経費に認めない事が前提とされる事からも、競馬ファンをはじめ、他の公営ギャンブルのファンなどからも注目が集まっている。

 なお、競馬や競輪による所得は「一時所得」に当たり、一定額以上は課税対象となる。
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=72440&category=A
-----引用 ここまで-----

 「自業自得」って本当憎らしいですね、検察は。

-----引用 ここから-----
「外れ馬券27億円も経費だ」脱税裁判で求刑1年に「理不尽な課税」
スポーツ報知    2013年02月08日08時05分

 一方、弁護側は「競馬を全く理解していない」と猛反論。「一般の競馬愛好家も流し買いなど的中率を高める買い方をしているのは常識。外れ馬券も収入を生む原資になっており、経費に含めるべき」とし、男性の馬券購入は「営利を目的とする継続的行為」として損失を経費算入できる雑所得と主張した。さらに、検察側の主張が通れば「競馬のシステムそのものが崩壊を招きかねない。売り上げが激減する」とも指摘した。
http://news.livedoor.com/article/detail/7392181/
-----引用 ここまで-----

 競馬システムうんぬんについては、他の懸念も出ているんですけど、それはまた別で。

■2013/2/10 大阪はずれ馬券脱税事件の男性 勤務先を退職に追い込まれて無職

 何回書くんだ?って感じですけど、まだネタがあるので追加。

-----引用 ここから-----
外れ馬券は必要経費か…きょう結審
 [2013年2月7日8時38分 紙面から]

 「このままでは、みんなが馬券を買うのをやめる」「競馬が衰退してしまう」-。男性の弁護人を務める中村和洋弁護士のもとには初公判以来、数十件のメールや電話が届いているという。(略)

 男性は、株式の損失や約6800万円の納税で貯蓄も底をつき、手取り約30万円の収入で妻子を養いつつ毎月約8万円の納税を続けているという。中村弁護士は「もう手元には何もない状態。納められない不可能な課税はナンセンス」と指摘する。裁判は早ければ3月にも判決が出る。
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20130207-1081975.html
-----引用 ここまで-----

 「納められない不可能な課税」ってのは確かにめちゃくちゃです。また、以前も書いたようにこれはマイナスであっても課税するということです。

-----引用 ここから-----
 ◆マイナスでも課税!? 外れ馬券が経費と認められなければ、馬券収支がマイナスでも課税される可能性も出てくる。年間の配当金総額から当たり馬券の購入額だけを差し引いて90万円以上になる場合は、確定申告の上で納税の義務がある。例えば年間150万円の馬券を買って払い戻しが100万円しかなくても、的中馬券の購入額が10万円未満であれば、50万円の損失に加えて所得税まで納めなければならない。
-----引用 ここまで-----

 あれ、これは雑所得の20万円じゃなくて90万円で計算していますね。何か情報が錯綜しまくっています。また、「手取り約30万円の収入」は既に消えています。

-----引用 ここから-----
外れ馬券裁判、「自業自得」と懲役1年
 [2013年2月8日8時46分 紙面から]

 さらに男性は、1月末で勤務先を退職に追い込まれていた。原因は所得税法違反に問われたことで、上司から「取引先に知られては困る」などと退職を勧められたという。妻子を抱え、すでに約6800万円の納税などで貯蓄は底をついている。先月までは毎月の手取り約30万円の給与から約8万円を納税していた。

 弁護人の中村和洋弁護士は「今後は決まっていない。(税金は)払える範囲で払うしかない」と説明。求刑には「あきれました」と口にした。

 徹底抗戦の構えは崩していない。弁護側は課税処分の取り消しを求める民事訴訟を1月25日に起こしたことを明らかにした。配当金は偶然に得られた「一時所得」ではなく、先物取引などと同様に損失を経費に算入できる「雑所得」だと指摘。その上で「さまざまな種類の馬券を購入し回収率を上げている。外れ馬券も収入を生む原資で経費に認めるべき」と反論。無罪を主張した。

 男性は意見陳述で「理不尽な課税が(国税庁やJRAによって)周知されていないことも問題。判決を見守っている人は多いと思う。適正な判決を願います」と訴えた。【太田尚樹】
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20130208-1082366.html
-----引用 ここまで-----

 私は違う数字を出していたんですけど、初期の解説は雑所得の20万円枠を使っていました。それだと検察の主張と異なるんでしょうね。

-----引用 ここから-----
「外れ馬券27億円も経費だ」脱税裁判で求刑1年に「理不尽な課税」
スポーツ報知    2013年02月08日08時05分

 ◆一時所得 所得税法が定めた10種類の所得の一つで、会社での勤務や事業経営といった継続的行為で得たものではなく、一時的なもうけが対象。競馬や競輪の払戻金や、懸賞などの賞金、生命保険の一時金などが該当する。宝くじやサッカーくじの当せん金は非課税。税額は、一時所得全体から直接かかった経費と特別控除額(年間最高50万円)を引いた額の半分を基に計算する。
http://news.livedoor.com/article/detail/7392181/
-----引用 ここまで-----

 ここを見ると50万という数字が出てきています。わけわからんです。

■2013/5/23  外れ馬券を必要経費と初判断 判決は有罪も実質勝訴

 私はてっきり国税局寄りの判決だと思っていたので驚きました。

-----引用 ここから-----
外れ馬券:経費と認める初判断 脱税は有罪…大阪地裁
毎日新聞 2013年05月23日 10時44分(最終更新 05月23日 16時26分)

 競馬の所得を申告せず、3年で約5億7000万円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われた元会社員の男(39)=大阪市=の判決が23日、大阪地裁であった。西田真基裁判長は大量の馬券を自動的に繰り返し購入した場合、競馬の所得は「雑所得」に当たり、全ての外れ馬券の購入費が経費になるという初の司法判断を示した。無申告の違法性は認め、懲役2月、執行猶予2年(求刑・懲役1年)の有罪としたが、脱税額を約5000万円に大幅減額した。
http://mainichi.jp/select/news/20130523k0000e040151000c.html
-----引用 ここまで-----

 以前も書いたように無申告が有罪なのは間違いありません。それは当然なんですが、まさか会社員寄りの判決で、しかも雑所得とまで認めてくれるとは思いませんでした。これは想定した中でも相当良い部類の判決でしょうね。

 ただし、普通は「一時所得」という線は崩していません。

-----引用 ここから-----
 判決は馬券の所得を一般的に「一時所得」とした上で、「元会社員は多数、多額、機械的、網羅的に馬券を購入しており、雑所得に当たる」と認定した。

 判決によると、元会社員は市販の競馬予想ソフトを改良した独自のシステムを構築。専用口座を開いて、インターネットでほぼ全レースの馬券を自動的に購入していた。2007年からの3年で購入した馬券は計約28億7000万円分で、計約30億1000万円の払戻金を得た。収支は計約1億4000万円の黒字だった。

 検察側は競馬の所得は一時所得であり、当たり馬券の購入費約1億3000万円だけが経費として控除できると主張、元会社員の3年間の所得を計約29億円と主張していた。

 判決はまず、「馬券の払戻金は偶発的、偶然に入り、継続性は認められず、一時所得に当たる」とした。しかし、「元会社員は無差別に一定の条件で網羅的に購入し、多額の利益を得ていた。元会社員は娯楽ではなく、資産運用の一種ととらえていた」と指摘、外国為替証拠金取引(FX)などと同じ雑所得に分類した。

 そして、払戻金から全ての馬券の購入費を経費として差し引いた、実際のもうけである約1億4000万円を競馬の所得と結論付けた。

 弁護側は「継続的な馬券購入によるFXで得た利益などと同様の雑所得に当たる。外れ馬券の購入費も経費となり、課税処分は無効」と無罪を訴えていた。【内田幸一】
-----引用 ここまで-----

 実質勝訴といった書き方は以下。

-----引用 ここから-----
外れ馬券を実質「経費」と認定、元会社員は有罪 外れ馬券は経費か否か
[中央競馬] 2013年05月23日(木)17時20分 ネット競馬

 この裁判の最大の焦点でもあった課税額については、大阪地検は約5億7000万円分が課税対象にあたるとしていたが、判決では(利益を得た約1億4千万円に対しての)約5200万円と認定するなど、被告側の主張が汲まれた形となった。

 裁判では、大阪地検が「収入を生じた行為のために直接要した金額」を必要経費と規定する所得税法に基づき、馬券で得た利益である約1億4千万円だけではなく、購入金額である約28億7000万円分についても、本来の課税対象額であると指摘し、懲役1年を求刑。

 一方の男性側は、2009年までの3年間での実質的な馬券の儲け額である、約1億4000万円に対して納税するものであると主張。「外れ馬券も所得を生み出す原資。配当金は、偶然に得られた一時所得ではない。一生払いきれないほどの課税は違法で、外れ馬券も経費に認めるべきだ」と、無罪を主張していた。

 今回の判決は、競馬や競輪による所得は本来「一時所得」にあたるため、一定額以上は課税対象となっており、これを怠った男性側の違法性を認めた形となった。しかし、検察側の指摘である5億7000万円分の課税については「(利益を得るための回転資金である)外れ馬券は経費にあたる」という被告側の主張が認められ、脱税額は約5200万円と大幅に減額している。

 また、裁判後、元会社員は中村和洋弁護士(大阪弁護士会)を通して「主張を全面的に認めていただき、納得している。無申告だった責任は果たしたい」と、控訴しない旨のコメントを発表した。
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=75694
-----引用 ここまで-----

 ただ、彼は例外とのことですから、依然として問題は残ります。

-----引用 ここから-----
初判断「外れ馬券は必要経費」 元会社員、有罪も脱税額10分の1に ― スポニチ Sponichi Annex 社会[ 2013年5月23日 10:12 ]

 一般的なサラリーマンの場合、一時所得のもうけが年90万円を超えると申告義務が生じる。
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/05/23/kiji/K20130523005861601.html
-----引用 ここまで-----

-----引用 ここから-----
外れ馬券は「経費」判決 元会社員が実質勝訴 | 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社

 弁護人も「主張を全面的に認めていただいた。実質勝訴という理解でいいです」。ただ、「一般的には雑所得でない。彼のような買い方をしている人は例外。ただちに外れ馬券が経費になるものではない。個人的な見解ですが競馬ファンが安心して競馬ができる制度が必要だと思います」と税制の見直しを訴えた。
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/145884/
-----引用 ここまで-----

 これを機に税制の見直しに動いていただけると良いんですけどね。
 そうすると、逆にJRAや競馬ファンへの負担が増える可能性もありそうですけど…。




有馬記念後12月28日開催は大成功 ホープフルSなど売上は上々

■2012/12/23 今年の尾張ステークスが「終わり」じゃない件 有馬記念も最後じゃない
■2018/05/10 最後じゃない有馬記念、ホープフルS12月28日開催 売上は成功
■2018/05/10 12月28日開催で東京大賞典の売上が食われる…も杞憂だった
■2018/05/10  馬は年末年始だけうまく休めない…除外対策としても必要では?



■2012/12/23 今年の尾張ステークスが「終わり」じゃない件 有馬記念も最後じゃない

 今更の話なんですが、今年の尾張ステークスが「2012年12月09日」とえらく早くて何で?と思っていました。で、今日競馬日程を見ると日月祝日開催で、しかも、中山・阪神のみ。おお、そんな変則的なのか!
 それで無かったのかな?と思ったんですけど、それにしても今年は早かったです。

 中京競馬に限っても「尾張ステークスで終わり」じゃないんですよね。この後、こう続きます。 2012年12月15日、2012年12月16日と続くのです。ウィキペディアでも以下のような説明がある伝統のダジャレレース。どうしてこうなったのでしょう?

<2006年より12月に開催されているオープン特別「尾張ステークス」は、尾張を「終わり」になぞらえて、中京競馬場の1年を締め括る最終競走として施行されている>
<2005年までは「尾張特別」の名称だった。なお、1600万条件戦として「尾張ステークス」が施行されていた時期もある。ただし、この時はメインレース(第11競走)として施行されていた。また、「ウインターステークス」が第3回中京競馬8日目のメインレースとして施行されていたころ(当時は有馬記念の1週前)は「尾張特別」が第9競走または第10競走で施行されていた。2010年・2011年は小倉競馬で代替開催のため「アンコールステークス」と改称の上、JRA全体としても年内最後のレースとなる。2012年は中京開催が平年より1週早く終了するため4日目のメインレースで開催予定>

 6日目の日程はズラセなかったってことでしょうか。これは他でもツッコまれまくっていました。

12/9 尾張ステークス(OP) 別定 芝1200m 15:30
2 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:14:36.43 ID:yyW0HJIM0
    終わりじゃねーじゃん
3 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:16:50.88 ID:XvYroNuRO
    終わりがはるなら、始まりステークスもあるべき

12/9 尾張ステークス(OP) 別定 芝1200m 15:30
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/keiba/1354435987/

 
2 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:14:36.43 ID:yyW0HJIM0
    終わりじゃねーじゃん
3 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:16:50.88 ID:XvYroNuRO
    終わりがはるなら、始まりステークスもあるべき
6 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:17:56.72 ID:oGwic3cv0
    はええよ
7 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:19:17.51 ID:q0Esm9Rs0
    もうこんな季節か
    有馬も終わったこと・・・あれ?
10 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:31:13.36 ID:K/Beq68x0
    尾張Sは一年の総決算!
    競馬の年貢納め頑張るぞ〜!
11 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:36:51.57 ID:61O6aCeD0
    これが最終じゃないってどう考えてもおかしい
13 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:51:04.66 ID:Djd0p0yU0
    開催の無い最終週は無理としてもせめて中京最終日に持ってきてほしかった
14 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:51:36.14 ID:VhPdBehb0
    JRAは馬鹿過ぎる…
15 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:52:01.67 ID:Lcbh+IkjO
    今年の最終レースでやらないとか意味ねぇーだろ
16 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:56:07.47 ID:i9TBzhMt0
    ああそうか、中京開催三週間しかないもんな…ってまだ来週2週目じゃないか。
17 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 17:58:28.48 ID:puHwjCcF0
    ハッピーエンドCとファイナルSはあるから別にいいだろ
18 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 18:03:54.42 ID:9MkNF6jc0
    はええよ。
    有馬の日の最終にやれよ。
21 : 名無しさん@実況で競馬板アウト2012/12/02(日) 18:17:01.58 ID:X9npwwBG0
    >>18
    今年は有馬の次の日も開催だよ
http://2ch-archives.net/awabi.2ch.net-keiba/1-1354435987/

 そう、最初に書いたように今年は変則的なんですよね。びっくりしました。有馬記念が来るとああ、もう今年も終わりだな……と毎年思うものです。しかし、今年は尾張ステークスも含めて、競馬ファンにとっては、しっくり来ない締め方となりました。



■2018/05/10 最後じゃない有馬記念、ホープフルS12月28日開催 売上は成功

 2017年は「伝統」となっていた有馬記念の週が、中央競馬最終週ではなく、もう1日中央競馬が行われました。上記で書いたものとは違い、イレギュラーではない恒久的な変更。JRAとしては、ずっとこれで行くようです。
  ファンからは、「有馬記念で盛り上がったまま幕を閉じるのがベストであり、その後の競馬は興ざめする」など、ネガティブな声が目立ったといいます。ただ、売上という「結果」で見ると、これは大成功だったそうです。

 実際、ホープフルS はG1昇格に加え、有馬記念の前座的なレースだったそれまでとは、飛躍的に売上が違い、112 億円を売り上げました。歴史ある朝日杯FS が約134 億円だったことを考えると、2 歳G1での売上とすれば上々と言える数字だったといいます。
 12 月28 日の売上総額は、中山競馬が約193 億円、阪神競馬は約104 億円で、WIN5も約6 億5 千万円。WIN5 は通常と変わらないぐらいは売れたし、仕事納めで忙しい時の平日開催だったことを考えれば、凄い売上だったと考えられます。
(Our Pleasure2018年2月号 古谷コンシェルジュの競馬観 古谷剛彦より)


 ■2018/05/10 12月28日開催で東京大賞典の売上が食われる…も杞憂だった

  こういうのは、みんな批判ばっかりになるもので、28 日に中央競馬の開催があると、その翌日に行われる東京大賞典の売上が喰われるのでは…という心配の声もあったそうな。ところが、これも結果として杞憂に終わりました。というか、逆に良い効果があったかもしれません。
 東京大賞典の売上は、約42 億7307万円で、地方競馬における1レース当たりの売得金額レコードを約5 億円上回る形で更新!。また、当日の売上総額も、約70 億4365万円で、
こちらも約8 億5 千万円上回るレコードを樹立したそうです。

 28 日の中央競馬の専門紙を見ると、どの新聞にも東京大賞典の馬柱が掲載されていました。翌日の地方競馬の馬柱を掲載するなど、中央競馬のメディアが協力する形で地方競馬を盛り上げてくれたという、相乗効果も生まれたと考えられます。


■2018/05/10  馬は年末年始だけうまく休めない…除外対策としても必要では?

 私は一口馬主でもあるので、馬主的な観点から賛成でした。記事でも、"真ん中に1日でも開催がある方が、除外対策などの面で良いという、厩舎サイドの意見もあり、いろんな意味で考えれば、2017 年の日程は成功と言えるのではないか"としていました。

 馬券だけを楽しむファンは知らないでしょうが、正月明けの除外ラッシュ はひどいものです。馬は年末年始であっても関係なく走れる状態になってしまうわけで、人間のように、この 短期間だけ休めと言われてもうまく休むことはできません。
 ただし、この1日だけの開催では除外ラッシュの解決策とならないでしょうから、よりいっそうの改革が必要だと思われます。


2024年12月27日金曜日

あわや大惨事!カラ馬逆走でも確定の船橋競馬に非難轟々

■2021/05/13 あわや大惨事!カラ馬逆走でも確定の船橋競馬に非難轟々


■2021/05/13 あわや大惨事!カラ馬逆走でも確定の船橋競馬に非難轟々

 馬は群れて走る習性があります。日本の新潟競馬場では芝の痛み具合に差が出るためにそういうことはありませんが、海外の直線競馬なんかでは内ラチと外ラチに分かれて2つの馬群で固まって走る…なんてことが見られます。落馬競走中止となった場合でも、この習性により、いっしょに走るということが多いです。見た目にはかわいいのですが、危険性もあります。
 ただ、2021年5月5日の船橋8R・ユウゲ賞(ダ1200m)は、普段のカラ馬とは比較にならないほど危険な状態になりました。発走後落馬した馬のあおりでもう1頭が落馬したのですが、問題はカラ馬となったうちの1頭が最後の直線のラチ沿いを逆走してしまったことです。馬群の内側をすり抜けていき、一歩間違えれば大惨事でした。しかし、この件について審議が行われたが、競走全般に重大な支障があったとは認められず、レースは到達順位どおり確定したといいます。
<【地方競馬】あわや大惨事! 船橋競馬で馬がレース中に逆走>(5/5(水) 20:20配信 netkeiba.com)より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/483e79fd17d4be1cbd187e48def7a43a49e1881a

 映像を見てみると、ちょうど最後の直線で反対側の最内をカラ馬が逆走。一番大事な場面での逆走馬との出会いですし、最内にいた1頭はスピードを緩めて後ろを確認しながら大きく斜行。当然、この状態では前を横切られる馬にも影響があります。上位争いの馬はそのまま追っていた感じですが、レースに影響がなかったとは思えません。
 当然ながら、コメント欄では非難轟々。レースが不公正というだけでなく、今後同じような場面があったときに、騎手が安全を優先しなくなる可能性もあるため、たいへん悪い判断でした。たぶんレース不成立とすると全部払い戻しで利益が発生ないため確定させたのだと思われますが、安全よりカネという話で問題があります。

<逆走の馬を真正面に見た騎手は追えないと思うし、これを確定したのは問題があると思う>
<逆走している空馬が競走している馬に近づく事が予測された場合は、競走を中止させ馬を止める必要があったと思う>
<これ事故とはいえ、なんとか途中でもいいからレース不成立に出来なかったのか…
馬が正面衝突寸前にすれ違うとかあってはならない事>
<実況も戸惑ってたからレース不成立の裁定があり得ると思ったのでしょう。
大惨事にならなかったのは結果論で本当に運が良かっただけ。空馬が内ラチ沿いを走ったからよかったものの、もし馬群の中央に突っ込んで大事故になってたら船橋競馬はどう弁明するつもりだったのか。
最近競馬界は八百長、不正受給、馬の顔を蹴る等イメージを悪化させるニュースが立て続いてしまってるのだからもっと厳しく運営するようにほしい>

 なお、2月に高知競馬で故障馬が走路にいたため、レースが不成立になった…というコメントもありました。これを成立させてしまった船橋競馬は問題があると思われます。

 …と書いて終わろうとしたら、ひとりだけ変なコメントしている人を見つけてびっくり! なんでしょう、これ? 何を言っているのかよくわかりません。

<【ギャンブル】に怪我と言った大惨事以外の記事はありえない。
この結果で場があれてギネス級の30万馬券がでたのならまだしも、何をもって大惨事なんだ?
そもそも、ギャンブル。
倍率が上がらない事故は事故ではない>

 「あわや大惨事」の「あわや」の意味を知らないということでしょうか。それとも、オッズに影響ないなら、たとえ競馬で死人が出ようが大事故ではないってことでしょうか。怖い人ですね。他にどんなコメントをしているのか?と見てみたら、いわゆるネトウヨ系の方でしたわ…。テロを思わせるような発言もしています。

(新型コロナウイルスのワクチンの記事について)
<絶対にやって欲しくない事がある。習近平国家が関係したワクチンを使う事。これだけは秘密裏でもやらないで欲しい>

(東京五輪中止求めるデモに関する記事について)
<うわっ!、俺も現地に行けばよかった。そして、この馬鹿共を暴力を使ってでも言葉無き者にしてやれば良かった。五輪は開催されて当たり前>


2024年12月26日木曜日

池江泰郎元調教師、馬主としての成績はイマイチ?所有馬を見ると…

■2021/06/01 池江泰郎元調教師、馬主としての成績はイマイチ?所有馬を見ると…


■2021/06/01 池江泰郎元調教師、馬主としての成績はイマイチ?所有馬を見ると…

 POG馬を探していたら、調教師と馬主の両方に「池江」の名前が並んでいて、なにかの間違いかと思ってしまいました。ただ、調教師が池江泰寿で、馬主が父の池江泰郎。池江泰郎さんは調教師を引退しているので、一応ルール的にはあり。とはいえ、日本では珍しいケースで、アリなの?と驚いてしまいました。
 検索してみると、馬主になってのは全然最近じゃありませんね。私が知らなかっただけでしたわ。2014年にJRAブリーズアップセールで3240万円(税込)で競り落とされたネージュドールはすでに入厩済みとのことで、デビューはおそらく2014年。また、翌年の2015年に初勝利を挙げています。

<元調教師の池江泰郎氏(74)が、かつて管理したディープインパクトの子で馬主初勝利を飾った。阪神4R(2歳未勝利戦、芝1800メートル)で、リボンフラワー(牝、池江)が1番人気に応えて勝利。昨年8月の新潟(新馬戦)でネージュドールを初出走させてから11戦目(地方1戦を含む)>
(池江元調教師ディープの子で馬主初勝利/阪神4R|極ウマ・プレミアム [2015年12月06日 07時15分] より)
https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1575707&year=2015&month=12&day=06

 このリボンフラワーが出世頭ですが、賞金は1300万円程度。4頭しか持っていない(うち1頭はデビュー前)、大馬主ではないので資金力がないとは言え、さすが名伯楽!といった感じはありませんね。しかも、ディープインパクト産駒とステイゴールド産駒でこの成績です。
 ただ、リボンフラワーはアネモネS(OP)5番人気4着の後、故障で引退しており、無事ならもっともっと稼いだ感じはありました。

馬名 性 生年 厩舎 父 生産者 総賞金(万円)
リボンフラワー 牝 2013 [西] 池江泰寿 ディープインパクト 千代田牧場 1,323.40
クレアーレ 牡 2017 [地] 森沢友貴 ディープインパクト 千代田牧場 604
ネージュドール セ 2012 [西] 高橋康之 ステイゴールド 市川牧場 419.3
オールタイムハイ 牡 2019 [西] 池江泰寿 ディープインパクト 千代田牧場 0


2024年12月25日水曜日

欧州三冠なんて言うのは日本だけ?不可思議なレースの組み合わせ

■2021/09/25 欧州三冠なんて言うのは日本だけ?不可思議なレースの組み合わせ
■2021/10/1 フランス人に怒られそうな欧州三冠…英ダービー出走馬の国籍は?


■2021/09/25 欧州三冠なんて言うのは日本だけ?不可思議なレースの組み合わせ

 世界三大夜景…など、三大なんとかが大好きなのは、どうも日本人だけっぽいですね。世界三大夜景なんかも海外では言われていない感じでした。
 一方、競馬のクラシック三冠は、珍しく本場の海外競馬からの輸入品で、日本オリジナルではありません。ただ、同年に英ダービー、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS、凱旋門賞を制覇するという「欧州三冠」の場合はやはり「日本オリジナル」ではないか?と思いました。
 そう思ったのは、<「欧州三冠」が有名なのは意外にも日本だけ!? 同年に無敗達成はわずか1頭のみ、サンデーサイレンス最大のライバルといわれた馬のあまりにも淋しい悲劇 - GJ>(2021.07.27 黒井零)という記事を見かけたため。この記事タイトルだと、有名ではないだけで「欧州三冠」は海外でもあるように見えたものの、本文は以下の通りで、やはり日本人が勝手に作っただけ…という可能性を感じさせました。

<比較的知られているはずの「欧州三冠」という呼称も、実は日本だけということは意外と知られていないかもしれない。欧州の3大レースを制覇したことを便宜上そう呼んでいるが、そもそもイギリスとフランスのレースが混在していることから分かるように、欧州でこのような表現は一般的ではない>
https://biz-journal.jp/gj/2021/07/post_240571.html

 イギリスとフランスが混在するという不可思議な組み合わせ。さらに、3歳限定戦と古馬混合レースも混在しています。よくよく考えてみると、かなり変な「三冠」の選定です。
 イギリスの馬が英ダービーを制して他も狙う…ならまだあり得そうなものの、フランスの馬ってどれくらい英ダービー行くんでしょうね。もし英ダービーは全然狙っていないとすれば、この欧州三冠の定義にフランス人は不満を感じるかもしれません。

 ところで、記事タイトルの後半<同年に無敗達成はわずか1頭のみ、サンデーサイレンス最大のライバルといわれた馬のあまりにも淋しい悲劇>というのはラムタラのことですね。「悲劇」については後述しますが、そもそも「欧州三冠」を達成したのは2頭しかいません。記事では以下のように難易度が理由としていたものの、そもそもヨーロッパでは意識して狙っておらず、チャレンジする馬が少ない可能性も感じます。

<そんな欧州三冠だが、世界最高峰クラスのレースを同年度に3つ勝たなければならない最高難易度ということもあり、過去に達成したのはわずか2頭のみ。1頭は1971年のミルリーフ。その仔であるマグニテュードからは二冠馬ミホノブルボンが誕生したことでも有名だ。
 もう1頭は「奇跡の名馬」、「神の馬」といわれた95年のラムタラである。こちらはなんと無敗で達成という離れ業をやってのけたのだから、とんでもない偉業といえるだろう>

 一方、ラムタラの「悲劇」というのは、要するに種牡馬成績が悲惨だったという話。ライバルと目されたサンデーサイレンスのシンジケートを遥かに上回った契約は、史上最高額であったそうですが、産駒成績は重賞をやっと1頭勝って終わりというひどさであるなど、種牡馬としては大失敗のままに亡くなったことを言っているみたいですね。

<その後、6年にイギリスに売却されたラムタラの売却額は24万ドル。購入時の3000万ドルから100分の1にも満たない評価で、かつて栄華を極めた欧州へと里帰りする。その後、種牡馬を引退してからイギリスのダルハムホーススタッドで余生を送り、14年7月に22歳でその波乱の生涯を終えた。
 現役時代の名馬が、必ずしも名種牡馬とならないことは、競馬の世界で決して珍しいことではないとはいえ、デビューからわずか4戦で無敗の欧州三冠を制した現役時代の華やかさに比べると、あまりにも悲劇的な晩年だったといえるだろう>


■2021/10/1 フランス人に怒られそうな欧州三冠…英ダービー出走馬の国籍は?

 そもそも英ダービーに、フランスの馬なんか出ないのでは?に関して、とりあえず、2021年の英ダービーの出走馬だけ見てみました。<2021英ダービー(G1)の出馬表が確定 JRA>を見ると、やはりイギリスとアイルランドの馬しか出ていませんでしたね。
 以下の通り、12頭のうち9頭がイギリスで、アイルランドが3頭。競馬の世界では、アイルランドとイギリスは同じ枠内であり、すべて地元の出走馬だと言えます。海外から来る年もあるのでしょうが、基本的には地元の馬が多いのではないかと思いました。

(イギリス)
ユーススピリット    A.ボールディング(英)
アダイヤー    C.アップルビー(英)
ハリケーンレーン    C.アップルビー(英)
ワンルーラー    C.アップルビー(英)
ジョンリーパー    E.ダンロップ(英)
ギアアップ    M.ジョンストン(英)
サードレルム    R.ヴェリアン(英)
モジョスター    R.ハノン(英)
モハーフェス    W.ハガス(英)
(アイルランド)
ボリショイバレエ    A.オブライエン(愛)
サザンライツ    J.オブライエン(愛)
マックスウィニー    J.ボルジャー(愛)
https://www.jra.go.jp/news/202106/pdf/060401.pdf

 こういったほぼ地元の馬限定のレースを入れて、「欧州三冠」としてしまうのは問題があります。そもそも英ダービーを狙う気がないフランスの馬は、欧州三冠をほぼ絶対取れないってことになっちゃいますからね。海外の馬が狙わないレースを入れちゃいけませんよ。
 日本のレースを使った例だと、日本ダービー、ジャパンカップ、香港カップで「東アジア三冠」みたいな感じでしょうか。今はそもそもジャパンカップも国内レース化しているのですが、香港にとってはそれ以上に日本馬しか出ない日本ダービーを三冠にするというのはおかしい!と思うでしょう。欧州三冠は妙な選定でした。

2024年12月24日火曜日

白毛なだけじゃない!シラユキヒメ一族は強くて個性的

■2021/04/15 白毛なだけじゃない!シラユキヒメ一族は強くて個性的


■2021/04/15 白毛なだけじゃない!シラユキヒメ一族は強くて個性的

 当初は白毛馬として話題になったサンデーサイレンス産駒の牝馬シラユキヒメ。突然変異であり、父も母も白毛に似て見える芦毛ではありませんでした。Wikipediaでは、その希少性について、以下のように書いています。

<サンデーサイレンス産駒の白毛馬として話題を集めた。芦毛とは違い白毛は産まれたときから白い。鹿毛のウェイブウインドの初仔である本馬は、父が青鹿毛のサンデーサイレンスであるにもかかわらず、突然変異で誕生した白毛である。突然変異なので、本馬の弟妹には一頭も白毛は生まれていない。
 突然変異の場合は白毛馬は非常に生まれる確率が低く、1万頭から2万頭に1頭ほどの確率でしか産まれない。そのため白毛馬は出走した頭数も少なく、地方競馬ではホワイトペガサスが南関東公営競馬で8勝を挙げているのを筆頭に数頭が勝利を挙げているが、中央競馬では本馬が競走馬としてデビューした2001年(平成13年)当時まだ勝利はなかった。
 本馬はデビューが遅れたこともあって、出走したレースは中央競馬の500万円以下または900万円以下という厳しい条件であり、初勝利を挙げることはできなかったが、それでも9戦して一度3着に入っており、白毛馬としては中央競馬で初めて馬券に絡む着順(3着以内)に入っている>

 シラユキヒメは話題性があったものの、上記の通り、白毛馬初の中央競馬勝利は達成できませんでした。ただ、予想外だったのが、シラユキヒメの子、孫、ひ孫といったシラユキヒメ一族がめちゃくちゃ強くなったことです。驚きました。
 娘のユキチャンは、川崎競馬場の重賞・関東オークス (JpnII) では8馬身差で圧勝。日本だけでなく世界初となる白毛馬による重賞勝利を挙げています。
 孫では、ハヤヤッコも白毛でレパードS(G3) を勝利していますが、なんと言ってもすごいのがソダシ。白毛馬として史上初めて芝の重賞勝利・GI勝利(阪神ジュベナイルフィリーズ)・牝馬クラシック初出走&初勝利(桜花賞(G1))などを達成しています。

 毛色で言うと、一族からは栗ブチ、鹿ブチ、ブチという、これまた珍しい馬も誕生。分類上これらは白毛ですが、頭数の少なさを見ると、単純な白毛以上に珍しいと考えられます。やはり個性的だと言えるでしょう。
 さらに、シラユキヒメ一族には、気性難という個性も加わるのがおもしろいですね。シラユキヒメの鹿ブチの娘はその名もブチコというそのまんまな名前でファンの多い人気馬でしたが、オープン入り後の初戦となった2016年4月13日の第20回マリーンカップでは、単勝1.9倍の1番人気に推されていたのに、ゲート入り後に逸って前扉をこじ開けて飛び出してしまい、この際右上眼瞼から出血したため競走除外とった個性派。このレースは主催発表で5億1688万9600円の売上があったのが、ブチコの除外により3億6460万7800円(70.5%)が返還対象となりました。JRAとしてもきついです。その後もゲートをくぐろうとして前扉を破壊したり、放馬したり、騎手を怪我させたりで、ゲート難による引退というひどいことになってしまいました。
 ただ、その娘が前述のソダシなのですから、気性面はクリアして能力を発揮しています。一方、シラユキヒメの別の白毛の娘であるユキチャン、さらにその娘のシロインジャーと続いて、鹿毛で生まれたひ孫メイケイエールの方は気性難を克服しきれず。先のソダシと同い年で、重賞を含む3連勝でソダシと全勝対決。ソダシ1番人気、メイケイエール3番人気で、メイケイエールの方は4着に終わっています。勝利しているレースも危なかっかしく、次のチューリップ賞では蛇行して、武豊騎手がよく振り落とされなかった…と感心させられるほど。この状態でG1以外は全勝していたのですが、再びソダシと対決した桜花賞では、3番人気に押されたのに最下位負け。後ろから行ったものの、抑えきれずに先頭に立ち、最後はバテてしまいました。やはり個性的です。ただ、騎手を怪我させたことがあるブチコ同様に鞍上が危ないほどの気性の悪さですし、レース中に他馬にも迷惑をかけてしまう…ということで深刻。個性派!個性派!とばかり言っていられないレベルになっています。

2024年12月23日月曜日

誰でもしてるクラシック登録を期待馬で忘れるミスをやらかす?

■2023/11/21 誰でもしてるクラシック登録を期待馬で忘れるミスをやらかす?
■2012/11/24 こぼれ話まとめ:いくらなんでもそれは長すぎる長距離戦・芝18600m
■2022/06/21 netkeibaで誤植?血統の戦績紹介で1頭だけ馬名説明があるのはなぜ?


■2023/11/21 誰でもしてるクラシック登録を期待馬で忘れるミスをやらかす?

 ベランジェールという馬の掲示板を見ていて、そんなことあるんだ!と驚いたのが、クラシック登録を忘れてしまい、万が一の際には200万円支払うという痛恨のミスが発生した…という話。
 最終的には、クラブ側(DMMドリームクラブ)のミスということになったそうですけど、調教師(木村哲也)のミスも当初は疑われていました。こういうの気づかないもんなんですかね?
 また、ここのやり取りを見ていて、それほど有望な馬でなくてもとりあえずクラシック登録はしまくっているのかな?とも思いました。事実ならこれも初めて知ったという話。これは期待馬扱いされていたベランジェールがなぜ未登録なのか?といった文脈で出てきた話です。

 あと、気になったのが、200万円の重大性に関するコメントがなかったこと。逆に「追加登録が必要ならクラブ側が費用負担をすると言っていますし、もういいのでは」というコメントならありました。
 「クラブが払う」となると、その金額をクラブはどこかで稼ぐ必要があります。となると、ベランジェールに限らないクラブ会員の負担として最終的には乗っかってくる可能性が高いです。相当なミスであり、割と重大な事態なんですよね…。

 [1007] セイウンコクサイさん
重賞の一つも勝たないと、な価格、育成時はいまだかつてないくらいのアゲアゲコメント、
桜花賞がどうだこうだといっておきながら、なんと!
クラシック登録してなし。

[1008] チョコボウラー向井さん OXkVk5Y フォローする
確かに。1回目からもう登録してない。
私の他の出資馬でまだまだデビュー先になりそうな馬たちいますが、とりあえず1回目は登録してます。
この馬してないってどゆこと?(中略)
万が一出れるようになったら200万払って登録すればいいやって考え?

 [1009] ゲストさん QTQ5l4E フォローする
>>1007
これは驚愕の事実。よく見つけたね…笑
期待馬が登録するものじゃなくて、登録しない理由がある馬が登録しないものくらいに考えてたけど。ましてやクラブ馬なんて気遣ってノータイムで登録ちゃうんかい。
信じられん…

 [1013] うーたんさん FTYiYJE フォローする
>>1012
どうなんでしょうね…
調べてみたら手塚厩舎木村厩舎の他の2歳未勝利馬でも大体クラシック登録されてました。

 [1015] すけ兄さん MSWYBFE フォローする
公式のお知らせで出ましたね
クラブと厩舎間の確認不足とのこと
追加登録費用との“差額”はクラブ持ちらしいです

 [1016] kwtnさん ESOFeVk フォローする
5大競走未登録はまさかのガチ事務作業ミスらしいです。万が一桜花賞、オークスに出る場合はクラブで差額を負担してくれるらしいです。こういうのってクラブ側が一元管理してるものと思ってたのですが、厩舎も絡んでたのですね。ほうれんそう大事。

 [1017] うーたんさん FTYiYJE フォローする
クラブから公式でお知らせ来ましたね。
クラブと厩舎側との確認不足によるミスとのこと。
追加登録料200万と通常登録料の差額は全てはクラブ負担。
再発防止策として今後はクラブが一括して登録を行うという事でした。
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2021105484


■2012/11/24 こぼれ話まとめ:いくらなんでもそれは長すぎる長距離戦・芝18600m

 パソコン内整理していたら出てきた「いくらなんでもそれは長すぎる」というhtml。何かな?と思ったら、トップガンドリームという競馬サイトで以下のような記述があったのを保存していただけでした。

-----引用 ここから-----
時事通信杯 フラワーカップ (GⅢ)
  2003年 3月23日 中山競馬場 <b>芝18600m</b>
  第11レース サラ系3歳牝馬オープン 別定
-----引用 ここまで-----

 まあ、単なる誤植なんですけど、こういうの好きなんですよね。
 芝18600m。嫌すぎますね。どんだけ長いんだよという。スーパーステイヤーです。
 しかも、3歳の牝馬ですよ。かわいそうに。菊花賞が芝3000ですから、6.2回分。菊花賞が3分数秒のタイムですからバテずにそのまま行っても20分くらいかかるかな?長いわぁー。

(補足:トップガンドリームはもう名前も覚えていなかったくらいのサイトですが、残っていたhtml見た感じだとコンピュータによる競馬予想サイト。
私は人気をある程度見ないと予想できないので前日予想オッズがあったか、展開予想が当時好きだったので逃げ・選考馬などの脚質の表示があったか、あるいはその両方か?といった感じじゃないかと思います)


■2022/06/21 netkeibaで誤植?血統の戦績紹介で1頭だけ馬名説明があるのはなぜ?

 誤植系を久々に見つけたので、近い話のあるこちらで紹介。見つけたのは、新馬戦に出走があったヤマタケアオイバラの血統表です。

 ヤマタケアオイバラ自体は8番人気で注目じゃなかったのですが、私は穴馬狙いのPOGもやっていたので確認。デビューした上3頭のうち1頭が中央で3勝しているという、8番人気としてはなかなか良い血統です。ただ、父のジャスタウェイを私は評価していないので、POG指名はせず。結果、8番人気なのに、最下位である16位と予想以上の惨敗でした。

 さて、問題は誤植の話です。上記で少し書いたように、私は兄弟の戦績を参考にするため、netkeibaの血統表のページで兄弟が何勝しているか確認します。netkeibaの血統表の牝系図では、普通以下のヤマタケアオイバラの近親の例のように中央と地方の勝利数と重賞の好走歴などが書かれているのが普通です。

 |-- ファインチョイス (牝 2009 鹿毛 アドマイヤムーン) 4勝
 |   |    1着 - 函館2歳S(G3)
 |   |    3着 - KBSファンタジーS(G3)
 |   |-- プライムチョイス (牝 2015 鹿毛 ロードカナロア) 地方1勝
 |   |   |-- プライスレス (牝 2020 鹿毛 ビッグアーサー) 中央現役
 |   |   `-- プライムチョイスの2021 (牝 2021 鹿毛 モーニン)
 |   |-- ガデスチョイス (牝 2016 黒鹿毛 キンシャサノキセキ)
 |   |-- エクスチェンジ (牝 2017 栗毛 マジェスティックウォリアー) 1勝

 ところが、ヤマタケアオイバラの近くだけ変だったので目立っていました。なぜかヤマタケアオイバラの姉のところにだけ、馬名の意味・由来の説明が書かれていたのです。こんなの、初めて見ましたわ!

 |-- マルヨパトリオット (牝 2008 栗毛 アルカセット) 地方4勝
 |   |-- マルヨパトリオットの2014 (牝 2014 栗毛 フリオーソ)
 |   |-- ミスズフリオーソ (牡 2015 栗毛 フリオーソ) 3勝
 |   |-- リングアップ (牝 2017 栗毛 スマートファルコン) 地方2勝、獲物を狙うハヤブサの旋回上昇(鷹狩り用語)
 |   |-- ケイティレジェンド (牡 2018 鹿毛 リオンディーズ)
 |   |-- ヤマタケアオイバラ (牡 2020 鹿毛 ジャスタウェイ) 中央現役
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2020102211/

 なぜこんな間違いが起きたのか想像できません。そもそもnetkeibaでは、馬名の意味・由来の説明の項目を見たことがないため、別の部分を間違って参照している…という感じでもなさそうです。まさか手作業で反映しているってことはないでしょうが、そうしたミスでも不自然。担当者がいたずらしたんでしょうか?

 なぜか1頭だけ馬名説明のあったリングアップ自身の血統表・牝系図も確認してみると、同様に「獲物を狙うハヤブサの旋回上昇(鷹狩り用語) 」との説明が見えます。
 さらにリングアップのトップページを確認してみると、こちらにもありました! 受賞歴のところに先ほどと同じ馬名説明がなぜか書かれています。

受賞歴
獲物を狙うハヤブサの旋回上昇(鷹狩り用語)
https://db.netkeiba.com/horse/2017100894/

 全然思いつかなかったのですが、そういや血統表・牝系図では受賞歴も網羅。例えば、ジャングルポケットの場合は、トップページと血統表・牝系図で以下のように書いています。

受賞歴
JRA賞年度代表馬(2001年)、JRA賞最優秀3歳牡馬(2001年)
https://db.netkeiba.com/horse/1998101786/

 |   |-- ジャングルポケット (牡 1998 鹿毛 トニービン) 5勝、JRA賞年度代表馬(2001年)、JRA賞最優秀3歳牡馬(2001年)
 |   |        1着 - 東京優駿(G1)、ジャパンC(G1)、札幌3歳S(G3)、共同通信杯(G3)
 |   |        2着 - 天皇賞(春)(G1)、阪神大賞典(G2)、ラジオたんぱ杯3歳S(G3)
 |   |        3着 - 皐月賞(G1)、札幌記念(G2)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/1998101786/

 どうも受賞歴の記載の時点で、自動化したソフトか手作業かなにかでミスして、血統表にも掲載された…という流れである模様。いずれによ「なぜこんな間違いを…?」というものではなありますが、最初見たときよりは理解できるミスになっています。



2024年12月22日日曜日

ルメール騎手が有馬記念で史上初16番枠で馬券圏内、スターズオンアースで 何がうまいのか?

■2023/12/25 ルメール騎手が有馬記念で史上初16番枠で馬券圏内、スターズオンアースで 何がうまいのか?
■2017/01/05 ルメール騎手はやっぱりうまい? 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20
■2012年11月22日 マイネルクロップ人気薄で3着(ルメール) 私見騎手評価ランキング ベスト20


■2023/12/25 ルメール騎手が有馬記念で史上初16番枠で馬券圏内、スターズオンアースで 何がうまいのか?

 2023年の有馬記念は武豊騎手騎乗のドウデュース(牡4歳)が最終コーナーで外を回って仕掛けると、直線で前をとらえてV。単勝2番人気は正直過剰人気だと思っていたのですけど、文句なしの復活です。
 1番人気で川田騎手騎乗のジャスティンパレス(4着)も後ろでしたが、微妙な位置取りの違いや仕掛けるタイミングなどで武豊騎手のうまさが際立ちました。川田騎手は個人的には結構好きな騎手だったんですけどね…。

 一方、私が買っていたのは、単勝7番人気のスターズオンアース(牝4歳)。ジャパンC3着でこちらでもまた来るのは無理じゃないか、これですら過剰人気では?と思いつつも、ルメール騎手が気になって単複購入。1着まで期待させるような走りの2着。しかも、内ラチに当たってたそうで、本当惜しかったです。
 私は全然知らずに購入したんですけど、16番枠は鬼門だったらしいですね。<【有馬記念】鬼門16番枠から先行策に出たスターズオンアース2着も…ルメール騎手「枠は関係なかった」>(12/24(日) 17:03配信 馬トク報知)で知りました。

<16番枠は過去1度も3着以内がなかったが、初めて馬券圏内に好走した。
 クリストフ・ルメール騎手(スターズオンアース=2着)「16番からいいポジションをとれた。スタートで力をロスしなかった。そのあともずっとマイペースで走れて、最後は伸びてくれたが内にもたれてしまった。直線でずっと右に行っていた。それで負けました。枠は関係なかった」
 高柳瑞樹調教師「ゲートは最近出てくれているし、無理せず位置をとれたのは良かった。3コーナーで内にもたれてラチに接触。バランスを崩したし、最後の直線も内にもたれた。フェアリーSのときひどかったけどそれ以降はなかったが、今日はロスのあるところが出てしまった。この後は放牧に出して考える」>
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e1ab3d14c20f18116a42a69eed24e48910a4e99

ヤフーニュースのコメント
<2着とはいえ素晴らしい走りでした。大外枠でどうするのかと思ったら、スタートを決めて2番手につけるとは本当に驚いた。その後もリズムを崩さずに走らせて最後までわからない勝負まで持ち込んだ(中略)。
東京向きのスターズオンアースをしかも大外で2着に持って来れるのはルメール騎手以外ではできなかったでしょう。やっぱり一流騎手は不利な条件でも最善を尽くして乗れるんだなと改めて思いました。>
<16番で勝つならこの戦法しかないというかルメールならやると思った。ディープに勝つ為にディープより前で競馬をする。と同じだよね。>
<超一流のジョッキーには枠は関係なかったですね。去年のダービーも大外18番からイクイノックスを2着に持ってきたルメールなら必ず最高の走りをしてくれると信じてた。>
<武豊のジョッキーカメラ見たけど
ゴールした後に真っ先にルメールが「おめでとう」と言っていて
この方は人間的にも本当に素晴らしいと思った。>
<枠順抽選会であれだけ落胆してたのにこんな神騎乗を見せてもらえるとはすばらしいとしか言えないです。
無難に外を回してあわよくば馬券内ではなく、勝つにはこれしかないという渾身の騎乗でした。
ただ、もう1人のレジェンドがこれまた凄まじい騎乗だったのは仕方ないです。>

 位置取りの話が出ていましたが、私はルメール騎手はあまりポジションを取りに行かない騎手というイメージ。ガンガン前に行かせる競馬はあまりない騎手でしょう。なので、先行馬以外だと後ろすぎかな?ということもよくあります。今回も強く促したわけではなく、馬が行く気になっていたのを無理に抑えずに、折り合って馬に任せた感じでした。
 ただ、こういう前後ろの位置取りではなく、強い馬との位置関係とか、追い出しのときのために追えるコところにあらかじめ動かしておくコース取りみたいなところは、本当関心しますね。今回とは逆に人気の馬をマークしていて、直前で目標にして交わすといったこともよくやる印象。この場合は、コースも人気馬が勝手に作ってくれることがあり、ちゃっかりそのコースを使って、最後だけ抜くということになります。

 あと、素人なので見ていてもわからないのですけど、最後にちゃんと伸びてくるというのは、馬に負担をかけない余力を残したり、溜めたりする騎乗もうまいんでしょうね。今回の場合、コメントにも出ていた武豊騎手のジョッキーカメラでブレが少なくて驚いたとの声が出ていました。武豊騎手は特に差し馬がうまい騎手というイメージです。
 外国人騎手は最後伸びが違うことが多いのもこういう理由なんですかね。先行馬をバテずに行かせるのがうまいという違うタイプですが、モレイラ騎手のブレの少なさは藤沢調教師が絶賛していたことがあります。


■2017/01/05 ルメール騎手はやっぱりうまい? 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20

 最近はあんまり高得点つけていないんですが、以前、騎乗の得点をつけていて気づいたのが、ルメール騎手がやたら高評価なこと。それで一時期好きでした。以下、その頃の記録。その後に、ブノワ騎手絡みの二つの話もまとめます。昔の私見騎手評価ランキングで、ルメール騎手がお気に入りになったあたりのをセットにしました。

・2012年11月11日 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20(全67騎手中)
順位騎手名評価リーディング変動前回
1松岡243.4219-1
2ウィリア183.2846-2
3大庭233.22圏外-3
4藤岡佑193.2134-4
5木幡153.244-5
6川須223.1815△39
7石橋脩183.1725▼16
7柴山183.1741▼16
9ルメール153.1372△716
9国分恭153.1346△110
11勝浦173.1233▼110
12太宰183.1128-12
12三浦183.119-12
12中舘193.1119-12
15津村223.0935-15
16古川123.0850△117
17戸崎圭143.0761▼98
17和田303.0711△118
19大野183.0624-19
19江田照183.0652-19
21佐藤哲203.0531-21
21田辺223.0523-21
23高倉24342圏外圏外
23嘉藤12376-23


 複勝率ランキングでもジャンプアップでしたが、ルメール騎手が7ランクアップの9位。外国人騎手は見るチャンスないので集中的に見て、今週は4レース見ました。2レースは3点で、良かったのは、「ダノンウィスラー12/11/10 京都12R 3歳上1000万下 16:20芝1600」。いつもは差している馬を2番手で競馬。しかも、ゆるゆるで楽に行かせる好判断、好騎乗。危なげなく勝利。これは4点じゃなく5点にしました。
 逆にマイナスだったのは、「ディアマイベイビー12/11/10 京都11R ファンタジーS(G3) 15:45芝1400」。完全に出遅れ、さらに引っかかって前まで。気性の問題だろうなとは思うものの、出遅れは自動的に減点なのでルール通り2点。仕方なかったと思うので、1点にはしませんでした。


■2012年11月22日 マイネルクロップ人気薄で3着(ルメール) 私見騎手評価ランキング ベスト20

私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20(全67騎手中) 
順位騎手名評価リーディング変動
1松岡243.4219-
2ルメール183.3367△7
3ウィリア183.2848▼1
4大庭233.22圏外▼1
5木幡153.244-
6藤岡佑213.1934▼2
7川須243.1714▼1
8柴山193.1641▼1
8石橋脩193.1626▼1
10国分恭153.1348▼1
11勝浦173.1233-
12太宰183.1126-
12中舘193.1119-
14津村223.0934△1
15古川123.0848△1
16和田313.0711△1
17大野183.0624△2
18三浦193.059▼6
18佐藤哲203.0529△3
18田辺223.0523△3
21戸崎圭16357▼4
21福永2735圏外
21吉田隼26310圏外
21藤懸13362圏外

 ルメール騎手って別に好きじゃなかったし、特別印象なかったんですが、この秋は見るレース見るレースいいなぁと。好きになったかも。今週末は3レース見て、4,4,5点という完璧な得点でした。

アグネスフィズ12/11/17 京都7R 2歳新馬 13:20芝1600
 スタートで自動4点。ダッシュよく前へ行って先手。

アルバタックス12/11/17 京都5R 2歳未勝利 12:20芝1800
 もともと人気の馬だけど、前走(確かこのときはもっと後ろだったはず)より前目につけたのが良かった。スムーズに3着。前走2着であり、悪化だけど騎乗の私好みはむしろこちら。また、ハイレベル未勝利でもあったしやむなし。

マイネルクロップ 12/11/17 京都9R もちの木賞(500万下) 14:31ダ1800
 今までは前に行く競馬していた馬。しかし、今走は前に馬が集中して外目だったこともあり、無理せず中団から。良い判断だと思った。ワタシ好み。そこからすっと最内に入れて、最後もロスせずに追って3着。7番人気3着だし良かった。



競馬用語の「満口」の読み方は、「まんくち」ではなく「まんこう」?

■2023/11/29 競馬用語の「満口」の読み方は、「まんくち」ではなく「まんこう」?

■2023/11/29 競馬用語の「満口」の読み方は、「まんくち」ではなく「まんこう」?

 一口馬主で口数がなくなり満杯になることを「満口」といいます。私はこれをずっと「まんくち」と呼んできました。ところが、「まんこう」が正しい!と主張する方もいらっしゃると初めて知ります。


20: 名無しさん@実況で競馬板アウト 2021/11/25(木) 21:45:33.38 ID:+fQj9HoJ0
満口ってどう読むの?
「まんくち」?それとも「まんこう」?
 
48: 名無しさん@実況で競馬板アウト 2021/11/25(木) 22:08:34.22 ID:tMjmZXO00
>>20
まんくちって何だよ?まんこうに決まってるだろ?
https://kamashi-sokuhou.com/?p=2987


 競馬用語ではない「満口」では、確かに「まんこう」と呼ぶそうです。ただ、これは意味が全然違いますからね…。

精選版 日本国語大辞典 「満口」の意味・読み・例文・類語
まん‐こう【満口】
〘名〙 口中に満ちていること。また、しきりに言うこと。
https://kotobank.jp/word/%E6%BA%80%E5%8F%A3-2084445


 前述のスレでは、「種付け権は一口(ひとくち)と読むんだから、フルになれば(まんくち)じゃないのか 満口(まんこう)とは意味が違くね」と返されており、私も同じ考え方です。
 例えば、100口あるもので、ひとくち、ふたくちと増えてくるから、満杯で「まんくち」。
 「てん」以外に読みようがないというのもありますが、最大が100点の場合、1てん、2てんと増えていき、最後はそのまま「100てん」で「まんてん」ですし、「満口」も「まんくち」でイイような気がするんですけど、どうなんでしょうか?


2024年12月21日土曜日

芝4000m!ステイヤーズSより長かった長距離平地競走のレース名は?

■2017/04/15 芝4000m!ステイヤーズSより長かった長距離平地競走のレース名は?
■2017/04/15 今残っている障害・芝・ダートの重賞はいくつで最長はどれ?
■2017/04/15 【答え】ステイヤーズSより長かった長距離平地競走のレース名は?
■2017/11/04 【次のクイズ】 芝世界最高賞金のレース「ジ・エベレスト」の距離は?
■2022/03/12 昔のイギリスの古馬最高峰のレースは超・長距離重賞だった!


■2017/04/15 芝4000m!ステイヤーズSより長かった長距離平地競走のレース名は?

 回答は後でやります。

【クイズ】現在JRAで最も長い平地競走はステイヤーズSの芝3600mですが、1975年まで中山競馬場で行われていた芝4000mのレースの名前は?

(1)ゴールドカップ
(2)中山4000m
(3)日本最長距離ステークス


■2017/04/15 今残っている障害・芝・ダートの重賞はいくつで最長はどれ?

 平地競走として最も長いという問題にしたのは、障害競走だともっと長いことがあるためです。障害競走を入れた場合は、「中山グランドジャンプ」の4250mが日本最長となるようです。
  障害重賞は基本的に3000m超えですね。ちょうど10個ありました。

1 中山グランドジャンプ    中山    障4,250m
2 中山大障害    中山    障4,100m
3 京都ハイジャンプ    京都    障3,930m
4 阪神スプリングジャンプ    阪神    障3,900m
5 小倉サマージャンプ    小倉    障3,390m
6 新潟ジャンプS    新潟    障3,250m
7 京都ジャンプS    京都    障3,170m
8 阪神ジャンプS    阪神    障3,140m
9 東京ジャンプS    東京    障3,110m
9 東京ハイジャンプ    東京    障3,110m

 一方、現在残っている芝の長距離重賞での3000m以上は少ないです。 わずかに5レースのみでした。

1    ステイヤーズS    中山    芝3,600m
2    ダイヤモンドS    東京    芝3,400m
3    天皇賞(春)    京都    芝3,200m
4    阪神大賞典    阪神    芝3,000m
4    菊花賞    京都    芝3,000m

 ついでにダートを見てみましょう。ダートは2000mより長いものはほとんどないイメージ。で、調べてみると、そもそも2000mが最高でした。

1 シリウスS    阪神    ダ2,000m                ダ2,000m
2 平安S    京都    ダ1,900m                ダ1,900m




■2017/04/15 【答え】ステイヤーズSより長かった長距離平地競走のレース名は?
 
【クイズ】現在JRAで最も長い平地競走はステイヤーズSの芝3600mですが、1975年まで中山競馬場で行われていた芝4000mのレースの名前は?

(1)ゴールドカップ
(2)中山4000m
(3)日本最長距離ステークス

【答え】(3)日本最長距離ステークス

 何と「日本最長距離ステークス」というそのまんまな嘘っぽい名前のレースでした。信じられませんね…。Wikipediaによると、準オープンクラスの競走で、施行当時の関東圏の中央競馬においては数少ない条件クラスの長距離戦だったとのこと。 外回りを1周後、内回りを1周という、目一杯競馬場を使う贅沢なレースです。

 しかし、ハンデキャップ競走であった同競走には出走馬は集まらず、多くの年は少頭数での開催。1974年の競走ではチャイナロック産駒のキクオーカンが4分15秒6のレコードタイムを記録したのですが、翌1975年は一転して調教タイムのような凡戦でレースそのものの存在に対する物議を醸すこととなり、同年を最後に廃止されています。

 なお、中山4000mとゴールドカップも本当にあったレース名と今でもあるレース名です。同じ中山競馬場では第二次世界大戦前にも中山四千米(「日本最長距離ステークス」と同じ中山4000mコース)が施行されていたんですよ。
 この中山四千米のWikipedia によると、イギリスのゴールドカップにならい創設されたもの。東京優駿競走(現・東京優駿(日本ダービー))が3歳馬の登竜門であるとすれば、この中山四千米は競馬界を引退する時期の近づいた強豪級の真の実力比べの檜舞台とされていました。競馬の特殊競走という、現在の重賞競走に相当したものです。ただし、中山四千米は1930年から1936年までの開催だけですぐ終わっています。
 第2回までは「内国産馬」という味気ないレース名だったのが、第3回から「中山四千米」となったといいます。

 ちなみにイギリスのゴールドカップは、芝20ハロン(約4023m)。名前的には日本の「金杯」にあたるものの、性格は異なっており、長距離競争であるだけでなく、こちらはG1競走でもあります。古くは古馬最高峰のレースとされ、歴代の勝ち馬にはあのセントサイモンやグラディアトゥールなどの名馬が並んでいるといいます。
  創設年は1807年であり、現在イギリスで行われている競走の中でも長い歴史も持っています。また、平地競走としてはフランスのカドラン賞(4000m)を上回り世界で最も長い距離を誇るそうです。


■2017/11/04 【次のクイズ】 芝世界最高賞金のレース「ジ・エベレスト」の距離は?

【クイズ】 2017年にオーストラリア・ロイヤルランドウィック競馬場で行われたGI第1回ジ・エベレストは、芝レースでは世界最高賞金として話題になりました。その距離は何メートルだったでしょう?
(1)1200m
(2)2400m
(3)3200m

 【答え】



■2022/03/12 昔のイギリスの古馬最高峰のレースは超・長距離重賞だった!

 中山四千米(中山4000m)の元ネタとなったイギリスのゴールドカップについてもWikipediaを見てみましょう。ダービーなど他のレースと同じように、日本だけでなく他の国でも真似しているため、区別として、アスコットゴールドカップとも呼ばれているそうです。
 前回も書いたように、現在イギリスで行われている競走の中でも長い歴史を持つ。古くは古馬最高峰のレースとされ、歴代の勝ち馬にはセントサイモンやグラディアトゥールなどの名馬が登場。グレード/グループ制で格付けされている平地競走としてはフランスのカドラン賞(4000m)を上回り世界で最も長い距離を誇るとなっています。

 近年、長距離競争は斜陽なイメージがありますが、現在はイギリス、フランス、アイルランドのステイヤーが集う競走となっているとのことです。
 また、グッドウッドカップ(G1、16ハロン)、ドンカスターカップ(G2、18ハロン)とともにカップ三冠(長距離三冠)を形成してもいるそうです。
 この3冠は過去に6度達成され、1979年及び1980年に優勝したルモスが2度達成し、近年では1995年にダブルトリガーが達成。2006年から2009年にかけてイェーツが4連覇を達成し、最多勝利記録を更新しました。長距離レースって、息が長い活躍がしやすいイメージがあり、イメージ通りですね。

 また、売上的にも成功。イギリスの平地G1の中では高い売り上げを有している方で、ほぼ5指の中に入るとされているとのこと。コーラルによると、2019年はクラシック三競走(2000ギニー、ダービー、セントレジャー)に次ぐ4番目の売り上げがあったとされています。

 ただ、この売上が良いというクラシック三冠では、日本の菊花賞の元ネタにあたる長距離重賞・セントレジャーの地位が低下しています。「長距離競争は斜陽なイメージ」というのはこれが理由の一つ。セントレジャーは売上が高いものの、地位自体は低下しているのですから、ゴールドカップも大丈夫なのかな?と思いますね。
 このセントレジャーの場合、やはりダービーやゴールドカップと同じで各地で真似されたものの、多くの地域で現在は苦戦。降格や条件変更が繰り返されており、明らかに長距離競争は逆風なんですよ。やはりゴールドカップも将来は危ういかもしれません。

2024年12月20日金曜日

福永祐一が浜中俊以来と褒めた荻野極騎手 何がすごいのか?

■2019/06/11 高知競馬場で福永洋一記念を開催する理由 発端はまさかの…
■2019/06/11 福永祐一が浜中俊以来と褒めた荻野極騎手 何がすごいのか?
■2022/10/02 荻野極騎手、重賞初制覇でもG1初制覇でもいまいち喜ばない…


■2019/06/11 高知競馬場で福永洋一記念を開催する理由 発端はまさかの…

 Our Pleasure 2017年6月号「小堺翔太のウマ追い人」のコーナーは、2017年4月26 日(水)高知競馬場で福永洋一記念デーのイベントの話。毎年やっているっぽいことを書いていました。
 福永洋一は、福永祐一騎手のお父さんで伝説的な名騎手。後遺症が残るような 大きな落馬事故で引退。古いファンでは最高の天才騎手と評価している人もいます。

 Wikipediaによると、福永洋一記念は2010年に設立。実施にあたっては福永洋一の長男である福永祐一騎手が協賛金を提供するなど、積極的に関わり続けているとのことでした。
 なぜ高知で?と思ったら、地方競馬経験はないものの、高知県出身のため。 2009年8月に高知競馬場で行われたトークショーで、福永祐一騎手が「高知といえば、坂本龍馬と福永洋一だと思います。高知競馬場で、福永洋一記念を創設できれば…」とコメントしたのが発端。まさか福永祐一騎手の方からのアプローチだったとは思いませんでした! 驚きです。


■2019/06/11 福永祐一が浜中俊以来と褒めた荻野極騎手 何がすごいのか?

 福永洋一記念の説明だけで長くなっていまいました。肝心のOur Pleasure 2017年6月号「小堺翔太のウマ追い人」の話です。
 その日に開催されたヤングジョッキーズシリーズ第1 戦では、JRA2年目・荻野極騎手が勝利。普段は中団あたりからレースを運ぶリーディングライツを先行させて勝ちました。7番人気での勝利であり、人気馬じゃありません。
 
 荻野極騎手はこの前の週、初参戦の東京競馬場で特別勝ち(鎌倉S:アキトクレッセント)を含む2 勝。とても印象的だったので、小堺翔太さんは、表彰式(勝利騎手インタビューを担当しました)で初めての競馬場に強い理由はあるのか聞いてみました。
  すると「コースの特徴や馬のクセを地元の方々から聞くなどして、準備は怠らないようにしています」との回答。後で知ったのですが、高知のリーディングジョッキー・赤岡修次騎手にもコースの話を聞き、準備をしていたとのこと。熱心で好感が持てますね。

 また、レース前のイベントで福永祐一騎手も若手の注目株として名前を挙げていたとのこと。「下半身の感じがしっかりしていて、光るものを持っていると思います。そう感じたのは浜中騎手以来。タイプも似ているかもしれないですね」との評価だったそうです。
 私の当てにならない騎手評価を見てみると、5点満点中3.04。3点が真ん中のつもりですが、実際には3点未満の方がずっと多いのでかなり良い評価。140人中46位でした。特に良い記憶なかったのですが、わりと好みのタイプであるようです。


■2022/10/02 荻野極騎手、重賞初制覇でもG1初制覇でもいまいち喜ばない…

 福永祐一騎手が浜中俊騎手以来と褒めた荻野極騎手ですが、正直言って成績は全然。個人的には印象の良い騎手ですが、私の評価と成績は反比例することが多いので、むしろ私に気に入られない方が良いですけどね。嫌われる方がお得です。
 荻野極騎手の成績の話ですが、デビューしてすぐにリーディング上位に顔を出し始めてリーディング首位にもなった浜中俊騎手と比較にならないもの。2年目は21位だったものの、それ以外は大体50位前後です。
 重賞初制覇も7年目の2022年でやっとでした。この重賞初制覇をもたらした馬はジャンダルム。荻野極騎手と数年しか競馬歴の長さが変わらないという、7歳のベテラン馬です。

<オーシャンS・G3は、2番人気のジャンダルムが4年4か月ぶりの重賞V。鞍上の荻野極騎手はデビュー7年目で初の重賞制覇を飾った。
 浮かれるそぶりはなく、こみ上げる感謝の気持ちをかみ締めていた。ジャンダルムを4年4か月ぶりの重賞Vに導いた荻野極は、デビュー7年目で待望の自身重賞初制覇だ。「重賞を勝つのが、だいぶ長くかかってしまったが、乗せ続けてくれた関係者の皆様、何より一生懸命走ってくれる馬たちに感謝したい」と、率直な言葉で喜びを表した>
(【オーシャンS】7年目の荻野極騎手、ジャンダルムで重賞初制覇「一生懸命走ってくれる馬たちに感謝したい」
2022年3月6日 7時0分スポーツ報知より)
https://hochi.news/articles/20220305-OHT1T51236.html?page=1

 ところが、このベテランの7歳ジャンダルムが同じ年に、今度は荻野極騎手に初G1までももたらします。20.3倍の8番人気であり、そこまで不人気だったわけではないものの、これにはびっくり。
 2歳のときはクラシック候補(芝2000のG1ホープフルステークスは2着)と期待されたジャンダルム自身も初G1でした。

 以下はG1初制覇を伝える記事で、荻野極騎手のコメントも載っています。私はVTR見ていないのですが、VTRを見た人では重賞初制覇のときと同じで、これまたあまり喜んでいなかった…という感想を見かけました。そういうキャラなんですかね。

<ジャンダルム(牡7、池江)が直線で抜け出し、G1初制覇を果たした。02年の母ビリーヴとの母子制覇となった。デビュー7年目の鞍上、荻野極騎手(25)もうれしいG1初制覇>
<殊勲の荻野騎手は「ジャンダルムに感謝の気持ちでいっぱいです。関係者の皆さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。非常にいい枠に入りましたし、課題のスタートもこなしてくれた。道中、直線とスムーズに運ぶことができました。手応え通り伸びてくれて、ラストもしのいでくれました。(後続の)雰囲気は感じていましたが、ジャンダルムの力を出すことだけを考えていました。僕自身、初G1ですし、ジャンダルムもいい競馬をしてくれた。オーナー、調教師、関係者、ファンの皆さまの応援のおかげです。今後も気を引き締めてやっていきたい」と話した>
(【スプリンターズS】荻野極騎手「感謝の気持ちでいっぱい」ジャンダルムと人馬G1初制覇 - 競馬 : 日刊スポーツより)
https://www.nikkansports.com/keiba/news/202210020000812.html

 前日に作られたヤフー知恵袋の「明日、荻野極はジャンダルムをG1馬にさせることができますか?」という質問では、辛辣な回答が多め。「できません」「競馬に絶対はないが無理でしょう^^」などといったものです。
 前述の通り、そこまで不人気だったわけではないので、不思議な否定ぶり。ヤフー知恵袋は性格悪い人も多いですし、そのせいかもしれません。
 感情的に否定はしていないものの、他にも「オーシャンS勝ちがピークと思うので、もう上がり目は無い。下手すると11着以下もあり得る」といった回答がありました。「中山巧者で好枠から先行すれば勝ち負けまで」という人もおり、全員が否定していたわけではないですけどね…。


2024年12月19日木曜日

マーフィー騎手は天才だが、騎乗停止多く日本では叩かれそうなタイプ

■2018/12/26 外国人騎手を褒めると、アンチ外国人騎手に絡まれる…
■2018/12/26 マーフィー騎手は天才だが、騎乗停止多く日本では叩かれそうなタイプ
■2013/3/29 ドイツリーディングシュタルケ騎手、憧れの日本(JRA)で初勝利! 


■2018/12/26 外国人騎手を褒めると、アンチ外国人騎手に絡まれる…

 掲示板を見ていると、外国人騎手がすごい!と言う人と、アンチ外国人騎手の人で揉めています。極端ですね。
 私は日本に来る外国人騎手はレベルが高いと考えているものの、向き不向きがあるというのも事実だと考えています。

 私は凱旋門賞でよく惨敗する日本の馬について、「弱いのではなく向いていない」といつも言っています。国内でも得意な競馬場・不得意な競馬場があるように、海外でも得意不得意があって当然でしょう。
 そして、これは国による競馬スタイルの 違いの影響もあります。そうなると、騎手についても得意不得意があるのは当然。日本に合わない外国人騎手というのはいるものですし、海外でうまく乗れない日本人騎手というのもいます。
 アイルランドの児玉敬調教師は、日本で挑戦したいという外国人騎手に対し、意外にも「おすすめしない」と止めていました。これはやはり競馬スタイルの違いのため。せっかく海外では一流なのに、合わない日本で苦戦して評価を落としてしまうのを見るのは忍びないといった理由でした。


■2018/12/26 マーフィー騎手は天才だが、騎乗停止多く日本では叩かれそうなタイプ

 要するに外国人騎手がうまいとは限らないということだけが言いたかったのに、前置きがえらく長くなりました。日本での評価が今後どうなるかわかないものの、2戦続けて私好みの素晴らしい騎乗をして、そこから気に入った外国人騎手が出てきました。オイシン・マーフィー騎手です。

 何者だ?とWikipediaを確認。 ちょうど名前を出したアイルランド出身の23歳。別記事によると、ヨーロッパでは注目の若手騎手のようでした。

・イギリスを拠点とする騎手。ヨーロッパにおけるカタールレーシングの主戦騎手を務める。アイルランド・キラーニー出身。
・1年目から41勝を挙げる活躍を見せる。2年目の2014年に英GIIテンプルステークスを制して重賞初制覇。同年は76勝を記録し、イギリスの見習い騎手チャンピオンに輝いている。
・2016年は114勝、2017年は127勝を記録。2017年の仏GIフォレ賞をアクレイム(Aclaim)で制し、GI初制覇を果たす。
・2018年7月にはロアリングライオンとのコンビでエクリプスステークスを制し、イギリスでのGI初制覇を飾った。

 別記事というのは、欧州の天才ジョッキー【オイシン・マーフィー騎手】のプロフィール | 海外競馬のブログ。「4000レース以上に騎乗して 複勝率が約40% と素晴らしい成績」で天才とされていました。
 ただし、騎乗停止が多く、乗り方が荒いタイプ。日本では苦労するタイプであり、前述の児玉敬調教師は、来日する外国人騎手にまっすぐに乗るように口を酸っぱくして言っています。
 私が実際に見たレースでは、強引ということではなく、すんなりとしたコース取り。積極的な騎乗も好きだったのですけど、このコース取りのセンスが気に入った理由の一つでした。 日本を意識して、多少変えているのかもしれませんけど、大いに掲示板で叩かれそうなタイプで心配です。


■2013/3/29 ドイツリーディングシュタルケ騎手、憧れの日本(JRA)で初勝利!

 前年2012年ののドイツリーディングで、凱旋門賞騎手でもあるアンドレアシュ・シュタルケ騎手。以下の記事<「夢かなった」デインドリームのシュタルケに初短期免許>(2013年3月15日06時01分  スポーツ報知)によると、日本で乗ってみたいと、かねてから憧れていたそうです。

<11年に凱旋門賞、昨年はキングジョージ6世&クイーンエリザベスSをデインドリームで制覇したシュタルケが今週から日本で手綱を執る。これまでワールドSJS、ジャパンCで来日した経験はあったが、短期免許を取得したのは初めて。「日本の競馬は馬の質、設備などでレベルが高く、競馬場もきれい。以前から来たいという思いはあった。そんな夢がかなった」ドイツの名手は、晴れやかな表情で語った。
 ドイツでは、すでにシーズンに入っているが、1か月の滞在を決断した。「オルフェーヴルが昨年、凱旋門賞で2着になった。エルコンドルパサー、ディープインパクトも有名。トップクラスの馬がいるのは把握している。世界中で乗ってきたけど、そこにない何かを見つけたい」。昨年は独リーディングを獲得したベテランは期待に胸を膨らませる>
http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130314-OHT1T00186.htm

 日本に来たかったんですね。JRA初勝利を伝える以下のニュース<シュタルケ騎手がJRA初勝利!>(2013.3.23 15:14)でも同じようなことを言っていました。

<23日の阪神競馬5Rをベッラヴォーチェで制したアンドレアシュ・シュタルケ騎手(39)=ドイツ=は、JRA初勝利をマークした。短期免許による来日は初めての同騎手だが、ジャパンC騎乗のために来日した97年11月の初騎乗以来、40戦目でのうれしい初V。
 11年にはドイツ人騎手として初めて凱旋門賞を制した(デインドリーム)名手は「初勝利までに少し時間がかかりましたが、阪神競馬場でJRA初勝利を挙げることができてうれしく思います。すでにヨーロッパの競馬が始まっている中で日本に来るということは難しい選択でしたが、調教師に直訴して1カ月間日本に来ることができました。日本の競馬はレベルが高く、ヨーロッパの騎手の多くが日本に来たいと思っています。今回来日することができて、みなさんの前で騎乗できることに感謝しています。これからも応援よろしくお願いします」と来日初勝利の喜びに浸っていた>
http://race.sanspo.com/keiba/news/20130323/etc13032315160004-n1.html

 あと、短期免許でも海外渡航届け出すんだ!と思ったのが、次の記事<岩田・武豊・シュタルケの3騎手が海外渡航へ>([騎手] 2013年03月21日(木)15時21分)です。日本所属の騎手と同じ手続きをしている雰囲気でした。

<岩田康誠騎手、武豊騎手、アンドレアシュ・シュタルケ騎手について、海外渡航届の提出があった。
・岩田康誠騎手 (期間)2013年3月24日~4月2日(理由)ドバイシーマクラシック(GI)騎乗のため(渡航先)ドバイ
・武豊騎手 (期間)2013年3月26日~3月31日(理由)ドバイシーマクラシック(GI)騎乗のため(渡航先)ドバイ
・A・シュタルケ騎手 (期間)2013年3月26日~3月31日(理由)ドバイシーマクラシック(GI)騎乗のため(渡航先)ドバイ>
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73746


2024年12月18日水曜日

絶妙のまくり騎乗で勝利した勝浦正樹騎手、一転して非難轟々に

■2023/11/27 絶妙のまくり騎乗で勝利した勝浦正樹騎手、一転して非難轟々に


■2023/11/27 絶妙のまくり騎乗で勝利した勝浦正樹騎手、一転して非難轟々に

 2023/11/05福島の三春駒特別(1勝クラス)、勝浦正樹騎手のグランドゴールドの騎乗はうまいな!と思ったんですよね。

 最初は最後方。途中まくっていった馬いて、1頭ついていったんですが、このときは動きません。まくって馬のせいで前が崩れており、これがまず良い判断でした。加えて、この時点ではむしろさらに下げるような感じに。ただ、ここで下がったときに内だったのを外に進路を切り替えてまくっていけるコースを作って、4コーナー前からまくります。
 さして促さなくて馬が反応しており、馬自体が今日は良かった感じですけど、ここからすっと動いて直線で前に並ぶと、あとは圧勝劇。グランドゴールドは3番人気ですので、もともと有力馬でした。同じ位置に買っていた馬がいてそちらと両方見ていたのですが、そちらは全然動かず直線でやっとという判断の悪さ。馬の力が違ったとはいえ、騎手の差も大きかったと感じたレースでした。

 この日は2着と0.8秒差の圧勝。ところが、中1週で臨んだ同条件(未勝利だったようで1勝クラスを続戦)の2023/11/18福島の高湯温泉特別(1勝クラスは)、グランドゴールドはなんと1着と5.5秒差という大差でブービー負け。1度勝ってるクラスで1番人気でしたので、考えられないほど負けましたね。
 今レースを見てみると、この日もグランドゴールドと勝浦正樹騎手は後方から。同じくすごいスピードでまくっていったのですけど、直線入る前のところで馬が外にふくれます。馬が嫌がっていた感じもありますね。その後も、故障かな?という変な走りをしていました。
 ただ、下馬せずにブービーで入選しています。その後、放牧となっているのは確認。検索したものの、故障というニュースは見つかりません。ただ、走りに違和感があったのかもしれません。

 掲示板は勝浦正樹騎手の騎乗に非難轟々。ただ、まくる競馬は大昔からあるもので、今回だけ悪い乗り方だったと言うのは妙な気がします。
 以前、書いたように、予後不良は手応えが良いときに結構なることがあるのでは?と疑っています。単にスピードが出ているときなので、スピードが出ていないときより、ちょっとした拍子に故障しやすいといったこともあるのかもしれません。



2024年12月17日火曜日

川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1で上位独占、選んだ馬は…?

■2022/05/24 川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1で上位独占、選んだ馬は…?
■2022/06/06 15分という歴史的大遅延が発生したオークス、多くの馬が実力出せず
■2022/10/19 またしても川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1できれいに上位独占
■2023/11/24 川田将雅騎手に選ばれ続けた馬、ついに捨てられる?まさかの浮気


■2022/05/24 川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1で上位独占、選んだ馬は…?

 2022年のオークス、驚きだったのが、川田騎手が騎乗して桜花賞に勝ったスターズオンアースではなく、忘れな草賞(L)を勝った重賞未勝利馬のアートハウスを選んだことです。
 「川田騎手に選ばれた」ということもあってか、アートハウスは2番人気に。忘れな草賞(L)の勝ちっぷりも良かったみたいですけどね。
 一方、逆に「川田騎手に選ばれなかった」と見られたのか、スターズオンアースは桜花賞馬なのに3番人気になっています。(1番人気は桜花賞4着で阪神ジュベナイルフィリーズ勝利のG1馬サークルオブライフ)

 ところが、アートハウスは着外となる7着…という振るわない結果に。一方で、オークスを勝ったのは、川田騎手が選ばなかったスターズオンアースという皮肉なことになりました。
 このことはすぐ思ったのですが、アートハウスのnetkeiba掲示板で「1着馬から3着馬まで全部乗り捨ててるのか」と書かれていたのには驚き。本当なんでしょうか、確かめてみました。

1着 スターズオンアース(3番人気) 前走川田騎手への乗り替わりで桜花賞勝利
2着 スタニングローズ(10番人気) 前走川田騎手への乗り替わりでフラワーC勝利
3着 ナミュール(4番人気) 新馬戦は川田騎手で勝利も以降乗り替わり

 以上のように見ると、確かに川田騎手が乗り捨てたように見えなくはありません。

 ただし、アートハウスに関して言えば、共同会見で川田騎手が「アートハウスの母で、現役時代に自身も騎乗したパールコードへの思いを優先しての選択。同馬にG1を勝たせたい」と説明していました。つまり、強さではなく「思い入れ」で選んだと明言していたんですね。川田騎手の見る目がなかったとは言えないケースです。
 加えて、報道によると、川田騎手はオークスの最終追い切り後のインタビューで「前走(忘れな草賞)より今回の方がバランスでよくない面が出ています」とコメントしていたんだそうな。アートハウスの調子も前回の方が良く、今回は落ち目であった感じ。アートハウスがG1を勝てる馬ではないとも、今回の結果だけではまだ断言できないと思われます。


■2022/06/06 15分という歴史的大遅延が発生したオークス、多くの馬が実力出せず

 2022年のオークスの場合、他にも特殊事情があったという話を補足。15分という歴史的大遅延が起きたレースであり、多くの馬が実力を発揮しきれなかったレースだったのです。
 その話をする前に、なぜそもそも「15分という歴史的大遅延」が起きたのか?という話を先に。<オークス直前に顔面を蹴られて放馬…発走“15分の大遅延”はなぜ起きたのか?「多くの馬の戦いは、スタート前に終わってしまった」>(5/23(月) 12:02配信 Number Web)によると、タイミングが悪かったそうです。

<スタート前の輪乗りで、他馬に顔を蹴られたサウンドビバーチェが立ち上がり、騎手を振り落として走り出した。カラ馬となった同馬は、4コーナーから3コーナーのほうへと走って行き、係員につかまえられた。
 放馬した馬は、馬場を1、2周することもあるが、サウンドビバーチェは半周どころか、3分の1も回っていなかった。
 それなのに、グレード制導入以降最長という15分もスタートが遅れたのは、放馬したのが発走直前だったからだ>
https://news.yahoo.co.jp/articles/599134f7e5ba9eb4898adebf7bd264d9c3ac6ee4

 放馬の多くは、発走時刻まで余裕のある馬場入り直後に起きます。馬場を1周するほど走った場合、サウンドビバーチェよりずっと長いため、一見深刻な事態に思えるものの、実はそうではありません。発走時刻まで時間があるため、定刻どおりにスタートできることもあるし、遅れたとしても数分で済むことが多いといいます。

<しかし、今回は悪い条件が重なってしまった。オークスの出走馬はみなデリケートな3歳牝馬で、東京芝2400mはスタンド前からの発走となる。そこに、久しぶりに約3万人という観客が入った。人が多いわりに静かなので、ターフビジョンで流された映像の音声なども大きく響くという、若駒たちが経験したことのない環境になってしまった。
 蹴られて放馬し、競走除外となったサウンドビバーチェは気の毒だったが、待たされた馬たちにとっても、あの時間は大きなストレスになった>

 「久しぶりに約3万人という観客」というのは、新型コロナウイルス問題の影響。観客がいない・少ないで実力を出せたり出せなかったり…というのは、他のスポーツでも見えましたね。
 一方、「ターフビジョンで流された映像の音声なども大きく響く」に関しては、ヤフーニュースの2番人気コメントで苦言が出ていました。

<興行として盛り上げる演出は必要かと理解しますが、他の競技ではスタート時とか、ここって時には静かに見守る方が多いのでは。プレーが始まったり決まれば大いに盛り上がり楽しみたい。やりよう(改善点)が何かしらあるんじゃないですか、可能な限り最大パフォーマンスで勝負できる環境作りを運営側・観客側共に協力して盛り上げていけたら良いね>

 遅延の影響で力を発揮できなかった…とされていたのは、1番人気のサークルオブライフ。出遅れた上に最後も伸びずに終わっています。ミルコ・デムーロ騎手は「ゲートのなかでイライラしていました。最初から脚が出て行かなくて、反応がよくありませんでした」としていました。
 デビューから初めての2桁着順となる13着に惨敗したウォーターナビレラも、武豊騎手が「ゲートで待たされて突進したのがすべて」としています。ゲートに先入れとなる奇数枠の1枠1番で、二重に待たされてしまいました。
 川田騎手のアートハウスについては記事で触れらておらず、特別目立った消耗は見られなかったのかもしれません。ただ、掲示板に載った5頭のうち、先入れの奇数枠は4着のピンハイ(15番)だけという結果。アートハウスも奇数の3番であり、影響があった可能性がありそうでした。


■2022/10/19 またしても川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1できれいに上位独占

 まず、2022年のオークスのおさらいから。すでに書いたように、いろいろ特殊事情があった上に、川田騎手がアートハウスをパートナーとして選んだ理由は実力ではなく「思い入れ」だったそうですが、オークスの上位馬はすべて川田騎手が「乗り捨てた」ように見えた馬。川田騎手が選んだアートハウスは目立てませんでした。

1着 スターズオンアース(3番人気) 前走川田騎手への乗り替わりで桜花賞勝利
2着 スタニングローズ(10番人気) 前走川田騎手への乗り替わりでフラワーC勝利
3着 ナミュール(4番人気) 新馬戦は川田騎手で勝利も以降乗り替わり
(7着 アートハウス(2番人気) 川田騎手がパートナーとして選んだ馬)

 今回はその後の秋華賞の話。秋華賞では、アートハウスが4番人気に下げた一方で、オークスの上位3頭がそのまま1~3番人気に。オークスのときには人気していなかったスタニングローズが今回は3番人気で勝つなど、この1~3番人気はそのまま上位3頭に。川田騎手のアートハウスはまた敗れてしまいました。

1着 スタニングローズ(3番人気) 前走川田騎手への乗り替わりでフラワーC勝利
2着 ナミュール(2番人気) 新馬戦は川田騎手で勝利も以降乗り替わり
3着 スターズオンアース(1番人気) 前走川田騎手への乗り替わりで桜花賞勝利
(5着 アートハウス(4番人気) 川田騎手がパートナーとして選んだ馬)

 アートハウスは4着と差のない5着。上位3頭が少し力の抜けた感じで2馬身差がありましたが、それでも掲示板ですからね。最初のときに<アートハウスがG1を勝てる馬ではないとも、今回の結果だけではまだ断言できないと思われます>と書きましたが、ある程度能力を見せられたのではないかと思われます。

 ついでに今回13番人気ながら4着でアートハウスより上位…という激走を見せたメモリーレゾンの過去の戦績を見てみました。幸い(?)川田騎手は騎乗したことがない馬です。なんとデビュー以来フルキチこと古川吉洋騎手一筋という渋い馬でした。


■2023/11/24 川田将雅騎手に選ばれ続けた馬、ついに捨てられる?まさかの浮気

 2023/11/12のエリザベス女王杯(G1)、川田将雅騎手が有力馬を退けて乗り続けていたアートハウスの鞍上が違う騎手でびっくりしました。ただ、この選択自体はレース結果で考えると正解。川田将雅騎手は3番人気の有力馬ハーパーに乗って、3番人気3着となっています。
 一方、アートハウスは9番人気と人気がなく、結果も13着で、川田将雅騎手の選択の正しさを示していました。

 ただ、もともと書いていたように、好走できる馬かどうかではなく、思い入れで選んだ…というのが、川田将雅騎手がアートハウスを選んだ理由。なぜここで?というのはあります。
 アートハウスはまだ4歳であり、高齢になったわけではなく、戦績が極端に落ちたわけでもありません。2022年の秋華賞の後は、2023年の愛知杯で勝利し、改めて重賞級であることを証明。その次の中山牝馬ステークスは、4着でしたが、まだまだ可能性を感じる馬でした。

 ひょっとしたら、先約があったとか、そういう理由ですかね?
 もちろん思い入れではなく、勝てる馬を選んだという理由であっても、一向に構わないんですけどね。それが普通の選択ですし…。


2024年12月16日月曜日

競走馬のストレス発散 砂浴び・ボール遊び・牧草地で草を食む

■2015/12/12 競走馬のストレス発散 砂浴び・ボール遊び・牧草地で草を食む


■2015/12/12 競走馬のストレス発散 砂浴び・ボール遊び・牧草地で草を食む

 Enjoy Ruffian 2011年5月号の奥村武さんの連載「お馬さんの胸の内」。14回目は「楽しい時間」というタイトルでした。競走馬の"楽しみといえば、たまにやってくる厩務員をはじめ厩舎のスタッフにかまってもらえるとき、そして食事の時間"だといいます。
 ただ、これ以外にも楽しむ工夫があります。奥村武さんは国枝厩舎の調教助手なので、たぶんそこでの話でしょうが、ボール遊びもするんだそうです。意外すぎます。

<彼には担当の厩務員がゴムで出来た大きなボールをプレゼントしてあげていました。遊びたい盛りの彼はしばし厩務員とボール遊び。口にくわえられるように安全な取っ手があるので、人と馬のボール遊びも可能です。ときには1人でくわえて、投げて遊んでいます>

 もう一つは牧草地(?)で草を食むという話。放牧に出して…という話ではなく、厩舎にあるわずかなスペースを利用して「牧草畑」を作ったという話です。

<そこで生の牧草を嬉しそうにほおばるキッツ(引用者注:マイネルキッツ)くん。ここに移動や行動の自由はありません。それでも馬としての本能を目覚めさせる行動、採草。刈ってきた生草でもお馬さんたちは嬉しそうに食べています。しかし、地面に生えている草には根もあり、土も付いています。それらを地面からバリバリっと引きちぎって食べる快感。これは何にも代え難い彼らのストレス発散、そして楽しい時間なのではないでしょうか>

 紹介済みだと勘違いしていましたが、私が競走馬のストレス発散で真っ先に思いついたのが「砂浴び」でした。これがかわいすぎてもだえるのです。
 元動画が削除されてしまったのですが、ここで当初貼っていた動画では、ひんひん言っているのがかわいすぎでした。(一部2022/09/29修正)
 動画の馬もちょっとやって満足していましたが、1,2回で普通は満足するらしいんですね。でも、以前どこかで見た厩務員さんの話によると、無性に砂浴びが好きな子がいて5回も6回もやるんだとか。かわいすぎます。

 あと、ラフィアンの以前のコラムでも、馬体をピッカピカにきれいにして出してやっても戻ってくるときに泥ん中で砂浴び(泥浴び?)しちゃう…という話があった記憶がありました。
 この体をきれいにするのがまたたいへんで困るものの、やはり楽しみなので仕方ないと書いていたと思います。本当、馬は砂浴び大好きなんですね。和みますわ。


2024年12月15日日曜日

詐欺や横領で「競馬などのギャンブルで使った」が嘘である理由

■2018/07/23 詐欺や横領で「競馬などのギャンブルで使った」が嘘である理由


■2018/07/23 詐欺や横領で「競馬などのギャンブルで使った」が嘘である理由

 Enjoy Ruffian 2009年1月号のBell The HORSEで、岡田紘和ラフィアン代表が、高額な詐欺や横領事件があると、容疑者が既にそのお金を持っていない理由を「競馬などのギャンブルで使った」と報道される事が多いものの、事実ではないのではないかとしていました。
  もう少し合理的な説明が先にありましたが、そもそも不自然なところがありますよね。「詐欺や横領までして手に入れた大金を、当たらない可能性が高い馬券に費やす」というのは、よく考えてみると妙な話です。

  岡田代表によると、こうした報道のほとんどが正確なものではないとしていたのは、ある馬主さんだそうです。
 その馬主さんの説明は、かなり筋が通ったもの。犯人には詐欺や横領で使った現金を隠したいという動機があり、大金がないと思わせる理由として、「馬券で無くした」と自供するのが最も適切であるためだというのです。

 ただし、実際には短期間で数百万から数千万円を馬券で使い果たすことは意外に簡単ではないと、 岡田代表は言っていました。
  実際、警察も疑って掛かり、問い詰めるとのこと。高額であれば、馬券を買った場所、レース、馬券の種類と金額で裏付けを取れるからといいます。ということは、たぶんJRAが警察に情報提供して本当かどうかを検証するんでしょうね。

  とはいえ、マジで馬券のせいで詐欺や横領を行ったという犯人も中にはいると思われます。岡田代表は指摘していなかったものの、まずギャンブル依存症になり、それが理由で詐欺や横領を行うという順番ならあり得るでしょう。
 ただ、ギャンブル依存症はプロセス依存だと言われています。意外なことに勝ち負けや金額の大小ではなく、「ギャンブルをやる」という行為そのものが大切だとのこと。なので、「大金を賭けないといけない」という病気ではなかったはずです。短期間で大金が消えたというケースなら、やはり怪しいという気もします。
 ここらへんは実際の調査データが知りたいのですけど、どこかで研究してくれませんかね…。


2024年12月14日土曜日

馬っ気とフケと発情は違うし、競走能力とも無関係だった?

■2019/04/01 妹萌えの馬がいた!天皇賞馬マイネルキッツ、妹マイネカンナが大好き
■2022/09/23 馬っ気とフケと発情は違うし、競走能力とも無関係だった?


■2019/04/01 妹萌えの馬がいた!天皇賞馬マイネルキッツ、妹マイネカンナが大好き

  Enjoy Ruffian 2009年7月号の厩舎訪問で出ていた国枝栄厩舎の福田好訓(ふくだよしのり)調教厩務員は、当時マイネルキッツについてある心配をしていました。
 キッツの次の出走予定は、宝塚記念。しかし、「次の栗東滞在は、キッツとカンナで行くと聞いているんですけれど、キッツはカンナのことが大好きなんですよ。ただでさえ馬っけが強いというのに......」という心配です。
 このカンナというのは、マイネカンナのこと。マイネルキッツと同じタカラカンナの子、つまり兄妹なのです。馬って近親でも関係なく発情するんでしょうね。

 ちなみに同じ号の「血統マニアック」(藤井正弘)では、妹のマイネカンナの方が先に重賞を勝ったという話を書いていました。
 兄弟で逆になったのは、当時5回目でしたが、ともに古馬で初重賞だったのは、このマイネルキッツとマイネカンナが初めてのケースだったといいます。マイネカンナは4歳4月で初重賞であり、アグネスタキオン産駒としては当時2番めの高齢重賞勝ち星でもありました。どうも晩成型の血統だったようです。


■2022/09/23 馬っ気とフケと発情は違うし、競走能力とも無関係だった?

 マイネルキッツが種牡馬入りしていればその話をしようかと思ったのですが、種牡馬入りしませんでした。じゃあ、「馬っ気」(うまっけ)って話で膨らませようかな?と検索してみると、<実は「フケ」≠「発情」 パドックで外野が兆候を読み取るのは至難【獣医師記者コラム・競馬は科学だ】>(2022年5月20日 06時00分 中日スポーツ)という記事が出てきてびっくり。私も勘違いしていました。

 この話に行く前に、先に「馬っ気」(うまっけ)の説明を先に。<馬っ気(競馬用語辞典) JRA>では、「牡馬の発情」という説明です。牡馬の場合は、馬っ気と発情はいっしょということになります。
 また、競馬で馬っ気が重視されるのは、発情によって競走能力が落ちると考えられているため…というのも重要です。ただし、今回は「馬っ気」メインの話ではないため、この真偽については、今回話がありません。
https://www.jra.go.jp/kouza/yougo/w129.html

 で、私は牝馬の発情がフケだと思っていたんですが、違うんでしょうね。中日スポーツの獣医師記者・若原隆宏さんの説明を読んでみしょう。
 若原隆宏さんはまず「オークスはG1の中でも波乱傾向の強い競走」と指摘。実際、直近10年で3連単10万超の決着が3度あるそうです。

 理由のひとつは、「距離設定」なのですが、ここはそれ以上説明されていません。これはおそらくほとんどの馬が走っていない芝2400mを若い牝馬が走るために未知数…ということではないかと思われます。
 一方、今回の話のメインは、距離設定と一緒によく言われるという、「5月はほぼすべての牝馬が発情しうる季節にあたる」ことの方。以下のような話がありました。

<人で28日の「月経周期」にあたる用語を動物では「性周期」と呼ぶ。馬は21日。季節性繁殖動物で、おおむね春だけこの周期が回る。北半球では早くて1月に始まり、遅いと8月まで続く。排卵前後の数日は発情に伴って競走能力が減衰すると信じられてきた。厩舎人は、馬のしぐさなどからこれを読み取ったとして「フケが来た」と表現する>
https://www.chunichi.co.jp/article/473356

 やはりフケと発情は同じという理解。なので、私の理解は間違っていなかった感じ。競馬用語辞典を見ても発情とフケは同義とされていました。
 しかし、<近年、繁殖学的な意味の「発情」(=排卵前後)と、厩舎人の言う「フケ」が、必ずしも一致しないことが分かってきた>というのが、今回の話です。

<JRAは研究の一環として2011~13年の3~8月に栗東在厩の現役牝馬の一部を対象に採血。性周期の指標となる雌性ホルモン濃度を調べている。
 ほとんどの馬は正常な性周期を刻んでいた。従来、現役馬は高ストレス下にあるために、慢性的な“生理不順”の状態にあるとの説もあったが、そもそもストレスの影響が小さいのか、栗東の環境が快適なのか、性周期は正常だった。
  同時に、担当者に当該馬が「フケであるか」を問診。突き合わせてみるとこれがてんでバラバラ。統計的にも無関係なことが示された>

 従来フケとされてきた兆候が、実は性周期や発情とは無関係だったわけです。ただし、従来フケとされてきた兆候を読み取ること自体は、依然として重要である可能性を若原隆宏さんは指摘。要するにこれは担当者が「今は走らなそうだ」と察知することであるため、発情と無関係でも競走能力への影響ははかることができる可能性があるためです。
 ただし、パドックで、やれ「腰が浮いている」「担当者に擦り寄って歩いている」と“フケの兆候”を読み取ろうとするのは無理があるだろうとも指摘。タイトルの後半になっていた「パドックで外野が兆候を読み取るのは至難」はそういう意味のようでした。



2024年12月13日金曜日

エリザベス女王は馬主なだけでなく元騎手でもある?

■2019/04/13 エリザベス女王は馬主なだけでなく元騎手でもある?
■2022/09/14 207年の歴史の中で初…という快挙を成し遂げたエリザベス女王
■2022/10/10 勝者にトロフィーを授けるはずだったレースで勝ってしまい急遽交代
■2018/03/24 馬主だったイギリスのチャーチル首相、父や祖父も大物
■2018/03/24 クラシック勝利 生産馬はトレヴやハービンジャーに繋がる



■2019/04/13 エリザベス女王は馬主なだけでなく元騎手でもある?

  イギリス王室は歴史的に競馬との関係が深いのですが、現在のエリザベス女王も馬主として知られます。「5歳から馬に乗り、若かりし頃には自らレースにも出場したことがあるという筋金入りのホースウーマン」とのことで、ある意味、元騎手かな?と思いました。
 辞書によると、騎手の意味には「馬に乗る人」というのがあり、これならイエス。ただ、競馬で馬に乗る人、職業として馬に乗る人といった意味もあり、この場合はノーです。

 さて、馬主の話。現在の所有頭数は25頭ほど。 最近はすごい馬はいないようですけど、英クラシックの勝利数は5回であり、有力な馬主と言って良いでしょう。直近のG1勝ちはロイヤルアスコット開催のG1ゴールドCをエスティメイトで勝った2013年だそうです。
(【世界の馬主紹介 Vol.4】エリザベス女王 | JRA-VAN Ver.Worldより)

 で、このロイヤルアスコットなんですけど、イギリス王室が主催する競馬開催で、アスコット競馬場自体も王室が所有。1711年、大の馬好きであったアン女王が作らせた競馬場です。
 エリザベス女王はロイヤルスタッドで競走馬の生産も行っていますが、王室関連では競馬場と競馬開催をやっているってのが、一番スケールがでかいですね。



■2022/09/14 207年の歴史の中で初…という快挙を成し遂げたエリザベス女王

 過去投稿を見直していて、エリザベス女王のこの投稿が目に止まりました。エリザベス女王が亡くなったばかりのためです。検索すると、やはり馬関係の記事も出ていますね。<ディープインパクトとの縁 優秀なブリーダーだったエリザベス女王>(植松佳香 2022年9月9日 18時11分)という記事がありました。
 幼女時代から馬に乗っていた、高齢になっても馬に乗っていた…など、馬好きエピソードもあります。

<8日に死去した英国のエリザベス女王は、無類の競馬好きとしても知られていた。日本でも毎年行われる中央競馬の「エリザベス女王杯」。1975年にエリザベス女王が来日したのを記念して始まったものだ。
 女王は競馬場にレースを見に足を運ぶだけでなく、自身も馬の所有者であり、優秀なブリーダーでもあった。昨年には競馬界への貢献をたたえられ、英国で殿堂入りも果たしている>
<4歳の誕生日に祖父のジョージ5世からポニーをもらい、乗馬を習ったのが馬との付き合いの始まりだった。それ以来、90歳を過ぎても乗馬を続けていたという>
https://www.asahi.com/articles/ASQ995STXQ99UHBI03Q.html

 タイトルになっていたのは、ディープインパクトの話です。ディープインパクトの曽祖母にあたる「ハイクレア」(Highclere)はエリザベス女王の生産・所有馬…という話。ただ、話はこれだけであり、記事の中では主要なところではありません。
 一方、エリザベス女王の思い出の所有馬は、「エスティメート」だったようです。 ノーフォーク州サンドリンガムにあるエリザベス女王の別邸で、まず目につくのが、女王競走馬「エスティメート」の等身大の彫刻だといいます。この馬で、エリザベス女王は史上初めて…という快挙を成し遂げます。

<エスティメートは2013年、英王室が主催する競馬イベント「ロイヤルアスコット」のメインレース「ゴールドカップ」で勝利。在位中の君主が所有する馬による勝利は、このレースの207年の歴史の中で初めてだった>



■2022/10/10 勝者にトロフィーを授けるはずだったレースで勝ってしまい急遽交代

 前回の「207年の歴史の中で初…という快挙を成し遂げたエリザベス女王」の補足。英王室が主催する競馬イベント「ロイヤルアスコット」のメインレース「ゴールドカップ」で勝利した…ということで、自分が主催するレースに自分が勝ってしまった形です。
 このため、<この日、勝者にトロフィーを授けるはずだったエリザベス女王は、自身が次男のヨーク公からトロフィーを受け取った>という予定変更が行われたそうです。

 これを紹介した記事<競馬=エリザベス女王の所有馬、ゴールドカップで初勝利>(ロイター 2013年6月21日12:12 午後9年前更新)によると、このときゴールドカップを勝ったエスティメートは、前年のロイヤルアスコットでも、G3クイーンズバーズで勝利していたとのことです。
 王室が所有の馬が王室が主催するレースで勝利すること自体はあったものの、メインである「ゴールドカップ」で勝利したのは初めて…ということでしょうね。
https://jp.reuters.com/article/l3n0ex0d2-horse-racing-queen-idJPTYE95K02C20130621

 この「ゴールドカップ」というのは、以前別の投稿で紹介したことがあります。ピンと来る人はピンと来るでしょうが、日本で言う「金杯」にあたります。ダービーなどがそうであるように、各国で競馬の母国イギリスのレースを真似たため、ゴールドカップというのも世界各地であります。
 ただし、日本の金杯とはかなり性格が異なるんですよ。ウィキペディアでは、以下のような説明。超・長距離レースなんです。イギリスの平地G1の中では売上ベスト5の人気レースで、格の高さも日本の金杯とは全然違います。

<ゴールドカップ(Gold Cup)とはイギリス王室とBHA(英国競馬統括機構)が6月にアスコット競馬場の芝19ハロン210ヤードで施行する競馬のG1競走である。様々な競技の国内や世界中のゴールドカップ(金杯)が認知されているため、開催競馬場の名前から取りアスコットゴールドカップ(Ascot Gold Cup)とも呼ばれる。>
<イギリス王室が開催するロイヤルアスコット開催3日目のメイン競走である。創設年は1807年であり、現在イギリスで行われている競走の中でも長い歴史を持つ。古くは古馬最高峰のレースとされ、歴代の勝ち馬にはセントサイモンやグラディアトゥールなどの名馬が並んでいる。グレード/グループ制で格付けされている平地競走としてはフランスのカドラン賞(4000m)を上回り世界で最も長い距離を誇る。
 現在はイギリス、フランス、アイルランドのステイヤーが集う競走となっており、グッドウッドカップ(G1、16ハロン)、ドンカスターカップ(G2、18ハロン)とともにカップ三冠(長距離三冠)を形成している>

 日本の金杯(今で言う中山金杯)も実を言うと、 5歳以上の馬によるハンデキャップの重賞競走「金盃」の名称で創設した1952年は2600mという比較的長距離のレースで、イギリスのゴールドカップに倣った様子が見られます。
 しかし、1960年(昭和35年)に新年最初の重賞として創設されたアメリカジョッキークラブカップ(AJCC)と入れ替わる形で、翌1961年より芝2000mに短縮。時期も同様にAJCCとの交換で新年最初の節の開催になり、新年度の中央競馬の開幕を飾る重賞として定着したそうです。



■2018/03/24 馬主だったイギリスのチャーチル首相、父や祖父も大物

 イギリスの首相だったウィンストン・チャーチルは、競馬にも熱中していた方でした。 チャーチルの父ランドルフは、同じ政治家で、大蔵大臣を務めたほどの人物でしたが、やはり馬主としても大物。チャーチルが15歳だった1889年には、英オークスを自身が所有するラベスドゥジュアルで制しています。

 また、 母方の祖父であるレオナルド・ジェロームもすごいです。
  アメリカ・ニューヨークの大富豪として有名なのですけど、ベルモントパーク競馬場の前身で、第1回のベルモントSの舞台となったジェロームパーク競馬場を開設した人物。現在のニューヨーク競馬の基礎を築いたという重要でスケールのでかい役割を果たしています。超大物です。
 ちなみに、 その名は、今もアケダクト競馬場で開催されているG3ジェロームSというレースに残されているといいます。
(Our Pleasure2016年2月号 Racing 360 秋山 響より)


■2018/03/24 クラシック勝利 生産馬はトレヴやハービンジャーに繋がる

 ただし、チャーチル自身は、戦後の1949年、75歳になって初めて馬主になっています。遅かったんですね。
 ところが、 最初に持ったコロニストという馬が自身の名を冠したウィンストンチャーチルSを勝つなどして、いきなり13勝します。ゴールドカップ2着の実績も挙げました。
 また、1955年にはダークイシューで愛1000ギニーに勝ってクラシック制覇を達成。父と同様に、大レースに名を残しました。
 一方で、父の方で話がなかった生産の方にも手を出した点は違うところ。イギリスのニューチャペルスタッドを購入し、ヴィエナとハイハットというともに1957年生まれの2 頭が誕生します。

 ヴィエナはフランスのアルクール賞など7勝を挙げ、ガネー賞でも2着に入るなどトップクラスで活躍した一流馬。しかし、もっと重要なのは1968 年の凱旋門賞馬で、1973、74年と2年続けて英リーディングサイアーに輝いたヴェイグリーノーブルを出したこと。
 ヴェイグリーノーブルの産駒は、エンペリー、ゲイメセン、ミシシッピアンと3頭も日本の種牡馬が輸入されました。さらにヴィエナ自身も日本に輸入されたということで、非常に日本と縁があります。
 ただし、ことごとく不振。とはいえ、スマートファルコンの母の父はミシシッピアンですから、G1馬に繋がっている馬はいました。
 また、凱旋門賞を連覇した名牝トレヴの5代血統表にヴェイグリーノーブル~ゲイメセンの名を見つけることができるとのこと。血統表を実際に見ていると、ゲイメセンは、母父母父ですね。

 もう1頭のハイハットは?と言うと、アリカーン国際記念ゴールドCを制し、凱旋門賞でも4 着に入るなどしましたが、こちらもやはり強調すべきは種牡馬としての実績。
 1966 年の英1000ギニーを制したグラッドラグズ、1973 年の愛1000ギニーの勝ち馬クルーナーなどがクラシックで活躍。そのほかにもジョッキークラブC3連覇のハイラインなどを送り、のちに日本で供用された際の産駒からもダービー3着のカンパーリやステイヤーズSを勝ったフジノハイハットを出しました。
 この父系も、結局は衰退したものの、ハービンジャーの5代血統表を見ればハイハット~ハイラインの流れを確認することができるとのことでした。