2024年8月4日日曜日

サマーシリーズは意味ないからいらない?廃止論に足りないものとは?

■2020/07/27 サマーシリーズは意味ないからいらない?廃止求める声も
■2020/07/27 サマーシリーズがG1級である根拠 不要論に足りないものとは?


■2020/07/27 サマーシリーズは意味ないからいらない?廃止求める声も

 2019年9月1日にギャンブルジャーナルで、JRAサマーシリーズ存在感なしに「廃止」の声!?「意義が薄れている」2000シリーズ史上初「優勝馬なし」に高まる危機感という記事が出ていました。頷かれる人もいると思います。
 ところが、同じギャンブルジャーナルでは、2016年9月2日にその価値は文句なしに「G1級」複雑に絡み合ったサマー2000シリーズ王者候補の「優勝条件」を徹底解剖!各陣営が最後の新潟記念にすべてを賭ける!という記事を出しています。まるで正反対の印象を受けるタイトルで、いい加減さが笑えます。
 ただ、一応、本文を見ると矛盾していない…という可能性もあるでしょう。とりあえず、2019年のサマーシリーズ意味無し論の方から見ていくことにします。
 タイトルの通り、2019年のサマー2000シリーズは、史上初の優勝馬なしという結果になりました。これは、サマーシリーズ優勝を狙える馬がことごとく別路線や休養を行ったためというのが大きかったようです。
 ある競馬記者は「サマーシリーズを狙って夏に無理をすると、G1が数多くある秋への影響は避けられません。各陣営もその辺りを懸念しており、サマーシリーズで優勝することよりも、重賞を勝って賞金を上積みしG1出走が容易になった事実に重きを置いている」と指摘していました。
 なお、サマー2000では優勝なしが初めてであったものの、他では以前から起きていたこと。2012年に追加されたサマーマイルシリーズは特に悲惨で、記事時点では、6年中3年が該当馬なしでした。
 一部のファンからは「廃止にすべき」という声が出ており、競馬評論家の水上学さんも、ブログで「個人的にサマーマイルは無意味という意見をずっと書いてきたが、サマーシリーズそのものが使命を終えたというか、意義が薄れてきている感が強い」と投稿していたそうです。


■2020/07/27 サマーシリーズがG1級である根拠 不要論に足りないものとは?

 一方、<その価値は文句なしに「G1級」>などと書いていた2016年の記事。こちらを見ると、単に賞金が高いという話であり、サマーシリーズの存在意義があるといった主張ではありませんでした。一応、矛盾はしていないでしょうか。

<サマー2000シリーズの優勝ボーナスは4000万円(馬主3200万円、厩舎関係者800万円)。これに(引用者注:サマーシリーズ2000の優勝がかかる最後のレースである)新潟記念の優勝賞金4100万円を加えると「合計8100万円」となり、これは朝日杯FSや阪神JFの2歳G1の1着賞金を上回り、桜花賞やスプリンターズSにも匹敵する「G1級」の賞金となる>

 ただし、前述の通り、陣営の狙い方を見ると、G1の価値を感じている人たちは少ない感じですね。実際問題、サマーシリーズ優勝だからといって種牡馬に…といった慣行もないでしょう。G1の価値はないのだと思われます。

 ところで、 前述のサマーシリーズ不要論では、全然出ていなかったのですが、私は売上の観点が本来大事だと考えます。そもそもサマーシリーズを創設した目的は、「夏季競馬開催を盛り上げるため」でした。これにより、マスコミ報道が増えるなどして、サマーシリーズに使っている賞金や費用以上に、馬券販売による利益が出ているのならプラス。廃止論を述べる人がいても、これを理由に続行すべきだと思います。
 ただ、問題はそうではなかった場合。プラスになっていないようなら、廃止を考えるべきでしょう。私は一口馬主もやっていますが、賞金や手当は毎年厳しく、これは馬券売上、利益と相関しています。サマーシリーズがプラスになっているのなら続けてもらった方が他のレースも賞金などが増えて良いのですが、逆に他のレース賞金などを押し下げているのならやめてもらって、何らかの形で還元してもらえた方がありがたいです。