■2020/01/25 根拠あると思ってた…シャドーロールの効果、実はない?
■2020/01/25 頭の高い馬は悪い…は迷信?最近では矯正しない調教師も
■2020/01/25 シャドーロールの効果がないときは…ある?
■2022/06/15 国枝栄調教師「シャドーロールは目印のためにつけている」
■2020/01/25 根拠あると思ってた…シャドーロールの効果、実はない?
【競馬】あの三冠馬が使ったシャドーロールは本当に効果があるのか(web Sportiva 2013.10.25)という記事があり、ひょっとしてシャドーロール着用の効果について、信頼できるような根拠がないって 話かな?と気になりました。
タイトルになっていた三冠馬というのは、ナリタブライアンのことですね。あだ名がそもそも「シャドーロールの怪物」です。
記事そのものは、シャドーロールについて、元調教師の秋山雅一さんに解説してもらうという話でした。
シャドーロールは、ふわふわしたロールを馬の目と鼻の間に設置するもの。こうすると、ふわふわロールが邪魔になって、自分の足元が見づらくなってしまいます。人間もぶかぶかのコートを着ると足元が見えづらいですよね。
これには何も良いことないように見えますけど、一般的には足元を気にしてしまう馬に着用して、気にさせないようにする…という使い方をします。秋山雅一元調教師も「自分の足もとの影を見て驚いてしまう馬が稀(まれ)にいて、そういう馬たちに着用します」としていました。
私はこれだけを想定していたのですけど、「他にも、特にダート戦で、前方から飛んでくる砂が目に当たるのを防ぐ、という効果が少しだけあります」ともおっしゃっていました。
この時点では、シャドーロールの効果については特に否定されていない感じです。効果がある馬にはあるといった雰囲気ですね。
■2020/01/25 頭の高い馬は悪い…は迷信?最近では矯正しない調教師も
ただ、他の用途もあるとされていて、こっちの方が問題っぽかったです。シャドーロールを着けて足もとが見えなくなると、逆に足もとを見てやろうとして、頭を下げる馬がたまにいるとのこと。
これだと逆効果…って話かと思ったらそうではなく、頭を下げたがる馬の気持ちを逆に利用して、頭の高い馬に対して、頭を下げさせるために使うことがあるといいます。効果があるという話になります。ところが、これに否定的な意見があるんだそうです。
<というのも、頭を高くして走るのは、骨格や筋肉のつき方による、競走馬の構造的な問題だからです。要は、一般的に頭を低くしながら前方に伸ばして走るのがいいフォームとされていますが、頭が高い馬にとっては、頭を高くして走るフォームこそが最も走りやすいわけです。そのため、「無理やり頭を下げて走らせることが本当にいいことなのか?」と、疑問に思っている関係者は少なくありません>
これはシャドーロールの効果の疑問というよりは、馬のフォームに関する迷信といった感じですね。
インタビューアーが、調教師や騎手の方々が「あの馬は頭が高いから」というコメントをしているのをよく見ると指摘していたように、頭が高い走り方は良くないという認識が一般的。私も低いフォームの走りを好んでいました。
しかし、人間も走るフォームが異なるように馬だって違うだろうと、秋山雅一元調教師は否定的。走り方を矯正しない調教師というのも、最近は増えているとされていました。
■2020/01/25 シャドーロールの効果がないときは…ある?
上記で終わりだと思ったら、シャドーロールの効果についての話は、この後また出てきました。
足もとの視界が遮(さえぎ)られることで、不快に感じる馬がいて、動かなくなったり、暴れたりした馬もいたといいます。ただ、これは効果を全部否定するわけではなく、馬によりけりということ。普通の話です。
また、シャドーロール単体では効果がないけれども、別の部分の視界を遮るブリンカーやチークピーシズと組み合わせることで、馬の集中力が増したという経験があるそうです。
さらに、効果という意味で言うと、 飾りの要素でシャドーロールをつけている場合もあるとのこと。メンコなんかだとよくありますが、シャドーロールまでそう使っちゃいますか…。「ブリンカーなどと組み合わせて、カラフルに装備している馬もいましたからね」とのことでした。
一応全く意味がないわけではない使い方としては、レースや追い切りのときに、自分の馬が見つけやすいというメリットがあるのでは?との予想。どうなんでしょうね。
■2022/06/15 国枝栄調教師「シャドーロールは目印のためにつけている」
掲示板情報なんで記憶違いなどがある可能性があって、信頼性が高いものでは全然ないのですが、シャドーロールの効果が話題になっていたので紹介。POGで大人気だったのに新馬戦で凡走したエルダーサインについて、このシャドーロールの話が出ていました。
[350] akiraさん
シャドウロールつけてる馬がデビュー戦で馬群に揉まれたらそりゃやる気なくなるわな
直線向いてルメールが追い出してもイヤイヤしながら走ってるし度外視でいいだろう
[357] スズカさん
>>350
某偉大な調教師の記事を過去に読みましたが、その方によればシャドーロールは劇的効果はなく、飾りの意味合いが強いとか。(中略)シャドーロール自体に深い意味はないと思料します。
[358] スタークさん
シャドーロールは目印、レース中どこ走ってるか見つけやすい
[359] ゲストさん
え、あまり知られてないのかな
国枝師本人がシャドーロールは目印の為って言ってますよね
馬主に着けないでって言われた時だけ着けないそうです
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2020103371
2番めの方の記憶が正しければ、某偉大な調教師というのもシャドーロールに効果は全くない…とは言っていない模様。「シャドーロールは劇的効果はなく、飾りの意味合いが強い」という言い方ですから、ある程度意味はあると考えているのだと思われます。
2023年9月27日水曜日
2023年9月25日月曜日
競走馬の引退が納得できない? 怪我・病気、3回連続9着以下、タイムオーバー
■2015/12/13 競走馬の引退が納得できない? 怪我・病気、3回連続9着以下、タイムオーバー
■2022/06/12 引退かどうかで揉める怪我…ただ「競走能力喪失」なら納得できる理由に
■2015/12/13 競走馬の引退が納得できない? 怪我・病気、3回連続9着以下、タイムオーバー
岡田紘和ラフィアン社長によるEnjoy Ruffiaのコラム Bell The HORSE、2009年3月号は、「競走馬の引退時期について」というもの。競走馬の引退の決め方についての説明がありました。
最初に、"ご存じのように、本賞金は1着~5着までの馬に、本賞金に準ずる出走奨励金は6着~8着(重賞競走は10着まで)の馬に交付されます"とあったものの、これは普通の馬券だけを買うファンだと、知らない人が多いと思われます。
ただ、この出走奨励金は当然ながら本賞金より少なくなり、これだけで稼げるというものではありません。
<出走の意思があってもなかなか希望のレースに使えず、1ヶ月以上レース間隔が空くことが珍しくありません。また、出走できても16頭立てのいわゆるフルゲートのレースが多い中、半分より前に来なければその月の預託料さえ賄えないのが、今の厳しい現状です。これらの賞金が交付されない9着以下が続くと経費ばかり嵩むのでほぼ引退になります。基本は特別な不利もなく3回連続9着以下になると引退としていますが、例外も沢山あります>
"半分より前に来なければその月の預託料さえ賄えない"とありましたが、これは飽くまで「その月の預託料」。1年全部厩舎にいるわけには行かず、当然レースに出ない時期もありますから、「その月の預託料」だけではマイナスです。
さらに預託料をすべて支払えたとしても、最初に支払った出資金は全く戻ってくる当てがないということになります。もっと活躍しないと赤字削減にはなりません。このように厳しい条件ですので、大半の馬は赤字になります。
「3回連続9着以下」以外の特殊な引退のケースについて例については、以下のようなお話がありあmした。
(1)夏の3歳未勝利競走で何とか勝利を収めたが、その時点で全治9か月以上の怪我をした場合、これは調教師とも相談の上500万下競走で通用しそうな馬であれば現役続行ですが、そうでなければ引退させます。
(2)タイムオーバーになった場合、競走能力が原因だと判断すれば引退させることがあります。しかし、この判断も意外に難しく、過去にデビュー戦でタイムオーバーになった馬が3勝以上したこともあります。
(3)休み明け9着が2回続き、次の出走が5週間以上先になりそうな場合、その2戦が完調に近い状態での出走であれば引退させることがあります。
(4)オープンクラスの馬が3回以上10着以下の場合でも、引退させないことがあります。なぜなら、賞金が高額なため5着以内に入れば十分にペイする可能性があるからです。
大抵は「引退するのに納得できない!」という不満が出資者に多いと思われますが、一般的には引退が正解で、引退した方がプラスになる方が多いです。前述の通り、そもそもほとんどの馬が赤字。現役を続けるだけで赤字が増えていく一方なのに対し、好走する確率は低いですからね。
以前、中央を引退したクラブ馬が地方で何勝もした!と騒いでいる人がいたものの、現在の地方と中央ではさまざまな差が非常に大きくなっています。それくらいでは、中央で勝てたかどうかも怪しいです。
これは勝利して出戻りする馬が必ず確勝級と言えるかどうかを考えてもわかるでしょうし、中央で凡走した馬が地方で好走する確率を見てもわかるでしょう。
なお、岡田紘和さんは、"もっと難しいのは「馬体状況」の判断"だとしていました。競走馬が引退を考えるケースで、怪我は多いものの、これがどの程度のリスクかという見極めは、専門家でも判断が割れるようなのです。
-----引用 ここから-----
高齢になればなるほど、怪我の回復が遅くなったり、慢性痛により歩様が悪化したりします。痛みはそのきっかけとなる怪我や病気があるのですが、その怪我や病気が治っても神経系統に異常が残り痛みを感じる状態が続くのが慢性痛の主な原因だそうです。
また、獣医師の判断もまちまちですので、関係者全員が納得することは少ないのです。例え全治3か月の骨折であってもその馬の骨質が脆ければ再発の可能性が高いので、下級クラスの馬であれば引退させることもあります。
その他に喘鳴症(ぜいめいしょう・狭義の「喉鳴り」)を診断するには、内視鏡で披裂軟骨の開帳不良を確認しますが、運動後の呼吸時に検査してもわからない時もあるので、トレッドミルで馬を走らせながら検査するのがベストです。しかし、トレッドミルで走らせるには怪我をする多少のリスクがあるので、あまり行われていません。また、あまり音がしない喘鳴症もあるそうです。そして、喘鳴症が重度だとなると手術をするのですが、ある程度馬体が成長した2歳夏以降のほうが成功率は高くなると言われているものの、まだ成功率(現在のところ60%程度でしょうか)はそれほど高くありません。
-----引用 ここまで-----
病気の中では、腰フラは即引退である意味わかりやすいです。出資馬がこれで2頭引退したことがありますが、腰フラは原因不明で現在のところ対処法がないために、現役続行という選択肢は取られない感じです。
ただ、こういう納得できる(諦められる)怪我・病気だけとは限りません。
以前、出資していた別の馬が怪我をしたとき、クラブは引退させようとしていたものの、調教師が通用するとして是非ともと現役続行させました。しかし、長期休養明けの後は、結局全く活躍せずに引退へ。結果的には赤字だけたくさん増えた形です。
基本的には、怪我した時点で現役続行はかなりのギャンブルだと考えていた方が良いと思います。
■2022/06/12 引退かどうかで揉める怪我…ただ「競走能力喪失」なら納得できる理由に
同じようなテーマの話を…と思ったものの見つからなかったので、納得できる引退理由のケースをひとつ紹介。言葉のインパクトも強烈な「競走能力喪失」という理由のケースです。
以下の<骨折で競走能力喪失…ヨカヨカ引退がトレンド入り「九州産馬初のG1制覇も夢じゃないと思ったのに」「残念だけど…命あって良かった」:中日スポーツ・東京中日スポーツ 2021年9月22日)は、POGでも指名したような記憶があるヨカヨカの話です。
<8月のG3北九州記念で豪快に差し切り、熊本県産馬として初の重賞制覇を成し遂げたヨカヨカ(牝3歳)が22日、左第1指節種子骨を骨折、競走能力喪失と診断されたことが分かった。>
<22日朝の調教後、地下場道で暴れたことが骨折の原因とされるヨカヨカ。「切ないな…本当に担当者さんのお気持ちを察するとなんともいえない」「(GI)スプリンターズステークスで走る姿を見たかった…」「ヨカヨカ残念だけど…命あって良かった…子供、楽しみにしてます」「予後不良にならなくて本当に良かったと思ってる」「引退は悲しいけど、余生をゆっくり過ごしてね。ヨカヨカ感動をありがとう」などのコメントが相次いだ>
https://www.chunichi.co.jp/article/334790
あと、去年のダービーを見返していて、POG馬で牝馬なのにダービーに出走したサトノレイナスがそういやその後走ってないな…と思ったら放牧中に骨折して休養、復帰を模索したものの引退していました。
引退発表はダービーの翌年の2月ということで、すぐに引退せずに粘った感じがあり、これもあまり異論が出そうにないケースでしょう。コメント欄でも異論は出ていない感じでした。
牝馬の場合は、繁殖があるので、サクッと引退するケースが多いですし、かなり頑張った方だと思います。2月ですから、今年の繁殖に上がるかどうか決める…というタイミングでの決断でしょうね。
<21年桜花賞など2度のG1・2着があるサトノレイナス(牝4歳、美浦・国枝)が、9日付けで競走馬登録を抹消したことが10日までに分かった。通算成績は5戦2勝。
同馬はデビュー2連勝で臨んだ20年阪神JF、翌年の桜花賞で、白毛馬ソダシと激闘を繰り広げたがいずれも2着惜敗。その後は牝馬ながらダービーに挑戦。07年ウオッカ以来、14年ぶりの牝馬Vを目指したものの、5着に終わった。
その後は放牧中に右トモを骨折して休養。結果としてダービーがラストランとなった>
(サトノレイナスが引退・繁殖入りへ ソダシと2度の激闘 国枝師「復帰がかなわず残念」 | 競馬ニュース - netkeiba.com 2022年02月10日より)
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=199573
■2022/06/12 引退かどうかで揉める怪我…ただ「競走能力喪失」なら納得できる理由に
■2015/12/13 競走馬の引退が納得できない? 怪我・病気、3回連続9着以下、タイムオーバー
岡田紘和ラフィアン社長によるEnjoy Ruffiaのコラム Bell The HORSE、2009年3月号は、「競走馬の引退時期について」というもの。競走馬の引退の決め方についての説明がありました。
最初に、"ご存じのように、本賞金は1着~5着までの馬に、本賞金に準ずる出走奨励金は6着~8着(重賞競走は10着まで)の馬に交付されます"とあったものの、これは普通の馬券だけを買うファンだと、知らない人が多いと思われます。
ただ、この出走奨励金は当然ながら本賞金より少なくなり、これだけで稼げるというものではありません。
<出走の意思があってもなかなか希望のレースに使えず、1ヶ月以上レース間隔が空くことが珍しくありません。また、出走できても16頭立てのいわゆるフルゲートのレースが多い中、半分より前に来なければその月の預託料さえ賄えないのが、今の厳しい現状です。これらの賞金が交付されない9着以下が続くと経費ばかり嵩むのでほぼ引退になります。基本は特別な不利もなく3回連続9着以下になると引退としていますが、例外も沢山あります>
"半分より前に来なければその月の預託料さえ賄えない"とありましたが、これは飽くまで「その月の預託料」。1年全部厩舎にいるわけには行かず、当然レースに出ない時期もありますから、「その月の預託料」だけではマイナスです。
さらに預託料をすべて支払えたとしても、最初に支払った出資金は全く戻ってくる当てがないということになります。もっと活躍しないと赤字削減にはなりません。このように厳しい条件ですので、大半の馬は赤字になります。
「3回連続9着以下」以外の特殊な引退のケースについて例については、以下のようなお話がありあmした。
(1)夏の3歳未勝利競走で何とか勝利を収めたが、その時点で全治9か月以上の怪我をした場合、これは調教師とも相談の上500万下競走で通用しそうな馬であれば現役続行ですが、そうでなければ引退させます。
(2)タイムオーバーになった場合、競走能力が原因だと判断すれば引退させることがあります。しかし、この判断も意外に難しく、過去にデビュー戦でタイムオーバーになった馬が3勝以上したこともあります。
(3)休み明け9着が2回続き、次の出走が5週間以上先になりそうな場合、その2戦が完調に近い状態での出走であれば引退させることがあります。
(4)オープンクラスの馬が3回以上10着以下の場合でも、引退させないことがあります。なぜなら、賞金が高額なため5着以内に入れば十分にペイする可能性があるからです。
大抵は「引退するのに納得できない!」という不満が出資者に多いと思われますが、一般的には引退が正解で、引退した方がプラスになる方が多いです。前述の通り、そもそもほとんどの馬が赤字。現役を続けるだけで赤字が増えていく一方なのに対し、好走する確率は低いですからね。
以前、中央を引退したクラブ馬が地方で何勝もした!と騒いでいる人がいたものの、現在の地方と中央ではさまざまな差が非常に大きくなっています。それくらいでは、中央で勝てたかどうかも怪しいです。
これは勝利して出戻りする馬が必ず確勝級と言えるかどうかを考えてもわかるでしょうし、中央で凡走した馬が地方で好走する確率を見てもわかるでしょう。
なお、岡田紘和さんは、"もっと難しいのは「馬体状況」の判断"だとしていました。競走馬が引退を考えるケースで、怪我は多いものの、これがどの程度のリスクかという見極めは、専門家でも判断が割れるようなのです。
-----引用 ここから-----
高齢になればなるほど、怪我の回復が遅くなったり、慢性痛により歩様が悪化したりします。痛みはそのきっかけとなる怪我や病気があるのですが、その怪我や病気が治っても神経系統に異常が残り痛みを感じる状態が続くのが慢性痛の主な原因だそうです。
また、獣医師の判断もまちまちですので、関係者全員が納得することは少ないのです。例え全治3か月の骨折であってもその馬の骨質が脆ければ再発の可能性が高いので、下級クラスの馬であれば引退させることもあります。
その他に喘鳴症(ぜいめいしょう・狭義の「喉鳴り」)を診断するには、内視鏡で披裂軟骨の開帳不良を確認しますが、運動後の呼吸時に検査してもわからない時もあるので、トレッドミルで馬を走らせながら検査するのがベストです。しかし、トレッドミルで走らせるには怪我をする多少のリスクがあるので、あまり行われていません。また、あまり音がしない喘鳴症もあるそうです。そして、喘鳴症が重度だとなると手術をするのですが、ある程度馬体が成長した2歳夏以降のほうが成功率は高くなると言われているものの、まだ成功率(現在のところ60%程度でしょうか)はそれほど高くありません。
-----引用 ここまで-----
病気の中では、腰フラは即引退である意味わかりやすいです。出資馬がこれで2頭引退したことがありますが、腰フラは原因不明で現在のところ対処法がないために、現役続行という選択肢は取られない感じです。
ただ、こういう納得できる(諦められる)怪我・病気だけとは限りません。
以前、出資していた別の馬が怪我をしたとき、クラブは引退させようとしていたものの、調教師が通用するとして是非ともと現役続行させました。しかし、長期休養明けの後は、結局全く活躍せずに引退へ。結果的には赤字だけたくさん増えた形です。
基本的には、怪我した時点で現役続行はかなりのギャンブルだと考えていた方が良いと思います。
■2022/06/12 引退かどうかで揉める怪我…ただ「競走能力喪失」なら納得できる理由に
同じようなテーマの話を…と思ったものの見つからなかったので、納得できる引退理由のケースをひとつ紹介。言葉のインパクトも強烈な「競走能力喪失」という理由のケースです。
以下の<骨折で競走能力喪失…ヨカヨカ引退がトレンド入り「九州産馬初のG1制覇も夢じゃないと思ったのに」「残念だけど…命あって良かった」:中日スポーツ・東京中日スポーツ 2021年9月22日)は、POGでも指名したような記憶があるヨカヨカの話です。
<8月のG3北九州記念で豪快に差し切り、熊本県産馬として初の重賞制覇を成し遂げたヨカヨカ(牝3歳)が22日、左第1指節種子骨を骨折、競走能力喪失と診断されたことが分かった。>
<22日朝の調教後、地下場道で暴れたことが骨折の原因とされるヨカヨカ。「切ないな…本当に担当者さんのお気持ちを察するとなんともいえない」「(GI)スプリンターズステークスで走る姿を見たかった…」「ヨカヨカ残念だけど…命あって良かった…子供、楽しみにしてます」「予後不良にならなくて本当に良かったと思ってる」「引退は悲しいけど、余生をゆっくり過ごしてね。ヨカヨカ感動をありがとう」などのコメントが相次いだ>
https://www.chunichi.co.jp/article/334790
あと、去年のダービーを見返していて、POG馬で牝馬なのにダービーに出走したサトノレイナスがそういやその後走ってないな…と思ったら放牧中に骨折して休養、復帰を模索したものの引退していました。
引退発表はダービーの翌年の2月ということで、すぐに引退せずに粘った感じがあり、これもあまり異論が出そうにないケースでしょう。コメント欄でも異論は出ていない感じでした。
牝馬の場合は、繁殖があるので、サクッと引退するケースが多いですし、かなり頑張った方だと思います。2月ですから、今年の繁殖に上がるかどうか決める…というタイミングでの決断でしょうね。
<21年桜花賞など2度のG1・2着があるサトノレイナス(牝4歳、美浦・国枝)が、9日付けで競走馬登録を抹消したことが10日までに分かった。通算成績は5戦2勝。
同馬はデビュー2連勝で臨んだ20年阪神JF、翌年の桜花賞で、白毛馬ソダシと激闘を繰り広げたがいずれも2着惜敗。その後は牝馬ながらダービーに挑戦。07年ウオッカ以来、14年ぶりの牝馬Vを目指したものの、5着に終わった。
その後は放牧中に右トモを骨折して休養。結果としてダービーがラストランとなった>
(サトノレイナスが引退・繁殖入りへ ソダシと2度の激闘 国枝師「復帰がかなわず残念」 | 競馬ニュース - netkeiba.com 2022年02月10日より)
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=199573
2023年9月13日水曜日
調教番長はなぜ生まれるのか?「2歳馬が古馬に楽勝」に騙される
■2022/04/04 調教番長はなぜ生まれるのか?「2歳馬が古馬に楽勝」に騙される
■2022/04/04 調教番長はなぜ生まれるのか?「2歳馬が古馬に楽勝」に騙される
競馬では調教がすごいのに、本番ではそこまでではない馬を「調教番長」と呼ぶことがあります。調教がすごくてレースでも強い馬は「調教番長」とは言いません。飽くまで調教だけすごい馬、本番に弱い馬のことを言います。
「本番で弱い」というのは人間のスポーツや、それ以外の分野でもよくある話。この場合はプレッシャーに弱い…といった精神的な問題が多いんじゃないでしょうか。逆に、練習では一生懸命にやらず本番じゃないとイマイチ気持ちが乗ってこない…といったタイプもいそうです。
そういや、私は練習でも一生懸命やるタイプだった上に、本番では致命的なミスをするので、運動会やスポーツ大会の本番はボロクソでした。私は運動音痴なので、「調教番長」というわけでもなかったんですけど…。
これ以外に盲点となりそうな理由としては、「たまたま」「偶然」というのが考えられそう。例えば、4年に一度しか行われないオリンピックやサッカーのワールドカップの場合、試合自体が少なくて、この数少ない機会にだけ偶然うまく行かない、たまたま調子悪い時期に重なる…といったことが起きることが結構あります。
より広く考えると、「大事な試合の前にだけ怪我しちゃう」みたいな「本番に弱い」タイプもいますよね。これも偶然である他、本番近くになると気負いすぎて怪我をしたり、練習しすぎて体を痛めたり…といったことが考えられそうです。
馬じゃない人間の話が長くなりましたが、馬でも「偶然」はありそう。また、人間だけでなく馬でも精神面が関係することはあり得ます。例えば、観客が多いと興奮してしまうタイプの馬は、本番で力を発揮しきれない…ということがあるでしょう。
ただ、競馬の場合、一番考えられるのは、「本番と調教では走る条件が全く違う」という理由だと思います。また、人間同様に本気を出さずに抑える調教もあるため、調教タイムでの比較は信頼性が低い…というのもあるかもしれません。
「本番と調教では走る条件が全く違う」の関係では、短距離馬と長距離馬の違いもありそうですね。調教タイムが良い馬は短距離馬が多く、長距離馬は少ないです。どちらかというと、調教の条件が短距離馬の本番と近いためだと思われます。飽くまで「どちらかというと近い」ですけどね。
ところで、今回こんな話を書いたのは、古馬を簡単に負かす調教の良さを理由に指名した私のPOG馬がことごとくコケたため。奇しくも同じ新馬戦でデビューしたウィズグレイスとウインバグースです。
彼らの新馬戦は前の馬を捉えるのが難しい極端な展開で偶然の要素が強かったとはいえ、それぞれ5着と2着で勝てず。ウィズグレイスはルメール騎手が反省を生かして2戦目で逃げてきっちり勝ったものの、その後はセントポーリア賞(1勝クラス)を2着と取りこぼした末に、アネモネS(L)は1番人気9着と惨敗しました。
ウインバグースの方は和田竜二騎手が反省を生かせず2戦目も全く同じ感じで負けたものの、乗り替わりの横山和生騎手が逃げに切り替えてしっかり勝ち上がり。ところが、昇級後は10着、4着、13着と不甲斐ない成績が目立ち休養へ。ともに調教番長的な感じになってきました。
考えてみると、だいぶ前に私が坂路時計をもとにPOG指名をしていたときにも、2歳なのに古馬含めてナンバーワンの一番時計を出した馬がイマイチ走らない…ということはよくありました。むしろ時計通りにすごい活躍をすることは極めて稀。このPOG指名の仕方は駄目だとわかっていたのに、反省を生かせずまたやってしまいました…。反省を生かしたルメール騎手になれず、反省を生かせない和田竜二騎手状態です。
う~ん、でも、「調教で2歳のデビュー前なのに古馬に楽勝」って聞くと、ワクワクしちゃいません?しますよね?
…また、忘れた頃に調教番長系を指名してしまいそうですわ…。
■2022/04/04 調教番長はなぜ生まれるのか?「2歳馬が古馬に楽勝」に騙される
競馬では調教がすごいのに、本番ではそこまでではない馬を「調教番長」と呼ぶことがあります。調教がすごくてレースでも強い馬は「調教番長」とは言いません。飽くまで調教だけすごい馬、本番に弱い馬のことを言います。
「本番で弱い」というのは人間のスポーツや、それ以外の分野でもよくある話。この場合はプレッシャーに弱い…といった精神的な問題が多いんじゃないでしょうか。逆に、練習では一生懸命にやらず本番じゃないとイマイチ気持ちが乗ってこない…といったタイプもいそうです。
そういや、私は練習でも一生懸命やるタイプだった上に、本番では致命的なミスをするので、運動会やスポーツ大会の本番はボロクソでした。私は運動音痴なので、「調教番長」というわけでもなかったんですけど…。
これ以外に盲点となりそうな理由としては、「たまたま」「偶然」というのが考えられそう。例えば、4年に一度しか行われないオリンピックやサッカーのワールドカップの場合、試合自体が少なくて、この数少ない機会にだけ偶然うまく行かない、たまたま調子悪い時期に重なる…といったことが起きることが結構あります。
より広く考えると、「大事な試合の前にだけ怪我しちゃう」みたいな「本番に弱い」タイプもいますよね。これも偶然である他、本番近くになると気負いすぎて怪我をしたり、練習しすぎて体を痛めたり…といったことが考えられそうです。
馬じゃない人間の話が長くなりましたが、馬でも「偶然」はありそう。また、人間だけでなく馬でも精神面が関係することはあり得ます。例えば、観客が多いと興奮してしまうタイプの馬は、本番で力を発揮しきれない…ということがあるでしょう。
ただ、競馬の場合、一番考えられるのは、「本番と調教では走る条件が全く違う」という理由だと思います。また、人間同様に本気を出さずに抑える調教もあるため、調教タイムでの比較は信頼性が低い…というのもあるかもしれません。
「本番と調教では走る条件が全く違う」の関係では、短距離馬と長距離馬の違いもありそうですね。調教タイムが良い馬は短距離馬が多く、長距離馬は少ないです。どちらかというと、調教の条件が短距離馬の本番と近いためだと思われます。飽くまで「どちらかというと近い」ですけどね。
ところで、今回こんな話を書いたのは、古馬を簡単に負かす調教の良さを理由に指名した私のPOG馬がことごとくコケたため。奇しくも同じ新馬戦でデビューしたウィズグレイスとウインバグースです。
彼らの新馬戦は前の馬を捉えるのが難しい極端な展開で偶然の要素が強かったとはいえ、それぞれ5着と2着で勝てず。ウィズグレイスはルメール騎手が反省を生かして2戦目で逃げてきっちり勝ったものの、その後はセントポーリア賞(1勝クラス)を2着と取りこぼした末に、アネモネS(L)は1番人気9着と惨敗しました。
ウインバグースの方は和田竜二騎手が反省を生かせず2戦目も全く同じ感じで負けたものの、乗り替わりの横山和生騎手が逃げに切り替えてしっかり勝ち上がり。ところが、昇級後は10着、4着、13着と不甲斐ない成績が目立ち休養へ。ともに調教番長的な感じになってきました。
考えてみると、だいぶ前に私が坂路時計をもとにPOG指名をしていたときにも、2歳なのに古馬含めてナンバーワンの一番時計を出した馬がイマイチ走らない…ということはよくありました。むしろ時計通りにすごい活躍をすることは極めて稀。このPOG指名の仕方は駄目だとわかっていたのに、反省を生かせずまたやってしまいました…。反省を生かしたルメール騎手になれず、反省を生かせない和田竜二騎手状態です。
う~ん、でも、「調教で2歳のデビュー前なのに古馬に楽勝」って聞くと、ワクワクしちゃいません?しますよね?
…また、忘れた頃に調教番長系を指名してしまいそうですわ…。
2023年9月11日月曜日
昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例
■2020/04/17 馬名変更できるんだ!カシアスがケモノ(Kemono)に馬名変更
■2022/05/08 昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例
■2020/04/17 馬名変更できるんだ!カシアスがケモノ(Kemono)に馬名変更
デビュー前の馬の馬名を変更するというケースは何度か聞いたことがあったものの、すでにデビューしている馬を馬名変更できるとは思いませんでした。でも、できるみたいですね。ただ、日本国内ではなく、海外へ移籍して…というケースです。
【海外競馬】豪州移籍のカシアス“Kemono”に馬名変更、9月1日に移籍初戦の可能性 | 競馬ニュース - netkeiba.comによると、父キンシャサノキセキ、母ラブディラン、その父ディラントーマスのこの馬は日本でカシアスとしてデビュー。2017年の函館2歳Sに勝利しています。
ただ、翌年の NHKマイルC10着後に、豪州のダレン・ウィアー厩舎に移籍。オーストラリアデビューの前にケモノ(Kemono)に馬名変更を行った…という話でした。
実はこれ、キンシャサノキセキのWikipediaを見ていて気づいたもの。 「グレード制重賞優勝馬」のところで「カシアス / Kemono[注釈 1] 」という書き方をしていてあれ?って思ったんですね。ここで「オーストラリアに移籍後、馬名が変更された」と書かれていました。
こういう場合、netkeibaはどうしているのか?と思ったら、「カシアス」のまま。「kemono」で検索してもヒットしません。ただ、海外の戦績は逐次反映していないため、日本やビッグレースへの参戦があれば、情報更新されるかもしれません。一方、Wikipediaは「ケモノ (競走馬)」というタイトルにしていました。
ちなみに元の名前の「カシアス」は全然「ケモノ」とは関係ない名前。「人名より」とのことでした。おそらくボクシング世界チャンピオンのモハメド・アリの本名カシアス・クレイからとったのではないかと思われます。父のキンシャサノキセキは、モハメド・アリがザイール共和国(現コンゴ民主共和国)の首都キンシャサでジョージ・フォアマンに勝ち、プロボクシング世界ヘビー級王座を奪還した際に謳われた「キンシャサの奇跡」から取られた名前でした。
このモハメド・アリにも「獣」というあだ名があったわけではないんじゃないですかね。有名なのは、「蝶のように舞い、蜂のように刺す!」でした。特に関係なく、改名された感じです。
■2022/05/08 昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例
ナスルーラの直仔であるAbou Ben Adhemという種牡馬は日本に輸入されたとき、ナスアローと名前を変えられたようです。元の名前の最初は一瞬見間違えそうですが、「アロー」ではなく「Abou」。一語も合っていませんね。
<ナスアローの掲示板 | 競走馬データ - netkeiba.com>のコメントでは、以下のような説明で同じ輸入種牡馬でナスルーラ系のキングナスルーラもそうだとしていました。ウェブではこれと同様の記述が見られるサイトがあります。
<自身の競争成績が一流とはいえないため、
ナスルーラ直仔をアピールするために登録名を変えたらしいです。
同様にInaugural Day→キングナスルーラーというのも>
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=000a000a09
一方で、「私見ですが」として、「単に名前が難しい、もしくは名前の響きが悪いからと考えています」と書いている人もいました。ただ、飽くまで「私見」ですので、事実ということはないのでしょう。前述の情報も信頼できるソースがないことには変わりないのですが…。
<メジロアサマの母(引用者注:日本では「スヰート」)も英名はSweet Sixteenで、これは名前が長いからと思います。
'80年代にはプロ野球も名前が長い外国人選手はファーストネームで選手登録する様になりましたね。西武ライオンズのスティーブ・オンティベロス、テリー・バートランド・ホィットフィールドは2人共にファーストネームでした>
先程のキングナスルーラーの当初の名前「Inaugural Day」は、「(米国の)大統領就任式の日」という意味。キングはこのプレジデント(大統領)からの連想かもしれませんけど、だいぶ違います。プレジデントがキングになっちゃったのは不思議な感じですね。
一方、「Abou Ben Adhem」は英語ですらなさげ。なんとなくイスラム系の人名かな?と思いました。で、検索してみると、ポエムが出てきました。Wikipediaが存在しており、かなり有名なポエムのようです。全然「アロー」とは関係ありませんね。
"Abou Ben Adhem" is a poem written in 1834 by the English critic, essayist and poet Leigh Hunt. It concerns a pious Middle Eastern sheikh who finds the 'love of God' to have blessed him. The poem has been praised for its non-stereotypical depiction of an Arab. Hunt claims through this poem that true worship manifests itself through the acts of love and service that one shows one's fellowmen and women. The character of 'Abou Ben Adhem' is said to have been based on the ascetic Sufi mystic Ibrahim bin Adham.
<「アブ・ベン・アドヘム」は、1834年に英国の評論家、エッセイスト、詩人のリー・ハントによって書かれた詩です。 それは、「神の愛」が彼を祝福したと考える敬虔な中東のシェイクに関するものです。 この詩は、アラブ人の非ステレオタイプの描写で賞賛されています。 ハントはこの詩を通して、真の崇拝は、仲間や女性を示す愛と奉仕の行為を通して現れると主張しています。 「アブ・ベン・アドヘム」のキャラクターは、禁欲的なスーフィーの神秘的なイブラーヒーム・ビン・アドハムに基づいていると言われています。>(グーグル翻訳)
■2022/05/08 昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例
■2020/04/17 馬名変更できるんだ!カシアスがケモノ(Kemono)に馬名変更
デビュー前の馬の馬名を変更するというケースは何度か聞いたことがあったものの、すでにデビューしている馬を馬名変更できるとは思いませんでした。でも、できるみたいですね。ただ、日本国内ではなく、海外へ移籍して…というケースです。
【海外競馬】豪州移籍のカシアス“Kemono”に馬名変更、9月1日に移籍初戦の可能性 | 競馬ニュース - netkeiba.comによると、父キンシャサノキセキ、母ラブディラン、その父ディラントーマスのこの馬は日本でカシアスとしてデビュー。2017年の函館2歳Sに勝利しています。
ただ、翌年の NHKマイルC10着後に、豪州のダレン・ウィアー厩舎に移籍。オーストラリアデビューの前にケモノ(Kemono)に馬名変更を行った…という話でした。
実はこれ、キンシャサノキセキのWikipediaを見ていて気づいたもの。 「グレード制重賞優勝馬」のところで「カシアス / Kemono[注釈 1] 」という書き方をしていてあれ?って思ったんですね。ここで「オーストラリアに移籍後、馬名が変更された」と書かれていました。
こういう場合、netkeibaはどうしているのか?と思ったら、「カシアス」のまま。「kemono」で検索してもヒットしません。ただ、海外の戦績は逐次反映していないため、日本やビッグレースへの参戦があれば、情報更新されるかもしれません。一方、Wikipediaは「ケモノ (競走馬)」というタイトルにしていました。
ちなみに元の名前の「カシアス」は全然「ケモノ」とは関係ない名前。「人名より」とのことでした。おそらくボクシング世界チャンピオンのモハメド・アリの本名カシアス・クレイからとったのではないかと思われます。父のキンシャサノキセキは、モハメド・アリがザイール共和国(現コンゴ民主共和国)の首都キンシャサでジョージ・フォアマンに勝ち、プロボクシング世界ヘビー級王座を奪還した際に謳われた「キンシャサの奇跡」から取られた名前でした。
このモハメド・アリにも「獣」というあだ名があったわけではないんじゃないですかね。有名なのは、「蝶のように舞い、蜂のように刺す!」でした。特に関係なく、改名された感じです。
■2022/05/08 昔は輸入種牡馬を人気出そうな馬名に変更してた?ナスアローの例
ナスルーラの直仔であるAbou Ben Adhemという種牡馬は日本に輸入されたとき、ナスアローと名前を変えられたようです。元の名前の最初は一瞬見間違えそうですが、「アロー」ではなく「Abou」。一語も合っていませんね。
<ナスアローの掲示板 | 競走馬データ - netkeiba.com>のコメントでは、以下のような説明で同じ輸入種牡馬でナスルーラ系のキングナスルーラもそうだとしていました。ウェブではこれと同様の記述が見られるサイトがあります。
<自身の競争成績が一流とはいえないため、
ナスルーラ直仔をアピールするために登録名を変えたらしいです。
同様にInaugural Day→キングナスルーラーというのも>
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=000a000a09
一方で、「私見ですが」として、「単に名前が難しい、もしくは名前の響きが悪いからと考えています」と書いている人もいました。ただ、飽くまで「私見」ですので、事実ということはないのでしょう。前述の情報も信頼できるソースがないことには変わりないのですが…。
<メジロアサマの母(引用者注:日本では「スヰート」)も英名はSweet Sixteenで、これは名前が長いからと思います。
'80年代にはプロ野球も名前が長い外国人選手はファーストネームで選手登録する様になりましたね。西武ライオンズのスティーブ・オンティベロス、テリー・バートランド・ホィットフィールドは2人共にファーストネームでした>
先程のキングナスルーラーの当初の名前「Inaugural Day」は、「(米国の)大統領就任式の日」という意味。キングはこのプレジデント(大統領)からの連想かもしれませんけど、だいぶ違います。プレジデントがキングになっちゃったのは不思議な感じですね。
一方、「Abou Ben Adhem」は英語ですらなさげ。なんとなくイスラム系の人名かな?と思いました。で、検索してみると、ポエムが出てきました。Wikipediaが存在しており、かなり有名なポエムのようです。全然「アロー」とは関係ありませんね。
"Abou Ben Adhem" is a poem written in 1834 by the English critic, essayist and poet Leigh Hunt. It concerns a pious Middle Eastern sheikh who finds the 'love of God' to have blessed him. The poem has been praised for its non-stereotypical depiction of an Arab. Hunt claims through this poem that true worship manifests itself through the acts of love and service that one shows one's fellowmen and women. The character of 'Abou Ben Adhem' is said to have been based on the ascetic Sufi mystic Ibrahim bin Adham.
<「アブ・ベン・アドヘム」は、1834年に英国の評論家、エッセイスト、詩人のリー・ハントによって書かれた詩です。 それは、「神の愛」が彼を祝福したと考える敬虔な中東のシェイクに関するものです。 この詩は、アラブ人の非ステレオタイプの描写で賞賛されています。 ハントはこの詩を通して、真の崇拝は、仲間や女性を示す愛と奉仕の行為を通して現れると主張しています。 「アブ・ベン・アドヘム」のキャラクターは、禁欲的なスーフィーの神秘的なイブラーヒーム・ビン・アドハムに基づいていると言われています。>(グーグル翻訳)
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