2024年2月1日木曜日

日本馬は弱いというより凱旋門賞に向かない 騎手の乗り方も悪すぎ

■2022/10/03 日本馬が向かない凱旋門賞に史上最高の4頭…名馬の無駄遣いでは?
■2017/10/01 凱旋門賞に向かない馬で出走?バカの一つ覚えはやめるべき
■2018/03/16 日本馬は弱いというより凱旋門賞に向かない 騎手の乗り方も悪すぎ
■2020/11/29 日本馬が凱旋門賞に勝てないのは、単純に日本向けの調教のため
■2019/10/07 何が勝っても歴史的!日本馬と日本と関連しそうな馬だらけの凱旋門賞
■2013/1/26 日本の競走馬・日本産馬のレーティングは不当に低い ナカヤマフェスタも低すぎ


■2022/10/03 日本馬が向かない凱旋門賞に史上最高の4頭…名馬の無駄遣いでは?

 「凱旋門賞は日本馬に向かない」が持論の私は、毎年凱旋門賞で日本馬以外の馬の馬券を買っています。ところが、これが当たらないんですね。凱旋門賞以外を含めて、海外の馬券が一回も当たったことがありません。最強牝馬エネイブルなら当たるだろう…と彼女の単勝を続けて買ったこともありましたが、私が買うと疫病神のごとくことごとく敗退。エネイブル陣営に申し訳なくなってきました。

 で、2022年も馬券検討。「凱旋門賞は日本馬に向かない」が持論ですが、オッズが美味しければ逆に買うこともあるだろうと日本馬の過去の戦績と脚質と血統も眺めてみました。ただ、全然勝てるイメージが湧きませんね。
 2022年は過去最高となる4頭。G1すら勝っていない馬も出走しているものの、馬場やコースが異なりますのでこれ自体は全く悪くありません。ただ、凱旋門賞向きと思える馬はいないのです。

 日本での馬券発売1番人気は、日本のタイトルホルダー。競走成績は素晴らしく海外を含めてもレーティングトップなので普通に海外でも注目ですし、スタミナがありフランスの馬場でも通用すると見られたのかもしれません。ただ、日本でのスタミナと凱旋門賞のスタミナは異なります。
 さらに、私が一番引っかかったのが逃げ馬であるということ。私は「凱旋門賞ではある程度前にいなければいけなく、日本のような追い込みでは絶対無理」というのも持論です。じゃあ、逃げのタイトルホルダーはいいじゃん!と思うかもしれませんが、逃げは行き過ぎですね。凱旋門賞で逃げ勝つというのは、かなり無茶。凱旋門賞に近い馬場で逃げて立派な実績ある馬ならともかく、日本馬では無理でしょう。私はむしろタイトルホルダーが一番無理だと思ってしまいました。

 逆に言うと、タイトルホルダーが人気を食ってくれるので馬券的にはおいしいところ。で、他の日本馬も見たのですが、ピンと来る馬がいません。
 POGも指名で好きなドウデュースが2番人気(最終的には3番人気)になっていて、彼は追い込みのみというタイプではないものの、おそらく位置を取りに行くとスタミナを消耗して持ちません。さらに前哨戦のニエル賞(G2)では4着。前哨戦が良くて本番ダメもよくある話ですが、それ以前の問題で馬場が向かない感じです。
 そもそも最初に脚を使わずに無理なく後ろ過ぎないところに行けて、スタミナがあって、凱旋門賞の馬場に合って、なおかつ最後に脚を使える…というのが、無茶な条件ですからね。2着までは何度か行けており絶対不可能ではないんですが、これからも日本馬に凱旋門賞は難しいと思われます。

 日本馬が普通に全滅してしまったので、海外馬の検討。最初、10倍くらいのオッズだった斤量の軽い3歳牡馬のルクセンブルクがいいなぁと思いました。アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎で、たぶん例の国名シリーズの馬でしょう。愛チャンピオンS(G1) などを勝っています。ただ、2000mまでしか実績がなく、馬場適正は未知数。距離が向かないのでは?と言われていました。実際、4番人気7着に終わっています。
 他は3番人気(最終的には2番人気)だったアルピニスタと、地元フランスの3歳馬牡馬オネストで迷いました。ただ、購入後にしまった!と思ったのが、昨年の覇者トルカータータッソが出ていたこと。雨で彼に向く馬場になっており、直前にオッズが下がって6番人気の9.4倍になっています。トルカータータッソは結構後ろからという厳しい位置取りになったものの、最後すごい伸びで3着まで来ていました。買い逃したので、勝っちゃったらどうしようとヒヤヒヤしましたね。

 トルカータータッソを綺麗さっぱり忘れていた私が迷っていたのは、アルピニスタとオネストの取捨選択。オネストは3歳で斤量が軽く、同じコースで行われたパリ大賞(G1)で勝っているという絶好の条件です。ただし、そのパリ大賞(G1)はわずか6頭で行われた競馬。今回は久々のフルゲートで20頭の競馬です。オネストはパリ大賞(G1)で少頭数の最後方、前走ルクセンブルクに負けた愛チャンピオンS(G1) でも少頭数の最後方からの競馬。今回は位置取りが後ろになりすぎて届かないイメージでした。実際、5番人気10着で敗れています。
 ということで、最後に残ったのが今年の最強牝馬アルピニスタです。この路線に強くG1を5連勝中で本来ならまっさきに検討すべき馬。ただ、彼女は5歳の牝馬で斤量が軽くない58.0kg。なので、敬遠していたんですよね。とはいえ、前走はなんと斤量61.0kgで勝っています。また、重い馬場に対応できる上に、脚質に自在性があるため、今日の凱旋門賞にも対応できそうな感じでした。
 このため、彼女の単勝を買いました。しかし、弱気な私は単勝だけでなく、複勝までも購入。複勝は1番人気で全くおいしくないのですが、何しろ海外馬券が一度も当たったことがありません。今回こそ!ということで、念のために複勝まで買いました。これで惨敗したら、また疫病神の力を発揮してしまいます。

 フランスは日本と違いのんびりしているので、相変わらずレースは定刻通り始まらずゆったり。本馬場入場の時点で全然間に合いそうにありません。国民性ですね。
 そんな中気の早いタイトルホルダーだけ、ルールを破って先に入場してキャンタ。グリーンチャンネルでは、罰金とられるんじゃないかと言われていました。1頭で入った方が落ち着くので、ズルですね。やることがせこいです。
 前述の通り、時間は遅れているのですが、日本のように殺伐としていないせいか、1頭渋る馬がいたぐらいで枠入りは比較的スムーズ。日本は定刻通りに進めるのが大事と思われいるのか、グイグイ押し込むので枠入りを嫌がる馬が余計増えていると言われています。渋る1頭を心持ち優しい感じで押し入れると意外にすんなりとゲートイン。残りの2頭もすんなり入ってだいぶ遅れて発走となりました。

 レースはタイトルホルダーがやはり逃げ。また、他に前に行くのではと言われていたブルームも予想通り前で2番手になります。
 木南友輔さんというのかな?グリーンチャンネルの解説の人が、こんなに厳しくマークされるとは?とレース後に繰り返し繰り返しこぼしていたものの、穴人気程度ならともかく最有力馬の1頭なんですから単騎で楽に行かせてもらえるわけがないでしょう。どんだけ甘い考えなのか?と驚いてしまいました。オリンピックなどもそうなんですけど、こうやって国の応援みたいな形になると、偏向した考えになるので嫌ですね…。

 このタイトルホルダーはやはり最後はスタミナが残ってなかった様子で相手にならず1番人気11着。ただ、「むしろタイトルホルダーが一番無理」という私の予想と異なり、日本馬では再先着。他の馬も箸にも棒にもかからない感じで、ステイフーリッシュは12番人気14着。ディープボンドは10番人気18着。ドウデュースにいたっては3番人気なのにブービーとなる19着でした。
 ドウデュースはやっぱり馬場が全然合わなかったんででしょうね。前述の通り、ある程度前に行く必要があるものの、前に行けば確実に潰れます。なので、武豊騎手は腹をくくったのか本来悪い乗り方である最初から後ろから…という乗り方だったのですが、それでも最後まで持ちませんでした。どうしようもなかったです。
 ディープボンドは本来前に行く馬でしたが、昨年はバルザローナ騎手が中団やや後方外めからの競馬。昨年は団子状態であり、十分狙えるところでしたが、やはり馬場が合わなかったのか敗退。今年は川田騎手で普通に前に行き、これじゃバテるだろうな…という感じで沈没しました。本来の位置取りでダメだったので、「ちゃんと選考すれば」などと変に希望を持てなくて良かったかもしれません。これはタイトルホルダーにも言えますね。
 今年一番場所的に良さそうだったのは、中団外めにつけたルメール騎手のステイフーリッシュ。馬群の中でも良いんでしょうが、枠の関係もありますし、日本馬は馬同士の距離の近いヨーロッパ競馬では戸惑う可能性がありますからね。この距離感問題の時点で日本馬はきついです。とにかく位置取りでは可能性があったので、G1勝利のないステイフーリッシュでも馬場が合えば伸びてくるかも…と思ったのですが、普通に惨敗しています。

 関係者の方には申し訳ないんですが、以前も書いたように「馬鹿の一つ覚えのように凱旋門賞」というのはどかと思います。海外遠征自体は積極的にやって良いでしょう。日本馬は弱いわけではなく、適性で選べば海外G1タイトルの量産は可能。実際、当たり前に海外G1を勝つ時代になって久しいです。
 その中で向かない凱旋門賞に挑戦している人たちや応援する人たちなどは、夢とかロマンとかそういったことをおっしゃるんでしょうが、凱旋門賞にこわだる必要はないと思うんですよね…。
 ここらへんも先程書いたオリンピック的・日本頑張れ!的な偏向の弊害の一形態でしょうか。私としては海外で勝てる実力のある馬が多いだけに、もったいないと感じます。名馬の無駄遣いといった感じ。これに関係者のリソースを割くことを考えると、馬だけでなくいろいろなものを無駄遣いしているとも言えるかもしれません。

 レースの話に戻って、疫病神の私が買ったアルピニスタは道中5番手くらいでした。もうひとつ後ろくらいで良いかな…と思ったものの、今年は縦長な上に特に前が多少バラけており、距離的にはちょうど良い感じ。最内にいましたが、凱旋門賞は直線で内側が広がるという特殊構造ですし、詰まる心配は無いでしょう。今回は普通にタイトルホルダーの外にコースもできて、そこを狙いました。
 勝負どころでは、タイトルホルダー含めて逃げ先行馬が手が動く中、アルピニスタはただ1頭持ったままで余裕。この時点でアルピニスタより道中前にいた馬は全然相手にならないだろうな…という感じ。問題はアルピニスタより道中後ろにいた馬でしょう。

 確かに手応えがあったものの、アルピニスタの追い出しが遅くてヒヤヒヤ。凱旋門賞では早く追い出しすぎてもダメ。とはいえ、今回は追われる展開になってしまいましたからね。
 タイトルホルダーがアルピニスタに与えた影響については、二分されていました。タイトルホルダーが逃げたおかげでアルピニスタに向いただけ…という意見と、本来ならもっと粘ると思われたタイトルホルダーが早々にバテたためにアルピニスタは苦しかったという意見です。
 私は後者に賛成。タイトルホルダーが粘れていれば、アルピニスタはゴール近くまでタイトルホルダーを目標にして乗ることが可能でした。ところが、早々にいなくなったために、アルピニスタが逆に目標にされる展開に。また、馬のタイプによるももの、単騎抜け出しになると気を抜くなどの弊害も出やすいです。あの最強馬エネイブルすら単騎抜け出しになったことで負けました。タイトルホルダーの早期離脱は、アルピニスタにとってマイナスの方が大きかったように思えます。
 で、単騎が長くなって目標にされるとなると、追い出したときにはすでに十分にスピードに乗っている後ろの馬にあっという間に交わされる…ということになりかねません。なので、私は早く追い出してよぉ~!と思ってヒヤヒヤしながら見ていたんですよね。
 レース後の解説によると、これまではL.モリス騎手は早く追い出していたそうなので、今回だけ違ったようです。後ろから来るだろうと思った通り、私が全然マークしていなかったフランス7番人気ヴァデニと、買わなくて心配だったトルカータータッソが猛然と追い込んできました。
 しかし、アルピニスタの追い出しはこれで間に合ったようで、負けじと末脚を繰り出して、これらを1/2差で凌いで勝利。疫病神な私ですが、やっと海外馬券初当たりです。

 グリーンチャンネルの説明では、日本馬の挑戦の歴史は53年と言っていた気がします。グリーンチャンネルによると、イギリスのアルピニスタの調教師M.プレスコットさんもちょうど同じ期間やっているという大ベテラン。で、驚いたのが、なんと彼の馬に乗った騎手はL.モリス騎手含めてわずか3人だということ。海外では、日本と違って専属騎手が一般的だとはいえ、少なすぎて驚きました。このエピソードだけで、なんかドラマ性を感じてしまいますね。


■2017/10/01 凱旋門賞に向かない馬で出走?バカの一つ覚えはやめるべき

 凱旋門賞で勝った馬が一番強く、凱旋門賞で全然だった日本馬が弱いというのは、大きな誤解。国内の競技場を見てわかるように、コースの向き不向きというのがあります。国内で競馬を買うときはそれを意識しているはずなのに、海外のレースとなるとそのことをすっかり忘れてしまうんですね。

 で、凱旋門賞に挑戦する日本の馬は、コースに不向きな馬か、コースに合わないダメな騎乗ばかり…という話をどこかで書いた気がしたのですが、検索しても見つからず。
 なので、その話は見つけたら追加しますが、とりあえず、追い込みで直線一気みたいなのは完全に駄目なタイプと騎乗ですね。
 近年は特に多頭数だということもあり、ある程度前から離されない位置にいないと、勝利は難しいとよく言われています。 よく言われているのに、なぜ日本の馬に騎乗する騎手は、気にしないのか?と不思議ですけどね。

 で、2017年のサトノダイヤモンドは、馬場適正などはともかく、脚質としては悪くありません。追い込みタイプではなく、中団、あるいは前めにつけられます。
 私は日本の馬のレベルはむしろ高く、適正の問題だと思っていますので、その点は期待していました。

 が、結局、馬場の相性が最悪のようです。 前哨戦フォワ賞は特にひどかったそうですが、激重馬場で4着でした。
 凱旋門賞本番も当初稍重だったのが、重馬場 に変更ということで、重でやりそうな感じ。そもそもディープインパクト産駒も重馬場が良くないイメージがあります。さらに、そもそもヨーロッパ向きなのか?というのも、専門家の意見を聞きたいところ。
 これで勝ったら嬉しい誤算ですが、サトノダイヤモンドも良い選択じゃなかった感じですね。

 バカの一つ覚えのように凱旋門賞!というのは、いい加減もうやめた方が良いと思います。

2017/10/02:サトノダイヤモンドは2番人気15着。また弱い!って騒ぐ人らがいるでしょうけど、そういう問題ではなく完全に凱旋門賞に合っていませんでした。
 あと、フジテレビで見たんですが、勝てる!応援しよう!という放送は見てて不愉快。客観的に見て難しいときは、はっきり「難しい」と言わないといけません。オリンピック日本代表のテレビ番組なども同じで、こういうのは嫌いですね。


■2018/03/16 日本馬は弱いというより凱旋門賞に向かない 騎手の乗り方も悪すぎ

 「馬場が合わなかった」について。秋山 響さんも最初は、「敗因については、もし陣営が語っていたようにベストに近い状態に持っていけたのだとすれば、最も大きなウエイトを占めるのは渋った馬場ということになるのだろう」と書いていました。
 当日の馬場はペネトロメーターという硬度計の数字で3.6。前哨戦のG2フォワ賞開催時よりは0.1ポイント良かったものの、今年を含む2013 年からの5年間で見れば最も悪い数字。JRA流の馬場表記に直せば「重」相当です。

 ただし、言うほど悪くなかったのではないかとも指摘。 凱旋門賞の勝ちタイムが2分28 秒台だったことや凱旋門賞の後で行われた2000mのG1オペラ賞の勝ちタイムがパンパンの良馬場だった去年に比べて1秒6ほど遅いだけ、というのが理由の一つ。
 また、 エネイブルのJ.ゴスデン調教師はレース前に馬場を歩き、「スローサイドオブグッド(時計のかかる良馬場)。ソフトな馬場ではない」と語っていました。
 こうなってしまうと、「この日ぐらいの道悪ならこなしてほしかった」となります。この時期のパリは雨が多く、むしろ過去4 年が比較的良い馬場で開催できたのが例外的。良馬場でなければダメというのならそれは凱旋門賞を狙うには少し条件がつきすぎ、という手厳しい指摘でした。

  また、もう一ついつも言われている、日本馬は「馬群の中でレースの流れにうまく乗ることができない」という問題にも言及。
 騎手の乗り方悪すぎというのもあるのですけど、馬もそういう競馬は慣れていません。日本馬は凱旋門に向かないと思います。
(Our Pleasure2017年12月号 Racing 360 秋山 響より)


■2020/11/29 日本馬が凱旋門賞に勝てないのは、単純に日本向けの調教のため

 Our Pleasure 2019年11月号の古谷コンシェルジュの競馬観で、古谷剛彦さんが私と同じような話をしていたようです。重なる部分が多くなりますが、私のような素人ではなく、専門家の話なので紹介します。「何か、凱旋門賞に対して、それを目指さなければいけないという呪縛のようなものを感じてしまうのは、日本の競馬にとって本当に良いことなのかどうか…」とも書かれています。

 ただ、<馬場の違いは、もちろん大きな要素だろう。しかし、そこに原因を求め過ぎるのもどうだろうか>としていました。一方で、その後の内容は、ほとんど馬場の話をしており、「コース・馬場の違いというよりは、馬の作り方とのセット」という見方のようです。

 例えば、 日本の馬場が独特であるということ。騎手に話を聞けば、馬場が硬いわけではなく、ソフトな状況で走りやすいそうですが、とりあえず、これが独自性であり、日本の馬はこれに合わせて作られています。私はジャパンカップで海外馬が勝てなくなったのも、馬場などの違いが大きいのが理由の一つとしていますが、やはり同意見。さらに、韓国でも(韓国ですら?)現地馬がこの年は勝ったという話をしていました。言い過ぎかなと思いますが、そもそも、日本から凱旋門賞を獲ることを前提に馬作りをするなら、日本では勝つことすら難しい状況になる、と断言されています。

 また、昔受けた距離適性がわかる遺伝子検査に関する講習会によると、C /Cが短距離型(マイル未満)、T/ Tが長距離型(2400m以上)、C / Tが中距離型(1600m ~ 2400m)の3種類に分類され、距離適性がわかるとされていたものの、一方で、「成長過程の環境要因で6割は変化」と言われたそうです。環境要因とは、端的に言えば育成、調教。なので、馬場適性に関しても、育て方の問題があると推察していました。

 なお、4割しか予想できないなんて詐欺!と思われるかもしれませんが、実は、これ、かなり高い数字だと考えられます。例えば、会社で行われている各種採用試験の結果と実際の仕事の出来不出来は、あまり関係していないことが研究で判明済み。4割あれば素晴らしい採用試験であり、通常の面接だと1割程度しか相関していない…といったことがわかっています。能力をほとんど見抜けてないんですね。これから見ると、距離適性が4割わかる馬の遺伝子検査は、素晴らしいでしょう。


■2019/10/07 何が勝っても歴史的!日本馬と日本と関連しそうな馬だらけの凱旋門賞

 2019年の凱旋門賞は、フィエールマン、ブラストワンピース、キセキと3頭が登場。今年こそ日本馬!と盛り上がるところに見えますが、今回はフジテレビではなくグリーンチャンネルを見たせいか全然そんなムードではありません。エネイブルの史上初の3連覇がかかるレースでエネイブル応援ムードでした。日本馬は脇役です。
 エネイブルが勝利すればもちろん歴史的、日本馬が勝っても史上初で歴史的でしたが、他の馬も気になります。当初買おうかと思っていて2番人気となったG1連勝中の3歳馬ジャパンは名前的に日本関係だと思ったら、 クールモアでした。以前もオーストラリアという馬がおり、全く無関係だそうです。日本馬の初制覇をジャパンが防ぐ…となるとおもしろいなと思いました。
 人気でなかったため、最初出馬表を見たときに気にならなかったのですけど、ナガノゴールドというどう見ても日本風な名前の馬がいました。日本の伝統である冠名+英語風ですし、長野五輪の金メダルのようにも見えます。しかし、こちらも馬主は日本人名ではなし。グリーンチャンネルによると、チェコ競走馬ということでびっくり。ただ、検索してみると、こちらは本当に日本関係でした。オーナーは日本にいたことがあり、長野五輪でチェコの男子アイスホッケーチームが金メダルだったことに由来するとのことでした。
 こうなってくると、もう1頭の注目の3歳馬、地元フランスダービー馬で連勝中のソットサスもなんか日本語に見えてきます。「そっと差す」といった感じ。豪快に差すのではなく、賢く僅差で差し切ってみせるといった名前。ただ、発音を聞いていると、さすがにこちらは全然関係なさそうですね。
 また、グリーンチャンネル見るまで気づきませんしたが、フランスのソフトライトはなんと武豊騎手騎乗でした。人気薄ですが、これが勝ってもやはり歴史的。で、12頭中10番人気ながら6着と健闘しています。日本馬3頭に勝ってしまいました。
 その日本馬はキセキが最高の7着、ブラストワンピース・フィエールマンがブービーとビリということでいつも以上に大惨敗しています。ちなみに日本を思わせた馬としては、ソットサスが3着、ジャパンが4着でした。やはりこの2頭も強かった模様です。
 よく日本馬の敗因として言われる馬場は湿っていたとはいえ、また大したことなかった可能性があります。雨で最も弱気になっていたという凱旋門賞ではおなじみのファーブル厩舎の5歳馬ヴァルトガイストがなんと勝ってしまったためです!
 私はエネイブルの単勝を買いましたが、3連覇を阻まれてしまいました。海外馬券って一度も当たったことないですね。最初はジャパンを買うつもりでしたが、エネイブルなら1.6倍でもおいしいと思ったのでそちらに。ジャパンは昼時点で日本馬3頭より不人気だったのでいいかなと思ったというのが理由。どっちにせよ外れでしたが、その後日本馬3頭の過剰人気がだいぶ是正されたので、買わなくて良かったです。
 エネイブルは今回デットーリ騎手。前走は逃げたそうですが、離れた4番手で良さそうな感じ。実際、一時は抜け出したものの、外から1頭飛んできて差されました。並ぶと勝負根性見せるということで、離したのが良かったのかもしれません。日本にも来た騎手で、すでにフランスでリーディングも取っている若手ブドー騎手の好騎乗でした。また、前の3頭がちょっと行き過ぎて早くバテてしまい、単騎が長くなってしまったのもエネイブルとしては向かなかった感じですね。エネイブルを期待していたグリーンチャンネルはお通夜ムードな感じに。
 ファーブル厩舎は久しぶりの凱旋門賞でしたが、なんと8勝目ということでやはり歴史的。2位の厩舎は4勝ということで、恐ろしいことになっています。



■2013/1/26 日本の競走馬・日本産馬のレーティングは不当に低い ナカヤマフェスタも低すぎ

 ラフィアン岡田紘和社長による巻頭言。ナカヤマフェスタの凱旋門賞に2着に関して。

-----引用 ここから-----
Enjoy Ruffian No.222(2010年11月発行)より転載
日本産馬…レイティングの不思議

「やっと日本産馬の力を世界の大舞台で示すことができた」とも思いました。今までは不当に日本産馬のレイティングが抑えられていると思っていたので、これで少し是正されるであろうと思ったのです。そうすれば、日本産馬をもっと海外のバイヤーに売り出しやすくなり、競走馬の価格が安定するだろうと。
http://www.ruffian.co.jp/plus_ruffian/enjoy/index.php?no=222
-----引用 ここまで-----

 ところが…。

-----引用 ここから-----
 しかし、最近発表されたワールドサラブレッドランキングでは、勝ったワークフォースのレイティングが128ポンド、2着のナカヤマフェスタが127ポンドでした。
これはおかしい。なぜなら、ワークフォースはエプソムダービーと凱旋門賞の1着で128ポンドの評価を得ているのですが、前期つまりダービー直後の暫定レイティングが127ポンドですから、それを修正したとしても凱旋門賞の結果を考慮して128ポンドになったことは明らかです。
その頭差の2着馬が勝ち馬よりも3.5kg(およそ8ポンド)も重い斤量を背負っていたにも関わらず127ポンドしか与えられないのは、不合理だからです。(略)

 また、このワールドサラブレッドランキングの50位までに入った日本調教馬はナカヤマフェスタたった一頭だけです。ナカヤマフェスタの8ポンド以内には日本馬が一頭もいないのです。レイティングは距離や馬場の違いを超えて付けられるものなので、すべての人が納得できるようにはならないでしょう。
-----引用 ここまで-----

 また、マスコミもおかしいとのこと。

-----引用 ここから-----
 もっとおかしいのは、その事をすぐに指摘する日本のマスメディアが見当たらないことです。
(略)この民主主義の国で、言論統制されているかのごとく、異を唱える競馬マスコミがいないのは非常に残念です。
 恐らく多くの人が現実的で「大人の対応」をしているのだと思いますが、「舐められている」ことすら感じられない人もいるような気がして、つい語気が強くなってしまいました。
-----引用 ここまで-----

 日本の馬のレーティングが低すぎるってのは、以前も誰かが言っていたような?
 JRAは盛んに国際化を推し進めてきましたが、結局競馬先進国にはいつまで経っても「舐められている」ままで、認められていないようです。