2024年3月3日日曜日

不振のミルコ・デムーロ、ついには万馬券の人気薄に乗るように…

■2019/10/27 不振のミルコ・デムーロ、ついには万馬券の人気薄に乗るように…
■2023/05/05 200倍以上の人気薄に騎乗のミルコ・デムーロ騎手、悪くない結果に
■2021/09/19 12番人気の重賞未勝利6歳馬を外ラチ沿いで激走させて重賞制覇
■2015/02/11 クリスチャン・デムーロ騎手がすぐ覚えた日本語は「キャバクラ」
■2021/08/11 「兄みたいな騎手になる!」日本人ライターに語った11歳の少年

■2019/10/27 不振のミルコ・デムーロ、ついには万馬券の人気薄に乗るように…

 ミルコ・デムーロ騎手が活躍できていた時期からそこまで時間は経っていないのすけど、 不振というか、もうこれが平常なのかなというほど、以前のような活躍はできなくなりました。天皇賞・秋では、実績で見劣りする単勝オッズ150倍のランフォザローゼスに騎乗。ついに万馬券の馬に乗るようになりました。
 そういったことを踏まえてか、以下のようなコメントがついていました。

[2898]
ミルコの置かれてる現状を考えると、
もし、ここで勝ったら私は泣くよ。
がんばれよー。
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2016104650

 ただ、これに対して、以下のようなコメントがついていました。

 [2899]
>>2898
マルコの置かれてる現状
=
最近、京都に大御殿を建てて
日本に永住する気満々の
悠々自適な幸せ者だぞ
マルコは(笑)

 マルコ、マルコ言っているのはたぶんギャグかなにかで、直前に同じハンドルの方が以下のように書いています。

 [2897]
マルコ・デニーロ
Instaを 非公開 設定 でやってる時点でイタリア人 失格っっっっ。。。。
そんな陰気なヤツに
勝つ騎乗が出来るワケがない!

 このコメントも論理的でないですけど、とりあえず、私は先に「京都に大御殿」の話に違和感を覚えました。
 例えば、メジャーリーグに在籍するかつては大活躍していた日本人野球選手が不調に陥って苦しんでいるように見えるとき(イチローあたりが良いでしょうか)に、現地のアメリカ人が「ここで活躍してくれたら感動して泣く」とコメントしたところ、別のアメリカ人が「この日本人は大邸宅を建ててアメリカに永住する気満々の悠々自適な幸せ者だから、全然泣くような状況じゃないぞ」と茶々を入れるような感じ。
 私ならそういうことを言うアメリカ人は嫌なやつだと思いますけどね…。

■2023/05/05 200倍以上の人気薄に騎乗のミルコ・デムーロ騎手、悪くない結果に

 2023年の天皇賞・春、ミルコ・デムーロ騎手が騎乗したのはテン乗りであるサンレイポケット。267.5倍で15番人気という人気薄でした。とうとう200倍、しかも、250倍を超える不人気の馬への騎乗です。
 ただし、この年の天皇賞・春は特殊。1.7倍という圧倒的な1番人気のタイトルホルダーがいて、他の馬のオッズは軒並み高くなり、100倍以上の馬が続出。なんと17頭の半分以上である9頭が万馬券(8番人気もギリギリである97.3倍)。サンレイポケットはそうじゃなくても100倍以上であったとは思いますが、特殊事情もあっての267.5倍でした。

<2023年天皇賞・春の単勝オッズ>
1    タイトルホルダー    1.7
2    ジャスティンパレス    4.3
3    ボルドグフーシュ    6.7
4    アスクビクターモア    6.9
5    ディープボンド    22.5
6    シルヴァーソニック    22.5
7    ブレークアップ    45.8
8    マテンロウレオ    97.3

9    ディープモンスター    101.5
10    ヒュミドール    107.7
11    ディアスティマ    150.1
12    エンドロール    173.6
13    アフリカンゴールド    213.8
14    メロディーレーン    243
15    サンレイポケット    267.5
16    アイアンバローズ    306.5
17    トーセンカンビーナ    482.6

 267.5倍なのですから当然といえば当然ですが、戦前では、ミルコ・デムーロ騎手、サンレイポケットともに評判はさんざん。以下のように、掲示板で嫌味を書かれていました。

<初めての3000メートルだった阪神大賞典・G2で0秒6差の6着と、長距離適性は示したサンレイポケット(牡8歳、栗東・高橋義忠厩舎、父ジャングルポケット)。次走はミルコ・デムーロ騎手=栗東・フリー=との初コンビ(中略)高橋忠調教師は「(前走で騎乗した)坂井騎手は先約があり、ミルコの経験値に期待して依頼しました。京都は合いそう」と明かした>
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=226635

ノリオ KEF1UjY
ミルコの経験値に期待、って彼はろくすっぽ春天で馬券になって無いンですけど………
埼玉ネコ NwE1QgA
前走買ってたのに直線ぜんぜん伸びんかったけどアレで適性示したことになるんか ふーん

 ところが、267.5倍で15番人気ながら、天皇賞・春は8着。大事をとって競走中止になったとはいえ、横山和生騎手騎乗のダントツ人気タイトルホルダーはハイペースな感じでダメそうでしたし、6.9倍の4番人気・横山武史騎手のアスクビクターモアにも快勝。万馬券の馬では7着のエンドロール(173.6倍)に次ぐ着順。戦績からすると、馬も騎手も悪くない感じでした。

(ちなみに人気の集中した4頭で着順が良かったのは、完璧なタイミングで外から仕掛けたように見えて思わずうなってしまったルメール騎手騎乗のジャスティンパレス のみ。前述の通り、タイトルホルダーとアスクビクターモアはさんざんな結果で、3番人気で川田将雅騎手騎乗のボルドグフーシュも6着止まりでした)


■2021/09/19 12番人気の重賞未勝利6歳馬を外ラチ沿いで激走させて重賞制覇

 好きだったマイネヌーヴェルの孫で、同じく好きだったマイネルチャールズの近親でもあり、POGでも指名したマイネルファンロン。POG時代はクラシックも狙えると過剰に期待した馬だったんですよね。ただ、ここまでクラシックどころか重賞未勝利。4歳のときの湾岸S(1600万下)が最後の勝利で、OP特別ですら1着はありません。ピークは過ぎた感じでした。
 ところが、この馬にテン乗りしたミルコ・デムーロ騎手が新潟記念(G3)を勝たせてしまいました。42.8倍の12番人気でもちろん人気薄。また、スタートでつまずいてしまうアクシデントもあり、脚質と異なる追込競馬。さらに、まるで新潟の直線1000mのようなラチ沿いの大外を伸びてくるという異例の内容でした。このレース、別の馬を見ていたのですが、鳥肌が立つ感じありましたね。
 アクシデントがあっての後方待機であり、たまたまというところはあったでしょう。ただ、前にこだわらずに後方待機にしたのは好判断でしたし、馬場の状態を考えて思い切り外に進路を取ったのも正解でした。レース後「リズム良く走れた」と言っていたように、後方待機してもうまく足を溜められないということはあります。ミルコ・デムーロ騎手の好騎乗あっての結果だと言って良いと思いました。

 ミルコ・デムーロ騎手は今年、やはりPOGで指名したマイネルファンロンの妹ユーバーレーベンでオークスを差し切って制覇して、ラフィアンに初クラシックをプレゼントしていました。なので、てっきりユーバーレーベンのイメージを持って乗っていたのだと思ったのですが、兄妹とは知らなかったようです。先入観なしでの後方待機だったみたいですね。掲示板では以下のようなコメントを載せている人がいました。

<調教とかそれまでのレースとか、たくさん映像を見て勉強してたんだけど、たまたまお母さんの名前を見てなくて…。競馬が終わったあと、記者の人たちに「ユーバーレーベンのお兄さんですけど、似てるところはありますか?」って聞かれて、「え!? なになに? 兄妹なの?」って。ビックリした(笑)。乗った瞬間に「ちょっと似てるなぁ」と思ったけど、間違ってなかったんだね>

2024/03/03:その後、ラフィアンなどビッグレッド系の騎乗が以前より増えていたミルコ・デムーロ騎手。今度はビッグレッドファームのコスモ系の馬(おそらく共同馬主募集馬)コスモキュランダで弥生賞を勝利。6番人気34.9倍とやはり人気薄です。
 私は別の馬を中心に見ていたのですけど、レース中おっ!と思ったのが、後方からまくって3コーナー前で2、3番手まで上げてきたため。まくれば必ず良いというわけではなく、良くないまくりもあります。ただ、この場合は可能性を感じたもので、直線抜け出すとやはりそのまま押し切りました。ミルコ・デムーロ騎手の騎乗が冴え渡ったレースだと思います。
 で、絶賛の嵐だろうとレース後に、ネットケイバの掲示板を見たら、意外に馬自身が強い!という声が多くて予想外。ミルコ・デムーロ騎手を褒める声ももちろん多いですけど、「馬の力」派が優勢だと感じる反応でした。

■2015/02/11 クリスチャン・デムーロ騎手がすぐ覚えた日本語は「キャバクラ」

 スポニチ Sponichi Annex 競馬の2013年5月20日の記事<【ダービー】C・デムーロ 最初に覚えた日本語は「困ったなあ」>であったミルコ・デムーロ、クリスチャン・デムーロの兄弟騎手のやり取りがおもしろかったです。
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/05/20/kiji/K20130520005839380.html

 ミルコ(以下M) クリスチャンが最初に覚えた日本語は、確か「困ったなあ」。
 クリスチャン(以下C) そう。「スタートしました」も覚えた。ゲートが開いたとき、実況アナウンサーが必ず言うんだ。
 M ダービーで「おっと、ロゴタイプ出遅れ」と実況されないように。
 C 大丈夫だって。あとは勝った時に言う「良かった」。それから「1番人気」、「キャバクラ」。
 M(苦笑い)クリスチャンとの思い出といえば、イタリアの自宅の前で、ポニーに乗って競走したこと。5年くらい前かな。ゴール前で僕が逆転して悔しがっていたね。君が乗ったアルトゥーロは24歳の今も元気だ。
 C アルトゥーロは凄いポニーだよ。僕にとって師匠のようなもの。もちろんミルコも。師匠が2人いるんだから、僕は幸せだ。


 キャバクラの話が出てきました! 海外騎手は日本のキャバクラ好きですね。そういうイメージがあります。ひょっとしたら外国人騎手だけでなく、日本人騎手も大好きなのかもしれませんけど、何かそういうイメージがありますね。

 上記は2013年の話でしたが、2015年のイタリア競馬はたいへんな状況でした。<C・デムーロ騎手が仏のピエール・アラン・シェロー氏とエージェント契約 [海外] 2013年09月03日(火)12時30分>という記事が出ており、C・デムーロ騎手は今後はフランスの騎乗が多くなりそうです。

<C・デムーロ騎手(21)がフランスのピエール・アラン・シェロー氏とエージェント契約を結んだ。シェロー氏はC・スミヨン騎手などを担当し、C・デムーロ騎手はC・ヘッド厩舎の調教を手伝う>
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=78813

 一方、お兄さんのミルコ・デムーロ騎手は、いよいよ日本へ腰を据える構えだと報じられていました。どうなんでしょう、日本人は不歓迎も多いんでしょうか? 私は歓迎しますけど…。(2021/04/09追記:などと当時書いていましたが、すっかり日本に定着。ルメール騎手とともに当たり前のように毎週乗っています)

■2021/08/11 「兄みたいな騎手になる!」日本人ライターに語った11歳の少年

 2020/10/10の<凱旋門賞勝ちのクリスチャン・デムーロに、亡き父や兄ミルコに対する想いを伺った>(平松さとし)という話を今頃読んでいました。クリスチャン・デムーロは2020年に、ソットサスで初めて凱旋門賞をとっています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/satoshihiramatsu/20201010-00202317

 ライターの平松さとしさんは、クリスチャンが11歳だった子供のときにすでに会っているらしいですね。ネオユニヴァースで皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)の2冠を制覇していたミルコ・デムーロ騎手の取材に行ったときみたいです。
 14歳と年の離れた弟であるクリスチャンは、「ミルコみたいな良いジョッキーになりたいんだ!!」と言いながら、手に鞭を振り回していたとのこと。一方、兄のミルコは「幼い頃はトラック運転手に憧れた時もあった」というので、ちょっと浮気していました。

 ちなみに、父が元ジョッキーだっただけでなく、叔父や従兄弟も皆ジョッキーという競馬一家。ミルコの妹にあたるパメラも調教師免許を取得しています。また、パメラの結婚相手もアントニオ・ポッリという騎手でした。本当、競馬ファミリーですね。

 タイトルは<亡き父や兄ミルコに対する想いを伺った>でしたが、その話は少なめ。凱旋門賞の前に父が亡くなっていて、「ゴール前は父が助けてくれたと思いました」という話と、兄に電話を入れたら「多分、泣いていた」といった話だけでした。