■2024/04/08 種牡馬としてのモーリスは成功?失敗? 産駒成績を見てみると…
モーリス産駒の話をまとめたのですが、それだけだとおもしろくないので、種牡馬としてモーリスの話を。以下にまとめた私が好きなモーリス産駒の話で書いたように、モーリス産駒は期待馬が当初新馬戦で負けまくり。ハズレ・大失敗という感じがしました。
一方で、「モーリス産駒は時間かかりそうなのが多い」「自身がそうであったように、仕上がりが遅い産駒が多いのかもしれません」とも書いて、逆転に期待していました。おそらくモーリスは種牡馬として成功だと見ている人いるでしょう。ここらへんは評価が分かれるかもしれません。
主観ではなく客観的な数値での評価を…ということで、とりあえず、賞金獲得上位を見てみましょうか。これだけ見ると、成功と言って良さそうな大物がいます。以下は2024/04/08時点の上位5頭。4億円ホースですから、特にジャックドールとジェラルディーナは立派な成績です。
馬名 性 生年 総賞金(万円)
ジャックドール 牡 2018 49,004
ジェラルディーナ 牝 2018 44,545
ピクシーナイト 牡 2018 22,764
マテンロウスカイ セ 2019 17,895
ノースブリッジ 牡 2018 17,392
ただし、これは単に繁殖牝馬の質が高すぎるためではないか?という疑いがあります。こういうときは獲得賞金の指標AEIと繁殖牝馬の質を示すCPIを比較した方が良いでしょう。
まず、2024/04/08時点のAEIは1.60。一方、CPIはそれより大きい1.97ですので、繁殖牝馬の質と比べてやはり走っていないということになります。ただ、私は正直もっと悪い値だと思っていたので予想外。もっと極端に走らない大物種牡馬は結構いますからね。大失敗って感じではなく、そこそこな感じで微妙なことしか言えなくなってしまいました。やっぱり遅咲きで巻き返したんででしょうか?
■2020/08/01 モーリス産駒大ゴケの中、カイザーノヴァは期待
カイザーノヴァ (父モーリス 母ステラリード)
昨年はPOGでコントレイル、サリオスなどを指名。かなりの馬が一発勝ち上がりという良さで、穴馬POGでも不人気馬が勝ち上がってくれて楽しめました。
…が、今年はボロクソ。不人気馬は人気通りにボロボロで、人気の指名馬は大物がいない以前に、勝利すら遠い感じ。様子見が例年なのに珍しく指名した大物新種牡馬のモーリス・ドゥラメンテがそろって大ゴケして、私の指名したゴリゴリの人気馬が大物感なく敗退。新種牡馬以外でのPOG馬も本当ひどいですね。1番人気を裏切るケースが多いので、一般的にもこの世代は混戦ではないかと思います。
そんな中で期待できそうだと思ったのが、大ゴケしたと思ったモーリス産駒のカイザーノヴァ。母ステラリードは 函館2歳S勝ちがあるものの、上4頭のうち中央勝利があるのは1頭という目立たない血統で、新馬戦も6番人気で期待されていない方のモーリス産駒でした。ところが、函館芝1200の新馬戦で私が指名したPOG穴馬のサンダナポイントにぶつかるめちゃくちゃな騎乗だったのに、馬が全然ひるまずにガツンと伸びて勝利。これは強いのでは?という走りでした。ちなみにサンダナポイントは12着。とはいえ、13番人気なので人気通りではあります。ぶつからなければもっと行けるかなって思ったんですけどね。
2走目の母が勝った函館2歳Sでは5着でしたが、最後は伸びていました。1200ではなくもっと長い方が良いのでは?馬場が合わないのでは?と言われた中での5着なんですけど、そもそもまさかの連闘だったんですよね。超期待馬という感じではないんですが、結構やれそうな感じです。(2020/08/01)
カイザーノヴァ、次はクローバー賞。前走の後も続けて使っていきたいと陣営が明言していたのですが、もう3戦目です。今回は一応ちょっと間を開けての出走。そして、1500mへの距離延長で期待。オッズも4番人気8.8倍と、重賞の前走よりもむしろ下げていましたので、久々に応援馬の馬券も買ってみました。
8枠でしたが、悪い方のスタート。内を見ながら置かれないようにと行ったが、中団と前に馬が殺到。外を回され続ける形になりそうだったためか、無理せずに控えます。それでも前とはそれほど差がないところで良い感じですね。大外から直線ではすでに先頭付近。この時点で突き抜けて勝った!と思ったものの、思ったより苦労してなんとか勝利。正直期待はずれでしたが、右に寄れるので追いにくそうだったなどの感想が多く、まだ力を出し切れているわけではないのかもしれません。(2020/08/23)
その後、再びの重賞挑戦でデイリー杯2歳Sへ。少頭数の3番人気ということで、期待もしました。ただ、5着程度でがっくり。いつもと違って好スタートで2番手でしたが、道中3番手まで下がり、これでも行けるだろうと思ったら、最後まさかという伸びなさ。そんなに強くないのかもしれません。ただ、掲示板の感想を見ると、高速馬場で明らかに合わない中でもやれた…とむしろ悪くない評価が多かったですね。また、坂井瑠星騎手は「道中まだ手前を替えなかったりと幼さがありますが、その辺りが解消されれば、もっと反応が良くなってくると思います」とのこと。モーリス産駒らしくまだまだなんですかね。もうちょっと期待してみたいです。(2020/11/17)
良くなるのはまだ先な感じですが、続けて今度は朝日杯に使用。短い距離を使ってきたわりにスピードがないのか最後方というこれまでにないほど低い位置に。ここから上がり最速タイの足を見せて、14番人気の低評価を覆す8着となり、健闘しました。後ろから行った池添騎手の騎乗には、スピードがないためにやむなしとの評価が多かったんですが、どうなんでしょうね。あまりにも後ろ過ぎたのかなという感じ。また、このレースぶりからして、今まで使ってきたのより長い距離を期待されていました。私も長い距離でみたいですね。ただ、陣営はスプリントでおろして、ここまでマイル以下で使っており、距離延長があるかは微妙だと思います。(2020/12/20)
■2020/09/21 新馬戦辛勝のブルメンダールが期待できる理由
ブルメンダール (父モーリス 母ブルーメンブラット)
ダメだと書いていたモーリスですが、その後、悪くない産駒を出してきていますね。自身がそうであったように、仕上がりが遅い産駒が多いのかもしれません。じゃあ、POG向きじゃないんじゃ?って、感じもしますが…。
ブルメンダールはそのモーリス産駒の期待馬。母はマイルチャンピオンシップを勝ったブルーメンブラットです。この配合なら超人気!となりそうなものの、大人気程度で収まっています。netkeibaのランキングでは23位ですね。
では、なぜベスト10級ではないのか?というと、兄弟がパッとしないためでしょう。母はG1馬であるにも関わらず、ここまで7頭もいて最高の馬ですら3勝程度。重賞勝利どころか、3着までに入った馬がいないということで、期待はずれとなっています。
ただ、私はひねくれているので、活躍した母馬期待の第1仔よりも、パッとしない産駒を出し続けて期待を裏切っている母の仔の方が本来好きですね。そういう理由で指名してしまいました。
新馬戦は好スタートと言って良いスタートから控えて3番手。途中引っかかるところも見せて難しさを見せましたが、鞍上の川田騎手がうまく乗りました。最後はすっと伸びずに鈍いし、差し馬の目標にされて大ピンチ。きわどかったのですが、なんとか残して新馬勝ち。調教は悪くなかったみたいですので、そのせいで苦戦したわけでもないようでした。
となると、特に期待できる要素がないように思うのですが、実を言うと、調教師、鞍上ともに「まだ動けない」といった評価みたいですね。前述の通り、モーリス産駒は時間かかりそうなのが多いため、現時点でこれだけできるというのは、楽しみなようです。大げさに言っている可能性を考えて、私はそこまで大きくは期待しないものの、母がG1馬ですし、ちょっと期待したいですね。7度目の正直となるでしょうか?(2020/09/21)
ブルメンダールの2戦目は、地味に11月21日の東京の1勝クラス。ただ、同じモーリス産駒で超期待だったブエナビスタ産駒ブエナベントゥーラが出走して1番人気になるなど、1勝クラスにはもったいないメンツです。余談ですが、このブエナベントゥーラは「モーリス産駒は失敗では?」と思わせた代表格の馬。新馬戦は期待はずれだったものの、2戦目できっちり勝って評価を取り戻してここに来ました。
ブルメンダールは鞍上戸崎圭太騎手で2番手の競馬となったものの、かかり気味な感じに見えて狙った感じではなさそう。最初に無理せずに先行集団後ろから見る形になったブエナベントゥーラのミルコ・デムーロ騎手がうまく、目標にされる苦しい形だと思いました。ところが、このブエナベントゥーラが不可解な伸びなさ。後で知ったのですが、肺出血という深刻な事態だったようです。今後にも影響が出るでしょう。
これにより、ブルメンダールがラッキーな形でも勝利…と思ったら、はるかに離れていた第2集団から1頭だけグイグイ伸びてきた馬がいました。後半で書いている私の大穴POG馬ニシノアジャストです! 前走のOP戦は、2番人気5着でしたが、ムラ馬タイプですかね。「こりゃ差し切るな」と思った通り、ゴール前でしっかり差し切って勝利。結果的に、やはりブルメンダールは前半抑えられなかったのが響きました。それにしても、ニシノアジャストはすごいです…。新馬戦は16頭立ての11番人気だった馬ですからね!(2020/11/21)