2024年5月21日火曜日

日本向きと思えない種牡馬ケープブランコ、なぜ輸入?

■2018/09/18 日本向きと思えない種牡馬ケープブランコ、なぜ輸入?
■2023/03/15 ケープブランコ、あっという間に種付け頭数が減って青森に回される


■2018/09/18 日本向きと思えない種牡馬ケープブランコ、なぜ輸入?

 このタイミングだともうすでに後出しジャンケンっぽいのですけど、ケープブランコの父の名前を見て、なんでこんな馬を輸入したのか?と思いました。
 父ガリレオ、父父サドラーズウェルズというのは、欧州では最高。ただ、同時に2代続けて日本向きではないといった馬たちでもあります。同じガリレオが父のフランケル産駒が私の予想に反して走っているとはいえ、懐疑的になってしまう血統です。
  これで期待の種牡馬じゃなくお買い得だったので購入してみただけ…ってというならわかるのですけど、そうでもなさげ。以下のように書いている記事が見つかりました。

・日本軽種馬協会が導入し、昨年から静内種馬場で供用されている期待の種牡馬。
・日本初供用となった昨年は、JBBAスタリオンの中では最多となる132頭に種付け。
・ケープブランコに対する生産地の期待は計り知れず、産駒の出来を確認して再度配合申し込みをした生産者、2月15日の種牡馬展示会でケープブランコの状態を確認して配合申し込みをした生産者もいたという。
(ケープブランコの日本初産駒が誕生 | 馬産地ニュース | 競走馬のふるさと案内所 2016年02月17日より)

 「ガリレオの日本初後継」ともあったんですけど、ガリレオの産駒が導入されていなかったのは、やはり日本と合わないと見られていたからじゃないかと…。
 ちなみにケープブランコの現役時代の競走成績そのものは文句無しで良いです。3歳時は愛ダービー(G1)と愛チャンピオンS(G1)に優勝。4歳時は米国へ渡りマンノウォーS(G1)、アーリントンミリオンS(G1)、ジョーハーシュ・ターフクラシック招待S(G1)とG1 3連勝を飾り、2011年米芝牡馬チャンピオンに選出されたというものすごい成績。
 ただ、そのものすごい成績の馬をなぜアメリカが手放したのか?という話でもあります。当初はアメリカで種牡馬入りしていました。
  で、掲示板を見ると、実際、成績が悪かったようです。これまたなぜそんなに期待して輸入?という話になりますね。

  [21] かふぇ~さん
初年度アメリカで200頭以上繁殖を集めて相当数の産駒がいるはずなのデスが初年度が3歳になった現時点で悲惨な状況
2世代目種牡馬では出走頭数は全体で2番めの71頭なのに勝ち馬頭数が8頭、ステークス勝ち馬0で順位が21位という完全な失敗デス
2年目以降巻き返せるかなんデスガ、あまりに産駒の出来が悪いので日本に輸出したとかだったら嫌デスネ
2016/5/9 23:36

[28] かふぇ~さん
さて21の書き込みから1年以上たちました その後産駒は目立った動きも見せず残念ながら海外では完全な失敗に終わりました(と思います、今後があるので念のため)
 そもそもケープブランコ自身に種牡馬の才能がないとしか言えないほど悲惨な状況で
重賞勝ち馬は0、入着級がいるかどうかわかりません
 ステークス勝ち馬は産駒の頭数が頭数なのでいるのでしょうが、そこまで労力を費やせないのでよくわかりません
 判断がシビアなアメリカでの供用であり、初年度産駒が走り出す前に放り出されるというのは恐らく生まれた子馬たちの評判があまりにひどかったからなのかもしれません
 そういった評価を下された種牡馬が日本で成功するとは考えるのは無理があると思います
2017/10/13 23:00
(ケープブランコの掲示板 | 競走馬データ - netkeiba.comより)

 ケープブランコを管理する静内種馬場の中西信吾場長は「欧州のG1だけでなく米国でも芝のG1を勝っていますから、日本の芝でも合うと思い導入しました」と理由を説明。
 さらに「すでにデビューしている海外での産駒は距離が伸びて良い成績を収めています」としており、後から良くなる可能性はあるものの、個人的にはほとんど期待できないと思いました。


■2023/03/15 ケープブランコ、あっという間に種付け頭数が減って青森に回される

 種牡馬の導入失敗はよくあることとは言え、日本が海外から高値を出して買ってくる馬はバブル時代からを含めて、本当ど派手な失敗が多いというイメージがあります。身のあるお金の使い方ができない民族なんでしょうか。
 その後のケープブランコですが、日本供用初年度にJBBAスタリオンの中では最多となる132頭に種付けという期待から見ると失敗どころか、普通に大失敗というレベル。再売却や種牡馬引退とはなっていないものの、日本軽種馬協会の花形である静内種馬場からはすでに移動済み。青森や九州に出されており、失敗を認めている形です。

<アメリカのほか、シャトル種牡馬としてニュージーランドでも繋養された。2014年10月、日本軽種馬協会によって購買され、2015年シーズンから同協会の静内種馬場で供用すると発表された[1]。2021年からは同協会の七戸種馬場で種牡馬生活を送ることになった。
 2023年より同協会の九州種馬場で繋養されている>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B3

 以下に引用した種付け頭数の減少も素直に失敗を物語っています。なお、2021年に少し復活しているように見えるのは、評価が見直されたのではなく、前述の青森移転の関係だと思われます。

種付年度    種付頭数
2015    132
2016    47
2017    26
2018    32
2019    17
2020    9
2021    31
2022    23

 Wikipediaによると、意外なことに中央重賞勝ち馬がいました。ランスオブプラーナ(2019年毎日杯)です。ただ、北海道外に出されているように期待に応えられなかったのは明らか。CPI=1.04に対して、AEI=0.44という壊滅的な走らなさです。
 1億円ホースは1頭だけいて、上記のランスオブプラーナ(2019年毎日杯)とは別の馬ですね。主な勝鞍が21'BSイレブン賞(3勝クラス)のドウドウキリシマ。現役ですので、まだまだ賞金を加算するチャンスはありそうです。現在のベスト5は以下の通りでした。

馬名    性別    成年    獲得賞金’(万円)
ドウドウキリシマ    牡    2016    10,033
ランスオブプラーナ    牡    2016    7,707
アイブランコ    牡    2017    6,715
オクラホマ    牡    2014    4,250
チビラーサン    牝    2016    3,353