2025年11月20日木曜日

馬取り違え競走除外、間違わないと主張のJRA側のミスと判明

■2025/11/20 馬取り違え競走除外、間違わないと主張のJRA側のミスと判明


■2025/11/20 馬取り違え競走除外、間違わないと主張のJRA側のミスと判明

 まず先に”超異例の珍事…まさかの馬取り違えで競走除外 本当の出走予定馬は栗東トレセンに”(9/7(日) 6:00配信 デイリースポーツ)というニュースを…。JRAの競走馬取り違えは栗東・森秀厩舎のエンブレムボムとエコロネオの事例(23年8月19日)以来で今回が4例目だそうです。

<異例の事態が発生した。6日の札幌5R新馬戦に出走予定だったテーオーレックス(牡2歳、栗東・岡田)は、札幌競馬場の装鞍所でマイクロチップを含めた馬体照合をしたところ、僚馬で同じ鹿毛のヒエンジョー(牡2歳)との取り違えが判明。競走除外となった。>
https://news.yahoo.co.jp/articles/f691cd2c14faa0f4b55cc47186c013861f699fed
 
 2頭は8月9日に札幌競馬場へ新規入厩し、入厩検疫所から取り間違えて調教を継続。ヒエンジョーとされた“本当の”テーオーレックスは現在、栗東トレセンに在厩し、ヒエンジョーの調教ゼッケンを着用し、調教を行っていた…というへんてこりんなことになっていました。
 こうやって読んでいくと笑える話なのですけど、馬主にとっては笑えない話。私も一口馬主やっているんで、他人事じゃありません。

 なお、このとき、JRA側の札幌競馬場裁決委員の審判部参与は、まだ調査中としつつも、以下のようにJRA側では「間違わない」という見解でした。

「馬体照合は1頭ずつ出して1頭ずつ戻すので、入れ替わりはない。解放後、馬房に入る流れ。入厩検疫後に、取り違えが起こったものと考えています」
「厩舎は離れていて、馬房が横並びではない。別々の助手が別々の馬房でそれぞれ入ってきた馬を管理。検疫所で間違うことはない。検疫の馬房から出る時に何らかの原因で2頭が入れ違いになったのでは?と考えていますが、もう少し調査が必要。本来は制裁を決めて報告する予定だったが、調査が続行中ということで制裁を決定するまでに至っていません。大きな事案ですので、時間をかけて制裁については確定したい」

 ところが、後の調査により、この「間違わない」とされたJRA側のミスだと判明。調教師に制裁を課すどころか、調教師や馬主側がJRA側に制裁を加えたくなる結果となりました。JRAのミスによる取り違えは今回が初のケースだそうです。

・“馬取り違え”はJRAの個体照合時の誤認が原因 「ご心配、ご迷惑をおかけしたと深くおわび」とJRA(9/13(土) 17:34配信 デイリースポーツ)
<両馬の入厩時の状況を詳しく調査したところ、札幌競馬場入厩時に入れ替わっていたことが判明した。
 JRAは、2頭が同じ馬運車で外部の牧場から運ばれた8月9日午前8時24分に検疫厩舎に到着後、何らかの原因で入れ替わっていたことがその後の調査で判明したと経緯を説明。同日午前10時にJRA担当職員が個体照合を行った際、上記2頭が指定された馬房に入っているものと誤認したまま個体照合を行ったことが原因と思われるとした。>
https://news.yahoo.co.jp/articles/84fb027b86d9f9c510c82f780e4b0e7f5b972ac7

 入厩後に入れ替わることがない、という担当助手の申告を受け、当該馬のDNA鑑定。これにより、9月11日に2頭の遺伝子型が一致せず、入れ替わったことが判明したそうです。
 競走担当理事は「調査の結果、入厩した際、本会の確認ミスによりまして、入れ替わっていたことが判明しました」とした上で謝罪。JRA側のミスだと考えられるようです。競走関連室長は「札幌競馬場の入厩検疫時の馬体検査は新馬入厩時は3名で実施しているが、健康手帳記載の当該馬の情報と、各馬房に記載された情報の一致を確認しなかった可能性があった」と説明しています。

 当然ながら、岡田調教師への制裁はなし。2頭の発走試験はやり直しと当初説明されていましたが、JRAのミスによることから、再度発走審査を受ける必要はないことになりました。
 一方、厩舎や馬主への補償は検討中だとのこと。補償なしになると思っていたので、予想外。しかし、補償がなくて良いという意味ではなく、当然あるべきではあります。JRAはもっとひどい対応をすると思い込んでいたので、そこが意外でした。