2023年10月29日日曜日

受胎率が低いなど種牡馬失敗の馬 ウォーエンブレムやアドマイヤジュピタ 

■2019/05/20 アドマイヤジュピタ、受胎率が低くてシンジケート速攻解散
■2019/05/20 ウォーエンブレムも種牡馬として苦労、ただ理由は好き嫌い?
■2019/05/20 好きなメス以外は絶対嫌!好みのうるさいウォーエンブレム
■2022/09/11 ウォーエンブレムやアドマイヤジュピタの血統のその後は…? 


■2019/05/20 アドマイヤジュピタ、受胎率が低くてシンジケート速攻解散

 父系馬鹿:2012年度新種牡馬リスト - livedoor Blog(ブログ)を見ると、種付け頭数上位の種牡馬に今あまり産駒がいない馬が多いように感じました。

1 チチカステナンゴ 152
2 ブラックタイド 150
3 メイショウサムソン 101
4 アルデバランII 98
5 アドマイヤジュピタ 94
6  フサイチリシャール 73
7 スズカフェニックス 59
7 ジャイアントレッカー 59

 チチカステナンゴの場合は急逝していますので理由がわかりますが、アドマイヤジュピタはあれ?と思い検索。Wikipediaによると、なんと種牡馬能力の問題だったようです。

<2009年シーズンからは社台スタリオンステーションで種牡馬として供用され、初年度の種付け料は50万円で94頭に種付けを行ったが、生まれたのは19頭と受胎率が振るわず、2010年以降のシンジケート継続を断念、わずか1シーズンで種牡馬を引退することとなった>



■2019/05/20 ウォーエンブレムも種牡馬として苦労、ただ理由は好き嫌い?

 ウォーエンブレムもそうだよなと思ってWikipedia見ると、「受胎率が低い」といった理由とは全然違う理由でびっくりしました。性機能障害ではなく、牝馬嫌いで同性愛者というわけでもなく、女性の好みにうるさかったようです。珍しい馬ですね…。

<いざ種付けしようとすると、ほとんどの牝馬に興味を示さなかった。牝馬によっては種付けを行うことから性機能障害でもないため、種付けを行わせるために数ヶ月をかけて様々な試行錯誤が行われた。主に多数の牝馬の中から、本馬が興味を示す牝馬への種付けなどが試みられ、無地(白い模様がない)の小柄な牝馬を比較的好むことがわかった。しかし、種付け作業は難航し、1年目はわずか7頭の種付けに成功しただけに終わった>

<商業ベースでの種付けは不可能と判断され、シンジケートは初年度にして解散されることになった。また本馬には大手保険会社4社の保険が掛けられていたが、うち3社が合意して約16億円の保険金が支払われた。なお残りの1社は、種付けそのものが成功しているとして保険金の支払いを拒否している>



■2019/05/20 好きなメス以外は絶対嫌!好みのうるさいウォーエンブレム

 2年目となる2004年には、シンジケート解散後も引き続き社台スタリオンステーションで種牡馬続行。まず、種付けする場所を変える転地療法として釧路へ移動していますが、これは関係なかった模様。
 効果があったのは、好むタイプの牝馬で発情を促してから、やる気になったところで種付けしてほしい牝馬に変えるという結構ひどい作戦。これにより、このシーズンは約50頭ほどの牝馬に種付けができました。かなりうまくいっています。
 ところが、ウォーエンブレムは「馬」ではあるものの、「馬鹿」ではありません。やがて「好みのタイプではない」牝馬をあてがわれていることに気づいたウォーエンブレムは、交配を拒むようになってきたとのこと。かわいそうな作戦でしたので、ウォーエンブレムが怒るのも無理はない話。この件に関しては、私もウォーエンブレムを支持しますね。

 というわけで、替え玉作戦が見破られたため、その後は、9,1,0,0と種付け頭数が激減。ウォーエンブレムの場合、産駒がいい感じでしたのでもったいなかったですね…と思ったら、話はここで終わっていませんでした。
 具体的な治療の内容は「企業秘密」として公表されていないのですが、2008年にペンシルベニア大学のマクダネル博士が行った治療の結果、1日1頭ペースで種付け出来るまでの劇的な改善が見られたとのこと。好みが広がって、いろんなメスの良さがわかるようになったんでしょうか。
 2008年は39頭。翌2009年(2010年誕生分)には、過去最多となる69頭の牝馬に種付けを行いうち43頭が血統登録されたことで、今後の種牡馬生活に大きな期待が抱かれました。
 ただ、その後、また逆転。2010年(2011年誕生分)には種付け頭数が5頭に激減してしまい、2011年(2012年誕生分)も19頭と苦戦が続き、2015年(2016年誕生分)の種付けをもって種牡馬を引退することになってしまいました。



■2022/09/11 ウォーエンブレムやアドマイヤジュピタの血統のその後は…?

 今回は、その後、少ない産駒からウォーエンブレムやアドマイヤジュピタの血統は続いたのか?という話。記憶に無いのでたぶんいないと思うのですけどね。特にアドマイヤジュピタは無理でしょう。

 前述の通り、アドマイヤジュピタはわずか1世代のみ。種付頭数94頭に対し、生産頭数は19のみ。血統登録頭数となると、さらに減って17頭でした。このうち中央で走ったのは9頭のようです。この中での出世頭はノーブルジュピタという牝馬でした。賞金は2,282.0万円であり、やはりそれほど成績はよくありません。
 アドマイヤジュピタの場合、牝馬ですら繁殖入りしない…というすごいことに。どうも母馬になったのは、前述のノーブルジュピタただ1頭だった模様(ノーブルジュピタの子は今のところ4頭いて3頭が賞金0ですが、1頭だけ地方で3勝して800万円ほど稼いでいます)。これはそもそも種牡馬成績が悪すぎたせいもあるかもしれません。
 アーニングインデックスは0.26と壊滅的な数字であり、そもそも産駒成績もひどいですね。種牡馬としても最底辺です。そもそもCPIも0.50と低いので繁殖の質が低かったわけですが、それ以上に競走成績が壊滅的。惜しまれない種牡馬引退となってしまいました。

 一方、種牡馬成績は良い印象があったウォーエンブレム。CPI=2.46に対して、アーニングインデックスは2.74ですから、やはり優秀でした。
 121頭のうちの稼ぎ頭は、ブリーダーズゴールドC(G2)など地方重賞を多数勝ったシビルウォーで3億8,272.6円。他にも1億円ホースがごろごろいます。で、私が覚えていなかっただけで、この彼が種牡馬入りしていましたわ…。
 ただし、記憶になかっただけあって、種牡馬戦績は全然。CPI=0.65に対して、アーニングインデックスは0.27とアドマイヤジュピタと負けず劣らずな感じです。
 188頭での稼ぎ頭は、フーズサイドという馬。4,301.9万円です。残念ながら、ウォーエンブレムの血統もここで途絶えてしまいそうですね…。

 …と書いてから、ウォーエンブレムの場合種牡馬成績が良いので、他に種牡馬入りした馬がいる可能性を思いつきます。で、いましたわ! 川崎記念【指定交流】(G1)などを勝ち、2億5,567.0万円を稼いだオールブラッシュです。
 ただし、青森での種牡馬入りだった模様。青森の方には申し訳ないですが、この時点で活躍は期待薄。2021年度の種付け頭数も11頭とごくわずか。やはりここから血が繋がっていくのは、ちょっと無理そうです。
 ただ、この少ない産駒から活躍馬を出せば、ステップアップして繁殖牝馬の質が上がってそこから大物を!という可能性は一応ありそう。日本ではほぼないパターンであり、難しそうですが、この可能性に希望を見出したいです。