2023年10月15日日曜日

ビッグレッドファーム鉾田トレセンの役割 調教師にも馬主にもメリット

■2013/9/20 ビッグレッドファーム鉾田トレセンの役割 調教師にも馬主にもメリット
■2013/9/20 実際、ビッグレッドファーム鉾田トレセンのレベルが低かったのは事実?
■2018/11/08 鉾田で調整し入厩した馬が掲示板に載る率は高い?低い?
■2017/09/04 やめたはずの冠名マイネ使ったマイネフレッシュ、南波壽氏の所有




■2013/9/20 実際、ビッグレッドファーム鉾田トレセンの役割 調教師にも馬主にもメリット

 以前、ラフィアンの出資馬への書き込みで一口馬主らしい方が、「何で調教師でもない人がやっている鉾田トレセンに入れるのか意味がわからない。厩舎で調教していた方が良いだろう」といったことを書いていて、パソコンの前でのけぞりました。
 こういう知識の人が一口馬主やっているというのは危ない気がします。

 とりあえず、特別な馬のプロである調教師だけが調教する…という認識が当てはまらない国がある、かつての日本でもそれを否定した歴史的名馬の馬主がいた、などの話はこの際しません。
 調教師の方が調教がうまい、そりゃずっと美浦か栗東に入れておいた方が良いということにして話しますが、鉾田トレセンに馬を送るのはそもそも調教師側の事情が大きいです。また、馬主側にも鉾田トレセンに預けるメリットがあります。

 ここらへんの話を私が書いても正確にならないおそれがありますし、ちょうどビッグレッドファームの会報「アワープレジャー2012年12月号」に鉾田トレセンの話がありましたので、引用します。(と言うか、説明面倒くさいですし)

<最近の競馬でわれわれの出資馬は、思うようにレースに出られない。ご存知のとおり、5 着以内に入らなければ、優先出走権を手にできないからだ。その間、もしトレセンに滞在すれば預託料がかさんでしまう。厩舎にしても、出走できない馬を置き続ければ、成績を上げるのは容易ではない。
 両者にとってプラスに働く存在が、鉾田トレセンのような外厩施設である。預託料を抑えるだけでなく、十分な鍛錬が可能だから、入厩後もすぐレースに出せる。実にありがたい存在といえる>
(アワープレジャー2012年12月号 馬恋慕第147回 鉾田日帰りツアー 河村晴明より)
http://www.ruffian.co.jp/site/ourpleasure/ourpleasure.php

 馬主にしてみれば全く仕上がっていない状態から全部厩舎にやってもらうと非常にお金がかかります。また、すぐレースに使えないというのは、厩舎にしてみてもお金にならない邪魔者です。
 ひどい場合にはほとんど厩舎に入れてもらえずに、他厩舎に移籍なんてこともあります。私の過去のラフィアン系じゃないPOG指名馬でも使ってもらえなかった新馬がいました。そういう意味で、鉾田トレセンのようなところは厄介払いするのにちょうど良いのです。
 調教師側の事情としては馬房が限られているというのもあるでしょうけど、そうじゃなかったとしても同じ人員で最大限の収益を上げるのであれば、すぐに使える一流馬だけ揃えておくことが最も効率的です。

 コンビニで例えると、商品の入れ替えを行って売れ筋商品だけを取り揃えるようなものですね。限られたスペースで最大限の収益を上げなきゃいけないので、品揃えを変えるなどして売れ筋の商品を優先的に店舗に出します。それに文句言ったって仕方ないでしょう。
 そして、コンビニと同じように、調教師さんもボランティアでやってるわけじゃないのです。
 まあ、委託馬が少なくてガラガラの不人気厩舎なら、すぐにレースに出せない馬を囲っておいて高い委託料ふんだくるという作戦もアリでしょうけど…。





■2013/9/20 ビッグレッドファーム鉾田トレセンのレベルが低かったのは事実?

 記事の残りはあまり関係ないですけど、調教での巧拙の差が出ていたのかな?というお話もありましたので、そちらもどうぞ。

-----引用 ここから-----
 開場した当初、鉾田の坂路は、事務所の奥にある谷を越えて、反対側の丘へと長く伸びていた。およそ1300mあったそのコースを改修したのが2 年前だった。
 奥ではなく手前に伸びる格好に変わり、全長は600mに短縮された。だが、グンときつくなった勾配を活かして、新たな調教法が生まれたのだ。鈴木場長が解説した。
 「この短い坂路にあわせて、インターバルトレーニング̶陸上選手などはあたりまえのように取り入れていますけども̶に変えて、普段は4 本5 本乗って、馬を鍛えています。さらに、坂路を走る合間も、ゆっくり歩くのではなく、ダグとキャンターで、まだ馬が苦しい内に次の調教に向かわせています。
 結果として、前のコースより故障が減りました。あそこに1ハロンくらいの急勾配が見えますけども、いくら全力で走って
もスピードが出ないんです。いい感じで負荷をかけながら、スピードは出すぎませんので、馬がケガしなくなりました。そんなには目立ちませんけど、最近、成績の方も上向いてきていると実感しています」
 以前、会員の間に「鉾田では故障が多い」と不満の声が上がったことがある。言うまでもなく、鉾田トレセンは“ 馬を仕上げるための施設” だ。現場のスタッフは「入厩後、10 日で使える状態」を目指して調教を行う。つまり、それだけ強い負荷を課さねばならず、行う調教は馬のケガと常に紙一重のところに置かれていた。
 だが、急勾配の坂路を利用したインターバル調教を取り入れて、とりわけ前肢の故障が減少したという。調教スタッフの試行錯誤は確実な成果をもたらしたことになる。
-----引用 ここまで-----

 会員が不満を持つというのは、元を正せば結果がついてこないためでもあります。結果が全てですね。


■2018/11/08 鉾田で調整し入厩した馬が掲示板に載る率は高い?低い?

 鉾田トレセンの説明が、 Our Pleasure 2012年7月号のスタッフ記事でもありました。鈴木晃一さんの話からです。

・グループの競走馬のレースへ向けての調整、仕上げが業務。
・昨今、5 着以内に入着できなかった下級条件馬は、7、8週も待たなければ次の出走機会
を得られないなどという状況が頻繁に起きている。その間、トレセンに在厩となれば当然預託料がかかるが、自前の施設で次走の直前まで調整できれば経費も抑えられる。
・厩舎サイドとしても、出走できない馬を在厩させておくのは厩舎の成績向上のため得策ではないことから、お互いに利点がある。

 ここは、やはり坂路を急勾配で短くしたことで、鉾田トレセンでの成績が向上したという話もありました。ただ、故障ではなく、成績に関わるものです。

・鉾田で調整し入厩した馬が、初戦に掲示板に載る率は、一昨年32%、昨年36%、今年は5月現在で45%と年々上昇。

 名馬ミホノブルボンは故・戸山調教師のもと、当時まだ計測区間500mだった栗東の坂路だけで、誰も真似しない1日5 本乗りというスパルタトレーニングでダービー馬に育て上げられた、というエピソードもありました。ミホノブルボンって懐かしすぎですね。


■2017/09/04 やめたはずの冠名マイネ使ったマイネフレッシュ、南波壽氏の所有

 ラフィアンは牝馬では冠名を使うのを数年前からやめています。なので、「 マイネフレッシュ」という2歳馬を見つけて不思議に思いました。また復活したのでしょうか?
  馬柱を見ると、丹内騎手が騎乗しており、どう見てもビッグレッドグループ。丹内騎手が他のところの馬に乗ることはあまりありません。
 で、馬主を確認したら、南波壽さんという聞いたことのない方。とりあえずラフィアンではありませんでした。

 調べてみると、馬主さんは有名人。 馬主姓の一部「南」から, サウス. サザンの冠名を用いている方。これでしたらいくらでも有名馬がいますわ!サウスヴィグラスが最高傑作でしょう。
  マイネフレッシュの父はそのサウスヴィグラスなので、サウス冠名で良さそうなものなのですけど、母のマイネアレグリア の「マイネ」をもらったようです。
 なぜつけたのかはやっぱり不思議ですけど。