2023年8月29日火曜日

遅いデビューでの活躍馬 ブロードアピール、ダイユウサク、タマモストロングなど

■2017/02/17 遅いデビューでの活躍馬 ブロードアピール、ダイユウサク、タマモストロングなど
■2022/04/10 G1勝ちまくり最強マイラー・タイキシャトルは遅いデビューでも最強馬?
■2017/10/02  芝で悪くなくてダート変更が遅れたブロードアピール
■2017/10/02  ブロードアピールといえば根岸S!伝説的な追込による勝利
■2017/02/17 「史上最強の一発屋」個性派の名馬ダイユウサク

■2017/02/17 遅いデビューでの活躍馬 ブロードアピール、ダイユウサク、タマモストロングなど

 Enjoy Ruffian 2012年3月号 マイネルデータ 牡・父スダタカオ〈24〉須田鷹雄は、遅いデビューでの活躍馬がテーマでした。

 まず、1992年以降の平地G1馬が最初のレース(新馬戦とは限らず、未出走戦・未勝利戦などでのデビューも含む)を走った時期別成績について、調べています。
 いちばんデビューが遅かったのはフラワーパークで3歳の10月29日。現在なら中央でデビューできないタイミングで、しかもそのデビュー戦で10着と敗れているというから驚きです。(2戦目で勝ち上がり)。
 以下、ジャガーメイルの9月8日、シンコウキングの7月9日と続く。遅れたデビューから3歳のうちにG1を勝った一番の例はオウケンブルースリで、4月26日のデビュー(2着)から菊花賞を制しています。

 これを重賞勝ちにまで広げると、私も大好きだったブロードアピールが一番になります。
 4歳時の9月12日に札幌の500万条件平場でデビューし、2戦目で勝利。1敗を挟んで4連勝すると、デビュー4か月後の京都牝馬特別で早くも重賞入着(3着)。重賞を勝つにはそこからさらに1年かかったが、6歳2月にシルクロードSを制しています。
 これに続く2位がタマモストロング。4歳の5月16日に新潟の500万条件平場でデビュー。その後しばらく停滞しましたが、4歳終わりから7連勝でマーチSを制しました。
 500万条件(400万条件)デビューから出世した例としてはダイユウサク(91年までの重賞しか勝っていないため今回対象外)が有名ですが、そのダイユウサクもデビューは3歳の10月30日。先述した2頭は4歳のデビューでしたからね。

 最近増えているマル地馬での最高記録は、3歳の10月31日にデビューしたダンスアジョ
イ。未勝利のまま1000万条件に出走するという奇策まで繰り出したが勝てず、道営での2戦2勝を挟んで中央に復帰。後に小倉記念を制しました。


■2022/04/10 G1勝ちまくり最強マイラー・タイキシャトルは遅いデビューでも最強馬?

 <遅いデビューと連勝街道|競馬最強の法則WEB>では、日本調教馬による海外GI初制覇が出た直後に2例目の海外GI制覇を果たした名馬タイキシャトルも遅いデビューの馬としてしていました。これを含めてG1を5勝。外国産馬として中央競馬史上初めて年度代表馬に選出された馬でもあり、超大物ですね。

<藤沢和雄厩舎にはいるタイキの馬は、総じて「デビューが遅い」という傾向にあるが、タイキシャトルも同様であった。ただしこの馬の場合、意図的に遅らせたわけではなく、やむを得ない事情があった。
 脚を負傷したため入厩の時期が年明けの2月にズレ込んだばかりか、入った後も脚元のモヤモヤに悩まされていたのである。特に厄介だったのはソエで、稽古で走らせるたびに悪化するので、かなり仕上げに手間取ったのだ。また、当時はゲートの出が悪く、3度目にしてようやくゲート試験に合格したという逸話も残っている。ようやくデビューできたのは、4歳(現表記で3歳)の4月。当然クラシックは間に合わない>
http://saikyo.k-ba.com/members/history/taiki_shuttle/chapter_02.html

 競馬最強の法則WEBでは、<昭和の時代、「最強マイラー」といえばニホンピロウイナーの代名詞のようなものだった>が、<現在、最強マイラーといえば、この馬のことを指すのが一般的>としていました。Wikipediaでも以下のような記述が見られます。遅いデビューの最強馬とも言えるかもしれません。

<1997年ユニコーンステークスから1998年マイルチャンピオンシップまで記録した重賞8連勝の記録はテイエムオペラオーと並ぶJRA所属馬の記録である。さらにマイル戦ではダートを含め7戦7勝という絶対的な強さを誇り、またその勝ちっぷりも圧倒的であった。日本競馬史上最強のマイラーはどの馬かという問いに対して、最も多く名前の挙がる一頭である>

 タイキシャトルの最強マイラー候補としてはモーリスが思い浮かびましたが、モーリスと競った「競馬ファンが選ぶ『平成最強マイラー』ランキング」においても勝利。しかも、大差での勝利です。記憶に新しい馬が選ばれやすいことも考えるとさらにすごいですね。

<2019年春にnetkeiba.comによって行われた「競馬ファンが選ぶ『平成最強マイラー』ランキング」では、総数27000票に及ぶ投票の中、7819票を獲得し、第1位に選出された。2位モーリス(5710票)、3位ウオッカ(2930票)に大差をつけた結果から、現役を引退して20年以上が経過しても「平成」という時代の中でタイキシャトルが超一流のマイラーとして競馬ファンの記憶に大きなインパクトを残しており、最強マイラーとして広く認められていることが示された結果となった>


■2017/10/02  芝で悪くなくてダート変更が遅れたブロードアピール

 ブロードアピールの補足。前述の通り、4歳時の9月12日に札幌の500万条件平場でデビューし、2戦目で勝っているのですが、初戦は芝、2戦目はダートと異なっていました。
 その後の「1敗を挟んで4連勝」というのは芝。これについて、ブロードアピール - Wikipediaでは、以下のように書いていました。

"その後関西での500万下から900万下の芝のレースを4連勝し、その次走に選んだ京都牝馬特別でも負けはしたものの3着という成績を残し、芝の適性を証明することとなった。一方で、これらは後年ダート路線で活躍することとなる当馬の路線転向が遅れた要因の一つにもなっている"

 重賞初制覇となった「シルクロードS」も芝の1200。芝でもかなり強かったのです。この重賞勝利の前でも高松宮記念で6着となかなかでした。

 シルクロードSの後は、高松宮記念8着、マイラーズカップ12着と惨敗。そのせいか、次は2000年5月14日初勝利戦以来のダート戦となるオープン特別の栗東ステークス(ダート1200メートル)に出走。
 すると、牡馬を含めても最高斤量(57キログラム)でしかも6番人気という低評価でもあったにもかかわらず鋭い追い込みでエイシンサンルイス、サウスヴィグラスらを破ってレコード勝ち。
  しかし、それでも陣営はダート路線への転換をせず、芝で4連敗。とはいえ、スプリンターズステークスで4着、スワンSで4着と全然悪くない成績。ダートに転向しなかったというのはわかります。


■2017/10/02  ブロードアピールといえば根岸S!伝説的な追込による勝利

 ただ、このスワンS4着の後の、3戦目のダート戦となった根岸ステークスがやっと転機となりました。レースは最後方からのスタートとなった上に、先頭が残り400メートルの標識を通過する直前まで最後方に位置していたが、そこから後に鬼脚と呼ばれる末脚を見せます。
 直線だけで7馬身以上離れ、更に残り200メートル標識通過時点で5馬身ほど離れた先頭を差し切り、逆に2着のエイシンサンルイスに1 1/4差をつけて重賞2勝目。私はこの動画を保存しています。もともと追い込みが難しいダートで、伝説的な勝ち方をしました。

ブロードアピール ものすごい追い込み 2000年 根岸ステークス.
 <iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/QYGCMtCW8Lc?ecver=1" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 久しぶりに見直してみると、本当すごいですね。ブロードアピール以外は、前残りという展開で、1頭だけ違っていました。結構斜行しちゃってますし、最後もまだ余裕ありそうな感じでした。
 これが6歳の11月。現在の数え方の6歳ですからね。遅いです。仕方なかったのですが、もったいなかったです。
 次が翌年であり、ダートでたくさん走ったのは7歳と8歳というかなりの高齢のとき。 G1には手が届かなかったものの、重賞を4勝。JBCスプリント2着、ドバイゴールデンシャヒーンでの5着の好成績。
 Wikipediaでは、 以下のように書いていました。

"日本国内でのダート戦では全て3着以内を確保しているが、その内訳も1着7回・2着2回・3着2回と勝率にして63%・連対率にして81%にもなる。直線での末脚に賭ける追い込み馬は、その末脚が不発だと大敗を喫するケースがあることを考慮に入れると、この数値は優秀である"

  余談ですが、好きな馬だったので近親をたびたびPOG指名。最近は孫のワグネリアン(父ディープインパクト)がなかなか良い感じで期待しています。(2022/04/10追記:その後、ワグネリアンは見事日本ダービーを勝利。しかし、金子真人さんがなかなか引退させてくれず、6歳のレース中に内臓疾患で亡くなって種牡馬入りできませんでした)


■2017/02/17 「史上最強の一発屋」個性派の名馬ダイユウサク

 ダイユウサクの補足。

ダイユウサク - Wikipedia

 Wikipediaによれば、ダイユウサクは体質の弱さもあってかデビューが大幅に遅れたと言います。旧表記(数え年)で4歳、今で言う3歳になってからしばらく経った1988年10月30日・京都での400万下条件戦でデビューしました。
 しかし、このレースでは、勝ち馬から13秒も離された最下位(11着)に終わりました。さらに、次走の福島での未勝利戦でも7.3秒遅れて最下位(14着)に敗れ、この年は2戦して未勝利に終わっている。2戦ともタイムオーバーに相当する大敗だった。ダメダメでした。

 勝利するのは、1989年。当時の馬齢で5歳になったダイユウサクは4月16日、新潟での400万下条件戦で出口隆義の騎乗でデビューから5戦目にして待望の初勝利を挙げています。

 そんなダイユウサクが、有馬記念を勝ってしまいました。
 有馬記念では14番人気にもかかわらず、圧倒的1番人気のメジロマックイーンを差し切り、レコードタイムで優勝。しかし、このレース以降は1つも勝てずに引退したため、「史上最強の一発屋」などと称されることになります。 ただ、その前に金杯(西)を勝っていますので、一発屋というのもちょっとかわいそうですね。


2023年8月27日日曜日

長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?

■2016/3/5 長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?


■2016/3/5 長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?

 タイトルは、<長距離向きの歴史的名種牡馬サドラーズウェルズ、現役時代はマイラーだった?>としました。ただ、マイラーというよりは中距離馬といった方が良い感じ。とはいえ、サドラーズウェルズ系の馬は長距離イメージがありますので、中距離であったとしても意外でしょう。日本でのサドラーズウェルズ系もテイエムオペラオー、メイショウサムソンといった長距離馬が主体でした。

 この話を知ったのは、Enjoy Ruffian 2011年9月号 ザ・ブラッド 血統表を紐解く!〈3〉(T.I.S)という話。以下のように書いています。

<意外なことに自身の競走成績に12ハロン(2400m)以上の勝ち鞍はない。そればかりか2 歳時には8ハロンのG2ベアスフォードS を制し、これを含めた全6勝はG1エクリプスSやG1 愛チャンピオンS など10ハロンまでで挙げたもの。2400mのG1 仏ダービーはダルシャーンの2 着、12ハロンのG1キングジョージはティノーソの2 着と善戦どまりだった。キャリアだけを眺めるとマイラーのそれである>

 私がマイラーというよりは中距離馬と感じたのは、以下の戦績からです。良績は10ハロンが多いですよね。

主な成績
着順     日付     レース名     競馬場     芝ダ     距離     1着馬(2着馬)
1     1984     愛2000ギニー GI     IRE     芝     8.0F     
1     1984     エクリプスS GI     GB     芝     10.0F     
1     1984     フィーニクスチャンピオンS GI     IRE     芝     10.0F     
1     1984     愛ダービートライアルS GII     IRE     芝     10.0F     
1     1983     ベレスフォードS GII     IRE     芝     8.0F     
2     1984     仏ダービー GI     FR     芝     2400     
2     1984     Kジョージ六世&QエリザベスS GI     GB           12.0F     
2     1984     グラッドネスS L     IRE     芝     7.0F
(Sadler's Wells(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)より)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000336572/

 海外の種牡馬でおもしろいのが、戦績が良くない中から名種牡馬が生まれることだと思います。サドラーズウェルズの場合は上記のように10ハロン、8ハロンのG1を3勝しており、G1未勝利といった成績ではなく、正直、意外性はありません。
 ただ、T.I.Sさんによると、現役時代はやや落ちる馬だと見られていたといいます。

<同厩舎にいたエルグランセニョール(父ノーザンダンサー)には直接対決(グラッドネスSで2着)でも敗れたように頭が上がらず、それ故に英ダービーへの参戦も叶わなかった。落ちこぼれとまでは呼べないものの、種牡馬としての比類なき成功は意外性の賜とも言えそうだ>

 なお、ここまで長距離というのを強調しましたが、系統からはマイルでの名馬も出しており、幅広くなってきました。
 日本では今ひとつなのですけど、世界的には本当に歴史に残るものすごい成績を残した種牡馬ですし、この系統はこれからも続いていきそうです。
 


2023年8月25日金曜日

珍名モズトキキ VS メリオーレム、リーチユアドリーム、フルレゾン、リンドバーグ、アズベリー

■2023/08/25 珍名モズトキキ VS メリオーレム、リーチユアドリーム、フルレゾン、リンドバーグ、アズベリー


■2023/08/25 珍名モズトキキ VS メリオーレム、リーチユアドリーム、フルレゾン、リンドバーグ、アズベリー

 あんまり気になる名前の馬いないなーと思っていた今週の競馬。最初に目についたのは、モズトキキでした。公式の説明は「冠名+人名愛称」となっているんですけど、これたぶん「冠名+と+人名愛称」で「モズとキキ」ってことじゃないですかね。「キキとララ」「ぐりとぐら」みたいな名前。英語表記も「Mozu to Kiki」でしたので、やはりこの理解で良さそうです。珍しい命名の仕方、アイデアの感じる命名の仕方です。
 馬主さんはもちろんモズの冠名でおなじみキャピタル・システム。モズアスコット、 モズスーパーフレアなどが代表馬。モズトキキの母も所有馬のモズジャカランダでした。

 リーチユアドリームは結構好きだなと思った名前の馬。結構人気になりそうで、リーチザクラウンの期待馬か?とリーチザクラウンが好きだった私は期待しましたが、マインドユアビスケッツ産駒で残念。母父などとも関係なく、母名がナッシングバットドリームズだったのでそれが由来のような感じ。ちなみに母のナッシングバットドリームズもその母デインドリームからの連想でしょう。 デインドリームは凱旋門賞など、G1を勝ちまくった歴史的名牝であり、良血です。

 注目馬の方では、小倉2000mのメリオーレム。父シュヴァルグランは正直それほど期待されていないと思うのですけど、意外に走りそうな感じ。兄弟も1勝程度であり、これもやはり強調できないところ。ただ、これくらいの地味さが好みなんですよね。POG指名するかどうか迷っています。

 リアルスティール産駒のアズベリーは正直好きな感じではないものの、インブリードが濃いな~と思ったので注目。以下のように3 x 3、3 x 4という濃いところが入った4本の多重インブリードです。

Storm Cat     25.00%     3 x 3
Monevassia、Kingmambo     18.75%     3 x 4
Mr. Prospector     12.50%     4 x 5 x 5
Northern Dancer     9.38%     5 x 5 x 5

 今週はなぜか気になる名前の馬が少ないので、注目馬を多めにやりましょう。とは言っても、なぜか能力的に気になる馬も少ないので、おまけした感じですけど、アズベリーと同じレースではフルレゾンの方が好み。姉に函館2歳S(G3) 2着の カイカノキセキがいて、仕上がりは早そう。父がオルフェーヴルに変わったのもプラスでしょう。

 うーん、困った。まだ少ないですね。今週最も気になっているメリオーレムのレースでは、ドゥラメンテ産駒リンドバーグも気になるところ。もっと人気になりそうな馬がいますが、メリオーレムのライバルとしてはこの馬を一番警戒しています。


2023年8月22日火曜日

どうしても欲しい馬!など…ウイン・ラフィアンの超期待馬は走らない?

■2017/04/04 ラフィアンの募集、人気馬は走らない?満口馬の戦績と獲得賞金の相関を調べる
■2017/10/22 「どうしても欲しい馬」など…ウイン・ラフィアンの超期待馬は走らない?



■2017/10/22 「どうしても欲しい馬」など…ウイン・ラフィアンの超期待馬は走らない?」

 ラフィアンじゃないのですが、ビッグレッドグループということで、ウインレーシングクラブの話を。クラブ側が期待しているという馬の話があったのでメモしておこうと。
 ただ、ラフィアンもそうなんですが、こういう期待馬が期待通り走るってことは滅多にないんですよね。前述の人気馬でも不人気でもあまり関係ないという話に通じます。予測が難しいのです。

  Our Pleasure 2016年11月号  ウイン事務局より(片山駿介)では、サマーセールの話が載っていました。その期待馬というのが、「フミノアザレアの15」でした。

<カタログのコメントにも「どうしても欲しい馬だった」と記載してある通り、35番フミノアザレアの15 は、落札後に社長の岡田義広と思わずガッチリ握手を交わした馬で、それほど大きな馬格ではないものの、均整の取れた体つきで、ひと言で「いい馬」という印象でした>

 乗せるのが遅くなったので、もうデビューしているかもしれません。 「フミノアザレアの15」は父アグネスデジタル、馬名はウインベルズトールで登録されています。まだデビューしていませんでした。

 ついでにもう1頭出ていた馬も確認。これくらいのコメントなら普通にあるもので、超期待!って感じじゃないですね。

<こちらはサマーセール出身馬ではありませんが、32 番ガッツマンテンの15も気になる存在。大和田調教師も「この時期としてはかなりたくましい体をした馬。走ってきそう」と楽しみにされていました>

  こちらはウインフルマークスという馬名で決定。父はスクリーンヒーローです。こちらも未デビュー。どうも順調に稽古できていないようで、かなりデビューは遅れそうな感じでした。

2022/04/16追記:えらく間が空きましたが、期待馬の答え合わせ。今見ると、聞き覚えがある馬かどうかで大体成否がわかりますね。

 そこまで抜けたコメントではなかったウインフルマークスは聞いたことあるし走ったはず!と調べてみると勘違いで全く走っていませんでした。中央デビューせず地方でデビューして2勝したものの、賞金は60万円のみ。募集価格1900万円から考えると壊滅的でした。
「聞き覚えがある馬かどうかで大体成否がわかる」と書いた途端に、ど派手に間違ってしまいました。すみません。

 一方の超期待馬だったウインベルズトール。こちらは全く聞き覚えがなくダメだろうと思ったらやはりダメでした。中央では3戦して未勝利。地方では39戦も走ってやっと90万円。名義が変わっていますので、たぶん中央引退の時点で売却じゃないかと。やはり大赤字です。

 ということで、最初に書いていた通り、なぜかウインが「期待!」とする馬はあまり走らないことが多いです。今回はウインの例ですが、ラフィアンでも何度か確認していますが、大体似たような感じですね…。


■2017/04/04 ラフィアンの募集、人気馬は走らない?満口馬の戦績と獲得賞金の相関を調べる

 2014年にメモしていたもの。

  7月10現在で満口だった馬。

12     スリースノーグラス    キャプテントゥーレ    満口
41     マイネエスポワール    ハーツクライ    満口

 7月10現在で残りわずかだった馬。

6    コスモジャイロ    ナカヤマフェスタ    満口
19     フライングメリッサ    ジャングルポケット    満口
24     マイネテレジア    ステイゴールド    満口
30     リヴァプール    ハービンジャー    満口

 以上6頭の現時点での戦績。マイネルラフレシア、フロムマイハートという活躍馬がいました!予想外です。

マイネルブリザード 1戦0勝 [0-0-0-1] 0.0万円
フロムマイハート 17戦3勝 [3-3-1-10] 4,817.1万円
マイネルロタシオン  11戦1勝 [1-1-0-9] 715.0万円
マイネルラフレシア 12戦3勝 [3-1-1-7] 6,089.8万円
マイネルクラフト 10戦2勝 [2-1-1-6] 1,730.0万円
マイネルアブリル      5戦0勝 [0-1-0-4]      200.0万円

募集馬情報一覧(募集馬情報)/ラフィアンターフマンクラブ
http://www.ruffian.co.jp/recruitment/recent/recent.php
 うーん、かなり走っていますね。本当、予想外。平均は、2258.65万円。立派なものです。

 一覧は以下。

No.    母名    父名    残口
1    ウエスタンアイル    ディープスカイ    残81口
2    エイシンバーリン    ダンスインザダーク    残86口
3    カネスヴィバーチェ    アグネスデジタル    残87口
4    グレイスサンセット    ケイムホーム    残81口
5    コスモクラッベ    ダノンシャンティ    残70口
6    コスモジャイロ    ナカヤマフェスタ    満口
7    コスモミール    マツリダゴッホ    残74口
8    コスモリリー    マツリダゴッホ    残88口
9    サザンレイスター    シニスターミニスター    残91口
10     シャドウキャスター    ハーツクライ    残83口
11     シルクサファイア    ディープスカイ    残89口
12     スリースノーグラス    キャプテントゥーレ    満口
13     タイノーブルレディ    ステイゴールド    残89口
14     ダイワパッション    ダイワメジャー    残87口
15     トーワフォーチュン    オレハマッテルゼ    残45口
16     パルブライト    ブラックタイド    満口
17     フェアリーベル    ロージズインメイ    残92口
18     フジクロカミ    スターリングローズ    残89口
19     フライングメリッサ    ジャングルポケット    満口
20     マイネカプリース    ストーミングホーム    満口
21     マイネカレッシュ    ロージズインメイ    残75口
22     マイネカンナ    コンデュイット    残62口
23     マイネジャーダ    コンデュイット    残84口
24     マイネテレジア    ステイゴールド    満口
25     マイネトゥインクル    ディープインパクト    残81口
26     マイネナデシコ    ロージズインメイ    残65口
27     マイネミモーゼ    ステイゴールド    満口
28     ミスジョーカー    ステイゴールド    残27口
29     ミラキュラス    ファルブラヴ    残78口
30     リヴァプール    ハービンジャー    満口
31     レッドピオニー    ハービンジャー    残82口
32     ローズオブダイヤ    ホワイトマズル    残93口
33     ゲイリーピクシー    ダノンシャンティ    残78口
34     コスモベル    ステイゴールド    残32口
35     スターストリート    アドマイヤムーン    残57口
36     チューベローズ    ロージズインメイ    残74口
37     ティーアイディップ    ゼンノロブロイ    残77口
38     バンブーユキヒメ    アドマイヤマックス    残89口
39     マイネアルデュール    ステイゴールド    残66口
40     マイネインティマ    ディープインパクト    残87口
41     マイネエスポワール    ハーツクライ    満口
42     マイネシャンゼリゼ    ロージズインメイ    残40口
43     マイネソーサリス    ステイゴールド    残59口
44     マイネヌーヴェル    ディープインパクト    残28口
45     マイネブリリアン    ダイワメジャー    残8口
46     マイネルーチェ    キングカメハメハ    残27口
48     グリントインハーアイ    ダイワメジャー    残37口
49     コスモスカイライン    ステイゴールド    残44口
50     コスモスプラッシュ    ステイゴールド    残39口
51     シーセモア    キングカメハメハ    残43口
52     レガシーパーパス    アグネスデジタル    残35口
53     イットウリョウダン    ディープインパクト    残34口
54     ケイティラブ    ステイゴールド    残48口
55     マンバラ    ダノンシャンティ    残45口
56     カワカミタキオン    プリサイスエンド    残93口
57     クイーンモモコ    メジロベイリー    残85口
58     グラニースミス    メイショウボーラー    残84口
59     コスモキララ    コンデュイット    残81口
60     サクラロマンス    バトルプラン    残63口
61     シークレットコサージュ    ゼンノロブロイ    残86口
62     スターオブサファイア    マンハッタンカフェ    残86口
63     ヒメチャン    マイネルラヴ    残90口
64     ビューティバランス    カネヒキリ    残93口
65     ヒロコゴールド    ホワイトマズル    残87口
66     ブライアンハニー    マツリダゴッホ    残73口
67     マリアンヌカフェ    プリサイスエンド    残95口
68     ミスチフ    サムライハート    残82口
69     リトルジュリエット    ビービーガルダン    残72口
70     レディナデシコ    ネオユニヴァース    残86口
71     クールベット    サムライハート    残52口
72     サンデーアイ    ファスリエフ    残82口
73     モンテチェリー    ナカヤマフェスタ    満口
74     リターンキャスト    ベーカバド    残80口
75     アリエルビコー    マイネルラヴ    残37口
76     プレイリースモーク    ダイワメジャー    残48口
77     メジャービクトリー    ブライアンズタイム    残46口
78     アドマイヤパンチ    バゴ    残49口
79     シャタードサイレンス    エンパイアメーカー    残47口

 せっかくなので、これを加工して、現在の賞金獲得数と対応させてみましょうか。

母名    残口数    獲得賞金
マリアンヌカフェ    95    0
ローズオブダイヤ    93    335
ビューティバランス    93    257.4
カワカミタキオン    93    136.4
フェアリーベル    92    70
サザンレイスター    91    5814.7
ヒメチャン    90    17
フジクロカミ    89    124.7
バンブーユキヒメ    89    1222.5
タイノーブルレディ    89    132.4
シルクサファイア    89    1178.1
コスモリリー    88    940
マイネインティマ    87    0
ヒロコゴールド    87    427.7
ダイワパッション    87    455
カネスヴィバーチェ    87    332.9
レディナデシコ    86    866.2
スターオブサファイア    86    50.6
シークレットコサージュ    86    271
エイシンバーリン    86    199.9
クイーンモモコ    85    263.1
マイネジャーダ    84    247.2
グラニースミス    84    0
シャドウキャスター    83    72
レッドピオニー    82    89.8
ミスチフ    82    116.6
サンデーアイ    82    218
マイネトゥインクル    81    196.1
コスモキララ    81    975
グレイスサンセット    81    304.9
ウエスタンアイル    81    999.6
リターンキャスト    80    56.4
ミラキュラス    78    106.8
ゲイリーピクシー    78    0
ティーアイディップ    77    1136.2
マイネカレッシュ    75    5341.5
チューベローズ    74    4916.4
コスモミール    74    1617.8
ブライアンハニー    73    10477.6
リトルジュリエット    72    389.8
コスモクラッベ    70    2138.8
マイネアルデュール    66    4158.9
マイネナデシコ    65    229
サクラロマンス    63    0
マイネカンナ    62    1.3
マイネソーサリス    59    1000
スターストリート    57    339
クールベット    52    280
アドマイヤパンチ    49    2867.6
プレイリースモーク    48    48
ケイティラブ    48    78
シャタードサイレンス    47    0
メジャービクトリー    46    2810.6
マンバラ    45    63.7
トーワフォーチュン    45    2770
コスモスカイライン    44    70.1
シーセモア    43    281.4
マイネシャンゼリゼ    40    364
コスモスプラッシュ    39    230
グリントインハーアイ    37    0
アリエルビコー    37    202.5
レガシーパーパス    35    2824.4
イットウリョウダン    34    955
コスモベル    32    464
マイネヌーヴェル    28    592
ミスジョーカー    27    1600
マイネルーチェ    27    1375.5
マイネブリリアン    8    31.8
リヴァプール    0    200
モンテチェリー    0    240
マイネミモーゼ    0    0
マイネテレジア    0    1730
マイネカプリース    0    65
マイネエスポワール    0    4817.1
フライングメリッサ    0    6089.8
パルブライト    0    25
スリースノーグラス    0    0
コスモジャイロ    0    715

 最初のは見逃しあったのか、残口数を見ると、満口がちょうど10頭ってことで良いですかね? 平均は1400万円で優秀です。

母名    残口数    獲得賞金
リヴァプール    0    200
モンテチェリー    0    240
マイネミモーゼ    0    0
マイネテレジア    0    1730
マイネカプリース    0    65
マイネエスポワール    0    4817.1
フライングメリッサ    0    6089.8
パルブライト    0    25
スリースノーグラス    0    0
コスモジャイロ    0    715
    平均    1,388

 一方、売れ残りが多かった10頭(タイがいたので11頭)はこちら。

母名    残口数    獲得賞金
マリアンヌカフェ    95    0
ローズオブダイヤ    93    335
ビューティバランス    93    257.4
カワカミタキオン    93    136.4
フェアリーベル    92    70
サザンレイスター    91    5814.7
ヒメチャン    90    17
フジクロカミ    89    124.7
シルクサファイア    89    1178.1
バンブーユキヒメ    89    1222.5
タイノーブルレディ    89    132.4
    平均    844

 平均800万円はそう悪くない?と思って、すべての平均を出してみると、1025万円。普通に人気の馬が走っている馬のように見えますね。
 念のために、残口数と獲得賞金で逆相関が見られるか計算。すると、相関係数は-0.07でした。
 一応逆相関にはなかったものの、-1に近いほど影響が大きいということを考えると、0に近いこの数値は「ほとんど無関係」って理解で良さそうな感じ。
 
 調べた意味がなかった気もしますが、結論としては、「残口数を気にせずに好きな馬を選べ」ってことですね!

 ちなみに私が選ぶ馬は、なぜかいつも売り切れを心配しなくて良いほど不人気の子ばかりです。 それでも走ってくれる子はいる印象でしたが、その通り、あまり残口は関係ないという結果になりました。


2023年8月18日金曜日

珍名馬ジンセイ、ピカリ、ハテナビト。アカキチノイレブン、キミハスコール VS ショウナンサクレツ、ラヴスコール

■2023/08/18 珍名馬ジンセイ、ピカリ、ハテナビト。アカキチノイレブン、キミハスコール VS ショウナンサクレツ、ラヴスコール


■2023/08/18 珍名馬ジンセイ、ピカリ、ハテナビト。アカキチノイレブン、キミハスコール VS ショウナンサクレツ、ラヴスコール

 8/19土曜日の新馬の馬名。好きなのは、ショウナンサクレツ、ラヴスコールといったあたり。
 珍名らしい珍名はなぜか全然いませんけど、目についたのは、アカキチノイレブンとキミハスコール。ともに最初どこで区切って読むのか迷った名前。それぞれアカ+キチ+ノ+イレブン、キミハス+コールと読んでしまい、どういう意味?と思いました。でも、たぶん「赤き血のイレブン」と「君はスコール」といった区切り方でしょうね。

 このうち「赤き血のイレブン」は、昔のサッカー漫画。主人公のモデルは日本代表にもなった永井良和さんで、アカキチノイレブンの鞍上を出馬表を見たときに「永野」だったので「惜しい!」と思ってしまいました。そもそも騎手だと永井騎手って聞いたことないですし、現状最も惜しいチョイスかもしれません。

 日曜日の方が珍名っぽい馬が多いかな。ジンセイ、ピカリ、ハテナビトあたりが変わった感じです。
 あと、気になったのが、ザロックという馬。「ザ・ロック」なら名馬ロックオブジブラルタルの愛称と同じ。で、血統を見たのですけど、父はゴールドアリュール産駒のコパノリッキーで、特にロックオブジブラルタルとは関係なさそうでした。


2023年8月15日火曜日

知らないうちに生まれてたブレイクタイムが活躍 谷口牧場と浦河育成センター

■2017/10/26 知らないうちに生まれてたブレイクタイムが活躍 谷口牧場と浦河育成センター
■2022/04/13 G1勝っていた…と思ったら勝ってなかったブレイクタイム


■2017/10/26 知らないうちに生まれてたブレイクタイムが活躍 谷口牧場と浦河育成センター

 Enjoy Ruffian 2010年3月号 ルーツ オブ ビクトリー〈最終回〉村本浩平 マイネナデシコ/谷口牧場は、マイネナデシコの故郷である浦河・谷口牧場を紹介した話でした。
  谷口牧場の代表馬としては、02年、03年の京成杯AHを連覇したブレイクタイムを紹介しています。そのブレイクタイムの出生時エピソードがすごいです。

「ある日、自分が車に乗っていると『放牧地にいる馬が出産しているぞ』と近くの生産者の方が電話をくれたんですよ。その時に産まれたのがブレイクタイムでした」
(谷口牧場の取締役、浦河育成センターの代表を務める谷口幸樹さん)
 
 母のホマレノプリンセスは、乳が張ってくるといった出産の兆候を見せない、やっかいな特徴を持った繁殖馬でした。この日の出産は無いと思った谷口幸樹さんは、ホマレノプリンセスを他の繁殖牝馬と共に放牧へと出したのですが、この読みがはずれちゃったんですね。
 急に産気づいたホマレノプリンセスは、放牧地でブレイクタイムを出産してしまったようです。

 たまたまそこに通りがかったのが電話をくれた近くの生産者と栗東の調教師だったといいます。「2人は近くにあったリヤカーに産まれたばかりのブレイクタイムを載せて、厩舎まで運んでくれたそうです。2人がいなかったら、その後のブレイクタイムの活躍はなかったかもしれません」と、おっしゃっていました。

 ちなみに、「浦河育成センターの代表」という谷口幸樹さんの肩書にあった浦河育成センターというのは、牧場と道路を挟んで隣の敷地。いっしょに育成牧場も営んでいるとのことです。
   こちらの浦河育成センターの主な育成馬には90年の桜花賞を制し、後にアグネスタキオン、アグネスフライトの母ともなったアグネスフローラがいます。アグネスフローラ自身桜花賞を制覇しており、大成功!という例。戦績を確認すると、デビューから5連勝で桜花賞制覇。次のオークスも2着だったものの、ここで引退となっています。めちゃくちゃ強かったですね。
   また、有馬記念において3年連続で3着となり、「ブロンズコレクター」とも言われたナイスネイチャもここの出身だそうです。

 そういや、谷口牧場は、日高行ったときに、道路側からここで馬を見た気がします。牧場の名前は全然覚えていませんが、谷口牧場は有名なので聞き覚えありました。


■2022/04/13 G1勝っていた…と思ったら勝ってなかったブレイクタイム

 上記で名前が出てきた馬たちをWikipediaから補足しておくことに。まず、谷口牧場の代表産駒ブレイクタイムから。なんとなくG1を勝っていた気がしたのですが、「主な勝ち鞍に2002年・2003年の京成杯オータムハンデキャップ」ということで、勘違いでした。また、馬主さんはノースヒルズマネジメントでびっくり。ノースヒルズは他の牧場の馬でも走りますすね。

<2000年2月、京都競馬場の新馬戦でデビューし1着[3]。ダートの条件戦を2着、1着としたのち芝に転じ、重賞には手が届かないものの葵ステークス、菩提樹ステークスの2つのオープン特別で勝利。明けて4歳を迎えた2001年、初戦となる5月東京競馬場でのダートのオープン特別オアシスステークスでプリエミネンスの2着としたのち安田記念に参戦し、15番人気ながらブラックホークの2着に入り波乱を演出する>

 私がG1勝っていたと勘違いしたのは、上記の安田記念のせいかも。好きなブラックホークの方が買っていました。このときブラックホークの馬券を買っていたような気もします。残りの説明は以下の通りでした。

<続く4戦は1年近い休養を挟んで2着2回、3着1回と勝ちきれなかったが、2002年9月の京成杯オータムハンデキャップで重賞初勝利を挙げた[3]。続く3戦は振るわず、CBC賞のあとに骨折が判明して戦線を離脱[3]。2003年夏に復帰して1走ののち出走した京成杯オータムハンデキャップを連覇した[3]。長期休養ののち2004年の関屋記念に出走して5着、これが最後のレースとなった>

 「引退後は種牡馬として6シーズンにわたって供用されていた」という話があってびっくり。全く覚えがありません。父は私が「日本に合う」と信じていたデインヒル(ダンチヒ系)であり、成績からしても一応種牡馬入りはわからなくもないでしょう。
 ただ、<血統登録頭数がわずか5頭、うち出走頭数4頭という結果>であり、種牡馬成績は残念なことに。種牡馬入りしていたことを知らないのも無理はない感じです。
 その後は生まれ故郷の谷口牧場に戻って余生を過ごしていたが、2019年7月3日に放牧地で右前脚の繋ぎ部分を骨折し、翌4日、安楽死の措置が取られたそうです。

2023年8月13日日曜日

超良血馬集まる池添学厩舎 社台グループが優遇する理由とは?

■2016/4/18 超良血馬集まる池添学厩舎 社台グループが優遇する理由とは?


■2016/4/18 超良血馬集まる池添学厩舎 社台グループが優遇する理由とは?

 こういうコネが生きる世界ってのはむしろ嘆かわしい気がするんですが、池添学厩舎に超良血馬が集まる理由は「コネ」だと書いている記事がありました。このコネとしては、当然「血統」の良さもあります。
 
<もしも競馬ゲームなら「イージーモード」と言いたくなるような恵まれた環境だが、それを実現している池添学調教師とは一体何者なのか......担当記者の話を聞いて、思わず「なるほど」と頷いてしまった>
「池添学調教師は父が池添兼雄調教師で、兄がオルフェーヴルの主戦だった池添謙一騎手です。明治大学の強豪馬術部でキャプテンを務め、34歳の若さで調教師試験に合格しています。下積み時代には角居厩舎に携わり、ノーザンファームでも経験を積んでいます。一言で言えば競馬界のサラブレッド。エリート中エリートです」(競馬記者)
(ブエナビスタ初仔にハープスター妹も。開業2年目で「超良血馬」続々......兄が三冠ジョッキーの「サラブレッド調教師」とは | ギャンブルジャーナル | ビジネスジャーナルより)
http://biz-journal.jp/gj/2016/04/post_250.html

 ただ、社台グループに在籍したことによる「コネ」は、それほど悪いコネだとは思いません。考え方が近い、技術的なものが近い…といった感じで、企業においても古巣と繋がりを持つ…といったことはときどきあります。

「いくら天下の社台グループでも、相手が競馬界の重鎮調教師であれば、なかなか口出しすることも躊躇われます。しかし、すでに若い頃からノーザンファームでノウハウを学んだ池添学調教師であれば、意思の疎通が図りやすい。確かに開業時から良血馬が集められていますが、社台グループとしても明確なメリットがあるということです」(同)

 とはいえ、社台グループの意見が通りづらい厩舎って本当にあるんですかね? 社台グループには逆らえないイメージがありますので、ちょっとしっくり来ない説明です。

 なお、以下のように名前が出ている馬を見ると、確かに期待を集めた良血馬は多いというのは間違いないでしょう。一方で、まだ大成した馬は出てきていない…つまり、現時点では良血馬をうまく育てられていない感じがしてしまう馬名ばかり挙がっていました。何か手放しには褒めづらい微妙な感じがあります。

<担当記者によると、母ブエナビスタを手掛けた松田博資厩舎へ入厩するのが定番なのだが、松田博調教師が引退されたことで新鋭の池添学調教師に白羽の矢が立ったということらしい。(中略)
 先日の桜花賞があった10日の忘れな草賞(OP)を制した良血馬ロッテンマイヤーも池添学厩舎だったことを思い出した。(中略)「ブエナビスタの甥っ子」のロッテンマイヤーも池添学厩舎である。(中略)
 主力となっている現3歳馬だけをとってみても、2010年の2歳女王レーヴディソールの初仔アラバスター、エアスピネルの近親にあたるエアエマイユ、2010年のヴィクトリアマイルでブエナビスタと大接戦を演じたヒカルアマランサスの仔ギモーヴ、桜花賞馬ハープスターの妹リュラ......他にも良血のマル外馬がぞろぞろおり、まるでリーディング常連厩舎のような豪華ラインナップだ>


2023年8月11日金曜日

珍名馬トンコツラーメン、アベベ、ヨシノヤッタルデー、ポンズ VS エリカカリーナ、ガルサブランカ

■2023/08/11 珍名馬トンコツラーメン、アベベ、ヨシノヤッタルデー、ポンズ VS エリカカリーナ、ガルサブランカ
■2013-01-21 珍名馬バンブトンカツ とんかつを食べて勝負にも勝つ?
■2013-01-14  珍名馬オレモマッテタゼ、マリコノコ、ケマリフリーキック 山王飯店
■2013-04-14 珍名馬クリーンメタボ 馬名の意味はメタボリックシンドロームで本当にいいの?


■2023/08/11 珍名馬トンコツラーメン、アベベ、ヨシノヤッタルデー、ポンズ VS エリカカリーナ、ガルサブランカ

 今週の新馬戦チェックは2023/08/12土曜日から。新潟芝1400は牝馬限定戦で、キープソーキュートみたいな牝馬らしくてかわいい名前の馬が登場。
 なんか今年絶好調のような気がしているニシノ軍団では、ニシノアヤカゼもいい名前。冠名つきだとぐっと来る名前は少ないのですけど、これは好きです。というか、ニシノ系は結構好きなこと多いですけどね。
 もう1頭ロゼフレアもいい名前ですね。情熱的な赤といった感じです。

 新潟1600は注目馬の方で注目でガルサブランカが1番人気争いをしそう。あのイクイノックスの妹ですから問答無用で注目です。
 このガルサブランカに逆らう必要があるか?という話ですが、個人的にはエリカカリーナの方が好み。以下のような凝ったインブリードを持っていて、こういうの好みなんですよね。

Northern Dancer、Arctic Dancer     12.50%     5 x 5 x 5 x 5
Halo     12.50%     4 x 4
Lyphard     9.38%     5 x 4

 今週開始の小倉では、1200m九州産馬[指]でトンコツラーメンというわかりやすい珍名馬が登場。とんこくラーメンですもの、小倉で走らせなくてはいけない!という名前。九州産馬でもありますし、この開催を狙っていたでしょうね。
 同じレースではアツヒメも気になるところ。あつひめと聞いて思い出すのは、篤姫(天璋院)。薩摩藩島津家の一門今和泉島津家に生まれ、島津本家と五摂家筆頭近衛家の養女として徳川家に嫁ぎ、江戸幕府第13代将軍・徳川家定御台所となった人物であり、やはり九州絡みの名前でしょう。
 一方、九州とは縁もゆかりもなさそうなアベベも九州産馬[指]でデビュー。1960年9月のローマオリンピックのマラソンを裸足で走り、金メダルをとってスターとなったエチオピアの英雄。超有名人ですけど、最近の人では知らない人も多いでしょう。私も生まれていなかった頃の選手です。

 もう一つの小倉1200mは牝馬限定戦。ミライハーモニーは結構いい名前ですね。リベルティーヌなんかも響きが良い名前です。

 引っかかってしまった名前が、ギルティプレジャー(Guilty Pleasure)という名前。直訳すると「有罪の喜び」であり、良い意味ではありません。ただ、意味深な感じで逆にかっこいいかも。
 試しに機械翻訳かけてみると、大半はそのままギルティプレジャーとしていましたが、候補として「後ろめたい喜び」を出しているところがあり、なるほどという訳。改めて辞書を引くと、有罪以外に「罪の自覚がある、身に覚えのある、やましいところのある」といった意味があり、「後ろめたい喜び」「やましさのある喜び」あたりがスタンダードな訳かもしれません。
 公式ではどうなっているか?と見ると、「馬名意味    やめられない楽しみ」で提出されていました。こちらは意訳に近いですね。馬主山を見ると、ゴドルフィンであり、名付け親が英語のネイティブの可能性もありますが、現地…つまり日本人におまかせしている可能性もあり、なんとも言えません。
 ちなみに母はパテントジョイPatent Joy(愛) であり、直訳だと特許の喜び。とりあえず、喜びはこの母由来であり、父がDark Angel であることから、ダークな喜び的な名前になかったのかもしれません。

 札幌ではジクジタルオモイ。忸怩たる思いというのは、自分の不手際や失敗に対して、恥ずかしさや申し訳なさを強く感じる心情を表す表現であり、こちらも本当はネガティブ。謙虚さで逆に前向きという可能性を考えて公式を見ると、「馬名意味    自省、自ら反省すること」で申請されており、一応、前向きなんでしょうか。
 でも、負けたら「恥ずかしいような不甲斐ないレース」などと書き込まれてしまいそうです。

 ここから日曜日。新潟の「オイデレオ」が気になりました。「こっちにおいで」の「おいで」ですかね。だとすれば、珍しい命名です。で、調べてみると、やはりそうであり、「馬名意味    こちらにおいで+ライオン(ラテン語)」という説明でした。父が「レイデオロ」であり、ここからの連想でしょうか。文字を並べ替えるアナグラムかとも思いましたが、「レイデオロ」だと「オイデレロ」にしかなりませんので違うようです。
 同じレース、ディープシャドーは好きな名前。ディープがつくと大体好きになっちゃいますね。もう1頭、 ビートメイカーもシンプルですが、好きな名前です。この ビートメイカーはわりと人気しそうで、その意味でも注目でしょう。

 1200mのばかり4レース行われる小倉の日曜日5Rでは、ヒマワリクンはちょっと珍名な感じ。牝馬でヒマワリなら普通ですが、牡馬は珍しいでしょう。
 より珍名らしさのあるのが、同じレースのポンズ。ポン酢のポンズであり、公式が「馬名意味    柑橘類を用いた調味料」となっているのが笑えます。ただ、かわいい良い名前だとも感じるもので、過去にもポンズチャンという牝馬がいました。

 もう1つの小倉1200では、ヨシノヤッタルデー。ユニークですが、いい名前。ヨシノは冠名かな?と見ると、やはりそうですね。「馬名意味    冠名+元気を出すかけ声。いつも勝ちたい」との説明。最後の欲望丸出しな「いつも勝ちたい」にも笑ってしまいました。私もいつも勝ちたいです。



■2013-01-21 19:05:29 珍名馬バンブトンカツ とんかつを食べて勝負にも勝つ?
 バンブトンカツという馬がいて、馬なのに「とんかつ」ってどうなの?と思いました。

-----引用 ここから-----

 [1] シンテツオーさん
フォローする

がんばれ、豚カツ。

[6] にらくまさん
フォローする

金沢に移籍してたんですね、18日6Rで1着でした。
トンカツ、頑張ってまた戻ってきてね(^^)

http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2009100937

-----引用 ここまで-----

 トンカツ、トンカツ言われています。
 でも、これ「冠名+勝つ」らしいのです。
 そういや昔バンブトン何とかって馬いたかも?

 しかし、検索してみても1億円ホースすらいません。
 トンカツくんは地方に売られて既に馬主さん変わっていますが、おそらくもともとは樋口正蔵さんの所有かと。
 稼ぎ頭はバンブトンリッチ。1985年生まれの古い馬で、8,404.0万円。
 Googleだと変換候補にバンブトンコートが現れますが、こちらはさらに古い1975年生まれ。2,830.0万円で特に活躍したわけでもなし。
 ああ、でも、宝塚記念2着があります。立派、立派。

 トンカツくんは中央5戦未勝利の後、地方では2勝。
 暗いこと書いちゃいますが、トンカツならぬ馬肉にならないように頑張ってください。



■2013-01-14 18:03:07 珍名馬オレモマッテタゼ、マリコノコ、ケマリフリーキック 山王飯店
 あれ?なんかオレハマッテルゼに似た馬がいると思いました。

-----引用 ここから-----
オレモマッテタゼ
生年月日     2010年04月30日
調教師     鈴木伸尋
馬主     山王飯店
生産者     木村牧場
産地     日高町

http://db.netkeiba.com/horse/2010100345/
-----引用 ここまで-----

 ああ、そういや、オレハマッテルゼはもうお父さんやっているんですよね。普通にその子供でした。
 ただ、馬主さんは「山王飯店」ということで、オレハマッテルゼの馬主であり、珍名馬でお馴染みの小田切有一さんではありません。

 山王飯店さんの他の馬は?と見てみると?

-----引用 ここから-----
ファンネルマーク    牡    1994    6,977.00
マリコノコ    牝    2002    897.6
フォアザパートナー    牡    2003    155.6
ケマリフリーキック    牝    2005    148
インテグリティー    牡    2006    0
オレモマッテタゼ    牡    2010    0
フォアザフラッグ    牡    2003    0
ラストプリンセス    牝    1996    0
ラブリイエレガンス    牝    2006    0
レッドホースワン    牝    2005    0
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_list&owner=%BB%B3%B2%A6%C8%D3%C5%B9
-----引用 ここまで-----

 そんなに変じゃないですね。強いて言うと、マリコノコでしょうか?
 ケマリフリーキックなども同じ母親ですが、マリコノコの母はミスマリコですから、そのまんまです。

 ん?というか、よく見るとケマリフリーキックもわけわからんですね。
 海外の言葉だと思ってスルーしていましたけど、蹴鞠(けまり)でしょうね。
 うーん、蹴鞠にフリーキックはあるんでしょうか?
 父は予想通りサッカーボーイ。

 成績的にも名前的にもオダギラーには全く敵いませんが、山王飯店さんはその領域目指して頑張ってください。




■2013-04-14 21:09:42 珍名馬クリーンメタボ 馬名の意味はメタボリックシンドロームで本当にいいの?
 ひと目でわかる妙な馬名、クリーンメタボ。
 メタボにクリーンもクリーンじゃないもないだろう、というか、全部ダメだろうという名前です。
 でも、これはさすがに酷いですね。狙いすぎていてちょっとおもしろくないかもというくらいです。

 馬名の意味を調べると、普通にメタボはメタボリックシンドロームの略だそうです。うーん、ちょっと馬がかわいそう。
 一方、クリーンは単なる冠名。ということは、良いメタボって意味ですらないようです。ますますかわいそう。

 馬主は石橋和夫さん。ついていないのもいますが、クリーンが冠名ってのは本当のようです。

-----引用 ここから-----
クリーンエコロジー    7,575.20
クジュウクシマ    4,443.80
クリーンメタボ    2,191.10
キスミージェニー    1,186.70
クリーンクルー    818.6
クリーンイメージ    602.5
ウマテック    570
セレスダイヤモンド    547.5
クリーンラック    246.8
チエノワ    214.9
ナデシコニッポン    180
クリーンアイリス    50.5
クリーンボーイ    46.4
クリーンダイアナ    18.6
キスミーハニー    0
クリーンオトコギ    0
クリーンピカタン    0
クリーンプリンセス    0
クリーンレディ    0
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_list&owner=%C0%D0%B6%B6%CF%C2%C9%D7
-----引用 ここまで-----

 メタボだけ酷いなぁ。未勝利に終わる中2勝してくれていて、石橋和夫さんの持ち馬でも活躍している方です。
 シンボリクリスエスでグランド牧場ですから、別にいかにもダメっていう馬には見えず、何でこんな名前にしたのか……?

 なお、この子は470kgくらいで全然太くありません。
 それより「クリーン」という名前の馬が昔いて、この子は本当におデブで600kg超でした。
 活躍馬に入っていませんから当然別の馬主さんなのですけど、調べると小田切有一さんでした。

 本当どうしてこうなった?


2023年8月10日木曜日

アイルランド児玉敬厩舎から種牡馬入り ポップロック、キングストレイル、ステキシンスケクン、セイウンヒーロー

■2016/10/9 アイルランド児玉敬厩舎から種牡馬入り ポップロック、キングストレイル、ステキシンスケクン、セイウンヒーロー
■2016/10/9 エイシンフラッシュの日本ダービー制覇をアイルランド人が喜んだ理由
■2016/10/9 同じ年にキングズベストの産駒が欧州でもダービー制覇
■2016/10/9 エイシンフラッシュの種牡馬として失敗?データを見ると…


■2016/10/9 アイルランド児玉敬厩舎から種牡馬入り ポップロック、キングストレイル、ステキシンスケクン、セイウンヒーロー

 アイルランド児玉敬厩舎から欧州で種牡馬入り した馬がかなりいます。以下は、すべてWikipediaからの引用です。

 ポップロック
-----引用 ここから-----
馬主名義を変更したうえで、アイルランドの児玉敬厩舎に移籍して、現役を続行した[1][2]。同時期にコスモバルクのアイルランド移籍も発表されたことから、岡田繁幸が新しい馬主になるという憶測がされることがあったが、フリーライターの河村清明のブログによれば、新しい馬主は岡田ではなく、児玉を含めた複数名で共有することになるという[3]。そして7月30日にゴールウェイ競馬場で行われたギネスレース(一般戦)にフランシス・ベリー騎手鞍上で出走し、シーザーズソングに2馬身1/2差をつけ、移籍初戦を勝利で飾った。続いて9月11日のアイリッシュセントレジャーに出走したが、最後の直線でベリーが脚部の不安を感じて追うのを止め、最下位の8着で入線、レース後の検査で右前脚の浅屈腱炎を発症していることが分かり引退が決まった。引退後はチェコのNapajedla Studで種牡馬入りし、2011年から供用される。初年度の種付け料は25000チェコ・コルナまたは35000チェコ・コルナ[4]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF_(%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC)
-----引用 ここまで-----

 キングストレイル
-----引用 ここから-----
アイルランドからのオファーを受け、引退後の現地での種牡馬入りを前提として2011年2月に輸出され、現地で開業する児玉敬厩舎で競走馬として復帰することとなる[1]。12月17日の準重賞ケベックステークスで復帰し、復帰初戦は4馬身以上離された9着。2012年1月27日のオープン戦では1馬身差の2着。2月25日の準重賞ウィンターダービートライアルステークスでは逃げ切りを図るが約2馬身差の4着だった。3月31日の準重賞マグノリアステークスに出走し、1着から約8馬身差の4着に敗れた。約3か月ぶりの出走となった6月20日のロイヤルハントカップでは1着から70馬身以上離された29着に終わった。その後3走したが勝てず、2013年1月4日のレースで5着に敗れたのを最後に現役を引退し、アイルランドのロングフォードハウススタッドで種牡馬となった[2]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%AB
-----引用 ここまで-----

ステキシンスケクン
-----引用 ここから-----
日本からアイルランドへ輸出され、児玉敬厩舎に預けられた[2]が、現地での出走は実現しなかった。8月18日付けでJRAの競走馬登録を抹消され[3]、その際にチリでの種牡馬入りが改めて報じられた[2][3]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%82%AF%E3%83%B3
-----引用 ここまで-----

 コスモバルクもじゃなかったっけ?と思ったものの、コスモバルクは勘違い。コスモバルクは右前脚に屈腱炎とみられる故障が発覚し引退して1レースも走れず。走れていれば、また未来は違ったかもしれませんえど…。

 あと、種牡馬じゃないですが、ピサノティファニーは厩舎経由で繁殖入り。たぶんアイルランドでしょうね。名馬シーザスターズなどをつけているようです。
 「予定」という情報の後、新しい情報がないのですが、セイウンヒーローも種牡馬入りのはずでした。
 海外は懐が広く、多様性がありますし、一流競馬国じゃなければさらに需要があります。こういったルートはもっと使われると良いですね。


■2016/10/9 エイシンフラッシュの日本ダービー制覇をアイルランド人が喜んだ理由

 エイシンフラッシュの母はアイルランドから来ています。
 Enjoy Ruffian2010年7月号「シャムロックの草原から」によると、エイシンフラッシュ号の母ムーンレディは、アイルランドの児玉 敬調教師の厩舎のすぐ近くにある友人の牧場にいた牝馬。キングズベストを受胎して日本に渡った馬でした。
 友人はエイシンフラッシュ号の日本ダービーの結果を聞きに、朝一番で児玉さんの厩舎にやってきました。ダービー制覇を伝えると、大喜びして日曜の朝からあちこちに電話をして大騒ぎしながらその興奮を仲間達に伝えていたとのこと。
 ムーンレディの担当獣医は児玉厩舎の担当獣医でもあり、彼に至っては「今年の日本ダービー馬に世界で最初に触れたのは直検をした俺だ、あの時の受胎確認エコーの画像コピーを取っておけば良かった…」などと真顔で言っていたといいます。

■2016/10/9 同じ年にキングズベストの産駒が欧州でもダービー制覇

 ドラマチックだったのが、同じ年に欧州でもキングズベストの産駒がダービー制覇を成し遂げたということ。英国のダービーを勝ったワークフォースです。

-----引用 ここから-----
 …数ヶ月前、2歳トレーニングセールの為、英国ニューマーケットに参りました際、親しくしているマイケル・スタウト厩舎のヘッドラッドの所に遊びに行った事がありました。(中略)「この馬が今年のダービー馬だ!」と彼が言うキングズベストの3歳牡馬に出会いました。「キングズベスト〜〜〜?ダービー〜〜?」と言う僕に「タカシ、もしかしたらこの馬がキングズベストの評価を覆すかもしれないぞ」と言っていた彼の言葉が、まさかその数ヵ月後にまさに現実になるとはその時は思いもしませんでした…
 絶対に破られる事がないと言われていた神の馬ラムタラの走破した英国ダービーレコードを1秒も更新し、昨年の歴史的名馬シーザスターズに勝るとも劣らない素晴らしいダービーウィナーとなったそのキングズベスト産駒・ワークフォースの出現は、日本ダービーを同じくキングズベスト産駒が勝利する事と共に本当に嬉しい驚きでした。
-----引用 ここまで-----

■2016/10/9 エイシンフラッシュの種牡馬として失敗?データを見ると…

 エイシンフラッシュは当然日本で種牡馬入りしています。ただ、まだデビュー前です。
 先にデビューしたのはワークフォースなのですが、何とこちらも日本で種牡馬入り。キングズベストの父はキングマンボで日本での戦績は悪くありません。そこらへんの影響でしょうか?
 とはいえ、活躍するとは思えない感じでしたし、実際現在の評判は芳しくありません。となると、エイシンフラッシュもキツイかもしれませんね。

2019/05/11追記:2018年の種牡馬リーディング、ワークフォースは40位とふるいませんでした。というか、2017年からアイルランドに行っていますね。やはり失敗だった模様。AEIは0.56という低さでした。
 一方、CPIを見ると、1.64というかなり良い数字。繁殖牝馬の質はかなり高かったために壊滅的に種牡馬成績が悪かったことがわかります。(2020/03/07:CPIの理解がおかしかったので修正しました。申し訳ありませんでした)
 さて、エイシンフラッシュの方の話。 エイシンフラッシュはなんとワークフォースとほぼ同じ38位。やはりこの数字は悪いです。
 AEIはワークフォースよりマシでしたが、0.75と悪いもの。ただ、CPIはやはり1.41と良い方の数字を出しています。ワークフォースほどではないものの、繁殖牝馬のわりに良い産駒を出していないということになり、やはりボロクソです。(2020/03/07:CPIの理解がおかしかったので修正しました。申し訳ありませんでした)
 そのせいか、エイシンフラッシュは新ひだか町静内目名にあるレックススタッドにすでに移動していました。


2023年8月7日月曜日

こんなことあるの?荻野琢真騎手、壮絶な鞍擦れで人気馬飛ばす

■2013/7/25 こんなことあるの?荻野琢真騎手、壮絶な鞍擦れで人気馬飛ばす


■2013/7/25 こんなことあるの?荻野琢真騎手、壮絶な鞍擦れで人気馬飛ばす

 私がつけている私見騎手評価で悪かった荻野琢真騎手。何が原因があったんだろうか?と見てみると、イースターパレードの2つの騎乗でした。

13/06/22 函館7R 3歳上500万下 13:05ダ1700 2
 1番人気1着で勝っており、皆さんの評価も良かったみたいですが、私としてはあんなに行かせなくても…と思ったので2点評価に。
13/07/14 函館10R 駒場特別(1000万下) 14:50ダ1700 2   
 騎手のせいかはわかないけど、ひと目でわかる鞍擦れ。

 特に2つ目は不可抗力の可能性があるので、辛い評価になってしまったので申し訳ないのですが、本当すごかったんですよ、これ。鞍擦れはあんなの初めて見て、びっくりでした。以下、イースターパレードのnetkeiba掲示板の反応です。

<人気背負ってアクシデントかあ。
壊れたんならしょうがないけど
人為的ミスならだめだよね。
残念だ>

<鞍が問題なかったら、ヒルノの前では
ゴール出来てたと思う>

< 気になったので確認しに来たら、や
っぱり鞍ズレしてましたか
道中前にいたから目立った目立った
この馬から買ってた友人はさすがに
向こう正面で切れてました>

<再度レース見ましたが、最初のコーナーですでにずれてましたね。
バランスが取れない中、よく落馬等なく走りきりました。
次は全開を見たいですね>

<問題なく順調でなにより。
鞍上発表はないけど、荻野Jだろうね。
もう1度チャンスをあげても良いと思う反面、
手を変えて新味期待したい反面>
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2009106572&thread=horse

 最後のコメントはその後に影響なく続投…って意味じゃないかと。でも、個人的にはこれでリズム崩してしまうんじゃないかとも思いますね……。

2022/03/24追記:…などと書いていましたが、次走、そのまま荻野琢真騎手で1番人気1着になっています。しかし、1600万昇級後は5着が最高でやや苦戦し、2014年に乗り替わりも起きました。鞍上は何度か変わった後、幸英明騎手で鞍上も成績も安定してオープン入り。長く走ったオープンでは4着が最高でした。

 あと、荻野琢真騎手ってもう引退したんじゃ?と思いました。2014年にお手馬だったイースターパレードを乗り替わりしたのも、引退したからじゃないの?と失礼なことを思ったら、2017年にも1度だけ、再びイースターパレードに乗っていました。引退してなかったようです。失礼しました。
 検索してみると、執筆時点である2022年でも現役。マジで失礼なことを書いてしまいました。すみません。


2023年8月5日土曜日

ストームキャットって珍名では?ストームバードは悪くないのに…

■2022/03/21 ストームキャットって珍名では?ストームバードは悪くないのに…
■2019/12/18 ショウナンカンプの祖母ヤセイコーソが珍名 野生酵素の意味?
■2013/4/29 同枠に珍名馬シゴトガコイビトとムジョウノカゼ 勝ったのはどっち?
■2018/05/09 珍名馬ラジオタイソウ、障害じゃない平地競走でジャンプ!
■2018/05/09 馬や牛は溝が苦手…テキサスゲートがあれば柵いらず




■2022/03/21 ストームキャットって珍名では?ストームバードは悪くないのに…

 ストームバードはノーザンダンサー産駒。カナダ生まれでアメリカのセリ市で落札されましたが、厩舎はアイルランドのヴィンセント・オブライエン厩舎で、アイルランドだけでなくイギリスでも2歳牡馬チャンピオンになっています。
 ただ、ストームバードの代表産駒ストームキャットはアメリカで種牡馬として大成功したため、ストームバード系というとアメリカのイメージが私は強くなっていました。

 このうち、父のストームバードはまだわかる名前。「嵐の鳥」でカッコ良いというのはわからなくもないです。検索してみると、Horizon Zero Dawn(ホライゾンゼロドーン)というPS4のゲームに同名のタカのような姿をした大型サイズの飛行型機械獣が登場しており、やはり良いイメージの名前なのでしょう。
 ところが、息子のストームキャットの方は正直「どうしてこうなった?」と思ってしまうお名前。日本で言うネコパンチやネコタイショウ(ともに桐谷茂さんの持ち馬)のようなネタ系の名前なんですかね。ただ、ネコパンチなどは、ここまで突っ走ると、逆にいい名前だな~と感じてしまうネーミングセンス。正直大好きです。

 とりあえず、名前がストームキャットであったため、その産駒でも「~キャット」という馬が多くなっています。アメリカから輸入された繁殖牝馬スプリンターキャットもそんな「~キャット」の1頭。牝馬でキャットの方がまだわかりますし、「スプリンター」なので早そう。すばしっこい猫のイメージとも合う良い名前で、お父さんよりいい感じだと個人的に思いました。
 また、このスプリンターキャット、どうも元ネタがある模様。ピクシブ百科事典によると、アメリカの都市伝説などを起源とする怪物「フィアサム・クリッター」(開拓時代のアメリカの噂話などで伝わる奇怪な怪物たちの総称)の一種だそうです。この由来を知ると、さらによい名前だと感じちゃいますね。

<五大湖周辺、西海岸、大西洋沿岸などの平野部や森林に棲む動物で、豹のような姿をしているといわれる。
 蜂蜜や樹液などの甘いものが大好物で、蜜蜂の巣がありそうな空洞のある樹木を見つけると、てっぺんに駆け上り、そこから素早く駆け降りた勢いで頭突きをして幹を砕いてしまう。そうして砕いた樹木の中から、目当てのごちそうを見つけて食べるのだという。
 この動物の生息する地域では、落雷や暴風で砕け散ったり折れてしまったような樹木が多く、森林の形が短期間で変わってしまうのである>

 この馬を知ったのは、スプリンターキャットの子であるウインブリング(父ロージズインメイ)という馬を調べていて。ウインブリング自身は、中央で3戦掲示板なしどころか、地方でも掲示板に載れなかったという、少し珍しいくらいのレベルで走らない子で、特に名馬でもなんでもありません。
 調べてみると、ウインブリングの馬名の由来は「冠名+もたらす」となっていました。辞書を見ても、ブリングは「持ってくる、連れてくる」といった意味。父ロージズインメイとも母スプリンターキャットとも関連を感じさせない名前で、個人的には残念でした。この馬に限らず、ウインやマイネルの馬名は、私の好みと全然合わないんですよね…。




■2019/12/18 ショウナンカンプの祖母ヤセイコーソが珍名 野生酵素の意味?

 ショウナンカンプのカンプ。私はなんとなく「完膚なきまでに 」の「完膚」だと思っていたのですけど、ドイツ語の戦い・闘争といった意味なんだそうです。イメージの悪いヒトラーの著書「我が闘争」(Mein Kampf) で使われていますが、それ以外でも普通に使う言葉です。
 " 印刷にちなんだ?馬名"というページによると、馬主の国本哲秀さんは印刷業。なので、てっきり「カンプ」は印刷の仕上がり見本のことだとばかり思っていたとのこと。
 こちらでは、 2色刷を意味するデュオトーン印刷がらみの馬名じゃないかとしていました。ただ、古くはテンポイントという大物が、完璧に印刷関係。当時新聞の本文活字が 8ポイントであったことから、10ポイントの活字で報道されるような馬になって欲しいという願いを込めてと名付けられたものです。
  ショウナンカンプの父はサクラバクシンオー。まっしぐらに進むという意味の「驀進」が由来でしょうね。母はショウナングレイスでたぶん優雅を意味する英語由来。カンプとは関係なさげです。
 ただ、関係なさで言うと、驚いたのが祖母の名前。 ヤセイコーソ。なんじゃこりゃ?という珍名。なんとなく西ヨーロッパあたりの名前かと思ったらそうではないっぽいです。掲示板では、<この馬は大高酵素の社長が馬主だったのでは? ゆえにコーソは「酵素」だと思う。 野生酵素?>という予想でした。

 意味がわかっても珍名だなと思う名前です。ちなみにネット競馬では、大高登さんの登録馬はこれのみで詳細は不明。コーソシリーズがあるわけでもないのかもしれません。
 調べてみると、大高酵素は小樽の会社でした。野菜酵素とも響きが似ていると思ったのですけど、植物エキス醗酵飲料が主力製品だそうです。

■2013/4/29 同枠に珍名馬シゴトガコイビトとムジョウノカゼ 勝ったのはどっち?

 2013年3月2日 1回小倉7日目 3 R    3歳未勝利で1枠1番にシゴトガコイビト、1枠2番にムジョウノカゼが入りました。
 シゴトガコイビトはそのまんま仕事が恋人です。何と寂しいことでしょう。
 一方のムジョウノカゼとは、「無常の風」と書き、「人の命を奪い去る無常を,花を吹き散らす風にたとえていう語」です。
 こちらは珍名ではありませんけど、やはり寂しい話。
 と言うか、今見るとどっちも女の子だったようです。てっきり牡馬かと思っていました。

 さて、この2頭どちらが勝ったでしょう?
 シゴトガコイビトは16番人気、ムジョウノカゼが13番人気とともに不人気でしたが……。

-----引用 ここから-----
着順    枠番    馬番    馬名    人気
14    1    2    ムジョウノカゼ    13
15    1    1    シゴトガコイビト    16
http://db.netkeiba.com/race/201310010703/
-----引用 ここまで-----

 シゴトガコイビトにムジョウノカゼが勝ちました。
 「仕事が恋人」と仕事を頑張るのもいいですが、「無常の風」に誘われる前に何か他の大事なものも見つけておきたいところです。

■2018/05/09 珍名馬ラジオタイソウ、障害じゃない平地競走でジャンプ!

 ○外の珍名馬ラジオタイソウは、2018年8月にダートでデビュー。6番人気の10着でした。その後、1戦して芝に転向して3着。次走は3番人気と期待されるも、17着と大敗。1千して再びダートに戻ってきて、2018年4月21日はダート復帰2戦目でした。
 出走したレースは、京都ダート1400。芝スタートのレースで、ラジオタイソウはこれを好スタート。そのまま逃げていたのですけど、なんとダートとの変わり目のところで
ジャンプ!
 当然、失速して、2番手に後退。こんなん初めて見ましたわ。最後はこれも響いたのかバテてしまいました。
 単勝を買っていたのですけど、苦笑するしかありません。掲示板でもそんな感じでした。

[81] 山頭火さん
踏み切ってジャンプー!

LIFEさん [79]
ジャンプしたww

ぶりぶりぶり!さん [78]
ダートの切れ目で飛びやがった・・・
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2015110064


■2018/05/09 馬や牛は溝が苦手…テキサスゲートがあれば柵いらず

 馬は怖がりなので、ダートに変わるところでびっくりしちゃったんでしょうね。溝みたいなものも苦手らしく、テキサスゲートと呼ばれる溝で、柵なしで馬の逃亡を防いでいる牧場があります。
 私がこれを知ったのは、2018年5月に読んだANAの機内誌で、与那国島の使用例でした。馬だけでなく牛についても、この溝で防いでいるそうです。
 ただ、ある牛さんは、この溝の上を歩いて、牧場の外を散歩して戻ってきていました。たまに平気な変わり者もいるようで、完璧ではないみたいですね。


2023年8月3日木曜日

珍名ズバットマサムネ、サイコウダネ VS エガオニナッテ、ガイアメンテ、ローゼンナイツ、ローザサンリヴァル

■2023/08/03 珍名ズバットマサムネ、サイコウダネ VS エガオニナッテ、ガイアメンテ、ローゼンナイツ、ローザサンリヴァル


■2023/08/03 珍名ズバットマサムネ、サイコウダネ VS エガオニナッテ、ガイアメンテ、ローゼンナイツ、ローザサンリヴァル

 2023/08/05の新馬戦チェック。新潟のダートでは1番人気になりそうなローゼンナイツがわりと好きな名前。血統を見ると、薔薇一族ではない上に、父や母などもバラ関係なさげでした。父がデクラレーションオブウォー、母がマーキークラブです。念のために…と母の意味も調べると、「過去イギリスに存在したライブハウス名」との説明で。やはりバラとは無関係でした。
 同じ日の新潟の芝にも、ローザサンリヴァルというまたバラ関係の馬名を発見。やはりわりと好きな名前。血統を見ると、こちらは今度こそ!な感じで薔薇一族。馬名意味は「無敵の薔薇(仏)」だそうです。

 日曜日では札幌のガイアメンテが馬名ではなく、能力的に気になるところ。アウトブリードなのは好きじゃないですけど、他は全部良い…といった感じで好みです。

 今週は珍名馬いないなーと思いつつ、土曜日も確認。札幌の カズトシクンはやっとちょっとおもしろい名前でしょうか。カズの冠名もあるので、カズ+トシクンという可能性はありますが、普通はカズトシ+クンでしょうね。
 馬主名を見ると、天野 克彦さんで、カズの冠名の小林さんではなく、カズさんでもなく、カツさんでした。馬名意味の説明は人名愛称のみとなっています。
 同じレースでは、牡馬はマサムネの冠名を使う塩澤正樹さんのズバットマサムネもユニークな名前。こちらの方が珍名らしい珍名ですかね。塩澤正樹さんの馬名は珍名率が高く、助かります。

 新潟は1800mの方でサイコウダネが目に付きます。珍名ではなく、普通にいい名前と言って良い感じ。最高すわ。
 同じレースでは、テンノナウシカも人気出そうな名前です。

 新潟1600の方では、エガオニナッテは私が好きだったエガオヲミセテを思わせるいい名前。特にエガオヲミセテの近親ではないようです。
 馬主もエガオヲミセテの小田切 有一さんではありません。が、びっくりしたのは、馬主が東豊物産であったこと。トーホウの冠名でおなじみのところですから、今回は特別なようです。


2023年8月1日火曜日

史上最高額18億円で売れたザグリーンモンキーのその後…

■2021/09/28 史上最高額18億円で売れたザグリーンモンキーのその後…


■2021/09/28 史上最高額18億円で売れたザグリーンモンキーのその後…

 Our Pleasure2019年8月の「ザ・ブラッド 血統表を紐解く!」(T.I.S)では、ディスクリートキャットの話でした。ただ、同じ父フォレストリーの別の産駒の話の方が気になってしまいました。
 まず、ディスクリートキャットの話ですが、2005年8月27日、サラトガ競馬場のダート1200mのデビュー戦から才能を発揮します。ゴール手前で仕掛けると、あっという間に3馬身半差をつけて優勝。ゴドルフィンで有名なシェイク・モハメド殿下の馬係りだったジョン・ファーガソンさんは、即座にボスの同意を得てトレードで入手しています。

 これから約6ヶ月が過ぎた2006 年2月、フロリダのコールダー競馬場で行われたファシグティプトン2歳トレーニングセールで、ディスクリートキャットと同じフォレストリーを父に持つ牡馬をめぐって壮絶な競り合いが繰り広げられました。これは、前述したシェイク・モハメド殿下の馬係りだったジョン・ファーガソンさんと、クールモアのエージェントのデミ・オバーンさんの争いです。
 ファーガソンさんは当然入手済みのディスクリートキャットでフォレストリー産駒の印象が良かったため。一方、ケンタッキーにアシュフォードスタッドを持つクールモアには、ジャイアンツコーズウェーに続くストームキャット系の人気種牡馬を必要とした事情があったといいます。
 ただ、これだけでは説明できないほど、金額はせり上がりました。なんと今も破られぬ世界レコードとなる1600万ドル(当時の交換レートで17億6000万円、メディアによっては18億4000万円と記載)でクールモア陣営が落札。ゴドルフィンとクールモアという、世界の競馬を代表する二大陣営であり、コラムでは「互いの陣営のメンツにかけて諦めなかったから」としていました。

 ところで、この超高額馬は名前をザグリーンモンキーと言います。聞いたことないな…と思ったでしょうが、それもそのはず。彼は全然走らなかったのです。3着したのが最高で、わずか3戦で引退。「高額の割に走らなかった馬」としても破ることができない世界記録な感じですね。全然ほしくない記録ですけど…。
 一方、ディスクリートキャットはその後も走り、G1も勝ちました。日本に来ていることでわかるように、種牡馬にもなっています。プライドをかけた戦いでゴドルフィンはクールモアに破れたものの、駄馬を超高額で買う羽目にならずに、入手済みの馬も走った…ということで、実質、ゴドルフィンの大勝利だったようです。


廃止寸前だった高知競馬が売上15倍!売上のほとんどは…

■2020/11/07 競馬は無観客開催でも売上に問題なし…の理由とは?
■2020/12/03 地方競馬は無観客開催で史上最高売上連発 競輪が苦戦する理由
■2021/01/09 極秘命令あり?中央競馬が無観客開催を好む予想外の理由
■2021/02/11 廃止寸前だった高知競馬が売上15倍!売上のほとんどは…
■2021/10/4 地方競馬はネットだけでなくリアルでも復活している?


■2020/11/07 競馬は無観客開催でも売上に問題なし…の理由とは?

 もっと早く紹介しようと思っていたのでえらい昔の話になるのですが、競馬は新型コロナウイルス問題による無観客開催でも意外にイケるのでは?という話について。もともと新型コロナウイルス前から、オンラインの販売比率が上がっていると聞いていたので、私はダメージが少ないんじゃないかと思っていたんですよね。

<(引用者注:新型コロナウイルス感染拡大防止のため、戦後初となる無観客競馬の開催となった2020年2月29日土曜日の開催は、)無観客競馬の影響で競馬場やウインズで購入するファンが、馬券を買えないことで売り上げ減が懸念されたが、この日の売り上げは前年比12・6%減の178億4354万5100円にとどまった>

 これは、JRA異例の無観客競馬も「ネット全盛時代」で売り上げは微減! 即PAT加入者は4倍増 - GJ(2020.03.01 06:00)からの情報。同じ記事では、前年度のネット販売比率も出ています。前年の同時期における総売り上げは、2日間合計で約532億円で、このうち、現金投票による割合が約29・7%にあたる約158億円と、ネット投票による売り上げは約70%の想定となっていました。ネットが7割と大きかったんですね。官民ともにデジタルが壊滅的に弱い日本にしては珍しく、JRAはたいへん優秀でした。そして、わずかに1割減というのは、この「ネット7割」の想定以上の大健闘になっています。

 また、JRAによると2月27日には1722件の新規加入があり、これは前年同日の448件の約4倍の数字だとのこと。記事では指摘がなかったものの、こうしたオンラインへの移行の増加は、以降も続いた可能性がありそう。その後の記事も探してみたいですね。


■2020/12/03 地方競馬は無観客開催で史上最高売上連発 競輪が苦戦する理由

 地方競馬ではむしろ新型コロナウイルス問題がなかったときより馬券が売れているときすらある…という話も紹介したかったのですが、遅くなりました。とりあえず、「無観客」競馬が健闘し、競輪が苦戦している理由 ついにGIレースでも無観客開催が決定 WEDGE Infinity(2020年3月28日)という記事が出ていますので、これを読んでみましょう。

 例えば、2020年3月10日、高知競馬では、1日の馬券発売額(10億8952万9400円)が高知競馬の1日の売り上げレコードを更新。黒船賞があったためですが、実を言うと、従来の売上レコードというのも前年の黒船賞当日。しかも、前年は祝日の開催という好条件で、今年は平日という悪条件。担当者は「無観客の上に平日でもあり売り上げ面は心配だったが、このような結果となり大変ありがたい」としています。同日、名古屋競馬場で開催された「名古屋大賞典」でも発売額でレコードを達成。高知・名古屋ともに、その前後の開催もおおむね前年並みの売り上げをキープしています。

 これらは当然ネット投票が好調だったため。高知競馬での馬券発売は、ネット投票が9割。全国から購入できることで、馬券の売り上げ構成はここ数年大きく変化し、全体の売り上げは10年で10倍も増加しています。上昇気流にそのまま乗って、無観客開催をも乗り切った感じです。

 逆に苦戦しているとタイトルで出ていた競輪ですが、こちらもそのままネット投票の問題でした。競輪は約4割減で、約2割減の中央競馬や競艇(日本モーターボート競走会)よりも減り方が激しいです。競輪とオートレースを統括するJKAの担当者は「現時点の数字からの推測だが、ネット投票へのシフトが他の公営競技より遅れたことが理由の1つであることは否めない」と語っていました。

 これはファン層の問題もあるとの説明。現金で購入するファン層が多いとされていました。比較的ファン層の広い競馬や、対象数が6艇と比較的的中しやすい競艇と異なり競輪は敷居が高く、新規ファンの獲得が難しいかも…と記者は予想。つまり、ファンの高齢化が進んでいて、現金購入以外できない人が多いという予測のようでした。


■2021/01/09 極秘命令あり?中央競馬が無観客開催を好む予想外の理由

 新型コロナウイルス感染拡大により、JRAはまた一部を無観客開催に戻しています。ただ、今回の記事いつまで続く無観客……JRAが「有観客開催」に踏み切れない理由とは? - GJ(2020.07.23 )は、タイトルでわかるように、まだ観客を入れだす前の全部無観客開催でやっていたときのものです。

 記事で挙げられていた無観客開催を続ける理由は中止リスク。有観客にして万が一クラスターが発生し、それこそ開催中止になる方が大問題で、それよりは無観客開催で続けた方が確実という説明でした。これは理解できるものです。前述の通り、競馬の場合は、無観客開催でも売上減少が少ないため、特にそういった判断になるでしょうね。0か100かのギャンブルをする必要性がありません。

 この理由はわかったのですが、それ以上の理由とされていたものは、あまり「そうだよね」とは思えないもの。<何よりJRAが開催を中止できないのは、馬券の売り上げの一部が国に納められていることもある>というものでした。馬券の売り上げは、その1割が国庫に納付されていることを踏まえて、コロナ禍で日本政府の財政が苦しい中で、競馬を中止にするわけにはいかない…とされていました。無観客開催を続けるのは、政府の意向かもしれないといったことも書いています。

 なお、この記事でも売上の話が出ていました。ある競馬記者は「今のコロナ禍の状況から、表立って世間に知らしめることはあまり得策ではないためか、大きく公表はされませんが、JRAの売り上げ自体は毎週下がっていないんです。競馬だけで言うなら、それこそ地方競馬なんかはネット投票の普及で、むしろ売り上げレコードを連発しているくらいバカ売れしていますからね」と言っています。この売上の方が、無観客開催を好む理由だと考えるのが素直だと思いますけどね。


■2021/02/11 廃止寸前だった高知競馬が売上15倍!売上のほとんどは…

 無観客開催の話ではないのですが、ネット販売の好調さに関する記事を紹介。2021年1月17日(日)の高知競馬の売上が10億円を超え、10億4800万円余りになり、これは2020年3月10日に記録した高知競馬1日の売上最高額10億8952万9400円に迫るものとなりました。
 これを紹介した記事は、地域に貢献できるまでになった高知競馬 - 斎藤修 | 競馬コラム - netkeiba.com(2021年01月19日)というタイトル。「地域に貢献」というのはは、高知競馬が1月31日までに行われる7日間の開催で、『新型コロナウイルス感染症対策支援競走』を実施することを発表しており、最終レースのひとつ前のレース(ただし、重賞・準重賞はもっと早い時間帯)で、売得金の1%相当額を高知県新型コロナウイルス感染症対策助け合い寄付金に寄付することを指しています。
 今の高知競馬の馬券の売上は、95%以上をネット・電話投票によって占められているとのこと。なので、おそらくその大部分は県外からのもので、結果的に『高知県新型コロナウイルス感染症対策』に集められた寄付金のほとんどが県外から集められた(と思われる)というのもスゴイと、作者の斎藤修さんは書いていました。
 まだ記憶に新しいでしょうが、以前の地方競馬は廃止の嵐でした。高知競馬でも、中津競馬が廃止されたときは、「次は高知競馬か」と噂されるほどの状況だったとのこと。ただ、しかしどん底だった2008年度の1日平均約4千万円の売上が、今はその15倍以上の1日平均6億円を超えるまでにV字回復。“寄付”という形でその地域に大きな財政貢献ができるまでになったというのは、感慨深いものがあります。


■2021/10/4 地方競馬はネットだけでなくリアルでも復活している?

 Our Pleasure2019年12月号の古谷コンシェルジュの競馬観(古谷剛彦)によると、2019年シーズンのホッカイドウ競馬の年間売得金額は、330 億8214万4890円。歴代最高ではありませんが、歴代6 番目の記録です。ただ、25年ぶりの300億円超えをマークしたとありましたので、上位記録はみなだいぶ昔。やはり他の地方競馬同様に大きく伸びていることがわかります。
 また、以前とは開催条件が異なっているという事情を考えると、もっとすごいかもしれません。300 億から400 億円を発売していた平成初期には、100日を超える開催日数でした。一方、現在は80日間で330 億円超えですから、素晴らしい数字。1日平均で約4億円を超えており、これも歴代最高ではないものの、これも歴代3番目の記録となっています。

 当然、やはりこれはネット投票の力。インターネット投票のシェアは85.6%で、前年より2.1%増と、徐々にその比率
を高めてきています。ただ、私が一番興味を持ったのは、こうしたネット投票の成功が、リアルにもプラスに働いているという話でした。
 札幌駅北口から事前予約制で運行されている無料バスは乗車率が高まり、門別競馬場への来場者数は確実に増加。それとともに、門別競馬場で見込んでいた年間売得金額は、計画比で約1億円を上回っているという好結果に。
 ホッカイドウ競馬のミニ場外であるAiba は、Aiba札幌駅前に前年秋に新たにオープンしたということで、勢いもありそう。様々なイベントを行った上に、今秋からJRA開催のメインレース発売を実施したこともあり、利用者数と売得金額もアップしたそうです。
 地方競馬がネット投票で復活!だけならよくある話ですが、リアルにもプラスになっているというのは珍しい指摘で、こうした流れが全国でできていれば最高ですね。