2023年5月28日日曜日

ファンタジスト心不全死亡で梅田智之調教師と廣崎利洋氏に批判

■2019/11/27 ファンタジスト心不全死亡で梅田智之調教師と廣崎利洋氏に批判
■2021/06/24 心不全での死亡する馬が増加?浜中騎手はカイバ説を唱える
■2014/11/4 アドマイヤラクティがメルボルンC急失速最下位負け そのまま急死

■2019/11/27 ファンタジスト心不全死亡で梅田智之調教師と廣崎利洋氏に批判

 父ロードカナロア、母ディープインアスク、母父ディープインパクトのファンタジストはPOGで指名した馬。坂路で好時計を出していたこと、近親というにはかなり遠いのですけど、好きだったハングリージャックに比較的近いところが指名の理由。ファンタジストの5代母Carnival Queenは、ハングリージャックの4代母と同じでした。
( 後で指名時のメモ見たら、指名理由に坂路関係なく、ハングリージャックの近親だけでした。勘違い)
 新馬戦から連勝で小倉Sを勝っただけでなく、東京でGIIの京王杯2歳Sまで勝って3連勝。これは強い!と期待しました。その後も朝日杯を4着、春には1800mのスプリングSも2着して距離が伸びても対応できるように見えました。
 ただ、その後はいまひとつ。皐月賞を惨敗後は、守備範囲内と思われたNHKマイルCでも惨敗。休みを挟んで明け2戦目のセントウルSを2着して復活か?と思わせて、また惨敗といまいち。精神的な問題とも言われていました。
 そのため、 2019年11月24日の京阪杯も期待せずに観戦。ところが、直線に行く前のコーナーで突然競走中止した馬がいて、それがファンタジストでした。ヤバそうな転び方だったものの、私の見ていた映像では全然状況がわからず。
 で、パトロール映像を見てみると、不自然に内に寄れていって、内の馬に接触したか、単独でか倒れた感じ。駄目だろうなという倒れ方でやはり亡くなっていました。鞍上の 浜中俊騎手も怪我をしています。
 
 このファンタジスト死亡で、 梅田智之調教師と馬主の廣崎利洋さんに非難が集まりました。使いすぎのせいで殺したという批判です。
 好きな馬の死亡でありますし、私も馬の酷使や虐待は過去に批判しているのですけど、正直このケースは微妙。今年に入って10戦目というと多いように聞こえるものの、レース間隔は極端ではなく、連闘すら一度もない状態。その上、今年は間に休みを入れており、休み明け後はまだ5戦目。これが使いすぎで異常だとした場合、多くの厩舎を異常だと言わなくちゃいけないでしょう。
 また、追い切りでは、スポーツ紙で「しまい重点の内容とはいえ反応の良さが目立ったし、引き続き馬体の張りも良好。着順ほど雰囲気は悪くない」と評価されていました。第三者から見ても馬体が悪いように見えなかったようです。これでは予見できたとは言いづらいでしょう。
( 【京阪杯】ファンタジスト「気を入れるために追い切りを緩めずにやっている」 東スポWeb 2019年11月18日 20:23 より)
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1625784/
 それから、ファンタジストは、急性心不全を発症して3コーナーで転倒し、競走を中止との発表でした。心不全などの病気は、健康な馬でも突発的に発症するため、発症の予測は難しいともされており、発症の原因は不明。私も使いすぎが原因であればそれを制限する策を支持しますが、原因不明のため、そうした証拠はないようでした。
(ファンタジストが死亡 | 競馬ニュース - netkeiba.com ラジオNIKKEI、【スポーツ雑記帳】「競走馬をムチで打つな」日本馬“突然死”で愛護団体「虐待まがい要求」に競馬界当惑 - 産経ニュースより)


■2021/06/24 心不全での死亡する馬が増加?浜中騎手はカイバ説を唱える

 2021年2月のサウジダービーを制したピンクカメハメハ(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)は、2021年6月20日のユニコーンS(G3)では不人気。サウジダービーでは不人気での勝利だったせいでしょうか。また、サウジダービーは十分ビッグレースなのですが、日本のダートに繋がらないって感じのかもしれません。とにかく全然注目されていませんでした。
 そして、このピンクカメハメハがレース中に突然内枠に激突してびっくり。かなりやばい感じでした。実際、レース中に急性心不全を起こして死亡したと後に判明します。

 この2021年6月20日の最終12Rに出走するはずだったウンダモシタン(牝4歳、栗東・藤沢則雄厩舎)が、レース前の本馬場入場後に急に倒れて競走除外。JRAの発表によると、こちらも急性心不全により死亡。
 3月にはマーチS(G3)に出走したベストタッチダウンも、レース中に急性心不全を起こして亡くなっています。<JRAピンクカメハメハら心不全「急増」に浜中俊騎手が見解。『ウマ娘』登場のトウカイテイオー、アグネスタキオン、サクラバクシンオーなどの死因……考えられる理由とは>( GJ)では、「この日、天に召された2頭も含め、最近特に増加傾向にある印象だ」と書いていました。
https://biz-journal.jp/gj/2021/06/post_233521.html

 ただし、気をつけなくてはいけないのは印象論であり、データ的な証拠は一切ないこと。こうした印象論は事実ではないことも多いです。例えば、「最近の日本は治安が悪い」と思っている人が多いものの、実は、現在はかつてないほど凶悪事件が減っており、事実は真逆。イメージで語ってしまうのは問題があります。

 ということで、証拠が提示されていないため事実は不明なのですが、浜中俊騎手も2020年3月、自身が『中日スポーツ』で連載しているコラムで「それにしても最近、心不全を起こす馬が多くなっているように思います」と書いていたそうです。
 最近では、種牡馬サンデーサイレンスが蹄葉炎の後に、衰弱性心不全で亡くなっています。また、過去の馬では、たトウカイテイオー、アグネスタキオン、サクラバクシンオーといったところも、最期は心不全が死因だとのこと。ただ、過去の例であるために、やはり最近増えているという話とは繋がりません。また、サンデーサイレンスは「衰弱性」の心不全であり、また少し違う可能性がありそうです。

 浜中騎手は「はっきりしたことは言えませんが」と、ことわりを入れつつ「カイバの栄養価が高くなっているのが原因なのでしょうか」と見解を述べていたとのこと。ただ、しつこいですが、これも根拠があるわけではないので注意が必要ですね。
 実を言うと、医者の主張ですら、科学的根拠とはみなされないのたですけど、浜中騎手は医者ですらありません。せめて医師などの専門家、できれば、研究論文などの証拠がほしいところです。

 ところで、浜中騎手は前述のファンタジストのときに乗っていた騎手でした。急性心不全を発症するといきなり全身の力がフッと抜けてしまう感じで、乗っている方はどうしようもなくなるといいます。
 心不全は馬にとって命取りになるだけでなく、騎手にとっても危険です。心不全は重大な病気であるからこそ、根拠のない憶測ではなくきちんと医学的根拠のある研究がなされてほしいと思います。


■2014/11/4 アドマイヤラクティがメルボルンC急失速最下位負け そのまま急死

 アドマイヤラクティがG1勝っていたってこと自体知りませんでしたので、今回の<【メルボルンC】アドマイヤラクティは最下位、レース後に急死 ― スポニチ Sponichi Annex 競馬 [ 2014年11月4日 14:50 ]>というニュースで一気に急死まで知ったという形。急展開すぎて、驚かざるを得ません。 

<オセアニア最大のレース、豪G1メルボルンCが4日(日本時間同日)、フレミントン競馬場芝3200メートルで行われ、日本から参戦したアドマイヤラクティ(牡6=梅田智)は22頭立ての最下位に敗れた。(略)
 パートン騎乗のアドマイヤラクティは58・5キロのトップハンデながらも1番人気に支持された。レースはアドマイヤラクティがスタート直後から、最後の直線手前まで2番手につけたものの、最後は伸びを欠き、大きく遅れてしんがりでゴールした。前走の豪コーフィールドCで差し切り勝ち、海外初挑戦でG1制覇を果たしていた同馬だったが、厳しい結果に終わった>
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/11/04/kiji/K20141104009225530.html

 "現地メディアによるとその後同馬は、馬房に戻る途中に倒れ死亡した"と言います。別記事<アドマイヤラクティ急死 メルボルンC終了後に倒れる - netkeiba.com [海外] 2014年11月04日(火)14時50分>では、急失速したと書かれていました。

<同馬はメルボルンCで58.5キロのトップハンデを背負いながらも1番人気に支持され、道中2番手で進めたものの、最終コーナー手前で急激に失速して最下位に終わっていた。現地からの情報によると、その後馬房で倒れ、獣医が治療にあたるも死亡したという>
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=92363

 前走の勝利、今回の急失速、そして、急死というめまぐるしい展開。オーストラリアの反応を伝える話を見ていると、どうも現地の人は無理して走らせたのではないか?と見ているみたいですね。私はてっきり薬物投与でも疑っているのかと思いました。
 うーん、何かここらへんの不可解さがあり、いつもの馬の死亡と異なりモヤモヤして、悲しみきれません。

2022/03/18追記:心不全の投稿にまとめたので補足のため、死因について検索。すると、やはり心不全ですね。当時は、<アドマイヤラクティの死因は急性心不全、むち禁止を求める声も>(2014年11月5日 15:45)という記事が出ており、使いすぎ批判とは別の方向性の批判も出ていたようです。

<アドマイヤラクティ(Admire Rakti、牡6)の死因が、急性心不全だったことが初期検視の結果で明らかとなり、むちの使用禁止を求める声が再燃しているトレートで大きく遅れ、その後馬房で倒れて死んだ>
<競走馬保護連合(Coalition for the Protection of Racehorses)は、競走馬は無理強いをさせられすぎているとし、騎手によるむちの使用禁止を求めている。同連合は、オーストラリアの競馬場では昨年8月1日から今年7月31日の間に125頭が死んでいると発表している。
 同連合は、「われわれは、むちを使用することによって馬を肉体の限界に追い込んでいると考えている。そして、2歳で調教下に置かれることが、なぜ競馬場で馬たちが故障するのかという点の重要因子だ。競馬界にはむち無しでのレースを始めることと、2歳馬の競走を段階的に取りやめることを求める」とする声明を発表している>
https://www.afpbb.com/articles/-/3030944

 一方で、レーシング・ビクトリアの主任獣医師を務めるブライアン・スチュワートさんは、「騎手は苦痛を和らげるためすぐさまむちを離し、馬上で力を抜いた。むちが関わっているという疑問は、この件に関してはない」とコメント。アドマイヤラクティに関して言えば、過度のむち打ちがアドマイヤラクティの死因ではないと指摘していました。