2023年6月30日金曜日

珍名馬アララララ、チャンミコチョロン、ワイノナオミ、エラトー、カンジ

■2023/06/30 珍名馬アララララ、チャンミコチョロン、ワイノナオミ、エラトー、カンジ


■2023/06/30 珍名馬アララララ、チャンミコチョロン、ワイノナオミ、エラトー、カンジ

 2022年世代5週目の新馬戦。2023/7/1は福島芝1200mのアララララがわかりやすい珍名馬。勝っても負けても「あらららら、負けちゃった」などと掲示板で盛り上がりそうな名前です。
 父はアドマイヤムーン、母ブライトホープの牡馬。馬主は井高義光さん。生産者が新冠町の「トド岩高原銀河農場物語」となっているのにびっくり。これも珍名ですね。

 同日函館ダート1200mではワイノナオミ。昭和臭がすごいですが、個人的には愛人臭も感じます。
 以前も似たような名前なかったっけ?と思ったら、母がボクノナオミでしたので、たぶん私が思ったのは彼女のことでしょうね。父はドレフォン。馬主は塩澤正樹さん。他にもナオミあったかも?と検索してみると、やはりありましたね。以下が代表馬で、牡馬はマサムネが多いです。

ボクノナオミ    牝    5,495.30
ナオミラフィネ    牝    4,417.80
マッスルマサムネ    セ    4,372.30
プントバンコ    牝    3,952.00
オトコギマサムネ    セ    3,951.20
ナオミノユメ    牝    3,087.10
マケルナマサムネ    牡    2,853.50
ナオミベガス    牝    2,150.00
トロンハイム    牡    1,735.50
ナオミゴゼン    牝    1,346.00
フォーナインミダス    牝    1,025.60
ナオミニデレデレヤ    牝    679.2

 翌日日曜日2023/7/2では、福島芝1800mのチャンミコチョロン。何語なのかさっぱりわかりません。
 馬名の由来を探したものの不明。netkeiba掲示板でも「なんか変な名前やな。覚えにくい名前や。」というコメントだけで詳細不明です。ちなみにつづりは「Jangmikkotcheoreom」でした。
 下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるのイメージが有るミルファーム所有の馬。父ジョーカプチーノ母ブリッサの牝馬です。
 馬名の意味調べ直したら出てきました。「バラの花のように(ハングル)」とのことで、予想外にきれいな意味。韓国語系みたいですね。意味わかると珍名な感じではありません。

 同日函館芝1800mからはカンジ。「幹事」やら「漢字」やらいろいろ思い浮かびますが、人名の可能性もありそう。しかし、これも詳細不明です。父Uncle Moで、なんと丸外の牡馬でしたので、「漢字」や日本人名は違いますかね…?
 馬主さんはTNレーシング。1世代前ではフォトンブルーとモルチャンをPOG指名しており、イメージの良い馬主さんで、この2頭が現在の代表馬。とはいえ、1,912.6万円と803.0万円ですのでまだまだこれからです。
 こちらも馬名の意味調べ直し。私が推定したひとつである人名だとのこと。丸外ですが、和風のお名前でした。

2023/07/01:追加でもう1頭、日曜日の中京芝1800mからエラトー。なんかエラソーみたいな妙な名前です。ネタにされそうな感じの名前でしょう。
 一応、意味としてはむしろ目いっぱい良い感じで、「ギリシャ神話に登場する、竪琴をたずさえた恋愛詩のミューズ」というもの。ギリシャ神話ですので、由来もオーソドックス。しかし、音的には引っかかる人も多そうで、掲示板でも「もうちょいなんか名前なかった?」という反応が出ていました。
 名前はともかくこの馬は注目の1頭。個人的には今週の目玉でPOG指名しました。父はSaxon Warriorですが、ノーザンファームの持ち込み馬で丸外ではありません。その父Saxon Warriorはディープインパクト産駒であり、血統的には国内でも実績ありまくりというかメインストリームのど真ん中。期待して良いと思います。


2023年6月29日木曜日

種牡馬比較ディープインパクト・ハーツクライ・スズカマンボ・タイムパラドックス

■2017/05/27 種牡馬比較ディープインパクト・ハーツクライ・スズカマンボ・タイムパラドックス
■2017/05/27 AEI(アーニングインデックス)は当然ディープインパクト
■2017/05/27 CPI(コンパラブルインデックス)考慮ならディープインパクトは負ける?
■2023/03/21 孫世代ならハーツクライがディープインパクトに逆転できる?
■2023/06/29 好きだったディープインパクト産駒の馬 オブセッション


■2017/05/27 種牡馬比較ディープインパクト・ハーツクライ・スズカマンボ・タイムパラドックス

  2010年デビューの種牡馬を比較。驚いたのが、もう既にほとんどの種牡馬の種付け頭数が少なくなっていること。
 50頭以上種付けしているのは、 ディープインパクト・ハーツクライ・スズカマンボ・タイムパラドックスの4頭しかいませんでした。
 最近は種牡馬を見限るのが早くなっていると言われていますが、その通りですね。

 この消えた種牡馬には、 もともと期間限定だったという特殊事情の馬もいると思われます。たぶんファーストシーズンサイアー3位だったロックオブジブラルタルもそうでしょう。
 その他、 スニッツェル、オンファイア、ソングオブウインド、リンカーン、ファンタスティックライト 、アドマイヤジャパン、テレグノシスあたりが同世代。
(POG 2017-2018 新種牡馬 どうすりゃ委員会|POG is the spice of life !!より)

 この中でタイムパラドックスが立派ですね。当初は期待されていなかったんじゃないかと思います。地方という印象はあるものの、結果を出して生き残った感じ。
 一方、私が好きだったところでは、 ソングオブウインド、リンカーン、テレグノシスが残念。オンファイアも需要はありそうな血統だったのですが…。


■2017/05/27 AEI(アーニングインデックス)は当然ディープインパクト

 では、本題の比較。AEI(アーニングインデックス)とCPI(コンパラブルインデックス)を見ます。
 なるべく同じ世代と比較した方が正確だろうということで、世代ごとで見ています。

 まず、アーニングインデックスを見ると、昨年である2016年、今年の2017年、今までの合計と、すべてでディープインパクトが圧勝でした。
 これは予想できたことであるとは言え、中身の濃さがすごいです。

<2016年のAEI>
1    ディープインパクト    3.72
2    ハーツクライ    1.6
3    スズカマンボ    0.8
4    タイムパラドックス    0.66

<2017年のAEI>
1    ディープインパクト    2.7
2    ハーツクライ    1.71
3    スズカマンボ    0.95
4    タイムパラドックス    0.64

<合計のAEI>
1    ディープインパクト    3.99
2    ハーツクライ    2.12
3    スズカマンボ    1.16
4    タイムパラドックス    0.84


■2017/05/27 CPI(コンパラブルインデックス)考慮ならディープインパクトは負ける?

 コンパラブルインデックスを考慮した値だと違う結果になるのでは?と期待していたものの、こちらもディープインパクトが1位でした。

<合計のAEI/CPI>
1    ディープインパクト    1.26
2    タイムパラドックス    1.22
3    ハーツクライ    1.11
4    スズカマンボ    1.05
(2020/03/11:CPIの理解がおかしかったので修正しました。申し訳ありませんでした)

 私はひねくれものなので、ディープインパクト以外を推すデータを望んでいたのですけど、結局、ディープインパクトには逆らえないという、つまらない結果になりました。ただ、質を考慮すると、それほど差がない感じですね。


■2023/03/21 孫世代ならハーツクライがディープインパクトに逆転できる?

2023/03/21:私はハーツクライ産駒に非常に期待してPOG指名していたことがあったので、そのときの産駒の話を…。ただ、あまりおもしろくないでしょうから、ハーツクライそのものの話も少し。
 このPOG指名のときは、「兄姉のディープインパクトからハーツクライに変わったのはマイナスではなくむしろ期待!」といった感じの指名でした。ただ、当然、種牡馬成績としてはディープインパクトの方が上。これは覆せません。一方で、孫世代・ひ孫世代…となると、結果が逆転することもありえるかもしれません。

 この孫世代でも当然ながら、現在はディープインパクトの方が上でしょう。ただ、ハーツクライの孫もかなり頑張っています。まだ種牡馬入りしている馬は少なく、ほぼジャスタウェイがひとりで頑張っているだけという状態。逆に言えば、種牡馬入りしている馬が少ない中で健闘していることは、可能性を感じさせます。
 とりあえず、2023/03/21時点での稼ぎ頭はまだ現役であるダノンザキッドです。ダノンザキッドはホープフルステークスをすでに勝ってG1馬。古馬でもG1こそ勝てていませんが、2,3着は行っており、実力はあります。
 ムラがあるタイプなのか、負けるときは掲示板を外すことがあり、ここは普通ならマイナス。ただ、私は逆にこういうタイプは力を出し切れておらず、種牡馬になると競走成績以上の活躍をすることがあると前向き。とはいえ、繁殖牝馬の質を上げるためには、もう1つ2つG1がほしいところですね…。

馬名    性    生年    総賞金(万円)
ダノンザキッド    牡    2018    26,813
ヴェロックス    牡    2016    23,536
マスターフェンサー    牡    2016    18,497
テオレーマ    牝    2016    17,401
アウィルアウェイ    牝    2016    17,200

2019/07/17:2017年生まれで好きな馬 サリオス
 以前、モーベットの新馬戦のところで「同日のサリナスの方の評価が高かった」と書いたサリオスの方も実はPOG指名。今年は近親に好きな馬がいないのも結構指名する方針に変えており、それでの指名。成功した姉サラキアはディープインパクトだったんですが、弟はハーツクライ代わり。ただ、私はむしろプラスと見ての指名です。今のところ掲示板ではかなり盛り上がっているんですけど、どうなるでしょう?(2019/07/17)
 次はサウジアラビアロイヤルカップ。少頭数で1.5倍の1番人気となりました。このオッズ的には楽勝を期待したものの、後ろの勢いのある差し馬に差されそうになり、目一杯追ってなんとか勝たせた感じ。太め残しのためと見ている人もいます。ただ、思ったより強くないかもしれません。(2019/10/05)
  「思ったより強くないかも」と書いたのですけど、朝日杯フューチュリティステークス強かったですね。過去と比較して最初の3ハロンがハイペースで、実際2~6着までが中団後方もしくは後方だったという展開で、サリオスの位置は前すぎか?という不利そうなところから、難なく勝ってしまいました。今年はコントレイルとサリオス、別格という馬が2頭います。で、書いていなかったんですが、コントレイルも指名馬だったんですよ。ただ、惜しむらくは、別々のPOGでの指名馬であり、相変わらず上位は目指せそうにありません。(2019/12/28)
 その後のサリオス。クラシックでは私のもう1頭のPOG指名馬コントレイルに阻まれて2着まで。マイル路線に活路を見出そうとするものの、G1では3着が最高。2度勝利した毎日王冠(G2)は芝1800。一度だけ出た芝2000でも敗れてはいますが、マイルがベストだったかどうかは疑いたくなります。
 いずれにせよ、その後はやや期待外れで種牡馬価値を上げるような走りにはならず。獲得賞金は4億5,763万円であり、良い数字なのですけど、その割にはインパクトが弱く感じてしまうのは不思議。古馬となってからのイメージが悪いのかもしれません。(2023/03/21)

2019/07/17:2017年生まれで好きな馬 ワーケア
 こちらの馬もディープインパクトからハーツクライ変わりで指名したという馬。ただし、それほど盛り上がっていない馬です。ルメール騎手が前を見ながらうまく乗って騎乗も良かったのでそこまで強いという感じはしませんでした。ただ、ひそかに期待しています。ひとつ心配なのは、馬名はよくわからない変な名前だということ。馬主さん期待していないんじゃないか?と心配です。(2019/07/17)
 2戦目はアイビーS。少頭数とは言え圧倒的な人気です。 今日もルメール騎手が前を見ながらうまい位置に。ただ、馬も強いなという感じで楽勝でした。やはり強いですね。心配と言えるのは、厳しい競馬や多頭数での競馬がないところ。そこらへんの経験もほしいですね。(2019/10/20)
 強いコントレイルがいましたが、ホープフルステークスでも2番人気と高評価。ただ、スタートで挟まれてしまうところ。とはいえ、私はそこまで大きな問題ではなかったのではないかと思いました。条件が揃ってもコントレイルに勝てたとは思えませんが、最後伸びて3着まで来ていますし、能力が高いのは確かでしょう。ワーケアとサリオスは同じPOGでの指名だったので、この2頭でG1なら最高だったんですけどね。(2019/12/28)
 ワーケアは上記のホープフルステークスがキャリアピークとなってしまいました。3歳でも弥生賞では2着で良かったものの、その後はリステッドの4着が最高で、重賞では掲示板にも載れず。まだ現役ではあるものの、重賞勝利は期待できそうにありません。(2023/03/21)


■2023/06/29 好きだったディープインパクト産駒の馬 オブセッション 

2023/06/29:以前、「2017年度・好きな2歳牡馬」候補で書いていたメモをこちらに転載しました。

<2017年度・好きな2歳牡馬>
 オブセッション
 ディープインパクト産駒のPOG馬。思い入れある血統ではなく、兄弟も地味。ただ、逆にそろそろ走る馬出るんじゃないかと思って指名。私としては珍しい指名の仕方。
 新馬戦見て、まだまだ良くなるのではと密かに期待していた馬。でも、ここでは書いていなかった。
 2戦目は シクラメン賞(500万下)。2番人気だったので、単勝買いたいと思ったものの、最近馬券控えているので我慢。出負けした上に、道中さらに遅れて、離れた後方になってしまった。ただ、7頭立ての2歳戦なのに、前は早そうなペース。ムチも入れて余裕というわけでではなかったが、4馬身差をつけて快勝。きれいに差し切った。やはり強い。
 掲示板を見たら、私以上に皆さん盛り上がっていた。「騎手が手綱を促して進めていたように引っ掛かる感じがなく気性面でまだまだ余裕がありそう!2000m以上では最有力ではないでしょうか!」「2歳戦の芝1800mで1分45秒台は13年の東スポ杯だけ イスラボニータが勝った時だけ」「無事なら三冠確定レベル 新馬戦は正反対の激重馬場であの強さだからな」
 他の有力馬としては、 「ワグネリアン・ヘンリーバローズ・ダノンプレミアム」を複数の方が挙げていました。ワグネリアンは単独でも名前が出ていて、この子もPOGなので楽しみ。今年のPOGはボロクソだと思っていたけど、望みが繋がった感じ。(2017/12/02)
 POGが一つ1頭余っていてあれ?と思ったら、この馬を指名したと思ったのにできていなかったみたい。よりによって当たりっぽい馬でミス。へこむわ。(2017/12/10)


2023年6月27日火曜日

絶滅寸前の三大始祖ゴドルフィンアラビアンとバイアリーターク

■2021/11/2 絶滅寸前の三大始祖ゴドルフィンアラビアンとバイアリーターク


■2021/11/2 絶滅寸前の三大始祖ゴドルフィンアラビアンとバイアリーターク

 Wikipediaによると、三大始祖とは、現在のサラブレッドの直系父系祖先を可能な限り遡った場合に辿り着く3頭の種牡馬のこと。具体的には、ダーレーアラビアン、バイアリーターク、ゴドルフィンアラビアンですね。
 UAE・ドバイのシェイク・モハメド殿下が率いる世界最高峰の競走馬管理団体ゴドルフィンは、このサラブレッドの三大始祖の一頭であるゴドルフィンアラビアンにちなみます。カッコいいですよね、ゴドルフィンって名前。このせいで、ゴドルフィンアラビアンが一番好きです。

 ところが、Wikipediaでは、「頭の中では、ダーレーアラビアンの直系子孫がほとんどを占める」と書いてあるんですよ。つまり、ゴドルフィンアラビアンとバイアリータークは消滅寸前なのです。三大始祖が一大始祖になる日も近そうです。

 ゴドルフィンアラビアンの方のWikipediaによると、現在のゴドルフィンアラビアンの父系に属する馬は全てマッチェム(Matchem)の直系子孫しかいません。そのため、マッチェム系とも呼ばれています。
 現時点では、ここからさらに大きく3系統に分かれ、フランスのヤングラトラー系、南アメリカに残存するハリーオン系、アメリカ合衆国のマンノウォー系の3系統があります。ただし、南アフリカは競馬国としてはややレベルが落ちるもの。さらに、フランスのヤングラトラー系はフランストロッター(繋駕速歩競走)でサラブレッドではありません。

 ということで、この中で最も力があるのは、マンノウォー系。アメリカ合衆国及びフランスという競馬最高峰の国で残っており、 最も希望が持てます。
 ただし、これは相対的に見て…という話であり、風前の灯であることは否定できそうにないのです。北米におけるマッチェム系(ゴドルフィンアラビアン系)の種付け頭数は2004年の2,307頭から、2020年には468頭まで激減。ヨーロッパでも2020年度で250頭程度だとのこと。残念ですね…。

 バイアリーターク系の方ですが、こちらも結局みんな同じ種牡馬のヘロドを経由しているので、ヘロド系とも呼ばれています。ヘロド系のWikipediaでは、以下のように書いており、さんざんな感じです。

<三大父系の一つに数えられるが、縮小が激しくほとんど見ることが無い父系となっている。2021年時点の日本では障害競走馬として細々と残っている程度で、後は中小牧場で開店休業状態となっている>

 最新の2018年の状況を見ると、一応上記の書き方よりは期待できそうな感じ。<アイルランドのダイヤモンドボーイが236頭の種付け数を集めたほかは全体的に低調で、2位のパールシークレット(イギリス)が48頭、3番目に多かったのがドゥーナデン16頭(イギリス)>ということで、一応一流国でも残っています。
 また、この2018年はやはりレベルが高いオーストラリアで2頭のG1馬が誕生。ここだけ見ると、おっ!と思えます。…ただし、2頭ともオーストラリアにありがちな「せん馬」であり、種牡馬にはなれないことは100%確定。バイアリーターク系も極めて厳しいですね…。


2023年6月25日日曜日

岡田繁幸伝説 米博物館で写真間違い指摘、スタッフびっくり

■2018/03/15  岡田繁幸伝説 米博物館で写真間違い指摘、スタッフびっくり
■2021/05/23 岡田繁幸氏の訃報にファンが熱いコメントを寄せる
■2021/05/23 急死した岡田繁幸血統の馬で、ラフィアン初のクラシック制覇!
■2021/09/01 契約寸前まで行った住宅「種牡馬を買うからごめん」と解約に
■2021/09/01 取材先に偶然いた岡田繁幸氏、初対面の記者相手に2時間しゃべり倒す
■2018/07/29 複数の意味で名馬スーパークリークを生み出したのが岡田繁幸氏
■2019/06/26 重賞馬はラフィアンだらけ…関係が深かった中村均調教師
■2019/06/26 100万円の馬を買うのに奥さんに相談してた岡田繁幸さん


■2018/03/15  岡田繁幸伝説 米博物館で写真間違い指摘、スタッフびっくり

 コスモオーナーズの鈴木秀敏さんは、キーンランド(アメリカ・ケンタッキー州)のセプテンバーセールの合間にケンタッキーホースパークに昼食を兼ねて訪れました。
 で、博物館を見学していると、いっしょにいた岡田繁幸さんが、アメリカ三冠馬シアトルスルーとして紹介されている展示物を見るなり、以下のように断言。

「この写真、違う馬だよ。シアトルスルーではなく、フォアゴーだと思うよ。体の造りが違うよ。トモの付く位置と地面を蹴った時の飛節がシアトルスルーではないんだ。この馬はフォアゴーなんだよな……」
(Our Pleasure2017年11月号より)

 すぐに手元のスマートフォンでシアトルスルーとフォアゴーの写真を検索すると、確かに指摘通り。館内のスタッフに声をかけて一連の流れを説明し、展示物の写真と検索した写真を照合してもらったところ、スタッフが非常に驚いていたとのことです。
 岡田さんは結構予想を外しますし、大ぼらみたいなことも言いますけど、こういうところはさすが。職人肌ですね。

■2021/05/23 岡田繁幸氏の訃報にファンが熱いコメントを寄せる

 2021年3月に岡田繁幸さんが亡くなっていたと、だいぶ経ってから知って驚きました。ビッグレッドファームグループでは広報誌が廃止されたので、体調を崩していたという話も知らなかったですね。まだ71歳。今の時代なら「早すぎる」という死でしょう。私は岡田繁幸さんに惚れてラフィアンに入ったクチなので、ショックが大きいです。(ただし、入ってすぐに長男さんに譲ってラフィアンを辞められてしまったので、勝手に騙されたような気分でした)

<「マイネル軍団」の総帥として知られる岡田繁幸氏が19日、亡くなったことが分かった。死因は不明。ちょうど71歳の誕生日だった>
(“相馬眼の天才”岡田繁幸総帥が死去 | 競馬ニュース - netkeiba.com 2021年03月19日(金) 21時08分より)

 岡田繁幸さんは個性が強く、嫌いな人も多かった一方で、ファンも多かったです。訃報に際しては、コメント欄での熱いコメントも多く、目頭が熱くなりました。

<岡田総帥はいい意味で永遠の競馬少年という印象でした。
パドック解説など聞いていると、本当に競馬がお好きで情熱を注いでらっしゃるのだなあと感じられたし、とても楽しかったです。
個人的に一番印象に残るとなるとコスモバルクでの挑戦になりますかね…
道営所属のまま走らせ続けることや調整方法に賛否両論飛ぶこともありましたが、
真っ直ぐな理念と強い信念を感じました。
ご自身ではクラシック制覇は叶いませんでしたが、残されたスタッフの皆さん、
会員の皆さん、ゆかりの馬たちで夢を叶えて欲しいと切に願います>


■2021/05/23 急死した岡田繁幸血統の馬で、ラフィアン初のクラシック制覇!

 で、このタイミングでついにビッグレッドファームのクラシック初制覇が来ましたよ。最近長男さんのラフィアンが冴えず、退会して弟さんのウイン一本で行こうと思っていたところなのですが、ラフィアンの方です。ユーバーレーベンがオークスを制覇しました!(でもラフィアンは退会します)
 鞍上が初G1か?ってほど喜んでいるように見えたので、未勝利でもガッツポーズするラフィアン主戦の柴田大知騎手がまさかの好騎乗?と一瞬思ってしまいましたが、柴田大知騎手はユーバーレーベンに一度乗っただけで、しかも、ユーバーレーベン唯一の着外という方。今回はミルコ・デムーロ騎手でした。ミルコ・デムーロ騎手は以前と比べて成績が落ちて悪く言われていますし、G1勝利は嬉しかったんでしょうね。気持ちが入っていました。ミルコ・デムーロ騎手の勝利に感動している人も多かったです。
 この話は最初、ラフィアンはなんで三流騎手使うの?と書いていた話に追記しようとも思っていたのですが、騎手が良ければラフィアンはもっと勝てるのに!といった反応も今回ありました。出資者としても騎手だけは本当いつも不満。もう少し良い騎手に乗ってもらって、岡田繁幸さんが生きていらっしゃるうちにクラシックを制覇しておきたかったですね…。

 ああ、あと、ゴールドシップ産駒のG1に感動している人も多かったです。ユーバーレーベンは父が岡田繁幸さんが種牡馬として惚れ込んでいたゴールドシップですから、そういう意味でも感動的ですね。私なんかはゴールドシップのことを、オルフェーヴルの劣化コピー種牡馬などと見る目のないことを言っていました。ホントすみません。
 また、ユーバーレーベンはクラシックを期待されたマイネヌーヴェルの孫というラフィアン血統。マイネヌーヴェルの兄弟マイネルチャールズもクラシックが期待された馬でしたし、戦績は両馬ほどではありませんでしたが、ユーバーレーベンの兄マイネルファンロンも私はクラシックを期待した馬でした。
 マイネヌーヴェルの母マイネプリテンダーから4代続くマイネル血統でのクラシック制覇というのも、感慨深いものがあるでしょう。いわば父も母系も岡田繁幸さんが見出した馬でのクラシック制覇。本当、生きていらっしゃれば…と、残念でなりません。

2023/06/25追記:正直あんまり関係ないんですが、2017年度・好きな2歳牡馬候補にリストアップしたときのマイネルファンロンのメモが出てきたので、転載しておきます。
<2017年度・好きな    2歳牡馬>
マイネルファンロン (岡田繁幸にまとめ予定)
  好きだったマイネヌーヴェルの孫で、やはり好きだったマイネルチャールズの甥ということで指名。マイネヌーヴェルは子供世代ダメだったのが、孫世代ならと思う。
 初戦の1800はほとんど促していたが、反応せず。距離伸びてと言われていた。その距離延長の2000となった2戦目では快勝。まだ1勝だけど、好きな血統だけに期待。(2017/10/09)


■2021/09/01 契約寸前まで行った住宅「種牡馬を買うからごめん」と解約に

 岡田繁幸さんへのファンのコメント。他にも紹介したいものがあった気がしたので忘れてしまいました。改めて読み直して印象に残ったものを。“マイネル軍団総帥”岡田繁幸氏死去 コスモバルクなど発掘した“相馬眼の天才” | 競馬ニュース - netkeiba.comは、熱いというよりはほのぼのしたコメントがいくつかついていました。
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=185322

<よく函館競馬場のフードコートでお見かけしましたよ。楽しそうにセルフサービスでラーメンを召し上がっておられた姿が印象的でした。
ひときわ背が高くそれでいて穏やかな口調で存在感があって、説得力があってまさに総帥。
私も短い間だったけど、ラフィアン会員になれたことは誇りです>

<今から24年くらい前に中古の高級住宅を販売した時に契約寸前で断られた、理由はザグレブと言う種牡馬を購入し予算が無くなったと、、、 イギリスの新聞を見せられて、とても穏やかな人で紳士でした。
その時はまだ競馬をあまり知らなくてコスモバルクが活躍した時に思い出した。
確かザグレブだったような それからはファンになりました>

<グリーンチャンネルでゲスト解説で来ると、不思議と人気薄のマイネルが激走して、その度バツの悪そうな顔で喋ってたのが大好きでした。
もうあのやり取りが見られないのは残念です>

<ホントに残念。あのラッパも聞けなくなると寂しい。人も馬も育てる素晴らしいオーナーでしたね。かえすがえす残念>



■2021/09/01 取材先に偶然いた岡田繁幸氏、初対面の記者相手に2時間しゃべり倒す

 上記コメントの最後にあった「ラッパ」というのは「ほら」「大げさな話」のことですね。「ホラを吹く」と同じ意味で「ラッパを吹く」とも言うことがあります。
 魅力ある人柄…いつしか“信者”になっていた 岡田繁幸氏の死を悼む | 競馬ニュース - netkeiba.comという記事のデイリースポーツの競馬担当・村上英明記者によると、ナイママ、トラスト、エンで「英国ダービーに出走させたい」と話し、「“また岡田がホラ吹いている”とネットに書かれちゃうな」と楽しそうに笑っていたといいます。
 この村上英明記者は、プレイアンドリアルが、北海道から東京競馬場に入厩した時に取材していてたまたま出会ったのが初対面。2時間を優に超えて語られたのには正直、閉口したとのこと。馬のことならいくらでも話せてしまう…というのが、実に岡田繁幸さんらしいです。
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=185321

 そんな迷惑な目にあったものの、「それでも魅力ある人柄からだろう。いつしか自分は“岡田信者”となっていた」といいます。
 コスモバルクについても<「地方競馬活性化のため、地方競馬関係者に勇気を持ってもらうため、地方競馬所属のまま中央のクラシックや大きなレースに勝つ。それが私の夢」とアツく語っていた>といいます。本当熱いですよね。こちらのコメントではそういった熱い系のものが見られました。

<岡田さんは人を惹きつけるものがあった。
この方の見方が正しい間違ってるじゃなくて。
競馬を楽しめる面白さがあった。
大きなことを言うと客観的にはご自身いろいろ言われるだろうと思っていても。
堂々と夢を語ることをやめない。
今思えばこの方そういう面では純真無垢。
そういうとこも惹きつけられた。
大きな存在を失ってしまった>

<「馬を見る天才」この単語を生み出されるきっかけになった人でもありますし実際に見出し方は驚くべきものがありました。。
血統でしか見れない素人からすれば信じられない相馬眼。そして冒険者でもあった>


■2018/07/29 複数の意味で名馬スーパークリークを生み出したのが岡田繁幸氏

 スーパークリークは、1980年代後半に巻き起こった第二次競馬ブーム期において、オグリキャップ、イナリワンとともに「平成三強」と呼ばれたスターホースです。春秋の天皇賞を優勝しているんですけど、最初の大きな勲章は菊花賞でした。
 ただ、この菊花賞は、岡田繁幸さんが出走枠を譲ったことによって参戦が可能になったというものだったそうです。

 岡田繁幸さんのスーパークリークとの関わりは、これだけではありません。上記の話があったOur Pleasure 2018年4月号 ザ・ブラッド 血統表を紐解く!(T.I.S)は、スーパークリークの父ノーアテンション(父はニジンスキー系のグリーンダンサー)に関するもの。
 まず、ノーアテンションを日本に買い求めたのは、現在、岡田繁幸さんのビッグレッドグループの一つであるコスモヴューファームとなっている稗田牧場の稗田実さん(故人)。ノーアテンションは稗田牧場でオグリキャップの父となるダンシングキャップとともに繋養されていました。
 稗田さんは、岡田繁幸さんと親交がありました。また同じくつきあいのあった相馬牧場場主の相馬和胤さんが所有したナイスデイ(父インターメゾ)に、岡田繁幸さんはノーアテンションとの交配を勧めました。これで誕生したのがスーパークリーク。つまり、スーパークリークの配合を勧めたのが、岡田さんだったんですね。スーパークリークの生みの親みたいなものです。

 これは岡田繁幸伝説の一つと言って良いと思うのですけど、それでいて自身の馬ではまだクラシック未勝利。スーパークリークのような名馬も生まれていません。
 これもまた岡田繁幸さんらしいと言えば、らしいのですけど…。


■2019/06/26 重賞馬はラフィアンだらけ…関係が深かった中村均調教師

 岡田繁幸さん関係ということでの追記ですが、 Our Pleasure2018年6月号の中村均調教師の記事からということで、中村調教師の話でもあります。
  2007 年9 月8 日(土)中山競馬場でマイネルキーロフが勝利。第9R 白井特別であり、なんてことないように感じるのですが、実は大記録。「開催11 週連続勝利」だったんです。2017年に更新されるまで10 年間破られなかった記録です。
 この11連勝には、他にもラフィアンの馬がいました。スタートがマイネルダイナモで、マイネブリッツ、マイネルガンツ、マイネルアトレ、マイネアプレイザー、マイネルテセウスがいました。私はマイネルガンツを応援していたので、よく覚えています。
(全然関係ないのですけど、中村厩舎ではそのマイネルガンツなど、異常に故障が続出した時期があった記憶があります。あれも結構すごい記録じゃないかなぁ?)
  朝日杯(G1)を制したマイネルマックスやドバイへ遠征したマイネルセレクトなど、中村厩舎のラフィアン所属馬での重賞勝利はのべ15 勝で4割以上。関係の深い厩舎なんですね。

 中村調教師とラフィアンとの縁は1985年。北海道の新和の牧場でヤマニンの冠名で知られる土井睦秋さんに「競馬に熱心で面白い男がいる。会ってみないか」と言われて会ったというのがきっかけ。以下のような岡田繁幸さんらしい逸話を語っています。

「すぐに土井さんが電話して駆けつけてきたのが岡田繁幸さんだった。当時の岡田さんの牧場は浦和しかなかったんだけれど、その浦和から車を飛ばして40分。本当にすぐにきたんだ。これだけでも情熱があるな、と思ったよ」
「第一印象? そうだな。今だから言えるが、話がとにかく壮大すぎて。大ホラ吹きか、と思ったよ。でも途中で気づいた。話ぶりにすごく熱がこもっていることに。そしてなにより目の輝きがすごかった。これは本物かもしれん、そう思えてきてね」
 


■2019/06/26 100万円の馬を買うのに奥さんに相談してた岡田繁幸さん

  一方で今の岡田繁幸さんとは異なる話も。「当時の岡田さんはまだ資金力に乏しくてね。100万円の馬を買うのにも悩み抜いて奥さんに相談するくらいだった」といいます。
 とはいえ、 上記に続く以下のような話は、現在と同じですね。非常にらしいです。

 「それでも『見る目を養って良い馬を買って鍛えて走らせたい。そして、良血馬や高い馬を負かしたいんだ』と語っていた。これはまさに同感だったね。この人と一緒にやってみたい、と思うようになった」
「一流の血統の馬を一流に育てるのもプロだけど、二流の血統の馬で一流の馬を負かすのも立派なプロ、そんな共通意識も岡田さんとの間には芽生えていたように思う」

 また、会ってすぐに安馬を預かって厩舎で走らせたそうな。安馬でも中央で勝つことができました。古すぎて情報不足ですが、中央獲得賞金959万とのこと。ここらへんは岡田繁幸さんの相馬眼エピソードでもあります。

「岡田さんがそのときにいきなり財布の中から写真を取り出してさ。『この馬、安い馬だけどきっと良い馬なんだ。預かってほしい』と言われてね」。その馬がクラウンレッド。新馬戦で5着すると、2 走目も5 着。3 走目となる新馬戦(引用者注:当時は同開催なら何度も新馬戦に出れた)で優勝した」
 

2023年6月21日水曜日

未期待のドイツ血統からガリレオが出てフランケルにつながる

■2018/11/10 未期待のドイツ血統からガリレオが出てフランケルにつながる
■2023/03/15 実はドイツ血統は日本に合う?日本の馬と相互補完する配合が成立
■2023/06/21 ドイツでG1を4勝のノヴェリスト、種牡馬入りの日本ではダメだった?




 ■2018/11/10 未期待のドイツ血統からガリレオが出てフランケルにつながる

 日本での知名度が低いと思ったのでタイトルにしませんでしたが、シーザスターズは本当すごい馬でした。日本でも有名なガリレオと彼は兄弟。母の名はアーバンシーといいます。
 このアーバンシーは競走成績が悪かったわけではなく、むしろすごかった牝馬。93 年の凱旋門賞でホワイトマズルやオペラハウスらを相手に大金星を挙げた馬でした。
 しかし、牝系が当時はあまり評価されていなかったドイツ血統ということもあって、繁殖牝馬としての期待度は、さほど高くなかったんだそうです。
 ところが、前述の ガリレオとシーザスターズという化物2頭が登場。他に2頭が種牡馬入りしているそうです。
(Our Pleasure2012年10月号  ザ・ブラッド 血統表を紐解く! サラブレッドインフォメーションシステムより)

 タイトルにしたフランケルが、今の日本では馴染みでしょう。日本でも活躍馬を出しています。このフランケルがまた怪物なのですけど、父がガリレオなのでタイトルにしました。
 ガリレオで特筆すべきなのが、記事掲載時点の29 頭のG1ホースのうち、このフランケルやテオフィロなど、約6 割にあたる18 頭がノーザンダンサーのインブリードを持っていること。そのうち母の父がノーザンダンサーの孫の時に現れる「ノーザンダンサーの3×4」は実に10 頭でまさにニックス(相性の良い配合)だとされていました。




  ■2023/03/15 実はドイツ血統は日本に合う?日本の馬と相互補完する配合が成立

 「ドイツ血統」で検索して出てきた<【NHKマイルC】藤井正弘氏が語るドイツ血統 日本のスピード血統と理想的相互補完― スポニチ Sponichi Annex>([ 2021年5月10日 05:30 ])という記事。いきなり<ドイツ産馬によるJRA・G1制覇はランド以来>と書いている一方で、この勝利したドイツ産馬の馬名による説明がなく、意味不明でした。
 これはおそらく紙面の記事をそのままウェブに転載したためで、紙面上であれば意味が通じたのでしょう。雑誌記事なんかではちょくちょく見かけますね。一方で、新聞記事のネット掲載では見かけた覚えがない問題で、スポーツ紙でも珍しいケース。おそらくなんだかんだ言っても、新聞社というのはレベルが高いのでしょう。

 前置きが長くなりましたが、この記事は、2021年のNHKマイルCを勝利したシュネルマイスターに関する解説記事でした。サラブレッド血統センターの藤井正弘さんはドイツ産馬によるJRA・G1制覇が少ないのは、単にドイツ産馬が少ないためだと説明しています。

<ドイツ産馬によるJRA・G1制覇はランド以来ですが、そもそもドイツからは競走馬がほとんど入っていません。輸入するのは繁殖牝馬です。シュネルマイスターも独オークス馬である母のセリエンホルデと同時に輸入されました。実質的には欧州マイル王キングマンの持ち込み馬に近いと言えます>
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2021/05/10/kiji/20210509s00004000755000c.html

 「ドイツ産馬によるJRA・G1制覇が少ないのは、単にドイツ産馬が少ないため」というのは、裏を返せば、G1制覇が少なくても能力的に劣っていることを示しているわけではない…という思いがあるのでしょう。まどろっこしい書き方をしましたが、要するにドイツ血統は日本に合うはず!といった話。「ドイツ産馬」ではありませんけど、ドイツ血統が入った成功馬として、以下のようにいくつかの例を挙げていました。

<ドイツの馬産はある意味閉鎖的で国内の繁殖を非常に重視しています。(中略)長く守られてきた血脈の独自性がアウトブリードで効果を発揮します。マンハッタンカフェ、ブエナビスタ、そしてシュネルマイスターの同族であるサリオスなどが代表例で、日本の芝で進化したスピード血統とは理想的な相互補完が成立するわけです。ノーザンファームを筆頭とした日本の生産者がドイツの血統に求めるものもまさにその部分でしょう。
 シュネルマイスターの母セリエンホルデも恐らく日本で大牝系を築くことになるでしょう。今後も日本とドイツの“蜜月”は続くはずです>




  ■2023/06/21 ドイツでG1を4勝のノヴェリスト、種牡馬入りの日本ではダメだった?

 日本の社台スタリオンステーションで種牡馬入りしたノヴェリストもドイツ馬!と思ったのですけど、生まれはアイルランドなんですね。ドイツではG1を4勝。しかし、日本ではやはり合わないのか、重賞馬は正直少ないです。(以下は、ウィキペディアより)

主な産駒
グレード制重賞勝利馬
2016年産
ラストドラフト(2019年京成杯)
2018年産
ブレークアップ(2022年アルゼンチン共和国杯)[6]
地方重賞勝利馬
2020年産
メイドイットマム(2022年東京2歳優駿牝馬、2023年桜花賞【浦和】)[7]

 これを書こうと思ったのは、「2017年度・好きな    2歳牝馬」候補に、ノヴェリスト産駒のピエナミントという馬を書いていたため。当時のものをそのまま転載しておきます。

<2017年度・好きな    2歳牝馬>
ピエナミント
 いとこにPOG指名して好きだったスマートステージがいる血統でPOG指名。
 新馬戦は、好位につけられたのだが、狭いと思ったのか、なかなか仕掛けられず、足余す形に。まずまずやれそうだと思う。
  一方、2戦目は、秋山騎手から武豊騎手に乗り替わり。今日はむしろ後ろから。ただ、出てからは早く前で先行集団の後ろに取り付いた。良いと思ったけど、今度はかかってしまう。下手くそ!と思ったが、わりとうまく短時間で折り合う。下手じゃない、むしろうまいわと感心。
 直線も外出さずに中入れて詰まるだろう!と思ったが、これも一瞬のすきに入り込んでロスなく追うむしろ好騎乗。外回した場合はロスが大きくなっていた。
 最後はモノも違っていて楽勝。やはり結構強そうで期待。
 武豊騎手の騎乗も掲示板で好評だった。「武はん、4コーナーから直線へスムーズなさばき方素晴らしい」「豊さん上手くこの仔の切れを引き出しましたね、直線まで我慢に徹して巧みな技でした」「上手く乗ったな!前に壁を作って我慢して最後壁が空いた所を抜けて勝つこれは好騎乗だな」(2017/10/09)

2023年6月19日月曜日

同名馬は走る?コントレイル・ウオッカは2代目馬名だった!

■2020/07/29 サンデーサイレンスの子供のアルビレオとひ孫のアルビレオ
■2020/07/29 同名馬は走る?コントレイル・ウオッカは2代目馬名だった!
■2021/11/12 同じ馬主による2度目のエルコンドルパサーが凱旋門2着の大活躍
■2021/07/09 2代目アクティブバイオ、アクティブなバイオがバイオしてしまう

■2020/07/29 サンデーサイレンスの子供のアルビレオとひ孫のアルビレオ

 アルビレオというと、2000年生まれのサンデーサイレンス産駒のアルビレオが有名。母はスワンプリンセス、母父Nureyevで05'岡部幸雄騎手引退記念(OP)などを6勝。2億837万円も稼ぎました。
  血統に名前が残っていなくて時間が経過するなどすれば、以前と同じ馬名でも登録が許されることがあります。その後、2018年生まれでリーチザクラウン産駒でアルビレオという馬が登場しました。父リーチザクラウンですので、サンデーサイレンスのひ孫ですね。サンデーサイレンスの3x3のクロスがあります。母系は先代のアルビレオとは特に近くないようです。
 同じ馬主が再挑戦ってのも結構ありますが、前回はサンデーレーシング、今回は個人馬主の山内晃さんということで全然違います。今回は母がデネブ。これははくちょう座のはくちょう座α星で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つです。アルビレオもはくちょう座の恒星で、3等星で二重星のはくちょう座β星の通称ですので、そうした連想でしょう。前回も母がスワンプリンセスでしたから、やはり白鳥からの連想だと思われます。

 このアルビレオという名前、実際には3回めなのですが、ネット競馬の掲示板では 「2代目、そろそろ2代目で走る馬が出てくるか注目」というコメントが出ていました。これに、「コントレイルとかウオッカも2代目ですよ」というコメントがついていたんですよ。

■2020/07/29 同名馬は走る?コントレイル・ウオッカは2代目馬名だった!

  前回のコントレイルは2010年生まれでかなり最近。馬主などは全然違っていますね。牝馬で、父はシベリアンホーク、母はブルースカイソング、母の父はCrafty Prospector。通算成績は中央で2戦0勝でした。牝馬で最近なのに!と思いましたが、どうやら繁殖入りしていなかったようです。コントレイルというのは飛行機雲という意味であり、母ブルースカイソングからの連想でしょう。大活躍の2代目の方が由来がわからないですね。父ディープインパクトで母ロードクロサイト。ロードクロサイトは宝石で、ロード(バラ)とクロス(色)といった意味。全然繋がりません。

 ウオッカの方も確かめてみましょう。こちらの方も馬主などは異なりました。有名な2代目は、父 タニノギムレットというお酒繋がりからの連想ですのでわかりやすいですね。谷水雄三さんですが、タニノの冠名を用いなかった馬です。期待馬だからと思いきや、ときどきあるパターンであり、必ず活躍するわけではありません。
 一方、初代は1993年生まれで牡馬(せん馬)。23戦もしましたが、0勝。地方と合わせて賞金はわずか94万円でした。父クリエイター、母シーズオレア、母父Mr. Prospectorで、全然お酒とは関係なさげ。 母のつづりは、Shesoraireですが、全然意味がわからず。造語かもしれません。

 私の「2代目の成功馬といえば…」は別馬だったのですけど、長くなったので、また今度。結構同名での活躍馬は珍しくないのかもしれません。

■2021/11/12 同じ馬主による2度目のエルコンドルパサーが凱旋門2着の大活躍

 だいぶ時間がかかっちゃったのですが、<私の「2代目の成功馬といえば…」は別馬だった>の件。私の印象が強かったのは、渡邊隆さんのエルコンドルパサーですね。これは1頭目の馬も同じ馬主さんだったというパターンです。
  ジャパンC(G1)とNHKマイルC(G1)を勝ち、凱旋門賞(G1)で2着と大成功した2代目エルコンドルパサーは、     Northern Dancer 4×3、Native Dancer 4×5、Special 4×4、Forli 5×5・4、Thong 5×5・4 というめちゃくちゃ凝った血統。狙いすましての命名だと思っていました。

 2代目エルコンドルパサーは○外ですけど、自家生産馬なんですね。牧場の名義はTakashi Watanabeとなっていました。今調べるまで知りませんでしたわ。父Kingmambo、母サドラーズギャル、母父Sadler's Wellsという血統です。一方、1代目は 父スリルショー、母トウコウボレロ、母父テュデナムという血統です。
 <狙いすましての命名だと思っていました>と書いたものの、Wikipediaに説明があったのを見ると違うみたいですね。父キングマンボからの連想だそうです。

<競走馬名「エルコンドルパサー」はペルー民謡「コンドルは飛んでいく」に由来する。渡邊が慶應義塾体育会ソッカー部在籍時に中学2年次までペルーに住んでいた先輩がおり、その先輩を尊敬していたことから、父名の一部「マンボ」から「南米の音楽」と解釈を広げ命名された。渡邊の所有馬では2頭目の「エルコンドルパサー」であり、初代はデビュー前の骨折で予後不良となっていた>

 初代の方も母がトウコウボレロで音楽関連。ボレロは、スペインまたはキューバ起源の音楽とされています。キューバでは廃れたが、メキシコ、さらにははラテンアメリカ全体に広まりました。となると、こちらも似たような発想での命名かもしれません。
 マンボの方も補足すると、こちらもキューバですね。ただ、中南米発祥の音楽の総称である「ラテン音楽」ともされているので、こちらも南米への連想をするのは、そんなにおかしくないのかもしれません。

■2021/07/09 2代目アクティブバイオ、アクティブなバイオがバイオしてしまう

 長くやっている馬主では、2頭目、3頭目と同じ馬名を使うことは結構あります。特に長くやっているだけでなく、冠名を使っている馬主の場合に多い印象。レパートリーが少なくなりやすいですからね。
 出馬表を見ていて名前に驚いてしまった馬主バイオのアクティブバイオもそんな1頭ですが、初代の掲示板によると、亡くなった途端に即次を登録…ということでちょっと珍しいパターンかもしれません。

<亡くなってすぐ、今年の2歳馬に同名馬が
馬主さんも思い入れ強いんだろうね>

<昨年の9月に亡くなりましたね。
この時期は、コロナの真っ盛りでとても旅行などは行けず、悲しい思いをしていました>

 初代アクティブバイオは、1997年生まれ。父オペラハウス、母ロイヤルバイオ、母父シンボリルドルフで、日経賞(G2)やアルゼンチン共和国杯(G2) を勝利し、獲得賞金は2億9,730万円でした。
 2代目は2019年生まれで生まれたときは初代はまだ健在。父キズナというのがまた思い入れを感じさせて良いですね。母ヒカルトキメキ、母父クロフネで、血統的には特に初代とは近くなさそうです。

 さて、2代目ですが、新馬戦は14頭中10番人気で全く人気がなく、着順も12着。間違えてなのか、敢えてなのか、おじいさんになって亡くなった初代の方の掲示板に「馬が子供すぎる。まだまだこれからよ。」といったコメントがついています。
 また、2代目アクティブバイオくんの掲示板は別な話題で大盛り上がり。「ボッキンキン」「ご立派ァ!」「いけると思ったらギンギンやないか」「買ってしまったがオッキがおさまらんのが不安(笑」といったコメントの他、馬名のアクティブバイオにちなんだコメントも多数見られました。何かと話題がある馬ですね。

「アクティブなムスコさんですね( ^ω^ )」
「アクティブ過ぎる」
「アクティブなモノが出ちゃってる」
「アクティブなバイオがバイオしてる」

2023年6月17日土曜日

引退できず死亡…ワグネリアンはなぜ種牡馬になれなかったのか?

■2021/09/13 ブロードアピールやワグネリアンは良血じゃなくてマイナー血統?
■2021/09/13 ヒムヤー系☓インテント系という絶滅寸前同士のマイナー血統
■2022/01/10 引退できず死亡…ワグネリアンはなぜ種牡馬になれなかったのか?


■2021/09/13 ブロードアピールやワグネリアンは良血じゃなくてマイナー血統?

 ブロードアピールの子ブロードアリュールの掲示板を見ていて、違和感を覚えました。良血扱いされていたためです。
 むしろブロードアピールはマイナー血統で活躍した馬じゃないですかね。ブロードアリュールの場合は父もゴールドアリュールであり、サンデーサイレンス系のトップクラスでもありませんでした。しかも、3勝しており、十分な活躍でしょう。さらに言えば、ゴールドアリュールの上の馬たちでも4勝が最高で、この馬は兄弟でトップクラスの活躍でした。

<この血統でこの馬体で、これだけ安い募集価格は、何かあるとは思い続けてましたが、こういうことか。さすが、プロの眼は違いますね>
<血統的にも非常に期待していたのでとても残念ではありますが、1戦毎に脚元が…と言われていただけにしょうがないのかな。とおもいます>
<この血統とこの素質で、この成績での引退、残念でしかないです>

 私はブロードアピールが大好きだったので、POGでも指名した子どもたちが重賞を勝てなかったのは残念。ブロードアピールは重賞勝ちまくりだったので、もっと活躍しても不思議ありませんでした。なので、「活躍馬の子なのに走らない」ならまだわかりましたけどね。前述の通り、兄弟の中ではむしろ走った子なんですけど。
 一方、成績からすると物足りなくても、不安視される血統背景を考えると十分に活躍したと言えそうな感じ。孫からはダービー制覇のワグネリアンも出て、こちらはPOGでも活躍してくれました。


■2021/09/13 ヒムヤー系☓インテント系という絶滅寸前同士のマイナー血統

 ブロードアピールがマイナー血統であることに触れている例をいくつか掲載しておきましょう。

<父は(中略)27戦14勝とタフな走りをし、種牡馬としても1994年に北米リーディングサイヤーとなったBroad Brush、母は41戦3勝とまたタフな走りをしながらも重賞で結果を残せなかったValid Allure、母父は36戦8勝で主な勝ち鞍がドゥワイアH(GII)という二流馬のValid Appealという血統。
父や母父はマイナー感があるが、母系はアメリカの本流におり、日本馬ではサクセスブロッケン!!!!!!が近親に当たる>(ニコニコ大百科)
https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%AB

<ブロードアピールが亡くなったのか・・(中略)
ヒムヤー×インリアリティというなかなかマイナー系統で産駒自体はそこまで
走らなかったけど孫世代からワグネリアンが出た>
【訃報】競馬 ブロードアピール死去 27歳  2000年の根岸S等で勝利 -page2 | まとめまとめ
https://matomame.jp/user/yonepo665/f70a59e74f3215c04c02?page=2

 父ブロードブラッシュのヒムヤー系は絶滅寸前のマイナー血統。その中ではブロードブラッシュが成功して頑張った感じですが、またすぐに絶滅危機になっています。その上のタッチストン系から絶滅状態に落っている筋金入りのマイナー血統です。
 また、母父のインリアリティ・インテント系は、サラブレッド3代始祖であるゴドルフィンアラビアンの系統が全部絶滅危機種という、気合の入ったスケールのでかい絶滅寸前です。私はなぜかこのインテント系が入る馬で好きな馬が多く、もっと頑張って欲しいんですけど…。

 ということで、ブロードアピール自身はマイナー血統という理解。ただ、ブロードアピールの子ミスアンコールのWikipediaでは「良血」と書いていました。ブロードアピールは良血じゃなくても、大活躍したので「その子は良血」という理解なんですかね。なお、ミスアンコールの場合は父が種牡馬リーディング上位のキングカメハメハであるため、ゴールドアリュール産駒のブロードアリュールよりは血統が良かったと言えそうです。
 気になってもう少し検索してみると、母系の良血には、母親の競争成績が良い場合と、一族に活躍馬が多い場合があるとしているところがあり、どうも単純に「母の競走成績が良いから良血」って理解でも良いみたいですね。私が間違ってたんじゃん!…ただし、ここの定義では「父も大事」となっており、ブロードアリュールは依然として微妙なところがあります。


■2022/01/10 引退できず死亡…ワグネリアンはなぜ種牡馬になれなかったのか?

 ワグネリアンが亡くなっていたと知って驚きました。ショックです。

<昨年11月28日のジャパンC18着後、体調を崩して栗東トレセン診療所に入院していた18年ダービー馬ワグネリアン(牡7=友道、父ディープインパクト)が5日、息を引き取った。(中略)治療を続けていたが年末に容態が急変。胆管に胆石が詰まっていたことから多臓器不全に陥ったとみられている>
https://news.yahoo.co.jp/articles/610a3df6778154f6aff47f2362d6a2b78b617df9

 上記の内容を伝えた<18年ダービー馬ワグネリアン 多臓器不全で急死>(1/6(木) 10:27配信 スポニチアネックス)のヤフーニュースでは、「血統的背景からもいずれは種牡馬への道も開けていたであろう」などと指摘した、以下のような専門家コメントがついていました。

<父は日本競馬史上、有数の名馬であるディープインパクト。母のミスアンコールはその父がキングカメハメハ、母がブロードアピールで、いずれもワグネリアンとディープインパクトも所有する金子真人オーナーの愛馬であった。この血統的背景からもいずれは種牡馬への道も開けていたであろう>

 ただ、私は逆に種牡馬への道がひらけていなかったからこそ6歳(明け7歳で死亡)まで走り続けなくてはいけなかったんだと思いますね。競馬ライター勝木淳さんの専門家コメントでは、「昨年のジャパンCでは史上初の日本ダービー馬4頭そろいぶみ」という話が出ていましたが、これは本来異常です。

<シャフリヤール、コントレイル、そしてワグネリアンとマカヒキ。競馬界の看板である日本ダービー馬は尊く、宝といってもいい。それだけに長く活躍できないことも多い。ダービー馬4頭の対決は、京都大賞典で復活したマカヒキとワグネリアンが長い間現役として走り続けたからこそ、実現できた>

 本来なら種牡馬価値が最も高いはずのダービー馬なのにすぐに種牡馬にされなかったのは、私がもともと書いていたマイナー血統や、ダービー後の成績の悪さではないと考えます。前述した専門家コメントで評価された、父ディープインパクト・母父キングカメハメハという豪華な血統背景が逆に災いしたと考えられます。
 どういうことか?と言うと、要するに似た血統の種牡馬がすでに多くいるため。ディープインパクトが長い間種牡馬リーディング1位だったということは、単純にディープインパクト産駒の種牡馬も多いということになります。そもそもその父サンデーサイレンスも長くリーディング1位で、サンデーサイレンス系があふれた状態です。

 加えて、母父キングカメハメハはディープインパクトに次ぐ2位を長く続けて大成功した種牡馬。こちらも同様に後継種牡馬が多くなっています。
 同様の理由で、母系にも彼らの血が多く入ってきます。父ディープインパクト・母父キングカメハメハの馬は、繁殖牝馬との配合に条件が付き、他の場合より選択肢が少なくなってしまうのです。つまり、種牡馬需要がやや落ちてしまう不利な血統なんですね。
 逆の血統である父父キングカメハメハ(父ルーラーシップ)・母父ディープインパクトのキセキも、7歳で有馬記念まで走ってやっと引退。キセキの場合は種牡馬需要が近年高くない菊花賞勝ち馬という事情があるとはいえ、宝塚記念やジャパンカップを2着していたことからすると、競走成績的には種牡馬需要があっておかしくなかったと思われます。

 ということで、種牡馬需要は微妙でしたが、個人的には是非種牡馬になってほしかったですね。POG馬だったというだけでなく、祖母のブロードアピールから好きだったという思い入れのあった馬です。
 胆石が詰まっての多臓器不全であり、使いすぎ、酷使による死亡ではないと思われるものの、オーバーの金子真人さんにはもっと早く引退させてほしかったところでした。

 なお、前述の日本ダービー馬4頭競演のジャパンカップで出ていたマカヒキの場合は、なんと8歳で出走。明け9歳で現役続行。同じ金子真人ホールディングスの馬です。
 マカヒキの場合はキングカメハメハは入っていないものの、やはり父ディープインパクトのため、種牡馬需要が少ないとみなされているのかも。でも、金子真人さんの方針もあるんですかね。こちらもPOG指名した思い入れある馬なので、早く引退させてほしいんですけど…。

2023/06/17;ワグネリアンが2歳のときのメモが出てきたのでこちらに転載。何頭か書いた「今年の期待のPOG馬」的なもの。書いた時点では重賞挑戦前の2勝馬でした。
2017/10/09:ワグネリアン
 好きだったブロードアピールの孫ということでPOG指名。 子供世代はさんざんだったが、孫世代ならと思う。姉のテンダリーヴォイス、ミンネザングも指名していた。
 新馬戦、野路菊Sと2連勝で評価も高く、この世代期待の1頭。 


2023年6月13日火曜日

ロードカナロア産駒で注目 グランスカーレット、グラウンドビート、ダノンモンブラン

■2023/06/13 ロードカナロア産駒で注目 グランスカーレット、グラウンドビート、ダノンモンブラン


■2023/06/13 ロードカナロア産駒で注目 グランスカーレット、グラウンドビート、ダノンモンブラン

 ロードカナロア産駒で珍名馬を…と探してみたものの、あまりなさそうだったので気になった名前の馬を。

 グランスカーレットというスカーレット一族の集大成みたいな名前の馬がいて気になりました。ちゃんとスカーレット一族でしたし、母親はスカーレット一族の代表馬であるダイワスカーレットという文句なしの血統です。牝馬かと思ったらこの子は牡馬ですね。

 さすがに良い肌馬が集まるロードカナロアらしく、ダンシングキイ、ダンスインザムード、ダンスファンタジア(11'フェアリーS(G3)勝ち馬)と続くもう一つの名牝系の馬もいました。この子も牡馬でしたが、牡馬だったせいか、ダンスという名前は不使用。過去には一族にダンスインザダークという名馬がいたんですけど、その後は牡馬だとダンスが少ない印象ですね。
 で、なんという名前か?と言うと、「グラウンドビート」という名前。ダンスに関わる音楽系と思しき名前ですが、ちょっとひねってきました。

 なんかもういい名前という観点でもないんですが、ロードカナロア産駒ではダノンの馬が多かったのが印象に残ったところ。中でも注目はなんと言ってもダノンモンブランでしょう。
 母ヤンキーローズはオーストラリア生まれのG1馬。姉のリバティアイランドは、阪神ジュベナイルF(G1)、桜花賞(G1)、優駿牝馬(G1) とすでにG1を3勝していて、まだまだ勝ちそうな勢いです。

 ダノンでは他にダノンモンテローザとダノンキラウエアがいます。モンブランやモンテローザだとなんか食べ物や飲食店…という感じがしましたが、キラウエアからすると山系でせめてきたのかもと思います。キラウエアはハワイの火山です。
 モンブランは栗系のスイーツが日本では有名なものの、ヨーロッパ最高峰である山の名前でもあります。白木屋などの居酒屋経営企業が思い浮かぶモンテローザだけ山の名前であるかわからなかったんですが、アルプス山脈で2番目に高い山であり、スイスの最高峰。イタリアとの国境にあるそうです。

 今年のダノンを見ると、他も山の名前からのようで、ダノンエアズロック、 ダノンマッキンリーなどがいました。牝馬も山系のようで、ダノンアルムはどうもアルプスの少女ハイジで出てくる村の名前由来に見えます。こういうテーマがある名付け方は結構好きですね。


2023年6月11日日曜日

種牡馬としては失敗と言われたオルフェーヴルのその後…

■2014/10/26  G1勝利数はディープインパクトだが種牡馬価値ならステイゴールド
■2017/07/08 オルフェーヴルは種牡馬としては失敗か?不安視する声
■2021/02/20 種牡馬としては失敗と言われたオルフェーヴルのその後…
■2023/03/21 2億円ホースは多い…オルフェーヴルの有力な後継種牡馬は出てきた?



■2014/10/26  G1勝利数はディープインパクトだが種牡馬価値ならステイゴールド

 2014年秋に書いていた話。産駒を残していくという観点で、G1勝利数を見ていました。

日付    レース名    距離    馬名    種牡馬名
02/23(日)    フェブラリーS    ダ1600    コパノリッキー    ゴールドアリュール
03/30(日)    高松宮記念    芝1200    コパノリチャード    ダイワメジャー
04/13(日)    桜花賞    芝1600    ハープスター    ディープインパクト
04/20(日)    皐月賞    芝2000    イスラボニータ    フジキセキ
05/04(日)    天皇賞(春)    芝3200    フェノーメノ    ステイゴールド
05/11(日)    NHKマイルC    芝1600    ミッキーアイル    ディープインパクト
05/18(日)    ヴィクトリアマイル    芝1600    ヴィルシーナ    ディープインパクト
05/25(日)    優駿牝馬(オークス)    芝2400    ヌーヴォレコルト    ハーツクライ
06/01(日)    東京優駿(日本ダービー)    芝2400    ワンアンドオンリー    ハーツクライ
06/08(日)    安田記念    芝1600    ジャスタウェイ    ハーツクライ
06/29(日)    宝塚記念    芝2200    ゴールドシップ    ステイゴールド
10/05(日)    スプリンターズS    芝1200    スノードラゴン    アドマイヤコジーン
10/19(日)    秋華賞    芝2000    ショウナンパンドラ    ディープインパクト

 ディープインパクト産駒は4勝でトップ。さすがです。2位はハーツクライ産駒の3勝。ステイゴールド産駒は2勝止まりでした。ただ、種牡馬価値として見ていこうということで、牝馬限定戦を抜いてみましょうか?

日付    レース名    距離    馬名    種牡馬名
02/23(日)    フェブラリーS    ダ1600    コパノリッキー    ゴールドアリュール
03/30(日)    高松宮記念    芝1200    コパノリチャード    ダイワメジャー
04/20(日)    皐月賞    芝2000    イスラボニータ    フジキセキ
05/04(日)    天皇賞(春)    芝3200    フェノーメノ    ステイゴールド
05/11(日)    NHKマイルC    芝1600    ミッキーアイル    ディープインパクト
06/01(日)    東京優駿(日本ダービー)    芝2400    ワンアンドオンリー    ハーツクライ
06/08(日)    安田記念    芝1600    ジャスタウェイ    ハーツクライ
06/29(日)    宝塚記念    芝2200    ゴールドシップ    ステイゴールド
10/05(日)    スプリンターズS    芝1200    スノードラゴン    アドマイヤコジーン

 こうすると、ガラリ一変。ディープインパクト産駒は1勝までガクンと落ちます。ステイゴールド、ハーツクライ産駒が2勝ずつでトップです。
 ディープインパクトはミッキーアイル。種牡馬入りできそうですが、現時点で勝っているのがNHKマイルだけというのは物足りません。種付け頭数を稼ぐには他のG1が要りそうです。
 ハーツクライはダービーのワンアンドオンリーと実績あるジャスタウェイ。意外に優秀。
 ステイゴールドは文句なしで実績では一番有望のゴールドシップ。フェノーメノは天皇賞春で実績もありますが、ライバル多いサンデーサイレンス系でどうか?というところ。というか、スプリンターズステークス以外全部サンデーサイレンス系という恐ろしさ。
 ステイゴールドは他にオルフェーヴルもいますし、後継種牡馬のインパクトとしては一番ですね。本当当たると大きい馬。
 これまで名前を出した以外だと、短距離系はやはり種牡馬価値は見劣り。残りで有望なのは価値の高い皐月賞馬で、戦績も良いイスラボニータでしょうね。


■2017/07/08 オルフェーヴルは種牡馬としては失敗か?不安視する声

 ということで、当時はステイゴールドが後継種牡馬戦でも有利では?という書き方をしたものの、ステイゴールドは産駒だけでなく産駒の種牡馬価値としても当たり外れが激しいのではないかと言われていました。実績だけなら大種牡馬になりそうなオルフェーヴルなんかも、当初から苦戦を予測する人が多くいたんですよ。
  で、今のところあまりうまく行っていないのです。 オルフェーヴルに早くも種牡馬「大苦戦」の兆候!? 絶好調ロードカナロアとの競馬界の未来を担う「最強新種牡馬対決」は明暗くっきり | ギャンブルジャーナル | ビジネスジャーナル()という記事がありました。
 "すでに中央だけで4頭がデビューを果たしているが、その内掲示板を確保できたのは6月の新馬戦で4着に敗れたモカチョウサンのみ"。このモカチョウサンが422kで小柄。産駒は総じて"小柄で気性の激しい馬が目立っていることもあって、あまり明るいニュースが聞こえてこない状況だ"そうです
 ただ、まだ新馬戦は短めの距離が主体。評価するには早すぎるという見方も。また、"父ステイゴールドも初年度産駒はパッとしなかったものの、2年目にオルフェーヴルの兄にあたるドリームジャーニーを輩出して運命を大きく変えた"という経緯があります。オルフェーヴルも当たり外れが激しいタイプであれば、どこかで大物を出して評価を上げるかもしれません。

■2021/02/20 種牡馬としては失敗と言われたオルフェーヴルのその後…

 えらく遅くなりましたが、種牡馬としては失敗と言われたオルフェーヴルのその後を「答え合わせ」です。一番わかりやすい種牡馬リーディングでオルフェーヴルは64位スタートから2年目には早くも13位に。その次も10位と順調に順位を上げて最新である2020年には4位になりました。大成功でしょう。前回、評価には早すぎると書いたように、当初の評価を裏切ってきました。

 ただ、数で稼いで質が低いというタイプもいます。ということで、大物を見ていくとこちらは結構微妙で2億円超えは2頭のみ。ラッキーライラックという超名馬がいますし、皐月賞馬のエポカドーロもいるのですが、いずれも初年度産駒で後が続きません。1億円ホースは8頭いて、かなりイケているのですが、やはり偉大なる父ステイゴールドやライバルのディープインパクトから見ると見劣りしますね。ディープインパクトが亡くなりましたから、これから繁殖の質が上がっていく可能性はありますけど…。

 当初気にしていた種牡馬価値ということで言うと、代表産駒ラッキーライラックが牝馬だというのも気になるところ。全然牝馬で活躍馬が多いわけではないものの、大当たりは惜しいことに牝馬でした。ファンの方には申し訳ないですが、エポカドーロは種牡馬価値としてはインパクト薄いかな…という。牡馬の超大物が待たれるところです。

 なお、ステイゴールドの孫での賞金ランキングを見てみると、普通にオルフェーヴル産駒が圧勝。前述の2頭の他、3位のジャスティンまでがオルフェーヴル産駒。4位でやっとドリームジャーニー産駒のヴェルトライゼンデが出てくるくらいです。こうして見ると、種牡馬としてはすごかったステイゴールドですが、後継が続いていくのかが心配な感じに。ステイゴールド後継種牡馬もディープインパクト後継種牡馬も親があまりに偉大すぎて、小粒に見えてしまいます。



■2023/03/21 2億円ホースは多い…オルフェーヴルの有力な後継種牡馬は出てきた?

2023/03/21:いまいちかな…と思いつつも、オルフェーヴル産駒でPOG指名していた馬の話をこちらにまとめ。ただ、あまりおもしろくない話でしょうから、先にオルフェーヴル産駒の戦績の話を。前回書いた2021年からさらに2年経っていますので、もう一度見ておきましょう。

 前回種牡馬リーディング4位だったオルフェーヴルはここがピークだった感じで、その後、2021年は8位、2022年は11位と下げています。2023年はまだ3ヶ月ですが、暫定14位。以下のように、2億円ホースをすでに多数出しており、失敗というほどではありません。ただし、大成功ではないですし、有力な後継種牡馬がいるかどうかという視点でも物足りない感じは正直ありますね…。

馬名    性    総賞金(万円)
ラッキーライラック    牝    73,747
オーソリティ    牡    35,310
ウシュバテソーロ    牡    29,988
ショウナンナデシコ    牝    28,715
エポカドーロ    牡    27,636
ジャスティン    牡    23,394
ヘリオス    セ    21,123

2019/07/17:
2017年生まれで好きな馬 モーベット
 思ったほど活躍していないオルフェーヴル産駒ですが、好きだったエガオヲミセテの系統ということでPOG指名。ダイナカールの血統ですので、代表馬としてエアグルーヴの血統というべきでしょうけどね。
 新馬戦は1番人気1着でしたが、同日のサリナスの方の評価が高かったようで、モーベットでは「サリオスばかり言われているけどこの馬も」といった褒められ方をしていました。モーベットは牝馬ですから、あまりぶつからない気がしますけど。(2019/07/17)
 牝馬ですからと書いていたのに、2戦目はまさかの新潟2歳S。やはり評価良かったようで、2番人気におされました。が、結果は8着。終始窮屈そうに見えましたし、まだ見限らないものの残念。力を出すのに注文がつくタイプかもしれません。(2019/10/05)
 3戦目は1勝クラス。最初からやや遅れてテンも早くなくて後方から。前行けませんね。今日は最後伸びたものの後ろすぎたこともあり、2着まで。やはり乗り難しいように見えます。(2019/10/20)
 その後のモーベットですが、翌年の3歳秋に1勝クラスを勝利。以降は3戦しただけで引退、繁殖となっています。産駒に期待したいですね。私はPOG指名するかもしれません。(2023/03/21)

2017年生まれで好きな馬 ギルデッドミラー
 「思ったほど活躍していない」と書いたのに、またオルフェーヴル産駒の指名馬。牝馬は少ないことが多いのですけど、この子もモーベットと同じく牝馬。新馬戦は1番人気ですが、当たり外れの大きいギャンブルのつもりで指名したら、1着で勝ってくれました。ただ、前が止まらない展開でギリギリと言った感じで、微妙でしょうか。(2019/07/17)
  9頭立てのサフラン賞で2.5倍の1番人気に。ただ、微妙でしょうかと書いた不安が的中。3着に敗れています。出遅れがあり、わかりやすい敗因はあります。ただ、やはりそこまで強くないのかなという感じ。(2019/10/05)
 「微妙」と書いていたのですが、このギルデッドミラーの方が活躍。相変わらず見る目の無さを発揮しています。
 まず、3歳の時点で1勝クラスを勝利すると、アーリントンC(G3)2着、NHKマイルC(G1)3着という好成績を残します。古馬になってからは掲示板を外すことも増えますが、重賞2,3着があり、悪くはありませんでした。
 ただ、完全に予想外で驚いたのが、ダートに転向して才能開花したこと。以下のように、ダートの4戦はすべて連対で重賞も制覇。4レースだけで引退してしまいましたが、ダートのレースにもっと多く出ていればかなりの成績を残したと期待したくなるような印象的に残るダートでの強さでした。(2023/03/21)

日付    レース名    着順    距離
2023/1/29    根岸S(G3)    2    ダ1400
2022/11/12    東京中日S杯武蔵野S(G3)    1    ダ1600
2022/10/10    グリーンチャンネルC(L)    2    ダ1600
2022/8/21    NST賞(OP)    1    ダ1200

2023/06/11追記:2017年度のJRA賞予想を見直していたら、 最優秀2歳牝馬には順当にオルフェーヴル産駒のラッキーライラックを予想していたのでこちらにまとめ。しかし、ラッキーライラックを予想しつつも、「正直言うと、今年は印象に残る馬がいなかった」と書いていて、相変わらず見る目の無さを発揮。歴史的な名牝になるとは思いませんでしたわ…。

2017/12/10:<2017年度・オススメ    最優秀2歳牝馬> ラッキーライラック
 正直言うと、今年は印象に残る馬がいなかった。阪神ジュベナイルフィリーズで1番人気のロックディスタウンも過剰評価だと思う。名前的に牡馬だと勘違いしていたけど。
 で、そのロックディスタウンが沈んだ中勝ったのがこの馬。すごい!とは思わなかったが、悪く言われるけど結構好きな騎手の石橋脩騎手が勝ったので、とりあえず嬉しかった。
 実際の馬券は買わなかったが、予想ゲームみたいなので、1番人気の ロックディスタウンを抜いた2,3,4番人気でパーフェクトに当たったのもちょっと嬉しい。

2023年6月9日金曜日

イイナヅケの珍名馬ヒヒーンVSボイラーメーカーVSツキガキレイデスネ

■2023/06/09 イイナヅケの珍名馬ヒヒーンVSボイラーメーカーVSツキガキレイデスネ
■2022/11/02 馬名ドクタードリトル、権利大丈夫?少女ショウナンアシベも珍名
■2021/10/10 どっちがより珍名? ブタノカックーニ VS サバノミッソーニ
■2021/11/05 ブタノカックーニの掲示板コメントがみんな「美味すぎ」


■2023/06/09 イイナヅケの珍名馬ヒヒーンVSボイラーメーカーVSツキガキレイデスネ

 2023-2024年シーズン2週目の新馬戦。一番気に入ったのは、2023/6/10阪神芝1600mのヒヒーンというかわいい名前の牝馬。これ系は父母由来でない名前が多いですが、一応確認。父ジャスタウェイ、母イイナヅケ、母父ワークフォースということで、やはり関係なさげです。
 このうちの母のイイナヅケも、珍名ですね。最初許嫁(いいなずけ)だと思ったら、「ず」ではなく「づ」ですので、「良い名付け」での「イイナヅケ」だと思われます。本当、良い名付けです。

 このヒヒーンは8番人気らへんの予想。同じレースでは1番人気争いと予想されているボイラーメーカーも、人によっては珍名と感じられそう。これを珍名と言ってしまうのは、誇りを持ってボイラーを製造している人には失礼な気もしますけどね。
 念のために検索してみると、Boiler Maker には、ボイラー製造人という意味だけでなく、ビールをチェイサー に飲むウイスキー・カクテルといった意味があるそうな。後者の意味ですかね。他に同名のバンド名もあります。
 血統表を見ると、父サトノクラウン、母ルージュクール、母父Redoute's Choice。父タニノギムレットですと、カクテル関係で関連性が感じられたのですけど、そうではないようです。
 馬主さんは須藤英之さん。馬主さんがボイラー製造業なのか?と最初思ったのですけど、検索してもそれらしき会社はなし。同姓同名の方が幾人かいらっしゃるかも?という感じの検索結果でした。

 2023/6/11東京芝1800mでは、珍名というよりは、いい名前と言われそうなツキガキレイデスネという馬。個人的には琴線に触れない逸話なのですけど、大好きな人が多い夏目漱石の逸話でしょうね。しかも、今見たら俗説なんだそうな。デマかよ!

月が綺麗ですね
<" I love you "の日本的意訳。夏目漱石による訳と言われるが、俗説で信憑性は低い。 >
<小説家・夏目漱石が英語教師をしていたとき、生徒が " I love you " の一文を「我君を愛す」と訳したのを聞き、「日本人はそんなことを(直接的に)言わない。(直訳ではなく意訳して)月が綺麗ですね、とでもしておきなさい」と言ったとされる逸話から。 >
<正式な記録や著作には残されていない都市伝説的な逸話である。
漱石の人柄を説明するためによく引き合いに出される、遠回しな告白の言葉であり、「日本人の恋愛観」として俗説日本論にもよく引用されているが、信憑性は低い。 >
https://dic.pixiv.net/a/%E6%9C%88%E3%81%8C%E7%B6%BA%E9%BA%97%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%AD

 父グレーターロンドン、母キタノリツメイ、母父アイルハヴアナザー。このうち父のグレーターロンドンというのは、大ロンドンとも称されることがあるイングランドの首都ロンドンの行政区画。夏目漱石がロンドンに滞在していたために、ここからの連想でしょうか。前述の通り、「月が綺麗ですね」の逸話は琴線に触れないんですけど、この連想からの命名はぐっと来ますね。好きなセンスです。


■2022/11/02 馬名ドクタードリトル、権利大丈夫?少女ショウナンアシベも珍名

 珍名馬ネタはきりがないので、なるべくサクサク行こうとまとめて紹介。まず、「ドクタードリトル」。児童文学作品『ドリトル先生』のドリトル先生そのまんまじゃん!いいの?と思ったのですけど、そもそも日本でも映画の方の名前は「ドクタードリトル」でしたね。マジでJRAさん、この名前いいんでしょうか?

・ドクター・ドリトルのウィキペディア
<『ドクター・ドリトル』(Dr. Dolittle)は1998年に公開されたアメリカ合衆国のコメディ映画。
ヒュー・ロフティング原作の児童文学作品『ドリトル先生』シリーズは1967年に本作と同じ20世紀フォックスで『ドリトル先生不思議な旅』としてリチャード・フライシャー監督により映画化されているが、本作は1990年代風にアレンジした作品となっている>

 ドクタードリトルは谷掛龍夫さんの持ち馬。珍名ですが、3代母にサトルチェンジの名前が見えます。つまり、マンハッタンカフェの近親です。生産も社台ファームですし、血統は悪くないですね。レースぶりもよく、新馬戦は6番人気ながら1着になってしまいました。

 この他、「ショウナンアシベ」という馬も気になっていました。昔あった漫画『少年アシベ』と引っ掛けたものでしょうね。馬ではなくアザラシが重要キャラとなっている作品です。
 ショウナンの国本哲秀さんは湘南ブランドの信頼感(?)もあり、個人的にはかっこいい名前の馬が多いという印象だったので、こうしたネーミングは意外。ただ、うまい名付けだなぁ…と思います。
 これを応用すると、サンデーサイレンス系の「ショウナンサンデー」とか障害行っても大丈夫そうな「ショウナンジャンプ」とかも行けそうです。

・少年アシベのウィキペディアより
<『少年アシベ』(しょうねんアシベ)は、森下裕美による日本の漫画作品およびそれを原作としたアニメ作品>
<道路を歩いていたアシベの目の前を通りかかったトラックから白い物体が落下。魚だと思ったアシベは夕飯として食べるつもりで家まで連れ帰った。父ちゃんが台所で切りさばこうとするが、魚ではなさそうだとして動物図鑑で調べてみると、ゴマフアザラシの赤ちゃんだとのこと。父ちゃんが「食って食えないことはないが、アザラシの赤ん坊がかわいそうじゃないか」と言った直後、アシベの「じゃあ、こいつ飼おうぜ!」という一言で、「ゴマちゃん」と名付けて芦屋家の家族の一員として飼うこととなる>

 ドクタードリトルはちゃんと牡馬だったのですが、ショウナンアシベは少年ではなくなぜか少女であるというところもツッコミどころです。
 ショウナンアシベの母はショウナンアイですので、母名からの連想ではなさげ。念のために、少年アシベの母名を調べてみると、「アシベの母ちゃん」としかありません。名前未設定なのかよ? ついでに声優名も調べると、(CV:佐々木るん → 堀越真己/赤﨑千夏)とのこと。やはり「アイ」とは関係ないみたいですね。
 生産は新ひだか町の静内ファーム。祖母が輸入繁殖牝馬だったようで、近親に日本の馬はいなくて、活躍馬もいません。兄はいますが、未勝利で名前はショウナンカホウ。こちらもアシベとは関係ない感じですね。


■2021/10/10 どっちがより珍名? ブタノカックーニ VS サバノミッソーニ

 新馬戦では見逃していたのですが、未勝利戦の出馬表を見ていて、ブタノカックーニという馬がいることに気づきました。豚の角煮は好きですが、普通馬の名前にはしないですよね。満場一致で珍名でしょう。ブタノカックーニ自身は弱いのですが、地方ではサバノミッソーニが勝ち上がっており、対抗してつけた名前ではないかと噂されているそうです。
 ちなみに馬主や血統などは全然違います。ブタノカックーニの馬主さんは、田頭勇貴さん。生産者は大栄牧場です。
 血統としては、父ビッグアーサーで、サクラバクシンオーの孫ですからプリンスリーギフト系。母は息子のブタノカックーニからは想像できない、エルモアレッタ(父ヨハネスブルグ)というなんか洒落た名前の馬。たぶん豚や角煮とは関係ないと思われます。
 エルモアレッタの近親に活躍馬はいません。ただ、ちょっと離れたところまで遡ると、キングカメハメハという日本の競馬史でも重要となる超大物がいました。
 
 一方、サバノミッソーニの馬主はMMCで、生産者は大道牧場。牧場名がちょっと似ていてうっかりすると誤解しそうですが、別です。
 サバノミッソーニの父はベーカバド。ダンチヒ系ですね。母はハッピーメイカー(父ネオユニヴァース)で、やはりサバや味噌は関係なさげ。近親にはやはり活躍馬はいません。こちらは少し遡っても、重賞戦線で活躍した馬はいませんでした。

 一応馬名の由来も見てみましょう。ブタノカックーニの「馬名の由来」を見ると「豚の角煮より」とストレートに書いていて笑いました。私は単に「造語」と書いていると予想していたので、こうストレートに来るとは思いませんでしたわ。
 洒落ていると思ったブタノカックーニの母エルモアレッタはイタリア語で「愛すべき(伊)+魅力的なもの(伊)」。いい名前ですね。ちなみに馬主さんはブタノカックーニと同じ田頭勇貴さんでした。ブタノカックーニはどうしてこうなったのか!? 一方、父のビッグアーサーの方は単に「大きな+人名より」となっています。やはり豚も角煮も関係なさそうです。

 サバノミッソーニの方は残念ながら地方馬であるために情報がなく、由来になんと書いていたかは不明。サバノミッソーニの母ハッピーメイカーはそのまんま「幸せを作る人」でした。こちらもすてきな馬名。母が「煮物を作る人」などだと、子供がサバノミッソーニでも納得だったんですけど、もちろんそんなことはありませんでした。ひょっとしたら馬主さんにとって「さばの味噌煮」が幸せとイコールなのかもしれませんけどね。私も好きです。ただ、私は「さばの水煮」の方が好きで、一番好きな魚の缶詰です。「さばの水煮」派としては「さばの水煮」のさらなる知名度アップに繋がる、サバノミッズーニの登場が待たれるところです。
 さばの水煮愛が深すぎて少し脱線しました、すみません。サバノミッソーニの父ベーカバド(Behkabad)ですが、海外の馬なのでこちらも由来にちょっと苦労するタイプ。ベーカバドの父Cape Crossは特に関係なさそうな一方、母がBehkaraですから、母由来の造語ではないかと思われます。ベーカバドの馬主のアーガー・ハーン4世は他の馬名も造語っぽいものが多いですしね。いずれにせよサバとも味噌とも関係なさそうでした。


■2021/11/05 ブタノカックーニの掲示板コメントがみんな「美味すぎ」

 前回長くなって紹介できなかったのですが、ブタノカックーニの掲示板を見ていると、ファンの方の言い回しがステキですごく良かったんですよね。8月7日の新馬戦が15番人気17着など成績が振るわなかったのですが、それに対するコメントやデビュー前コメントなどが、いちいち「サバの味噌煮」とひっかけていて、「美味すぎ」というものばかりだったのです。

<コクのある走りを期待します>
<とろけるような配当期待してます>
<美味しい馬券>
<まだ脂肪が多い。もっと(時計を)煮詰めていかないと>
<ううーん、まだ煮込みが足りなかったようです。回を重ねていくうちにだんだんと味が出てくることに期待します>
<(他の馬から圧力を掛けられると)、崩れちゃうか~>
<煮込まれて、いや使い込まれて強くなりますように!>
<やはりゆっくり時間をかけてコトコト煮込まないとダメか…>
<次はダート替わり。違うタレに漬け込んだら、味に深みが出るかしら>
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2019100365

 ということで、話題になったブタノカックーニでしたが、その後の未勝利戦でも良いところなし。中央では3戦して11頭立ての10着が最高というひどい戦績で、早々に登録抹消されてしまいました。これにより、地方にいるサバノミッソーニとの対決があるのでは?と、掲示板ではまた盛り上がっています。
 ただ、新馬戦のときには<美味しくいただかれませんように>というコメントもありました。このコメントは物騒なことを意識していたのかどうかはわからず、単に「他の馬にやられること」を言い換えただけだったかもしれませんけど、成績の悪いお馬さんはマジで食べられちゃうことがありますからね…。愛されネームなので、まだまだ走ってもらいたいところです。

2023年6月7日水曜日

競馬ではデビューして1勝するのも難しい…勝ち馬率は?

■2015/9/21 競馬ではデビューして1勝するのも難しい…勝ち馬率は?


■2015/9/21 競馬ではデビューして1勝するのも難しい…勝ち馬率は?

 通算勝ち馬率の平均値はいったいどれくらいなのか?という話。一口馬主をやりたい方にも参考なると思います。ここを勘違いしていると、「全然勝てない!このクラブ法人はクソだ!」と誤解してしまいますからね。
 で、てっきりデータがあると思ったのですけど、意外なことに検索してもキッチリした数字が出てきません。とりあえず、見つけた中で一番良さそうだったのは、下記のサイトさんです。私が知りたかったのは単年度ではなく、通算値。これだと4割くらいだそうです。

-----引用 ここから-----
血統講座(5)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~vs-horse/theory/theory_5.htm

8.勝馬率
この数字は種牡馬にとってひじょうに重要なものです。[ 勝馬頭数 ÷ 出走頭数 ]で算出されるこの数字は高くなければ優れた種牡馬とはいえません。(中略)
計算には出走頭数(Runners)を用いていますが、産駒数(Named Foals)を使う場合もあります。
Winners/Named Foalsについては生涯成績の評価などに用いられます。
単年度の評価はJRA同様、出走頭数を用いたほうが都合が良いでしょう。
(中略)
中央競馬においては通算成績で見た場合には40%くらいが平均となります。
-----引用 ここまで-----

 また、別の角度から見えないだろうか?と、一世代のデビュー頭数や新馬戦・未勝利の数も見ようと思いました。そしたら、これもカチッとしたデータがありません。こちらも同様に、検索した中で参考になる一番良さそうなサイトさんと言うと、以下でした。

-----引用 ここから-----
競走馬の勝ち上がる率 - 馬らしく生きる - Yahoo!ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/rapus2001/20005722.html

計算の根拠として
クラス別レース数(これが勝ち馬の数となります)
新馬・・・308
未勝利・・・1073
500万下・・・1128
1000万下・・・472
1600万下・・・113
オープン・・・224

1年間の新馬出走数はおよそ4000頭。

それでは、検証に入ります。

まずは新馬戦、未勝利戦で勝ちあがる馬は1381頭ですから、毎年2619頭の馬が落ちていきます。
勝ち上がり率は35%
落ちる率は65%
最初からいきなり厳しいですが、およそ半数以上の馬が勝てずに引退していくことになります。
-----引用 ここまで-----

 こちらだと先程の40%より勝ち上がり率がやや低い35%となりましたが、大体近いところ。地方で勝ち上がったり、500万に使って勝っちゃったりというのもあるでしょうが、無視して良さそうな感じ。中央競馬だと、35~40%と考えれば良いかもしれませんね。

 なお、以前、<サラブレッドなどの軽種馬44年ぶりに7000頭を切る ピークの半分ほどまで減少>(2013/2/2)という話を書いています。データの年度が異なるでしょうが、この7000頭と新馬出走数4000頭で考えると、中央競馬でデビューできる馬という時点で、既に4割ほど切り捨てられていると考えられます。以前は1万頭以上いたので確率としては上がっていると思われますが、まず中央デビューできるかどうかというところで壁があるんですね。
 ということで、中央競馬で1勝を上げることの難しさが伝わるデータの数々だったのではないかと思います。


2023年6月3日土曜日

「武豊に馬刺しの話をしたらすっごい嫌な顔された」(伊集院静)

■2022/06/09 「武豊に馬刺しの話をしたらすっごい嫌な顔された」(伊集院静)


■2022/06/09 「武豊に馬刺しの話をしたらすっごい嫌な顔された」(伊集院静)

 伊集院静さん(伊集院光さんじゃないですよ?作家の人です)のエッセイ読んでいるとちょくちょく武豊騎手の話が出てきます。で、武豊騎手と話しているときにうっかり馬刺しの話をしたら、後にも先にも見たことがないという不愉快な顔をされてしまった…という話をしていました。

 たぶん馬刺しの話をしても平気な騎手や競馬関係者はいるでしょう。食べるのも平気…どころか、嬉々として食べる…という人もいるかもしれません。サイコパス!と思う人もいるかもしれませんが、馬好きであってもそれとこれとは話が別…という考え方はできそう。そもそも騎手だから馬が好きとは限らない…とも思いますけどね。

 ただ、とりあえず、武豊騎手は前述のような反応。怒ったというよりは、困ったという感じでしょうかね。ナイーブなところです。実際問題、競走馬と馬肉という話は切っても切り離せない問題で、少し前の日本では、「あんな有名な馬すら食肉にされた!野蛮な国!」という話がちょくちょく出ていました。
 この手の話は最近はすっかり聞かなくなりましたけど、無名馬なら今でもあるかもしれません。サラブレッドではない話でいうと、ばんえい競馬の馬なんかは、そもそも食肉用の馬で、食べることが前提となっています。

 なお、武豊騎手は嫌だったみたいですが、私は馬刺しを食べたことがあります。競馬だけじゃなくて動物としての馬も私は好きなのです(飼ってみたいです)が、回転寿司で馬刺しがあったときにすごく好奇心がわいて「これは食べないと!」と思って食べてみました。
 …が、味はよく覚えていません。たぶん特段うまくもなく、まずくもなかったのだと思います。


2023年6月1日木曜日

フェルトダートとは何?チャンピオンヒルズが導入

■2021/09/04 フェルトダートとは何?チャンピオンヒルズが導入


■2021/09/04 フェルトダートとは何?チャンピオンヒルズが導入

 ウインレーシングの馬のレポートを読んでいたら、フェルトダートなるコースの話が出てきました。「フェルト」と「ダート」という字面からなんとなく意味がわかるものの、初耳です。
 「フェルト」は「フェルトペン」で有名なフェルトでしょうが、雰囲気で使ってきた言葉なので、私は意味を説明できません。そこで、この「フェルト」を辞書で引いてみると、羊毛などの獣毛に蒸気・熱・圧力を加えて布状にしたものといった説明でした。帽子・履き物・敷物などに使用されるそうです。
 ちなみにフェルトペンというのは、このフェルトを芯に使った筆記用具という説明。私はフェルトに書けるように工夫されたペンだと勘違いしていました。

 さて、肝心のフェルトダートの話。フェルトダートは、フェルトだけでできた馬場…といったことではなく、ダートにフェルトを混ぜたものだそうです。クッション性が高いのが特徴。実際にそのフェルトダートの上を歩くと、ふかふかで驚くとのこと。気持ちがいいと感じるそうです。
 こうした説明でわかるように、脚への負担は少なくケガを防げるというところが大きな長所。ただ、メリットはそれだけではありません。柔らかい分、15-15でも十分な負荷をかけられるとされていました。走りやすいように感じるものの、柔らかすぎる分、普通よりも走るのにエネルギーを消耗するのでしょう。踏ん張りを効かせないと、きちんと走っていけない感じをイメージしました。

 以上のようなフェルトダートの説明があったのは、<充実設備の新外厩「チャンピオンヒルズ」が今後の勢力図を塗りかえるか>(2020年11月24日(火) 16時44分)という記事でした。チャンピオンヒルズは、滋賀県大津市伊香立下在地町に2020年10月に開場した競走馬(サラブレッド)のトレーニングセンター(外厩)。ノーザンファームしがらき、グリーンウッド・トレーニング、吉澤ステーブルWEST、宇治田原優駿ステーブルなどを凌ぎ、関西では最大規模の外厩だといいます。
 チャンピオンヒルズ最大の売りは、日本で類を見ないスタートからゴールまでが一直線の坂路コース。1000メートル、最大傾斜3・5%、高低差約40メートルだそうです。そして、この坂路コースは、フェルトダートとウッドチップの2コースがあるといいます。
 山住勲オーナーによると、「フェルトダートは馬術でよく使われていますが、日本の競走馬育成施設では初めて」。「グリップ力が高まりますし、硬さの調整もしやすいんです」とその魅力を語っていました。さらに水はけの良さも強みのひとつだとされていました。フェルトダートそのものも、チャンピオンヒルズの売りになっている感じです。
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=179971

 なお、チャンピオンヒルズの場長はグリーンウッドトレーニングでマネージャー、吉澤ステーブル内のUPHILL(アップヒル)代表取締役を歴任した幣旗(へいはた)政則さん。そして、運営母体は北海道新ひだか町で生産、千歳市で中期育成を行っている株式会社チャンピオンズファームです。
 「チャンピオンヒルズ」という名前も、「チャンピオンズファーム」と「アップヒル」を合わせたものだとのこと。また、人材的にもあわせ技。スタッフは、兵庫県南あわじ市でやっていたチャンピオンズファーム淡路とアップヒルから、「ごっそり移動」した形だそうです。