2024年11月16日土曜日

調教番長はなぜ生まれるのか?「2歳馬が古馬に楽勝」に騙される

■2022/04/04 調教番長はなぜ生まれるのか?「2歳馬が古馬に楽勝」に騙される


■2022/04/04 調教番長はなぜ生まれるのか?「2歳馬が古馬に楽勝」に騙される

 競馬では調教がすごいのに、本番ではそこまでではない馬を「調教番長」と呼ぶことがあります。調教がすごくてレースでも強い馬は「調教番長」とは言いません。飽くまで調教だけすごい馬、本番に弱い馬のことを言います。

 「本番で弱い」というのは人間のスポーツや、それ以外の分野でもよくある話。この場合はプレッシャーに弱い…といった精神的な問題が多いんじゃないでしょうか。逆に、練習では一生懸命にやらず本番じゃないとイマイチ気持ちが乗ってこない…といったタイプもいそうです。
 そういや、私は練習でも一生懸命やるタイプだった上に、本番では致命的なミスをするので、運動会やスポーツ大会の本番はボロクソでした。私は運動音痴なので、「調教番長」というわけでもなかったんですけど…。

 これ以外に盲点となりそうな理由としては、「たまたま」「偶然」というのが考えられそう。例えば、4年に一度しか行われないオリンピックやサッカーのワールドカップの場合、試合自体が少なくて、この数少ない機会にだけ偶然うまく行かない、たまたま調子悪い時期に重なる…といったことが起きることが結構あります。
 より広く考えると、「大事な試合の前にだけ怪我しちゃう」みたいな「本番に弱い」タイプもいますよね。これも偶然である他、本番近くになると気負いすぎて怪我をしたり、練習しすぎて体を痛めたり…といったことが考えられそうです。

 馬じゃない人間の話が長くなりましたが、馬でも「偶然」はありそう。また、人間だけでなく馬でも精神面が関係することはあり得ます。例えば、観客が多いと興奮してしまうタイプの馬は、本番で力を発揮しきれない…ということがあるでしょう。
 ただ、競馬の場合、一番考えられるのは、「本番と調教では走る条件が全く違う」という理由だと思います。また、人間同様に本気を出さずに抑える調教もあるため、調教タイムでの比較は信頼性が低い…というのもあるかもしれません。

 「本番と調教では走る条件が全く違う」の関係では、短距離馬と長距離馬の違いもありそうですね。調教タイムが良い馬は短距離馬が多く、長距離馬は少ないです。どちらかというと、調教の条件が短距離馬の本番と近いためだと思われます。飽くまで「どちらかというと近い」ですけどね。

 ところで、今回こんな話を書いたのは、古馬を簡単に負かす調教の良さを理由に指名した私のPOG馬がことごとくコケたため。奇しくも同じ新馬戦でデビューしたウィズグレイスとウインバグースです。
 彼らの新馬戦は前の馬を捉えるのが難しい極端な展開で偶然の要素が強かったとはいえ、それぞれ5着と2着で勝てず。ウィズグレイスはルメール騎手が反省を生かして2戦目で逃げてきっちり勝ったものの、その後はセントポーリア賞(1勝クラス)を2着と取りこぼした末に、アネモネS(L)は1番人気9着と惨敗しました。
 ウインバグースの方は和田竜二騎手が反省を生かせず2戦目も全く同じ感じで負けたものの、乗り替わりの横山和生騎手が逃げに切り替えてしっかり勝ち上がり。ところが、昇級後は10着、4着、13着と不甲斐ない成績が目立ち休養へ。ともに調教番長的な感じになってきました。

 考えてみると、だいぶ前に私が坂路時計をもとにPOG指名をしていたときにも、2歳なのに古馬含めてナンバーワンの一番時計を出した馬がイマイチ走らない…ということはよくありました。むしろ時計通りにすごい活躍をすることは極めて稀。このPOG指名の仕方は駄目だとわかっていたのに、反省を生かせずまたやってしまいました…。反省を生かしたルメール騎手になれず、反省を生かせない和田竜二騎手状態です。
 う~ん、でも、「調教で2歳のデビュー前なのに古馬に楽勝」って聞くと、ワクワクしちゃいません?しますよね?
 …また、忘れた頃に調教番長系を指名してしまいそうですわ…。