2023年11月24日金曜日

川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1で上位独占、選んだ馬は…?

■2022/05/24 川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1で上位独占、選んだ馬は…?
■2022/06/06 15分という歴史的大遅延が発生したオークス、多くの馬が実力出せず
■2022/10/19 またしても川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1できれいに上位独占
■2023/11/24 川田将雅騎手に選ばれ続けた馬、ついに捨てられる?まさかの浮気


■2022/05/24 川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1で上位独占、選んだ馬は…?

 2022年のオークス、驚きだったのが、川田騎手が騎乗して桜花賞に勝ったスターズオンアースではなく、忘れな草賞(L)を勝った重賞未勝利馬のアートハウスを選んだことです。
 「川田騎手に選ばれた」ということもあってか、アートハウスは2番人気に。忘れな草賞(L)の勝ちっぷりも良かったみたいですけどね。
 一方、逆に「川田騎手に選ばれなかった」と見られたのか、スターズオンアースは桜花賞馬なのに3番人気になっています。(1番人気は桜花賞4着で阪神ジュベナイルフィリーズ勝利のG1馬サークルオブライフ)

 ところが、アートハウスは着外となる7着…という振るわない結果に。一方で、オークスを勝ったのは、川田騎手が選ばなかったスターズオンアースという皮肉なことになりました。
 このことはすぐ思ったのですが、アートハウスのnetkeiba掲示板で「1着馬から3着馬まで全部乗り捨ててるのか」と書かれていたのには驚き。本当なんでしょうか、確かめてみました。

1着 スターズオンアース(3番人気) 前走川田騎手への乗り替わりで桜花賞勝利
2着 スタニングローズ(10番人気) 前走川田騎手への乗り替わりでフラワーC勝利
3着 ナミュール(4番人気) 新馬戦は川田騎手で勝利も以降乗り替わり

 以上のように見ると、確かに川田騎手が乗り捨てたように見えなくはありません。

 ただし、アートハウスに関して言えば、共同会見で川田騎手が「アートハウスの母で、現役時代に自身も騎乗したパールコードへの思いを優先しての選択。同馬にG1を勝たせたい」と説明していました。つまり、強さではなく「思い入れ」で選んだと明言していたんですね。川田騎手の見る目がなかったとは言えないケースです。
 加えて、報道によると、川田騎手はオークスの最終追い切り後のインタビューで「前走(忘れな草賞)より今回の方がバランスでよくない面が出ています」とコメントしていたんだそうな。アートハウスの調子も前回の方が良く、今回は落ち目であった感じ。アートハウスがG1を勝てる馬ではないとも、今回の結果だけではまだ断言できないと思われます。


■2022/06/06 15分という歴史的大遅延が発生したオークス、多くの馬が実力出せず

 2022年のオークスの場合、他にも特殊事情があったという話を補足。15分という歴史的大遅延が起きたレースであり、多くの馬が実力を発揮しきれなかったレースだったのです。
 その話をする前に、なぜそもそも「15分という歴史的大遅延」が起きたのか?という話を先に。<オークス直前に顔面を蹴られて放馬…発走“15分の大遅延”はなぜ起きたのか?「多くの馬の戦いは、スタート前に終わってしまった」>(5/23(月) 12:02配信 Number Web)によると、タイミングが悪かったそうです。

<スタート前の輪乗りで、他馬に顔を蹴られたサウンドビバーチェが立ち上がり、騎手を振り落として走り出した。カラ馬となった同馬は、4コーナーから3コーナーのほうへと走って行き、係員につかまえられた。
 放馬した馬は、馬場を1、2周することもあるが、サウンドビバーチェは半周どころか、3分の1も回っていなかった。
 それなのに、グレード制導入以降最長という15分もスタートが遅れたのは、放馬したのが発走直前だったからだ>
https://news.yahoo.co.jp/articles/599134f7e5ba9eb4898adebf7bd264d9c3ac6ee4

 放馬の多くは、発走時刻まで余裕のある馬場入り直後に起きます。馬場を1周するほど走った場合、サウンドビバーチェよりずっと長いため、一見深刻な事態に思えるものの、実はそうではありません。発走時刻まで時間があるため、定刻どおりにスタートできることもあるし、遅れたとしても数分で済むことが多いといいます。

<しかし、今回は悪い条件が重なってしまった。オークスの出走馬はみなデリケートな3歳牝馬で、東京芝2400mはスタンド前からの発走となる。そこに、久しぶりに約3万人という観客が入った。人が多いわりに静かなので、ターフビジョンで流された映像の音声なども大きく響くという、若駒たちが経験したことのない環境になってしまった。
 蹴られて放馬し、競走除外となったサウンドビバーチェは気の毒だったが、待たされた馬たちにとっても、あの時間は大きなストレスになった>

 「久しぶりに約3万人という観客」というのは、新型コロナウイルス問題の影響。観客がいない・少ないで実力を出せたり出せなかったり…というのは、他のスポーツでも見えましたね。
 一方、「ターフビジョンで流された映像の音声なども大きく響く」に関しては、ヤフーニュースの2番人気コメントで苦言が出ていました。

<興行として盛り上げる演出は必要かと理解しますが、他の競技ではスタート時とか、ここって時には静かに見守る方が多いのでは。プレーが始まったり決まれば大いに盛り上がり楽しみたい。やりよう(改善点)が何かしらあるんじゃないですか、可能な限り最大パフォーマンスで勝負できる環境作りを運営側・観客側共に協力して盛り上げていけたら良いね>

 遅延の影響で力を発揮できなかった…とされていたのは、1番人気のサークルオブライフ。出遅れた上に最後も伸びずに終わっています。ミルコ・デムーロ騎手は「ゲートのなかでイライラしていました。最初から脚が出て行かなくて、反応がよくありませんでした」としていました。
 デビューから初めての2桁着順となる13着に惨敗したウォーターナビレラも、武豊騎手が「ゲートで待たされて突進したのがすべて」としています。ゲートに先入れとなる奇数枠の1枠1番で、二重に待たされてしまいました。
 川田騎手のアートハウスについては記事で触れらておらず、特別目立った消耗は見られなかったのかもしれません。ただ、掲示板に載った5頭のうち、先入れの奇数枠は4着のピンハイ(15番)だけという結果。アートハウスも奇数の3番であり、影響があった可能性がありそうでした。


■2022/10/19 またしても川田将雅騎手が乗り捨てた馬がG1できれいに上位独占

 まず、2022年のオークスのおさらいから。すでに書いたように、いろいろ特殊事情があった上に、川田騎手がアートハウスをパートナーとして選んだ理由は実力ではなく「思い入れ」だったそうですが、オークスの上位馬はすべて川田騎手が「乗り捨てた」ように見えた馬。川田騎手が選んだアートハウスは目立てませんでした。

1着 スターズオンアース(3番人気) 前走川田騎手への乗り替わりで桜花賞勝利
2着 スタニングローズ(10番人気) 前走川田騎手への乗り替わりでフラワーC勝利
3着 ナミュール(4番人気) 新馬戦は川田騎手で勝利も以降乗り替わり
(7着 アートハウス(2番人気) 川田騎手がパートナーとして選んだ馬)

 今回はその後の秋華賞の話。秋華賞では、アートハウスが4番人気に下げた一方で、オークスの上位3頭がそのまま1~3番人気に。オークスのときには人気していなかったスタニングローズが今回は3番人気で勝つなど、この1~3番人気はそのまま上位3頭に。川田騎手のアートハウスはまた敗れてしまいました。

1着 スタニングローズ(3番人気) 前走川田騎手への乗り替わりでフラワーC勝利
2着 ナミュール(2番人気) 新馬戦は川田騎手で勝利も以降乗り替わり
3着 スターズオンアース(1番人気) 前走川田騎手への乗り替わりで桜花賞勝利
(5着 アートハウス(4番人気) 川田騎手がパートナーとして選んだ馬)

 アートハウスは4着と差のない5着。上位3頭が少し力の抜けた感じで2馬身差がありましたが、それでも掲示板ですからね。最初のときに<アートハウスがG1を勝てる馬ではないとも、今回の結果だけではまだ断言できないと思われます>と書きましたが、ある程度能力を見せられたのではないかと思われます。

 ついでに今回13番人気ながら4着でアートハウスより上位…という激走を見せたメモリーレゾンの過去の戦績を見てみました。幸い(?)川田騎手は騎乗したことがない馬です。なんとデビュー以来フルキチこと古川吉洋騎手一筋という渋い馬でした。


■2023/11/24 川田将雅騎手に選ばれ続けた馬、ついに捨てられる?まさかの浮気

 2023/11/12のエリザベス女王杯(G1)、川田将雅騎手が有力馬を退けて乗り続けていたアートハウスの鞍上が違う騎手でびっくりしました。ただ、この選択自体はレース結果で考えると正解。川田将雅騎手は3番人気の有力馬ハーパーに乗って、3番人気3着となっています。
 一方、アートハウスは9番人気と人気がなく、結果も13着で、川田将雅騎手の選択の正しさを示していました。

 ただ、もともと書いていたように、好走できる馬かどうかではなく、思い入れで選んだ…というのが、川田将雅騎手がアートハウスを選んだ理由。なぜここで?というのはあります。
 アートハウスはまだ4歳であり、高齢になったわけではなく、戦績が極端に落ちたわけでもありません。2022年の秋華賞の後は、2023年の愛知杯で勝利し、改めて重賞級であることを証明。その次の中山牝馬ステークスは、4着でしたが、まだまだ可能性を感じる馬でした。

 ひょっとしたら、先約があったとか、そういう理由ですかね?
 もちろん思い入れではなく、勝てる馬を選んだという理由であっても、一向に構わないんですけどね。それが普通の選択ですし…。