2023年11月17日金曜日

松岡正海は小学生時代から騎手目指し体を小さくする努力をしていた

■2020/07/18 松岡正海は小学生時代から騎手目指し体を小さくする努力をしていた
■2013/3/10 松岡正海騎手、外食代より安い騎手進上金でも海外に騎乗しに行く (2022/10/16再投稿)


■2020/07/18 松岡正海は小学生時代から騎手目指し体を小さくする努力をしていた

 Our Pleasureの巻頭のごあいさつは、岡田兄弟がかわりばんこでやっていますが、2019年3月号はウインの岡田義広さんの番でした。この回では、ウインの主戦騎手とも言える松岡正海騎手の話をしていていました。
  2019年、ウインブライトで金杯を勝った松岡正海騎手ですが、翌日に馬に蹴られて骨折し乗り替わり。周りからは「金杯で運を使ったな」なんて言われたものの、本人はむしろこれを幸運だといいます。最悪な状態を考えれば、尺骨で済んだのはまだ運が良かったのではというのこと。前向きですね。

  後日、岡田義広さんがその覚悟と行動力にいつも刺激を受けるといった話を本人にすると、小学生時代の以下のような話をしていたそうです。

「小学2、3年生のときから騎手になりたくて、体を大きくしないために、物が入った押し入れの狭いところで寝たり、中学1年のときは体重がすでに41kgで競馬学校の受験資格が43kg以内だったので、そこから、ほとんど物を食べた記憶がないです。そうして中学3年までずっと41kgを維持しました。弟は身長180cmありますけど、自分は騎手を目指してずっと我慢していました。だから、そこらへんの騎手には負けられないんです」

  身長が高い騎手が調整に苦労するという話は過去にもやっています。馬への負担もありますから斤量を増やせ!と主張するわけにもいかないのですけど、ここらへんは結構ブラックなところもありますね。うまい解決策が思いつきません。


■2013/3/10 松岡正海騎手、外食代より安い騎手進上金でも海外で騎乗しに行く

 アワープレジャー2012年8月号児玉敬さんのアイルランド厩舎通信で、アイルランドの児玉敬調教師の馬に乗るために、松岡正海騎手が来た…という話がありました。「僕の厩舎の管理馬に乗るためだけに、ウィークデイの数日を利用して、わざわざ日本から来てくれた」といいます。
http://www.ruffian.co.jp/site/ourpleasure/ourpleasure.php

 このときの騎乗馬はAsian Wingという馬。その時点でトップウェイトかつ1番人気だったそうですが、別の回を見ているとたぶんこのときはボロ負けていたと思います。気性に難がある子のようで、この子の話がまたおもしろいんですけど、それは別の機会に。ここではタイトルにした騎手進上金の話です。

 カラの街の中華料理屋さんの会計がAsian Wing が勝った時の騎手進上金を超える金額であることに気付いて「勝っても中華料理店でご飯も食べられない進上金のレースのために、よくまあ大きな経費を使って日本から乗りに来るよな!? 相変わらずあきれるよ…」とからかうと「世界で一番厳しい競馬をしているこのアイルランドでたとえ1 鞍でも乗れるなら、決してもったいないとは思わないです」と熱い答えで返されたといいます。

 ただし、児玉敬調教師が「松岡君、トレイルまだまだ若いでしょ!(略)シャドウゲイトもやっと動きにタフさが出てきたと思う。この2 頭でまた欧州の大舞台に挑戦出来たらと思う」と夢を語ったところ、上記の発言を踏まえてやり返されました。
 「調教師の進上金でだってさっきの中華料理店でご飯も食べれないですよね!? 何でここで調教師なんですか?」と悪戯っぽく笑っていたといいます。

 児玉敬さんは一度お金がなくなって調教師を辞めていますけど、アイルランドではとにかく調教師が儲からないどころか、お金が減るばっかりみたいです。他の人でも調教師をやるためにお金を溜めて無くなったらまた……みたいなのをやっていると以前書いていたような気がしますね。お金を稼ぐ仕事というよりは趣味の世界です。

 調教師になるハードルは日本の方が高いと思いますけど、きちんとやっていける日本は恵まれています。たぶん馬主が今くらいの損で済んでいるというのも、日本はすごいんじゃないでしょうか。
 こういう(たぶん)世界に誇れるであろう日本競馬の良いところは、残していってほしいですね。