2025年8月26日火曜日

フォーティナイナーズサン、フォーティナイナーの息子じゃなかった…

■2021/12/08 フォーティナイナーズサン、フォーティナイナーの息子じゃなかった…
■2025/08/26 クーリンガーはCOOLじゃなくてKoolだが兄弟はCoolも…


■2021/12/08 フォーティナイナーズサン、フォーティナイナーの息子じゃなかった…

 この前「サンオブロジータ」という馬がいて、「まさかロジータの息子なわけないよね?」と気になりました。「サン」が「Son」なら息子という意味。昔ロジータという牝馬がいて、このロジータから広がった一族が活躍していた時期があったんですよ。
 ただ、昔であるために息子ということはあり得ません。「grandson」(グランドサン、孫」ですらダメそう。そして、「グランドサンオブロジータ」となり、全然収まりません。
 一族だとしたとした場合、有り得そうなのはひ孫くらいじゃないですかね。検索してみると、ひ孫だと「great grandson」と言うそうな。「グレートグランドサンオブロジータ」じゃ全く9文字に収まりませんね。長すぎて英名でもアウトですわ。

 …とここまで考えたところでやっと血統表を見ることに。その前に戦績も見ておくと、2021/07/31時点では13戦2勝。2勝はいずれも地方で1勝クラスです。中央入り2戦目から泉谷楓真騎手で8番人気3着、秋山稔樹騎手で7番人気3着とあまり人気がないながらも連続で好走した時期もありました。
 ここで関係者も色気が出たのか、大幅な鞍上強化で大御所の横山典弘騎手を招聘して本気モード。5番人気と今までより人気します。ところが、好走できないどころか、人気より悪い7着に。その後も悪かったので、このまま苦戦が続くかもしれません。

 一方、今回の目的である血統の方ですが、サンオブロジータは当然ながらロジータの子ではありませんでした。ただ、一族ではあり、ひ孫ですね。母系はロジータ、シスターソノ、ラブハミングと続いて、サンオブロジータとなっています。祖母のシスターソノからはダートのG1を3勝したレギュラーメンバーが出ています。
 サンオブロジータ自身も父がスウェプトオーヴァーボードというダート向きに見える血統。今のところ芝の出走もなく、ダート一筋でやっています。

 …とこのように書いてきたものの、そもそも「サン」は「Son」ではなく「Sun」(太陽)などの可能性もあります。そこで馬名の由来を確認してみると、「ロジータの血を受け継ぐもの、ロジータの子」となっていました。かなり無理矢理ですね。ちなみにすでにタマをとって「せん馬」となっているので、もうこれ以上ロジータの血を受け継ぐことはできません。

 あと、サンオブロジータの父スウェプトオーヴァーボードの父はエンドスウィープで、父父がフォーティナイナー。「Son」(息子)の馬名で一番有名なのはこのフォーティナイナー産駒のフォーティナイナーズサン(Fourty Niners Son)だろうと思って検索してびっくり!
 なんとフォーティナイナーズサンも息子じゃないのに「Son」(息子)という名前でしたわ。本当は「フォーティナイナーズグランドサン」だったようです。父はDistorted Humorで、フォーティナイナーは祖父でした。そう考えると、「サンオブロジータ」とあまり変わりありません。今回、これが一番びっくりしましたわ…。


■2025/08/26 クーリンガーはCOOLじゃなくてKoolだが兄弟はCoolも…

 フォーティナイナー産駒では、クーリンガーが好きだったんですよね。相手なりに走るけど勝ちきれない善戦マンのイマージ…と思って、今成績を見直したら、地方重賞をかなり勝っていただけでなく、ダート中央重賞も勝っていましたわ。息長く活躍した馬でした。

 さて、書きたいのは、このクーリンガーという馬名の話。馬名の感じも好きだったんですよね。古い馬のためか、JRAでは馬名意味の説明が未記載。ただ、たぶん母クールアライヴァル(たぶん輸入繁殖牝馬)由来の造語でしょう。
 クールと言うと、普通COOLなのですが、クールアライヴァルはKool Arrivalというつづり。クーリンガーもKoolingerとなっています。兄弟もクールを使っている馬ばかりで、私はてっきり全部Koolだと思っていました。しかし、今頃になって気づいて、愕然。COOLの馬もいたのです、POGで指名したクールグレースもCoolでした。

母クールアライヴァル Kool Arrival 由来不明
Klassy Kim 由来不明
バルバラ Valbara 由来不明 馬主・岸和田グランドホール (マル外)
クールネージュ Kool Neige  由来不明 馬主・岸和田グランドホール (マル外)
シーキングバル Seeking Val 由来不明(おそらく父Seeking the Gold由来)  馬主・岸和田グランドホール(ここから内国産)
クーリンガー Koolinger 由来不明 馬主・林 進
クールリーヴ Cool Leave 冷静な+出発する(母名より連想) 馬主・林 進
クールグレース Cool Grace 母名の一部+装飾音 馬主・林 進
クールモダン Kool Modern 母名の一部+近代的 馬主・林 千枝子
クールヴァンクル Kool Vaincre 母名の一部+打ち負かす(仏) 馬主・林 進

 整理してみたんですけど、上記のように結構バラバラ。とはいえ、KOOLで始まり、途中COOLになり、またKOOLに戻ったということで、一応、流れは感じられます。馬主さんは3種類ありますが、まず、林さんふたりはたぶんご親族でしょう。
 さらに、岸和田グランドホールもたぶん林 進さんの会社だろうと検索すると、やはりそうですね。岸和田グランドホールを母体とした農地所有適格法人グランドファームの代表取締役社長が林 進さんになっています。
(会社説明 | 株式会社グランドファームより)
https://grandfarm.jp/company-description/

 競馬好きがファームと聞くと、競走馬生産牧場だと思ってしまいますが、安心安全な水耕野菜の栽培と販売、泉州の伝統野菜である「水なす」の栽培を手掛ける「農業」の会社だそうです。水なす1回食べてみたいんですよね。一番気になる野菜かもしれません。
 あと、2021年1月に「農業分野への新規参入」ということで、岸和田グランドホール自体は、農業ではなかったようです。検索で先に出てきたのが、グランドファームの方でこっちを紹介してしまいました。

 それから、競馬でグランドと言うと、グランド牧場が思い浮かぶのですけど、たぶん全く関係ないと思われます。以下は、グランド牧場のWikipediaの説明です。有力牧場のひとつですね。

<有限会社グランド牧場(グランドぼくじょう)とは、北海道日高郡新ひだか町に本場を置くサラブレッド競走馬の生産・育成牧場である[1]。2023年までは牧場名義で生産馬の所有も行うオーナーブリーダー(馬主兼生産者)であった>
<1927年開場。創業地は古川公園野球場のすぐ近くで、その野球場のすぐ近くに敷地があったことから「グラウンド牧場」と呼ばれるようになり、いつしか「グランド牧場」を正式名称とするようになった。創業者の伊藤幸太郎は貴族院議員であった伊藤繁太郎の甥で、元は繁太郎のもとで競走馬生産を行っていた。創業以来長らく散発的に重賞勝利馬を出す程度の中小牧場であったが、1985年に父から経営を継いだ3代目・伊藤佳幸から急速な拡大路線が採用され、繁殖用支場と育成施設が各地に整備された。これに伴い従来15頭前後であった繋養繁殖牝馬は約100頭まで増加。>