2023年10月29日日曜日

受胎率が低いなど種牡馬失敗の馬 ウォーエンブレムやアドマイヤジュピタ 

■2019/05/20 アドマイヤジュピタ、受胎率が低くてシンジケート速攻解散
■2019/05/20 ウォーエンブレムも種牡馬として苦労、ただ理由は好き嫌い?
■2019/05/20 好きなメス以外は絶対嫌!好みのうるさいウォーエンブレム
■2022/09/11 ウォーエンブレムやアドマイヤジュピタの血統のその後は…? 


■2019/05/20 アドマイヤジュピタ、受胎率が低くてシンジケート速攻解散

 父系馬鹿:2012年度新種牡馬リスト - livedoor Blog(ブログ)を見ると、種付け頭数上位の種牡馬に今あまり産駒がいない馬が多いように感じました。

1 チチカステナンゴ 152
2 ブラックタイド 150
3 メイショウサムソン 101
4 アルデバランII 98
5 アドマイヤジュピタ 94
6  フサイチリシャール 73
7 スズカフェニックス 59
7 ジャイアントレッカー 59

 チチカステナンゴの場合は急逝していますので理由がわかりますが、アドマイヤジュピタはあれ?と思い検索。Wikipediaによると、なんと種牡馬能力の問題だったようです。

<2009年シーズンからは社台スタリオンステーションで種牡馬として供用され、初年度の種付け料は50万円で94頭に種付けを行ったが、生まれたのは19頭と受胎率が振るわず、2010年以降のシンジケート継続を断念、わずか1シーズンで種牡馬を引退することとなった>



■2019/05/20 ウォーエンブレムも種牡馬として苦労、ただ理由は好き嫌い?

 ウォーエンブレムもそうだよなと思ってWikipedia見ると、「受胎率が低い」といった理由とは全然違う理由でびっくりしました。性機能障害ではなく、牝馬嫌いで同性愛者というわけでもなく、女性の好みにうるさかったようです。珍しい馬ですね…。

<いざ種付けしようとすると、ほとんどの牝馬に興味を示さなかった。牝馬によっては種付けを行うことから性機能障害でもないため、種付けを行わせるために数ヶ月をかけて様々な試行錯誤が行われた。主に多数の牝馬の中から、本馬が興味を示す牝馬への種付けなどが試みられ、無地(白い模様がない)の小柄な牝馬を比較的好むことがわかった。しかし、種付け作業は難航し、1年目はわずか7頭の種付けに成功しただけに終わった>

<商業ベースでの種付けは不可能と判断され、シンジケートは初年度にして解散されることになった。また本馬には大手保険会社4社の保険が掛けられていたが、うち3社が合意して約16億円の保険金が支払われた。なお残りの1社は、種付けそのものが成功しているとして保険金の支払いを拒否している>



■2019/05/20 好きなメス以外は絶対嫌!好みのうるさいウォーエンブレム

 2年目となる2004年には、シンジケート解散後も引き続き社台スタリオンステーションで種牡馬続行。まず、種付けする場所を変える転地療法として釧路へ移動していますが、これは関係なかった模様。
 効果があったのは、好むタイプの牝馬で発情を促してから、やる気になったところで種付けしてほしい牝馬に変えるという結構ひどい作戦。これにより、このシーズンは約50頭ほどの牝馬に種付けができました。かなりうまくいっています。
 ところが、ウォーエンブレムは「馬」ではあるものの、「馬鹿」ではありません。やがて「好みのタイプではない」牝馬をあてがわれていることに気づいたウォーエンブレムは、交配を拒むようになってきたとのこと。かわいそうな作戦でしたので、ウォーエンブレムが怒るのも無理はない話。この件に関しては、私もウォーエンブレムを支持しますね。

 というわけで、替え玉作戦が見破られたため、その後は、9,1,0,0と種付け頭数が激減。ウォーエンブレムの場合、産駒がいい感じでしたのでもったいなかったですね…と思ったら、話はここで終わっていませんでした。
 具体的な治療の内容は「企業秘密」として公表されていないのですが、2008年にペンシルベニア大学のマクダネル博士が行った治療の結果、1日1頭ペースで種付け出来るまでの劇的な改善が見られたとのこと。好みが広がって、いろんなメスの良さがわかるようになったんでしょうか。
 2008年は39頭。翌2009年(2010年誕生分)には、過去最多となる69頭の牝馬に種付けを行いうち43頭が血統登録されたことで、今後の種牡馬生活に大きな期待が抱かれました。
 ただ、その後、また逆転。2010年(2011年誕生分)には種付け頭数が5頭に激減してしまい、2011年(2012年誕生分)も19頭と苦戦が続き、2015年(2016年誕生分)の種付けをもって種牡馬を引退することになってしまいました。



■2022/09/11 ウォーエンブレムやアドマイヤジュピタの血統のその後は…?

 今回は、その後、少ない産駒からウォーエンブレムやアドマイヤジュピタの血統は続いたのか?という話。記憶に無いのでたぶんいないと思うのですけどね。特にアドマイヤジュピタは無理でしょう。

 前述の通り、アドマイヤジュピタはわずか1世代のみ。種付頭数94頭に対し、生産頭数は19のみ。血統登録頭数となると、さらに減って17頭でした。このうち中央で走ったのは9頭のようです。この中での出世頭はノーブルジュピタという牝馬でした。賞金は2,282.0万円であり、やはりそれほど成績はよくありません。
 アドマイヤジュピタの場合、牝馬ですら繁殖入りしない…というすごいことに。どうも母馬になったのは、前述のノーブルジュピタただ1頭だった模様(ノーブルジュピタの子は今のところ4頭いて3頭が賞金0ですが、1頭だけ地方で3勝して800万円ほど稼いでいます)。これはそもそも種牡馬成績が悪すぎたせいもあるかもしれません。
 アーニングインデックスは0.26と壊滅的な数字であり、そもそも産駒成績もひどいですね。種牡馬としても最底辺です。そもそもCPIも0.50と低いので繁殖の質が低かったわけですが、それ以上に競走成績が壊滅的。惜しまれない種牡馬引退となってしまいました。

 一方、種牡馬成績は良い印象があったウォーエンブレム。CPI=2.46に対して、アーニングインデックスは2.74ですから、やはり優秀でした。
 121頭のうちの稼ぎ頭は、ブリーダーズゴールドC(G2)など地方重賞を多数勝ったシビルウォーで3億8,272.6円。他にも1億円ホースがごろごろいます。で、私が覚えていなかっただけで、この彼が種牡馬入りしていましたわ…。
 ただし、記憶になかっただけあって、種牡馬戦績は全然。CPI=0.65に対して、アーニングインデックスは0.27とアドマイヤジュピタと負けず劣らずな感じです。
 188頭での稼ぎ頭は、フーズサイドという馬。4,301.9万円です。残念ながら、ウォーエンブレムの血統もここで途絶えてしまいそうですね…。

 …と書いてから、ウォーエンブレムの場合種牡馬成績が良いので、他に種牡馬入りした馬がいる可能性を思いつきます。で、いましたわ! 川崎記念【指定交流】(G1)などを勝ち、2億5,567.0万円を稼いだオールブラッシュです。
 ただし、青森での種牡馬入りだった模様。青森の方には申し訳ないですが、この時点で活躍は期待薄。2021年度の種付け頭数も11頭とごくわずか。やはりここから血が繋がっていくのは、ちょっと無理そうです。
 ただ、この少ない産駒から活躍馬を出せば、ステップアップして繁殖牝馬の質が上がってそこから大物を!という可能性は一応ありそう。日本ではほぼないパターンであり、難しそうですが、この可能性に希望を見出したいです。


2023年10月27日金曜日

横山典弘よりすごい?菅原明良が新潟千直最内ポツンで大激走

■2021/07/30 横山典弘よりすごい?菅原明良が新潟千直最内ポツンで大激走
■2022/08/02 菅原明良騎手開拓の新潟千直最内が定番に?みんな内枠を走るように…


■2021/07/30 横山典弘よりすごい?菅原明良が新潟千直最内ポツンで大激走

 日本に直線競馬がなかった頃、海外の直線レースを見て、すごいおもしろい!と大興奮しました。馬は群れる習性があるので、内と外、2つの集団に分かれるのもおもしろいですね。ただ、日本ではこのようなことは起きず、外のみに集中します。普通のぐるぐる回るコースとの兼用のため、内の馬場が荒れてしまうためでしょう。
 ところが、この日本の常識を打ち破る騎乗を菅原明良騎手が、2021/07/25のアイビスサマーD(G3) のバカラクイーンで見せました。たとえ結果が出なかったとしても評価したいチャレンジでしたが3着。しかも、なんとオッズ130.0倍、14番人気での3着ですから大激走。現在はまだ2勝クラスで、格上挑戦であわや…という走りを見せました。

 菅原明良騎手は結構好きで、印象も良い若手騎手。私の私見評価ランキングを見ると、3.17で、152位中17位という良さでした。よくイメージと数字が一致しないことがあるのですが、イメージ通り、高評価です。
 バカラクイーンの掲示板でも好評で、菅原明良騎手が好きな私はホクホク…だったのですが、今見たら否定的なコメントが増えています。とりあえず、以下は好意的なコメント。
 掲示板では、「最内ポツン」ではなく「後方ポツン」で有名な横山典弘騎手が引き合いに出されて、思わぬところで流れ弾に当たってもいました。

[2233] まちけんさん
鞍上の肝っ玉の強さが半端ない
菅原君、やるねぇ
お見事です

 [2243] 馬人さん
馬の適性、外まで斜めに走るロス、開幕週の馬場
全てを考えて
このコース取りは素晴らしいですね。
こういう騎手がいると競馬が面白くなる
武井調教師の作戦なんですかね…

 [2246] TMFMさん
「常識は敵だ。」 JRA,CMより

 [2251] ダーインスレイヴさん
今後の千直のあり方に一石を投じた、大きな3着

 [2263] カシュカシュさん
歴史に残るポツン

[2265] 馬人さん
典騎手の奇策よりよっぽど理に適ってますよね
典騎手の人気馬におけるポツンの成功率は0.5%未満だそうです。
知り合いが調べたら。
これをやり続けるのはある意味すごい。
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2016101947


■2022/08/02 菅原明良騎手開拓の新潟千直最内が定番に?みんな内枠を走るように…

 2022/07/30の新潟12R、3歳以上1勝クラスでも、城戸義政騎手がケイティレインボーで最内ポツンをやりました。2匹目のドジョウとは行かず馬券内に入れない4着。ただし、9番人気の4着ですからね。掲示板ではネガティブなコメントもあったものの、十分立派な成績でしょう。
 なお、内外離れたため、2着だと誤解した人も多数。実況でもきわどいと言われていました。

 [393] ATM往復さん KUQIZ4Q
菅原の真似すんなら馬券内持って来ないと!

 [391] ゲストさん QVMwGBA
みんなの思ってた通りの騎乗をしてくれたと思います。
惜しかったね。ありがとう。

 [389] nonameさん NGVJWEk
張り替えたばかりの芝だから走りやすいのは当然
やることやってくれたな

 [386] ゲストさん MkhWloM
負けたけど、面白かった!

 [383] sumiさん IZkEAlA
見てて面白かったわナイス騎乗
仮にもスポーツって体でやるならこういうのがないとな
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2019104239

 この騎乗の影響もあったのか、翌日の重賞アイビスサマーダッシュの場合は、最内ポツン…ではなく、最内ちらほら。直線に最内に4頭という日本では珍しい競馬に…。前日の影響で内枠の馬たちのオッズも多少上がったでしょうが、最内を選択した内枠4頭の人気と着順は以下のとおりでした。

馬 番    人 気    着 順    馬名    騎手
1    9    10    ライオンボス    坂井
2    18    18    トウショウピスト    江田照
3    8    6    オールアットワンス    石川
4    13    5    スティクス    藤田菜

 こちらはほぼ人気通りの馬が多く、インパクト薄め。ただ、内を選択した4頭の中では一番外である2枠4番のスティクスで大健闘しました。2枠4番でも効果があるかもれない…となると、もう菅原騎手の開拓した最内コースはもはや奇策ではなく、定番となっていくかもしれませんね…。
 なお、この激走したスティクスの騎手は、藤田菜七子騎手。藤田菜七子騎手は、以前、よく新潟千直で勝っていた騎手であり、新潟千直がうまいという印象があった騎手でした。定石通り早めに前に行かせてており、今回もうまかったですね。アンチが多い騎手ではありますが、新潟千直のうまさは健在のようです。



2023年10月25日水曜日

マイネルフロストよりウインマーレライの方が高評価だった

■2021/06/09 トキメキスバルはダービー3着マイネルフロストや海外G1馬の近親
■2015/11/22 「この馬、実は今日、勝つんです」言葉通りマイネルフロスト勝利
■2015/12/4 マイネルフロストよりウインマーレライの方が高評価だった
■2015/12/4 古谷剛彦「大物感があるのはウインマーレライ」
■2015/12/4 マイネルフロストより人気だった社台や山本英俊の馬のその後は?
■2014/9/26(2022/07/27再録) マイネルフロストと競優牧場 母スリースノーグラスは未勝利だった
■2019/02/02 早熟心配したマイネルフロスト、息長く活躍して馬主孝行
■2020/07/16 牧場時代はやはりマイネルフロストよりウインマーレライを評価


■2021/06/09 トキメキスバルはダービー3着マイネルフロストや海外G1馬の近親

 マイネルフロスト特集のページ…なのですけど、それだけじゃ読まれないだろいうことで、マイネルフロストの近親でPOGで良さそうな馬を探してみることに。ただ、あまりこの牝系は日本にいませんね。注目馬を見つけられなくて困ります。
 そもそも2021年の2歳は、父ベルシャザール・母フローラルジュノーのトキメキスバル1頭しかいない感じ。マイネルフロストから見ると、いとこにあたります。マイネルフロストの下は今年の2歳にはおらず、来年でした。

 日本では成功していない牝系で、活躍したのは、ダービー3着・毎日杯1着などのマイネルフロストただ1頭。でも、海外だと結構すごい馬が近縁にいます。
 牝馬ウィンター Winterは、あのA.オブライエン厩舎で、英1000ギニー(G1)、 愛1000ギニー(G1)、コロネーションS(G1)、ナッソーS(G1)に勝利。どこかで見た名前だと思ったら、2017年の凱旋門賞にも出走していました。このときは9着ですが、3番人気だったということで、評価の高さがわかります。
 また、 同じ牝系では、デフォー DefoeというG1馬も。ウィンターと同じくコロネーションC(G1)を勝った他、重賞を多数勝利。母がDulkasheという名前で、父もDalakhani(ダカラニ) であり、 いつもとちょっと違うネーミングセンスではありますが、馬主はアガ・カーン殿下だろうと思ったら違いました。オバイド殿下(Sheikh Mohammed Obaid Al Maktoum)という方だそうです。

■2015/11/22 「この馬、実は今日、勝つんです」言葉通りマイネルフロスト勝利
 
 ビッグレッドファーム明和の松尾邦弘さんのエピソード。(Our Pleasure 2014年6月 馬恋慕 河村清明より)

-----引用 ここから-----
 以前、種牡馬の担当をしていた頃から、功労馬・コスモバルクの面倒は松尾さんが見ることが多かった。その流れがあって、バルクが函館競馬場でファンにお披露目されることになった去年8 月11日、馬運車に乗って松尾さんが随行した。
 久しぶりに競馬場に入るのだから、バルクには伝染病の検査が必要になる。だから前日の午後、現地に到着した。それがコスモス賞の土曜日である。
 ̶ じゃ、3 時くらいから検査しますね。
 担当獣医に言われた時、松尾さんはこう願い出たという。
 マイネルフロストという馬が10レースに出ます。<b>この馬、実は今日、勝つんです</b>。どうしても口取りに参加したいので、検査はそのあとにしていただけないでしょうか、と。
 申し出に獣医も頷いてくれた。
 「それくらい自信があったわけですね?」
 松尾さんに聞いた。
 「新馬を勝ったあと明和に戻ってきました。入厩前より成長していましたし、心肺機能も上がっていました。たいていの馬は“3 速” か“4 速” で一杯になるんですけど、フロストはそこでも楽に追走できて、もう一段上の“5 速” があるんですよね。だから自信を持って送り出せたんです。
 ゆったり、大跳びの、2000mを超えたくらいで強さが出るタイプです。我慢も利くし、ずんずんずんずんと、バテずに伸びるので、東京向きと思います。あまり思い込まず、以前の(マイネル)デスポットの菊花賞の時のように自然体で当日を待てば、いい結果が付いてくるんじゃないでしょうか」
-----引用 ここまで-----

 「いい結果が付いてくるんじゃないでしょうか」というのはダービーの話。で、ダービーがどうだったか?と言うと、大方の予想を裏切って大激走。12番人気の3着でした。
 菊花賞が案外だったので、距離が長ければ長いほど良いということはないようですが、2500くらいまでは守備範囲内。十分に戦えている感じです。


■2015/12/4 マイネルフロストよりウインマーレライの方が高評価だった

 マイネルフロストとウインマーレライは、同じビッグレッドファームグループです。しかも、それだけでなく、同じ高木登厩舎。つまり、同厩です。しかし、なぜかこの2頭は同じデビュー戦となりました。
 私はマイネルフロストに注目していたものの、ビッグレッドファームグループの評判ですとウインマーレライが良かった印象なので、てっきり人気になると思っていました。ただ、思ったほどではありませんでした。

ウインマーレライ 3番人気 4.2倍
マイネルフロスト 5番人気 13.1倍

 1番人気、2番人気ではなかったものの、やはり人気でもマイネルフロストよりウインマーレライの方が上。結果は、このレースはマイネルフロストが1着、ウインマーレライが2着。しかし、それでも負けたウインマーレライの方が評判が良かったのです。
 マイネルフロストは2戦目を勝ったときもそんな感じで、以降も常に低評価。そういうタイプですね。とはいえ、このデビュー戦でウインマーレライの評価の方が良かったのはわかります。明らかに馬が若かったためです。


■2015/12/4 古谷剛彦「大物感があるのはウインマーレライ」

 古谷剛彦さんも、マイネルフロストが現時点のセンスで勝ったが、大物感があるのはウインマーレライとしていました。(Our Pleasure 2013年8月号 古谷コンシェルジュの競馬観 古谷剛彦 より)

-----引用 ここから-----
 どの競馬でも本来、スタート後の位置取りから行き脚がつき、落としかける2F 目は極端に速くなることが多いが、このレースは12 秒0という超スローでどの馬も折り合いに気を使う印象を受けた。
 その中でMフロストは好位の内で辛抱でき、どんな距離にも対応できるだけの<b>センスを示した。</b>
 そして、Wマーレライはトモが緩いこともありダッシュがつかず、後方3 番手から進む展開となったが、直線の長い東京ながら4 コーナーからエンジンを吹かし、馬群の外をグングン上がっていく。(中略)
 <b>内ピッタリを立ち回った</b>Mフロストが直線で力強く抜け出し、大外から豪快にWマーレライが強襲。Wマーレライは<b>フラフラ走っていた</b>が、ゴールに近づくにつれMフロストに迫ったものの、<b>ロスなく立ち回ったアドバンテージ</b>を生かし追撃を振り切ったMフロストに凱歌が上がった。
 高木登厩舎のワンツーとなったが、2 週続けてこの2 頭は併せ馬を行い、1 週前のウッドではMフロストが、最終の坂路ではWマーレライが先着し、甲乙つけ難い評価だったが、現時点でのセンスの高さでMフロストに軍配が上がった。しかし、Wマーレライの荒削りな走りは<b>大物感を漂わせ</b>、この号が発刊された頃には福島で2 戦目の結果が出ているだろう。
 マツリダゴッホ産駒がブレイクしているだけに、その中でも屈指の存在と評判のWマーレライも、その流れに続きたいところだ。
-----引用 ここまで-----



■2015/12/4 マイネルフロストより人気だった社台や山本英俊の馬のその後は?

 マイネルフロスト派の私には嬉しい誤算ですが、新馬戦以降もより活躍しているのはマイネルフロストの方です。ただ、ウインマーレライも重賞を勝っており、どっちも立派。同じ厩舎で同じビッグレッドファームグループなのに、なぜ新馬戦で同じレースに出したのか?と本当思います。

ウインマーレライ 1600万下 7,105.5万円 ラジオNIKKEI賞(G3)1着など
マイネルフロスト オープン 16,423.5万円 毎日杯(G3)1着、東京優駿(G1)3着、福島民報杯(OP)1着など

 ついでにこの2頭より人気だった2頭の現在も。

1番人気15着 アピシウス 500万下 1,190.0万円 (藤沢和雄厩舎、山本英俊)
2番人気6着 ロッカバラード 500万下 1,763.6万円 (二ノ宮敬厩舎、社台レースホース)

 2頭とも勝ち上がっており、十分成績は良い方なのですが、重賞勝ちのあるビッグレッドファームグループの2頭と比べると見劣りします。
 アピシウスはセリで2,205万円なので高額馬じゃありませんが、ロッカバラードは社台ファームの馬。ビッグレッドグループのような競走馬ファンドの馬の醍醐味は、こういう馬に勝つことですね。爽快です。



■2014/9/26(2022/07/27再録) マイネルフロストと競優牧場 母スリースノーグラスは未勝利だった

 マイネルフロストで検索していて見つけた<毎日杯 G3 | 重賞ウイナーレポート | 競走馬のふるさと案内所>という記事。マイネルフロストが生まれた競優牧場を紹介する内容でした。タイミングとしては、毎日杯を勝ったときのものですね。

<マイネルフロストの生まれ故郷は新冠町にある競優牧場。昭和7年に創業され、過去には1967年の朝日杯3歳S や1969年の天皇賞(春)などに勝ち、69年には年度代表馬になったタケシバオーや、そのタケシバオーの産駒で1985年のウィンターS(G3)に勝ち、86年のフェブラリーH(G3)2着馬チェリーフット、同じくタケシバオー産駒で1984年のクイーンS(G3)優勝馬で、86年の新潟記念(G3)3着、カブトヤマ記念(G3)3着、87年の福島記念(G3)3着と長く活躍したハッピーオールトンなどを生産した牧場だ。現在は40ヘクタールの土地に14頭の繁殖牝馬をけい養している>
http://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_76594

 競優牧場の生産馬では、超有名なタケシバオーがいます。ただ、いかんせん古いすぎで、誰それ?状態な人も多いでしょう。これが代表馬というのは、近年の活躍馬はいないということでしょうね。
 一応、netkeibaで検索してみると、タケシバオーが古すぎるせいか、出世頭がマイネルフロスト。タケシバオーのデータは未反映のようです。

マイネルフロスト    牡    2011    12,289.20
テイエムリキサン    牡    2000    10,852.00
スリージェム    牡    2001    10,796.80
テイエムジェネラス    牡    1999    10,494.20
ヒゼンノムサシオー    牡    1990    10,063.50
ハッピーオールトン    牝    1981    9,276.00
パラダイスシチー    牡    1999    8,869.40
リキサンフラッシュ    牝    1991    7,939.70
ダノンシャトル    牡    2002    7,889.90
ダイゴウマイオール    牡    1991    7,557.40
エレガントダンサー    牝    1991    7,281.60
ケイビイスパイダー    牝    1999    6,757.70
テイエムフルパワー    牡    2004    6,285.20
ジルハー    牡    2002    5,710.80
エレガントクイン    牝    1990    5,599.60
テイエムシバスキー    牡    2006    5,199.00
リキサンロック    牡    1988    4,783.00
エレガントブーケ    牝    1990    4,400.00
ホーマンマリモ    牝    1984    4,331.00
ハマノドルフィン    牝    1993    4,321.10
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_list&breeder=%B6%A5%CD%A5%CB%D2%BE%EC

 テイエムリキサンはクラシック戦線を湧かせた馬。ただ、10年くらい前ですのでやはり近年活躍馬はいなかったと言えます。テイエムリキサンは重賞も買っていないどころか、2勝のみでしたし、内容的にも完全にマイネルフロストがトップです。

 成績の話はこれくらいにして、記事の続きを。競優牧場の榊明彦さんはマイネルフロストについて「放牧地では馬格的にも決して目立つようなタイプではありませんでしたが、気性の強い馬でした。そういったところがレースで良い方向に向いているのかもしれません」としていました。ラフィアンに来てからも、同じ放牧のグループ内でボス馬だったようです。
 過去にもボス馬で活躍馬はいます。ただ、ラフィアンの他の例を見ると、高額のボス馬がさんざんだったなど…必ずしもボス馬だからと言って結果に繋がっているわけではありません。グループの数だけボスがいると考えると、あるグループのボス馬なんて珍しくない…とも言えそうです。

 競優牧場の榊明彦さんはマイネルフロストの父馬ブラックタイドについては、「現役時代から注目していた馬です。競走馬としては脚部不安のために大成することはできませんでしたが、血統や馬格から秘めた能力はG1級と評価して期待している種牡馬です」と、その配合理由を語っています。

 一方、母馬のスリースノーグラスは"米国で1歳時に買い求めたダイヤモンドスノーが残した最後の産駒"。祖母ダイヤモンドスノーは、ダート1200mの未勝利戦を逃げ切るスピードを見せたものの、結局その1勝のみだったといいます。
 「スリースノーグラスはソエなどの理由もあってJRAでは勝てませんでしたが、牧場時代は評価の高い馬でした。未勝利のままというのもかわいそうだったので、ホッカイドウ競馬と兵庫で3勝をあげてから牧場に戻しました」としていますが、母親も戦績としてははっきり言って悪いです。
 マイネルフロストの上も中央未勝利ですし、こういう血統から活躍馬を見つけ出してくるのが、ラフィアンの真骨頂ですね。


■2019/02/02 早熟心配したマイネルフロスト、息長く活躍して馬主孝行

 2014年9月20日に<馬体重増えなかったマイネルフロスト、成長が心配 早熟懸念は?>という投稿をしていました。当時< 今一番好きな馬で低評価の度にこなくそ!と思っていたんですが、その私が不安になってしまった話>として、ラフィアンターフマンクラブの所属馬情報を紹介した上で、以下のような感想を書いていました。

2014年9月19日(金)
マイネルフロストは、9月21日(日)新潟11R・セントライト記念G2・芝2200mに柴田大知騎手で出走します。(中略)高木調教師は「<b>中間の計量では492キロ。484キロだった前走とそう変わらない馬体重でレースを迎えることになりそうです</b>」と述べていました。
http://www.ruffian.co.jp/belonging/list/belong_list_detail.php?hcd=111112

<うーん、3歳の休み明けで馬体重増えていないってのはちょっと意外。増えてて欲しかったなぁ。
 心配になって「マイネルフロスト 早熟」で検索しましたが、そういった声はなし。早熟って言う場合はもう少し前の時期を言うことが多いですから、ダービー3着などでその懸念は薄れたせいかもしれません。
 ただ、秋以降活躍しなくなっていると嫌だなぁ…>

 しかし、マイネルフロストは8歳にしてまだ現役とむしろ息長く走りました。怪我してついに引退かと思ったものの、現役続行。7歳時は賞金410万円のみですので、ちょっと不思議な判断でしょう。
 ひょっとしたら各種手当で稼げそうだと見ているのかもしれません。各種データで記載される5着までの賞金として稼げていないのですが、 それ以外にもいろいろともらえます。オープンクラスだとそれだけでも大きいのかも。また、唯一の賞金が7歳の12月であり、まだ行けそうだと判断したのかも。
 なお、すでに引退したウインマーレライと総額賞金は、その後さらに差が開いていました。

ウインマーレライ 1600万下 7,375万円 ラジオNIKKEI賞(G3)1着など
マイネルフロスト オープン 2億5,118万円  毎日杯(G3)1着、東京優駿(G1)3着、福島民報杯(OP)1着など

2022/01/30追記:ただ、その後、マイネルフロストは競走中に故障発生で予後不良に。使いすぎのせい…という感じの怪我ではなかったのですが、競走成績の割に引っ張りすぎたかな…とは思いました。終盤は収益的にマイナスが嵩んだだけ。ラフィアンが不振なので、活躍が見込めなくても長く走らせて出資者から回収しているんじゃ?とちょっと思ってしまいました。
 同じラフィアンではマイネルバサラ(同じくかつての重賞馬でもあります)も引退が遅すぎた感じ。厩舎側の方針だったのかもしれませんが、状態が上向かないと言って長期間レースに出ずに調整を長長と続けた末、やっと出たレースで惨敗してやっと引退。当然終盤の収益は悲惨なことになっています。
 マイネルフロストの不信感と合わせて、これらは私のラフィアン退会の理由の一つになりました。



■2020/07/16 牧場時代はやはりマイネルフロストよりウインマーレライを評価

 その後、マイネルフロストは競走中に故障発生で予後不良に。非常にショックで、しばらくはなにかあるたびに思い出しましたし、他の人の反応も見たくないと思って見ないようにしていました。
 今回の追記は、 Our Pleasure2019年3月号の高木登調教師のインタビューでマイネルフロストの話が載っていたため。ちょうど当初書いていたウインマーレライとセットで出ています。
 そもそも高木登厩舎はマイネルフロストが重賞初勝利で、その次がウインマーレライだったようです。そして、本来なら同じ新馬戦に出したくなかったとしていました。理由は相変わらず不明ですけど…。あと、やはりマイネルフロストは、当初は期待されていなかったという話もしています。

「今でもウチの厩舎スタッフはあのレースを『伝説の新馬戦』と呼んでいます(笑)。正直な気持ちを言うとどちらも凄い馬でしたから、同じ厩舎で同じ新馬戦にぶつけたくはなかったですけどね」
「マーレライはコスモヴューの坂路でも抜群に動いていて能力は感じていたのですが、トレセン入厩後の1本目のコースでの追い切りでは物見をしてまったく動かないなど、粗削りな部分が多かったんです。対してフロストは牧場の評価はそこまでではなかったですが、入厩後も優等生タイプで、マーレライとの追い切りで先着を見せて、『これは行けるな』という感じになったんです。この時はウチの厩舎もまだ重賞未勝利で、将来のことまでは分かりませんでしたが、後々それぞれが重賞を獲ってくれて本当に嬉しかったです」

2023年10月23日月曜日

競走馬射殺容疑で逮捕の競優牧場・榊明彦代表とは?多方面から馬を学んだ勉強熱心な人

■2016/10/22 競走馬射殺容疑で逮捕の競優牧場・榊明彦代表とは?多方面から馬を学んだ勉強熱心な人


■2016/10/22 競走馬射殺容疑で逮捕の競優牧場・榊明彦代表とは?多方面から馬を学んだ勉強熱心な人

 まだ読んでいなかったOur Pleasure2015年7月号「馬恋慕」(河村清明)に、逮捕された競優牧場・榊明彦代表の話が載っていました。もちろん逮捕前ではあるものの、既に射殺事件のあった後の話ですが、この事件については触れられていません。
 馬を殺しちゃうくらいですので不真面目な人なのかと思いきや、記事ではベタ褒めだったんですよね。

<北里大学で学び、獣医師の資格を取得した。在学中は馬術部に所属し、卒業後は美浦トレセンやJRA日高育成牧場で研修した。その際、研修の一環として装蹄師免許も取得したという。僕はこれまで、さまざまなホースマンと馬産地で接してきたが、これだけ多方面から馬を学んだ人も珍しい。昭和54 年に牧場へ戻り、父親と協力しながら800mの馬場を作るなど、その後はまっすぐ馬づくりに励んできた>

 以前から何度も書いているように、私はこの競優牧場出身のマイネルフロストが今一番好きな馬です。で、マイネルフロストのラフィアンに倣って昼夜放牧も取り入れたとのこと。これも競馬への熱心さを示すエピソードになっていますね。

<フロストはすでにBRF へ移動していたが、同期生を対象に、初めての夜間放牧を競優牧場では行ったという。裏の放牧地が鹿の通り道のため、危険だろうとずっとためらわれていたが、とても暑い夏になり、避暑の意味合いもあった。
 すると、てきめんの効果が現れ、関係者を驚かせたのだ。懸念した事故は、小さなケガこそままあるものの、深刻なトラブルには発展していない。何より、熱を出したり、肺炎の兆候を示したりする馬がほとんどいなくなったという。
“ 丈夫さ”こそが競走馬のすべてのベース。
 それをフロストが、競優牧場の生産馬たちが証明しているのかもしれない>

 ただ、この夜間放牧開始は事件の遠因となっているかもしれません。記憶違いだったら関係ない話になるのですが、確か射殺事件は夜に行われたため。「夜間放牧」がなければ、起きなかった犯行だと言えるでしょう。
 また、「裏の放牧地が鹿の通り道」というのも、事件と絡みます。当初は、鹿と間違って撃たれたのでは?という説が出ていたんですよね。北海道では過去にも同様の競走馬射殺事件がある他、ハンターが人間を誤射したと思われる射殺事件があり、「裏の放牧地が鹿の通り道」であったことは、自作自演を隠して偽装しやすい要素となっていました。
 実際、私も「ハンターによる誤射の可能性あり」という立場から、最初から「自作自演」と決めつけていたネットの主張に対して、「擁護」していたんですよね。実際には、この「自作自演」の決めつけが当たっていたようなのですが、両方の可能性があるのですから当たることもある…という話であり、決めつけで誹謗中傷して良い理由にはなりません。
 …ということで、犯行が判明した後から読むと、かなり複雑な気持ちになる記事でした。


2023年10月21日土曜日

岡田牧雄氏の軽量牝馬メロディーレーン 、G1でも活躍する

■2019/10/20 岡田牧雄氏の軽量牝馬メロディーレーン 、G1でも活躍する
■2019/10/21 オーナーズクラブLEX PROはノーザンファーム吉田勝己氏も関係
■2022/08/08 重賞常連のメロディーレーン、実はオープン入りしたのは割と最近


■2019/10/20 岡田牧雄氏の軽量牝馬メロディーレーン 、G1でも活躍する

 菊花賞出走馬の戦績を見ていて、 芝2400と2600で勝ち星のあるメロディーレーン が気になりました。父オルフェーヴルも良さそうです。ただ、いかんせん他の戦績が悪いです。なんとすでに12戦もしているのですが、大きく負けているレースも多いんですよね。さすがに無理かなと思いました。
 で、やめてから気づいたんですが、牝馬じゃん、この子。牝馬で菊花賞自体が珍しいですが、この戦績の牝馬でってのがさらに変わっています。
 これだけ多く使っている馬というのも変わっていますが、丈夫なことで連想されるマイネル軍団ではなく、親戚の岡田牧雄さん(岡田繁幸さんの弟)の馬。自分のところの岡田スタッド(兄が独立したために弟の方が継承)の生産馬でした。
 なお、掲示板では牝馬というよりも、馬体重の少なさが話題に。今回は+2で340kgでした。JRA最少体重Vの新記録を立てた馬で人気になったみたいですね。無謀そうなのに12番人気というのは、多少そういった投票もあったのかもしれません。
 ところが、なんと結果は5着で驚き。上がり最速で外から伸びました。長距離が本当によく合っているのかもしれませんね。


■2019/10/21 オーナーズクラブLEX PROはノーザンファーム吉田勝己氏も関係

 メロディーレーンは岡田牧雄さん名義ですが、実際には、馬主によって共同所有するオーナーズクラブLEX PROの所有みたいですね。
 ここを私は岡田スタッドの一口馬主クラブと思っていたのですけど、そうではなく馬主資格のある人での共同所有でした。さらに、ノーザンファームの吉田勝己さんなどの名義になることもあると知って、びっくり!
 岡田家では岡田繁幸さんの方とは吉田勝己さんらが知己なのは知っていましたが、岡田スタッドと繋がりがあり、いっしょにビジネスまでやっているとは思いませんでした。

<LEX PRO(レックスプロ)とは、株式会社レックスによって提供される競走馬の共同所有システム(オーナーズクラブ)である>
<中央競馬(JRA)または地方競馬の馬主登録を有する者を対象に、競走馬を分割(中央競馬は1/10、地方競馬は1/20)して販売する仕組みがとられている。(中略)募集される競走馬は岡田牧雄(岡田スタッド代表)、錦岡牧場、吉田勝己(ノーザンファーム代表)、吉田千津(社台ファーム代表吉田照哉の夫人)のいずれかが共有代表馬主となり、その名義でレースに出走する>(Wikipediaより)


■2022/08/08 重賞常連のメロディーレーン、実はオープン入りしたのは割と最近

 一般的に引退が早い牝馬なのですが、予想外なことにメロディーレーンは6歳の夏時点でもまだ現役。長距離戦線で息の長い活躍をしています。昔、クラブ馬では牝馬は年齢によって強制引退…みたいな悲劇もありましたよね。牝馬は繁殖牝馬としての価値がありわからなくはないものの、出資者ファーストとは言えない規約でした。
 メロディーレーンについては、<【次走】メロディーレーンは札幌芝の長丁場・丹頂Sへ 前走は宝塚記念にタイトルホルダーと姉弟で出走>(2022年07月08日(金) 19時29分)という記事が出ていました。タイトルの話は大したことないのですが、プロフィール紹介としては非常に良い記事です。

<メロディーレーンは父オルフェーヴル、母メーヴェ、母の父Motivator。半弟に昨年の菊花賞および今年の天皇賞・春、宝塚記念とGIを3勝したタイトルホルダーがいる血統。
 2018年10月に京都競馬場で行われた2歳新馬戦でデビュー。このときの馬体重は336kgで、JRAにおける最低馬体重出走記録となった。翌2019年3月には馬体重330kgで小倉競馬場の3歳未勝利戦に出走し、自身の記録を塗り替えている。キャリア10戦目、馬体重340kgで出走した未勝利戦で初勝利。1972年にジャンヌダルクが記録したJRA最小馬体重勝利記録を47年ぶりに更新した。
 芝2400m以上の長距離戦を主戦場とし、3歳時の9月に阪神芝2600mを勝ち上がった際の勝ち時計は日本レコード。追加登録料を支払い、3歳クラシック最終戦である菊花賞(GI)にも挑戦。その後は天皇賞・春(GI)などたびたび大舞台に顔を出し、キャリアを重ねている>
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=204949

 前述の通り、重賞によく出ていたのですが、なんと<昨年10月、半弟タイトルホルダーが菊花賞を制した翌週、姉である自身も古都S(3勝クラス)を制してオープンクラス入りを果たした>ということで、オープン入りしたのは割と最近。長距離レース特有の事情でもあるでしょうね。



2023年10月19日木曜日

パッカパッカブー、コトホドサヨウニ、グシチャンノホシ、ペロ、トキメキタロー、カドサンガンバル

■2023/10/19 パッカパッカブー、コトホドサヨウニ、グシチャンノホシ、ペロ、トキメキタロー、カドサンガンバル


■2023/10/19 パッカパッカブー、コトホドサヨウニ、グシチャンノホシ、ペロ、トキメキタロー、カドサンガンバル

 2023/10/21、22の珍名馬。珍名って感じじゃないですが、まず気になったのは、ダイキリ。なんか意味あるんだろうと検索すると、カクテルの名前などであります。
 同じ日は、トキメキタローの方が珍名馬らしさがより強いもの。なかなかユニークです。

 最初スルーするところだったのが、コトホドサヨウニ。「事程左様(ことほどさよう)に」ですね。単に「それくらい」といった意味ですが、前に例を挙げた上で「ことほどさように~である」などとして、言いたいことを強調する言葉。日常会話ではまず使われませんね。

 グシチャンノホシは、グシちゃんって誰?と気になりました。検索してみると、過去にグシチャンノソラ、グシチャンノカゼも存在。意味を見ると、「具志頭+星」となっていました。沖縄っぽいと検索するとやはり沖縄の地域名で、グシチャンは方言による発音だそうです。

<具志頭村(ぐしかみそん)は、沖縄県島尻郡に属していた村である。方音で「ぐしちゃん」と発声することもある。2006年1月1日に東風平町と合併し、八重瀬町となり、具志頭村は消滅した。>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B7%E5%BF%97%E9%A0%AD%E6%9D%91

 かわいい名前で「ペロ」というのがいました。牡馬です。公式の説明を見ると、「ニックネーム。舌を出すさまより」とのこと。デビュー前からの馬のニックネームってことですかね。
 過去にはペロペロというのもいて、こちらは牝馬。「舌をだす様子」と説明されています。

 あと、先週書き忘れていた馬。カドサンガンバルはユニークだと思った馬。母の関係かな?と見ると、その母はカドバンでした。崖っぷちでイメージは良くないですけど、排水の時的に逆に頑張る感じでの命名ですかね。
 カドサンガンバルはの意味は「母名より+頑張る」となっており、やはり母由来。母の方も「角番。もう負けられない、後がない」というそのまんまの意味でした。

 もう1頭、先週はパッカパッカブーという馬がいて、もうこの名前がお気に入りで、お気に入りで、なぜ書き忘れてのか?という馬名。かわいいです。ちなみに牡馬でした。
 パッカパッカだけでもかわいいのですが、「ブー」はどこから来たのでしょう? 説明を見ると、「馬が走る音+いないいないばあ(ピーカブー)より」とのことでした。
 この説明の意味が最初わからなかったのですけど、どうも 「いないいないばあ」の英語「ピーカブー(Peekaboo)」からという意味みたいですね。


2023年10月15日日曜日

ビッグレッドファーム鉾田トレセンの役割 調教師にも馬主にもメリット

■2013/9/20 ビッグレッドファーム鉾田トレセンの役割 調教師にも馬主にもメリット
■2013/9/20 実際、ビッグレッドファーム鉾田トレセンのレベルが低かったのは事実?
■2018/11/08 鉾田で調整し入厩した馬が掲示板に載る率は高い?低い?
■2017/09/04 やめたはずの冠名マイネ使ったマイネフレッシュ、南波壽氏の所有




■2013/9/20 実際、ビッグレッドファーム鉾田トレセンの役割 調教師にも馬主にもメリット

 以前、ラフィアンの出資馬への書き込みで一口馬主らしい方が、「何で調教師でもない人がやっている鉾田トレセンに入れるのか意味がわからない。厩舎で調教していた方が良いだろう」といったことを書いていて、パソコンの前でのけぞりました。
 こういう知識の人が一口馬主やっているというのは危ない気がします。

 とりあえず、特別な馬のプロである調教師だけが調教する…という認識が当てはまらない国がある、かつての日本でもそれを否定した歴史的名馬の馬主がいた、などの話はこの際しません。
 調教師の方が調教がうまい、そりゃずっと美浦か栗東に入れておいた方が良いということにして話しますが、鉾田トレセンに馬を送るのはそもそも調教師側の事情が大きいです。また、馬主側にも鉾田トレセンに預けるメリットがあります。

 ここらへんの話を私が書いても正確にならないおそれがありますし、ちょうどビッグレッドファームの会報「アワープレジャー2012年12月号」に鉾田トレセンの話がありましたので、引用します。(と言うか、説明面倒くさいですし)

<最近の競馬でわれわれの出資馬は、思うようにレースに出られない。ご存知のとおり、5 着以内に入らなければ、優先出走権を手にできないからだ。その間、もしトレセンに滞在すれば預託料がかさんでしまう。厩舎にしても、出走できない馬を置き続ければ、成績を上げるのは容易ではない。
 両者にとってプラスに働く存在が、鉾田トレセンのような外厩施設である。預託料を抑えるだけでなく、十分な鍛錬が可能だから、入厩後もすぐレースに出せる。実にありがたい存在といえる>
(アワープレジャー2012年12月号 馬恋慕第147回 鉾田日帰りツアー 河村晴明より)
http://www.ruffian.co.jp/site/ourpleasure/ourpleasure.php

 馬主にしてみれば全く仕上がっていない状態から全部厩舎にやってもらうと非常にお金がかかります。また、すぐレースに使えないというのは、厩舎にしてみてもお金にならない邪魔者です。
 ひどい場合にはほとんど厩舎に入れてもらえずに、他厩舎に移籍なんてこともあります。私の過去のラフィアン系じゃないPOG指名馬でも使ってもらえなかった新馬がいました。そういう意味で、鉾田トレセンのようなところは厄介払いするのにちょうど良いのです。
 調教師側の事情としては馬房が限られているというのもあるでしょうけど、そうじゃなかったとしても同じ人員で最大限の収益を上げるのであれば、すぐに使える一流馬だけ揃えておくことが最も効率的です。

 コンビニで例えると、商品の入れ替えを行って売れ筋商品だけを取り揃えるようなものですね。限られたスペースで最大限の収益を上げなきゃいけないので、品揃えを変えるなどして売れ筋の商品を優先的に店舗に出します。それに文句言ったって仕方ないでしょう。
 そして、コンビニと同じように、調教師さんもボランティアでやってるわけじゃないのです。
 まあ、委託馬が少なくてガラガラの不人気厩舎なら、すぐにレースに出せない馬を囲っておいて高い委託料ふんだくるという作戦もアリでしょうけど…。





■2013/9/20 ビッグレッドファーム鉾田トレセンのレベルが低かったのは事実?

 記事の残りはあまり関係ないですけど、調教での巧拙の差が出ていたのかな?というお話もありましたので、そちらもどうぞ。

-----引用 ここから-----
 開場した当初、鉾田の坂路は、事務所の奥にある谷を越えて、反対側の丘へと長く伸びていた。およそ1300mあったそのコースを改修したのが2 年前だった。
 奥ではなく手前に伸びる格好に変わり、全長は600mに短縮された。だが、グンときつくなった勾配を活かして、新たな調教法が生まれたのだ。鈴木場長が解説した。
 「この短い坂路にあわせて、インターバルトレーニング̶陸上選手などはあたりまえのように取り入れていますけども̶に変えて、普段は4 本5 本乗って、馬を鍛えています。さらに、坂路を走る合間も、ゆっくり歩くのではなく、ダグとキャンターで、まだ馬が苦しい内に次の調教に向かわせています。
 結果として、前のコースより故障が減りました。あそこに1ハロンくらいの急勾配が見えますけども、いくら全力で走って
もスピードが出ないんです。いい感じで負荷をかけながら、スピードは出すぎませんので、馬がケガしなくなりました。そんなには目立ちませんけど、最近、成績の方も上向いてきていると実感しています」
 以前、会員の間に「鉾田では故障が多い」と不満の声が上がったことがある。言うまでもなく、鉾田トレセンは“ 馬を仕上げるための施設” だ。現場のスタッフは「入厩後、10 日で使える状態」を目指して調教を行う。つまり、それだけ強い負荷を課さねばならず、行う調教は馬のケガと常に紙一重のところに置かれていた。
 だが、急勾配の坂路を利用したインターバル調教を取り入れて、とりわけ前肢の故障が減少したという。調教スタッフの試行錯誤は確実な成果をもたらしたことになる。
-----引用 ここまで-----

 会員が不満を持つというのは、元を正せば結果がついてこないためでもあります。結果が全てですね。


■2018/11/08 鉾田で調整し入厩した馬が掲示板に載る率は高い?低い?

 鉾田トレセンの説明が、 Our Pleasure 2012年7月号のスタッフ記事でもありました。鈴木晃一さんの話からです。

・グループの競走馬のレースへ向けての調整、仕上げが業務。
・昨今、5 着以内に入着できなかった下級条件馬は、7、8週も待たなければ次の出走機会
を得られないなどという状況が頻繁に起きている。その間、トレセンに在厩となれば当然預託料がかかるが、自前の施設で次走の直前まで調整できれば経費も抑えられる。
・厩舎サイドとしても、出走できない馬を在厩させておくのは厩舎の成績向上のため得策ではないことから、お互いに利点がある。

 ここは、やはり坂路を急勾配で短くしたことで、鉾田トレセンでの成績が向上したという話もありました。ただ、故障ではなく、成績に関わるものです。

・鉾田で調整し入厩した馬が、初戦に掲示板に載る率は、一昨年32%、昨年36%、今年は5月現在で45%と年々上昇。

 名馬ミホノブルボンは故・戸山調教師のもと、当時まだ計測区間500mだった栗東の坂路だけで、誰も真似しない1日5 本乗りというスパルタトレーニングでダービー馬に育て上げられた、というエピソードもありました。ミホノブルボンって懐かしすぎですね。


■2017/09/04 やめたはずの冠名マイネ使ったマイネフレッシュ、南波壽氏の所有

 ラフィアンは牝馬では冠名を使うのを数年前からやめています。なので、「 マイネフレッシュ」という2歳馬を見つけて不思議に思いました。また復活したのでしょうか?
  馬柱を見ると、丹内騎手が騎乗しており、どう見てもビッグレッドグループ。丹内騎手が他のところの馬に乗ることはあまりありません。
 で、馬主を確認したら、南波壽さんという聞いたことのない方。とりあえずラフィアンではありませんでした。

 調べてみると、馬主さんは有名人。 馬主姓の一部「南」から, サウス. サザンの冠名を用いている方。これでしたらいくらでも有名馬がいますわ!サウスヴィグラスが最高傑作でしょう。
  マイネフレッシュの父はそのサウスヴィグラスなので、サウス冠名で良さそうなものなのですけど、母のマイネアレグリア の「マイネ」をもらったようです。
 なぜつけたのかはやっぱり不思議ですけど。


2023年10月13日金曜日

落馬しても競馬は終わりじゃなかった 再騎乗すればレース再開できる

■2015/7/2 落馬しても競馬は終わりじゃなかった 再騎乗すればレース再開できる
■2015/7/2 ルール変更による珍事?出走馬が全て落馬してそのままレース終了
■2019/10/11 騎手なしでも後方待機から直線猛烈な追込を見せたウインテンダネス


■2015/7/2 落馬しても競馬は終わりじゃなかった 再騎乗すればレース再開できる

 常識なのかもしれませんが、私は「え、知らなかった!」と驚いたのが、<「落馬・再騎乗」ルール消滅に揺れる競馬の祖国(競馬)>(スポニチ Sponichi Annex ギャンブル 合田直弘の海外ターフ事情 [ 2009年10月15日 21:47])という話です。

<競馬には「落馬・再騎乗」というルールがある。一度落馬しても、他人の手を借りずに再び騎乗すれば、レースに復帰できるという決め事だ。実際には、騎手を失った「空馬」の多くはスタコラ逃げて行くから、あまりお目にかかることのない事象だが、01年の中山グランドジャンプで、ニュージーランドから来日して人気になったランドが、2周目のバンケットで滑って落馬した後に、ラム騎手が再騎乗して完走を果たしたことがあるので、ご記憶のファンもいるはずだ>
http://www.sponichi.co.jp/gamble/column/foreign/KFullNormal20091015032.html

 記事の「落馬・再騎乗」ルール消滅に揺れている…という話自体はイギリスのもの。まず、「再騎乗不可」とする理由について主催者の英国競馬統轄機構(BHA)は、落馬事故で負傷した可能性がある馬や騎手がレースを続けるのは危険なためと説明しています。
 記事では、確かに、発走前に落馬があった場合は馬体検査を行うのが慣例で、これに照らし合わせれば、何のチェックもなくレースを続けるのはおかしいという主張に一理あるという見方を示していました。
 一方で、騎手たちは"「何を今さら」と猛反発"しているとのこと。私としては、主催者の主張に説得力を感じますね。今さらだからと言って、改善しない理由にはなりません。
 


■2015/7/2 ルール変更による珍事?出走馬が全て落馬してそのままレース終了

 結局、再騎乗禁止のルールは実現されたんだろうか?と検索すると、以下の動画が出てきました。

-----引用 ここから-----
-ホースニュース俺-(無期休刊) : イギリスの障害レースで出走馬4頭が全て落馬しそのままレース終了

1 名前:ドドドド人φ ★[] 投稿日:2011/03/19(土) 10:00:00.37 ID:???

    現地時間17日、英トゥチェスター競馬場で行われた障害レース(2mile 3・1/2f)で出走馬4頭が全て落馬し、競走中止となって1頭もゴールできずに終わるというハプニングがあった。

    レー スでは、まず向こう正面入り口で2頭が落馬し、人気の2頭が競り合う展開となった。その後、1番人気馬が3~4馬身抜け出したが、最終障害を飛越する直前に騎手が突然滑ってバランスを崩して落馬。最後の1頭もこの落馬の巻き添えを食らって落馬。今季からルールが変更され、落馬後の再騎乗が認められなくなったため、この落馬で全頭競走中止となり、1頭もゴール出来ずにレース終了となった。

    なお、ノーザンプトンC&E紙の競馬担当記者は、「これは本当に歴史的なハプニングだ。誰も傷付いてないように思われる。プライド以外は」とコメントしている。
    (文責:ドドドド人 φ★)

    主なソース
    http://www.northamptonchron.co.uk/news/
http://blog.livedoor.jp/horsenews_orz/archives/2912643.html
-----引用 ここまで-----

 ルールの変更おかげでこのような珍事も起きたのかも。でも、仕方ないでしょうね。



■2019/10/11 騎手なしでも後方待機から直線猛烈な追込を見せたウインテンダネス

 落馬関係ということでここに追記。2019年10月6日の京都大賞典、ウインテンダネスは発想直後に騎手が落馬のために「競走中止」。ただ、競馬でいう「競走中止」は馬が走るのをやめることを意味するわけではありません。馬はむしろ走り続けることが多いです。
 馬の特性を知らない人は、馬がレースを続けているように見えるのを不思議に思うでしょうが、これは馬の習性としてはそれほど不思議ではありません。馬は群れをつくる動物で、仲間といっしょに走りたがるのです。海外の直線競馬では広いコースなのにも関わらず、両ラチ沿いに2つの集団に分かれて固まるケースが見られます(日本の直線競馬は周回する競馬場との併用で馬場の荒れ方に偏りが出るため、内ラチ側を走る馬はあまり見られない)。

 ただし、いっしょに走りたがるとはいえ、途中でコースを外れてしまう、ペースアップで置いて行かれるということもよくあり、最後まで走り切るとなると、やや回数が少なくなります。
 ウインテンダネスで特に驚いたのは、後方待機で最後の直線の一番速くなるところでむしろペースアップして、外からではなく中からごぼう抜きして6着相当になってしまったこと。並走していていっしょにペースアップは結構あるものの、後方待機で馬群の中からごぼう抜きはかなり珍しい気がしますね。
 netkeiba.comの掲示板では、以下のような感想が出ていました。

 [2817] わたくんさん
直線向いた途端まじめに走り出して馬って頭がいいんだね。少なくとも4コーナーを知っているということだから、スタートの位置が今日はここだから1600だなとか距離とかも分かってるんじゃないかと思えてきた。馬は走る距離を知らないと言われてるけど、実は知ってたりしてね。
 [2798] シルバさん
リプレイ見たけど、道中は後方で待機しつつ、直線では内から馬群を割りながら綺麗に伸びてたのが素晴らしかった。
この仔は本当に賢いですね。
騎手無しでこういう走りが出来るのは素直に凄いと思いました。
 [2807] ミヤザキさん
>>2798
わかる
6着入線にきたのは斤量がなくなったからまあわかるけど馬群割ってきたのはすごい
 [2802] あしゅらくんさん
マイナス56kgハンデありとはいえ、足を溜め馬郡をさばいて、素晴らしい競馬でした
 [2805] ラスカルさん
真面目に走ってて驚いたw
普段から調教されていることをしっかり守ってる頭の良い馬だ


2023年10月11日水曜日

スコットランドの英雄ロブ・ロイ(ゼンノロブロイの名前の由来)

■2013/1/27 スコットランドの英雄ロブ・ロイ(ゼンノロブロイの名前の由来)
■2022/07/24 種牡馬としてのゼンノロブロイ…最も賞金を稼いだ代表産駒は?

■2013/1/27 スコットランドの英雄ロブ・ロイ(ゼンノロブロイの名前の由来)

 種牡馬にもなった名馬ゼンノロブロイの名前「ロブロイ」は、スコットランドの英雄であるロブ・ロイ(ロバート・ロイ・マクレガー)から取った名前だそうです。
 <映画で楽しむ世界史 スコットランドの義族「ロブ・ロイ」>(2011-01-27 18:59:21 | 舞台はイギリス・アイルランド)では、映画に出てくるロブ・ロイの話がありました。

<ロブ・ロイという映画がある。18世紀スコットランドに実在した人物、本名ロバート・マクレガー(1761-1834)、通称「ロブ・ロイ=赤毛のロイ」を、「アイバンホー」で有名なスコットが小説化したものが下敷きという。
 (略)要はハイランドで牛を買い付け、低地へ追っていって売却し荒稼ぎした。それをもとに、マクレガー族の首領として、悪徳貴族に反逆した。中味は若干違うが、スコットランド版ロビンフッドと言えよう。剣の達人、民衆の英雄としてスターリング城近くには彼の銅像があるらしい。>
http://blog.goo.ne.jp/ys386kyam/e/20829615e96c4d505719b8f8650c9436

 通称赤毛のロイというくらいだから、赤毛だったんでしょうね。
 ロブロイにはバラの品種名でもあるらしいんですよ。こちらももちろん赤です。

-----引用 ここから-----
和名     ロブロイ
英名     Rob Roy
(略)
作出国     UK(イギリス)
紹介文     強い赤と、くっきりした剣弁高芯咲きの花形が美しいバラ、ロブロイ。
強健種で育てやすい品種です。
http://www.noibara.net/encyclopedia/floribunda_rose/encyclopedia-230.html
-----引用 ここまで-----

 さて、実在の人間のロブ・ロイの話。映画なので脚色アリアリであると思われますが、映画のあらすじってのがわかりやすいと思われます。<あらすじ ロブ・ロイ ロマンに生きた男 - goo 映画>では、以下のような説明がありました。

-----引用 ここから-----
1713年、スコットランドの民衆の多くは、不安定な世情と飢餓に苦しんでいた。義賊のロブ・ロイ(リーアム・ニーソン)は、1000ポンドあれば牛の売買で貧しい民を救えると考え、モントローズ侯爵(ジョン・ハート)に借金を申し込む。侯爵は承諾するが、担保にロブの3000エーカーの土地を要求する。ロブの右腕のアラン(エリック・ストルツ)がモントローズ家の会計係、キラーン(ブライアン・コックス)に約束手形をもらいに行くが、彼はもっともらしい理由をつけて手形ではなく現金を渡す。だが、それはモントローズの配下であるカニンガム(ティム・ロス)とキラーンの策略で、アランは人けのない夜道でカニンガムの待ち伏せに遇い、金と命を奪われて湖に投げ込まれる。カニンガムはかねてより、多額の借金があった。アランが金を盗んでアメリカに逃げたように見えたがロブは信じず、モントローズに金は絶対に返すと誓う。モントローズは、対立するアーガイル公爵(アンドリュー・キアー)について悪い噂を振りまけば大目に見てやると言うが、ロブは拒絶する。怒ったモントローズは山奥に姿を隠したロブを捕らえるよう命じる。彼をおびき出すため、カニンガムは兵隊を繰り出してロブの家を焼き払い、彼の最愛の妻メアリー(ジェシカ・ラング)を犯す。やがてロブの弟アリスデア(ブライアン・マカディ)が戻り強姦の事実を悟るが、敵の狙いが分かっている彼女は、夫に隠し通そうとする。だが、モントローズの軍隊が再度ロブたちを攻撃し、アリスデアをはじめ仲間たちは次々と倒され、ついにはロブ自身も捕まってしまう。移送されるロブに、カニンガムは妻を強姦したことを彼に言い放つ。その頃、メアリーはアーガイル公爵に全てを打ち明け、モントローズの策略を訴えた。公爵はロブに対する彼女の愛と、名誉を重んじるロブの潔さを深く感じとる。ロブは絞首刑の寸前に縄をうまく使って脱出に成功、メアリーの元に戻る。彼女は身ごもったことを伝え、子供の父親はカニンガムかもしれないと告白。子供は殺せないと必死に訴える妻に、ロブは殺さねばならないのはカニンガムだと答える。ロブはアーガイルに決闘の仲介役を頼む。もし彼が勝てばすべての罪を放免し、1000ポンドの借財を水に流すことを条件に、カニンガムに決闘を申し込む。剣の達人であるカニンガムを倒したロブは、メアリーの待つ家へ戻った。
http://movie.goo.ne.jp/movies/p10967/story.html
-----引用 ここまで-----

 ちなみにカニンガムという名前の馬はいないかと探しましたが、ネット競馬検索では出ませんでした。

■2022/07/24 種牡馬としてのゼンノロブロイ…最も賞金を稼いだ代表産駒は?

 今回はゼンノロブロイの産駒について。
 ゼンノロブロイの初年度産駒がデビューしたのは2009年で、翌年14位になり、以降はしばらく12~14位。2015年に突然7位になりますが、これが唯一の一桁でした。サンデーサイレンス系の種牡馬が多かったということもあり、大成しなかった印象ですね。賞金ベスト10は以下のような感じでした。

ペルーサ    牡    29,308.40
トレイルブレイザー    牡    24,783.20
ナムラビクター    牡    24,693.60
コスモネモシン    牝    21,241.80
アニメイトバイオ    牝    21,166.00
タンタアレグリア    牡    19,817.80
メートルダール    牡    19,424.80
グリム    牡    19,202.10
ルルーシュ    牡    18,935.10
サンテミリオン    牝    17,674.10

 思ったより2億円以上の馬が多くてびっくり。とはいえ、やはりサンデーサイレンス系種牡馬としては、見劣りする感じはあります。
 稼ぎ頭はペルーサ。父ゼンノロブロイと同じ藤沢和雄厩舎。ベスト10では、9位のルルーシュも藤沢和雄厩舎ですね。ペルーサはG1を勝てませんでした( 10'青葉賞(G2)などを勝利)が、種牡馬入り。こちらの産駒も見ておみました。まだ種牡馬入りして魔もないですけど、やはり今のところ目立った産駒は出ていませんでした。

ラペルーズ    牡    2,784.20
キラメキビジョン    牡    387
リュウワンヒメ    牝    331
マラドーナ    牡    303
ウインイノセンス    牡    246