■2018/03/24 馬主だったイギリスのチャーチル首相、父や祖父も大物
■2018/03/24 クラシック勝利 生産馬はトレヴやハービンジャーに繋がる
■2018/03/24 馬主だったイギリスのチャーチル首相、父や祖父も大物
イギリスの首相だったウィンストン・チャーチルは、競馬にも熱中していた方でした。 チャーチルの父ランドルフは、同じ政治家で、大蔵大臣を務めたほどの人物でしたが、やはり馬主としても大物。チャーチルが15歳だった1889年には、英オークスを自身が所有するラベスドゥジュアルで制しています。
また、 母方の祖父であるレオナルド・ジェロームもすごいです。
アメリカ・ニューヨークの大富豪として有名なのですけど、ベルモントパーク競馬場の前身で、第1回のベルモントSの舞台となったジェロームパーク競馬場を開設した人物。現在のニューヨーク競馬の基礎を築いたという重要でスケールのでかい役割を果たしています。超大物です。
ちなみに、 その名は、今もアケダクト競馬場で開催されているG3ジェロームSというレースに残されているといいます。
(Our Pleasure2016年2月号 Racing 360 秋山 響より)
■2018/03/24 クラシック勝利 生産馬はトレヴやハービンジャーに繋がる
ただし、チャーチル自身は、戦後の1949年、75歳になって初めて馬主になっています。遅かったんですね。
ところが、 最初に持ったコロニストという馬が自身の名を冠したウィンストンチャーチルSを勝つなどして、いきなり13勝します。ゴールドカップ2着の実績も挙げました。
また、1955年にはダークイシューで愛1000ギニーに勝ってクラシック制覇を達成。父と同様に、大レースに名を残しました。
一方で、父の方で話がなかった生産の方にも手を出した点は違うところ。イギリスのニューチャペルスタッドを購入し、ヴィエナとハイハットというともに1957年生まれの2 頭が誕生します。
ヴィエナはフランスのアルクール賞など7勝を挙げ、ガネー賞でも2着に入るなどトップクラスで活躍した一流馬。しかし、もっと重要なのは1968 年の凱旋門賞馬で、1973、74年と2年続けて英リーディングサイアーに輝いたヴェイグリーノーブルを出したこと。
ヴェイグリーノーブルの産駒は、エンペリー、ゲイメセン、ミシシッピアンと3頭も日本の種牡馬が輸入されました。さらにヴィエナ自身も日本に輸入されたということで、非常に日本と縁があります。
ただし、ことごとく不振。とはいえ、スマートファルコンの母の父はミシシッピアンですから、G1馬に繋がっている馬はいました。
また、凱旋門賞を連覇した名牝トレヴの5代血統表にヴェイグリーノーブル~ゲイメセンの名を見つけることができるとのこと。血統表を実際に見ていると、ゲイメセンは、母父母父ですね。
もう1頭のハイハットは?と言うと、アリカーン国際記念ゴールドCを制し、凱旋門賞でも4 着に入るなどしましたが、こちらもやはり強調すべきは種牡馬としての実績。
1966 年の英1000ギニーを制したグラッドラグズ、1973
年の愛1000ギニーの勝ち馬クルーナーなどがクラシックで活躍。そのほかにもジョッキークラブC3連覇のハイラインなどを送り、のちに日本で供用された際の産駒からもダービー3着のカンパーリやステイヤーズSを勝ったフジノハイハットを出しました。
この父系も、結局は衰退したものの、ハービンジャーの5代血統表を見ればハイハット~ハイラインの流れを確認することができるとのことでした。