2024年6月13日木曜日

無冠ローエングリン、G1馬ロゴタイプを輩出 種牡馬で成功した理由

■2013/5/2  ローエングリン産駒ロゴタイプ、まるでサンデーサイレンス(吉田照哉社台ファーム代表)
■2013/5/10 無冠ローエングリン、G1馬ロゴタイプを輩出 種牡馬で成功した理由
■2013/5/22 ロゴタイプの朝日杯&皐月賞制覇は、ナリタブライアン以来だった
■2013/5/23  ロゴタイプ、ローエングリン産駒なのに長距離でも問題ない



■2013/5/2  ローエングリン産駒ロゴタイプ、まるでサンデーサイレンス(吉田照哉社台ファーム代表)

 皐月賞を勝って……の話です。

-----引用 ここから-----
吉田照哉オーナー「まるでSS」/皐月賞 [2013年4月15日9時5分 紙面から]

 吉田照哉オーナー(65=社台ファーム代表)は早くも2つ目のG1タイトルを獲得した愛馬を心からたたえた。「すごいね。想像以上。並外れている。自在に動けて何回も脚を使える。レースぶりはまるでサンデーサイレンスだね」と、種牡馬として日本競馬のレベルアップに貢献した米2冠馬を引き合いに出した。【高木一成】
http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20130415-1112640.html
-----引用 ここまで-----

 ロゴタイプは珍しいローエングリンが父です。父はシングスピール、その父父はサドラーズウェルズという日本合わなかったなぁという血統。
 母系も素晴らしく期待されていて私も好きでしたが、種牡馬になっていてびっくり。しかも、GI2勝馬を出すとは…。
 ということでサンデーサイレンス系じゃないんですが、母父はサンデーサイレンスです。こちらが出たということ?

 サンデーサイレンスって競走馬としてより種牡馬としてすごかった馬なので、何か微妙な褒め方とちょっと思ってしまいました…が、よく見るとケンタッキーダービー、プリークネスステークスの他にブリーダーズカップ・クラシックなども勝って、G1を5勝、エクリプス賞年度代表馬。
 文句なく素晴らしい競走成績でしたね、失礼しました。

-----引用 ここから-----
 母ステレオタイプのおなかの中には現在、ロゴタイプの全きょうだいに当たるローエングリン産駒が宿っている。すでにお産用の馬房に移動しており、間もなく生まれる予定。「ロゴタイプがすごく良い馬だったんで、同じ父を付けていたんだ。俺の先を見る目もすごいだろ」と目を細める。
-----引用 ここまで-----

 茶目っ気でしょうが、これは確かに見事。たぶんデビュー前じゃないと間に合わないですよね。
 2011チチカステナンゴ、2012シンボリクリスエスとつけていましたが、2歳になったロゴタイプを見て再びローエングリンとなったのでしょう。

-----引用 ここから-----
 父であるローエングリン自体は掛かる気性の馬だったが、その父シングスピールはジャパンCを制し、母カーリングも仏オークス(芝2100メートル)、ヴェルメイユ賞(芝2400メートル)と長めの距離のG1を勝っている。「ダービーでも距離は全然大丈夫だ。血統的にも心配ない。休むたびに強くなっている馬だし、今日も楽に勝っていた。将来はもちろん海外も視野に入れる。世界よ見ていろって、そう思える境地に達している」。ダービーすら世界への通過点か。数々の名馬を生産、所有してきた吉田照哉氏にさえ、そう思わせるだけの馬に成長した。
-----引用 ここまで-----

 GI2勝でしかも種牡馬価値のあるレースを勝っていますから、種牡馬入りは間違いありません。
 これが日本で走るの?というのは本当不思議(やはりサンデーサイレンス?)なんですけど、ローエングリンは好きでしたので続いてくれるといいなと思います。




■2013/5/10 無冠ローエングリン、G1馬ロゴタイプを輩出 種牡馬で成功した理由

 私は牝系を重視しますのでローエングリンは期待していましたが、まさか種牡馬でこんなすごい子を出すとは……。

-----引用 ここから-----
【競馬】息子ロゴタイプは皐月賞本命。 未冠のローエングリンが種牡馬で成功したワケ
2013.04.11    河合力●文

 4月14日に中山競馬場で行なわれる皐月賞。競馬の花形とされる3歳牡馬クラシックの第一弾とあって、良血馬たちがズラリとそろった。有力馬の父名を見ても、弥生賞を制したカミノタサハラの父ディープインパクトを筆頭に、コディーノの父キングカメハメハや、エピファネイアの父シンボリクリスエスなど、現役時代にいくつものGIを制した名馬たちの名が並ぶ。

 だがその中で、自身はGI未勝利ながら、大舞台に有力馬を送りこむ異色の種牡馬がいる。皐月賞の最有力候補と目される、ロゴタイプの父ローエングリンだ。

 種牡馬ローエングリンの注目度が一気に高まったのは、昨年12月の朝日杯フューチュリティS。今年のクラシックを目指す世代の最初のGIで、ローエングリンを父に持つ2頭が好走。ロゴタイプが勝利し、ゴットフリートが3着入線を果たした。ディープインパクトやキングカメハメハなどの一流種牡馬は、毎年100頭を超える産駒がいるのに対して、この世代(2010年生まれ)のローエングリン産駒は、わずか47頭しかいない。それでいて、この快挙を達成したのだ。

 まして、今やGIを勝った馬でも種牡馬入りできないケースがある時代。そうした状況にあって、GI未勝利馬の子どもがここまで活躍することは極めて珍しいことだ。
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/keiba_fight/2013/04/11/___split_24/
-----引用 ここまで-----

 日本は特に良血だから種牡馬というのは、あまりない気がします。
 馬産地が一極集中の格好になっており、多様性が生まれにくいのかもしれません。

 記事では繰り返し書いている良血の話。

-----引用 ここから-----
 ローエングリンの父シングスピールは、1996年のジャパンカップをはじめ、さまざまな国でGI(4勝)を制した。そして何より、母カーリングが、1995年のフランスオークスなどGIを2勝した名牝。その走りを見染めた社台ファーム代表の吉田照哉氏が、現役途中にもかかわらず、購入したほどの馬だった。

 加えて、ローエングリンの弟であるレゴラス(父サンデーサイレンス)も、条件馬止まりの身でありながら、その良血を評価されてフランスで種牡馬入りしている。つまり、世界でも認められるほどの血を引くことで、ローエングリンはGI実績がなくても種牡馬になれたのだ。
-----引用 ここまで-----

 本当種牡馬入りできてよかったなと思うローエングリンですが、やはり期待はされていませんでした。

-----引用 ここから-----
 初年度の種付け料は30万円。100万円を超える種牡馬がほとんどの社台スタリオンステーションでは、破格の安値といっても良かった。

 また、種牡馬3年目となる2010年には、社台スタリオンステーションを離れて、別の種牡馬の繋養施設(レックススタッド)に移動。種牡馬1年目の産駒からは目立った活躍馬が出ず、初年度は95頭に及んだ種付け頭数も、2012年には30頭に減少。種付け料も20万円に下がっていった。

 しかし、前述した今年3歳となる2年目産駒(2010年生まれ)のブレイクで状況は一変した。
-----引用 ここまで-----

 理由はこの後。

-----引用 ここから-----
 現在ローエングリンを繋養するレックススタッドの海老原雄二氏は、同馬が種牡馬として成功した理由をこう分析する。

「ローエングリンは種牡馬として成功するために大切な要素を数多く備えています。例えば、2歳から8歳までコンスタントに走り続けたタフさと成長力。あるいは、500kg弱の、大き過ぎず小さ過ぎない理想的な馬体。そして何より、高いスピード能力。これらを併せ持つローエングリンの子が走っても、何ら不思議はありません」

 さらに、ローエングリン産駒が活躍できた理由として、サンデーサイレンス系牝馬との相性の良さが挙げられる。ロゴタイプ、ゴッドフリートの母父はともにサンデーサイレンスであり、同じくローエングリン産駒で、昨年11月の新馬戦を快勝したトウショウプライドも、母父はサンデーサイレンス産駒のジェニュインである。

「スピード豊かなローエングリンですが、一方で瞬発力勝負が苦手で、現役時代はゴール前で他馬のキレに屈するケースがありました。GIで僅差負けが多かったのは、この要因が大きかったのではないでしょうか。しかし、サンデーサイレンス系牝馬との組み合わせで、足りない瞬発力をうまく補い、ゴール前での勝負強さを生み出していると思います」(海老原氏)
-----引用 ここまで-----

 良血ではありますが、ローエングリンの父シングスピールは日本での種牡馬成績は目立ちませんでしたので、何で種牡馬で成功?と不思議に思っていました。
 母父サンデーサイレンスというのは結局やはりよく走るのですけど、ローエングリンで特にという上記の説明は納得するものがあります。



■2013/5/22 ロゴタイプの朝日杯&皐月賞制覇は、ナリタブライアン以来だった

-----引用 ここから-----
“ナリタブライアン以来”はあるか!?ロゴタイプの野望と大混戦の皐月賞。
島田明宏 = 文 2013/04/13 08:00

 去年の12月16日、ロゴタイプ(父ローエングリン、美浦・田中剛厩舎)が朝日杯フューチュリティステークス(GI、中山芝1600メートル)を勝ち、2歳王者の座についた。(略)

 ロゴタイプの単勝34.5倍という数字が示しているように、この結果はいわゆるサプライズとして受けとめられた。父が、自身GI勝ちのないローエングリンで、さらに3着のゴットフリートも同じ父だったということもサプライズを増幅させた。

 朝日杯の勝ち馬、すなわち2歳王者は1994年に三冠馬となったナリタブライアン以来クラシックを勝っていないこともあり、この結果は2013年クラシックと分けて考えるべきだと私は結論づけたのだが――。

 3カ月ぶりの実戦となった皐月賞トライアルのスプリングステークス(GII、中山芝1800メートル)で、ロゴタイプが力強く抜け出すシーンを見て、考えを改めさせられた。(略)

 課題とされていた1ハロンの距離延長も問題にせず、これならさらに1ハロン延びる皐月賞でも大丈夫、というか、より力を発揮できそうに思われた。何より、4kg増えた馬体や余裕のある走りっぷりに、クラシックを戦ううえでももっとも重要な「成長」が見て取れたのが大きい。

 この馬なら、ナリタブライアン以来19年ぶりの「2歳王者によるクラシック制覇」を見せてくれるかもしれない。
http://number.bunshun.jp/articles/-/402381
-----引用 ここまで-----

 そのナリタブライアンの話。

-----引用 ここから-----
話は19年前にさかのぼるが、私がナリタブライアンを見て、

 ――「この馬がタイトルを総なめにするだろうな」

 と確信したのは、ダービーの本馬場入場のときだった。東京競馬場には18万7041人もの観客が詰めかけていた。出走馬が芝コースに現れ馬名をアナウンスされると、そのたびに耳をつんざくような大歓声が浴びせられ、若駒たちは驚いて落ちつきを失っていった。

 ナリタブライアンが現れたときには、それまで以上に大きな歓声がスタンドを揺らしたのだが、当のブライアンはピクリともせず、ゆっくり歩いて馬場入りした。そのあまりの落ちつきぶりに、一度「ワアアアア!」とヒートアップした歓声が、「ァァァ……」と萎み、やがてどよめきになった。

 もしロゴタイプが本当にブライアン級の逸材なら、19万近い人間たちを黙らせた、あのブライアンのような大物感や凄味をどこかで感じさせてくれるはずだ。レースだけではなく、パドックや馬場入りのさいの表情や動きにも注目したい。
-----引用 ここまで-----

 結局、ロゴタイプが勝ちましたけど、そういう特殊な記録とは知りませんでした。



■2013/5/23  ロゴタイプ、ローエングリン産駒なのに長距離でも問題ない

 ロゴタイプはもともと1800mのスプリングSの時点で距離不安を囁かれていたのですが、これを圧勝。
 続く本番の皐月賞はさらに1ハロン伸びたものの、強い競馬を見せて4連勝。
 そして、次のダービーはさらに伸びる2400m、長距離戦の域に入るのですが、それでも調教師は大丈夫と見ているようです。

-----引用 ここから-----
仕上がり良好、ロゴタイプの田中剛師「距離は問題ない」/ダービー
[中央競馬] 2013年05月21日(火)12時00分

 第80回のメモリアルダービーに名を刻む。皐月賞を1分58秒0のコースレコードV。朝日杯FSに続くGI2勝目を獲得したロゴタイプが、堂々主役として競馬の祭典に歩を進める。

 前走後は宮城県の山元トレセンで2週間ほどリフレッシュ。「さらに成長しましたね。トモがしっかりして、地面をつかみ取る理想的な走りになった。ストライドもいい」と田中剛師はさらなるパワーアップに目を細める。「運動が始まる前はいつも寝ているんですよ」と何事にも動じない精神力を含め、サラブレッドとして完成の域に達しつつあるのは間違いない。

 15日には美浦Wを併せ馬で1週前追い切り。6F81秒9-12秒4(馬なり)をマークし、1馬身先着を果たした。力強いフットワーク、光沢を放つしなやかな馬体。「予定通りに調教を消化できた。あと1本速いところをやれば十分です」とトレーナーは早々と太鼓判を押すほど、仕上がりは良好だ。

 「乗ってきたジョッキーが“距離は問題ない”と言っています。折り合いもつくタイプなので。あとは自分の競馬をすれば」。11年オルフェーヴル以来、史上23頭目となる春の2冠馬誕生の瞬間は目前に迫っている。

提供:デイリースポーツ
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=75616
-----引用 ここまで-----

 もう一つ、距離についても書かれた記事を。

-----引用 ここから-----
ロゴタイプ二冠へ、ダービー不動の主役
武豊キズナ、コディーノ逆転は可能か
gloops 2013年5月21日 11:03

死角らしい死角は見当たらない

 今週末に行われる競馬の祭典・日本ダービーは、2歳王者にして牡馬クラシック第一弾の皐月賞も完勝したロゴタイプが不動の主役を務める。目下、重賞3連勝を含む4連勝中のうえ、そのうち3戦でレコードをマーク。鞍上の意のままに走れるセンスの良さと競り合いに強い勝負根性も備え、死角らしい死角は見当たらない。

 ロゴタイプが半馬身差でエピファネイアを下した皐月賞は、着差以上の完勝劇だった。2000メートルの二分割ラップは前半58秒0、後半60秒0と前半が2秒も速いハイペースで、しかも後半1000メートルは1ハロンごとに12秒1−12秒0−11秒9−12秒0−12秒0が刻まれた、全くと言っていいほど隙のない流れ。中団追走の5頭が掲示板を占めた結果は、各馬の能力をきっちり反映したものと言える。


真っ向勝負でねじ伏せた能力は本物

 さらに、皐月賞は時計面だけでなく、上位馬の実績からもレベルの高さも推し量ることができる。

1着 ロゴタイプ(朝日杯フューチュリティS、スプリングS)
2着 エピファネイア(ラジオNIKKEI杯2歳S)
3着 コディーノ(札幌2歳S、東京スポーツ杯2歳S)
4着 カミノタサハラ(弥生賞)
5着 タマモベストプレイ(きさらぎ賞)

 いずれの馬にも、近年のクラシック登竜門として重要な役割を担ってきた重賞レースの勝ち鞍がある。ちなみに、6着のテイエムイナズマもデイリー杯2歳Sの勝者。これだけの相手を真っ向勝負でねじ伏せたロゴタイプの能力は本物で、マイル戦線で活躍した父ローエングリンのイメージから常に距離面を不安視されるものの、皐月賞からダービーへ400メートル程度の延長であれば問題にならないだろう。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/other/horse/2013/columndtl/201305210001-spnavi
-----引用 ここまで-----

 もう一つ。

-----引用 ここから-----
ダービー】ロゴタイプ、2冠へ距離に不安なし

 記念すべき第80回の日本ダービー。2冠がかかる皐月賞馬ロゴタイプ(美浦・田中剛厩舎、牡)は、デビュー当初のひ弱さが抜け、昨秋から4連勝中。朝日杯フューチュリティS、皐月賞とも完勝といえる内容で、今回ももっとも死角の少ない馬といえるだろう。

 皐月賞ではゴール前でエピファネイアとの叩き合いを力でねじ伏せる強い競馬。懸念される2400メートルの距離も、折り合いに不安がないため陣営は問題視していない。中間の乗り込みも順調で、15日の1週前追い切りは美浦Wコースで6ハロン80秒9をマーク。今週は軽めの調整で挑む予定だが、これは皐月賞時と同じで問題ない。
http://race.sanspo.com/keiba/news/20130520/pog13052015280021-n1.html
-----引用 ここまで-----

 ここらへんは血統のおもしろさですね。