■2020/08/21 地方競馬からの中央参戦に障壁 地方から海外の方が楽?
■2020/08/21 地方競馬からの中央参戦に障壁 地方から海外の方が楽?
Our Pleasure2019年3月号の古谷コンシェルジュの競馬観で、古谷剛彦さんが地方騎手の海外遠征に関して、<国際競走を謳っている割に、国内の地方馬が簡単に出走できない話を書いた。国内の壁は厚く、海外は案外薄いとは、不思議な競馬の開催国だと感じる>と書いていました。
騎手の遠征と競走馬の遠征では異なると思うのですが、JRAが国際化を進めた一方で、同じ国内である地方との壁はまだ厚いな…と感じるところはありますね。
この地方騎手の海外遠征…というのは、中央の森秀行厩舎のユウチェンジによる2019年2月のカタール遠征。カタールG2の「アイリッシュサラブレッドマーケティングカップ」に乗る騎手を探していた…というものでした。
古谷剛彦さんによると、カタールの競走は、JRAに比べれば賞金は相当安いようです。国際競走とはいえ、ユウチェンジが出走するG2の1着賞金は、日本円で約1200万円程度。このレースは金曜日で、JRAのジョッキーに依頼しても承諾が得られない可能性が高かったとしていました。日本で乗った方がずっと儲かるから、ということでしょう。
それで、最初から地方ジョッキーに頼もうと思っていたが、当初考えていた騎手たちも、船橋の重賞などに騎乗依頼があり、思うように調整がつかなず子。そこでシーズンオフのあるホッカイドウ競馬の阿部龍騎手の名前が挙がったそうです。
ただし、シーズンオフとはいえ、 2歳馬の能検を1ヶ月後に控えている時期。阿部龍騎手は角川秀樹厩舎所属であり、能検初日から多数受検する馬がいる有力厩舎であるため、結局、忙しかったみたいですね。しかも、8日間も騎手を貸してほしいという要望でした。かなり難しい話でしたが、角川秀樹調教師は弟子の成長を期待して許可したそうです。
なお、結果は9着であり、やはり国内の競馬場で乗る予定のあった騎手には儲からない話ではありましたね。