2024年5月29日水曜日

最後のトウカイテイオー産駒キセキノテイオー、母キセキノサイクロンも有名馬

■2021/08/08 最後のトウカイテイオー産駒キセキノテイオー、母キセキノサイクロンも有名馬
■2023/03/18 台風でみな死亡、1頭だけ水害から生還したキセキノサイクロン


■2021/08/08 最後のトウカイテイオー産駒キセキノテイオー、母キセキノサイクロンも有名馬

 「最後のトウカイテイオー産駒キセキノテイオーがデビュー」という記事を見て、「ん?」と思います。そもそも近年トウカイテイオー産駒が走っているのを見た覚えがありません。さらに、記事の冒頭で「7歳」とあって、また「ん?」と思います。怪我で出て遅れも、7歳デビューというのは、ちょっとありえません。どうもいろいろと訳ありのようです。

<トウカイテイオーの最後の産駒として注目を集めているキセキノテイオー(牡7、北海道・岡島玉一厩舎)が22日、門別1R(ダ1000m・6頭立て)でデビュー戦を迎え、3番人気に推されたものの、6着に終わった。(中略)
 同馬は北海道・新冠の乗馬施設で乗馬競技用馬として過ごしていたが、トウカイテイオーの希少な血を残すべく立ち上げたクラウドファンディングプロジェクトにより競走馬への転向を目指し、2度目の競走能力・発走調教検査(以下、能検)で基準走破タイムをクリア。念願叶って、異例の7歳での競走馬デビューを果たした>
(【地方競馬】最後のトウカイテイオー産駒キセキノテイオー、デビュー戦は6着    2021年07月22日(木) 18時10分 より)
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=190625

 最後方を追走しそのまま最下位。タイムに関する情報がなかったものの、1着1:03.6、5着1:05.5から大きく離れた1:08.2 でした。完全に趣味ですね。ただ、悪い趣味ではないと思います。
 なお、母親がキセキノサイクロンというのが、ドラマチックですね。地元北海道で大災害があって流されたのに無事だった馬。記事でも、03年8月に日高地方に大きな爪痕を残した台風10号で濁流に流されながらも生還した逸話を持つ“奇跡のサラブレッド”と紹介されていました。

 コメントでは、<乗馬で使っていた馬を競走馬に仕上げるのって並大抵の努力じゃ出来ないよね。デビューさせただけでスゴいと思います>や<トウカイテイオーを愛した者として。走ってる姿を見れただけでも、胸いっぱいでした>といった温かなものが多め。ただ、早く種牡馬入りを!というコメントがなぜか多くなっていました。

<タイムオーバー(5秒)しなかったことで、これで「出走」が明確に認められるわけで、あとはどこまで意地を張るかの勝負になると思います。
だから、もう無理せず種牡馬入りでよいのではないでしょうか?レースで故障して死んでしまっては元も子もないです>
<宣伝効果としては、この一線で充分でしょう。このまま引退、種牡馬入りでいいでしょう。これ以上現役登録は多分時間の無駄になるかと>


■2023/03/18 台風でみな死亡、1頭だけ水害から生還したキセキノサイクロン

 同じ牧場の馬がみな助からなかった中、台風による水害から「奇跡的」に生還し、これにちなんで「キセキノサイクロン」の名付けられた馬について。だいぶ前の話で、2004/06/05に<台風から生還、夏に出走へ/名前はキセキノサイクロン | 全国ニュース | 四国新聞社>という記事が出ています。

<昨年(引用者注:2003年)8月の台風10号で大きな被害を受けた競走馬産地の北海道・日高地方。濁流に流されながらも奇跡的に生還したサラブレッドが、道営ホッカイドウ競馬でデビューする。その名も「キセキノサイクロン」。(中略)
 キセキノサイクロンは2002年3月、新冠町の畔柳作次さん(56)の牧場で生まれた牝馬。昨年8月9日夜、洪水で流され、数日後に約4キロ離れた門別町の牧場で発見された。大きなけがはなく、のんびり草を食べていた。再会したときは「よく生きとった。信じられなかった」という。
 台風では、この馬を含め畔柳さんが飼育していたサラブレッド4頭が流され、そのうち3頭は死んだ>
http://www.shikoku-np.co.jp/national/life_topic/20040605000038

 このエピソードは印象的でしたし、そのせいなのか、旭川でのデビュー戦は3番人気、その次のレースも2番人気となります。しかし、結果は最下位である9着、11着です。
 その後8番人気、6番人気と人気を落としつつも、実力以上の過剰人気を続けましたが、ブービーの11着、下から3番目の10着と戦績の方は相変わらず。この4戦で引退し、繁殖へ上がったようです。