2024年7月4日木曜日

ダートは重馬場で逆に早く?同日芝G1より早いタイムでレコード

■2020/04/30 ダートは重馬場で逆に早く?同日芝G1より早いタイムでレコード
■2024/07/04 ダートで重馬場になるとタイムが早くなる…断言していいの?


■2020/04/30 ダートは重馬場で逆に早く?同日芝G1より早いタイムでレコード

 もともとは2014年に書いていた話。2014年6月の安田記念を見ていて、「あれ?ミッキーアイル、何でこんなペースでバテててるの?」と思いました。最初の3ハロンが35.1、4ハロンが47.1です。全然早くありません。
 後で調べたものですけど、過去5年間の安田記念のタイムと最初と最後の3ハロンは33.9から33.9。35.1はあり得ないほど遅いとわかります。
 でも、その答えは簡単。過去5年間は良馬場、今回は不良馬場だったというだけです。

 私はいつも順番通りに見ないので、この後東京7Rのダートレースを見ました。すると、こちらは何か異常に早いんです。あれ?と思ってわざわざ画面を止めて確かめましたが、ダートの1600mで間違いありません。
 このレースでは、最初の3ハロンが33.9、4ハロンが45.4。しかも、そのままペースが落ちずに6ハロン目まで連続11秒台。(最初の1ハロンも12.0、その次は10.6。この後11秒台で連続です)
12.0    10.6    11.3    11.5    11.8    11.9    12.8    13.4
 芝は道悪になると間違いなくタイムが落ちますが、ダートの場合うまい具合に走りやすくなることがあり、一概には言えません。それにしたって無いだろう、このペースは…と思ってみていたら、離して走っていた2頭のうちの1頭が3着に粘ります。このペースでいいのか…。
 さすがに最後の2ハロンは12.8,13.4とかかりましたが、1:35.3。安田記念は芝1600でしかもG1ですから最高のメンバーです。それが1:36.8の決着でしたから、ダートの1600mの方が早いということです。しかも、これ、牝馬限定の500万下という低いクラスのーレスですからね。

 こりゃ話題になっているだろうと「東京 ダート」検索すると、12Rがレコードとのこと。えっ、7Rではなく12レース?と思って確認。以下のようなタイムでした。
12R    三浦特別  [サラ3歳上1000万下 混]  ダ1600m / 天気:小雨 / 馬場:不良
1着 トロワボヌール 1:34.1
2着 ジャッカスバーク 1:34.2
3着 ワイルドドラゴン 1:34.5
 こっちもダート1600。そして、1000万下なら当然500万下より早いですよね。本当にレコードかどうかも確認。過去の記録は以下でしたので、マジでレコード。しかも、0.3秒も縮めた上に、2着馬もレコード相当のタイム。相当特殊な馬場条件だったみたいですね。
1,600(ダート・左)     1:34.4     バーディバーディ    牡5          58  平成24. 6. 9(雨・重)(JRAホームページ|データファイル|中央競馬レコードタイム表より)

 ダート1600のレコードは上記の通り、前回も重馬場でした。これを含めて「サラブレッド系3歳以上」のレコード5つを見ると、不良2、重2、良1。やはり道悪の方がタイムが出やすいようです。
 バーディバーディ以外の記録保持馬は、マイティスプリング、フェラーリピサ、ヴァーミリアン、グルーヴィンハイの4頭。レコードって結構有名じゃない馬が取ることが珍しくないですけど、今回も1000万下で出てしまいました。
 どうせでしたらトロワボヌール(4歳牝馬)はこのまま出世していただいて、レコード保持馬にふさわしい馬になってほしいです。

2020/04/30追記:そう書いていたトロワボヌールですが、その後G1馬にこそならなかったものの、重賞を3つ勝つほど出世しました。レコードだから強いとは限らないと言われるものの、結構走りますね。


■2024/07/04 ダートで重馬場になるとタイムが早くなる…断言していいの?

 私は「ダートで重馬場になると逆にタイムが早くなることがある」くらいの理解でしたが、検索してみると、「ダートで重馬場になるとタイムが早くなることが知られている」といった感じで確定事項のように書いているサイトが結構ありました。
 ただ、信頼性に問題がありそうなところが多かったので、いろいろと検索。すると、JRA系のサイトでも似たような記述があったので、そちらを紹介します。他のサイトよりは控えめな書き方で、「ダートで重馬場になるとタイムが早くなる傾向がある」といった感じでした。

・重馬場・不良馬場とは?雨の日の競馬の勝ち方!|JRA-VAN(森永淳洋ライター)
<「道悪」とも表現される重馬場、不良馬場になると、芝・ダートともに良馬場と比べて大きな違いが生まれます。 まず、芝では水分を多く含むことで芝を植えている地面(路盤)は柔らかくなり、クッション性も低くなっていきます。また、芝が濡れることで滑りやすくなり、競走馬にとっては走りづらく、より地面を蹴るパワーが必要になってきます。そのため、良馬場と比較して走破タイムが遅くなる傾向にあります。
 一方、ダートでは芝とは逆の現象が起きます。砂は水分を含むことで引き締まって硬くなり、砂の中に脚元が沈みにくくなることで、競走馬にとって走りやすい馬場となります。そのため、走破タイムは良馬場と比べて速くなる傾向にあります。>
<重馬場、不良馬場になると「芝=パワー重視でタイムは遅くなる」「ダート=スピード重視でタイムは速くなる」と覚えておくといいでしょう。 そして、重・不良馬場となることで、良馬場で強い競馬をしていた馬が能力を全く発揮できずに大敗するパターンも少なくありません。それはなぜか? 競走馬には芝・ダートの適性、あるいは距離の適性があるように、良馬場と道悪馬場に対しての適性があるからです。>
https://jra-van.jp/fun/baken/index23.html