■2020/01/06 欧州では高評価も…ダノンバラード買い戻しは失敗?
■2020/01/06 日本の馬場はディープインパクト専用仕様、欧州向きは走らない?
■2020/02/16 良い種牡馬だが日本は不向き 切れ味なくタフな馬場が最適だった
■2020/09/14 この金額でダメ?なかなか売ってもらえなかったダノンバラード
■2020/09/14 売買成立までわざと走らせなかったダノンバラード産駒
■2020/01/06 欧州では高評価も…ダノンバラード買い戻しは失敗?
Our Pleasure 2018年10月号を最近になって読んでいて、ビッグレッドグループがダノンバラードをヨーロッパから買ったことを今頃知りました。 Our Pleasureはいつも1年遅れくらいで読んでいるので、情報が非常に遅いのです。
ダノンバラード購入は、ビッグレッドグループの馬であるナイママなどが当初走ったことが理由みたいですね。ただ、そのナイママはその後完全に伸び悩み。現役時代の競走成績より良い穴種牡馬としては評価できそうですけど、岡田繁幸さんが期待するほどの活躍馬となるのは難しいんじゃないかと思います。ディープインパクトは後継種牡馬に恵まれておらず、それがG1未勝利のダノンバラード…となると、ドラマとしては非常におもしろいんですけどね。私好みです。
前述のOur Pleasure 2018年10月号では、ザ・ブラッド 血統表を紐解く! T.I.Sでダノンバラードの話がありました。
こちらによると、英国バッツフォード牧場に繋養されていたダノンバラードは、クラシックのG1英2000ギニーや、中距離王決定戦のG1英チャンピオンSに勝って同牧場に繋養されていたハーフドを上回る評価を受けていたとのこと。このため、買い戻し交渉は難航したそうです。
ただ、ひょっとしたら日本より欧州向きだったのではないか?という見方もあり、 日本への買い戻しは裏目に出る可能性も感じています。
■2020/01/06 日本の馬場はディープインパクト専用仕様、欧州向きは走らない?
同じ記事によると、岡田繁幸さんは、ダノンバラード導入の5年前の2013 年の月刊優駿8月号で、以下のような話をしていたそうです。ビッグレッドは、ステイゴールド産駒のゴールドシップを種牡馬として購入していることを踏まえた上で読んでください。
「サンデー系に対抗可能な馬を、海外まで視野を広げて、これからも探します。そうして種牡馬事業の基盤を支えながら、常にサンデー系のトップを狙う。それが方向性ですね。ディープインパクトとステイゴールド、両馬はすでに有力な後継として名乗りを挙げていますから、その産駒の中から、今後の主流をなす種馬を手に入れたいと狙っています」
「あと5年後か、10 年後か、サンデー系の能力に世界中のホースマンがひれ伏す時がやって来ます。そしてこの先の20 年か30 年、サンデー系は君臨します。それくらいすごい存在なんです。(中略)なぜそこまで言い切れるかと言えば、ああいう体質が他の系統から出ないと知っているからなんです。僕自身、何かの拍子にサンデーみたいなのが出てくれないかって凄く期待してやってきましたけど、自然界は甘くありません。必然性がないと出てこないのです」
凱旋門賞でのディープインパクト産駒の成績はボロクソで、逆に日本のジャパンカップは海外馬がボロクソ。日本の馬場の特殊性は、ディープインパクト専用仕様とも 揶揄されていました。このことは欧州で高評価だったダノンバラードが、日本ではそうではないのでは?という見方に繋がるでしょう。
ただ、 日本調教馬ではないディープインパクト産駒は2018年に結果を出しました。英国でサクソンウォリアー、フランスでスタディオブマンと欧州でデビューした2 頭の直仔がG1競走を制しています。岡田繁幸さんの予言が当たったわけですね。海外でも通用するようです。
ビッグレッドグループのラフィアンやウインで出資している私としては、ダノンバラードも日本に合ってくれるとありたがいのですけど…。
■2020/02/16 良い種牡馬だが日本は不向き 切れ味なくタフな馬場が最適だった
ダノンバラードはもしかしたらうまく行かないかも…というコメントは、"ダノンバラードの掲示板 | 競走馬データ - netkeiba.com"( [6206] natumeさん)でもありました。
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2008103548
ダノンバラード産駒の傾向としては、ダノンバラード自身と同じで<早い上りはまず出せない>ということ。このため、芝の東京、阪神、京都、新潟の良馬場では極めて厳しい結果になっているといいます。重要な競馬場が多いため、やはり日本の馬場向きではないと言えるかもしれません。
一方良さとしては、<逆に馬場がタフになればなるほど、距離は伸びる程いい>ということ。さらに最終的には日本の馬場だと、圧倒的にダート向きになるという予想も。
やはり<まだ時期尚早かもしれませんが、ダノンバラードには日本よりも英国や欧州の馬場の方が合っていたとは思いますが>という結論です。
一発逆転の奇跡としては、ディープインパクトの子トーセンホマレボシ産駒で重賞を複数勝っているミッキースワローのように、切れ味を母系やディープの隔世遺伝で受け継いだ産駒が現れれば、元から有する底力と合わせて芝でも超大物を輩出する一発の魅力は十分にあると思うとのことでした。
■2020/09/14 この金額でダメ?なかなか売ってもらえなかったダノンバラード
ヨーロッパ向きと思われるダノンバラードは、現地でもそこそこ評価されていたことがわかる話が、Our Pleasure2018年12月号でありました。岡田紘和ラフィアン代表の巻頭のごあいさつによる導入の経緯でそれあがわかります。…と思ったのですけど、読み直してみると、現地での評価はそう高くなかったとも読めますね。
<最初にオファーしたのは昨年の11月上旬。売り情報が無い中でのオファーなので当然それなりの金額を提示したのですが、あっさりと断られ(中略)そこで倍の金額を提示しましたが、それも却下されます。全く売る気が無いわけではなく、手応え的にはさらに上の2億円を提示しても買えない可能性が高いと感じました。一方で、ヨーロッパでディープインパクト産駒Saxon Warrior やSeptember の活躍があるにしても彼らが当馬に対してそれだけ強気になれる根拠は乏しいこと、そしてそれだけ強気ならば他に売る可能性が低いことを考え合わせて、深追いはせずに一度引くことにしました。(中略)翌年の4月下旬に彼らからエージェントを通して「まだ興味はあるか」「同じ金額なら売っても良い」との話があったので、(中略)5月上旬に最後に提示した額より少し低い金額で売買契約書を結びました>
結果的にシンジケート総額は約1億8000万円となっています。
■2020/09/14 売買成立までわざと走らせなかったダノンバラード産駒
ちなみにダノンバラード初産駒が昨年のサマーセールに上場され、岡田繁幸総帥がそこでその1歳馬ナイママに非凡な才能を感じ自ら落札したところがきっかけ。売買契約書を結ぶまではもちろん、契約後から売買証書を交わすまではナイママに派手なパフォーマンスをさせるわけにはいかず、能力検査やデビュー戦の時期や時計には気を遣ったとのこと。安く買えるように工夫したという主張でした。
売買契約書は5月上旬。売買証書は不明ですが、支払い後の検疫に入ったのは6月29日だとのこと。ナイママは 売買契約書を結んだ後の門別 JRA認定フレッシュ(新馬) で勝利。2戦目は、すでに支払いが終わった後の7月末ですね。
そういえば、岡田総帥はナイママよりアルママの能力の方を買っている感じで、でかい発言もしていました。あれは、ナイママを目立たせなくする戦略のひとつだったのでしょうか。