■2021/12/05 日本では前代未聞 出産で引退してから復帰の宮下瞳騎手が通算1000勝達成
■2020/09/28 女性騎手減量は不公平?男性と能力差なしの研究がある
■2021/12/05 日本では前代未聞 出産で引退してから復帰の宮下瞳騎手が通算1000勝達成
応援している地方馬マイネルバサラの騎手がに宮下瞳騎手という女性っぽい名前だったので検索してみると、ちょうど直前に<女性騎手では前人未到 宮下瞳騎手が通算1000勝 名古屋競馬>(2021年11月18日 13時55分 NHK)という記事が出ていました。
(ちなみに宮下瞳騎手騎乗のマイネルバサラはこのレースでボロ負けして、ラフィアンのファンド解散で売却となっています)
<名古屋競馬に所属し、女性騎手の国内最多勝記録を持つ宮下瞳騎手が18日、名古屋競馬場で行われた第2レースで1着となり、通算1000勝を達成しました。
宮下騎手は、鹿児島県出身の44歳、平成7年に18歳でデビューし、その年の10月24日に初勝利をあげ、17日までに勝利数を999まで伸ばしていました>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211118/k10013352491000.html
幼いころ、祖父が飼っていた馬に乗ったことがきっかけで騎手に。地方競馬は原則、みずからが調教に関わった馬にしか騎乗できないため、宮下選手は、デビュー当初から足しげく馬のトレーニング場を訪れ、1頭でも多くの馬に騎乗できるよう努力を続けたそうです。
意外なことに伸び悩みはなく、順調に勝ち星を重ね、デビューから10年たった平成17年に、28歳で当時の女性騎手最多勝記録、351勝に到達。しかし、平成23年に、長男の出産を前に34歳で一度、現役を引退しています。こういうのはもったいないですね。
一方で、子育てをしながら「息子にジョッキーとして戦っている姿を見せたい」という気持ちが強くなり、トレーニングに1年をかけて2016年に騎手として復帰。名古屋競馬によりますと、出産を経験した女性騎手が再び現役の騎手としてレースに戻るのは国内では初めてで、極めて異例のことでした。
Wikipediaによると、競馬一家ですね。兄は宮下康一元騎手で、名古屋→新潟→上山→金沢→2003年引退→2014年現役復帰し兵庫→2018年引退…ということで、彼も復帰組。また、夫は元名古屋競馬場所属の小山信行騎手。2017年引退ということで、先に引退しています。
騎手を目指した動機はこちらでもう少し詳しいです。馬産地・鹿児島出身で祖父が趣味で馬を飼っており、草競馬でポニーに乗るなど馬といる生活が日常的で、兄が先に名古屋で騎手になっていたことも影響し騎手を志したとされていました。兄が先にデビューというのもポイントでしたね。
<同じ女性騎手であった赤見千尋(高崎→宇都宮)や増沢由貴子、田村真来(ともにJRA)とは同学年>だという記事もありました。「同期」とは書かれていませんが、この時期は女性騎手が集中した時期であるようです。
■2020/09/28 女性騎手減量は不公平?男性と能力差なしの研究がある
Our Pleasure 2019年5月号の連載スタッフルームは、ウイン事務局の
藤本敦子さんの担当部分がありました。こちらによると、 2018年1月に発表された英国リヴァプール大学の研究結果によれば「女性騎手と男性騎手は能力面で同等」というものだったそうです。そんな馬鹿な?と思うかもしれませんが、「騎乗機会や騎乗馬の質が同等なら成績は変わらない」というもの。これらが同等な状況にならないためにわかりづらいところがあるようです。
私は以前、海外では普通に女性騎手が大げさでなく活躍している…という話を書いており、意外ではありませんでした。こちらでも現在の活躍しているとわかる客観的なデータがあります。女性優遇がないニュージーランドでは、騎手免許保有者の40%以上が女性。さらに、リーディング上位も男女比率はほぼ同じという、決定的な結果が出ているそうです。
一方、日本では、JRAに続き、2019年4月からはNARでも女性騎手の負担重量減量制度を拡充。世界の流れに逆行しているように見えますし、能力差がないのであれば不公平であるように見えます。ただ、アリではないか?というのが、藤本さんの見方。どうもまずは女性騎手を多く呼び込んでレベルを上げてから、減量を縮小していけばいい…という考え方みたいですね。海外でもフランスでは2017年から同様の制度が採用していたそうですが、女性騎手の騎乗回数が急増して成績も上昇し、1年後には減免措置を縮小するといったことをやっていたそうです。