2024年12月4日水曜日

横山典弘よりすごい?菅原明良が新潟千直最内ポツンで大激走

■2021/07/30 横山典弘よりすごい?菅原明良が新潟千直最内ポツンで大激走
■2022/08/02 菅原明良騎手開拓の新潟千直最内が定番に?みんな内枠を走るように…


■2021/07/30 横山典弘よりすごい?菅原明良が新潟千直最内ポツンで大激走

 日本に直線競馬がなかった頃、海外の直線レースを見て、すごいおもしろい!と大興奮しました。馬は群れる習性があるので、内と外、2つの集団に分かれるのもおもしろいですね。ただ、日本ではこのようなことは起きず、外のみに集中します。普通のぐるぐる回るコースとの兼用のため、内の馬場が荒れてしまうためでしょう。
 ところが、この日本の常識を打ち破る騎乗を菅原明良騎手が、2021/07/25のアイビスサマーD(G3) のバカラクイーンで見せました。たとえ結果が出なかったとしても評価したいチャレンジでしたが3着。しかも、なんとオッズ130.0倍、14番人気での3着ですから大激走。現在はまだ2勝クラスで、格上挑戦であわや…という走りを見せました。

 菅原明良騎手は結構好きで、印象も良い若手騎手。私の私見評価ランキングを見ると、3.17で、152位中17位という良さでした。よくイメージと数字が一致しないことがあるのですが、イメージ通り、高評価です。
 バカラクイーンの掲示板でも好評で、菅原明良騎手が好きな私はホクホク…だったのですが、今見たら否定的なコメントが増えています。とりあえず、以下は好意的なコメント。
 掲示板では、「最内ポツン」ではなく「後方ポツン」で有名な横山典弘騎手が引き合いに出されて、思わぬところで流れ弾に当たってもいました。

[2233] まちけんさん
鞍上の肝っ玉の強さが半端ない
菅原君、やるねぇ
お見事です

 [2243] 馬人さん
馬の適性、外まで斜めに走るロス、開幕週の馬場
全てを考えて
このコース取りは素晴らしいですね。
こういう騎手がいると競馬が面白くなる
武井調教師の作戦なんですかね…

 [2246] TMFMさん
「常識は敵だ。」 JRA,CMより

 [2251] ダーインスレイヴさん
今後の千直のあり方に一石を投じた、大きな3着

 [2263] カシュカシュさん
歴史に残るポツン

[2265] 馬人さん
典騎手の奇策よりよっぽど理に適ってますよね
典騎手の人気馬におけるポツンの成功率は0.5%未満だそうです。
知り合いが調べたら。
これをやり続けるのはある意味すごい。
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2016101947


■2022/08/02 菅原明良騎手開拓の新潟千直最内が定番に?みんな内枠を走るように…

 2022/07/30の新潟12R、3歳以上1勝クラスでも、城戸義政騎手がケイティレインボーで最内ポツンをやりました。2匹目のドジョウとは行かず馬券内に入れない4着。ただし、9番人気の4着ですからね。掲示板ではネガティブなコメントもあったものの、十分立派な成績でしょう。
 なお、内外離れたため、2着だと誤解した人も多数。実況でもきわどいと言われていました。

 [393] ATM往復さん KUQIZ4Q
菅原の真似すんなら馬券内持って来ないと!

 [391] ゲストさん QVMwGBA
みんなの思ってた通りの騎乗をしてくれたと思います。
惜しかったね。ありがとう。

 [389] nonameさん NGVJWEk
張り替えたばかりの芝だから走りやすいのは当然
やることやってくれたな

 [386] ゲストさん MkhWloM
負けたけど、面白かった!

 [383] sumiさん IZkEAlA
見てて面白かったわナイス騎乗
仮にもスポーツって体でやるならこういうのがないとな
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2019104239

 この騎乗の影響もあったのか、翌日の重賞アイビスサマーダッシュの場合は、最内ポツン…ではなく、最内ちらほら。直線に最内に4頭という日本では珍しい競馬に…。前日の影響で内枠の馬たちのオッズも多少上がったでしょうが、最内を選択した内枠4頭の人気と着順は以下のとおりでした。

馬 番    人 気    着 順    馬名    騎手
1    9    10    ライオンボス    坂井
2    18    18    トウショウピスト    江田照
3    8    6    オールアットワンス    石川
4    13    5    スティクス    藤田菜

 こちらはほぼ人気通りの馬が多く、インパクト薄め。ただ、内を選択した4頭の中では一番外である2枠4番のスティクスで大健闘しました。2枠4番でも効果があるかもれない…となると、もう菅原騎手の開拓した最内コースはもはや奇策ではなく、定番となっていくかもしれませんね…。
 なお、この激走したスティクスの騎手は、藤田菜七子騎手。藤田菜七子騎手は、以前、よく新潟千直で勝っていた騎手であり、新潟千直がうまいという印象があった騎手でした。定石通り早めに前に行かせてており、今回もうまかったですね。アンチが多い騎手ではありますが、新潟千直のうまさは健在のようです。



2024年12月3日火曜日

岡田牧雄氏の軽量牝馬メロディーレーン 、G1でも活躍する

■2019/10/20 岡田牧雄氏の軽量牝馬メロディーレーン 、G1でも活躍する
■2019/10/21 オーナーズクラブLEX PROはノーザンファーム吉田勝己氏も関係
■2022/08/08 重賞常連のメロディーレーン、実はオープン入りしたのは割と最近


■2019/10/20 岡田牧雄氏の軽量牝馬メロディーレーン 、G1でも活躍する

 菊花賞出走馬の戦績を見ていて、 芝2400と2600で勝ち星のあるメロディーレーン が気になりました。父オルフェーヴルも良さそうです。ただ、いかんせん他の戦績が悪いです。なんとすでに12戦もしているのですが、大きく負けているレースも多いんですよね。さすがに無理かなと思いました。
 で、やめてから気づいたんですが、牝馬じゃん、この子。牝馬で菊花賞自体が珍しいですが、この戦績の牝馬でってのがさらに変わっています。
 これだけ多く使っている馬というのも変わっていますが、丈夫なことで連想されるマイネル軍団ではなく、親戚の岡田牧雄さん(岡田繁幸さんの弟)の馬。自分のところの岡田スタッド(兄が独立したために弟の方が継承)の生産馬でした。
 なお、掲示板では牝馬というよりも、馬体重の少なさが話題に。今回は+2で340kgでした。JRA最少体重Vの新記録を立てた馬で人気になったみたいですね。無謀そうなのに12番人気というのは、多少そういった投票もあったのかもしれません。
 ところが、なんと結果は5着で驚き。上がり最速で外から伸びました。長距離が本当によく合っているのかもしれませんね。


■2019/10/21 オーナーズクラブLEX PROはノーザンファーム吉田勝己氏も関係

 メロディーレーンは岡田牧雄さん名義ですが、実際には、馬主によって共同所有するオーナーズクラブLEX PROの所有みたいですね。
 ここを私は岡田スタッドの一口馬主クラブと思っていたのですけど、そうではなく馬主資格のある人での共同所有でした。さらに、ノーザンファームの吉田勝己さんなどの名義になることもあると知って、びっくり!
 岡田家では岡田繁幸さんの方とは吉田勝己さんらが知己なのは知っていましたが、岡田スタッドと繋がりがあり、いっしょにビジネスまでやっているとは思いませんでした。

<LEX PRO(レックスプロ)とは、株式会社レックスによって提供される競走馬の共同所有システム(オーナーズクラブ)である>
<中央競馬(JRA)または地方競馬の馬主登録を有する者を対象に、競走馬を分割(中央競馬は1/10、地方競馬は1/20)して販売する仕組みがとられている。(中略)募集される競走馬は岡田牧雄(岡田スタッド代表)、錦岡牧場、吉田勝己(ノーザンファーム代表)、吉田千津(社台ファーム代表吉田照哉の夫人)のいずれかが共有代表馬主となり、その名義でレースに出走する>(Wikipediaより)


■2022/08/08 重賞常連のメロディーレーン、実はオープン入りしたのは割と最近

 一般的に引退が早い牝馬なのですが、予想外なことにメロディーレーンは6歳の夏時点でもまだ現役。長距離戦線で息の長い活躍をしています。昔、クラブ馬では牝馬は年齢によって強制引退…みたいな悲劇もありましたよね。牝馬は繁殖牝馬としての価値がありわからなくはないものの、出資者ファーストとは言えない規約でした。
 メロディーレーンについては、<【次走】メロディーレーンは札幌芝の長丁場・丹頂Sへ 前走は宝塚記念にタイトルホルダーと姉弟で出走>(2022年07月08日(金) 19時29分)という記事が出ていました。タイトルの話は大したことないのですが、プロフィール紹介としては非常に良い記事です。

<メロディーレーンは父オルフェーヴル、母メーヴェ、母の父Motivator。半弟に昨年の菊花賞および今年の天皇賞・春、宝塚記念とGIを3勝したタイトルホルダーがいる血統。
 2018年10月に京都競馬場で行われた2歳新馬戦でデビュー。このときの馬体重は336kgで、JRAにおける最低馬体重出走記録となった。翌2019年3月には馬体重330kgで小倉競馬場の3歳未勝利戦に出走し、自身の記録を塗り替えている。キャリア10戦目、馬体重340kgで出走した未勝利戦で初勝利。1972年にジャンヌダルクが記録したJRA最小馬体重勝利記録を47年ぶりに更新した。
 芝2400m以上の長距離戦を主戦場とし、3歳時の9月に阪神芝2600mを勝ち上がった際の勝ち時計は日本レコード。追加登録料を支払い、3歳クラシック最終戦である菊花賞(GI)にも挑戦。その後は天皇賞・春(GI)などたびたび大舞台に顔を出し、キャリアを重ねている>
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=204949

 前述の通り、重賞によく出ていたのですが、なんと<昨年10月、半弟タイトルホルダーが菊花賞を制した翌週、姉である自身も古都S(3勝クラス)を制してオープンクラス入りを果たした>ということで、オープン入りしたのは割と最近。長距離レース特有の事情でもあるでしょうね。



2024年12月2日月曜日

マイネルフロストよりウインマーレライの方が高評価だった

■2021/06/09 トキメキスバルはダービー3着マイネルフロストや海外G1馬の近親
■2015/11/22 「この馬、実は今日、勝つんです」言葉通りマイネルフロスト勝利
■2015/12/4 マイネルフロストよりウインマーレライの方が高評価だった
■2015/12/4 古谷剛彦「大物感があるのはウインマーレライ」
■2015/12/4 マイネルフロストより人気だった社台や山本英俊の馬のその後は?
■2014/9/26(2022/07/27再録) マイネルフロストと競優牧場 母スリースノーグラスは未勝利だった
■2019/02/02 早熟心配したマイネルフロスト、息長く活躍して馬主孝行
■2020/07/16 牧場時代はやはりマイネルフロストよりウインマーレライを評価


■2021/06/09 トキメキスバルはダービー3着マイネルフロストや海外G1馬の近親

 マイネルフロスト特集のページ…なのですけど、それだけじゃ読まれないだろいうことで、マイネルフロストの近親でPOGで良さそうな馬を探してみることに。ただ、あまりこの牝系は日本にいませんね。注目馬を見つけられなくて困ります。
 そもそも2021年の2歳は、父ベルシャザール・母フローラルジュノーのトキメキスバル1頭しかいない感じ。マイネルフロストから見ると、いとこにあたります。マイネルフロストの下は今年の2歳にはおらず、来年でした。

 日本では成功していない牝系で、活躍したのは、ダービー3着・毎日杯1着などのマイネルフロストただ1頭。でも、海外だと結構すごい馬が近縁にいます。
 牝馬ウィンター Winterは、あのA.オブライエン厩舎で、英1000ギニー(G1)、 愛1000ギニー(G1)、コロネーションS(G1)、ナッソーS(G1)に勝利。どこかで見た名前だと思ったら、2017年の凱旋門賞にも出走していました。このときは9着ですが、3番人気だったということで、評価の高さがわかります。
 また、 同じ牝系では、デフォー DefoeというG1馬も。ウィンターと同じくコロネーションC(G1)を勝った他、重賞を多数勝利。母がDulkasheという名前で、父もDalakhani(ダカラニ) であり、 いつもとちょっと違うネーミングセンスではありますが、馬主はアガ・カーン殿下だろうと思ったら違いました。オバイド殿下(Sheikh Mohammed Obaid Al Maktoum)という方だそうです。

■2015/11/22 「この馬、実は今日、勝つんです」言葉通りマイネルフロスト勝利
 
 ビッグレッドファーム明和の松尾邦弘さんのエピソード。(Our Pleasure 2014年6月 馬恋慕 河村清明より)

-----引用 ここから-----
 以前、種牡馬の担当をしていた頃から、功労馬・コスモバルクの面倒は松尾さんが見ることが多かった。その流れがあって、バルクが函館競馬場でファンにお披露目されることになった去年8 月11日、馬運車に乗って松尾さんが随行した。
 久しぶりに競馬場に入るのだから、バルクには伝染病の検査が必要になる。だから前日の午後、現地に到着した。それがコスモス賞の土曜日である。
 ̶ じゃ、3 時くらいから検査しますね。
 担当獣医に言われた時、松尾さんはこう願い出たという。
 マイネルフロストという馬が10レースに出ます。<b>この馬、実は今日、勝つんです</b>。どうしても口取りに参加したいので、検査はそのあとにしていただけないでしょうか、と。
 申し出に獣医も頷いてくれた。
 「それくらい自信があったわけですね?」
 松尾さんに聞いた。
 「新馬を勝ったあと明和に戻ってきました。入厩前より成長していましたし、心肺機能も上がっていました。たいていの馬は“3 速” か“4 速” で一杯になるんですけど、フロストはそこでも楽に追走できて、もう一段上の“5 速” があるんですよね。だから自信を持って送り出せたんです。
 ゆったり、大跳びの、2000mを超えたくらいで強さが出るタイプです。我慢も利くし、ずんずんずんずんと、バテずに伸びるので、東京向きと思います。あまり思い込まず、以前の(マイネル)デスポットの菊花賞の時のように自然体で当日を待てば、いい結果が付いてくるんじゃないでしょうか」
-----引用 ここまで-----

 「いい結果が付いてくるんじゃないでしょうか」というのはダービーの話。で、ダービーがどうだったか?と言うと、大方の予想を裏切って大激走。12番人気の3着でした。
 菊花賞が案外だったので、距離が長ければ長いほど良いということはないようですが、2500くらいまでは守備範囲内。十分に戦えている感じです。


■2015/12/4 マイネルフロストよりウインマーレライの方が高評価だった

 マイネルフロストとウインマーレライは、同じビッグレッドファームグループです。しかも、それだけでなく、同じ高木登厩舎。つまり、同厩です。しかし、なぜかこの2頭は同じデビュー戦となりました。
 私はマイネルフロストに注目していたものの、ビッグレッドファームグループの評判ですとウインマーレライが良かった印象なので、てっきり人気になると思っていました。ただ、思ったほどではありませんでした。

ウインマーレライ 3番人気 4.2倍
マイネルフロスト 5番人気 13.1倍

 1番人気、2番人気ではなかったものの、やはり人気でもマイネルフロストよりウインマーレライの方が上。結果は、このレースはマイネルフロストが1着、ウインマーレライが2着。しかし、それでも負けたウインマーレライの方が評判が良かったのです。
 マイネルフロストは2戦目を勝ったときもそんな感じで、以降も常に低評価。そういうタイプですね。とはいえ、このデビュー戦でウインマーレライの評価の方が良かったのはわかります。明らかに馬が若かったためです。


■2015/12/4 古谷剛彦「大物感があるのはウインマーレライ」

 古谷剛彦さんも、マイネルフロストが現時点のセンスで勝ったが、大物感があるのはウインマーレライとしていました。(Our Pleasure 2013年8月号 古谷コンシェルジュの競馬観 古谷剛彦 より)

-----引用 ここから-----
 どの競馬でも本来、スタート後の位置取りから行き脚がつき、落としかける2F 目は極端に速くなることが多いが、このレースは12 秒0という超スローでどの馬も折り合いに気を使う印象を受けた。
 その中でMフロストは好位の内で辛抱でき、どんな距離にも対応できるだけの<b>センスを示した。</b>
 そして、Wマーレライはトモが緩いこともありダッシュがつかず、後方3 番手から進む展開となったが、直線の長い東京ながら4 コーナーからエンジンを吹かし、馬群の外をグングン上がっていく。(中略)
 <b>内ピッタリを立ち回った</b>Mフロストが直線で力強く抜け出し、大外から豪快にWマーレライが強襲。Wマーレライは<b>フラフラ走っていた</b>が、ゴールに近づくにつれMフロストに迫ったものの、<b>ロスなく立ち回ったアドバンテージ</b>を生かし追撃を振り切ったMフロストに凱歌が上がった。
 高木登厩舎のワンツーとなったが、2 週続けてこの2 頭は併せ馬を行い、1 週前のウッドではMフロストが、最終の坂路ではWマーレライが先着し、甲乙つけ難い評価だったが、現時点でのセンスの高さでMフロストに軍配が上がった。しかし、Wマーレライの荒削りな走りは<b>大物感を漂わせ</b>、この号が発刊された頃には福島で2 戦目の結果が出ているだろう。
 マツリダゴッホ産駒がブレイクしているだけに、その中でも屈指の存在と評判のWマーレライも、その流れに続きたいところだ。
-----引用 ここまで-----



■2015/12/4 マイネルフロストより人気だった社台や山本英俊の馬のその後は?

 マイネルフロスト派の私には嬉しい誤算ですが、新馬戦以降もより活躍しているのはマイネルフロストの方です。ただ、ウインマーレライも重賞を勝っており、どっちも立派。同じ厩舎で同じビッグレッドファームグループなのに、なぜ新馬戦で同じレースに出したのか?と本当思います。

ウインマーレライ 1600万下 7,105.5万円 ラジオNIKKEI賞(G3)1着など
マイネルフロスト オープン 16,423.5万円 毎日杯(G3)1着、東京優駿(G1)3着、福島民報杯(OP)1着など

 ついでにこの2頭より人気だった2頭の現在も。

1番人気15着 アピシウス 500万下 1,190.0万円 (藤沢和雄厩舎、山本英俊)
2番人気6着 ロッカバラード 500万下 1,763.6万円 (二ノ宮敬厩舎、社台レースホース)

 2頭とも勝ち上がっており、十分成績は良い方なのですが、重賞勝ちのあるビッグレッドファームグループの2頭と比べると見劣りします。
 アピシウスはセリで2,205万円なので高額馬じゃありませんが、ロッカバラードは社台ファームの馬。ビッグレッドグループのような競走馬ファンドの馬の醍醐味は、こういう馬に勝つことですね。爽快です。



■2014/9/26(2022/07/27再録) マイネルフロストと競優牧場 母スリースノーグラスは未勝利だった

 マイネルフロストで検索していて見つけた<毎日杯 G3 | 重賞ウイナーレポート | 競走馬のふるさと案内所>という記事。マイネルフロストが生まれた競優牧場を紹介する内容でした。タイミングとしては、毎日杯を勝ったときのものですね。

<マイネルフロストの生まれ故郷は新冠町にある競優牧場。昭和7年に創業され、過去には1967年の朝日杯3歳S や1969年の天皇賞(春)などに勝ち、69年には年度代表馬になったタケシバオーや、そのタケシバオーの産駒で1985年のウィンターS(G3)に勝ち、86年のフェブラリーH(G3)2着馬チェリーフット、同じくタケシバオー産駒で1984年のクイーンS(G3)優勝馬で、86年の新潟記念(G3)3着、カブトヤマ記念(G3)3着、87年の福島記念(G3)3着と長く活躍したハッピーオールトンなどを生産した牧場だ。現在は40ヘクタールの土地に14頭の繁殖牝馬をけい養している>
http://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_76594

 競優牧場の生産馬では、超有名なタケシバオーがいます。ただ、いかんせん古いすぎで、誰それ?状態な人も多いでしょう。これが代表馬というのは、近年の活躍馬はいないということでしょうね。
 一応、netkeibaで検索してみると、タケシバオーが古すぎるせいか、出世頭がマイネルフロスト。タケシバオーのデータは未反映のようです。

マイネルフロスト    牡    2011    12,289.20
テイエムリキサン    牡    2000    10,852.00
スリージェム    牡    2001    10,796.80
テイエムジェネラス    牡    1999    10,494.20
ヒゼンノムサシオー    牡    1990    10,063.50
ハッピーオールトン    牝    1981    9,276.00
パラダイスシチー    牡    1999    8,869.40
リキサンフラッシュ    牝    1991    7,939.70
ダノンシャトル    牡    2002    7,889.90
ダイゴウマイオール    牡    1991    7,557.40
エレガントダンサー    牝    1991    7,281.60
ケイビイスパイダー    牝    1999    6,757.70
テイエムフルパワー    牡    2004    6,285.20
ジルハー    牡    2002    5,710.80
エレガントクイン    牝    1990    5,599.60
テイエムシバスキー    牡    2006    5,199.00
リキサンロック    牡    1988    4,783.00
エレガントブーケ    牝    1990    4,400.00
ホーマンマリモ    牝    1984    4,331.00
ハマノドルフィン    牝    1993    4,321.10
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_list&breeder=%B6%A5%CD%A5%CB%D2%BE%EC

 テイエムリキサンはクラシック戦線を湧かせた馬。ただ、10年くらい前ですのでやはり近年活躍馬はいなかったと言えます。テイエムリキサンは重賞も買っていないどころか、2勝のみでしたし、内容的にも完全にマイネルフロストがトップです。

 成績の話はこれくらいにして、記事の続きを。競優牧場の榊明彦さんはマイネルフロストについて「放牧地では馬格的にも決して目立つようなタイプではありませんでしたが、気性の強い馬でした。そういったところがレースで良い方向に向いているのかもしれません」としていました。ラフィアンに来てからも、同じ放牧のグループ内でボス馬だったようです。
 過去にもボス馬で活躍馬はいます。ただ、ラフィアンの他の例を見ると、高額のボス馬がさんざんだったなど…必ずしもボス馬だからと言って結果に繋がっているわけではありません。グループの数だけボスがいると考えると、あるグループのボス馬なんて珍しくない…とも言えそうです。

 競優牧場の榊明彦さんはマイネルフロストの父馬ブラックタイドについては、「現役時代から注目していた馬です。競走馬としては脚部不安のために大成することはできませんでしたが、血統や馬格から秘めた能力はG1級と評価して期待している種牡馬です」と、その配合理由を語っています。

 一方、母馬のスリースノーグラスは"米国で1歳時に買い求めたダイヤモンドスノーが残した最後の産駒"。祖母ダイヤモンドスノーは、ダート1200mの未勝利戦を逃げ切るスピードを見せたものの、結局その1勝のみだったといいます。
 「スリースノーグラスはソエなどの理由もあってJRAでは勝てませんでしたが、牧場時代は評価の高い馬でした。未勝利のままというのもかわいそうだったので、ホッカイドウ競馬と兵庫で3勝をあげてから牧場に戻しました」としていますが、母親も戦績としてははっきり言って悪いです。
 マイネルフロストの上も中央未勝利ですし、こういう血統から活躍馬を見つけ出してくるのが、ラフィアンの真骨頂ですね。


■2019/02/02 早熟心配したマイネルフロスト、息長く活躍して馬主孝行

 2014年9月20日に<馬体重増えなかったマイネルフロスト、成長が心配 早熟懸念は?>という投稿をしていました。当時< 今一番好きな馬で低評価の度にこなくそ!と思っていたんですが、その私が不安になってしまった話>として、ラフィアンターフマンクラブの所属馬情報を紹介した上で、以下のような感想を書いていました。

2014年9月19日(金)
マイネルフロストは、9月21日(日)新潟11R・セントライト記念G2・芝2200mに柴田大知騎手で出走します。(中略)高木調教師は「<b>中間の計量では492キロ。484キロだった前走とそう変わらない馬体重でレースを迎えることになりそうです</b>」と述べていました。
http://www.ruffian.co.jp/belonging/list/belong_list_detail.php?hcd=111112

<うーん、3歳の休み明けで馬体重増えていないってのはちょっと意外。増えてて欲しかったなぁ。
 心配になって「マイネルフロスト 早熟」で検索しましたが、そういった声はなし。早熟って言う場合はもう少し前の時期を言うことが多いですから、ダービー3着などでその懸念は薄れたせいかもしれません。
 ただ、秋以降活躍しなくなっていると嫌だなぁ…>

 しかし、マイネルフロストは8歳にしてまだ現役とむしろ息長く走りました。怪我してついに引退かと思ったものの、現役続行。7歳時は賞金410万円のみですので、ちょっと不思議な判断でしょう。
 ひょっとしたら各種手当で稼げそうだと見ているのかもしれません。各種データで記載される5着までの賞金として稼げていないのですが、 それ以外にもいろいろともらえます。オープンクラスだとそれだけでも大きいのかも。また、唯一の賞金が7歳の12月であり、まだ行けそうだと判断したのかも。
 なお、すでに引退したウインマーレライと総額賞金は、その後さらに差が開いていました。

ウインマーレライ 1600万下 7,375万円 ラジオNIKKEI賞(G3)1着など
マイネルフロスト オープン 2億5,118万円  毎日杯(G3)1着、東京優駿(G1)3着、福島民報杯(OP)1着など

2022/01/30追記:ただ、その後、マイネルフロストは競走中に故障発生で予後不良に。使いすぎのせい…という感じの怪我ではなかったのですが、競走成績の割に引っ張りすぎたかな…とは思いました。終盤は収益的にマイナスが嵩んだだけ。ラフィアンが不振なので、活躍が見込めなくても長く走らせて出資者から回収しているんじゃ?とちょっと思ってしまいました。
 同じラフィアンではマイネルバサラ(同じくかつての重賞馬でもあります)も引退が遅すぎた感じ。厩舎側の方針だったのかもしれませんが、状態が上向かないと言って長期間レースに出ずに調整を長長と続けた末、やっと出たレースで惨敗してやっと引退。当然終盤の収益は悲惨なことになっています。
 マイネルフロストの不信感と合わせて、これらは私のラフィアン退会の理由の一つになりました。



■2020/07/16 牧場時代はやはりマイネルフロストよりウインマーレライを評価

 その後、マイネルフロストは競走中に故障発生で予後不良に。非常にショックで、しばらくはなにかあるたびに思い出しましたし、他の人の反応も見たくないと思って見ないようにしていました。
 今回の追記は、 Our Pleasure2019年3月号の高木登調教師のインタビューでマイネルフロストの話が載っていたため。ちょうど当初書いていたウインマーレライとセットで出ています。
 そもそも高木登厩舎はマイネルフロストが重賞初勝利で、その次がウインマーレライだったようです。そして、本来なら同じ新馬戦に出したくなかったとしていました。理由は相変わらず不明ですけど…。あと、やはりマイネルフロストは、当初は期待されていなかったという話もしています。

「今でもウチの厩舎スタッフはあのレースを『伝説の新馬戦』と呼んでいます(笑)。正直な気持ちを言うとどちらも凄い馬でしたから、同じ厩舎で同じ新馬戦にぶつけたくはなかったですけどね」
「マーレライはコスモヴューの坂路でも抜群に動いていて能力は感じていたのですが、トレセン入厩後の1本目のコースでの追い切りでは物見をしてまったく動かないなど、粗削りな部分が多かったんです。対してフロストは牧場の評価はそこまでではなかったですが、入厩後も優等生タイプで、マーレライとの追い切りで先着を見せて、『これは行けるな』という感じになったんです。この時はウチの厩舎もまだ重賞未勝利で、将来のことまでは分かりませんでしたが、後々それぞれが重賞を獲ってくれて本当に嬉しかったです」

2024年12月1日日曜日

落馬しても競馬は終わりじゃなかった 再騎乗すればレース再開できる

■2015/7/2 落馬しても競馬は終わりじゃなかった 再騎乗すればレース再開できる
■2015/7/2 ルール変更による珍事?出走馬が全て落馬してそのままレース終了
■2019/10/11 騎手なしでも後方待機から直線猛烈な追込を見せたウインテンダネス


■2015/7/2 落馬しても競馬は終わりじゃなかった 再騎乗すればレース再開できる

 常識なのかもしれませんが、私は「え、知らなかった!」と驚いたのが、<「落馬・再騎乗」ルール消滅に揺れる競馬の祖国(競馬)>(スポニチ Sponichi Annex ギャンブル 合田直弘の海外ターフ事情 [ 2009年10月15日 21:47])という話です。

<競馬には「落馬・再騎乗」というルールがある。一度落馬しても、他人の手を借りずに再び騎乗すれば、レースに復帰できるという決め事だ。実際には、騎手を失った「空馬」の多くはスタコラ逃げて行くから、あまりお目にかかることのない事象だが、01年の中山グランドジャンプで、ニュージーランドから来日して人気になったランドが、2周目のバンケットで滑って落馬した後に、ラム騎手が再騎乗して完走を果たしたことがあるので、ご記憶のファンもいるはずだ>
http://www.sponichi.co.jp/gamble/column/foreign/KFullNormal20091015032.html

 記事の「落馬・再騎乗」ルール消滅に揺れている…という話自体はイギリスのもの。まず、「再騎乗不可」とする理由について主催者の英国競馬統轄機構(BHA)は、落馬事故で負傷した可能性がある馬や騎手がレースを続けるのは危険なためと説明しています。
 記事では、確かに、発走前に落馬があった場合は馬体検査を行うのが慣例で、これに照らし合わせれば、何のチェックもなくレースを続けるのはおかしいという主張に一理あるという見方を示していました。
 一方で、騎手たちは"「何を今さら」と猛反発"しているとのこと。私としては、主催者の主張に説得力を感じますね。今さらだからと言って、改善しない理由にはなりません。
 


■2015/7/2 ルール変更による珍事?出走馬が全て落馬してそのままレース終了

 結局、再騎乗禁止のルールは実現されたんだろうか?と検索すると、以下の動画が出てきました。

-----引用 ここから-----
-ホースニュース俺-(無期休刊) : イギリスの障害レースで出走馬4頭が全て落馬しそのままレース終了

1 名前:ドドドド人φ ★[] 投稿日:2011/03/19(土) 10:00:00.37 ID:???

    現地時間17日、英トゥチェスター競馬場で行われた障害レース(2mile 3・1/2f)で出走馬4頭が全て落馬し、競走中止となって1頭もゴールできずに終わるというハプニングがあった。

    レー スでは、まず向こう正面入り口で2頭が落馬し、人気の2頭が競り合う展開となった。その後、1番人気馬が3~4馬身抜け出したが、最終障害を飛越する直前に騎手が突然滑ってバランスを崩して落馬。最後の1頭もこの落馬の巻き添えを食らって落馬。今季からルールが変更され、落馬後の再騎乗が認められなくなったため、この落馬で全頭競走中止となり、1頭もゴール出来ずにレース終了となった。

    なお、ノーザンプトンC&E紙の競馬担当記者は、「これは本当に歴史的なハプニングだ。誰も傷付いてないように思われる。プライド以外は」とコメントしている。
    (文責:ドドドド人 φ★)

    主なソース
    http://www.northamptonchron.co.uk/news/
http://blog.livedoor.jp/horsenews_orz/archives/2912643.html
-----引用 ここまで-----

 ルールの変更おかげでこのような珍事も起きたのかも。でも、仕方ないでしょうね。



■2019/10/11 騎手なしでも後方待機から直線猛烈な追込を見せたウインテンダネス

 落馬関係ということでここに追記。2019年10月6日の京都大賞典、ウインテンダネスは発想直後に騎手が落馬のために「競走中止」。ただ、競馬でいう「競走中止」は馬が走るのをやめることを意味するわけではありません。馬はむしろ走り続けることが多いです。
 馬の特性を知らない人は、馬がレースを続けているように見えるのを不思議に思うでしょうが、これは馬の習性としてはそれほど不思議ではありません。馬は群れをつくる動物で、仲間といっしょに走りたがるのです。海外の直線競馬では広いコースなのにも関わらず、両ラチ沿いに2つの集団に分かれて固まるケースが見られます(日本の直線競馬は周回する競馬場との併用で馬場の荒れ方に偏りが出るため、内ラチ側を走る馬はあまり見られない)。

 ただし、いっしょに走りたがるとはいえ、途中でコースを外れてしまう、ペースアップで置いて行かれるということもよくあり、最後まで走り切るとなると、やや回数が少なくなります。
 ウインテンダネスで特に驚いたのは、後方待機で最後の直線の一番速くなるところでむしろペースアップして、外からではなく中からごぼう抜きして6着相当になってしまったこと。並走していていっしょにペースアップは結構あるものの、後方待機で馬群の中からごぼう抜きはかなり珍しい気がしますね。
 netkeiba.comの掲示板では、以下のような感想が出ていました。

 [2817] わたくんさん
直線向いた途端まじめに走り出して馬って頭がいいんだね。少なくとも4コーナーを知っているということだから、スタートの位置が今日はここだから1600だなとか距離とかも分かってるんじゃないかと思えてきた。馬は走る距離を知らないと言われてるけど、実は知ってたりしてね。
 [2798] シルバさん
リプレイ見たけど、道中は後方で待機しつつ、直線では内から馬群を割りながら綺麗に伸びてたのが素晴らしかった。
この仔は本当に賢いですね。
騎手無しでこういう走りが出来るのは素直に凄いと思いました。
 [2807] ミヤザキさん
>>2798
わかる
6着入線にきたのは斤量がなくなったからまあわかるけど馬群割ってきたのはすごい
 [2802] あしゅらくんさん
マイナス56kgハンデありとはいえ、足を溜め馬郡をさばいて、素晴らしい競馬でした
 [2805] ラスカルさん
真面目に走ってて驚いたw
普段から調教されていることをしっかり守ってる頭の良い馬だ