2024年5月8日水曜日

競走馬は「生まれてすぐの馬体を見る方が判りやすい」と言う調教師の思惑

■2016/1/8 競馬評論家が言う「馬は幼いころから特徴が変わらない」は本当なのか?
■2016/1/8 競走馬は「生まれてすぐの馬体を見る方が判りやすい」と言う調教師の思惑
■2016/1/8 これも商売…牧場の人が「馬は見ても判らない」と言うにも思惑がある


■2016/1/8 競馬評論家が言う「馬は幼いころから特徴が変わらない」は本当なのか?

 Enjoy Ruffian2009年9月号 Bell The Horseで、ラフィアンの岡田紘和代表は、「馬は幼いころから特徴が変わらない」と言う競馬評論家がいるという話をしていました。また、「生まれてすぐの馬体を見る方が判りやすい」と言う調教師がいるそうです。
 私も「競走馬は一度馬体が完成する」と聞いたことがあります。これが生まれてすぐのことだったかもしれません。

  ところが、「馬は見ても判らない」と言う生産者もいます。
 これでわかるように、"これらには多かれ少なかれ、それぞれの見栄や思惑があります"と、岡田紘和代表が指摘していました。ポジショントーク的なところがあるんですね。

 明らかに嘘くさいのは、一部の競馬評論家の言う「馬は幼いころから特徴が変わらない」というもの。
 当然ながら、変わる特徴もあれば、そうでない特徴もあります。また、生育環境が悪ければ、これまた当然ながら立派には育ちません。普通の話です。


■2016/1/8 競走馬は「生まれてすぐの馬体を見る方が判りやすい」と言う調教師の思惑

 おもしろいのは、残りの二つについての指摘。はっきりと発言者の「思惑」が見られるものです。
 まず、"「生まれてすぐの馬体を見る方が判りやすい」と言う調教師"の話。

-----引用 ここから-----
「生まれてすぐの馬体を見る方が判りやすい」という可能性は完全に否定はすることはできませんが、成馬に近づく程判断がし易いのは明白です。調教師には早いうちに良血馬を確保したいとの思惑もあるので、馬主に勧めるには上手い言い方です。
-----引用 ここまで-----

 調教師さんが馬主さんに良さげな馬を早く買ってほしいがための、セールストーク的なもののようです。実際、調教師さんが勧めた馬が百発百中で走るかというとそうではありませんから、真実ではないと考えていないでしょう。


■2016/1/8 これも商売…牧場の人が「馬は見ても判らない」と言うにも思惑がある

 成長した方が見やすいのでしたら、生産者は活躍する馬がわかっていそうなものです。しかし、その生産者も「馬は見ても判らない」と言います。
 これはわかりやすいですね。走らない馬がわかっては、売れなくなりますもの…。生産者側にも誇張が入っているのです。

-----引用 ここから-----
 それは生産馬を売却して成り立っている牧場主は、「馬は判らない」ほうが都合が良いからです。JRAで新馬・未勝利戦を突破できるのは年間約1400頭。日本での年間生産頭数は7000頭から8000頭ですから、生まれた馬の5~6頭に1頭しか勝てないということです。つまり走らない馬の方が多いので、仮に売り手が「馬を見れば能力が判る」としたら、ほとんどの場合走らないと知っていて売ったということになります。でも、生産者ははっきり判らずとも、同じ世代の生産馬や兄姉と比べてどうかぐらいは感じているはずです。
-----引用 ここまで-----

 ただし、"馬体観察で能力を判断することは可能ですが、非常に難しい"ということで、簡単ではないことは確かです。「馬は見ても判らない」は大げさではあるものの、実際、かなりわからないのは本当でしょう。
 1歳馬セールのようなかなり成長した後のトレードの高額馬でも走らない、デビュー直前コメントが外れる、ということもよくあります。

 この話をしていた岡田紘和さんのラフィアンは、勝ち上がり率が上記のものよりは明らかに高く、かなりよく見極めている方。特にここは安い馬が主体ですから立派です。
 とはいえ、勝ち上がらない馬が多いのも事実。こんな風に馬体の見極めは非常に難しいわけですが、難しいからこそ他と差をつけることができます。チャンスがあると考えられるかもしれません。