2025年12月16日火曜日

出走資格がない馬がいたことが判明し除外 前日になって判明

■2025/12/16 出走資格がない馬がいたことが判明し除外 前日になって判明


■2025/12/16 出走資格がない馬がいたことが判明し除外 前日になって判明

 タイトルだけで大体わかる”17日の大井競馬9Rで出走資格がない馬がいたことが判明 レース前日に競走除外 - スポニチ競馬Web”(2025年9月16日 20:53)というニュース。すでに馬番まで発表された後であり、他のレースに使うわけにも行きません。主催者側のミスでしょうね。実際、謝罪しています。

<17日の大井競馬第3日目9R「JRA交流フォーチュネイトりんどう特別」で、4番ホワイトマジック(牡3=大井・市村)が出走資格を満たしていないことが判明。競走除外となった。>
<大井競馬場は公式ウェブサイトで番組編成上の誤りと発表。「お客様ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。深くお詫び申し上げます」と陳謝した。>
https://keiba.sponichi.co.jp/news/20250916s00004049322000c

 「JRA交流フォーチュネイトりんどう特別」の南関東所属馬の出走資格は、「3歳C1級格付及び未格付選抜馬」でした。ホワイトマジックは3歳未格付であり、この条件は満たしています。
 しかし、出走資格は、「3歳C1級格付及び未格付選抜馬」の後、「ただし、直前の開催でB3級以上に格付けされた馬は除く。また、JRA認定競走・指定競走・中央競馬未勝利交流競走・JRA競走勝馬は除く」と続いていました。
 ホワイトマジックは、ホッカイドウ競馬所属だった3走前に門別の中央競馬未勝利交流競走「リゲル特別」で勝利しています。なので、出走資格条件の最後から2つ目「中央競馬未勝利交流競走」に該当。本来なら別のレースに出るべきだったようです。

 ホワイトマジックはその後、1ヶ月近くたった2025.10.06に出走。結局、C2格付けになったようです。これを1番人気で1着。2番人気と1.7秒差の圧勝でした。前述の中央競馬未勝利交流競走勝利馬であり、「格付けに恵まれた」と評されていました。
 さらに次も同じC2格付け(地方の格付けはここらへんややこしく、昇級するとは限りません)でこちらも1番人気1着となっています。ということで、順調に稼げて入るのですけど、それでもやはり1ヶ月無駄にしたのはもったいなかったですね。


デヴィッド・イーガン騎手、日本の独特の競馬にも最初から適応

■2022/12/12 デヴィッド・イーガン騎手、日本の独特の競馬にも最初から適応


■2022/12/12 デヴィッド・イーガン騎手、日本の独特の競馬にも最初から適応

 デヴィッド・イーガン騎手が日本に来て、良い馬に乗りまくっています。香港競馬に有力外国人騎手が行ったタイミングで、軒並み有力馬をイーガン騎手に回した感じです。馬質が高すぎるというのもありますが、早速勝利も記録。まだまだ勝てそうな感じがあります。
 このデヴィッド・イーガン騎手に関して、<D・イーガン騎手が栗東初訪問「日本へ来るのは夢だった」阪神JFでアロマデローサに騎乗予定 - 競馬 : 日刊スポーツ>[2022年12月9日9時50分 ]という記事が出ていて、あれ?と思いました。また、「騎乗初日にJRA初勝利」とも書いている記事もあります。
 まるで初来日のように書かれているものの、私の競馬騎手メモでは数戦評価があり、初来日ではないはずです。

<初の短期免許を取得したデヴィッド・イーガン騎手(23)が8日、栗東トレセンを初めて訪れた>
<さっそく調教にまたがり「自分のいるニューマーケットに似ている。日本へ来るのは夢だった。多くの騎手や調教師とコネクションをつくりたい。スタートを出ていいポジションを馬に用意できるのが自分の強みだと思う。結果を残したい」と意気込んだ。阪神JFではアロマデローサに騎乗予定。「昨日(7日)初めて新幹線に乗った。焼き鳥を食べたい」と日本の生活にも目を輝かせていた>
https://www.nikkansports.com/keiba/news/202212090000161.html

 私のメモを見ると、ワールドオールスタージョッキーズのときに来ていた感じ。で、検索すると、やはりそういう記事が出てきました。

・英国で活躍する23歳のイーガン、来週からJRA短期免許で騎乗― スポニチ[ 2022年11月28日 11:03 ]
<今夏、札幌のワールドオールスタージョッキーズで来日したデヴィッド・イーガン(23)がJRA短期免許を取得し、来週から騎乗することが28日、分かった。期間は12月10日から来年1月末までとなっている>
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2022/11/28/kiji/20221128s00004048287000c.html

 最初の記事によると、今年は英国62勝でリーディング13位。もっとすごい騎手がよく日本に来ており、これは大したことがありません。ただ、23歳という若いジョッキーで、G1を取るなど、今後伸びそうな気配は濃厚。2つ目の記事では、以下のように説明しています。

<アイルランド出身で英国を拠点に騎乗。日本のファンにも知られる、きっかけになったのが昨年3月のドバイシーマクラシックだ。サウジカップの覇者ミシュリフとのコンビで参戦。クロノジェネシス、ラヴズオンリーユーといった日本の実力派牝馬を退け、G1タイトルをものにした。英国に帰国後、夏のインターナショナルSでもG1勝ち。今年はエルダーエルダロフに騎乗した9月の英セントレジャーで自身初のクラシック制覇を成し遂げた。>

 デヴィッド・イーガン騎手の騎乗の印象ですが、クセがないな…という感じ。このクセがないという時点で評価して良いかもしれません。
 というのも、ヨーロッパの騎手はふわっとしたスタートが多く、当初、日本の競馬に苦労することが多いんですよ。これは競馬文化の違いのせい。しかし、イーガン騎手の場合、それが最初からないように見えました。むしろスタートから前めを意識した前に早い騎乗も多い気がします。
 他の騎手で書いたように、外国人騎手は一流騎手でも日本競馬にフィットしないことはあります。ここらへんは若い騎手の方が柔軟な感じ。デヴィッド・イーガン騎手は23歳で特に若いので、いきなり適応してきたのか、もともとこういう騎乗スタイルなのか…。また、夏に一度来ていた…という理由もあるかもしれません。
 今のところ特に大好き!という感じではないのですが、良い印象を受ける騎乗です。


2025年12月15日月曜日

スピードシンボリの牝系、日本では途絶えるが海外で遠い親戚がG1馬

■2021/06/14 スピードシンボリの牝系、日本では途絶えるが海外で遠い親戚がG1馬
■2014/11/8 まだ真面目に走っていないマイネルネッツ ダートで才能開花


■2021/06/14 スピードシンボリの牝系、日本では途絶えるが海外で遠い親戚がG1馬

 後半のマイネルネッツの話を再投稿。マイネルネッツは善戦マン的なところがありましたが、いつも善戦するのではなく、人気が下がったところで地味に善戦して地味に複勝がつくという地味な馬で好きなタイプ。追いかけていました。
 しかし、マイネルネッツなぞ知らぬ…という人が大半。これだけだと皆さんつまらないでしょうから、もうちょっと興味を引きそうな話を…と思います。で、マイネルネッツの近親を眺めていたのですが、全滅状態。ネッツの弟が来年出てくるぐらいですね。

 ずーっとさかのぼっていくと、あのスピードシンボリがいます。天皇賞(春)、宝塚記念、有馬記念(2回)に優勝し、1967年・1970年度には啓衆社賞年度代表馬および最優秀5歳以上牡馬に選出されたという名馬です。ところが、このスピードシンボリに近い、いかにも大事にされてそうな牝系が残っていない感じなんですよ。
 血統表を眺めていると、ちょこちょこと重賞で善戦する馬が出ているところもあるのですが、ことごとく途絶えた感じ。で、全く活躍馬を出していないマイネルネッツに近いところが健在というのも不思議なものです。まあ、この血統も近々途絶えそうな感じなんですが…。(と書いて投稿して心配になって再確認したら、さっき書いたマイネルネッツの弟も2013年生まれでだいぶ前。普通にもう途絶えていたようです)

 私が言う近親は、大抵全然近親ではなくかなり広いです。なにかとかこつけて、応援の理由にしたいということで、アホみたいに広く見ています。それで見たとしてもスピードシンボリはかなり遠いですね。
 4代までの血統表でギリギリ確認できるマイネルネッツの4代母はスイートサファイア。この血統が残っているのですが、スピードシンボリはスイートサファイアの姉スイートインの長男でした。つまり、5代母という4代までの血統表なら見えないところにいる馬(フィーナー)がやっとスピードシンボリとの共通点です。

 この時点で相当遠いのですが、さらにさかのぼって見てみました。しかし、それでも本当全然日本では血統が続いていません。ただ、海外を見ると、近年の活躍馬が出ていますね。これすら最後の最後の諦めていた…というところで、活躍馬がいるのを見つけました。Anapurnaが英オークス(G1)、Speedy Boarding がコリーダ賞(G2) を勝っています。
 ただ、いかんせん遠すぎ。前述のフィーナーのさらに母母母であるJuraがやっと共通という遠さです。ここまでさかのぼっていますので、英オークス馬Anapurnaなどからも遠く、Juraは10代母くらいのところです。もう遠すぎて何代母だかわかりゃしませんわ…。

 前述の海外の活躍馬はいずれも牝馬。ということで、全然近親ではないのですが、これらの牝系の馬が日本に輸入されたらマイネルネッツの近親だと思い込んで応援したいと思います。


■2014/11/8 まだ真面目に走っていないマイネルネッツ ダートで才能開花

 ダート替わりとはいえ、2番人気で過剰人気だと思ったら、さっくり勝ったマイネルネッツ。

-----引用 ここから-----
【2歳未勝利】(新潟1~2R)~マイネルネッツ、ウィズアットレースが勝利 _ 競馬実況web _ ラジオNIKKEI 2014/10/04(土) 15:17

新潟1Rの2歳未勝利(ダート1800m)は、2番人気マイネルネッツ(嘉藤貴行騎手)が勝利した。勝ちタイムは1分55秒0。(略)

マイネルネッツは美浦・斎藤誠厩舎の2歳牡馬で、父アグネスデジタル、母サンディフォルス(母の父サンデーサイレンス)。通算成績は3戦1勝となった。
http://keiba.radionikkei.jp/keiba/post_4330.html
-----引用 ここまで-----

 2着とは0.1秒差、半馬身差。それほど開いたわけではありません。ただ、余裕を感じる走りで着差以上のものを感じさせました。コメントもいい感じ。

-----引用 ここから-----
レース後のコメント
1着 マイネルネッツ 嘉藤貴行騎手
「ダートに替わったのもよかったのか、今日はスムーズに先行できました。しかし、道中ハミをとらないところがあり、まだ真面目に走っていません。まだ余力もありましたし、上積みも見込めると思います」
-----引用 ここまで-----

 過去2走は柴田大知騎手でした。乗り替わりで、嘉藤貴行騎手。「何で大知が乗らなかったのか?」という声もありましたが、個人的には柴田大知騎手は苦手、そして、嘉藤貴行騎手の方が好きということもあり、このまま嘉藤貴行騎手で行ってくれると嬉しいです。

2024/02/19追記:2017年度・好きな馬ダートホース1位に選んでいたときの話をまとめ。
<2017年度・好きな馬ダートホース>
マイネルネッツ
 中1週だと結果出ていない気がするので確認してみました。 ただ、休み明けはもちろん戦績が悪いはずなので、90日以上空いたケースも確認してみます。

99日~167日 0-1-0-4
29日~76日 1-0-2-2
20日~22日  0-2-0-10
7日~15日 0-0-1-3

 中1週でなまじ3着が1回あるのがあれなんですけど、やはりあまり良くなさげ。さらに中2週も意外に良くなかったです。明らかに良いのはこれらよりもう少し開けたケース。29日~76日は上記の通り、1-0-2-2。さらに29日~44日で絞れば、1-0-2-1でした。
 なので、結局やはり私のほぼイメージ通りで、使ってからでなおかつ少し間隔を開けた方が良さそう。柴田大知騎手などの騎乗の悪さもあるでしょうが、陣営は間隔短く使いすぎだと思います。(2017/11/03)


2025年12月14日日曜日

JRAでは28年ぶり!重賞馬不在の珍しいG1が実現した理由

■2025/12/14 JRAでは28年ぶり!重賞馬不在の珍しいG1が実現した理由
■2025/12/14 重賞勝ち馬不在なのに重賞好走組が不人気…その結果は?


■2025/12/14 JRAでは28年ぶり!重賞馬不在の珍しいG1が実現した理由

 2025年の阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳牝・GI・芝1600m)は重賞勝ち馬不在。”今年の阪神JFが28年ぶり 過去にも複数あった重賞馬不在のJRA・GI”(2025年12月13日(土) 18時00分)によると、JRAのGIレースで重賞馬が不在なのは、実に28年ぶりだそうです。

<有力馬の故障、回避があったとはいえ、2歳重賞が充実した現在では、なかなか珍しい出来事。過去の同事例を調べてみると、グレード制導入以降では84、87、88年の朝日杯3歳S。84年の阪神3歳S、93、97年の阪神3歳牝馬Sといった例があった>
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=316075

 最も最近が97年の阪神3歳牝馬S。懐かしの3歳表記時代ですから、めちゃくちゃ昔だとわかりますね。このときは、牝馬重賞も少なかった時代ですので、重賞馬不在でもわかります。ただ、その時代でも珍しかったので、今回のレア度はピカイチでしょう。

 ところで、このレアな重賞馬不在の珍しいG1になった理由は、引用部であったように、有力馬の故障、回避があったため。アルテミスSを勝ったフィロステファニは、なんと屈腱炎で登録抹消。絶対に出られません。また、ファンタジーSを勝ったフェスティバルヒルは、剥離骨折で休養となりました。

 ただ、改めて確認してみると、阪神ジュベナイルフィリーズ前の2歳牝馬重賞は2つのみ。「牝馬重賞も少なかった時代」と書いたのですけど、1つ増えただけですね。それでこれだけ重賞勝ち馬不在の阪神ジュベナイルフィリーズが珍しいというのは、逆に不思議です。
 これは、牝馬重賞勝ち馬がすんなり阪神ジュベナイルフィリーズに来るというのが一般的なためかもしれません。また、まだ牡馬との力の差が少ない2歳重賞では、牡馬相手に混合の重賞を勝って阪神ジュベナイルフィリーズに向かうということも結構あるのだと思われます。 


■2025/12/14 重賞勝ち馬不在なのに重賞好走組が不人気…その結果は?

 重賞勝ち馬不在となった2025年の阪神ジュベナイルフィリーズ。人気馬の戦績を見てみると、以下のようになっていました。

1番人気 アランカール OP野路菊S1着
2番人気 スターアニス G3中京2歳S2着
3番人気 アルバンヌ 1勝クラスサフラン賞1着
4番人気 ギャラボーグ 未勝利1着
5番人気 マーゴットラヴミー 1勝クラス白菊賞1着

 牡馬に混じってG3中京2歳S2着だったスターアニスが2番人気になっているだけで、重賞好走組は評価されていませんでした。もっと評価されて良いと思ったんですけどね。特にG3ファンタジーS2着(0.0秒差)のショウナンカリスなんかは、勝馬と差がなかったのに11番人気でした。

6番人気 タイセイボーグ G3アルテミスS3着(0.4秒差)
8番人気 ミツカネベネラ G3アルテミスS2着(0.3秒差)
11番人気 ショウナンカリス G3ファンタジーS2着(0.0秒差)

 とはいえ、私のPOG馬は人気勢で3頭出しなので、こっちに頑張ってほしいところでした。ところが、1番人気アランカールは、北村 友一騎手がゆったり最後方で届かず5着まで。後方一気で勝ち上がってきたものの、さすがにG1じゃ無理でしたね。
 一方、2番人気スターアニスは、直線外から追ってくる王道競馬で見事に快勝。松山 弘平騎手が一旦位置を落としたのが見事でした。やりましたわ!
 4番人気ギャラボーグも前走未勝利1着という実績が見劣りする中で2着。POG馬でワンツーフィニッシュとなりました。私のPOGは牝馬が極端に苦手なので、今年は珍しいです。阪神ジュベナイルフィリーズは初勝利かもしれません。

 3着はG3アルテミスS3着で6番人気のタイセイボーグ。他の重賞好走で不人気だった組は、8番人気 ミツカネベネラ G3アルテミスS2着(0.3秒差)が12着、11番人気 ショウナンカリス G3ファンタジーS2着(0.0秒差)が7着と、普通に好走できませんでした。混戦と言われつつも、馬連は2,020円程度で、それほど荒れなかったようです。


「競馬は、内枠有利」という格言 内枠有利・外枠不利だと錯覚する理由とは?

■2019/04/19 「競馬は、内枠有利」という格言 内枠有利というのは本当か?
■2019/04/19 内枠の勝率は高い!馬番だと内枠有利・外枠不利だと錯覚する理由とは?
■2022/09/20 それでも内枠外枠の有利不利があると信じたい!可能性を考えてみた


■2019/04/19 「競馬は、内枠有利」という格言 内枠有利というのは本当か?

 「競馬は、内枠有利」という格言があるんだそうな。初めて聞きました。ただ、私はほとんど気にしないものの、どちらかというと内枠好きですので、それとは合いますね。
 この格言を知ったのは、【競馬コラム】”内枠が有利”の格言をJRA全レースを使用し、分析・検証した件【不変の法則Part3】 – K-BA LIFEというページ。 なんとJRA全レース(140万データ)を分析したそうです。

 まず枠順の勝率・連対率・複勝率は、おもしろいほど差がなし。ここまでバラけるかというほどきれいにバラけています。 K-BA LIFEさんではJRAの工夫のおかげとされていましたけど、本当見事ですね。偏ってもおかしくないものです。
 ただし、人間の思いが関わってくるので、回収率では差がつく可能性があります。例えば、前述したような「内枠有利」の思い込みがあるためです。
 ところが、こっちも実際にはほぼ差がなし。「内枠を買え 」という法則性を導き出すことができなかっただけでなく、「競馬は、内枠有利」に引っ張られてオッズが狂い外枠の方が儲かるということでもないようです。非常に意外でした。



■2019/04/19 内枠の勝率は高い!馬番だと内枠有利・外枠不利だと錯覚する理由とは?

 こちらでは同様に馬番でも見てくださっています。多少でこぼこするものの、馬番で見ても回収率は法則性を見出すほどの差が出ていませんでした。思ったほどバイアス・思い込みが出ないんですね。
 一方、サイトの方はそれでも「あんまり関係ない」と結論づけていましたが、馬番で見ると、勝率については内枠が高く、外枠が低くなっています。ただ、内枠が高く見えるのには、実はちゃんとした理由がありました。

 この理由は出走頭数の関係。1番と18番で考えるとわかりやすいでしょう。
 言われてみるとそりゃそうだという話ですが、18番の馬は除外取り消しを除いて、ほぼ必ず18頭でレースを争います。なので、枠順で勝率が変わらないのであれば、馬番18番の勝率は18分の1で、5.6%に近い数字となると考えられます。で、実際、そうなっていました。
 もうすでに大体わかるでしょうが、一方で馬番1番の馬の場合は全然勝率5.6%とはなりません。もっと高くなるはずです。
 というのも、18番は18頭立てのレースにだけ出るものの、1番などの若い番号はいつでも必ずありますので、もっと少ない頭数、極端なときには5頭立てのレースなんかでも出走するわけです。5頭立てであれば、勝率は2割程度となると予想されます。
 このように1番などの馬番の若い方はより頭数の少ないレース、つまり、より勝率の高いレースが増えるので、馬番の若い方で勝率が高めに出るんですね。実際に、1~6番は勝率で8%を超えていました。ここらへんで内枠有利と誤解している人もいるかもしれません。




■2022/09/20 それでも内枠外枠の有利不利があると信じたい!可能性を考えてみた

 <【キーンランドC予想】内枠は圧倒的に不利のレース? 今年も狙うのは外枠の牝馬か?>(22/8/28(日) 7:35配信 netkeiba.com)という記事が出ていました。

<過去10年。明らかに「内枠不振」の傾向はある。
 まず、1枠に入った馬で馬券になっているのはわずか1回だけ(13年1着)である。2枠も3回(12年1着・13年3着・18年3着)、3枠も1回(16年2着)だけという明らかな内枠不振傾向がみてとれる。
 枠連の馬券組み合わせとしては「4枠から外枠のボックス」という傾向。4枠5回、5枠3回、6枠5回、7枠7回。8枠5回という馬券圏内成績である。近2年、敗れ去った1番人気馬もそれぞれ内枠だった。人気馬で内枠になるのは避けたいところだ>
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7860b68c46b2c36e867a9d148f7cd466465812a

 前述の結果からすれば、内枠外枠に有利不利はない…ということになりそうですが、一応、可能性としては有利不利がある可能性はあるでしょう。「それでも内枠外枠の有利不利があると信じたい!」という人のために、可能性を考えてみました。

 ひとつは、全体として見れば差がないものの、競馬場と距離を限定したコース単位なら有利不利が見える…という可能性です。いかにもありそうな話でしょう。かなり可能性があると思います。
 ただ、注意しなくちゃいけないのは、この記事みたいに、1つのレースに限定した場合、データ数が少なくて相当信頼性が落ちてしまうということ。特にこの記事では10年しか見ていません。たった10レースです。となると、データが少なすぎて「たまたま」ということが多くなります。

 あと、ちょっとひねったところでは、脚質によって枠の有利不利はあるという可能性もありそう。内枠が良いと思う脚質、悪いと思う脚質があったとしても、内枠になるか外枠になるかはランダムなため、全体のデータとしては差が出ませんからね。脚質による枠の有利不利が隠れている…という可能性もあるかもしれません。


2025年12月13日土曜日

未期待のドイツ血統からガリレオが出てフランケルにつながる

■2018/11/10 未期待のドイツ血統からガリレオが出てフランケルにつながる
■2023/03/15 実はドイツ血統は日本に合う?日本の馬と相互補完する配合が成立
■2023/06/21 ドイツでG1を4勝のノヴェリスト、種牡馬入りの日本ではダメだった?
■2025/12/13 聞いたことがないブランドフォード系、実は日本でも走っている




 ■2018/11/10 未期待のドイツ血統からガリレオが出てフランケルにつながる

 日本での知名度が低いと思ったのでタイトルにしませんでしたが、シーザスターズは本当すごい馬でした。日本でも有名なガリレオと彼は兄弟。母の名はアーバンシーといいます。
 このアーバンシーは競走成績が悪かったわけではなく、むしろすごかった牝馬。93 年の凱旋門賞でホワイトマズルやオペラハウスらを相手に大金星を挙げた馬でした。
 しかし、牝系が当時はあまり評価されていなかったドイツ血統ということもあって、繁殖牝馬としての期待度は、さほど高くなかったんだそうです。
 ところが、前述の ガリレオとシーザスターズという化物2頭が登場。他に2頭が種牡馬入りしているそうです。
(Our Pleasure2012年10月号  ザ・ブラッド 血統表を紐解く! サラブレッドインフォメーションシステムより)

 タイトルにしたフランケルが、今の日本では馴染みでしょう。日本でも活躍馬を出しています。このフランケルがまた怪物なのですけど、父がガリレオなのでタイトルにしました。
 ガリレオで特筆すべきなのが、記事掲載時点の29 頭のG1ホースのうち、このフランケルやテオフィロなど、約6 割にあたる18 頭がノーザンダンサーのインブリードを持っていること。そのうち母の父がノーザンダンサーの孫の時に現れる「ノーザンダンサーの3×4」は実に10 頭でまさにニックス(相性の良い配合)だとされていました。




  ■2023/03/15 実はドイツ血統は日本に合う?日本の馬と相互補完する配合が成立

 「ドイツ血統」で検索して出てきた<【NHKマイルC】藤井正弘氏が語るドイツ血統 日本のスピード血統と理想的相互補完― スポニチ Sponichi Annex>([ 2021年5月10日 05:30 ])という記事。いきなり<ドイツ産馬によるJRA・G1制覇はランド以来>と書いている一方で、この勝利したドイツ産馬の馬名による説明がなく、意味不明でした。
 これはおそらく紙面の記事をそのままウェブに転載したためで、紙面上であれば意味が通じたのでしょう。雑誌記事なんかではちょくちょく見かけますね。一方で、新聞記事のネット掲載では見かけた覚えがない問題で、スポーツ紙でも珍しいケース。おそらくなんだかんだ言っても、新聞社というのはレベルが高いのでしょう。

 前置きが長くなりましたが、この記事は、2021年のNHKマイルCを勝利したシュネルマイスターに関する解説記事でした。サラブレッド血統センターの藤井正弘さんはドイツ産馬によるJRA・G1制覇が少ないのは、単にドイツ産馬が少ないためだと説明しています。

<ドイツ産馬によるJRA・G1制覇はランド以来ですが、そもそもドイツからは競走馬がほとんど入っていません。輸入するのは繁殖牝馬です。シュネルマイスターも独オークス馬である母のセリエンホルデと同時に輸入されました。実質的には欧州マイル王キングマンの持ち込み馬に近いと言えます>
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2021/05/10/kiji/20210509s00004000755000c.html

 「ドイツ産馬によるJRA・G1制覇が少ないのは、単にドイツ産馬が少ないため」というのは、裏を返せば、G1制覇が少なくても能力的に劣っていることを示しているわけではない…という思いがあるのでしょう。まどろっこしい書き方をしましたが、要するにドイツ血統は日本に合うはず!といった話。「ドイツ産馬」ではありませんけど、ドイツ血統が入った成功馬として、以下のようにいくつかの例を挙げていました。

<ドイツの馬産はある意味閉鎖的で国内の繁殖を非常に重視しています。(中略)長く守られてきた血脈の独自性がアウトブリードで効果を発揮します。マンハッタンカフェ、ブエナビスタ、そしてシュネルマイスターの同族であるサリオスなどが代表例で、日本の芝で進化したスピード血統とは理想的な相互補完が成立するわけです。ノーザンファームを筆頭とした日本の生産者がドイツの血統に求めるものもまさにその部分でしょう。
 シュネルマイスターの母セリエンホルデも恐らく日本で大牝系を築くことになるでしょう。今後も日本とドイツの“蜜月”は続くはずです>




  ■2023/06/21 ドイツでG1を4勝のノヴェリスト、種牡馬入りの日本ではダメだった?

 日本の社台スタリオンステーションで種牡馬入りしたノヴェリストもドイツ馬!と思ったのですけど、生まれはアイルランドなんですね。ドイツではG1を4勝。しかし、日本ではやはり合わないのか、重賞馬は正直少ないです。(以下は、ウィキペディアより)

主な産駒
グレード制重賞勝利馬
2016年産
ラストドラフト(2019年京成杯)
2018年産
ブレークアップ(2022年アルゼンチン共和国杯)[6]
地方重賞勝利馬
2020年産
メイドイットマム(2022年東京2歳優駿牝馬、2023年桜花賞【浦和】)[7]

 これを書こうと思ったのは、「2017年度・好きな    2歳牝馬」候補に、ノヴェリスト産駒のピエナミントという馬を書いていたため。当時のものをそのまま転載しておきます。

<2017年度・好きな    2歳牝馬>
ピエナミント
 いとこにPOG指名して好きだったスマートステージがいる血統でPOG指名。
 新馬戦は、好位につけられたのだが、狭いと思ったのか、なかなか仕掛けられず、足余す形に。まずまずやれそうだと思う。
  一方、2戦目は、秋山騎手から武豊騎手に乗り替わり。今日はむしろ後ろから。ただ、出てからは早く前で先行集団の後ろに取り付いた。良いと思ったけど、今度はかかってしまう。下手くそ!と思ったが、わりとうまく短時間で折り合う。下手じゃない、むしろうまいわと感心。
 直線も外出さずに中入れて詰まるだろう!と思ったが、これも一瞬のすきに入り込んでロスなく追うむしろ好騎乗。外回した場合はロスが大きくなっていた。
 最後はモノも違っていて楽勝。やはり結構強そうで期待。
 武豊騎手の騎乗も掲示板で好評だった。「武はん、4コーナーから直線へスムーズなさばき方素晴らしい」「豊さん上手くこの仔の切れを引き出しましたね、直線まで我慢に徹して巧みな技でした」「上手く乗ったな!前に壁を作って我慢して最後壁が空いた所を抜けて勝つこれは好騎乗だな」(2017/10/09)




 ■2025/12/13 聞いたことがないブランドフォード系、実は日本でも走っている

 1980年のJRA 種牡馬リーディング、6位以下だと系統からして知らない…といった感じで、私は全然聞いたことがない血統が出てきました。

1980年 JRA 種牡馬リーディング
1    テスコボーイ (プリンスリーギフト系)
2    アローエクスプレス (グレイソヴリン系)
3    ミンスキー (ノーザンダンサー系)
4    バーバー  (プリンスリーギフト系)
5    ファバージ  (プリンスリーギフト系)
6    リマンド   (ブランドフォード系)
7    パーソロン (トウルビヨン系)
8    サンシー (ファイントップ系、タッチストン系)
9    ダイコーター (ボワルセル系、セントサイモン系)
10    ダイアトム (シカンブル系、セントサイモン系)

 今回は、6位リマンドのブランドフォード系を。ブランドフォード(Blandford)はその受胎率の低さにもかかわらず、1924年の供用開始から4頭のダービーステークス馬を出し、さらにイギリスやフランスでリーディングサイアーを獲得した名種牡馬であったそう。しかも、産駒らもまた種牡馬として成功したそうです。
 日本で成功した種牡馬の代表格がプリメロであり、プリメロなら血統表で目にする種牡馬ですね。ただ、リマンドはプリメロとは別の系統で、ブランドフォードの子ブレニム(Blenheim)から長く伸びた父系の種牡馬。東京優駿(日本ダービー)優勝馬オペックホースなど、多くの活躍馬を輩出したそうです。ただ、当然、今日本では残っていない系統です。

 ただ、ヨーロッパでは、ドイツのモンズーンが大成功。モンズーン!聞き覚えがありまくりますね。
 モンズーンは、GIを4勝して日本に種牡馬としてやってきたノヴェリストの父。つまり、今でも日本にはブランドフォード系(より性格に言うと、ブランドフォード系から発展したバーラム系)の馬が結構いるということです。

 とはいえ、大活躍という感じではなく、これ以上は伸びていかない雰囲気。社台スタリオンステーションで種牡馬入りしており、期待値は高そうに見えましたし、実際繁殖牝馬の質も高かったイメージがあります。期待値から見ると、かなり産駒は走らなかったんじゃないでしょうか。
 今確認してみると、CPI1.49という繁殖牝馬の質の高さにも関わらず、アーニングインデックスは0.77とめちゃくちゃ低いです。半分ちょっとですから、相当な差。壊滅的といって良い感じです。やはり繁殖牝馬の質の割には走っていませんね。

 個人的に好きだった馬というのも、前述の通り、ブランドフォード系は最近全然いなかったので、あまり好きな馬はいません。ノヴェリスト産駒だと、ピエナミントなど、何頭かPOG指名したはずですけど、そこまで思い入れはないです。
 好きな馬の母系には何頭か入っています。例えば、ニホンピロジュピタの曾祖母ツルシマの父シマタカや、マイネルバサラの高祖母Katie Mayの父Bustedなどが、ブランドフォード系でした。


蛯名正義・柴田大知・津村明秀・ブノワ、下手に乗った騎手は誰?

■2015/3/7 蛯名正義・柴田大知・津村明秀・ブノワ、下手に乗った騎手は誰?
■2022/05/14 ついに津村明秀騎手が評価された!…と思ったらそうでもなかった
■2016/2/22 蛯名騎手がESP(蛯名スペシャル)発動で、1番人気マイネルフロストを飛ばす
■2013/3/8 嶋田純次騎手、世界の若手ホープで3位 カタール見習騎手招待競走
■2017/02/19 藤岡康太騎手の謎のハイペース逃げに非難轟々




■2015/3/7 蛯名正義・柴田大知・津村明秀・ブノワ、下手に乗った騎手は誰?

  ビッグレッドファームグループの広報誌アワープレジャー2015年1月号から。
 古谷剛彦さんの古谷コンシェルジュの競馬観で、マイネオーラムのオリエンタル賞の解説がありました。2014年11月29日のレースです。

 まず、古谷さんは芝に「茶色い部分が目立つと騎手心理として避けるケースが非常に目につく」としていました。
 昨年秋の東京競馬も「 2 開催続き、8 週目となる最終週は内目に大分茶色い部分が目立ち、やはり避ける騎手は決して少なくなかった」そうです。
 しかし、それが本当に悪い馬場なのか?と言うと、実は違うそうです。

-----引用 ここから-----
 野芝がしっかり根付き、その野芝が茶色いだけで決して馬場が悪いわけではない。実際、内を通った馬がそのまま粘り通したり、伸びてくるレースも多かった。ジャパンCのエピファネイアは、まさに 2 番手から内をそのまま突き抜けたレース振りだった。
 マイネオーラムとコスモチョコレイのビッグレッドグループ 2頭のワンツーで決着したオリエンタル賞も、その典型的なレースと言える。逃げたイイデフューチャーと2 番手のナスノアオバが 3コーナー過ぎから後続を引き離し、直線に入ったが、直線での進路取りは馬場の真ん中より少し内目。随分と内を開けた形だったが、その内にいたロジメジャー、ラチ沿いを進んだのがコスモチョコレイ、そして 道中は内で脚を温存させて直線でコスモチョコレイの外に持ち出す形で馬場の内を突いたマイネオーラムが、そのまま上位で入線した。レースを見る側の心理として、馬場が悪いとの判断で外を通る馬が、内を突いた馬に敗れると正直、気持ちが萎える。時に、憤りも感じる。逆の立場に立てば、これほどスカッとする勝利もない。
-----引用 ここまで-----

 馬場の見た目に惑わされずにうまく乗れたのが、マイネオーラムとコスモチョコレイのビッグレッドグループの馬でした。一方、前にいて自由にできたのに外を選んでしまったのは、イイデフューチャーとナスノアオバでした。

 こういう話が出ると、一体鞍上は誰なのか?と気になって夜も眠れません。
 古谷さんは個別の騎手については言及していませんが、騎手名は着順のところを見て簡単にわかります。以下のような結果でした。(中間にいたロジメジャーもついでに記載)

◆オリエンタル賞
2014 年 11月 29 日 5 回 東京 8 日 10R 芝 2000 m

12頭
1着 マイネオーラム 柴田大知
2着 コスモチョコレイ 津村明秀
3着 ロジメジャー 松岡正海

9着 イイデフューチャー 蛯名正義

12着 ナスノアオバ G. ブノワ
 
 この1戦をもって騎手の上手い下手が決まるわけではないのですが、世間の評価からすると意外な感じのジョッキーもいます。おもしろいものです。
(蛯名正義騎手なんかは社台の吉田照哉さんからものすごく評価が高いそうです)




■2022/05/14 ついに津村明秀騎手が評価された!…と思ったらそうでもなかった

 私が評価する騎手ってなぜかリーディング上位じゃないことが多いです。また、リーディング上位騎手があんまりうまいと思わない…ということもよくある話。若い頃よくボロクソ言われていたの津村明秀騎手は、むしろ好きな馬に乗ってほしい騎手でした。

 で、久しぶりにリーディングを見たら津村明秀騎手が上位にいて、世間の評価も変わったんだ…と数年前に思ったことがあったはずなんですよ。もう1人別のジョッキーとともに「ついに世間でも評価された!」と思ったんですよね。
 ところが、今リーディングの順位を見てみたものの、全然上位にいません。私の壮大な勘違いだったようです。

2015    43位
2016    36位
2017    19位
2018    25位
2019    29位
2020    37位
2021    30位
2022    41位(途中経過)

 一番良いのは2017年の19位ですが、それでもベスト10ではなくインパクト不足。しかも、これ以外はもっと悪いので一瞬良かった…くらいな感じですね。
 うーん、東のジョッキーとしてはトップクラス…くらいの感じだったのかなぁ…。ということで、一番良かった2017年を上から順に数えてみると8位でした。ベスト5なら納得だったものの、8位は微妙。「途中経過で一瞬全体のベスト10に入ったところを見て勘違いした」みたいなところが真相かもしれません。

 とりあえず、私は引き続き津村明秀騎手を推して行きます。今度こそ「ついに評価された!」という日が来てほしいですね…。

 以上で終わろうとしたものの、これ以外の話もストックしていたのを忘れてました。せっかくきれいに終わったので蛇足的になりますが、もったいないので紹介。貧乏性なんです。
 まず、戦績を見ていると、未だG1未勝利という話をしようと思っていたんでした。やはり全然って感じでのデータですね。
 重賞もなかなか勝てないようで、<【福島牝馬S】アナザーリリック重賞初制覇 津村明秀騎手は3年4か月ぶりタイトル>(22/4/24(日) 7:00)という記事も出ていました。

<デビューから全戦の手綱で紡いできた絆が、ついに開花した。発馬後の一歩目が出なかったが、津村は冷静に後方2番手に誘導。3角過ぎから抜群の手応えで馬群の外を上がっていくと、クリノプレミアムをゴール前で測ったように首差とらえた。鞍上は「外も伸びていたし、長所の長くいい脚を使うことに専念しました」と特徴を知り尽くすからこその騎乗を満足そうに振り返った。
 自身にとっては19年愛知杯以来、約3年4か月ぶりの重賞タイトル獲得。「なかなか勝てず悔しい思いもしていて、勝ててうれしいです」と久しぶりの感覚に安どの表情。林調教師は「津村騎手が本当にうまく乗ってくれました」と手放しでたたえた>
https://news.yahoo.co.jp/articles/e584471fed464e2f80bb6b3974c36f376a5c0175

 調教師はベタ褒め。以下のようにコメント欄でも好意的でした。

<津村ってもっと評価されてもいい騎手だと思うけどな。
競馬学校時代に同期の中ではいちばん上手かったみたいだし、カレンブーケドールが勝てなくて降ろされてしまったけど結局誰が乗っても勝てなかった>
<津村騎手は本当に上手だった!
ヴィクトリアマイルで初G1のタイトルとって欲しいな>
<決して下手なジョッキーじゃないのにねそんなに勝てて無かったか>

 このコメント欄でカレンブーケドールの名前が出ているのを見て、社台グループ系の有力馬に乗っていたことで、「ついに津村明秀騎手が評価された」と思った…という経緯だった気もしてきました(カレンブーケドールは個人馬主だが生まれは社台ファーム)。記憶が非常に曖昧です。
 あと、今回が福島牝馬Sで、前回の重賞が2004年から牝馬限定戦となった愛知杯で、代表魔が牝馬カレンブーケドールということで、牝馬に乗るのがうまい…みたいなのあるのかな?とちょっと思いました。




■2016/2/22 蛯名騎手がESP(蛯名スペシャル)発動で、1番人気マイネルフロストを飛ばす

 珍しくマイネルフロストが1番人気と思ったらこれですわ。
 ESP(蛯名スペシャル)というのは、蛯名正義騎手の出遅れのこと。最近はひところほど言われなくなったものの、彼は出遅れグセがあることで有名です。
 単なる印象ではなく、データで裏付けられているんですよね。以前、出遅れ率を計算していた人がいて、そこのワーストにも蛯名騎手がちゃんと入っていました。記憶だけでなく記録にも残る男です。(ちなみに他の騎手は、武幸四郎騎手しか覚えていません)

 小倉大賞典のマイネルフロストの場合は、ゲート内からチャカチャカしていたので彼のせいではないのかな?とは思うものの、数字として現れているところを見ると、馬を落ち着かせるのが下手なのかもしれませんね。
 とりあえず、掲示板の反応を見たら、普通に悪いものが多かったです。ほとんど擁護はありませんでした。

-----引用 ここから-----
[3252] ステイタスさん

まさかここで発動とは
蛯名騎手には記録達成まであきらめないでがんばってほしいね

 [3257] お寿司さん

蛯名の騎乗は
ひどかったね…

 [3258] Meinelさん

最終でもやらかしてたな…

[3259] レインメーカーさん

せっかく松岡が前目の競馬を覚えさせたのになんで中団の位置?

前行って持ち味出るのに・・・

今回はガッカリした。

 [3264] グッチンさん

出遅れて三角捲り。あれを小倉でやると殆どが直線でいなくなる。中山のダートじゃないんだから。

 [3273] Meinelさん

丹内のほうがよっぽどうまく乗ってたぞ
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2011106350
-----引用 ここまで-----

 掲示板では前走まで松岡正海騎手が叩かれていて、蛯名騎手への乗り替わりを歓迎していました。ところが、この結果ですので今度は蛯名騎手が叩かれていました。

-----引用 ここから-----
 [3244] フェアプレー心裏学~横山推しさん

この馬は乗り難しいんだよ。
正海が上手いことがハッキリした。

[3268] ちょこらさん フォローする

次回は松岡に戻してください

[3272] ブロッコリーさん

松岡降ろしてまで舞台用意してもらって、情けないの一言。
-----引用 ここまで-----




■2013/3/8 嶋田純次騎手、世界の若手ホープで3位 カタール見習騎手招待競走

  海外でお呼ばれしていたんですね。

-----引用 ここから-----
嶋田純次騎手カタールでの成績
[中央競馬] 2013年03月01日(金)11時43分 :ラジオNIKKEI

 先月26日(火)、27日(水)および28日(木)にカタールのアルライヤン競馬場で行われた「第2回カタール見習騎手招待競走」における嶋田純次騎手(美浦・手塚貴久厩舎)の騎乗成績は以下の通り。

・騎乗成績
【2月26日(火)】
5R カタール見習騎手招待競走第1戦 芝1600m
3番 ハリック(牡5) 59.5キロ
  2着/13頭立て(6ポイント)

【2月27日(水)】
2R カタール見習騎手招待競走第2戦 芝1600m
10番 ジャムラ(牝5) 55.0キロ
   4着/13頭立て(4ポイント)

【2月28日(木)】
2R カタール見習騎手招待競走第3戦 芝1200m
2番 メロディインザミスト(牝6) 60.0キロ
  8着/13頭立て(0ポイント)

・総合成績
10ポイント 3位タイ/13人中
※優勝は16ポイントを獲得したD.ディラン騎手(南アフリカ)だった。

・嶋田純次騎手のコメント
「勝つことができず残念でしたが、同年代の他国の騎手と一緒に騎乗できたことは良い経験となりました。とくに1戦目はゴール前で差されての2着で、海外初騎乗初勝利を狙っていただけに残念でした。日本との違いという点では、直線コースで内柵が広がるというコース形態や、2戦目でアラブの競走に騎乗したことが印象に残っています。
 今回の経験を糧に、日本での騎乗を一層頑張りたいと思います。今後とも応援よろしくお願いします。」
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73119
-----引用 ここまで-----

-----引用 ここから-----
嶋田がカタールで総合3位タイ
[中央競馬] 2013年03月02日(土)12時00分

 2月26~28日にカタールのアルライヤン競馬場で行われた「第2回カタール見習騎手招待競走」に参加した嶋田純次騎手(19)=美浦・手塚=は3レースに騎乗して13頭立て2着、13頭立て4着、13頭立て8着で、計10ポイントを獲得。13人中3位タイの成績だった。「初戦はゴール前で差されての2着でしたからね。勝つことができず残念でしたが、同世代の他国の騎手と一緒に騎乗できたことはいい経験になりました。アラブ(馬)の競走に騎乗したことやコース形態の違いが印象に残りました」と嶋田は瞳を輝かせていた。南アフリカのD・ディラン騎手が16ポイントを獲得して優勝した。

提供:デイリースポーツ
http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73142
-----引用 ここまで-----

 次の話ではゴドルフィンの若手主戦ジョッキーの話。クールモアも今若い子乗っているそうで、両方若いってのはおもしろいですね。

-----引用 ここから-----
嶋田「日本のバルザローナ」目指すぞ!

 肌で知った“世界”の感覚を日本で生かす。先月末、各国から将来性ある若手騎手をカタールに集めて行われた「第2回カタール見習い騎手招待レース」に出場した嶋田純次騎手(20)は、「同い年くらいの他国のジョッキーと競馬ができたのはすごくいい経験になりました」と振り返る。(略)

 初めてづくしの海外遠征は何もかもが新鮮だった。外国での騎乗はもちろんのこと、4着に入った第2戦では小柄な純血アラブ馬にも騎乗した。「首が短くて乗りにくかったですね」と苦笑いしながらも、異国の人馬から受けた刺激の大きさは測り知れない。「結構荒い乗り方をしている人もいたし、うまいなと思える人もいた。その中で堂々と乗れたので、僕もやれるかなという手応えはつかめました」。今年デビュー3年目。同期の稼ぎ頭でもある嶋田は砂煙舞う中東の地で自身が今、どのレベルにいるかを再確認できた。

 今日8日は20歳の誕生日。「もうここまできたんだという感じ。まずは自分で減量を取れるように頑張りたい。そして日本のバルザローナになりたいです」と目を輝かせる。弱冠20歳にしてゴドルフィンの主戦を務める世界的ホープを引き合いに出して志の高さを見せた。【松田直樹】
[2013年3月8日12時5分 紙面から]
http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20130308-1094610.html
-----引用 ここまで-----

 嶋田純次騎手はがっくりくるレースもときどきありますけど、良い印象あります。でも、あんまり抜けた印象はなし。
 この前後2,3年で一番有望な騎手って誰でしょうね。あんまり気にして見ていませんでした。




■2017/02/19 藤岡康太騎手の謎のハイペース逃げに非難轟々

 2017年のフェブラリーステークス(東京ダート1600)、藤岡康太騎手はインカンテーションに騎乗。 
  先行馬なので前を行くのは想定通りだったものの、最初の3ハロンを34.0秒という数字を見て、めまいがしました。

 おそらくこの10年で最も早い数字だろうと思い、調べようと思ったのですが、掲示板を見たらそう書いている方がいました。

 [2090] krinkさん
パッサパサの良馬場で前半34秒とかアホやろ。重馬場の去年より早いのはもちろんだけど、ここ10年でも実質1番早い。藤岡何やりたかったんだ
 インカンテーションの掲示板 | 競走馬データ - netkeiba.com

 こんな騎乗でしたので、掲示板では非難がいっぱいでした。

[2089] ウオッカに乾杯さん
この騎手がいるレースは出来るだけ買わないように心掛けたい。

[2083] じゃんぽけさん
この騎乗、話にならんな。横に逃げも視野に入れているケイティがいるのにそれを押し退けてハナにたって前半34フラットは暴走。ニシケン、ケイティ行かして外目の三番手辺りでいいのに。決めうちみたいな騎乗で臨機応変にこなせないようではダメだよ。

[2082] 三歳馬研究中さん
番手、あるいは好位に付けてほしかったが、康太にはムリだわな

[2079] マッハバリプラムさん
無謀逃げやめろよ

[2078] 穴が好きさん
コイツいっつも望んでいない無茶苦茶な騎乗してんな

[2076] sholilinさん
騎手が嫌いなので買ってないのですが馬がかわいそう

[2075] ぱずまるさん
この騎手は何を考えてたのでしょうか?
本当にやってることがやばい。

 本文としては以上。

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 あとは、私の私的騎手評価ランキング。順位変化は、前のブログからの続き。
 この騎乗で1点をつけた藤岡康太騎手は、ワーストの22位にいました。前回は圏外で悪くなってきた形。
 もともとそれほど良くない印象の騎手です。

H29.2.18
 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ワースト20 (全 122 騎手中)  
順位 騎手名 評価 リーディング 変動
1 内田博 63 2.45 2 -
2 横山典 51 2.49 22 -
3 西田 17 2.53 65 △1
4 北村宏 53 2.57 13 ▼1
5 四位 54 2.63 51 △1
6 木幡広 28 2.64 65 △1
7 浜中 63 2.65 22 ▼2
7 酒井 46 2.65 65 △1
9 江田照 50 2.66 65 △6
10 柴田善 52 2.69 65 △6
10 田中勝 52 2.69 31 △2
10 小牧 49 2.69 13 ▼1
13 リスポリ 17 2.71 圏外 ▼4
14 丹内 50 2.72 51 ▼5
15 丸田 48 2.73 40 ▼3
16 アッゼニ 27 2.74 圏外 圏外
17 Mデムーロ 59 2.75 2 ▼5
17 蛯名 68 2.75 26 ▼1
19 大庭 38 2.76 圏外 圏外
20 村田 34 2.77 圏外 ▼4
20 柴田大 102 2.77 40 -
22 藤岡康 53 2.78 40 圏外
23 荻野琢 28 2.79 圏外 ▼3
23 福永 66 2.79 5 ▼3
リーディング平均 35.9 ( ベスト 47 )

 一方、ベストは相変わらず自分でもよくわからない騎手が上位。 田中健 騎手が初登場で1位ですけど、騎乗数が少ないですし、すぐ変動すると思われます。

私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20 (全 122 騎手中)  
順位 騎手名 評価 リーディング 変動
1 田中健 13 3.31 65 圏外
2 的場 27 3.3 65 △2
3 岩崎 402 3.28 65 ▼1
4 吉田隼 50 3.26 8 △1
5 柴田未 17 3.24 圏外 ▼4
6 藤田菜 29 3.21 圏外 ▼3
7 オールプレ 12 3.17 圏外 △2
8 ウィリアム 49 3.16 圏外 △2
9 松岡 67 3.15 10 △2
10 嘉藤 49 3.14 95 ▼4
10 52 3.14 13 ▼3
12 ムーア 39 3.13 51 △5
12 勝浦 55 3.13 51 ▼5
14 木幡初 45 3.11 51 △4
14 平野 18 3.11 圏外 -
16 石川 53 3.09 26 圏外
16 Tベリー 11 3.09 圏外 △2
16 ビュイック 11 3.09 圏外 △2
19 井上 48 3.08 圏外 ▼1
20 ルメール 81 3.07 5 圏外
20 加藤 43 3.07 40 圏外
22 藤懸 35 3.06 95 圏外
23 菊沢 37 3.05 65 圏外
23 杉原 38 3.05 圏外 圏外
リーディング平均 47 ( ワースト 35.9 )


2025年12月12日金曜日

重賞じゃない条件戦で賞金総額8000万円のジ・エベレスト関連レース

■2017/11/04 【クイズ】芝世界最高賞金のレース「ジ・エベレスト」の距離は?
■2017/11/04 ダート世界最高賞金のレースは「ペガサスワールドカップ」
■2017/11/04 【答え】芝世界最高賞金のレース「ジ・エベレスト」の距離は何メートル?
■2022/04/28 重賞じゃない条件戦で賞金総額8000万円のジ・エベレスト関連レース
■2012/12/9 香港競馬の漢字(中国語)表記 千里通、大賞識、榮進寶蹄、萬能泰斗、天鵝騎士



■2017/11/04 【クイズ】芝世界最高賞金のレース「ジ・エベレスト」の距離は何メートル?

【クイズ】 2017年にオーストラリア・ロイヤルランドウィック競馬場で行われたGI第1回ジ・エベレストは、芝レースでは世界最高賞金として話題になりました。その距離は何メートルだったでしょう?
(1)1200m
(2)2400m
(3)3200m


■2017/11/04 ダート世界最高賞金のレースは「ペガサスワールドカップ」

 回答は間を開けるために、別の話。 「ジ・エベレスト」は、飽くまで芝の世界最高賞金。ダートの方が高く、最高金額レースは「ペガサスワールドカップ」(ダート9ハロン(約1800m))というものでした。
  「ジ・エベレスト」は、このやり方に倣ったものなんですが、かなり独特なのです。

"2016年5月11日、ストロナックグループは総賞金1,200万ドルと世界最高賞金額となる本競走を2017年1月28日にガルフストリームパーク競馬場で開催すると発表した。
出走頭数は12頭に限定され、出走馬の関係者は本競走の出走枠を得るために100万ドルを支払う。
出走枠を得た登録馬の馬主はその馬を参戦させること、リースすること、契約を結ぶこと、共同所有することが可能である。また出走枠の売却もできる"
(ペガサスワールドカップ - Wikipedia)

 Wikipediaには書かれていませんでしたが、1着賞金は700万ドル(約8億550万円)というものすごい金額。
 ただ、 出走馬の関係者は本競走の出走枠を得るために100万ドルを支払う必要があると書かれていたように、出走にもものすごくお金がかかります。約1億1000万円です。
  どうもこの登録料がそのまま賞金になるということで、バカ高いみたいですね。
 
 出走権を所持すると、ペガサスWCのネット馬券売上げや各種媒体の著作権、スポンサー料なども分配されているともあったので、ひょっとしたらそれほど損ではない可能性もあるかも。かなりギャンブルな感じがしますけどね。
(芝の世界最高賞金レース・『ザ・エベレスト』が誕生!! ペガサスWCのシステムは世界のレースの新機軸となるのか? | ギャンブルジャーナル | ビジネスジャーナル より)



■2017/11/04 【答え】芝世界最高賞金のレース「ジ・エベレスト」の距離は何メートル?

【クイズ】 2017年にオーストラリア・ロイヤルランドウィック競馬場で行われたGI第1回ジ・エベレストは、芝レースでは世界最高賞金として話題になりました。その距離は何メートルだったでしょう?
(1)1200m
(2)2400m
(3)3200m

 【答え】(1)1200m

 スプリントが世界最高賞金額って意外ですね。その前の芝最高金額は凱旋門賞だったとのことで、普通に長距離レースです。
 また、オーストラリアでこのレースの前に最高金額だったメルボルンカップは3200mという、もっと長い距離。
 この印象が強いので、オーストラリアなら長距離だ!と思ってしまった人もいたかもしれません。

 なお、第1回の ジ・エベレストで、元日本馬のブレイブスマッシュが3着に入りました! つまり、日本馬が通用するレースであるということ。しかも、日本では 2勝のみしかしていない馬。うち1勝はサウジアラビアロイヤルCという重賞だったものの、その後は一線級とは言い難いものでした。距離があってなかった可能性もありますが…。
 ただ、日本のオーナーでは、こういうギャンブルに参加するような金持ちはあまりいない気がします。海外のオーナーだからこそかもしれません。
 ああ、でも、売却とは限らないので日本人オーナーの可能性がある…と検索。すると、オーストラリアンブラッドストック社が購入しての移籍だったようです。馬を見る目がありましたね。


■2022/04/28 重賞じゃない条件戦で賞金総額8000万円のジ・エベレスト関連レース

 特殊な形態のでレースですから、すぐ終わる…という可能性があった「ジ・エベレスト」。しかし、2022/04/28時点では元気でやっています。毎年10月に開催されており、2021年で5回となりました。

 「ジ・エベレスト」は終わっていないどころか、関連レースまで登場。Wikipediaによると、前年のジ・エベレスト優勝馬の名前を冠したウィナーステークスが2021年に新設されたそうです。前年の勝ち馬ですから、当然毎年名前が変わるということですね。
 2021年の第1回はClassique Legend Stakes、まだ開催されていない2022年はNature Strip Stakesと決まっています。第1回の場合は、「ジ・エベレスト」の2週間後の2021年10月30日に施行。距離は「ジ・エベレスト」の芝1200mとなぜか微妙に違う芝1300mで開催されていました。中途半端ですね。

 で、これでまた驚きなのが、このレースの賞金。2021年は重賞未格付のレースながら賞金総額100万豪ドル(約8470万円)だったとのこと。もちろん本体の「ジ・エベレスト」の賞金総額1000万豪ドル(約8億6290万円)には全然敵わす、10分の1なのですが、すごい金額ですね。
 「ジ・エベレスト」の1着賞金は580万豪ドル(約4億9880万円)だったので、同じ配分ならの1着賞金は58万豪ドル(約4,988万円)でしょうか。約5000万円です。たぶん今後重賞に設定されるということなんでしょうが、重賞じゃないのに1着5000万円って聞くと驚きですよね。日本で言えば、G2クラスの賞金です。
 この賞金からすると、相当良い馬が出ているんじゃないか?と出走馬について検索。すると、2021年の勝ち馬エデュアルド(Eduardo)はそもそも「ジ・エベレスト」本体に出走して3着だった馬。「ジ・エベレスト」挑戦前にはG1をすでに勝っている馬です。
 「ジ・エベレスト」に出走した馬、特に海外から挑戦しに来た馬にもう1レース走ってもらおう…という狙いなのかもしれません。

 なお、この戦績を見た<エデュアルド(Eduardo) | 競馬データベース | JRA-VAN Ver.World>では、レース名を「Classique Legend Stakes」と書かず、単に「条件戦」と書いていて笑いました。条件戦で賞金総額100万豪ドル(約8470万円)と聞くと、さらにインパクトありますね。
 また、距離が違った理由ですが、競馬場の都合かもしれません。「ジ・エベレスト」の開催場所はランドウィックであるのに対し、条件戦と書かれていた「Classique Legend Stakes」の開催場所はローズヒルガーデンズとなっていました。
https://world.jra-van.jp/db/horse/H1010403/


■2012/12/9 香港競馬の漢字(中国語)表記 千里通、大賞識、榮進寶蹄、萬能泰斗、天鵝騎士


 香港競馬では、海外の馬も漢字(中国語)表記になります。これがおもしろいんですよね。

 その昔のメモが出てきました。漢字だけの状態でわかるでしょうか? 回答までの間を少し開けますので、軽く考えてみてください。

天鵝騎士
千里通
大賞識
榮進寶蹄
萬能泰斗














  昔の話なんで自分でも忘れていました。しかし、意味を見ていくとわかるというもののもあります。最初のものがそうでした。

"天鵝騎士 白鳥の騎士"

 意味を見てたぶんローエングリンだなと。ローエングリンはオペラの題名と主役で、そのまんま白鳥の騎士なんです。

 また、次もわかりました。

"千里通 馬名の意味は「透視能力、千里眼」"

 これはテレグノシス。テレグノシスもそのまんま千里眼という意味。こちらも意味系でした。

 次もまた説明を見ればわかるもの。

"大賞識 賞賛するMAXでおそらく「大いに賞賛する」。ただ中国語の賞賛は別字だった。"

 これも右の意味を見れば、わかります。アドマイヤマックスですね。アドマイヤは今は単なる冠名となっていますが、元々の英語の意味は「賞賛する」なのです。

"榮進寶蹄 プレストンは名前っぽいので音からだろう。"

 上記はメモ時点で意味を調べずとも、答えが丸わかりでした。エイシンプレストン。ただ、「プレストン」は音からだろうと書いていますが、確証なし。
 今検索してみましたが、由来はよくわかりませんでした。
 「寶」は「宝」の旧字で、中国語なら「pao」、広東語なら「bou」。「蹄」は、中国語なら「ti」、広東語なら「tai」。
 香港ならおそらく広東語で「ボウタイ」?あんまり近くありませんが、たぶん音訳じゃないかなぁ?
 しかし、馬に関わりの深い「蹄」を「宝」だと言っているんですから、ベタ褒めですね。

"萬能泰斗 「マグナーテン」はドイツ語「Magnat」の複数形で、「有力者たち、巨頭たち」という意味。やや意味が違うか?泰斗は日本語にもあるがその道の大家の意。"

 こちらもメモの時点で答えが出ていますね。マグナーテンでした。万能の大家ということで、やはり良い意味です。
 こういう香港の翻訳センスは好きです。



2025年12月11日木曜日

プリンスリーギフト系・サクラバクシンオー系…ついに滅亡か?

■2023/03/21 プリンスリーギフト系・サクラバクシンオー系…ついに滅亡か?
■2025/12/11 プリンスリーギフト系でも特に成功したテスコボーイ、父系が伸びる
■2009/3/18 エアジハード産駒で強いと確信していたアンプレショニストのその後…


■2023/03/21 プリンスリーギフト系・サクラバクシンオー系…ついに滅亡か?

 エアジハード産駒の好きな馬の話を転載しようと思いましたが、みなさんが読んで楽しい話でもありません。どうしようか?と思って、この父系をたどって、プリンスリーギフト系の話を最初に少し書いてみることに…。
 プリンスリーギフトはネアルコ・ナスルーラから続く系統。この系統そのものは海外ですし、プリンスリーギフトも海外の馬でしたが、なぜかプリンスリーギフト系の血統が日本で活躍しました。日本がこぞってプリンスリーギフト系の種牡馬を導入したために、日本独自の系統として発展を遂げます。日本専用といった感じの血統です。

 プリンスリーギフト系の代表馬としては、例えば、1984年に日本調教馬として初めてジャパンカップに優勝したカツラギエースがいます。ただし、カツラギエースを輩出したキングストループ・ボイズィーボーイの系統はカツラギエース以外はイマイチでした。
 「日本がこぞってプリンスリーギフト系の種牡馬を導入した」と書いたように、ファバージなどある程度の実績を挙げた種牡馬はいます。ただ、プリンスリーギフト系の種牡馬でも成功に差がありました。正直、それほど目立っていない種牡馬も多かったです。

 では、プリンスリーギフト系の種牡馬で最も成功したのは?と言うと、何と言ってもテスコボーイ。テスコボーイからは何頭も種牡馬になる馬を輩出しており、特にトウショウボーイ、 サクラユタカオーは種牡馬としてもかなりの実績を残しました。
  トウショウボーイの最高傑作はなんと言っても数少ない三冠馬であるミスターシービーです。ただし、ミスターシービー自身がそうであったように、トウショウボーイの次世代の種牡馬はいまいちで、この系統は長く続いていきませんでした。

 種牡馬入りした産駒の頭数では完敗したものの、サクラユタカオーは少数精鋭的に良い馬を出しましたし、年齢が離れて若かったために、プリンスリーギフト系で続くとすれば、こちらの系統が有力でした。
 サクラユタカオーの中で戦績的に良く、種牡馬としても期待できそうだったのは、ともにG1を勝っているサクラバクシンオーとエアジハードです。
 私は個人的にエアジハードの方が好きだったのですが、残念ながらここからは有力な後継種牡馬は誕生せず。一方、サクラバクシンオーからはショウナンカンプ、グランプリボス、ビッグアーサーなどが登場し、種牡馬としても成功したと言えるでしょう。

 この3頭では戦績的にショウナンカンプが抜けており、当然種牡馬としても最も期待できました。私はエアジハード派だと書いたのですが、ショウナンカンプも大好きであり、個人的にも期待していたんですよ。
 ところが、ショウナンカンプは種牡馬としては成功と言えるほど活躍馬を出せず。ショウナンカンプ以外を含めたサクラバクシンオーの活躍馬ベスト5は以下の通りで、日本独自で隆盛を誇ったプリンスリーギフト系もついに滅亡しそうでした…。

馬名    性    父    総賞金(万円)
ラブカンプー    牝    ショウナンカンプ    17,712
ショウナンカザン    牡    ショウナンカンプ    16,275
トウシンマカオ    牡    ビッグアーサー    12,604
モズナガレボシ    牡    グランプリボス    11,067
ショウナンアチーヴ    牡    ショウナンカンプ    10,763

 ちなみに5位のショウナンアチーヴはPOG指名で好きだった馬。ベスト5以下では、6位で同じショウナンカンプ産駒のナリタスターワンもPOG指名馬。好きな血統だったので、続かないのは本当残念です。


■2025/12/11 プリンスリーギフト系でも特に成功したテスコボーイ、父系が伸びる

 昔のJRA 種牡馬リーディングが気になって眺めてみることに。まずは、キリよく1980年から。ベスト10は以下の通りで、この時代だと私は聞き覚えがない種牡馬もいます。

1980年 JRA 種牡馬リーディング
1    テスコボーイ (プリンスリーギフト系)
2    アローエクスプレス (グレイソヴリン系)
3    ミンスキー (ノーザンダンサー系)
4    バーバー  (プリンスリーギフト系)
5    ファバージ  (プリンスリーギフト系)

 1位はテスコボーイ。翌年の1981年も1位ですが、むしろそれ以前の方が1位が多く、1974年に1回、また、1977年から前述の1981年までが連続1位です。
 テスコボーイはプリンスリーギフト系で、私が聞き覚えなかった4位のバーバーや5位のファバージもプリンスリーギフト系のようです。

 テスコボーイは日本で成功したプリンスリーギフト系の中でも特に成功し、代表したサクラユタカオーからは最近まで父系が続き、後の時代の成功種牡馬よりも長く父系を残せたかもしれません。サクラユタカオーからサクラバクシンオー、エアジハード、さらに、サクラバクシンオーからショウナンカンプを生み出しました。
 ただ、以前書いたように、このあたりで終わりそうな感じ。この系統で一番好きだった馬となると、ショウナンカンプですし、エアジハードも好きでした。ショウナンカンプ産駒のショウナンアチーヴやナリタスターワンも好きだった馬です。なので、続かないのは、残念ですね。


■2009/3/18 エアジハード産駒で強いと確信していたアンプレショニストのその後…

2009/3/18:エアジハードは現役時代結構好きだったこともあり、エアジハード産駒のアンプレショニストはデビュー前から期待していた馬です。って言うか、エアジハード産駒実はかなり走ってますよ、きっと(適当)。頭数と牝馬の質を上げてくれれば、ガンガン走ると思うんですけど。もっと人気出て欲しいです。

 で、アンプレショニスト。2008/06/29の福島のデビュー戦は2番人気に押されるものの11着。あっれー?と思っていたら、2008/08/10の新潟で勝ち上がり。この時点で私は「この娘は強い」と確信します。
 次走の札幌のOP戦は5着でしたが、自信(勘違い?)は揺らぎません。次のサフラン賞はダイワバーガンディとかが人気していましたが、牝馬限定なら絶対馬券に絡むはずと思っていたら、見事9番人気2着(1着は12番人気)。でも、その後は3戦して最高が3着まででした。

 今回は、2009/03/14     中山10R アネモネSの話。たぶんここでは舐められるだろうけど差は無いはず…と思っていたら、起きると外ガンガン雨。私は中山競馬場近くに住んでいるので、中山競馬場の天気と同じです。馬場悪くなっちゃうと、よくわかんないし自信ないなーと思って期待せずに見ていました。
 鞍上は後藤騎手。先行馬ではないので、中団後方から。直線大外に持ち出したら、あれ?え、まさか?なんかすごい勢いで伸びてくるよ…と驚き。で、最後2着争いに加わっちゃっいました。2~4着が混戦だったんですけど、ハナ差で2着です。

 もちろん馬券の方は買っていませんでした。まあ、大抵そうなんですよね、私って。んで、次は人気しちゃうなーと思って、netkeibaの掲示板覗いてみたら、桜花賞の話が出ていて、あれ?と思います。
 2着まででしたっけ、優先出走権?今調べたら若葉Sとかも2着までなんですね。相変わらず、勘違いが酷いです。

 まあ、とにかく桜花賞。そんな大舞台出れるとは…。人気の心配ないんで買えるんですけど、とても買う気にはなりません。で、それで逆に走ってくれてエアジハードの評価上がるといいなー。とりあえず、この娘が今年の3歳牝馬最愛馬の筆頭候補です。

2023/03/21:その後のアンプレショニストですが、桜花賞は11着。そううまくはいきませんね。それどころか、以降は4着が最高で引退。結局、アネモネステークス2着がキャリアピークになっていまいました。

2024/04/17:桜花賞のときの感想が出てきたのでここにまとめます。
2009/04/16:すっかり遅くなりましたが、桜花賞の感想です。好きだったエアジハード産駒ということで、好きなアンプレショニスト。なんと離れて最後方。死んだふりでって言うのかもしれないけど、やる気なさすぎです。鞍上は横山騎手。あまりこういうこと書きたくないんですけど、残念ながら嫌いな騎手なんですよね。
 直線は3回くらいに分けて大外に持ち出して追い出します。位置を考えると、いくらなんでものんびりしすぎ。伸び方見るともともと能力が足りなかったようなんですが、もう少し真面目に乗って欲しかったです。



親子で主取りでスペルミスだった米三冠馬アメリカンファラオ

■2019/08/20 やり方に問題あり!アメリカの三冠が難しい理由とは…?
■2019/08/20 セリに出されて主取りになっていたアメリカンファラオ親子
■2019/08/20 歴史に残る超名馬なのに、名前はスペルミスだった!
■2019/08/20 BCジュヴェナイルに出なかったのに最優秀2歳牡馬に選出
■2022/11/14 意外に芝でも走る印象のアメリカンファラオ産駒、データ見てびっくり!


■2019/08/20 やり方に問題あり!アメリカの三冠が難しい理由とは…?

 もう今後は生まれないんじゃないかと思っていた米三冠馬。アメリカンファラオが2015年に37年ぶりとなる三冠馬になりました。その後はすぐ2018年にジャスティファイが三冠を達成しており、不思議な感じですね。

 アメリカの三冠が難しいのは、短期集中開催のためでしょう。典型的なものとしては、三冠まであと一歩となった二冠馬が最後のベルモントSで、休んでいて元気いっぱいの馬に敗れるというパターン。ズルいような気がするものの、そもそもスケジュールに無理がありますね。中1週、中2週というキツすぎるスケジュールの三冠です。

 37年ぶりとなる三冠馬となったアメリカンファラオのケースでも、ベルモントSに出走した他の7頭で三冠すべてに出走した馬はいませんでした。
 Our Pleasure2015年8月号 で解説していた秋山響さんは、「米三冠を阻止しようと狙い澄ましてフレッシュな状態でG1ベルモントSに臨んだライバルを全く寄せ付けなかった」としており、この点はもっと強調されていい、つまり、評価されて良いとしていました。

■2019/08/20 セリに出されて主取りになっていたアメリカンファラオ親子

  歴史的な馬になったアメリカンファラオですけど、いろいろと妙なエピソードがあります。
 馬主は、飲料事業で財を成したアーメド・ザヤット(名義はザヤットステーブルズ)さん。自家生産馬で、父パイオニアオブザナイルはザヤットが所有してG1サンタアニタダービーを制し、G1ケンタッキーダービーでも2着に入った馬。父をさかのぼっていくと、エンパイアメーカー、アンブライドルド、ファピアノ、ミスタープロスペクターとなります。アンブライドルドの系統は近年、超名馬を出してきますね。
 
   一方、母リトルプリンセスエマはなんと未勝利。ただ、怪我のためということですので、本当はもっと強かったのかも。この馬もアーメド・ザヤットさんの末娘の名前がつけられたザヤットさんの所有馬だったそうです。
 ところが、 アメリカンファラオは1歳時にサラトガで行われたファシグティプトン社8月セールに上場させて、主取りとなっています。あまり期待されていなかったのかもしれません。あやうく 危うく将来の三冠馬を手放すところでした。
 ただ、主取りと言っても買い手がつかなかったわけではなく、 ザヤットさんが考えていたほど値段が上がらなかったことで、30万ドルでザヤットさんの代理人が買ったんだとのこと。なので、30万ドル以上の価値があるとは考えていたわけで、全く期待されていなかったということでもないとも言えそうです。
  Wikipediaによれば、 競りの数週間前に脚をぶつけたためセールの際に小さなコブがまだ残っており、これが入札者に購入を躊躇させる一因となったとのこと。また、ザヤットは有望な仔馬は100万ドル以下では売らないとしており、100万ドル以上の価値を感じてたんですね。十分評価されていた感じ。
 また、2007年のセールでは父のパイオニアオブザナイルも同じく29万ドルで買い戻しているということで、ここで売られていたとしても、やはりアメリカンファラオは誕生していなかったでしょう。



 ■2019/08/20 歴史に残る超名馬なのに、名前はスペルミスだった!

 その他にもへんてこな話なのが、 馬名の欧文表記であるAmericanPharoahの“Pharoah”は“Pharaoh”(古代エジプトの王の称号であるファラオの意味)の良くあるスペル間違いで、後半のoaという並びはaoが正しいということ。スペルミスの馬が三冠馬になっていました!

 Wikipediaでは、アメリカンファラオの名は、父がパイオニアオブザナイル、母父がヤンキージェントルマン(アメリカ人の紳士)であることとオーナーがアメリカ在住のエジプト人であることから付けられたが、電子登録の際に間違えたためとの説明です。
 ただ、秋山響さんはもう少し詳しい説明。この名前は公募の結果選ばれたもので、ザヤット側は応募者のスペル間違いに気がつかず、そのまま米ジョッキークラブに馬名を申請してしまったとのこと。公募であり、応募者の時点で間違っていたようです。

 そして、ジョッキークラブ側にスペルチェックの義務はないため、そのまま審査を通過してしまったというわけ。日本でも活躍馬がトンデモナイ名前になったことありますね。ここらへんは少し工夫するだけで改善できそうなんですけど…。

 ■2019/08/20 BCジュヴェナイルに出なかったのに最優秀2歳牡馬に選出

 また、競走成績などもおもしろいですね。 2歳8月にデビューはまさかの5着。競馬場の喧噪を気にするところを見せたとされていますが、確か日本では新馬戦で負けて三冠馬(ダービー馬だったかな?)になるのは珍しいといった話があったと思います。
 彼の場合、ブリンカーが逆効果だった模様。で、音に敏感な面をカバーするため耳栓を装着して2 戦目に行ったのですが、これがなんといきなりG1挑戦。日本では無理ですね。で、このG1デルマーフューチュリティ(AW7f)で初勝利。続くG1フロントランナーS(ダ8.5f)も制しています。
 そして、おもしろいのが、期待されたG1BCジュヴェナイルは、レースを目前にして左前肢を大きく挫傷して回避になってしまったのに、米最優秀2歳牡馬に選出されたこと。
  回避したG1BCジュヴェナイルはテキサスレッドが6馬身半差で圧勝していたんですが、このテキサスレッドはG1フロントランナーSでアメリカンフェローから約5馬身も離された3着に完敗していた馬だったのです。この結果を受けてアメリカンファラオの評価は相対的に上昇したというわけ。で、実際、強くて三冠馬になったんですね。
 日本の場合は2歳牡馬G1が一つしかない状態が長く、牝馬は今でも一つ。なので、仕方ないのかもしれませんけど、G1を勝ったら最優秀2歳馬という感じになっており、私は不満でした。G1で負けても能力的には上…ってパターンがあると思うんですよね。アメリカンファラオの場合は無冠ではないのでケースが異なるのですけど、こういう柔軟性が日本にもほしいと個人的には思います。

  ■2022/11/14 意外に芝でも走る印象のアメリカンファラオ産駒、データ見てびっくり!

 アメリカンファラオ(American Pharoah)産駒はアメリカのダートでこそ活きるものであり、日本の馬場では合わないんじゃないか?と言われつつも、それなりに日本でも活躍馬を出してきますね。ダービーまでは芝偏重でダート軽視という、日本独特のやり方のせいで芝にも出走しているのですが、その芝でもかなり走る馬が出ており、驚きます。

 ただし、当たり外れは大きい感じ。2022/11/14時点で3歳以上のアメリカンファラオ産駒は47頭いますが、1億円以上は2頭のみ。もう1頭1億円行けそうな馬がいますけど、マル外としては特別多いわけではないかもしれません。ここらへんは私の当てずっぽうで言ってますので、本当なら検証する必要がありますけどね。

カフェファラオ     牡     2017    38,879.50
ダノンファラオ     牡     2017    16,690.00
リフレイム     牝     2018    8,468.30

 代表産駒カフェファラオは、最初からダート。圧倒的な走りで連勝し、歴史的名馬か?と期待されたのですが、負けるときには不甲斐なくころっと負けるのも特徴。妙に親近感が増しちゃう馬です。
 このころっと負けるせいで、馬場の得意不得意が言われていたんですけどどうでしょうね。性格の問題かもしれません。
 前述の通り、芝でもやれる馬がいるせいか、何度か芝もチャレンジしています。ただ、箸にも棒にもかからない感じで、彼はダメみたいですね。

 カフェファラオと同じ冠名+ファラオというわかりやすい命名であるダノンファラオも1億円超えの代表産駒。彼は今のところダート一筋となっています。

 現在3位リフレイムはいろいろと上記2頭とタイプが違うのがおもしろいところ。まず2頭と違って牝馬。命名もファラオを使わないリフレイムで、「再構成する」という意味です。母はCareless Jewel(直訳だと「不注意な宝石」という不思議なネーミング)であり、母名由来でもなさそう。謎です。
 馬名は良いとして、最も特徴的なのは完全な芝馬として出世してきたこと。こちらは逆にダートを試す…といった感じで今後路線変更する可能性があるものの、5つの勝ち星をすべて芝であげています。
 血統を見てみると、母父はTapit。Tapitも芝で勝つ馬は出るものの、基本はダートですね。芝13勝、ダート76勝となています。シアトルスルー、A.P. Indyから続くラインですので、芝でもある程度走るイメージはありますけどね。
 アンブライドルド系であるアメリカンファラオ(American Pharoah)産駒も見てみると、芝6勝、ダート33勝で圧倒的にダート。というか、芝6勝のうち5勝をリフレイム1頭であげていることになるので、他の馬はほぼ全く勝てていませんでしたわ。「芝でも走る」というイメージは、リフレイム1頭のために勘違いしていただけのようで衝撃です。


2025年12月10日水曜日

中央ローカル…馬券が不得意な競馬場 得意コースを作るのは大事?

■2019/05/05 何レース目の馬券が得意? データをとるとはっきりとした傾向
■2019/05/05  G1・重賞・未勝利・新馬戦など得意な馬券条件はあるのか?
■2019/05/14 中央ローカル…馬券が得意不得意な競馬場ってある?
■2019/05/14 馬券が得意な競馬場・コースを作るのは大事?
■2019/06/02 人気不人気、どっちの馬券を買うのが有利?得意不得意は…
■2019/06/02 人気サイドの複勝買うなんて意味不明?でも計算すると…
■2019/06/02 極端な人気馬も不人気馬もダメ…その間のところがおいしい?
■2019/06/02 最近の単勝は回収率100%超え!傾向もはっきりくっきり



■2019/05/05 何レース目の馬券が得意? データをとるとはっきりとした傾向

 本人じゃない人にはどうでもいい話でしょうが、私自身の馬券傾向として、得意な条件があるか?というのが気になりました。
 この切り口は、いろいろと あるでしょう。ただ、データとして残っているものとなると限られています。芝・ダートの差なんかは気になるものの、細かく記録していません。残念。
 とりあえず、わかりそうなものということで、今回は重賞や未勝利などといった条件。人によって重賞が得意とか苦手とか、新馬戦が目一杯強いとか、ありそうな気がします。
 でも、こうした重賞・条件戦などの違いよりもっとデータのとり方が簡単そうだった第何R、何レース目かというのを先に…。

 私はあまり馬券を多く買わない方だと思うのですけど、2016年から2019年5月5日まで買った39万円で計算してみました。
 まず多くの人がそうであるように、メインレースである11Rの購入が一番多くなりました。ただ、私はそれほど偏っておらず、購入者全体の売上傾向とは差がありそう。2番め、3番めに多いのも、7R、3Rという妙なところでした。一方少ないのも9R、10Rという、本来ならより比較的重要なレースが多い妙なところです。
 で、回収率ですが、よく買っている11Rがひどく、1番ひどいのも多く買っていた7R。逆に買うことが少なかった9R、10Rが良くて、回収率ベストの5Rも少なかった方のレースでした。

R数    購入金額    払い戻し    回収率
1R    33,300    19,600    59%
2R    31,400    37,520    119%
3R    37,800    34,600    92%
4R    28,400    32,320    114%
5R    28,500    46,010    161%
6R    34,600    19,370    56%
7R    39,800    13,240    33%
8R    36,400    34,640    95%
9R    23,700    35,300    149%
10R    26,100    29,840    114%
11R    46,000    21,150    46%
12R    29,300    14,400    49%

 購入金額が少ないと上下にぶれやすいので、回収率が高くなることがありますが、同時に極端に低い回収率も出てくるのが普通。そういうんじゃなくて、よく買うレースほど下手というふうに、逆相関している感じですね。購入金額と回収率で相関係数を出してみると、-0.69で結構強い負の相関がありました。 びっくりです。
 ただ、これ、馬券検討の改善に使えるかなぁ? 無理な気がしますね。
 とりあえず、メインレースが弱いのだけは、心当たりがあります。私はある程度決まった条件にあてはまった馬や騎手しか買わないようにしています。手動の自動売買的な雰囲気です。
 ところが、メインレースだとついついその条件に当てはまらない馬が気になって、裁量で買っちゃうんですよね。そういう根拠のないレースは、やはり外れやすいんじゃないかと思います。



■2019/05/05  G1・重賞・未勝利・新馬戦など得意な馬券条件はあるのか?

 すでに上記の時点で重賞が壊滅的なことがわかります。条件別は、こちらを先に見てみましょう。
 以下のように、やはりボロクソ。購入金額が少ないとは言え、G2はなんと回収率ゼロというすごい数字に…。どのグレードでも回収率の目安となる7割に達しているものがなく、下手すぎーという感じ。
 あと、その他が300円あるのはすべて海外G1。これも未だに当たったことがありません。

条件    購入金額    払い戻し    回収率
G3    13,500    8,660    64%
G2    3,600    0    0%
G1    14,400    8,380    58%
その他    300    0    0%
合計    31,800    17,040    54%

 じゃあ、OP・L(リステッド)も下手なのかというと、そうではなし。というか、ここが一番よく、唯一の回収率100%超えでした。傾向がよくわかりませんね。
 なお、L表記ができてから買ったLのレースは、回収率100%。中止で払い戻しになったプリンシパルS100円のみだったためです。

条件    購入金額    払い戻し    回収率
障害    3,400    1,250    37%
新馬    39,400    34,030    86%
未勝利    127,100    124,030    98%
500万下    125,400    105,880    84%
1000万下    38,400    26,580    69%
1600万下    16,000    9,630    60%
OP    13,800    19,550    142%
合計    363,500    320,950    88%

 あと、購入金額で見ると重賞は全体の10%程度、そのほぼ半々がG1とG3といった感じ。こういう買い方の人はあまりいないんじゃないでしょうか。普通は重賞をよく買いますよね。
 私の場合、最も購入金額が多いのが未勝利で、500万下も同じくらい。単にレース数が多いからでしょうけど。上で見たとおり、私は1~12Rまで比較的まんべんなく買っています。

 あと、未勝利と500万下は100%未満ですけど、目安の7割は突破しており、比較的得意でもある感じ。新馬戦も同程度ですね。
 そして、基本的には上級条件になるほど下手になる傾向。なのに、OP・Lだけ異常に高い回収率というわかりづらいことに。とはいえ、ここは比較的購入金額が少ないため、まだ収束していないのかも…。
 ということで、私は下級条件ほど得意な傾向がある、と言って良いみたいですね。本当は重賞なんか買わない方が良いのでしょう。思った以上にきれいに傾向が出てくれて、正直驚きました。 


■2019/05/14 中央ローカル…馬券が得意不得意な競馬場ってある?

 馬券の得意不得意の分析で、競馬場について。
 馬では得意な競馬場・苦手な競馬場があるということが珍しくありません。騎手ではそこまで極端ではないものの、たまにそうした傾向が言われることがあります。馬券でも得意不得意があるかもしれません。

 私は以前先行馬好きで、小回りでなおかつ札幌・函館が得意…と思い込んでいた時期があります。ただ、思い込みだけでしょうし、今は先行馬ばかり買っているわけでもなく、あまり関係なさそう。期待せずに調べてみます。

 まず、すでにまとめてあった2006年から2018年までのデータ。古いところが多いので、先行好きだった頃が主体です。
 ほとんど差がなくばらつくんじゃないかと思ったのですけど、思ったより差が出ました。極端にひどかったのが 阪神競馬場で回収率56%。下手すぎです。
 次に悪いのが中山競馬場、新潟競馬場なのですけど、75%、78%ですので、この時点で回収率の目安となる7割を超えてきました。全体としては、回収率83%。本当にこんなに良いんですかね? データが正しいか、心配になってきました。
 100%超えは3場で、中京・札幌・福島。それぞれ114%、105%、104%でした。みんな小さい競馬場であるものの、タイプが異なる競馬場。回収率の悪い方を見ても規則性が見つからず、馬券対策も思いつきませんでした。
 中央場所が苦手でローカルの方が良かった記憶もあるんですが、その傾向はありますかね。ただ、これでなにか対策できるかというと、やはり思いつきません。

順位    競馬場    購入    払戻    回収率
1位    中京    57,500    65,290    114%
2位    札幌    21,700    22,710    105%
3位    福島    41,800    43,450    104%
4位    函館    19,100    18,610    97%
5位    京都    117,600    104,040    88%
6位    小倉    44,700    39,120    88%
7位    東京    160,000    128,930    81%
8位    新潟    54,100    42,440    78%
9位    中山    120,600    89,890    75%
10位    阪神    99,700    55,390    56%



■2019/05/14 馬券が得意な競馬場・コースを作るのは大事?

 次に2019年のデータを加えた、2016年以降という最近のデータ。最近は馬券がうまくなった気がしていたものの、全体としては85%でほとんど変わらず。気のせいだったようです。
 先程より購入金額が少ないため、こちらの方がばらつきます。ワーストは東京、小倉、阪神で、56%、57%、62%でした。先程と顔ぶれも代わりました。
 良かった方はわりと似ていて、中京、京都、福島で、140%、119%、93%でした。
  やはり傾向も対策も思いつきませんね。おもしろい話になりませんでした。

順位    競馬場    購入    払戻    回収率
1位    中京    39,100    54,650    140%
2位    京都    58,700    70,110    119%
3位    福島    25,400    23,530    93%
4位    札幌    5,500    5,050    92%
5位    函館    8,400    7,180    85%
6位    新潟    32,300    27,180    84%
7位    中山    72,300    60,550    84%
8位    阪神    52,100    32,230    62%
9位    小倉    27,100    15,440    57%
10位    東京    73,400    41,070    56%

 おもしろい話にできなかったので検索かけてみると、もっと細かく「ある競馬場のある距離」という得意なコースを作りましょうといったアドバイスがありました。過去の傾向を見て予想できるコースという意味ですね。
 私も実はこうしたコース傾向をすごく気にしていた時期があり、楽しいには楽しかったのですけど、特に結果には関係なかったのか、今回見たようにどの時期も同じような回収率でした。台無しにしちゃうこと書いちゃいましたね。
 ただ、とりあえず、過去の自分のデータを振り返って確認するというのは大事。私はそうしたところまで記録していなかったのですけど、もっと細かく見ていくと傾向が見えて、対策が立てられたかもしれません。


■2019/06/02 人気不人気、どっちの馬券を買うのが有利?得意不得意は…

 「実は人気馬の方が確実に儲けられる」という人もいれば、不当に不人気になっている3連単を多数買って儲けている人もいます。
  厳密には馬券の種類や、当選馬券の数によって回収率が異なってくるのですけど、基本的にはどっちが有利と一概に言えるものではないでしょう。
 それよりも個人差、得意不得意がある可能性がありますので、自分の馬券購入傾向について分析してみた方がためになるんじゃないかと思います。

 ということで、やってみました。過去はワイド中心に買っていたものの、これはデータ的に分析が難しいので、単勝複勝のみで計算。また、私は近年半自動売買的な感じで、買い方が変わったので、その前の2017年2月までのデータを見てみました。
 1,2番人気はまだマシなのですが、3,4番人気の回収率が悪いです。また、8~11番人気もかなり悪く。さらに、14番人気以下は回収率ゼロです。
 一方良いところでは、ガンガン100%超え。5~7番人気、12,13番人気で回収率100超えということで思った以上に、傾向らしきものが出て嬉しいです。対策できそうな偏り方。ただ、前述の通り、今買っていない買い方なので参考にならないんですけど…。

<~17年2月 単勝>
人気  購入  払い戻し  回収率
1  9,800  8650  88%
2  13,800  10100  73%
3  13,100  6160  47%
4  11,000  5240  48%
5  9,600  10720  112%
6  11,300  12420  110%
7  15,000  17380  116%
8  17,300  6460  37%
9  16,000  6620  41%
10  12,800  7110  56%
11  9,600  5580  58%
12  9,700  19320  199%
13  6,600  7590  115%
14  5,800  0  0%
15  4,500  0  0%
16  1,900  0  0%
17  400  0  0%
18  300  0  0%
合計  168,500  123,350  73%



■2019/06/02 人気サイドの複勝買うなんて意味不明?でも計算すると…

 単勝と比べると、複勝は安定。その分はっきりとした差は出なかったものの、1~5番人気の回収率が良さそうな感じ。前述の通り、今の買い方と異なるのですけど、人気サイドの複勝だけ買っていれば、回収率をプラスにできた感じです。
  人気サイドの複勝買うなんて意味不明…みたいなことを友達に言われたことがあるのですけど、このように配当が低くてもちゃんと稼ぐことが可能です。「理論上は…」ですけどね。

<~17年2月  複勝>   
人気  購入  払い戻し  回収率
1  800  720  90%
2  1,900  2740  144%
3  4,800  3490  73%
4  4,700  7580  161%
5  10,900  11430  105%
6  14,500  11370  78%
7  20,700  14600  71%
8  22,900  13240  58%
9  22,700  19650  87%
10  22,000  17200  78%
11  15,700  14980  95%
12  15,100  7430  49%
13  12,700  15200  120%
14  10,000  4930  49%
15  6,600  6640  101%
16  2,900  0  0%
17  2,000  0  0%
18  900  0  0%
合計  191,800  151,200  79%


■2019/06/02 極端な人気馬も不人気馬もダメ…その間のところがおいしい?

 さて、ここから私にとっての本番。最近の買い方はどうなっているでしょう? こちらはデータがちょっと少ない複勝を先に見てみました。 以前は複勝の方が多く買っていたのですけど、最近は逆になったんですよね。
 まず、全体としては、回収率が79%から、86%にアップ。最近馬券がうまくなった気がしていたのは、気のせいではなかったのかも。今年に限れば、回収率が130%近くなっています。
 ただ、肝心の傾向はわかりづらく。強いて言うと、8番人気以下、17番人気以上といったところで回収率が低く。9~13番人気の真ん中あたりで回収率が高いですね。私の今の買い方だと、極端すぎない不人気馬狙いをすべきでしょうか。
 あと、以前の買い方と、得意なところが大きく変わったということもわかります。以前は、人気サイドの方が得意でした。

<17年3月~  複勝>
人気  購入  払い戻し  回収率
1  200  140  70%
2  1,400  800  57%
3  1,700  770  45%
4  2,400  1610  67%
5  3,400  3610  106%
6  3,300  970  29%
7  6,000  1880  31%
8  9,000  7110  79%
9  9,400  10970  117%
10  9,000  6040  67%
11  9,400  9040  96%
12  9,100  14090  155%
13  8,200  10550  129%
14  8,400  6930  83%
15  7,400  3380  46%
16  5,300  4890  92%
17  1,200  0  0%
18  1,000  0  0%
合計  95,800  82,780  86%


■2019/06/02 最近の単勝は回収率100%超え!傾向もはっきりくっきり

  最後に私にとっての主戦場で本命である、最近の単勝。嬉しいことに以前の回収率が73%だったのが、今は104%。100%超えてきました。ここを中心にして戦うってのは、正解だったようです。
 不人気馬はやはりなかなか当たらず、15番人気以下での回収率はゼロ。ただ、ここらへんは当たれば大きいせいか、14番人気でも回収率83%。そして、驚くべきことに9~13番人気ですべて回収率100%超え。
 8番人気だけ52%とかなり悪いものの、7番人気も131%。思った以上にはっきりと傾向が出ましたね。ここらへんの単勝が私は得意なようです。単複いっしょに買うことが増えたので当然といえば当然ですが、同じようなところが得意になっています。
 以前単勝が良かったのは、5~7番人気、12,13番人気でした。ある程度かぶっていますが、得意なところが広がって、やや不人気サイドにずれたイメージです。

<17年3月~  単勝>
人気  購入  払い戻し  回収率
1  700  450  64%
2  2,400  1730  72%
3  3,400  1680  49%
4  3,900  3490  89%
5  5,100  4610  90%
6  6,100  3030  50%
7  11,100  14550  131%
8  14,300  7410  52%
9  14,000  18020  129%
10  13,900  25680  185%
11  13,000  21070  162%
12  11,900  16720  141%
13  10,800  17220  159%
14  10,800  8990  83%
15  9,200  0  0%
16  6,400  0  0%
17  1,600  0  0%
18  1,100  0  0%
合計  139,700  144,650  104%

 思った以上にきれいに傾向が出てくれて、ホッとしました。おもしろいので、みなさんも自分の馬券を分析してみると良いと思います。




2025年12月9日火曜日

競馬以外の名馬列伝:オリンピック金メダル西竹一(バロン西)とウラヌス号など

■2017/01/09 競馬以外の名馬列伝
■2014/8/19 オリンピック金メダル西竹一(バロン西)とウラヌス号
■2013/4/6 漢の武帝の汗血宝馬 馬1頭のために戦争が起こるほどの名馬
■2013/4/7 コマンチ 南北戦争でカスター将軍の部隊唯一の生き残りは馬1頭


■2017/01/09 競馬以外の名馬列伝
 競走馬以外の名馬に関する話をまとめました。

■2014/8/19 オリンピック金メダル西竹一(バロン西)とウラヌス号

 最近ではなく、はるか昔、戦前の話です。

-----引用 ここから-----
西 竹一(にし たけいち、1902年(明治35年)7月12日 - 1945年(昭和20年)3月22日)は、大日本帝国陸軍の軍人、華族(男爵)。最終階級は陸軍大佐。通り名はバロン西(バロン・ニシ、Baron Nishi)。

1932年 ロサンゼルスオリンピック馬術障害飛越競技の金メダリスト。帝国陸軍の騎兵将校として騎兵畑を歩んでいたが、のちには機甲兵に転科し戦車第26連隊の連隊長として第二次世界大戦に従軍、硫黄島の戦いで戦死した。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E7%AB%B9%E4%B8%80
-----引用 ここまで-----

 この方は競走馬風に言うと、良血ですね。

-----引用 ここから-----
父・徳二郎は外務大臣や枢密顧問官などを歴任し、駐清公使時代には義和団の乱処理に当たった人物であった。また、義和団の乱の処理の際、西太后から信頼を厚くされシナ茶の専売権を与えられ巨万の富を手にしたといわれている。

1912年(明治45年)には徳二郎が死去し、その跡を継ぎ当主として男爵となる。後見人は西伊佐次。妻となる武子の祖父は川村純義海軍大将、父は伯爵・川村鉄太郎であり、武子の長姉・艶子は阪本釤之助の子で第二次大戦中の駐スイス公使時に終戦工作に奔走した阪本瑞男に嫁いだ。子に長男の泰徳に、長女と次女の三子。
-----引用 ここまで-----

 馬の話は以下。

-----引用 ここから-----
西は華族として乗馬を嗜んでおり、自身もそれを好んでいたことから兵科は帝国陸軍の花形である騎兵を選んだ。陸士予科では隊附生徒(士官候補生)として世田谷騎兵第1連隊に配属(卒業成績:19番中13番)。(略)

1930年(昭和5年)3月、軍務として欧米出張中の西はイタリアにてのちの愛馬ウラヌス(ウラヌス号)に出会う。ウラヌスは軍から予算が下りず、当時の価格で2,000円とかなりの高額ながら自費購入であった[注釈 2]。西はウラヌスと共にヨーロッパ各地の馬術大会に参加し、数々の好成績を残す。

[注釈 2]^ 世界大会での使用に耐え得る一流の馬術競技馬は、少なくとも現代においては億円単位の高い価値を持つ存在である。
-----引用 ここまで-----

 競馬は今でも富裕層との関係が深いですけど、当時の「馬術競技馬」というのもまさしく金持ちじゃないとやっていられない競技だったんですね。
 このウラヌス購入の2年後である1932年(昭和7年)には、ロサンゼルスオリンピックに出場。ウラヌスを駆って馬術大障害飛越競技に優勝、金メダリストとなります。「これは2012年(平成24年)現在においても日本がオリンピック馬術競技でメダルを獲得した唯一の記録」だとされていました。

-----引用 ここから-----
最後の障害でウラヌス自身が自ら後足を横に捻ってクリアしたこともあり、インタビューでは「We won.」(「我々(自分とウラヌス)は勝った」)と応じ、世界の人々を感動させた。西はバロン西(Baron=男爵)と呼ばれ欧米、とりわけ上流階級の名士が集まる社交界で、また当時人種差別感情が元でアメリカで排斥されていた在米日本人・日系人の人気を集め、のちにロサンゼルス市の名誉市民にもなっている。なお現地で行われた金メダル受賞パーティーにはダグラス・フェアバンクスも参加するほどの盛大なものであったという。(略)

西は1936年(昭和11年)のベルリンオリンピックにも参加しているが、ウラヌスと臨んだ障害飛越競技では競技中落馬し棄権している。オリンピックの数ヵ月後の同年11月には日独防共協定が締結されていることから、この意外な落馬には主催国ドイツの選手に金メダルを譲るために西が計った便宜ではなかったかという憶測が当時から流れていた。同大会では帝室御賞典などに優勝した元競走馬のアスコットと共に総合馬術競技にも出場し、12位となっている。
-----引用 ここまで-----

 馬術競技の話はここまで。西 竹一さんはその後、1944年6月20日に硫黄島への動員が下令。満州から日本内地経由で硫黄島へ向かうが、その行路(父島沖)においてアメリカ海軍ガトー級潜水艦「コビア」の雷撃を受け、28両の戦車ともども輸送船「日秀丸」は沈没します。
 ただし、連隊内の戦死者は2名のみで西 竹一さんも無事。8月、戦車補充のため一旦東京に戻り、東京川崎財閥の御曹司で親友であった川崎大次郎の車を借用して駆け回っていたそうです。
 このとき、馬事公苑で余生を過していたウラヌスに会いに行き、ウラヌスは西の足音を聞いて狂喜して、馬が最大の愛情を示す態度である、首を摺り寄せ、愛咬をしてきたといわれています。
 ただ、結局、この後、再び戦地に赴いて死亡してしまいました。

-----引用 ここから-----
1945年、(略)3月17日に音信を絶ち、3月21日払暁、兵団司令部への移動のため敵中突破中に掃射を受けその場で戦死したか、もしくはその後に銀明水及び双子岩付近にて副官と共に拳銃自決したとも、あるいは3月22日、火炎放射器で片目をやられながらも、数人の部下らと共に最期の突撃を行い戦死したともいう。(略)

なおその西の後を追うかの如く、戦死の一週間後の3月末、陸軍獣医学校に居たウラヌスも死亡している。西が死ぬまで離さなかったウラヌスの鬣(たてがみ)が、1990年(平成2年)にアメリカにおいて発見され、現在では軍馬鎮魂碑のある北海道中川郡本別町の歴史民俗資料館に収められている。
-----引用 ここまで-----

 以降はウラヌスのWikipediaから。

-----引用 ここから-----
ウラヌス号(192?年 - 1945年3月28日)は、1932年のロサンゼルスオリンピック馬術大障害飛越競技の金メダリストである西竹一日本陸軍大佐の愛馬。フランス生まれ。品種はアングロノルマン、血統は不明。栃栗毛。

1930年4月、西がイタリアで購入。元の持ち主はウラヌスを乗りこなせず売りたがっていたことを今村安が聞きつけ西に伝えたところ、それなら自分が乗ってみようと6,000リラを私費で支払った。特徴は額にある星と、体高(肩までの高さ)が181cmもある大きな馬体。性格はかなり激しかったらしく西以外は誰も乗りこなせなかったという。西とともにヨーロッパの多くの大会で入賞し、ロサンゼルスオリンピックでは金メダルを獲得した。ほか、4年後のベルリンオリンピックなどにも参加した。ロサンゼルスオリンピックでは、160cmの障害を飛び越える際にみずから馬体をよじりミスを防いだ逸話が残っている。

引退後は馬事公苑にて余生を送っていたが、硫黄島の戦いで西が戦死すると、後を追うように病死した。遺体は馬事公苑のどこかに埋葬されたという説と、陸軍獣医学校に埋められたのち空襲により失われたとする2つの説がある。戦後、西が硫黄島で最期を遂げるまで身につけていたウラヌスのたてがみがアメリカで発見され、現在は本別町歴史民俗資料館に収められている。
-----引用 ここまで-----

 西竹一さんは人気がある一方で、"日本の土着的風習が理解できず、良くも悪くも男爵家育ちの自然児"という人だったといいます。「土着的風習」という表現は他で見ない表現ですが、「土着」というのは「土着昔からその土地で生活していること」を意味しますので、昔からの日本の風習・伝統文化的なところが嫌いだったという意味かもしれません。
 一方で、ウラヌスも"誰も乗りこなせなかった”馬だといいますので、なにか通じるものがあり、「馬が合った」のかもしれません。


■2013/4/6 漢の武帝の汗血宝馬 馬1頭のために戦争が起こるほどの名馬
 以下は花を解説したページですけど、由来に絡んで馬の話も出ていました。

-----引用 ここから-----
汗血宝馬

史記に記載されているところによると、大宛馬はもともと天馬の子孫で、高速で疾走した後肩がだんだん盛り上がり、さらに鮮血のような赤い汗をかいたので“汗血宝馬”と呼ばれた。

http://nooyan.fc2web.com/hansyuebaoma.htm
-----引用 ここまで-----

 汗血馬は複数の名馬がこう呼ばれており、三国志で有名な赤兎馬もこの馬じゃないかと言われています。これについては後述します。

-----引用 ここから-----
言い伝えによると西漢の頃、張騫 が使者として西域へ赴いた後頻繁に使いのものが西域へ行くようになり、そこで強健な大宛馬を見かけた。そこで漢武帝に報告すると駿馬に目のない武帝は大喜びし、特別に金の馬を鋳造させ使者をもって大宛国に贈らせ、この金の馬と一頭の汗血宝馬を交換させようとした。
-----引用 ここまで-----

 ところは、交渉は決裂。激怒した武帝は西域の大宛国に将軍を派遣し、攻め入ります。

-----引用 ここから-----
大宛国の人々は抵抗することもかなわず国王を殺したうえで漢軍と和議に応じ、漢朝廷に良馬を献上することに同意した。漢軍は3000頭の良馬を連れ帰った。しかし長い道程のため多くの馬を失い玉門関に着いたときには1000頭を残すのみになっていた。汗血宝馬を手に入れた漢武帝は大いに喜び、”天馬“の美名を汗血宝馬に与えた。
-----引用 ここまで-----

 Wikipediaでは以下です。

-----引用 ここから-----
汗血馬(かんけつば)は、中国の歴史上で名馬といわれた馬の種類。「血のような汗を流して走る馬」という意味で「汗血馬」と呼ばれる。

前漢の武帝時代に、西域への大旅行をした張騫の報告により、大宛(フェルガナ)にこの名馬が産することを知り、外交交渉でこれを手に入れようとしたが、決裂したので遠征軍を送り、これを得た。武帝は汗血馬を得た喜びのあまり「西極天馬の歌」を作らせて「天馬」と汗血馬のことを褒め称えた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%97%E8%A1%80%E9%A6%AC
-----引用 ここまで-----

 赤兎馬については以下。

-----引用 ここから-----
小説『三国志演義』に登場する名馬・赤兎馬はこの汗血馬をイメージしたのではないかと思われる。
-----引用 ここまで-----

 また、汗血馬の諸説。

-----引用 ここから-----
汗血馬という名前に関して言うと、主に遊牧民の君主や有力者が名乗る称号である可汗から「王の血統の馬」とする解釈が妥当であるが、実際に血を流していた、或いはそういう風に見えたという説も多い。馬の毛色によっては汗を流した時に血のように見えることがあるようだ。また寄生虫に寄生されている馬は実際に血の汗を流すことがある。この寄生虫による馬の能力低下はあまり無い。

寄生虫の寄生(皮膚表面での吸血)による滲んだ血液が「血を流す」ように見え、かつその寄生虫による皮膚の刺激(痛み・痒み)によって、あたかも狂ったかのように(通常の馬としての巡行走行速度や走行距離以上に)疾走したというのが汗血馬のいわれでは、という説もある。

面白い所では競走用に訓練された河馬ではないかという説もある。河馬は陸上では時速40km以上で走る能力を持ち、水中生活を主とする彼らの皮膚は乾燥や紫外線に弱く、それらから保護するために、俗に「血の汗」や「ピンクの汗」などと呼ばれる赤みを帯びた粘液を体表から分泌する。
-----引用 ここまで-----

 カバさんって早いし、獰猛らしいですけど、カバ説まであってびっくりです。

■2013/4/7 コマンチ 南北戦争でカスター将軍の部隊唯一の生き残りは馬1頭
-----引用 ここから-----
カスター将軍

南北戦争の際、北軍の勝利の糸口をひらいたカスター(ロバート・ショウ)は、終戦の時には名誉少将になっていた。彼のよき理解者シェリダン将軍は、戦後の平和な社会に生きられないカスターを西部に派遣しインディアン討伐の任務を与えた。
(略)カスターはインディアン攻撃のプランを立てたが、一方、インディアンも全種族をあげて大規模な反乱を起こし、騎兵隊に最後の決戦を挑んできた。騎兵隊は1867年6月26日総攻撃の手はずを整えた。
しかし1日前の25日、何千というインディアンが、シャイアン族の酋長“なまくらナイフ"に率いられ突撃してきた。受けるはカスターの率いる二百数十名の本隊のみ。多勢に無勢であった。後方で待機していたハウェル中尉の一隊も、本隊救援に向かい、ベンティーンの率いる一隊も急行したが、撃退された。
インディアンの猛攻に、さしもの本隊も全滅し、残っているのはカスターのみ。これは作戦で、インディアンは最後までカスターを残し、なぶり殺しにしようというのであった。死体の山からインディアンが引きあげたとき、生き残っていたのは、カスター将軍の白い愛馬コマンチだけであった。

http://movie.goo.ne.jp/movies/p1831/story.html
-----引用 ここまで-----

 リトルビッグホーンの戦いというようです。
 実際にはコマンチは部下のマイルズ・キョー大尉の愛馬とも。

 気になるのはインディアンの部族名でもコマンチがあること。

-----引用 ここから-----
コマンチェ族(コマンチ族とも言う、Comanche)は、歴史的にコマンチェリアと呼ばれる範囲に住んでいたインディアン部族である。(略)

コマンチェの名前の由来には様々な説明がある。恐らく最も多くの人の間で受け入れられているのは、ユテ(w:Ute tribe)語で「人々」を意味する"Kohmahts"のスペイン語訛り、"Komantcia"に由来するという説である。"Kohmahts"は、「敵」「戦いを望む人々」「敵対する人々」または「よそ者」など、いろいろな言葉に翻訳される。もう一つの説として、スペイン語で「幅広い道」を意味する"camino ancho"から来ているとする説もある。初期のフランス人とアメリカ人の探検家は、コマンチェを「Padouca(またはPaducah)」として知っ ており、これはスー語での彼らの呼び名である。(略)

もともとはショショニ族であり、18世紀に彼らと別れた一団が、南部大平原に移動し、コマンチとなった。18世紀末、メキシコ経由でスペイン人が馬を持ち込んだとき、いち早くその重要性に気づいたのはコマンチだった。好戦的な略奪部族である彼らは馬を得て、典型的なホース・インディアンとなった。(略)
馬を得た彼らは南部大平原にいたアパッチ族を南西部に追いやり、他部族のほとんどを追い払って南部を制圧した。また、カイオワ族などと同盟を組んで、スペイン人の北上を阻止した。
20世紀になると、陸軍はコマンチの特別部隊を用意し、その戦闘能力を利用した。

コマンチは平原部族の中で、最も馬盗みと馬の扱いに長けた部族と言われた。画家ジョージ・カトリンは当時、「世界中の民族でも、コマンチほどの馬の乗り手はいない。足で立ったコマンチは捉まる枝のない猿みたいに様にならないが、一度馬に手をかければきりりとし、別人になってしまう」と評している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7
-----引用 ここまで-----

 ここからとった名前なんですかね?

 なお、これと関係するのかしないのかわかりませんが、コマンチと名のつく馬は多いようです。


2025年12月7日日曜日

丹内騎手、マイネルの馬妨害で騎乗停止 ラフィアン社長の感想は?

■2018/03/15 丹内騎手、マイネルの馬妨害で騎乗停止 ラフィアン社長の感想は?
■2022/05/04 直木賞作家の馳星周「柴田大知・丹内祐次を乗せるのもうやめて」




■2018/03/15 丹内騎手、マイネルの馬妨害で騎乗停止 ラフィアン社長の感想は?

 知らなかったんですけど、マイネル軍団の主戦ジョッキーの1人丹内祐次騎手が、2017年に16 日間の騎乗停止となっていました。それもマイネルの馬で、マイネルの馬を走行妨害です。ラフィアン的にはいいことなしです。

 「第1位に入線した12 番マイネルサリューエは、最後の直線コースで外側に斜行し、9 番マイネルアンファン(2 位入線)の走行を妨害」とのこと。
 通常のレース映像で分かり難かったことものの、パトロール映像だとかなりラフだったといいます。しつこく馬体をぶつけていました。

 ラフィアンの岡田紘和社長は、これについて、「私はJRAの裁決委員は今回の事象を正確に捉え、妥当な判断・処分を決定した」としていました。まあ、同じ馬主だからセーフにするのは、正当ではありませんしね。
 また、これを理由に下ろすこともないとのこと。正直、丹内騎手はあんまり好きじゃないので下ろしてほしいのですけど、これもまあ、判断としては妥当でしょうか…。


■2022/05/04 直木賞作家の馳星周「柴田大知・丹内祐次を乗せるのもうやめて」

 上記を読み直すと「正直、丹内騎手はあんまり好きじゃないので下ろしてほしい」と書いていたのですが、私は柴田大知騎手と丹内祐次騎手なら、丹内祐次騎手派。これは普通の人とは逆の判断じゃないかと思います。まあ、どっちも嫌で究極の選択…的なところがあるかもしれませんが…。

 こうしたどっちの騎手も嫌…的な話は、競馬好きの作家で第163回直木賞を受賞した作家の馳星周さんがしていたそうな。特にステイゴールドが好きだそうで、ステイゴールドの種牡馬の権利を持っていて産駒が多かったラフィアンの馬に、柴田大知騎手と丹内祐次騎手が乗って凡走させるのを見て、我慢ならなかったのかもしれない…と思いました。

 しかし、実際にしたツイートの内容というのは、「ラフィアンと岡田総帥の馬はもうしょうがないと思うけど、他の馬主のときは柴田J、丹内J乗せるの、ほんとにやめて欲しいです」というものでしたわ。
 うーん、でも、それは個々の陣営の判断ですからね。クラブ会員の声に耳を傾ける義務があるラフィアンの方がむしろ可能性がありそうな感じ。まあ、実際には、退会のときに苦情を言ったクラブ会員の人によると、聞く耳持たずだったらしいんですけど…(私も退会しました)。

<一方、ファンを中心に賛否両論の議論が展開される原因となったのが次の発言だ。
 馳氏は「岡田総帥の功績はわかっているし認めているけど」と一定の理解は示しつつも、岡田氏のこれまでの騎手起用について「彼亡き後のラフィアンの騎手起用と結果を見ると、どれだけの馬の未来を潰してきたのかとも思う」とツイート>
(JRA 「柴田大知・丹内祐次乗せるのやめて」名指し批判! 直木賞作家「どれだけの馬の未来を潰したか」発言に賛否⁉ 文=寺沢アリマ 2021.09.07 07:00より)
https://biz-journal.jp/gj/2021/09/post_249532.html

2025年12月6日土曜日

日本がまた海外で叩かれる…ゲート入りの異常性を指摘

■2020/12/22 日本のやり方がまた海外で叩かれる…外国馬のゲート入りで苦労
■2020/12/22 日本独特のゲート入りに相当苦戦で、消耗出遅れ大敗?
■2020/12/22 国枝栄調教師も日本のゲート入りの異常性を指摘していた
■2015/3/17 ローブティサージュへのムチ使用批判にJRA「必要な手段だった」
■2015/3/20 ゲート入りを嫌がるのは中央競馬だけ?地方競馬や海外競馬、ムチ使用の違いなど


■2020/12/22 日本のやり方がまた海外で叩かれる…外国馬の枠入りで苦労

  ただでさえ最近は外国馬の参戦が少ないジャパンカップですが、2020年には新型コロナウイルス問題が直撃。しかし、調教師もオーナーも来日できないという逆風の中でもフランスのウェイトゥパリス Way To Parisが参戦してくれました。欧州の重い馬場が合わず、日本の馬場の方が合うだろうと、前年から参戦を検討していたとのこと。本気の参戦ですね。あと、これはうちで繰り返し書いている、日本馬が海外で勝ちづらい・外国馬が日本で勝ちづらいのは、単純な能力というよりは馬場などの問題が大きいという話でもあります。

 ところが、このウェイトゥパリスに大トラブルがありました。レース後に掲示板を見ていたら、どうもゲート入りを嫌がった感じです。しかも、ちょっとやそっとの嫌がり方ではなかった模様。私は最近ネットで見ているので全然知らなかったのですが、テレビで見ていた家族が「枠入りにすごく時間がかかっていて驚いた」という話をしていました。掲示板を見ていて、「もっと大敗するかと思った」といったコメントがあったのは、そのためだった模様。相当消耗したのでしょう。

 また、掲示板では「もっと大敗するかと思った」の他に、「日本のやり方がまた海外で叩かれる」といった趣旨のコメントもあれ?と思っていたのですが、これも同様に枠入りに相当手こずったためのようでした。同じ日本でも、中央競馬の枠入りは地方競馬より強引だと言われています。そして、これが逆に枠入りを嫌がる馬を増やしている可能性も指摘されていました。今回はグイグイ押し込むだけで、以前ひどく批判されたムチを使った枠入りはされなかったようですが、これは外国馬だから配慮したのかもしれません。それだけ中央競馬の枠入りが特殊ということですね。


■2020/12/22 日本独特のゲート入りに相当苦戦で、消耗出遅れ大敗?

 これだけの出来事なら記事にもなっているだろうと検索。やはり記事が出ていました。JRAの「郷に入っては郷に従え」が招いた悪夢の5分間……M.デムーロ「すごく嫌がりました」大出遅れウェイトゥパリス10着。ジャパンC消滅危機「外国馬ゼロ」から1年、再び浮き彫りとなったゲート問題 - GJという長すぎなタイトルの記事です。

<各馬のゲート入りに先んじて先入れを行ったウェイトゥパリスだが、ゲートの前で立ち往生……係員があの手この手を尽くしたものの何度も嫌がり、結局半ば無理やりゲートに詰め込まれたのは5分も後のことだった。
 その後のレースでは案の定、大きな出遅れとなってしまったウェイトゥパリス。最後の直線では最後方から追い上げたものの10着と、不完全燃焼で引退レースを終えてしまった。
「予め目隠しをされていたことや、先入れとなったことからも陣営がウェイトゥパリスのゲートに懸念を持っていたことは間違いないと思います。ただ、この日のレース中継を行った『みんなのKEIBA』(フジテレビ系)の中でも『ヨーロッパでは、こういうゲート入りの仕方はしません』と話していた通り、ウェイトゥパリスは日本独特のゲート入りに相当苦戦していました(略)」(競馬記者)>


■2020/12/22 国枝栄調教師も日本のゲート入りの異常性を指摘していた

 実を言うと、前年のジャパンCには、唯一の外国馬として豪州のプリンスオブアランが出走を予定していたのですが、ゲート面で不安を抱える陣営がJRAへ「バリアブランケット」(ゲート内で落ち着かせるために使用するクッション)の使用を申請ところ、これが認められずに出走を断念した経緯があるとのこと。史上初の外国馬参戦ゼロは、JRA側の対応の問題があったようです。

 やり方が良くて日本が悪いということはなくて、場合によりけりでしょう。ただ、日本国内でも疑問を持っている人はいるようです。ジャパンカップで勝利したアーモンドアイを管理する国枝栄調教師も『東京スポーツ』の取材を通じて「ゲートボーイ(馬のゲート入りを手助けするスタッフ)を導入すれば、より安全性は増すと思うけど、公営で認められる『尾持ち』でさえ中央は認めないから……」と苦言。やはり地方競馬から見ても、中央競馬は異常だという話です。

 ある競馬記者は、「海外では馬優先主義というか、例えば馬がゲートに入りたがらなければ、かなり長い時間待つことも厭いませんが、日本はプログラムの都合もあって、とにかく急かしますよね。今回のウェイトゥパリスも、そんな“事情”の犠牲になった面は否めないでしょう」としていました。「レース中継を行う各局との兼ね合いもあり、とにかく時間通りにレースが行われることを最優先している節があります」とも言っています。かなり身勝手な理由です。

 ただし、「日本競馬はゲート入りもレースの一部として考えられており、公正確保から必要最低限の対応だけに終始しているのが現状です」とも言っていました。これは日本のやり方を正当化できる要素です。ただ、ゲート入りを嫌がる馬を消耗させてまで無理やり入れることこそ不公正では?といった反論も見かけました。ゲート入りを促す措置すら禁止されていることについては、ゲート入りがスムーズな方がより公正とも考えられます。ここらへんは微妙なところですが、先のプログラム進行優先の方が主な理由かもしれませんね。また、ゲートボーイが不公正とは考えづらく、お金がかかるのでやりたくないという可能性も感じました。

■2015/3/17 ローブティサージュへのムチ使用批判にJRA「必要な手段だった」

 朝日新聞が取り上げて話題になったローブティサージュの問題。<むちのトラウマ? 競走馬、出走できず JRAに批判:朝日新聞デジタル>(山本孝興、小野大輔 2015年2月15日15時48分)という記事が出ていたんですよ。

-----引用 ここから-----
 昨年11月30日、京都競馬場であった重賞レース「京阪杯」。ファンファーレが鳴り、18頭がスタート位置へ。だが、ローブティサージュ(牝〈めす〉5歳)が後ろ脚を蹴り上げてゲート入りを拒み、興奮状態になった。2012年にGIレースを制した経験もある馬だ。
 ゲート入りを管理するJRAの発走委員がむちで後ろ脚辺りを数回打った。馬はさらに後ずさりした。三浦皇成(こうせい)騎手(25)が馬を下りると落ち着きを取り戻したが、発走委員はさらに脇腹付近を打った。
 馬は目隠しされて何とかゲートインしたが、14着と惨敗。レース後、三浦騎手は「『目隠しすればすぐに(ゲートに)入る』と伝えたが、聞いてくれなかった。無理やり入れようとした発走委員が蹴られ、それに怒ったのか余計にむちを入れてきた」とコメントした。
http://www.asahi.com/articles/ASH265Q1RH26UTIL03S.html
-----引用 ここまで-----

 タイトルになっていた<競走馬、出走できず>というのは、ゲート再審査で"ぶるぶる震えてゲートに近寄ろうとせず、不合格"となったため。"JRA審判部は取材に対して「感情的なむちではない。『これ以上下がるな』という意味だった。批判はあるかもしれないが必要な手段だった」と説明"しています。
 幸いローブティサージュはその後復活。阪急杯では9番人気ながら3着しています。ただ、ムチの問題に関しては議論が続きそうな感じでした。


■2015/3/20 ゲート入りを嫌がるのは中央競馬だけ?地方競馬や海外競馬、ムチ使用の違いなど

 <ローブティサージュへのムチ使用批判にJRA「必要な手段だった」>の余波的な話。ローブティサージュのムチ問題が有名になったのは朝日新聞の報道が効いた感じなのですが、この朝日新聞では、海外競馬解説者の合田直弘さんの話を紹介していました。

<「日本では中継放送や先に入った馬のことを考慮して時間を厳守し、ゲート入りを急ぐ傾向がある。これを機に、海外の取り組みも試してみては」。海外競馬解説者の合田直弘さんは指摘する。競馬発祥の英国など海外では、発走担当が馬をむちで追い込むのはまれで、時間をかけてゆっくり導くという>
(むちのトラウマ? 競走馬、出走できず JRAに批判:朝日新聞デジタル 山本孝興、小野大輔 2015年2月15日15時48分 より)
http://www.asahi.com/articles/ASH265Q1RH26UTIL03S.html

 さらに、そうなの?と驚いたのが、<大問題になっているローブティサージュへのムチ : ぼんじりの必殺賭け事人 2015年2月18日>というブログの話でした。以下のようにかかれていたのです。

<私は日本中の公営競馬を巡った時から、なぜ中央競馬の馬だけが、ゲート入りを嫌がる馬がいるのか?とても不思議です。公営競馬の馬は、ゲート入りを嫌がる馬は、ほとんどいません。同じサラブレッドなのに>
http://blog.livedoor.jp/bonjiri3/archives/42830581.html

 実を言うと、朝日新聞には、"名古屋競馬場で2005年にあった重賞レースでも、座り込んだ馬を職員が蹴り、愛知県競馬組合が謝罪したことがある"という話がありました。ゲート入りとは違いますけど、地方競馬でも嫌がる例はあるのかもしれません。
 ただ、海外競馬や地方競馬と比較するというのは、問題を把握する上で役立ちそうな感じ。印象論ではなく、実際にデータを集めて…という形だと、説得力が出てきます。どこかの競馬ライターの方で調べてくれる人がいるとありがたいんですけど…。
 

2025年12月5日金曜日

柴田大知と藤田菜七子の大喧嘩…一番すごいのは公式名指し批判

■2022/01/17 柴田大知と藤田菜七子の大喧嘩…一番すごいのは公式名指し批判


■2022/01/17 柴田大知と藤田菜七子の大喧嘩…一番すごいのは公式名指し批判

 すぐに書こうと思ったのにえらい遅くなってしまった柴田大知と藤田菜七子の件。私はネットの反応であまり強調されていない部分で一番驚きがあったのですけど、とりあえず、ネット記事の話から。<ただ以前もハナの奪い合いでひと悶着あった……:菜七子と柴田大知が…… - GJ>(2019.08.01 16:42)という記事が出ていました。

<(引用者注:2019年)7月31日(水)、大井競馬場内トゥインクルステージで、サンタアニタトロフィー(S3)の開催に合わせて恒例の『JRAジョッキートークショー』が行われた。今年は武豊騎手をはじめ、M.デムーロ騎手と和田竜二騎手が登場した>
<藤田菜七子騎手の話題になると、和田騎手が「あいつクールなんすよ! 腹立つことに! 俺いじったら『やめてください』とかもう…」と菜七子騎手の性格を明かす。さらに「先週も柴田大知と喧嘩してましたよ!」とし、「逃げてて、前を柴田大知がカットしていったら『なんで私が引かなあかんのですか!』って」とその状況と会話の内容までも暴露>
「一部で柴田大騎手が菜七子騎手を名指しで批判したと話題になっています。どうもどちらがハナを奪うのかで揉め、レース後にもやりあっていたとのこと。和田騎手が話したのはこのときのことだったのかもしれませんね。ただ、和田騎手もお酒が入っていたようなので、話が “盛られている”可能性はありますよ」(競馬記者)
https://biz-journal.jp/gj/2019/08/post_112389_2.html

 ネットではこの件で「藤田菜七子が悪い」「柴田大知が悪い」とふたつの派閥に分かれて対立していました。ただ、どちらかと言うと、「藤田菜七子は悪くない」が優勢でしたし、私もこちらの主張の方が理解できるものでした。
 一方、最初に「ネットの反応で全然触れられていない部分で一番驚きがあった」と書いたのは、柴田大知騎手がウインレーシングの公式コメントで批判していたことなんですよ。

柴田大知騎手「(略)楽にハナへ行ける感じでした。それでも、菜七子の馬が主張してきたので抑えたのですが、そうすると相手もガクッとペースを落とすんです。それならばと行こうと思ったら、そこから押し始めて、また主張してくるんです。こちらの馬を潰そうかと思っているのではないかと感じるくらい、ひどかったです」
https://www.win-rc.co.jp/site/belonging/condition/belong_cond_back.php?from=top&hcd=20140005&org_from=&start=40

 ラフィアンを含めてビッグレッドファームグループの騎手コメントや調教師コメントで他馬に言及して批判したコメントはあまりありません。さらに他の騎手名が出てくるということ自体がほとんどない記憶。私はこれ1件しか知りませんわ。クラブの公式コメントを使って名指し批判というのは本当驚きました。
 ちなみにウインではラフィアンではない、レース後のスタッフのコメントもあります。このときのコメントはどうだったか?と言うと、「内容は大きく前進しました」という趣旨の前向きな内容だけでした。


2025年12月4日木曜日

なぜラフィアンは柴田大知・丹内祐次を使うのか?上手いわけでもないのに…

■2017/02/24 なぜラフィアンは柴田大知騎手を使うのか?上手いわけでもないのに…
■2017/12/18 主戦騎手が必要になるのはJRAのシステムに問題があるから
■2017/12/18 そもそもラフィアンの馬に乗ってくれる騎手がいない?
■2017/12/18 同じビッグレッドファーム系でもウインの主戦騎手は松岡騎手?
■2019/04/26 一流騎手なら一流馬主の馬に乗りたいに決まってるだろ!という理由
■2021/06/22 岡田繁幸氏死去で異変?柴田大知が空いてても乗り替わり激増!
■2022/08/17 詰まりやすい内にわざわざ入れた末に直線右に左にウロウロ…
■2017/07/13 マイネルフロストの七夕賞2着は仕方なかったのか?
■2017/11/03 頼むから先行馬をスロウペースで抑えないで!
■2017/11/18 柴田大知から丹内祐次騎手への乗り代わりで好走
■2017/11/23 柴田大知騎手ありがとう!好騎乗で重賞初制覇




■2017/02/24 なぜラフィアンは柴田大知騎手を使うのか?上手いわけでもないのに…

 私の出資している馬にもよく乗っているラフィアンなどビッグレッドグループの主戦、柴田大知騎手。正直上手いように思えないですし、むしろ他の騎手より不満の多い騎手です。
 「柴田大知騎手が」って話じゃないですし、2009年という古い話なのですが、ラフィアンの騎手選定に関して、岡田紘和代表が説明していました。

Enjoy Ruffian 2009年4月号 Bell The HORSE 岡田紘和
http://www.ruffian.co.jp/site/plus_ruffian/enjoy/index.php

 コラムでは、まず、当時起きていた状況の変化について、説明しています。

(1)複数の優良騎手の騎乗依頼を調整する代理人は調教師より優位になり、出走投票前日に一方的にキャンセルしてきた例もあります。
(2)所属騎手以外に各レベルの特定の騎手と密な関係を築いている調教師は優先的に騎手を確保できます。
(3)馬主から調教師への強い要望で、成績上位騎手に騎乗依頼が集中するので、その騎手(または代理人)は有力馬を選択することで、必然的に成績が上がります。
(4)調教師や馬主にとって不本意なレース運びになっても、調教師がベテラン騎手には何も言わない場合がよくあります。


 最後に関して、"JRAが途中 で追うことを止めてしまう騎手に対しての制裁が甘いので、ベテランの上位騎手に苦言を呈する人が少ない"という問題には、賛成します。
 私もベテラン騎手は好きではない騎手が多く、頑張る若手騎手が好きです。「最後によく追う」という点においてだけは、柴田大知騎手も評価できます。

 で、肝心のラフィアンの騎手選定の理由については以下。

・数週間前に騎手を確保できる方が有利。
・成績上位騎手でもレース途中で諦められたら困る。
・馬の特徴や戦術についての説明をきちんと聞く姿勢を持ち、簡単に諦めない騎手と密接な関係を築くことは成績向上には有効。
・特定の騎手を中心に乗ってもらうことで、レース前後のコミュニケーションが取りやすくなり、結果を出すことで各調教師から理解を得ることができている。
・調教師が馬の個性や癖などを掴んだ上で、その馬に合った良い騎手を確保してくれることはよくありますので、当クラブは全レースの騎手選定について、口を出しているわけではありません。

 理由はごもっともなのですが、その結果が柴田大知騎手というのは納得できません。


■2017/12/18 主戦騎手が必要になるのはJRAのシステムに問題があるから

  Our Pleasure2017年5月号で、また騎手の話が出ていました。「 親子鼎談 クラブのこれからを語る《第2回》」(岡田紘和・岡田義広・岡田繁幸(進行・構成/古谷剛彦))というものです。
 なぜ柴田大知騎手と丹内騎手か?というのは、前述の通り疑問なのですが、主戦騎手がいた方が良いという説明そのものは、説得力があるものでした。

 岡田紘和「主戦騎手を決めておくメリットが、今の仕組みの中ではたくさんありまして、まず、ジョッキーを決めなければ出馬投票ができないっていうルールがあります。しかも、トレセンの外の育成場から入れ替えでレースを使われる馬も多くなりましたから、1
か月ぐらい先までジョッキーが決まっているケースも多々あるんですよ。そうなると、例えば今週使った結果、中1週で使いたいという時に、思うような騎手がなかなか手配できない場合があります。それでもレース内容や馬の状態、適性等を考慮すると中1週に組まれている番組にいくのが馬にとってベターだとすると、難しい判断を迫られます」

 ラフィアンの岡田さんはこれを良いと思っているわけではなく、仕方なくという説明。 騎手を決めずに火曜日に補欠馬も選定して投票を行えるようにするなど、改革を希望していました。

岡田紘和「現在のシステムではそうはいきません。そんなときに融通を利かせて対応してくれるジョッキーがいるっていうことは、馬にとって最適な条件を選択しやすくなるという、非常に重要なファクターになりえます」
 なお、柴田大知騎手には細かい指示は出さず、「一般的な騎乗の指示のイメージとは違い、情報共有や共同作業という感じ」としていました。



■2017/12/18 そもそもラフィアンの馬に乗ってくれる騎手がいない?

 ラフィアンに関しては、騎手が乗りたくないだろうと悪口を言う人もいます。ただし、ラフィアンはリーディング上位(現時点や2016年は6位) で、イメージと違ってかなり稼いでいる馬主です。
 ただし、社台系と比べると見劣り。リーディング上位で見ると、勝率などは最低クラス。数で稼いでいるという面が大きいことは、否定できません。(2016年だとメイショウの松本好雄さんが近い内容)
  岡田繁幸さんも「うまいなァ、乗せたいなァと思うトップジョッキーもいるんだけれど、じゃあうちの主戦 としていつでも乗ってくれるかというと、そうはいかないよね」と認めていました。

  また、主戦ではない騎手は優先的に乗るということがないので、複数の馬を比較して良い馬を選ぶといったことをするんでしょうね。ウインの岡田義広さんは「中途半端な馬 をお願いしても保留されてしまう」という話もしていました。

岡田義広「リーディング上位は、特にクラシックへ向かう時期となると余計に、エージェントがそのジョッキーにより良いお抱え馬を与えたいもので、中途半端な馬 をお願いしても保留されてしまうんですよ。実際、保留の後断られたこともあります。『すみません、他で頼まれた馬に乗りたいからごめんなさい』って断られたことがありますが、断られた 後に、その騎手が選んだ馬が結局出走 をやめたケースがありました。それで、『使わなくなったから、やっぱり乗せてもらえませんか』ってエージェントが来たんですよ。こっちからしたら「それは無しでしょ」という話になりますよね。こっちは保留にされていた分、後手に回って他のジョッキーを決めてますから、そんなこと通るかと思いますよね」

 ただ、これは仕方ないことで、以下のように 感情的になるのはいただけません。出資者としては、主戦騎手優先より勝利優先。もっとドライにやってほしいですね。

 岡田義広「そうやって保留にされて我々は2番目、3番目というような扱いをされると、余計になにくそ!と。だったらうちの主戦騎手で勝たせてやるって思いがより強くなりますよね」



■2017/12/18 同じビッグレッドファーム系でもウインの主戦騎手は松岡騎手?

 岡田義広さんはその前に「 本当に良い馬っていうのは、エージェントの方から『ジョッキーが決まっていないなら乗せて欲しいんですが...』と言ってくる」という話をしていました。ただ、ここらへんの説明でも感情的なところがあり、困ったもの。会員としては支持できません。

岡田義広「でも、普段付き合いのないリーディング上位のジョッキーから依頼が来ても、いざ乗せるかというと、これは人生観というか...。普段、未勝利戦で能力的に難しい馬を勝たせようと一生懸命頑張っているジョッキーがいるのに、オープンや重賞で勝ち負けできる場面だけエージェントがアピールしに来て、リーディング上位の騎手に取られてしまうっていうのは抵抗も感じます。人付き合いとしてはなるべく、普段から一生懸命、BRFGのために頑張っているジョッキーを乗せてあげたいなとは思います。でも、それと会員の皆様が求めているものとは相反しているなとも思います。会員の皆様とすれば、リーディング上位のジョッキーに乗ってもらいたいかもしれません。その気持ちはわかりますし、大舞台になればなるほど、リーディング上位のジョッキーの経験値の高さと技術が求められますからね。その葛藤はあります」

 ただ、ウインは今、松岡騎手 が主戦のようになっているみたいですね。松岡騎手は、私はほとんどのリーディング上位の騎手より好き。
 上記で「未勝利戦で能力的に難しい馬を勝たせようと一生懸命頑張っている」とあったように、リーディング上位騎手は手抜き騎乗が多くてむしろ大嫌いな人が多いです。若手騎手が好きというのも、そういうところですね。人気薄でも頑張ってくれます。
 松岡騎手は最高クラスに好きな騎手なので、乗ってくれるならうれしいですわ。最近ラフィアンの馬にあまり乗らないので、残念に思っていたらウインが多かったのか。まだ1頭もデビューしていませんが、ウインの馬にもたくさん出資したので、これは楽しみです。

■2019/04/26 一流騎手なら一流馬主の馬に乗りたいに決まってるだろ!という理由

 「そもそもラフィアンの馬に乗ってくれる騎手がいない?」と関連する話がありました。「うまいなァ、乗せたいなァと思うトップジョッキーもいるんだけれど、じゃあうちの主戦 としていつでも乗ってくれるかというと、そうはいかないよね」を、岡田繁幸さんがより具体的に説明したものが、Our Pleasure 2017年6月号にあったのです。

「うちの場合、まだ力がなくて、魅力ある馬が少ないから、一流の人たちと信頼関係を結びたくても、大手などに先を越されちゃうんですよ」
「見ていて「うまいな」と感じる騎手は何人かいると思いますが、例えば川田騎手にしましょうか、川田騎手など関西の騎手で信頼関係を結びたいと思っていても、『冗談じゃない、おたくと深い付き合いをしちゃったら、オレ良い馬に乗れなくなっちゃう』と思うのは当たり前のことです」

 川田騎手は私も良い騎手だと思います。ビッグレッドの私の出資馬の騎乗でも好印象。ネットでの評価も良い珍しい騎手な感じ。良さがわかります。
 ただ、柴田大知騎手、丹内騎手という理解できない騎手が評価されているため、川田騎手は評価されてしまうと、逆に風評被害な感じに…。
 川田騎手レベルじゃなくても、もうちょっと良い騎手が乗ってくれればなぁ…とマジで思います。ビッグレッドは一流じゃないですが、三流でもないんですから、本来ならもっと良い騎手と付き合えるでしょう。頼みますよ、本当…。



■2021/06/22 岡田繁幸氏死去で異変?柴田大知が空いてても乗り替わり激増!

 本当かいな?という話なのですが、JRAマイネル軍団「鞍上」激変!? お抱え騎手の「今後」はいかに……4年間未勝利だったあの騎手と、その男を救った故・岡田総帥は何を思う? - GJ(2021.06.18 19:00)という記事が出ていました。
 他のところで、もう少しまともな騎手乗せていれば、岡田繁幸さんが存命のうちにクラシック制覇できたのに…(亡くなってちょっとしてユーバーレーベンがオークス制覇)と書いていたのですが、騎手制限はむしろ岡田繁幸さんの呪縛だったのではないかといった話です。

<先週13日の常滑特別(2勝クラス)には、今年のダービージョッキー福永祐一騎手がウィズダイヤモンズに騎乗。福永騎手がラフィアン所有馬に乗るのはなんと11年ぶりで、2010年6月のマイネルクラッチに騎乗して以来だった。(中略)
 こうした「マイネル軍団」の騎手起用の方向転換が露骨に見えたのが、今年のオークス(G1)で初の牝馬クラシック制覇をもたらした、ユーバーレーベンを巡る騎手起用だ。(中略)
 その後の結果は周知のとおり。デムーロ騎手を背にオークス馬・ユーバーレーベンが誕生。「天国の岡田総帥に捧げる勝利」と報じられたのは、記憶に新しいところだ>
<例えば、19日の東京10R相模湖特別(2勝クラス)に出走するセイドアモール。過去7回も同馬に騎乗した柴田大騎手が空いているにもかかわらず、テン乗りの木幡巧也騎手に乗り替わっている。また20日の東京6Rには、ビッグレッドファームのコスモカルティエが出走。前走の柴田大騎手から、売出し中の永野猛蔵騎手に乗り替わる>
https://biz-journal.jp/gj/2021/06/post_233183.html

 本当に、柴田大知・丹内祐次の騎手しばりプレイがなくなるなら会員としては大歓迎。自ら敢えて勝てなくするしばりプレイですからね。お前らはマゾなのか?という話。マジいらないです。
 ただ、私はもうすでにラフィアンを見限っていて退会する予定だったので、騎手激変でもあまり関係なし。オークス優勝でも気持ちは変わりませんでした。弟さんのウインだけ続けようと思っています。



■2022/08/17 詰まりやすい内にわざわざ入れた末に直線右に左にウロウロ…

 種牡馬ダノンバラードはビッグレッドファームが海外に行っていたのを「逆輸入」しています。そのため、産駒はビッグレッドファーム系、マイネル(ラフィアン)やコスモの馬に多いです(親交があるせいか、ミルファームも多い印象)。
 ただ、2022/08/14の新潟の芝1800m2歳新馬戦のダノンバラード産駒ビルドラポールの場合、馬名の時点ではビッグレッドファーム系だと思わず。ラフィアンは牝馬でマイネの冠名をやめており、馬名では判断できませんが、ビルドラポールは牡馬であり、該当せず。それなのにビッグレッドファーム系の騎乗が多い柴田大知騎手が騎乗していて「変だな…」と思ったら、これもビッグレッドファームの持ち馬でした。

 この新馬戦のビルドラポール、スタートは悪くなくすんなり先行。これは良かったのですが、中ではなく外に出せる位置を意識してほしかったのに、わりとすぐに中めに入れてしまって個人的には不満。最初前の4頭から離れた5番手で、外を主張すればコースを貰えそうだったのに、あっさり中に入れてしまいました。
 この時点で私がつけている騎手評価で、5点満点の3点から1点減点。ここらへんは好みで、ロスの少ない内に入れるのをむしろ好む人もいるでしょうが、内だと直線詰まる可能性の方を私は心配。不人気馬であればダメ元で内を突くというのもアリでしょうが、8番人気とはいえビルドラポールはある程度やれると期待していたのできちんと追えるところに行ってほしかったです。

 で、案の定、直線でコースがなくなります。さらに、柴田大知騎手はコース取りに迷ったのか、右に左にウロウロ。まともに乗れてなかったので馬の実力がわからずそもそも馬の力がなかった可能性もあるものの、もうちょっとやれたのでは?(8番人気7着)と不満の残る騎乗。騎手評価は、マイナス2点で最低点である1点の評価としました。
 ネット競馬の掲示板では以下のように、この直線のところに不満が上がっていたものの、前述の通り、私はスタートすぐの時点で決まってしまったかな…?と思います。

[11] haluさん
これは大地へグったな。もうちょっと上手く抜け出せたと思う。

 [12] ハルさん
うろうろしすぎ
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2020101264



■2017/07/13 マイネルフロストの七夕賞2着は仕方なかったのか?

 良くない話なので一旦ボツにしたのですが、やっぱり納得いかなかったので書くことに。 2017/07/08の七夕賞で、マイネルフロストが2着だったレースについてです。

 柴田大知騎手「悔しいですね。押し切れるかと思ったのですが。勝馬が切れる脚を使うのはわかっていましたので、早めに仕掛けてセーフティーリードをとりにいったのです。うまくいったと思うのですが、これでかわされてしまうとは」と、レース後に報告しています。
 ネット掲示板でも勝ちに行った競馬なので仕方ないと言われていました。
 ただ、私はやはり早仕掛けだったと思います。特にマイネルフロストの場合、1頭で先頭に立ってしまうと気を抜くところが以前から知られていました。マイネルで主戦の柴田大知騎手がこれを把握していないというのは問題です。


 また、柴田大知騎手は展開を読み間違えていました。同じくレース後のコメントで、以下のように言っていました。

「強いて言えば、逃げていた実力馬が早々にいなくなり、早めに先頭に立った分、厳しかったかもしれませんね。逃げていた馬は前半、競り合っていたにせよ、もう少し踏ん張る馬だと思っていただけに、早めの失速は予想外でした」

 逃げていたマルターズアポジーは2番人気11着、ブービー負けでした。大きくバテています。
 しかし、バテていたのは、マルターズアポジーだけではありません。以下は2コーナーでの通貨順位と最終順位。マイネルフロスト以外はことごとく下位に沈むような展開でした。

9-4-(6,11)

馬番    馬名    着順
9    マルターズアポジー    11(ブービー)
4    フェイマスエンド    12 (最下位)
6    ヴォージュ    9
11    マイネルフロスト    2

 このうち、最下位だったフェイマスエンドはもともと11番人気。しかし、マイネルフロストと同じ位置にいたヴォージュがまた3番人気という人気の馬であり、やはりかなり早いペースであったと考えられます。

 さらに勝馬の8番ゼーヴィントは中団で、3着だった7番人気の12番ソールインパクトはもっと後ろだったということからも、同様の証拠と考えられます。

9-4-(6,11)-7,3(1,8)(10,12)5-2

 しかも、ぽつんと最後方だった2番のスズカデヴィアスが、3/4馬身差の4着まで追い込んだというレース。流れは後ろの馬の方が合っていました。

 また、過去と良馬場だった七夕賞の前半1000mから見ても、前はきついとわかりそうです。(2012年は稍重で除外)

2017年 58.0

2016年 57.9
2015年 59.5
2014年 58.9
2013年 58.6
2011年 61.4

 昨年の2016年が今回とほぼ同じタイムでしたが、このとき上位はすべて中団以下の位置取りの馬。前の馬が残れた年は、もっとゆるいペースでした。
 マイネルフロストが強かったので2着に残っただけで、普通なら4着以下だったかもしれません。



■2017/11/03 頼むから先行馬をスロウペースで抑えないで!

 2017/11/03の福島3R 3歳上500万下ダ1700m、柴田大知騎手の騎乗馬は例によってビッグレッドグループで、マイネルネッツでした。
 柴田大知騎手は前に行かないとダメな馬で行かなくて、終了後「なんで負けたのかわからない」などと言ったり、馬のせいにしたりします。
 ただ、今日は一応最初前に行くそぶりで5番手。先行とは言えない位置でしたが、一応前めです。

 とはいえ、道中は手綱を引いて抑えるような感じ。前行かないとダメな馬だし、多少外でも前行った方が良かったと思います。
 というか、他の馬たちが前に殺到していたわけでもなく、外を行ってもロスは全然ありません。ここで行かずにいつ行く?というバラけ方でした。
 また、稍重でわかりづらいんですが、ペースもスロウなように見えました。実際、まくる馬が2頭出るような展開で、またもや完全に展開を読み間違えています。ちなみにまくった馬は2着と5着で正解の騎乗でした。
 スロウでも前行った馬はそこまで粘れなかったものの、1頭4着に残っており、前が悪かったとも思えません。特にマイネルネッツは、前述の通り、差す競馬ができない馬です。
 結局、マイネルネッツは4番人気で8着でした。ちょっと人気はしすぎかと思うものの、騎乗内容はたいへん不満。もっとやれる馬です。
  
  私は上記が一番気になったのですが、掲示板では外を回していたのに、直線に入ってから最内突っ込んでいたことに怒りの声が出ていました。

  [188] サーキンさん
大和は、、ねーー情けない
[187] ホワケさん
何がしたいのか謎な騎乗
 [186] goemon80さん
大知、外見て空いてると確認して馬ごみに入るって発想。俺には無いよ。
 http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2012100005
 
 最後伸びるタイプではないので、それでもダメだったと思うのですが、コースのロスや馬場の良さからすると、やはり大外の方が良かったと思います。実際、大外で伸びていた馬がいました。
 わざわざ馬群の中に入れるのは確かに意味不明ですね。
 しかも、最初から内狙っていたわけではなく、コーナーで外を回して直線も外めだったところから最内にということで、だいぶ迷走している感じがありました。




■2017/11/18 柴田大知から丹内祐次騎手への乗り代わりで好走

 中1週はあまり良くないマイネルネッツですが、懲りずに中1週。もう1人の主戦騎手である丹内騎手に乗り代わりました。
 丹内騎手も全然良くないと感じていて、柴田大知騎手と同じく好きじゃないのですが、ムラっけがあり、たまに驚くほど良い騎乗がある印象。どちらか選べと言われると、迷います。

 今日は最初から手を動かしてやる気で、やっと前へ行ってくれました。そのまま逃げる形になってしまったのは微妙。経験はありますが、逃げはベストではないです。ただ、柴田騎手みたいな乗り方よりはずっと良いので期待して見ていました。
 楽に気分良く逃げたようには見えなかったものの、この馬は前行ければ粘ります。今回も手応え残っており、逃げ切れる!…と思ったもですが、最後の最後鈍って、2番手に差されてしまいました。ただ、久しぶりに好成績出してくれたので、結構満足です。


■2017/11/23 柴田大知騎手ありがとう!好騎乗で重賞初制覇

 好きな馬が重賞初制覇。柴田大知騎手の好騎乗(たぶん)。悪く言っていてすみませんでした。

 重賞と言っても地方なんですが、賞金は3500万もある日本グレードでのG2にマイネルバサラが参戦しました。
 10倍ちょっと。舐められすぎと思ったんですが、もともと買うつもりはなかったです。また、よく名前を聞く馬もいたし、それよりさらに地方馬が人気だったので、たぶん強い馬だったんでしょうね。

 マイネルバサラは、狙った風でもなく、4番手先行という形になれました。また先行の馬を抑えられたらどうしようと思っていたので一安心。
 ただ、小さい地方の競馬場なのに、かなり外を回される競馬。非常に苦しいと思って見ていました。
 しかも、かなり早く手を動かしていたので、最初脚色悪いのかと思いました。ところが、これは柴田大知騎手の仕掛けで先頭に。浦和競馬場のレース見たことないのでわからなかったのですが、いくら何でも早すぎない?と思って見ていました。
 しかし、たぶんこれが大正解だったんだと思います。後ろから追ってきた馬を、逆に離してまさかの圧勝劇。ありがとうございました!