2025年10月31日金曜日

福永祐一が浜中俊以来と褒めた荻野極騎手 何がすごいのか?

■2019/06/11 高知競馬場で福永洋一記念を開催する理由 発端はまさかの…
■2019/06/11 福永祐一が浜中俊以来と褒めた荻野極騎手 何がすごいのか?
■2022/10/02 荻野極騎手、重賞初制覇でもG1初制覇でもいまいち喜ばない…


■2019/06/11 高知競馬場で福永洋一記念を開催する理由 発端はまさかの…

 Our Pleasure 2017年6月号「小堺翔太のウマ追い人」のコーナーは、2017年4月26 日(水)高知競馬場で福永洋一記念デーのイベントの話。毎年やっているっぽいことを書いていました。
 福永洋一は、福永祐一騎手のお父さんで伝説的な名騎手。後遺症が残るような 大きな落馬事故で引退。古いファンでは最高の天才騎手と評価している人もいます。

 Wikipediaによると、福永洋一記念は2010年に設立。実施にあたっては福永洋一の長男である福永祐一騎手が協賛金を提供するなど、積極的に関わり続けているとのことでした。
 なぜ高知で?と思ったら、地方競馬経験はないものの、高知県出身のため。 2009年8月に高知競馬場で行われたトークショーで、福永祐一騎手が「高知といえば、坂本龍馬と福永洋一だと思います。高知競馬場で、福永洋一記念を創設できれば…」とコメントしたのが発端。まさか福永祐一騎手の方からのアプローチだったとは思いませんでした! 驚きです。


■2019/06/11 福永祐一が浜中俊以来と褒めた荻野極騎手 何がすごいのか?

 福永洋一記念の説明だけで長くなっていまいました。肝心のOur Pleasure 2017年6月号「小堺翔太のウマ追い人」の話です。
 その日に開催されたヤングジョッキーズシリーズ第1 戦では、JRA2年目・荻野極騎手が勝利。普段は中団あたりからレースを運ぶリーディングライツを先行させて勝ちました。7番人気での勝利であり、人気馬じゃありません。
 
 荻野極騎手はこの前の週、初参戦の東京競馬場で特別勝ち(鎌倉S:アキトクレッセント)を含む2 勝。とても印象的だったので、小堺翔太さんは、表彰式(勝利騎手インタビューを担当しました)で初めての競馬場に強い理由はあるのか聞いてみました。
  すると「コースの特徴や馬のクセを地元の方々から聞くなどして、準備は怠らないようにしています」との回答。後で知ったのですが、高知のリーディングジョッキー・赤岡修次騎手にもコースの話を聞き、準備をしていたとのこと。熱心で好感が持てますね。

 また、レース前のイベントで福永祐一騎手も若手の注目株として名前を挙げていたとのこと。「下半身の感じがしっかりしていて、光るものを持っていると思います。そう感じたのは浜中騎手以来。タイプも似ているかもしれないですね」との評価だったそうです。
 私の当てにならない騎手評価を見てみると、5点満点中3.04。3点が真ん中のつもりですが、実際には3点未満の方がずっと多いのでかなり良い評価。140人中46位でした。特に良い記憶なかったのですが、わりと好みのタイプであるようです。


■2022/10/02 荻野極騎手、重賞初制覇でもG1初制覇でもいまいち喜ばない…

 福永祐一騎手が浜中俊騎手以来と褒めた荻野極騎手ですが、正直言って成績は全然。個人的には印象の良い騎手ですが、私の評価と成績は反比例することが多いので、むしろ私に気に入られない方が良いですけどね。嫌われる方がお得です。
 荻野極騎手の成績の話ですが、デビューしてすぐにリーディング上位に顔を出し始めてリーディング首位にもなった浜中俊騎手と比較にならないもの。2年目は21位だったものの、それ以外は大体50位前後です。
 重賞初制覇も7年目の2022年でやっとでした。この重賞初制覇をもたらした馬はジャンダルム。荻野極騎手と数年しか競馬歴の長さが変わらないという、7歳のベテラン馬です。

<オーシャンS・G3は、2番人気のジャンダルムが4年4か月ぶりの重賞V。鞍上の荻野極騎手はデビュー7年目で初の重賞制覇を飾った。
 浮かれるそぶりはなく、こみ上げる感謝の気持ちをかみ締めていた。ジャンダルムを4年4か月ぶりの重賞Vに導いた荻野極は、デビュー7年目で待望の自身重賞初制覇だ。「重賞を勝つのが、だいぶ長くかかってしまったが、乗せ続けてくれた関係者の皆様、何より一生懸命走ってくれる馬たちに感謝したい」と、率直な言葉で喜びを表した>
(【オーシャンS】7年目の荻野極騎手、ジャンダルムで重賞初制覇「一生懸命走ってくれる馬たちに感謝したい」
2022年3月6日 7時0分スポーツ報知より)
https://hochi.news/articles/20220305-OHT1T51236.html?page=1

 ところが、このベテランの7歳ジャンダルムが同じ年に、今度は荻野極騎手に初G1までももたらします。20.3倍の8番人気であり、そこまで不人気だったわけではないものの、これにはびっくり。
 2歳のときはクラシック候補(芝2000のG1ホープフルステークスは2着)と期待されたジャンダルム自身も初G1でした。

 以下はG1初制覇を伝える記事で、荻野極騎手のコメントも載っています。私はVTR見ていないのですが、VTRを見た人では重賞初制覇のときと同じで、これまたあまり喜んでいなかった…という感想を見かけました。そういうキャラなんですかね。

<ジャンダルム(牡7、池江)が直線で抜け出し、G1初制覇を果たした。02年の母ビリーヴとの母子制覇となった。デビュー7年目の鞍上、荻野極騎手(25)もうれしいG1初制覇>
<殊勲の荻野騎手は「ジャンダルムに感謝の気持ちでいっぱいです。関係者の皆さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。非常にいい枠に入りましたし、課題のスタートもこなしてくれた。道中、直線とスムーズに運ぶことができました。手応え通り伸びてくれて、ラストもしのいでくれました。(後続の)雰囲気は感じていましたが、ジャンダルムの力を出すことだけを考えていました。僕自身、初G1ですし、ジャンダルムもいい競馬をしてくれた。オーナー、調教師、関係者、ファンの皆さまの応援のおかげです。今後も気を引き締めてやっていきたい」と話した>
(【スプリンターズS】荻野極騎手「感謝の気持ちでいっぱい」ジャンダルムと人馬G1初制覇 - 競馬 : 日刊スポーツより)
https://www.nikkansports.com/keiba/news/202210020000812.html

 前日に作られたヤフー知恵袋の「明日、荻野極はジャンダルムをG1馬にさせることができますか?」という質問では、辛辣な回答が多め。「できません」「競馬に絶対はないが無理でしょう^^」などといったものです。
 前述の通り、そこまで不人気だったわけではないので、不思議な否定ぶり。ヤフー知恵袋は性格悪い人も多いですし、そのせいかもしれません。
 感情的に否定はしていないものの、他にも「オーシャンS勝ちがピークと思うので、もう上がり目は無い。下手すると11着以下もあり得る」といった回答がありました。「中山巧者で好枠から先行すれば勝ち負けまで」という人もおり、全員が否定していたわけではないですけどね…。


2025年10月30日木曜日

競走馬のストレス発散 砂浴び・ボール遊び・牧草地で草を食む

■2015/12/12 競走馬のストレス発散 砂浴び・ボール遊び・牧草地で草を食む


■2015/12/12 競走馬のストレス発散 砂浴び・ボール遊び・牧草地で草を食む

 Enjoy Ruffian 2011年5月号の奥村武さんの連載「お馬さんの胸の内」。14回目は「楽しい時間」というタイトルでした。競走馬の"楽しみといえば、たまにやってくる厩務員をはじめ厩舎のスタッフにかまってもらえるとき、そして食事の時間"だといいます。
 ただ、これ以外にも楽しむ工夫があります。奥村武さんは国枝厩舎の調教助手なので、たぶんそこでの話でしょうが、ボール遊びもするんだそうです。意外すぎます。

<彼には担当の厩務員がゴムで出来た大きなボールをプレゼントしてあげていました。遊びたい盛りの彼はしばし厩務員とボール遊び。口にくわえられるように安全な取っ手があるので、人と馬のボール遊びも可能です。ときには1人でくわえて、投げて遊んでいます>

 もう一つは牧草地(?)で草を食むという話。放牧に出して…という話ではなく、厩舎にあるわずかなスペースを利用して「牧草畑」を作ったという話です。

<そこで生の牧草を嬉しそうにほおばるキッツ(引用者注:マイネルキッツ)くん。ここに移動や行動の自由はありません。それでも馬としての本能を目覚めさせる行動、採草。刈ってきた生草でもお馬さんたちは嬉しそうに食べています。しかし、地面に生えている草には根もあり、土も付いています。それらを地面からバリバリっと引きちぎって食べる快感。これは何にも代え難い彼らのストレス発散、そして楽しい時間なのではないでしょうか>

 紹介済みだと勘違いしていましたが、私が競走馬のストレス発散で真っ先に思いついたのが「砂浴び」でした。これがかわいすぎてもだえるのです。
 元動画が削除されてしまったのですが、ここで当初貼っていた動画では、ひんひん言っているのがかわいすぎでした。(一部2022/09/29修正)
 動画の馬もちょっとやって満足していましたが、1,2回で普通は満足するらしいんですね。でも、以前どこかで見た厩務員さんの話によると、無性に砂浴びが好きな子がいて5回も6回もやるんだとか。かわいすぎます。

 あと、ラフィアンの以前のコラムでも、馬体をピッカピカにきれいにして出してやっても戻ってくるときに泥ん中で砂浴び(泥浴び?)しちゃう…という話があった記憶がありました。
 この体をきれいにするのがまたたいへんで困るものの、やはり楽しみなので仕方ないと書いていたと思います。本当、馬は砂浴び大好きなんですね。和みますわ。


2025年10月29日水曜日

JRA開催失敗のJBCがそもそも間違っている理由とは?

■2018/11/12 JRA開催失敗のJBCがそもそも間違っている理由とは?



■2018/11/12 JRA開催失敗のJBCがそもそも間違っている理由とは?

 初めて中央で行われた地方競馬の祭典JBCについて、産経新聞社の『サンスポ』は「JRA開催効果は絶大!京都のJBC3競走、売り上げ大幅増」と報道。実際、売上レコードは記録しており、一見、大成功だったように思えます。
 
JBCスプリント(G1)が39億3487万4700円(前年比+264.7%)
JBCクラシック(G1)の75億2690万4700円(前年比+315.3%)
JBCレディスクラシック(G1)42億6908万9200円(前年比+458.9%)

 ただ、サンスポの報道はトンチンカンなものだとの指摘があったんですよ。JRA主催で行われることが決まった時点で売上レコードの更新はほぼ確実で、問題は他の中央開催のG1との比較です。これで見ると、3レース合わせてやっと超えるといった程度。成功とは言い難いのです。

JBCのG1・3レース合計 157億3086万8600円
チャンピオンズC 141億7375万2300円
フェブラリーS(G1) 128億8625万2900円
(JRA「期待ハズレ」に地方競馬もガックリ!? JBC開催「売上レコード連発」も手放しで喜べない事情...... | GJより)

 地方でのデータが不明なのですけど、JRA開催以外も含めて、JBCの開催の仕方がそもそも根本的に間違っている可能性があります。というのも、今回あまり売れなかった理由として、以下のようなものが挙げられているためです。

「1つの傾向として、G3やG2も含めた重賞レースを同日、同週にあまり多く固め過ぎると、全体的に各レースの売上が下がる傾向があるようです」
「『重賞だけ馬券を買う』というファンは非常に多く、今回のようにあまり対象レースが増えすぎると『予想し切れない』『馬券を買うのが面倒』といった問題が発生するのかも。お財布の中身も限りがありますしね」(ある記者)

 説得力があるのが、今週行われた他の重賞が全然売れていなかったこと。激減と言って良いほど減っており、重賞を多数同時開催すると共食いを起こして大きな効果が得られない可能性を示唆しています。根拠が皆無の推測ではないんです。

「実際にJBC開催こそ売上アップとなりましたが、同日に東京競馬場で行われたアルゼンチン共和国杯(G2)は前年比‐45%と大きく売上減。さらに土曜日に行われたファンタジーS(G3)も同様に-8.5%、京王杯2歳S(G2)に至っては-41.8%と前日の重賞にも影響を及ぼしていたと考えられます」(同じ記者)

 レース単体で見るのではなく、1場での1日の売上を見た場合、3場で2日開催するよりも、2場で3日開催した方が売上が大きいとも聞いたことがあります。 なるべくレースはバラバラにして実施した方が、売上としては良くなる傾向があるようでした。


2025年10月28日火曜日

絶妙のまくり騎乗で勝利した勝浦正樹騎手、一転して非難轟々に

■2023/11/27 絶妙のまくり騎乗で勝利した勝浦正樹騎手、一転して非難轟々に


■2023/11/27 絶妙のまくり騎乗で勝利した勝浦正樹騎手、一転して非難轟々に

 2023/11/05福島の三春駒特別(1勝クラス)、勝浦正樹騎手のグランドゴールドの騎乗はうまいな!と思ったんですよね。

 最初は最後方。途中まくっていった馬いて、1頭ついていったんですが、このときは動きません。まくって馬のせいで前が崩れており、これがまず良い判断でした。加えて、この時点ではむしろさらに下げるような感じに。ただ、ここで下がったときに内だったのを外に進路を切り替えてまくっていけるコースを作って、4コーナー前からまくります。
 さして促さなくて馬が反応しており、馬自体が今日は良かった感じですけど、ここからすっと動いて直線で前に並ぶと、あとは圧勝劇。グランドゴールドは3番人気ですので、もともと有力馬でした。同じ位置に買っていた馬がいてそちらと両方見ていたのですが、そちらは全然動かず直線でやっとという判断の悪さ。馬の力が違ったとはいえ、騎手の差も大きかったと感じたレースでした。

 この日は2着と0.8秒差の圧勝。ところが、中1週で臨んだ同条件(未勝利だったようで1勝クラスを続戦)の2023/11/18福島の高湯温泉特別(1勝クラスは)、グランドゴールドはなんと1着と5.5秒差という大差でブービー負け。1度勝ってるクラスで1番人気でしたので、考えられないほど負けましたね。
 今レースを見てみると、この日もグランドゴールドと勝浦正樹騎手は後方から。同じくすごいスピードでまくっていったのですけど、直線入る前のところで馬が外にふくれます。馬が嫌がっていた感じもありますね。その後も、故障かな?という変な走りをしていました。
 ただ、下馬せずにブービーで入選しています。その後、放牧となっているのは確認。検索したものの、故障というニュースは見つかりません。ただ、走りに違和感があったのかもしれません。

 掲示板は勝浦正樹騎手の騎乗に非難轟々。ただ、まくる競馬は大昔からあるもので、今回だけ悪い乗り方だったと言うのは妙な気がします。
 以前、書いたように、予後不良は手応えが良いときに結構なることがあるのでは?と疑っています。単にスピードが出ているときなので、スピードが出ていないときより、ちょっとした拍子に故障しやすいといったこともあるのかもしれません。



2025年10月27日月曜日

伝説の新馬戦勝ち馬エピファネイア、ブエナビスタ、ヴィクトワールピサなど

■2013/3/13  伝説の新馬戦勝ち馬エピファネイア、ブエナビスタ、ヴィクトワールピサなど
■2017/06/15 菊花賞の伝説の新馬戦、近年の戦績は?
■2017/06/15 2015年の1番人気はドレッドノータス
■2017/06/15 2014年の1番人気はオールマンリバー
■2017/12/03 グレイルは久しぶりの大物?伝説の新馬戦の負け馬、そこそこ活躍中


■2013/3/13  伝説の新馬戦勝ち馬エピファネイア、ブエナビスタ、ヴィクトワールピサなど

 10月自体がいい馬出るイメージでしたが、日付まで決まっているとは思いませんでした。これは<「伝説の新馬戦」制した大物息子    文 有吉正徳    2013年3月1日 朝日新聞>という記事で知った話です。

-----引用 ここから-----
  菊花賞当日に京都競馬場で行われる2歳馬のデビュー戦は、後の名馬が出走することが多く、関係者やファンの間で「伝説の新馬戦」と呼ばれている。
 後の皐月賞馬アンライバルド、桜花賞などを制したブエナビスタ、JC優勝馬ローズキングダムやドバイ・ワールドカップ快勝のヴィクトワールピサなどが、この一戦を足がかりに飛躍していった。
 昨年10月21日、伝説の新馬戦を制したのはエピファネイアだった。父シンボリクリスエス、母シーザリオという血統の期待馬は1番人気に応えて鮮やかに勝利をつかんだ。
http://www.asahi.com/and_M/interest/TKY201303010233.html
-----引用 ここまで-----

 ブエナビスタとアンライバルドは同じレースだろう!と確認すると、ブエナビスタが3着、アンライバルドが1着でした。
 ああ、勝利という条件ではないんですね。これの2着のリーチザクラウンと3頭ともG1勝つと思っていたんですが、残念なことに……。
 で、覚えていなかったけど、同じレースの4着が<b>菊花賞馬スリーロールス</b>。言われてみればそうだったような気もしてきましたが、本当すごいレースだったなぁ……。

-----引用 ここから-----
 母のシーザリオは2005年にオークスを制した後、米国に遠征し、GIレースのアメリカンオークスにも勝った名馬だ。エピファネイアの兄や姉は体質が弱く、結果を残すことはできなかったが、ようやく母の実力を受け継ぐ大物感ある息子が現れた。
-----引用 ここまで-----

 エピファネイア、弥生賞は全然でしたけどね。それでも重賞勝ち馬ではあります。おもしろいレースだなぁ!
(2018/01/04追記:この投稿の後、菊花賞を勝ち、エピファネイアもG1勝利しました。あと、ブエナビスタの新馬戦からは、確か地方のG1馬も後に生まれたと思います。)


■2017/06/15 菊花賞の伝説の新馬戦、近年の戦績は?

  「伝説の新馬戦」は後から見てレベルの高かったレースをそう呼ぶのですが、ブエナビスタなどを排出した菊花賞の日に京都で行われる新馬戦を近年は指すことが多いです。
 ただ、その後はイマイチなんじゃないの?と思って、ここ3年ほどを見てみることに。

  ひどかった印象が強いのは、2016年のせいでしょうか。POGで人気した1番人気トゥザクラウンが大ゴケ。
 私も兄のトゥザワールドも指名していたこともあり、指名して爆死しました。

2016/10/23 新馬戦
着順    馬名    人気
1    ベストアプローチ    3
2    アドマイヤローザ    7
3    アオイテソーロ    6
4    トップゴーイング    2
5    ライオネルカズマ    5
6    ラントシャフト    10
7    メイショウテンシャ    4
8    エイシンユニコーン    8
9    トゥザクラウン    1
10    タガノフューチャー    9
11    ウエスタンアッレ    11

  トゥザクラウンはまだ抹消されていないものの、その後未だに復帰できていません。 トゥザクラウン以外では、アオイテソーロに期待したものの、やっと未勝利を脱出したところ。
 ただ、ここで勝ち上がったベストアプローチは、名前覚えていますし、まずまずですかね? 青葉賞を2着して、ダービーにも出走。こちらは9着でしたが、将来に望みを繋げそうです。現在までの獲得賞金は4,860.4万円。
 とはいえ、伝説の新馬戦の伝統からすると、あまりにも物足りない感じです。


■2017/06/15 2015年の1番人気はドレッドノータス

 2015年は誰だっけ?と見ると、ドレッドノータスでした。こちらは1番人気で1着と人気に応えました。私はこの馬も指名していて、活躍を期待した馬。
 確か鞍上の武豊騎手も「伝説の新馬戦ですよね」とコメントしていたと思います。
 ドレッドノータスは、この次の京都2歳Sを勝利。活躍はしたものの、G1は皐月賞のみのチャレンジで15着惨敗。現在の獲得賞金は6,434.2万円。
 ベストアプローチ同様に可能性は残すものの、やはり伝説には程遠くなっています。

2015/10/25 新馬戦
着順    馬名    人気
1    ドレッドノータス    1
2    ナムラシングン    7
3    ファスナハト    2
4    トライブキング    4
5    クロークス    5
6    グレイスディオーネ    3
7    タガノアーバニティ    11
8    カエサル    8
9    テイエムパフューム    12
10    ダークフォース    6
11    エンプレスボード    10
12    ホーリーアーマー    9

 ドレッドノータス以外では、7番人気ながら2着のナムラシングンが一応可能性を残している感じ。POG期間では皐月賞に出走、現在は条件戦ですが、勝ち上がりは期待できそうです。獲得賞金5,744.6万円。



■2017/06/15 2014年の1番人気はオールマンリバー

 最後は2014年。この年は確か事前報道で小粒と言われていたような?
 1番人気は、オールマンリバーで、これまた私が指名していた馬。毎年指名していますね。
  オールマンリバーは当時2着。その後勝ち上がり、獲得賞金は1億円超えの10,506.4万円。十分活躍していますが、まだ条件馬であり、伝説とは言えません。

2014/10/26 新馬戦

着順    馬名    人気
1    タイセイアプローズ    12
2    オールマンリバー    1
3    ウインガニオン    8
4    ドラゴンマジック    7
5    ノースストーム    14
6    ラディカル    4
7    レーゲンヴァルト    3
8    ハギノパトリオット    6
9    レレオーネ    5
10    ワールドレジェンド    9
11    タマモエトワール    11
12    ヒルノデンハーグ    13
13    ミスズダンディー    15
14    ジェルヴェーズ    10
15    トーセンゲイル    2

 この新馬戦で勝ったのは、なんと12番人気だったというタイセイアプローズ。その後もまずまずで、獲得賞金6,904.8万円ですけど、やはり伝説ではありません。
 ここは聞いたことがある馬が多いですね。以下、獲得賞金が多い馬を並べます。

ウインガニオン 8,607.9万円
ラディカル 4,980.1万円
ヒルノデンハーグ 3,415.7万円

 私はオールマンリバー以外にレーゲンヴァルトにも期待していたのですが、未勝利を勝ち上がり、1,180.0万円稼いだところで引退となっています。

 ということで、近年は不発というイメージ通りの惨状。もう「伝説の新馬戦」とは呼ぶべきではないかもしれません。



■2017/12/03 グレイルは久しぶりの大物?伝説の新馬戦の負け馬、そこそこ活躍中

2017/12/03:ネガティブなことを書いた途端に、久しぶりに期待できる馬が登場しました。グレイルです。

着順    馬名    人気
1    グレイル    1
2    ストーミーバローズ    3
3    レイエスプランドル    6
4    ロイヤルバローズ    2
5    ダノンパンサー    7
6    ウォーターエルピス    9
7    コマビショウ    8
8    インスピレーション    5
9    トキノオー    10
10    トーセンアルタイル    4
11    ウエスタンマリーヤ    12
12    トーホウトリニティ    11 

 今年も小粒臭いなと思いつつ、グレイルをPOG指名したら、不良馬場で勝利。2戦目で重賞京都2歳Sをタイムフライヤーに次ぐ2番人気で出走して勝利し、2連勝。ネット競馬の掲示板は私以上に盛り上がっていました。

「藤岡佑君が言うにはまだまだユルユルらしいね。ホンマ来年が楽しみやで」
「ジャンダルムは2000m以上は無理そうだし、そこまで強くは感じない。グラスワンダーが出てきたときのような○外のスケール感があるわけでもなく。タイムフライヤーも大したことないと思う。
 グレイルの方がポテンシャル・強さは2倍・3倍以上あると思う。何だろう、この馬にはクラシックホースの資質のようなものを感じる。不良馬場でも走れる、良馬場なら飛んでいる。
 タニノギムレットっぽいなと思う」
「師の「びっくりするぐらいまだ馬が出来上がっていない。本当に良くなるのは4歳」って中々凄いコメントですね。それで重賞勝つんやからこっちがびっくりするわ。笑」
「文句なしのクラシック候補ですね!!」
 「ここの11月1日のコラムで、グレイルが不良馬場の厳しい新馬戦を走った後に、診察した獣医が「レースを使った後の心臓じゃない」と驚いていたよと野中先生が言ってたのを書いてたので、心肺機能が素晴らしくて強い馬なんだろうなと思ってたのが、本当になった!」
「この荒削りな競馬で差すとは 伸びしろですねー以外ないね」
 「無事に行ければダービー候補になりそうな一頭です」

 ちょっと盛り上がりすぎな気もしますけどね。

2018/03/31;グレイルが2戦目で負かしたタイムフライヤーがG1のホープフルステークスを勝って期待していたのですけど、グレイル自身は復帰初戦の共同通信杯、1番人気でまさかの7着。ついでにいうと、タイムフライヤーも若葉Sを圧倒的1番人気で5着となってしまいました。
 一方、伝説の新馬戦で8番人気7着と目立たなかったエンパイアメーカー産駒のコマビショウ は、ダート替わりで一変。7番人気と冴えなかったものの勝利し、さらにその次の次で2勝目を挙げています。
 また、6番人気3着だった レイエスプランドルも芝で2勝するなど、レベルが低かったわけではなさげ。グレイルには期待しているんですけど…。

2025年10月26日日曜日

詐欺や横領で「競馬などのギャンブルで使った」が嘘である理由

■2018/07/23 詐欺や横領で「競馬などのギャンブルで使った」が嘘である理由


■2018/07/23 詐欺や横領で「競馬などのギャンブルで使った」が嘘である理由

 Enjoy Ruffian 2009年1月号のBell The HORSEで、岡田紘和ラフィアン代表が、高額な詐欺や横領事件があると、容疑者が既にそのお金を持っていない理由を「競馬などのギャンブルで使った」と報道される事が多いものの、事実ではないのではないかとしていました。
  もう少し合理的な説明が先にありましたが、そもそも不自然なところがありますよね。「詐欺や横領までして手に入れた大金を、当たらない可能性が高い馬券に費やす」というのは、よく考えてみると妙な話です。

  岡田代表によると、こうした報道のほとんどが正確なものではないとしていたのは、ある馬主さんだそうです。
 その馬主さんの説明は、かなり筋が通ったもの。犯人には詐欺や横領で使った現金を隠したいという動機があり、大金がないと思わせる理由として、「馬券で無くした」と自供するのが最も適切であるためだというのです。

 ただし、実際には短期間で数百万から数千万円を馬券で使い果たすことは意外に簡単ではないと、 岡田代表は言っていました。
  実際、警察も疑って掛かり、問い詰めるとのこと。高額であれば、馬券を買った場所、レース、馬券の種類と金額で裏付けを取れるからといいます。ということは、たぶんJRAが警察に情報提供して本当かどうかを検証するんでしょうね。

  とはいえ、マジで馬券のせいで詐欺や横領を行ったという犯人も中にはいると思われます。岡田代表は指摘していなかったものの、まずギャンブル依存症になり、それが理由で詐欺や横領を行うという順番ならあり得るでしょう。
 ただ、ギャンブル依存症はプロセス依存だと言われています。意外なことに勝ち負けや金額の大小ではなく、「ギャンブルをやる」という行為そのものが大切だとのこと。なので、「大金を賭けないといけない」という病気ではなかったはずです。短期間で大金が消えたというケースなら、やはり怪しいという気もします。
 ここらへんは実際の調査データが知りたいのですけど、どこかで研究してくれませんかね…。


2025年10月25日土曜日

菊花賞はいらない?元ネタ世界のセントレジャーは古馬開放・降格・距離短縮

■2021/09/22 菊花賞はいらない?元ネタ世界のセントレジャーは古馬開放・降格・距離短縮
■2022/10/27 菊花賞は未知の魅力 穴馬を狙いたくなる「全馬初めての長距離重賞」


■2021/09/22 菊花賞はいらない?元ネタ世界のセントレジャーは古馬開放・降格・距離短縮

 競馬レースでは「~不要論」というのが多数あるのですが、日本だけでなく世界的にあるの菊花賞不要論。菊花賞は日本だけの名前ですから、正確に言うと、元ネタとなったセントレジャー不要論ですね。
 この世界中にあるセントレジャー系レースの大元である、イギリスのセントレジャーについて、Wikipediaでは、以下のように説明しています。

<セントレジャーステークス(St. Leger Stakes)は、イギリスのクラシック三冠および牝馬クラシック三冠の最終戦としてドンカスター競馬場芝コース1マイル6ハロン115ヤード(約2921メートル)で行われる長距離適性を審査する競馬の競走である。競走名は18世紀のスポーツ愛好家であったアンソニー・セントレジャー陸軍中将に由来する。出走条件は3歳限定で繁殖能力の選定のために行われるため、騸(せん)馬の出走はできない。世界最古のクラシック競走であり、日本の菊花賞のモデル競走>

 Wikipediaでは、<各国に「〜セントレジャー」と名のつくものや本競走をモデルとした競走が数多く施行されている>と多くの競走を紹介。ただ、<いくつかは完全に三冠最終戦としての性格を失っており、古馬を含めた長距離戦としてやただの下級戦となっている例も有る>としていました。リステッド競走まで落ちている寂しいレースもありますね。
 一方で、<日本やトルコ、インドなどは当初の性格を残している>とのこと。Wikipediaの一覧では、距離を短縮したかどうか記載がないのですが、それ以外の「古馬開放」「降格」はわかるので、以下、分類して紹介しておきます。

<3歳G1維持>
・イギリス - セントレジャーステークス(G1)
・アメリカ合衆国 - ベルモントステークス(G1)
・日本 - 菊花賞(GI)
・チリ - チリセントレジャー(G1)
・インド - インドセントレジャー(G1-part2)
・トルコ - アンカラ・コスス賞(G1-part3)

<降格+古馬開放>
・ドイツ - ドイチェスセントレジャー(G2→G3、古馬開放)
・イタリア - セントレジャーイタリアーノ(G2→G3→L→G3、古馬開放)
・ニュージーランド - ニュージーランドセントレジャー(G1→L、古馬開放)

<古馬開放>
・アイルランド - アイリッシュセントレジャー(G1、古馬開放)
・フランス - ロワイヤルオーク賞(G1、古馬開放)
・アルゼンチン - カルロスペルグリニ大賞(G1、創設時より古馬出走可。セントレジャーではないが相当する競走とされることもある。同国の最強馬決定戦の1つ)

<降格>
・南アフリカ - サウスアフリカンセントレジャー(L、降格ではなくもともと?)


■2022/10/27 菊花賞は未知の魅力 穴馬を狙いたくなる「全馬初めての長距離重賞」

 不要論もある菊花賞ですが、私は一番好きなレースのひとつ。特に馬券的には一番好きなレースで、人生で最も馬券を購入しているレースです。ただ、そもそもあまり馬券を買わない私の「人生で最も馬券を購入しているレース」なので、大した金額じゃありませんけどね。JRAさんにはあまり貢献できていません。

 菊花賞がおもしろいというのは、この世代の馬が初めて経験する3000mの重賞であること。わからない部分が多く、穴馬でもチャンスがありそうな気がしてワクワクするんですよね。スロウでスタミナがあまり関係ない展開になることが多いとは言え、実績のない長距離を走りそうな血統が馬券に絡むのでは?とつい買いたくなってしまいます。

 この菊花賞はほぼ毎年買っており、一時は「得意なレース」と思っていた時期もありました。ただ、実際問題、最近さっぱり当たってないよな…と思ったので確認してみることに…。
 で、計算してみると、以下のような悲惨な結果となりました。回収率が100%を上回っていたのは初期の数年だけ。2013年を最後に10年ほど当たっていないという恐ろしい結果です。回収率は6割を切っていますので、むしろ苦手なレースと言った方が良い内容。買わない方が良いレースなのかもしれません。

年度    購入    払い戻し    回収率
2003    1,000    2,790    279%
2004    700    0    164%
2005    400    0    133%
2006    100    760    161%
2007    1,500    0    96%
2008    1,300    0    71%
2009    700    0    62%
2010    300    0    59%
2011    200    0    57%
2012    900    1,920    77%
2013    600    1,900    96%
2014    600    0    89%
2015    600    0    83%
2016    600    0    78%
2017    600    0    73%
2018    600    0    69%
2019    400    0    66%
2020    1,200    0    60%
2021    0    0    60%
2022    600    0    57%
合計    12,900    7,370    57%



2025年10月24日金曜日

サラブレッド生産頭数が減るほど日本競馬は弱くなる…本当か?

■2019/06/13 1万頭以上いたのに減り続けのサラブレッド、ついに増加に転じる?
■2019/06/13 血統が悪い売れ残りの馬がまさかの中央重賞勝利!
■2019/06/13 サラブレッド生産頭数が減るほど日本競馬は弱くなる…本当か?
■2022/10/07 馬の年次別生産頭数の変化は、急増・安定・急減・安定・増加
■2022/10/07 昔はアラブ系の方が多かった!合計頭数では見えないトレンドがある 

■2019/06/13 1万頭以上いたのに減り続けのサラブレッド、ついに増加に転じる?

 かつて1万頭以上いたサラブレッドですが、生産頭数は減り続け…というイメージ。例えば、株式会社ヒポファイル・ブラッドストックでは、「日本国内のサラブレッド生産頭数も、1万頭を超えていた1992年をピークに減少の一途を辿り、2015年には7000頭を下回る程まで減少してきました」と書いています。

  なので、私はてっきり今ならもっと減っているのだと思ったら、増えていてびっくり。2018年の生産頭数 - 軽種馬登録ニュース(2019/02/05)によると、2017年の生産頭数は7,088頭(サラブレッド7,081頭、サラブレッド系種1頭、アラブ1頭、アングロアラブ5頭)で前年と比べると162頭の増加となったそうです。

  単年度だけ増加といったものではなく、ここ数年地味に…ではあるものの増えているみたいですね。増加傾向が続くかどうかは別として、底を打った感じに見えます。

2022/10/07追記:その後も増えているみたいですね。日本軽種馬協会の年次別生産頭数というPDFによると、前回紹介した2017年の7,089頭(訂正されたのか以前の報道より1頭増加)の後、2018年は7,250頭、2019年は7,393頭、2020年は7,558頭、2021年は7,733頭と一貫して増加していました。
https://jbba.jp/data/pdf/sei.pdf


■2019/06/13 血統が悪い売れ残りの馬がまさかの中央重賞勝利!

 以上は今回紹介したい話の予備知識。前フリでした。とりあえず、昔はたくさんサラブレッドがいたとだけ覚えておいてください。

 紹介したかったというのは新しい話ではなく、1999年8月18日の新聞の切り抜き。おそらく北海道新聞だと思われます。「赤字の重圧 道営競馬明日はあるか」という連載の2回目で、生産に焦点を当てた回。タイトルは「リスク負い名馬輩出」なのですけど、加えて小さめの文字で「生産減なら中央に痛手」ともありました。私が問題視したいのがここなんです。

 この連載と同じ月の8月1日。道営競馬所属のエンゼルカロが中央の函館3歳S(当時の名称)で勝利。道営馬の中央重賞勝利は初めてという快挙です。
 馬主は当時55歳の白井民平さん。今回の話に関係ないんですけど、確か「借金王」みたいなあだ名もつけられた、地元門別町(当時)では有名な名物牧場主さんだったと思います。

 余計なことを書いたんですけど、記事に戻ります。エンゼルカロは血統が悪い売れ残りの馬で仕方なく自ら馬主になった馬でした。こういうパターンは多いですね。道営では生産者馬主が半数だといいます。


■2019/06/13 サラブレッド生産頭数が減るほど日本競馬は弱くなる…本当か?

 ただ、エンゼルカロが中央重賞を勝ったように、こうした血統が悪い地方馬が中央競馬を支えているというのが記事の主張。ピラミッドの底辺である地方競馬で走る馬が多いほど、ピラミッドの頂点である中央競馬のレベルも高くなるというのです。別の門別町の生産者の以下のような話を載せていました。

「 生産を減らせば、その分名馬が生まれなくなる」
「道営などの地方競馬が衰退し生産頭数が激減すれば、中央のレベルも低下してファンが離れ、日本の競馬界全体が崩壊しかねない」

 結果論になりますが、これは本当なのかどうかかなり怪しい話でした。前述の通り、サラブレッドの生産頭数は1992年より大きく減ったものの、日本競馬のレベルが下がったとは思えません。
 むしろ逆でしょう。記事の前年の1998年には、日本調教馬として初めてシーキングザパールがヨーロッパのG1競走を勝利。そして、今は日本の馬が海外G1を勝利するのは全く珍しくないところまでレベルが上がっています。

 当時の私は無邪気に生産者側に都合の良いこの主張を信じてしまったので、おそらく切り抜きを取っておいたのだと思うのですが、これは他の産業で考えるとおかしい説だとわかりやすかったですね。
 「小規模な零細事業者が減ると、国際的に通用するような大企業のレベルが下がる 」といった主張ですからね。よく考えると、そんなわけ、ねーだろ!という主張でした。

 北海道新聞が地元の生産者の側に立つのは理解できますし、私も零細生産牧場を気持ちとしては応援したいものの、彼らを特別に守る大義は残念ながらありませんね。


■2022/10/07 馬の年次別生産頭数の変化は、急増・安定・急減・安定・増加

 日本軽種馬協会の年次別生産頭数というPDFを見てみると、おもしろいです。このデータで最も古いのは1955年。戦争の影響で戦前もう少し多かった時期があった可能性がありますが、とりあえず、この1955年頃は今よりだいぶ少ないです。翌年がデータがある中では最低。減る年はありますが、全体としては急激に増加していたことがわかります。

年次    小計
1955    2,615
1956    1,954
1957    2,102
1958    2,439
1959    2,645
1960    3,019
1961    2,934
1962    3,070
1963    3,410
1964    4,010
1965    4,764
1966    5,101
1967    5,731
1968    6,245
1969    7,081
1970    8,051
1971    9,089
1972    9,671
1973    9,701
1974    11,030

 ところが、1974年からは突如増加傾向が終了。ただ、減少傾向ということもなく、1万1000前後で安定する…という安定期に入りました。

1974    11,030
1975    11,651
1976    11,901
1977    11,072
1978    10,695
1979    10,847
1980    11,077
1981    11,342
1982    11,571
1983    11,602
1984    11,341
1985    11,198
1986    10,834
1987    10,734
1988    11,041
1989    11,269
1990    11,751

 ピークは1992年であり、1990年代の前半は1万2000頭を超える数字を複数年で叩き出しました。

1991    12,560
1992    12,874
1993    12,591
1994    12,459

 そして、このピークから一転して下がり続ける…という時期に入ります。急減と言って良い感じで減っていますね。

1995    11,545
1996    11,271
1997    10,865
1998    10,241
1999    9,679
2000    9,378
2001    9,311
2002    9,052
2003    8,773
2004    8,369
2005    8,043
2006    7,695
2007    7,533
2008    7,378
2009    7,483
2010    7,130
2011    7,092
2012    6,837

 この減少傾向の底は2012年。その後は上がり下がりして傾向のない安定期に突入したかと思いましたが、2016年からは連続して前の年を上回る数字を出し続けており、上昇傾向がはっきりと見えています。

2012    6,837
2013    6,843
2014    6,904
2015    6,858
2016    6,907
2017    7,089
2018    7,250
2019    7,393
2020    7,558
2021    7,733


■2022/10/07 昔はアラブ系の方が多かった!合計頭数では見えないトレンドがある

 以上はサラブレッド系だけでなく、アラブ系を含めた数字でした。実を言うと、このサラブレッド系・アラブ系という細かいところを見ていくと、ガラッと印象が変わってくるんですよ。今では信じられない話でしょうが、以前はアラブ系の方がむしろ多くなっていました。

年次    サラ系    アラ系
1955    660    1,076    -416
1956    727    899    -172
1957    817    1,038    -221
1958    941    1,243    -302
1959    1,031    1,437    -406
1960    1,115    1,683    -568
1961    1,237    1,560    -323

 初めて逆転したのは1962年。ただし、それ以降もアラブ系の方が多い年がかなりあります。ここらへんは一進一退でした。ここは全体としては激増している時期であり、サラブレッド系、アラブ系ともに増えていたことがわかります。

年次    サラ系    アラ系 差

1962    1,491    1,449    42
1963    1,767    1,542    225
1964    2,013    1,873    140
1965    2,165    2,472    -307
1966    2,260    2,731    -471
1967    2,617    2,989    -372
1968    3,021    3,125    -104

 しかし、アラブ系の方が多かったのは1968年が最後。その後は全部サラブレッドの方が多い…ということになりました。
 また、このあたりからしばらくサラブレッドとアラブ系で増え方に大きな差が出ていたこともわかります。アラブ系が増えたり減ったりする中で、サラブレッド系は安定して伸びていました。

年次    サラ系    アラ系 差
1968    3,021    3,125    -104
1969    3,746    3,229    517
1970    4,389    3,561    828
1971    5,065    3,943    1122
1972    5,595    4,009    1586
1973    6,173    3,501    2672
1974    7,297    3,715    3582
1975    8,113    3,534    4579
1976    8,470    3,427    5043

 全体としては1974年から1990年は安定期。サラブレッド系とアラブ系の割合も、1977年から1985年あたりだけは大きなトレンドがなく安定していました。

年次    サラ系    アラ系 差
1977    7,968    3,102    4866
1978    7,780    2,914    4866
1979    7,712    3,134    4578
1980    7,726    3,350    4376
1981    7,867    3,475    4392
1982    8,072    3,498    4574
1983    7,977    3,625    4352
1984    7,694    3,647    4047
1985    7,629    3,569    4060

 ただ、1986年からは全体の頭数が変わらない中で、サラブレッドが増えてアラブ系が減るという比率の変化が起きています。

年次    サラ系    アラ系 差
1986    7,649    3,185    4464
1987    7,765    2,969    4796
1988    8,311    2,730    5581
1989    8,751    2,518    6233
1990    9,319    2,432    6887

 その後ピークの時期を過ぎて全体の減少傾向に入ってくると、アラブ系とサラブレッド系の差はでこぼことした感じに。サラブレッドがアラブ系以上に減る…といったことが起きています。
 ただし、アラブ系の復活というわけではなく、全体に苦しい時期であるため。アラブ系自体は減少トレンドがはっきりしています。

年次    サラ系    アラ系 差
1991    10,054    2,506    7548
1992    10,407    2,467    7940
1993    10,188    2,403    7785
1994    9,987    2,472    7515
1995    9,212    2,333    6879
1996    9,045    2,226    6819
1997    8,668    2,197    6471
1998    8,493    1,748    6745
1999    8,527    1,152    7375

 アラブ系が1000頭を切ってしまうあたりになると、もう差を見てもしかないな…という感じに。もうほとんどがサラブレッド系ですし、サラ系すらほぼいなくなって、ほぼ全部純粋なサラブレッドのみという状態に。アラブ系はそろそろ0になりそうです。

年次    サラ系    アラ系
2000    8,622    756
2001    8,807    504
2002    8,747    305
2003    8,554    219
2004    8,261    108
2005    7,981    62
2006    7,669    26
2007    7,523    10
2008    7,370    8
2009    7,474    9
2010    7,120    10
2011    7,076    16
2012    6,828    9
2013    6,836    7
2014    6,888    16
2015    6,848    10
2016    6,906    1
2017    7,083    6
2018    7,244    6
2019    7,390    3
2020    7,553    5
2021    7,730    3


2025年10月23日木曜日

競走馬の引退が納得できない? 怪我・病気、3回連続9着以下、タイムオーバー

■2015/12/13 競走馬の引退が納得できない? 怪我・病気、3回連続9着以下、タイムオーバー
■2022/06/12 引退かどうかで揉める怪我…ただ「競走能力喪失」なら納得できる理由に


■2015/12/13 競走馬の引退が納得できない? 怪我・病気、3回連続9着以下、タイムオーバー

 岡田紘和ラフィアン社長によるEnjoy Ruffiaのコラム Bell The HORSE、2009年3月号は、「競走馬の引退時期について」というもの。競走馬の引退の決め方についての説明がありました。
 最初に、"ご存じのように、本賞金は1着~5着までの馬に、本賞金に準ずる出走奨励金は6着~8着(重賞競走は10着まで)の馬に交付されます"とあったものの、これは普通の馬券だけを買うファンだと、知らない人が多いと思われます。
 ただ、この出走奨励金は当然ながら本賞金より少なくなり、これだけで稼げるというものではありません。

<出走の意思があってもなかなか希望のレースに使えず、1ヶ月以上レース間隔が空くことが珍しくありません。また、出走できても16頭立てのいわゆるフルゲートのレースが多い中、半分より前に来なければその月の預託料さえ賄えないのが、今の厳しい現状です。これらの賞金が交付されない9着以下が続くと経費ばかり嵩むのでほぼ引退になります。基本は特別な不利もなく3回連続9着以下になると引退としていますが、例外も沢山あります>

 "半分より前に来なければその月の預託料さえ賄えない"とありましたが、これは飽くまで「その月の預託料」。1年全部厩舎にいるわけには行かず、当然レースに出ない時期もありますから、「その月の預託料」だけではマイナスです。
 さらに預託料をすべて支払えたとしても、最初に支払った出資金は全く戻ってくる当てがないということになります。もっと活躍しないと赤字削減にはなりません。このように厳しい条件ですので、大半の馬は赤字になります。

 「3回連続9着以下」以外の特殊な引退のケースについて例については、以下のようなお話がありあmした。

(1)夏の3歳未勝利競走で何とか勝利を収めたが、その時点で全治9か月以上の怪我をした場合、これは調教師とも相談の上500万下競走で通用しそうな馬であれば現役続行ですが、そうでなければ引退させます。
(2)タイムオーバーになった場合、競走能力が原因だと判断すれば引退させることがあります。しかし、この判断も意外に難しく、過去にデビュー戦でタイムオーバーになった馬が3勝以上したこともあります。
(3)休み明け9着が2回続き、次の出走が5週間以上先になりそうな場合、その2戦が完調に近い状態での出走であれば引退させることがあります。
(4)オープンクラスの馬が3回以上10着以下の場合でも、引退させないことがあります。なぜなら、賞金が高額なため5着以内に入れば十分にペイする可能性があるからです。

 大抵は「引退するのに納得できない!」という不満が出資者に多いと思われますが、一般的には引退が正解で、引退した方がプラスになる方が多いです。前述の通り、そもそもほとんどの馬が赤字。現役を続けるだけで赤字が増えていく一方なのに対し、好走する確率は低いですからね。
 以前、中央を引退したクラブ馬が地方で何勝もした!と騒いでいる人がいたものの、現在の地方と中央ではさまざまな差が非常に大きくなっています。それくらいでは、中央で勝てたかどうかも怪しいです。
 これは勝利して出戻りする馬が必ず確勝級と言えるかどうかを考えてもわかるでしょうし、中央で凡走した馬が地方で好走する確率を見てもわかるでしょう。

 なお、岡田紘和さんは、"もっと難しいのは「馬体状況」の判断"だとしていました。競走馬が引退を考えるケースで、怪我は多いものの、これがどの程度のリスクかという見極めは、専門家でも判断が割れるようなのです。

-----引用 ここから-----
 高齢になればなるほど、怪我の回復が遅くなったり、慢性痛により歩様が悪化したりします。痛みはそのきっかけとなる怪我や病気があるのですが、その怪我や病気が治っても神経系統に異常が残り痛みを感じる状態が続くのが慢性痛の主な原因だそうです。
 また、獣医師の判断もまちまちですので、関係者全員が納得することは少ないのです。例え全治3か月の骨折であってもその馬の骨質が脆ければ再発の可能性が高いので、下級クラスの馬であれば引退させることもあります。
 その他に喘鳴症(ぜいめいしょう・狭義の「喉鳴り」)を診断するには、内視鏡で披裂軟骨の開帳不良を確認しますが、運動後の呼吸時に検査してもわからない時もあるので、トレッドミルで馬を走らせながら検査するのがベストです。しかし、トレッドミルで走らせるには怪我をする多少のリスクがあるので、あまり行われていません。また、あまり音がしない喘鳴症もあるそうです。そして、喘鳴症が重度だとなると手術をするのですが、ある程度馬体が成長した2歳夏以降のほうが成功率は高くなると言われているものの、まだ成功率(現在のところ60%程度でしょうか)はそれほど高くありません。
-----引用 ここまで-----

 病気の中では、腰フラは即引退である意味わかりやすいです。出資馬がこれで2頭引退したことがありますが、腰フラは原因不明で現在のところ対処法がないために、現役続行という選択肢は取られない感じです。
 ただ、こういう納得できる(諦められる)怪我・病気だけとは限りません。
 以前、出資していた別の馬が怪我をしたとき、クラブは引退させようとしていたものの、調教師が通用するとして是非ともと現役続行させました。しかし、長期休養明けの後は、結局全く活躍せずに引退へ。結果的には赤字だけたくさん増えた形です。
 基本的には、怪我した時点で現役続行はかなりのギャンブルだと考えていた方が良いと思います。



■2022/06/12 引退かどうかで揉める怪我…ただ「競走能力喪失」なら納得できる理由に

 同じようなテーマの話を…と思ったものの見つからなかったので、納得できる引退理由のケースをひとつ紹介。言葉のインパクトも強烈な「競走能力喪失」という理由のケースです。
 以下の<骨折で競走能力喪失…ヨカヨカ引退がトレンド入り「九州産馬初のG1制覇も夢じゃないと思ったのに」「残念だけど…命あって良かった」:中日スポーツ・東京中日スポーツ 2021年9月22日)は、POGでも指名したような記憶があるヨカヨカの話です。

<8月のG3北九州記念で豪快に差し切り、熊本県産馬として初の重賞制覇を成し遂げたヨカヨカ(牝3歳)が22日、左第1指節種子骨を骨折、競走能力喪失と診断されたことが分かった。>
<22日朝の調教後、地下場道で暴れたことが骨折の原因とされるヨカヨカ。「切ないな…本当に担当者さんのお気持ちを察するとなんともいえない」「(GI)スプリンターズステークスで走る姿を見たかった…」「ヨカヨカ残念だけど…命あって良かった…子供、楽しみにしてます」「予後不良にならなくて本当に良かったと思ってる」「引退は悲しいけど、余生をゆっくり過ごしてね。ヨカヨカ感動をありがとう」などのコメントが相次いだ>
https://www.chunichi.co.jp/article/334790

 あと、去年のダービーを見返していて、POG馬で牝馬なのにダービーに出走したサトノレイナスがそういやその後走ってないな…と思ったら放牧中に骨折して休養、復帰を模索したものの引退していました。
 引退発表はダービーの翌年の2月ということで、すぐに引退せずに粘った感じがあり、これもあまり異論が出そうにないケースでしょう。コメント欄でも異論は出ていない感じでした。
 牝馬の場合は、繁殖があるので、サクッと引退するケースが多いですし、かなり頑張った方だと思います。2月ですから、今年の繁殖に上がるかどうか決める…というタイミングでの決断でしょうね。

<21年桜花賞など2度のG1・2着があるサトノレイナス(牝4歳、美浦・国枝)が、9日付けで競走馬登録を抹消したことが10日までに分かった。通算成績は5戦2勝。
 同馬はデビュー2連勝で臨んだ20年阪神JF、翌年の桜花賞で、白毛馬ソダシと激闘を繰り広げたがいずれも2着惜敗。その後は牝馬ながらダービーに挑戦。07年ウオッカ以来、14年ぶりの牝馬Vを目指したものの、5着に終わった。
 その後は放牧中に右トモを骨折して休養。結果としてダービーがラストランとなった>
(サトノレイナスが引退・繁殖入りへ ソダシと2度の激闘 国枝師「復帰がかなわず残念」 | 競馬ニュース - netkeiba.com 2022年02月10日より)
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=199573



2025年10月22日水曜日

ビッグレッドファーム鉾田トレセンの役割 調教師にも馬主にもメリット

■2013/9/20 ビッグレッドファーム鉾田トレセンの役割 調教師にも馬主にもメリット
■2013/9/20 実際、ビッグレッドファーム鉾田トレセンのレベルが低かったのは事実?
■2018/11/08 鉾田で調整し入厩した馬が掲示板に載る率は高い?低い?
■2017/09/04 やめたはずの冠名マイネ使ったマイネフレッシュ、南波壽氏の所有




■2013/9/20 実際、ビッグレッドファーム鉾田トレセンの役割 調教師にも馬主にもメリット

 以前、ラフィアンの出資馬への書き込みで一口馬主らしい方が、「何で調教師でもない人がやっている鉾田トレセンに入れるのか意味がわからない。厩舎で調教していた方が良いだろう」といったことを書いていて、パソコンの前でのけぞりました。
 こういう知識の人が一口馬主やっているというのは危ない気がします。

 とりあえず、特別な馬のプロである調教師だけが調教する…という認識が当てはまらない国がある、かつての日本でもそれを否定した歴史的名馬の馬主がいた、などの話はこの際しません。
 調教師の方が調教がうまい、そりゃずっと美浦か栗東に入れておいた方が良いということにして話しますが、鉾田トレセンに馬を送るのはそもそも調教師側の事情が大きいです。また、馬主側にも鉾田トレセンに預けるメリットがあります。

 ここらへんの話を私が書いても正確にならないおそれがありますし、ちょうどビッグレッドファームの会報「アワープレジャー2012年12月号」に鉾田トレセンの話がありましたので、引用します。(と言うか、説明面倒くさいですし)

<最近の競馬でわれわれの出資馬は、思うようにレースに出られない。ご存知のとおり、5 着以内に入らなければ、優先出走権を手にできないからだ。その間、もしトレセンに滞在すれば預託料がかさんでしまう。厩舎にしても、出走できない馬を置き続ければ、成績を上げるのは容易ではない。
 両者にとってプラスに働く存在が、鉾田トレセンのような外厩施設である。預託料を抑えるだけでなく、十分な鍛錬が可能だから、入厩後もすぐレースに出せる。実にありがたい存在といえる>
(アワープレジャー2012年12月号 馬恋慕第147回 鉾田日帰りツアー 河村晴明より)
http://www.ruffian.co.jp/site/ourpleasure/ourpleasure.php

 馬主にしてみれば全く仕上がっていない状態から全部厩舎にやってもらうと非常にお金がかかります。また、すぐレースに使えないというのは、厩舎にしてみてもお金にならない邪魔者です。
 ひどい場合にはほとんど厩舎に入れてもらえずに、他厩舎に移籍なんてこともあります。私の過去のラフィアン系じゃないPOG指名馬でも使ってもらえなかった新馬がいました。そういう意味で、鉾田トレセンのようなところは厄介払いするのにちょうど良いのです。
 調教師側の事情としては馬房が限られているというのもあるでしょうけど、そうじゃなかったとしても同じ人員で最大限の収益を上げるのであれば、すぐに使える一流馬だけ揃えておくことが最も効率的です。

 コンビニで例えると、商品の入れ替えを行って売れ筋商品だけを取り揃えるようなものですね。限られたスペースで最大限の収益を上げなきゃいけないので、品揃えを変えるなどして売れ筋の商品を優先的に店舗に出します。それに文句言ったって仕方ないでしょう。
 そして、コンビニと同じように、調教師さんもボランティアでやってるわけじゃないのです。
 まあ、委託馬が少なくてガラガラの不人気厩舎なら、すぐにレースに出せない馬を囲っておいて高い委託料ふんだくるという作戦もアリでしょうけど…。





■2013/9/20 ビッグレッドファーム鉾田トレセンのレベルが低かったのは事実?

 記事の残りはあまり関係ないですけど、調教での巧拙の差が出ていたのかな?というお話もありましたので、そちらもどうぞ。

-----引用 ここから-----
 開場した当初、鉾田の坂路は、事務所の奥にある谷を越えて、反対側の丘へと長く伸びていた。およそ1300mあったそのコースを改修したのが2 年前だった。
 奥ではなく手前に伸びる格好に変わり、全長は600mに短縮された。だが、グンときつくなった勾配を活かして、新たな調教法が生まれたのだ。鈴木場長が解説した。
 「この短い坂路にあわせて、インターバルトレーニング̶陸上選手などはあたりまえのように取り入れていますけども̶に変えて、普段は4 本5 本乗って、馬を鍛えています。さらに、坂路を走る合間も、ゆっくり歩くのではなく、ダグとキャンターで、まだ馬が苦しい内に次の調教に向かわせています。
 結果として、前のコースより故障が減りました。あそこに1ハロンくらいの急勾配が見えますけども、いくら全力で走って
もスピードが出ないんです。いい感じで負荷をかけながら、スピードは出すぎませんので、馬がケガしなくなりました。そんなには目立ちませんけど、最近、成績の方も上向いてきていると実感しています」
 以前、会員の間に「鉾田では故障が多い」と不満の声が上がったことがある。言うまでもなく、鉾田トレセンは“ 馬を仕上げるための施設” だ。現場のスタッフは「入厩後、10 日で使える状態」を目指して調教を行う。つまり、それだけ強い負荷を課さねばならず、行う調教は馬のケガと常に紙一重のところに置かれていた。
 だが、急勾配の坂路を利用したインターバル調教を取り入れて、とりわけ前肢の故障が減少したという。調教スタッフの試行錯誤は確実な成果をもたらしたことになる。
-----引用 ここまで-----

 会員が不満を持つというのは、元を正せば結果がついてこないためでもあります。結果が全てですね。


■2018/11/08 鉾田で調整し入厩した馬が掲示板に載る率は高い?低い?

 鉾田トレセンの説明が、 Our Pleasure 2012年7月号のスタッフ記事でもありました。鈴木晃一さんの話からです。

・グループの競走馬のレースへ向けての調整、仕上げが業務。
・昨今、5 着以内に入着できなかった下級条件馬は、7、8週も待たなければ次の出走機会
を得られないなどという状況が頻繁に起きている。その間、トレセンに在厩となれば当然預託料がかかるが、自前の施設で次走の直前まで調整できれば経費も抑えられる。
・厩舎サイドとしても、出走できない馬を在厩させておくのは厩舎の成績向上のため得策ではないことから、お互いに利点がある。

 ここは、やはり坂路を急勾配で短くしたことで、鉾田トレセンでの成績が向上したという話もありました。ただ、故障ではなく、成績に関わるものです。

・鉾田で調整し入厩した馬が、初戦に掲示板に載る率は、一昨年32%、昨年36%、今年は5月現在で45%と年々上昇。

 名馬ミホノブルボンは故・戸山調教師のもと、当時まだ計測区間500mだった栗東の坂路だけで、誰も真似しない1日5 本乗りというスパルタトレーニングでダービー馬に育て上げられた、というエピソードもありました。ミホノブルボンって懐かしすぎですね。


■2017/09/04 やめたはずの冠名マイネ使ったマイネフレッシュ、南波壽氏の所有

 ラフィアンは牝馬では冠名を使うのを数年前からやめています。なので、「 マイネフレッシュ」という2歳馬を見つけて不思議に思いました。また復活したのでしょうか?
  馬柱を見ると、丹内騎手が騎乗しており、どう見てもビッグレッドグループ。丹内騎手が他のところの馬に乗ることはあまりありません。
 で、馬主を確認したら、南波壽さんという聞いたことのない方。とりあえずラフィアンではありませんでした。

 調べてみると、馬主さんは有名人。 馬主姓の一部「南」から, サウス. サザンの冠名を用いている方。これでしたらいくらでも有名馬がいますわ!サウスヴィグラスが最高傑作でしょう。
  マイネフレッシュの父はそのサウスヴィグラスなので、サウス冠名で良さそうなものなのですけど、母のマイネアレグリア の「マイネ」をもらったようです。
 なぜつけたのかはやっぱり不思議ですけど。


2025年10月21日火曜日

サンケイがダート向き予想のマツリダゴッホ産駒、結果は?

■2022/09/26 サンケイがダート向き予想のマツリダゴッホ産駒、結果は?



■2022/09/26 サンケイがダート向き予想のマツリダゴッホ産駒、結果は?

 2013年に書いていた「種牡馬マツリダゴッホの特徴 芝ダート兼用?ダート替わりで注目か?」を見直しながら紹介。元ネタはサンケイスポーツの<【新種牡馬連載(2)】マツリダゴッホ>(2013.4.2 14:46)です。

 マツリダゴッホは、日本、香港で27戦10勝。重賞は6勝。4歳時に有馬記念を制していいます。種牡馬になるくらいですし、成績は立派なもの。ところが、マツリダゴッホでネックとなりそうなのが、得意不得意が極端であったこと。以下のように、とにかく偏った戦績で個性的な馬であり魅力なのですが、種牡馬としては敬遠されかねない要素でした。

<07~09年に産経賞オールカマーを3連覇したほか、重賞全6勝がすべて中山で、他の4勝も中山と札幌のみという特異な戦績だった。勝ち星は1800~2500メートル。早い時期から素質は示していたが、年齢を重ねてから決め手に磨きがかかっていた>
http://race.sanspo.com/keiba/news/20130402/pog13040214510003-n1.html

 サンケイスポーツでは、「父は不世出の名種牡馬」というだけで名前すらなかったのですが、マツリダゴッホの父はあの名種牡馬サンデーサイレンスです。
 この父は説明不要ですが、よりおもしろいのは母系。マツリダゴッホは母系も個性的です。「母の父Bel BolideはGIを勝っていない地味な種牡馬」でした。ところが、母の半弟に菊花賞馬ナリタトップロードがいるほか、従兄弟には富士Sを勝ち、マイルチャンピオンシップで2着に好走したダノンヨーヨーがいるなど、母系自体はむしろ優秀なんですよ。

 このマツリダゴッホに初年度から128頭の繁殖牝馬が集まりました。人気です。実績の割にリーズナブルなSS系種牡馬として注目されたとのことです。「トップクラスの牧場が所有する繁殖牝馬とも種付けしており、成功する要素は十分」とされていました。
 ただし、「この中には7勝を挙げたオープン馬コスモマーベラスの半弟や、母にイクスキューズ(クイーンC)を持つ牡馬などが含まれている」ということで、代表的な繁殖牝馬はラフィアン系です。正直、ラフィアンが買うような馬は、あんまりトップクラスってイメージないですね。安いけど走る馬を見つけてくる印象が強いですので、繁殖牝馬の質は言うほど高くなかったのではないかと思われます。

 これ以上にサンケイスポーツの解説で個性的だったのは、「適性診断」でした。当時うちでも「芝ダート兼用?ダート替わりで注目か?」というタイトルにしていたように、なんとダート向きという予想が出ていたんですよ。これはかなり思い切った予想でした。

<サンデーサイレンス系だけに芝が向くのは確かだが、母方の血はむしろダート向きと言える配合の持ち主。スペシャルウィークやフジキセキのように、ダート巧者を出しても何ら不思議はない。母がナスルーラの4×4のクロスを持っており、繁殖牝馬によっては早い時期に活躍する馬も出るだろう>

 すでに答えはほぼ出ていますので、賞金ベスト5を見てみましょう。以下のように、上位ではほとんどダートが得意だった馬がいません。マイネルプロンプトが唯一ダートで良かった時期がありますが、この馬もベストは障害でしょうね。他は芝馬ばかりです。

ロードクエスト     牡     28,004.40 芝短距離~中距離
マイネルハニー     牡     19,844.40 芝マイル~中距離
マイネルプロンプト     セ     18,598.50 障害・ダート
エントリーチケット     牝     13,362.70 芝短距離
ディバインコード     牡     11,818.70 芝短距離

 また、父と異なり、短めの方がやや強め…というのは、私も予想外でした。こういうのってわからないものですね…。

2025年10月20日月曜日

アロヒアリイはサンデーサイレンス・トニービン・ノーザンテーストのインブリード

■2024/11/10 アロヒアリイはサンデーサイレンス・トニービン・ノーザンテーストのインブリード
■2025/10/20 アロヒアリイ、海外で凱旋門賞で本命視されるほどに成長する


■2024/11/10 アロヒアリイはサンデーサイレンス・トニービン・ノーザンテーストのインブリード

 種牡馬御三家(サンデーサイレンス、ブライアンズタイム、トニービン)だとさらに熱かったのですけど、サンデーサイレンス・トニービン・ノーザンテーストのインブリードが入った熱い馬を発見。しかも、サンデーサイレンス・トニービンは結構濃く入っています。サンデーサイレンスが「18.75%     3 x 4」で、トニービンが「 12.50%     4 x 4」でした。

アロヒアリイ
父ドゥラメンテ 母エスポワール 母父オルフェーヴル
サンデーサイレンス     18.75%     3 x 4
トニービン     12.50%     4 x 4
ノーザンテースト     6.25%     5 x 5

 新馬戦出走馬の血統を見ていておもしろいなと思った馬で、その新馬戦(2024/11/02 東京・芝2000)は1番人気1着で勝っています。今後も注目したいですね。 netkeibaの掲示板でも盛り上がっていました。
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2022104682


 [200] swingbibopさん IoIQQGU
来年のクラシックを席巻して、将来は貴重な父親の血(引用者注:父ドゥラメンテは2021年 8月31日に死亡。最高クラスに良い種牡馬な感じだったので、9歳で亡くなってしまったのは残念です)を繋ぐ種牡馬にもなってほしい。それくらいの大きな器を持つ馬と信じています。

 [197] hi69nさん GVJmRwU
「2000以上欲しい。距離が伸びて良さが出る」と調教師が言ってるから、ゆりかもめ→青葉→ダービーかな
アドミラブルのリベンジ期待します

 [189] テテさん GSQGA2k
また新しく楽しみな母父オルフェのドゥラメンテ産駒きたな

 [186] ぼんばへさん QjSQZjQ
「道中手応えが怪しかった」と言いつつノーステッキ。
派手さは無いけど良い勝ち方でした。
オルフェの血から道悪も問題無さそうですね。

 [185] グランデシャーロックさん MWYJhyA
まさかノーステッキで勝つとは思わなかった。この仔はまだまだ奥がありそう。
ドゥラメンテ産駒は脚元の弱い仔が多いから、このまま怪我無く順調に行ってほしい。

[184] swingbibopさん IoIQQGU
レースVを何度か見返してみると、やはりノーステッキなんだね
良馬場ではよくあるも、重馬場でのノーステッキはあまり見た事ない
戸崎Jは直線よほど手応えに自信があったんだろう。
素晴らしいクラシック候補が登場してくれて嬉しい


■2025/10/20 アロヒアリイ、海外で凱旋門賞で本命視されるほどに成長する

 この前、凱旋門賞の挑戦馬にアロヒアリイがあってびっくり。国内では、弥生賞3着程度で重賞未勝利どころか、1勝していなかった馬。ただし、私がいつも口を酸っぱくして言っているように、海外競馬は適性が大事なので、ただちに可能性がないとは言えません。実際、前哨戦を勝利して、海外では本命視する声すら出ていたといいます。

・【凱旋門賞2025】アロヒアリイ、複数海外メディアが“本命視” 太鼓判の声続々「恐るべき才能」「オッズよりはるかに良い」Winsight編集部(2025-10-04 16:59)
<英専門紙「Sporting Life」電子版は3日、競馬情報を専門に扱う「Timeform」のメンバー5名による本命馬のチョイスを掲載。3名がダリズ(牡3、F.グラファール、フランス)、1名がジアヴェロット(牡6、M.ボッティ、英国)の名前を挙げるなか、グレアム・ノース氏はアロヒアリイをピックアップしている。(中略)
また、英専門放送局「Racing TV」電子版に掲載された、アレックス・スコット氏による展望記事でもアロヒアリイは本命に推されている。>
https://winsight.jp/column/column_page?id=9591#google_vignette

 ただし、本番は惨敗。理由がない敗戦ではないとは言え、着順だけ見ると惨敗です。日本勢は3頭揃って前哨戦を勝つという、かつてないほど海外適性を示していたにもかかわらず、勝ち負けのところまで行った馬はいませんでした。

・【凱旋門賞】3歳馬アロヒアリイは無念16着 田中博師「道悪だけが敗因ではない、この経験を生かしたい」 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル[ 2025年10月6日]
<前哨戦・ギヨームドルナノ賞を制して注目を集めたアロヒアリイは16着に大敗した。
 内枠から好スタートを切り、序盤は好位をゲット。だが、世界トップクラスの馬たちのプレッシャーがあったか、徐々にポジションを下げていく。直線も上位争いに加わることなく、後方に沈んでいった。>
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2025/10/05/kiji/20251006s00004048005000c.html?page=1

 レース後、管理する田中博康師は「直線ではもうスタミナがなくなって、ロンシャンの2400メートルを走り切る(馬の)つくりができなかった。(中略)こちらの準備が足りない部分があり、(厩舎自体が)初めての挑戦だったし、これを糧に生かしていくしかない」としていました。「馬が成長するなら来年は2回目の挑戦」としており、可能性がないとは思っていないようです。

 一方、私が「理由がない敗戦ではない」と書いていたのは、別記事で取り上げられていたルメール騎手のコメント。「ぶつけられて馬のバランスが良くなかった、加速できなかった」としていたんですよね。


2025年10月19日日曜日

馬っ気とフケと発情は違うし、競走能力とも無関係だった?

■2019/04/01 妹萌えの馬がいた!天皇賞馬マイネルキッツ、妹マイネカンナが大好き
■2022/09/23 馬っ気とフケと発情は違うし、競走能力とも無関係だった?


■2019/04/01 妹萌えの馬がいた!天皇賞馬マイネルキッツ、妹マイネカンナが大好き

  Enjoy Ruffian 2009年7月号の厩舎訪問で出ていた国枝栄厩舎の福田好訓(ふくだよしのり)調教厩務員は、当時マイネルキッツについてある心配をしていました。
 キッツの次の出走予定は、宝塚記念。しかし、「次の栗東滞在は、キッツとカンナで行くと聞いているんですけれど、キッツはカンナのことが大好きなんですよ。ただでさえ馬っけが強いというのに......」という心配です。
 このカンナというのは、マイネカンナのこと。マイネルキッツと同じタカラカンナの子、つまり兄妹なのです。馬って近親でも関係なく発情するんでしょうね。

 ちなみに同じ号の「血統マニアック」(藤井正弘)では、妹のマイネカンナの方が先に重賞を勝ったという話を書いていました。
 兄弟で逆になったのは、当時5回目でしたが、ともに古馬で初重賞だったのは、このマイネルキッツとマイネカンナが初めてのケースだったといいます。マイネカンナは4歳4月で初重賞であり、アグネスタキオン産駒としては当時2番めの高齢重賞勝ち星でもありました。どうも晩成型の血統だったようです。


■2022/09/23 馬っ気とフケと発情は違うし、競走能力とも無関係だった?

 マイネルキッツが種牡馬入りしていればその話をしようかと思ったのですが、種牡馬入りしませんでした。じゃあ、「馬っ気」(うまっけ)って話で膨らませようかな?と検索してみると、<実は「フケ」≠「発情」 パドックで外野が兆候を読み取るのは至難【獣医師記者コラム・競馬は科学だ】>(2022年5月20日 06時00分 中日スポーツ)という記事が出てきてびっくり。私も勘違いしていました。

 この話に行く前に、先に「馬っ気」(うまっけ)の説明を先に。<馬っ気(競馬用語辞典) JRA>では、「牡馬の発情」という説明です。牡馬の場合は、馬っ気と発情はいっしょということになります。
 また、競馬で馬っ気が重視されるのは、発情によって競走能力が落ちると考えられているため…というのも重要です。ただし、今回は「馬っ気」メインの話ではないため、この真偽については、今回話がありません。
https://www.jra.go.jp/kouza/yougo/w129.html

 で、私は牝馬の発情がフケだと思っていたんですが、違うんでしょうね。中日スポーツの獣医師記者・若原隆宏さんの説明を読んでみしょう。
 若原隆宏さんはまず「オークスはG1の中でも波乱傾向の強い競走」と指摘。実際、直近10年で3連単10万超の決着が3度あるそうです。

 理由のひとつは、「距離設定」なのですが、ここはそれ以上説明されていません。これはおそらくほとんどの馬が走っていない芝2400mを若い牝馬が走るために未知数…ということではないかと思われます。
 一方、今回の話のメインは、距離設定と一緒によく言われるという、「5月はほぼすべての牝馬が発情しうる季節にあたる」ことの方。以下のような話がありました。

<人で28日の「月経周期」にあたる用語を動物では「性周期」と呼ぶ。馬は21日。季節性繁殖動物で、おおむね春だけこの周期が回る。北半球では早くて1月に始まり、遅いと8月まで続く。排卵前後の数日は発情に伴って競走能力が減衰すると信じられてきた。厩舎人は、馬のしぐさなどからこれを読み取ったとして「フケが来た」と表現する>
https://www.chunichi.co.jp/article/473356

 やはりフケと発情は同じという理解。なので、私の理解は間違っていなかった感じ。競馬用語辞典を見ても発情とフケは同義とされていました。
 しかし、<近年、繁殖学的な意味の「発情」(=排卵前後)と、厩舎人の言う「フケ」が、必ずしも一致しないことが分かってきた>というのが、今回の話です。

<JRAは研究の一環として2011~13年の3~8月に栗東在厩の現役牝馬の一部を対象に採血。性周期の指標となる雌性ホルモン濃度を調べている。
 ほとんどの馬は正常な性周期を刻んでいた。従来、現役馬は高ストレス下にあるために、慢性的な“生理不順”の状態にあるとの説もあったが、そもそもストレスの影響が小さいのか、栗東の環境が快適なのか、性周期は正常だった。
  同時に、担当者に当該馬が「フケであるか」を問診。突き合わせてみるとこれがてんでバラバラ。統計的にも無関係なことが示された>

 従来フケとされてきた兆候が、実は性周期や発情とは無関係だったわけです。ただし、従来フケとされてきた兆候を読み取ること自体は、依然として重要である可能性を若原隆宏さんは指摘。要するにこれは担当者が「今は走らなそうだ」と察知することであるため、発情と無関係でも競走能力への影響ははかることができる可能性があるためです。
 ただし、パドックで、やれ「腰が浮いている」「担当者に擦り寄って歩いている」と“フケの兆候”を読み取ろうとするのは無理があるだろうとも指摘。タイトルの後半になっていた「パドックで外野が兆候を読み取るのは至難」はそういう意味のようでした。



2025年10月18日土曜日

エリザベス女王は馬主なだけでなく元騎手でもある?

■2019/04/13 エリザベス女王は馬主なだけでなく元騎手でもある?
■2025/07/08 ロンドン市内を行進中にエリザベス女王の乗る馬が暴れて…
■2022/09/14 207年の歴史の中で初…という快挙を成し遂げたエリザベス女王
■2022/10/10 勝者にトロフィーを授けるはずだったレースで勝ってしまい急遽交代 



■2019/04/13 エリザベス女王は馬主なだけでなく元騎手でもある?

  イギリス王室は歴史的に競馬との関係が深いのですが、現在のエリザベス女王も馬主として知られます。「5歳から馬に乗り、若かりし頃には自らレースにも出場したことがあるという筋金入りのホースウーマン」とのことで、ある意味、元騎手かな?と思いました。
 辞書によると、騎手の意味には「馬に乗る人」というのがあり、これならイエス。ただ、競馬で馬に乗る人、職業として馬に乗る人といった意味もあり、この場合はノーです。

 さて、馬主の話。現在の所有頭数は25頭ほど。 最近はすごい馬はいないようですけど、英クラシックの勝利数は5回であり、有力な馬主と言って良いでしょう。直近のG1勝ちはロイヤルアスコット開催のG1ゴールドCをエスティメイトで勝った2013年だそうです。
(【世界の馬主紹介 Vol.4】エリザベス女王 | JRA-VAN Ver.Worldより)

 で、このロイヤルアスコットなんですけど、イギリス王室が主催する競馬開催で、アスコット競馬場自体も王室が所有。1711年、大の馬好きであったアン女王が作らせた競馬場です。
 エリザベス女王はロイヤルスタッドで競走馬の生産も行っていますが、王室関連では競馬場と競馬開催をやっているってのが、一番スケールがでかいですね。



■2025/07/08 ロンドン市内を行進中にエリザベス女王の乗る馬が暴れて…

 1987年が初版の佐藤愛子さんの小説『今どきの娘ども』は、小説と言うべきでしょうが、主人公はそのまま作家本人の佐藤愛子さんで、ときどき実話ベースと思われる話が混ざります。この中で、エリザベス女王と馬の話が出てきまて印象的でした。これは創作っぽいところじゃないので、実話なのではないかと思いますけど…。

 で、どういう話だったのか?と言うと、何年か前に、エリザベス女王が閲兵式(えっぺいしき。元首や司令官が整列した軍隊を視察する儀式)か何かで騎馬で…つまり、馬に乗ってロンドン市内を行進したときの話。テレビで見ていたんだそうです。
 この行進中、女王の馬が何かに驚いたのか、突然暴れます。ところが、エリザベス女王はいささかも慌てず、たくみに馬を操り、鎮めてみせたとのこと。乗馬ができるエリザベス女王らしいエピソードで、実話っぽさがあります。

 なお、小説の中のこの話は、チャールズ皇太子夫妻の訪日前で、当時妻であり、まだ亡くなっていなかったダイアナ妃ブームのところで登場。佐藤愛子さんは、美しいダイアナ妃に夢中になる娘たちに向かって、前述のたくみな馬さばきの逸話を出し、「女王たる方はこうでなくてはいけない」「ダイアナ妃にそのまねができますか!」「ファッションなんかぬウツツを抜かしていていいのか!」と憤ります。無茶言うな…という話ですが、佐藤愛子さんはこういうキャラなので、佐藤愛子さんらしい話です。



■2022/09/14 207年の歴史の中で初…という快挙を成し遂げたエリザベス女王

 過去投稿を見直していて、エリザベス女王のこの投稿が目に止まりました。エリザベス女王が亡くなったばかりのためです。検索すると、やはり馬関係の記事も出ていますね。<ディープインパクトとの縁 優秀なブリーダーだったエリザベス女王>(植松佳香 2022年9月9日 18時11分)という記事がありました。
 幼女時代から馬に乗っていた、高齢になっても馬に乗っていた…など、馬好きエピソードもあります。

<8日に死去した英国のエリザベス女王は、無類の競馬好きとしても知られていた。日本でも毎年行われる中央競馬の「エリザベス女王杯」。1975年にエリザベス女王が来日したのを記念して始まったものだ。
 女王は競馬場にレースを見に足を運ぶだけでなく、自身も馬の所有者であり、優秀なブリーダーでもあった。昨年には競馬界への貢献をたたえられ、英国で殿堂入りも果たしている>
<4歳の誕生日に祖父のジョージ5世からポニーをもらい、乗馬を習ったのが馬との付き合いの始まりだった。それ以来、90歳を過ぎても乗馬を続けていたという>
https://www.asahi.com/articles/ASQ995STXQ99UHBI03Q.html

 タイトルになっていたのは、ディープインパクトの話です。ディープインパクトの曽祖母にあたる「ハイクレア」(Highclere)はエリザベス女王の生産・所有馬…という話。ただ、話はこれだけであり、記事の中では主要なところではありません。
 一方、エリザベス女王の思い出の所有馬は、「エスティメート」だったようです。 ノーフォーク州サンドリンガムにあるエリザベス女王の別邸で、まず目につくのが、女王競走馬「エスティメート」の等身大の彫刻だといいます。この馬で、エリザベス女王は史上初めて…という快挙を成し遂げます。

<エスティメートは2013年、英王室が主催する競馬イベント「ロイヤルアスコット」のメインレース「ゴールドカップ」で勝利。在位中の君主が所有する馬による勝利は、このレースの207年の歴史の中で初めてだった>



■2022/10/10 勝者にトロフィーを授けるはずだったレースで勝ってしまい急遽交代

 前回の「207年の歴史の中で初…という快挙を成し遂げたエリザベス女王」の補足。英王室が主催する競馬イベント「ロイヤルアスコット」のメインレース「ゴールドカップ」で勝利した…ということで、自分が主催するレースに自分が勝ってしまった形です。
 このため、<この日、勝者にトロフィーを授けるはずだったエリザベス女王は、自身が次男のヨーク公からトロフィーを受け取った>という予定変更が行われたそうです。

 これを紹介した記事<競馬=エリザベス女王の所有馬、ゴールドカップで初勝利>(ロイター 2013年6月21日12:12 午後9年前更新)によると、このときゴールドカップを勝ったエスティメートは、前年のロイヤルアスコットでも、G3クイーンズバーズで勝利していたとのことです。
 王室が所有の馬が王室が主催するレースで勝利すること自体はあったものの、メインである「ゴールドカップ」で勝利したのは初めて…ということでしょうね。
https://jp.reuters.com/article/l3n0ex0d2-horse-racing-queen-idJPTYE95K02C20130621

 この「ゴールドカップ」というのは、以前別の投稿で紹介したことがあります。ピンと来る人はピンと来るでしょうが、日本で言う「金杯」にあたります。ダービーなどがそうであるように、各国で競馬の母国イギリスのレースを真似たため、ゴールドカップというのも世界各地であります。
 ただし、日本の金杯とはかなり性格が異なるんですよ。ウィキペディアでは、以下のような説明。超・長距離レースなんです。イギリスの平地G1の中では売上ベスト5の人気レースで、格の高さも日本の金杯とは全然違います。

<ゴールドカップ(Gold Cup)とはイギリス王室とBHA(英国競馬統括機構)が6月にアスコット競馬場の芝19ハロン210ヤードで施行する競馬のG1競走である。様々な競技の国内や世界中のゴールドカップ(金杯)が認知されているため、開催競馬場の名前から取りアスコットゴールドカップ(Ascot Gold Cup)とも呼ばれる。>
<イギリス王室が開催するロイヤルアスコット開催3日目のメイン競走である。創設年は1807年であり、現在イギリスで行われている競走の中でも長い歴史を持つ。古くは古馬最高峰のレースとされ、歴代の勝ち馬にはセントサイモンやグラディアトゥールなどの名馬が並んでいる。グレード/グループ制で格付けされている平地競走としてはフランスのカドラン賞(4000m)を上回り世界で最も長い距離を誇る。
 現在はイギリス、フランス、アイルランドのステイヤーが集う競走となっており、グッドウッドカップ(G1、16ハロン)、ドンカスターカップ(G2、18ハロン)とともにカップ三冠(長距離三冠)を形成している>

 日本の金杯(今で言う中山金杯)も実を言うと、 5歳以上の馬によるハンデキャップの重賞競走「金盃」の名称で創設した1952年は2600mという比較的長距離のレースで、イギリスのゴールドカップに倣った様子が見られます。
 しかし、1960年(昭和35年)に新年最初の重賞として創設されたアメリカジョッキークラブカップ(AJCC)と入れ替わる形で、翌1961年より芝2000mに短縮。時期も同様にAJCCとの交換で新年最初の節の開催になり、新年度の中央競馬の開幕を飾る重賞として定着したそうです。


2025年10月17日金曜日

馬主だったイギリスのチャーチル首相、父や祖父も大物

■2018/03/24 馬主だったイギリスのチャーチル首相、父や祖父も大物
■2018/03/24 クラシック勝利 生産馬はトレヴやハービンジャーに繋がる 



■2018/03/24 馬主だったイギリスのチャーチル首相、父や祖父も大物

 イギリスの首相だったウィンストン・チャーチルは、競馬にも熱中していた方でした。 チャーチルの父ランドルフは、同じ政治家で、大蔵大臣を務めたほどの人物でしたが、やはり馬主としても大物。チャーチルが15歳だった1889年には、英オークスを自身が所有するラベスドゥジュアルで制しています。

 また、 母方の祖父であるレオナルド・ジェロームもすごいです。
  アメリカ・ニューヨークの大富豪として有名なのですけど、ベルモントパーク競馬場の前身で、第1回のベルモントSの舞台となったジェロームパーク競馬場を開設した人物。現在のニューヨーク競馬の基礎を築いたという重要でスケールのでかい役割を果たしています。超大物です。
 ちなみに、 その名は、今もアケダクト競馬場で開催されているG3ジェロームSというレースに残されているといいます。
(Our Pleasure2016年2月号 Racing 360 秋山 響より)


■2018/03/24 クラシック勝利 生産馬はトレヴやハービンジャーに繋がる

 ただし、チャーチル自身は、戦後の1949年、75歳になって初めて馬主になっています。遅かったんですね。
 ところが、 最初に持ったコロニストという馬が自身の名を冠したウィンストンチャーチルSを勝つなどして、いきなり13勝します。ゴールドカップ2着の実績も挙げました。
 また、1955年にはダークイシューで愛1000ギニーに勝ってクラシック制覇を達成。父と同様に、大レースに名を残しました。
 一方で、父の方で話がなかった生産の方にも手を出した点は違うところ。イギリスのニューチャペルスタッドを購入し、ヴィエナとハイハットというともに1957年生まれの2 頭が誕生します。

 ヴィエナはフランスのアルクール賞など7勝を挙げ、ガネー賞でも2着に入るなどトップクラスで活躍した一流馬。しかし、もっと重要なのは1968 年の凱旋門賞馬で、1973、74年と2年続けて英リーディングサイアーに輝いたヴェイグリーノーブルを出したこと。
 ヴェイグリーノーブルの産駒は、エンペリー、ゲイメセン、ミシシッピアンと3頭も日本の種牡馬が輸入されました。さらにヴィエナ自身も日本に輸入されたということで、非常に日本と縁があります。
 ただし、ことごとく不振。とはいえ、スマートファルコンの母の父はミシシッピアンですから、G1馬に繋がっている馬はいました。
 また、凱旋門賞を連覇した名牝トレヴの5代血統表にヴェイグリーノーブル~ゲイメセンの名を見つけることができるとのこと。血統表を実際に見ていると、ゲイメセンは、母父母父ですね。

 もう1頭のハイハットは?と言うと、アリカーン国際記念ゴールドCを制し、凱旋門賞でも4 着に入るなどしましたが、こちらもやはり強調すべきは種牡馬としての実績。
 1966 年の英1000ギニーを制したグラッドラグズ、1973 年の愛1000ギニーの勝ち馬クルーナーなどがクラシックで活躍。そのほかにもジョッキークラブC3連覇のハイラインなどを送り、のちに日本で供用された際の産駒からもダービー3着のカンパーリやステイヤーズSを勝ったフジノハイハットを出しました。
 この父系も、結局は衰退したものの、ハービンジャーの5代血統表を見ればハイハット~ハイラインの流れを確認することができるとのことでした。


2025年10月15日水曜日

多重インブリードのイエッサー、母の方がやばい!

■2025/10/15 多重インブリードのイエッサー、母の方がやばい!


■2025/10/15 多重インブリードのイエッサー、母の方がやばい!

 POG指名するかどうか迷ったエピファネイア産駒のイエッサーという馬。なんで指名しようかと思ったのかというと、なんとなく走りそうな名前だったため。走りそうな名前ってどんなのよ?と言われると困るのですが、感覚的なものですね。
 そもそも私が走りそうな名前だと思った馬がよく走るか?と言うと、そうでもなく、イエッサーも新馬戦は5番人気11着と惨敗しています。

 今になって気づきましたが、イエッサーくん、2024年 セレクトセールで3億7,400万円という高額馬でした。となると、普通にPOGで指名が集まっても良さげ。ただ、3億7,400万円なら1番人気でも良さげなのに、5番人気程度。事前にそれほど良くないと思われていたようです。
 ちなみに、馬主さんは?と見ると、サイバーエージェント社の藤田晋さんでした。最近、個人馬主では、一番高額馬が多いイメージなんですけど、どうなんでしょう? イケイケなイメージです。

 金額の話を先にしたのですけど、事前におもしろいと思っていたのは血統。濃厚ではないが、薄くもないという中くらいのインブリードが3本あるおもしろい血統です。今年全く同じような馬を1回取り上げているので、そこまで珍しいわけでもない気がしてきましたが…。

デインヒル     15.63%     5 x 3
Northern Dancer     12.50%     5 x 5 x 5 x 5
Sadler's Wells     12.50%     4 x 4

 …と書いてから、これは私の自己ルールだと、デインヒルのインブリードが外れると気づきました。

Northern Dancer     12.50%     5 x 5 x 5 x 5
Sadler's Wells     12.50%     4 x 4

 私の自己ルールだと、父母をまたぐインブリードのみを計測。父の中で完結しているインブリード、母の中で完結しているインブリードは数えません。イエッサーの場合、デインヒルのインブリードは、母イーヴンソーEven So(愛) の側にだけあるので、私のルールだと無視します。
 というか、「15.63%     5 x 3」で父母の片側だけのクロスというのはびっくり。日本ではありえない濃いインブリードなので、勘違いしましたわ。イーヴンソーEven So(愛) のインブリードは以下のように超濃厚です。デインヒルだけで濃いのに、他も入りまくってますわ!

デインヒル     31.25%     4 x 2
Northern Dancer     18.75%     4 x 4 x 4
Natalma     12.50%     5 x 5 x 5 x 5

 海外は日本と違って、兵器で濃いインブリードつけるんですよね。ただ、それにしても、「4 x 2」とはあまり見ない配合の仕方ですね。濃いものとしては、3 x 3の方が多いと思います。
 で、こんな超絶濃いインブリードでまともに走るのか?と言うと、走りました。アイルランドオークス馬なのです。むしろ大成功でした。

 1着 - 愛オークス(G1)
 3着 - パークエクスプレスS(G3) 

 歴史的に言うと、濃すぎるインブリードの弊害が注目されたのは、繁殖牝馬としての失敗なんですよね。確かそもそも子どもが生まれない…という失敗だったはずです。
 なので、子どもが生まれているイーヴンソーEven So(愛) は異なるんですけど、子どもが走らない…みたいのはあるんでしょうか。イエッサーくんのお姉さんクリフウォークも初戦健闘した後は惨敗で、すでに登録抹消となっています。

クリフウォーク
日付    レース名    人気    着順            
2025/1/26    3歳新馬    2    3
2025/2/10    3歳未勝利    7    15
2025/5/10    3歳未勝利    9    15
2025/7/20    3歳未勝利    12    15


北村友一騎手はなぜ机騎手というあだ名になった?

■2020/02/29 机騎手の距離短縮進言の逆に距離延長したら初勝利!
■2020/02/29 北村友一騎手はなぜ机騎手というあだ名になった?
■2025/10/06 他の日本人騎手は羨ましい…北村友一騎手に絶好のチャンス


■2020/02/29 机騎手の距離短縮進言の逆に距離延長したら初勝利!

  ルーラーシップ産駒のソニックベガ。ベガとつきますが、ベガ・アドマイヤベガなどの一族ではなく、ロジユニヴァースの血統でモンローブロンドの子。好きな血統です。
 新馬戦から人気だったものの、なかなか勝ち上がれず5戦目でやっと初勝利。3番人気1着でした。騎手は最近良い騎乗が多いと感じている団野大成騎手です。ネット競馬の掲示板でも好騎乗と評判でした。
 ところで、その掲示板で気になったのは、「ゲートが驚くほど上手になって距離伸ばしてから良い方向に向かいましたね。 やはり机騎手の距離短縮進言の逆を行った調教師の判断は正しかった!」というもの。机騎手とは誰でしょうか?

 誤字の可能性も考えたものの、それらしい名前の騎手はいません。検索すると、北村友一騎手のWikipediaがトップで出てくるなど、どうやら北村友一騎手のあだ名のようですね。
 ソニックベガでは3戦目に騎乗。1200でデビューして、1400、北村友一騎手でも1400。ここで距離短縮進言があったようですが、団野大成騎手に乗り変わらせて、逆に2000、1800とこれまでより長いところで走らせたようです。
 掲示板をよく見ると、「今年未勝利の北村友一騎手の進言を断ってくれた斎藤崇史先生に、改めて敬意を表します」「これでまた北村友の評判が…。。。可愛そうに(笑)」といった書き込みもありました。


■2020/02/29 北村友一騎手はなぜ机騎手というあだ名になった?

 ところで、この机騎手というあだ名の由来はなんなのでしょう? 検索では、北村友 裁決室で大暴れ…処分に不満、机持ち上げて倒す― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル(2013年11月3日 06:00)という記事もありましたので、これが元ネタのようです。

<2日、京都2Rで審議対象になった北村友一騎手(27)がレース後、事情聴取を受けた検量裁決室内で机を持ち上げて倒す、という粗暴行為に及んだ。裁決から受けた開催4日間の騎乗停止処分に不満を持ったものと思われる。これにより同騎手は18日から24日まで開催2日間の騎乗停止という過去に例のない“追加制裁”を受けることになった>

 2ちゃんねる情報ですが、本人も机を倒す写真を上げるなどネタにしている模様。半ば公認みたいな感じですね。




 ■2025/10/06 他の日本人騎手は羨ましい…北村友一騎手に絶好のチャンス

(他で書いていた話を北村友一騎手関連ということで転載)
 日本のリクエストで「馬場改修」で馬場が走りやすくなって、日本馬が勝ちやすくなった最初の凱旋門賞。日本馬で最上位のJRAオッズ3番人気クロワデュノールは大外17番、終盤の枠入りのせいもあったのか、好スタート。好スタートで悪くなるときもありますが、悪いスタートよりは良いすでし、クロワデュノールはもともと前に行く馬。この時点では問題は感じませんでした。
 が、ダッシュで思った以上に勢いよく前に行って2番手。ここでなんとか我慢できればまだ…と思ったら、さらに道中ハナに立ってしまって、アホか?と思います。うまく折り合えていない感じ。案の定、14着と大敗します。事前に「馬は最高の状態。騎手は最低」と不安視する掲示板コメントがあったんですけど、その通りになっていまいましたね。日本の騎手の凱旋門賞の乗り方はひどいことが多いので、北村友一騎手だけがひどいわけじゃないですけど…。
 ただ、北村友一騎手は自身の騎乗にそれほど問題は感じていなかったのか、謝罪しつつも「仕方なかった」みたいなコメントでした。

北村友一騎手
「まずは応援してくださった皆さん、結果が出せずに申し訳なく思っています。レース自体は外枠で最初から難しいなと思っていましたけど、一番はもっとリラックスして道中、走らせてあげることができれば良かったかなと思っています。
 前走使ってコンディションはすごく良くなっていたと思いますし、スタートも一歩目は自分は乗っていこうと思っていましたし、乗っていったあとに自分のところに馬が戻ってくるような、リラックスを作れれば良かったんですけど。
 馬を前に置いて、ずっとリラックスさせる競馬をやってきているので、そういうシチュエーションが作れなかったというのがやっぱり響いたかなと。前に出していくイメージはないですけど、もともとスタートがいい馬なので、それを遅らせるということは考えていなかったです。
 (馬場状態は)全く問題なかったです」
(【凱旋門賞】北村友一騎手「もっとリラックスして走らせてあげることができれば」…クロワデュノールは14着  10/6(月) 1:07配信 馬トク報知より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0a376c97e7127a5ca4ccb9075eeb602592f9ed3

 私が見ていたフジテレビの中継では、ハナに立ったところを含めた感じで、「途中までよく見えたんですけど」みたいなコメントしていましたが、そんなわけねーだろ、アホ!という…。いつも書いているように、これが「日本代表」みたいなスポーツ報道の悪いところ。悪いところがあっても悪く言えず、ヨイショするコメントばかりになります。むしろこういうのは、実態を見誤るので害悪ですよ。

 一方、クロワデュノールの斉藤崇調教師は「外枠でしたし、内に入れなかった。(ゲートを)出していってハミをかんだ(引用者注:力んだ)ところもあった。難しい展開になってしまった」とコメントしています。
(【凱旋門賞】日本ダービー馬クロワデュノールは大外枠に泣いて14着 斉藤崇調教師「難しい展開になってしまった」 10/6(月) 0:22配信 サンケイスポーツより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd8499bd367a810cda72ab6ae8b7528cd2862f63

 この斉藤崇調教師のコメントも「騎乗に問題はなかった」というニュアンスだと受け取ることはできそうですけど、私は違う印象。「北村友一騎手が出していったせいで、ハミをかんでしまった」というニュアンスを感じました。実際はどうだったんでしょうね?



2025年10月14日火曜日

キラーアビリティと明暗分かれたコマンドライン…過剰人気か

■2022/01/07 キラーアビリティと明暗分かれたコマンドライン…過剰人気か
■2021/06/04 クレイドル・レディナビゲーター・スクリーンショットがPOGで気になる


■2022/01/07 キラーアビリティと明暗分かれたコマンドライン…過剰人気か

2021/06/04: 2021/06/05の新馬戦、ディープインパクト産駒コマンドラインが大人気。やや過剰人気な気がしますが、POG指名したアルジャンナの全弟で思い入れはある血統です。全兄アルジャンナは重賞こそ勝っていなかったものの、POG期間内に東京スポーツ杯2歳S(G3)、毎日杯(G3) をそれぞれ2着。印象が良かったので、全姉の トレデマンド も指名しました。彼女はいまいちでしたが、牡馬に戻って再び期待です。
 他の馬としては、ストームキャット系Into Mischief 産駒のエレクトロワールド。○外なので、未知の魅力があります。

2022/01/07:その後、コマンドラインは1番人気でサウジアラビアRC(G3)に勝利し、兄のアルジャンナより先に重賞を初制覇。ホープフルステークスでも1番人気に押されます。同じレースでは、3番人気キラーアビリティもPOG馬。キラーアビリティも同じディープインパクト産駒でした。
 ただ、圧倒的に期待していたのはコマンドラインの方。1番人気だということもありますが、兄アルジャンナを指名していたということもあり、コマンドラインの方が思い入れがありました。ところが、結果はキラーアビリティが勝利して、コマンドラインが12着惨敗という明暗分かれる結果となりました。
 前半の話は、「ディープインパクト産駒コマンドラインはやや過剰人気か」というタイトルで、2021/06/04に投稿していたものでした。ホープフルステークスも過剰人気だった感じですね。不可解なほど負けてしまいました。

 ちなみにキラーアビリティは新馬戦2番人気なのに指名した馬。我ながら素晴らしい選択だったと思います。まあ、ホープフルステークスはあまり期待していなかったので、やっぱり見る目ないじゃん!という話なのですが…。
 このキラーアビリティの方は近親に好きな馬がいないという私としては珍しいタイプの指名馬。母 キラーグレイシスは海外でのG1馬ではあるものの、兄弟はこれまで重賞勝利どころか3着以内になったこともないという血統でもあります。今見ると、最高は ゼンノロブロイ産駒の姉の4勝 まで。
 後から見直すと、他の有力馬を押しのけてなぜ指名したのか?と首をかしげたくなる選択でした。謎です。


■2021/06/04 クレイドル・レディナビゲーター・スクリーンショットがPOGで気になる

 6/6の新馬戦。サウジアラビアRC(G3) 勝ち馬ステラヴェローチェの下クレイドル。いかにも走りそうな感じなのにそこまで人気ではないのが不思議。 TVローズS(G2)のリアアメリアの下、リアグラシアがいて、人気を持っていかれたのかも。
 思い入れで言うと、デイリー杯クイーンC(G3) 勝ちのある アドマイヤミヤビの下 レディナビゲーター。POGで指名したレイデオロが比較的近親。ただし、同じ父ハーツクライの兄が好走しつつも未だ未勝利なのは、不安材料。

 同じレースの不人気系では、好きだったグラスワンダーの孫、スクリーンヒーロー産駒のスクリーンショットが気になるところ。ビルアンドクーの孫でPOGで指名した クーノキセキの姪っ子。海外で好きだったロックオブジブラルタルもこの牝系でした。

2021/10/26追記:2番人気にすぎなかったクレイドルですが、初戦で決めて勝ち上がり。2走目の新潟2歳S(G3)でも4番人気に推されました。11着に敗れているものの、やはり狙い目だったと言えるでしょう。ただ、私はそこまで「指名したい!」と思わなかったんですよね。最初に投稿したときも「レディナビゲーター・スクリーンショットが気になるところ」というタイトルで、クレイドルは3番手でした。

 クレイドルより穴っぽくておもしろいと思っていた2頭ですが、まず、レディナビゲーターから。これも結構当たり。3番人気でしたが、クレイドルと同タイムでの2着。その後も人気に推されながら勝ち上がれていませんが、目の付け所は悪くなかったと思います。でも、結局、指名しませんでした。

 もっとはっきりと不人気だったのは、スクリーンショット。11番人気でした。初戦は人気よりは走ったものの、8着まで。ただ、距離短縮でスプリントに行った2戦目はなぜか突如4番人気に。ところが、人気以上に走って2着。その後も2戦連続2着で勝ち上がれていませんでしたが、初戦11番人気だったことを考えると穴狙いPOGとしては優秀。ところが、こちらも迷って指名しなかったんですよね。今年は迷って指名しなかった馬の方が走っている印象です。「逃がした魚は大きい」による錯覚かもしれませんけど…。


2025年10月13日月曜日

受胎率が低いなど種牡馬失敗の馬 ウォーエンブレムやアドマイヤジュピタ 

■2019/05/20 アドマイヤジュピタ、受胎率が低くてシンジケート速攻解散
■2019/05/20 ウォーエンブレムも種牡馬として苦労、ただ理由は好き嫌い?
■2019/05/20 好きなメス以外は絶対嫌!好みのうるさいウォーエンブレム
■2022/09/11 ウォーエンブレムやアドマイヤジュピタの血統のその後は…? 


■2019/05/20 アドマイヤジュピタ、受胎率が低くてシンジケート速攻解散

 父系馬鹿:2012年度新種牡馬リスト - livedoor Blog(ブログ)を見ると、種付け頭数上位の種牡馬に今あまり産駒がいない馬が多いように感じました。

1 チチカステナンゴ 152
2 ブラックタイド 150
3 メイショウサムソン 101
4 アルデバランII 98
5 アドマイヤジュピタ 94
6  フサイチリシャール 73
7 スズカフェニックス 59
7 ジャイアントレッカー 59

 チチカステナンゴの場合は急逝していますので理由がわかりますが、アドマイヤジュピタはあれ?と思い検索。Wikipediaによると、なんと種牡馬能力の問題だったようです。

<2009年シーズンからは社台スタリオンステーションで種牡馬として供用され、初年度の種付け料は50万円で94頭に種付けを行ったが、生まれたのは19頭と受胎率が振るわず、2010年以降のシンジケート継続を断念、わずか1シーズンで種牡馬を引退することとなった>



■2019/05/20 ウォーエンブレムも種牡馬として苦労、ただ理由は好き嫌い?

 ウォーエンブレムもそうだよなと思ってWikipedia見ると、「受胎率が低い」といった理由とは全然違う理由でびっくりしました。性機能障害ではなく、牝馬嫌いで同性愛者というわけでもなく、女性の好みにうるさかったようです。珍しい馬ですね…。

<いざ種付けしようとすると、ほとんどの牝馬に興味を示さなかった。牝馬によっては種付けを行うことから性機能障害でもないため、種付けを行わせるために数ヶ月をかけて様々な試行錯誤が行われた。主に多数の牝馬の中から、本馬が興味を示す牝馬への種付けなどが試みられ、無地(白い模様がない)の小柄な牝馬を比較的好むことがわかった。しかし、種付け作業は難航し、1年目はわずか7頭の種付けに成功しただけに終わった>

<商業ベースでの種付けは不可能と判断され、シンジケートは初年度にして解散されることになった。また本馬には大手保険会社4社の保険が掛けられていたが、うち3社が合意して約16億円の保険金が支払われた。なお残りの1社は、種付けそのものが成功しているとして保険金の支払いを拒否している>



■2019/05/20 好きなメス以外は絶対嫌!好みのうるさいウォーエンブレム

 2年目となる2004年には、シンジケート解散後も引き続き社台スタリオンステーションで種牡馬続行。まず、種付けする場所を変える転地療法として釧路へ移動していますが、これは関係なかった模様。
 効果があったのは、好むタイプの牝馬で発情を促してから、やる気になったところで種付けしてほしい牝馬に変えるという結構ひどい作戦。これにより、このシーズンは約50頭ほどの牝馬に種付けができました。かなりうまくいっています。
 ところが、ウォーエンブレムは「馬」ではあるものの、「馬鹿」ではありません。やがて「好みのタイプではない」牝馬をあてがわれていることに気づいたウォーエンブレムは、交配を拒むようになってきたとのこと。かわいそうな作戦でしたので、ウォーエンブレムが怒るのも無理はない話。この件に関しては、私もウォーエンブレムを支持しますね。

 というわけで、替え玉作戦が見破られたため、その後は、9,1,0,0と種付け頭数が激減。ウォーエンブレムの場合、産駒がいい感じでしたのでもったいなかったですね…と思ったら、話はここで終わっていませんでした。
 具体的な治療の内容は「企業秘密」として公表されていないのですが、2008年にペンシルベニア大学のマクダネル博士が行った治療の結果、1日1頭ペースで種付け出来るまでの劇的な改善が見られたとのこと。好みが広がって、いろんなメスの良さがわかるようになったんでしょうか。
 2008年は39頭。翌2009年(2010年誕生分)には、過去最多となる69頭の牝馬に種付けを行いうち43頭が血統登録されたことで、今後の種牡馬生活に大きな期待が抱かれました。
 ただ、その後、また逆転。2010年(2011年誕生分)には種付け頭数が5頭に激減してしまい、2011年(2012年誕生分)も19頭と苦戦が続き、2015年(2016年誕生分)の種付けをもって種牡馬を引退することになってしまいました。



■2022/09/11 ウォーエンブレムやアドマイヤジュピタの血統のその後は…?

 今回は、その後、少ない産駒からウォーエンブレムやアドマイヤジュピタの血統は続いたのか?という話。記憶に無いのでたぶんいないと思うのですけどね。特にアドマイヤジュピタは無理でしょう。

 前述の通り、アドマイヤジュピタはわずか1世代のみ。種付頭数94頭に対し、生産頭数は19のみ。血統登録頭数となると、さらに減って17頭でした。このうち中央で走ったのは9頭のようです。この中での出世頭はノーブルジュピタという牝馬でした。賞金は2,282.0万円であり、やはりそれほど成績はよくありません。
 アドマイヤジュピタの場合、牝馬ですら繁殖入りしない…というすごいことに。どうも母馬になったのは、前述のノーブルジュピタただ1頭だった模様(ノーブルジュピタの子は今のところ4頭いて3頭が賞金0ですが、1頭だけ地方で3勝して800万円ほど稼いでいます)。これはそもそも種牡馬成績が悪すぎたせいもあるかもしれません。
 アーニングインデックスは0.26と壊滅的な数字であり、そもそも産駒成績もひどいですね。種牡馬としても最底辺です。そもそもCPIも0.50と低いので繁殖の質が低かったわけですが、それ以上に競走成績が壊滅的。惜しまれない種牡馬引退となってしまいました。

 一方、種牡馬成績は良い印象があったウォーエンブレム。CPI=2.46に対して、アーニングインデックスは2.74ですから、やはり優秀でした。
 121頭のうちの稼ぎ頭は、ブリーダーズゴールドC(G2)など地方重賞を多数勝ったシビルウォーで3億8,272.6円。他にも1億円ホースがごろごろいます。で、私が覚えていなかっただけで、この彼が種牡馬入りしていましたわ…。
 ただし、記憶になかっただけあって、種牡馬戦績は全然。CPI=0.65に対して、アーニングインデックスは0.27とアドマイヤジュピタと負けず劣らずな感じです。
 188頭での稼ぎ頭は、フーズサイドという馬。4,301.9万円です。残念ながら、ウォーエンブレムの血統もここで途絶えてしまいそうですね…。

 …と書いてから、ウォーエンブレムの場合種牡馬成績が良いので、他に種牡馬入りした馬がいる可能性を思いつきます。で、いましたわ! 川崎記念【指定交流】(G1)などを勝ち、2億5,567.0万円を稼いだオールブラッシュです。
 ただし、青森での種牡馬入りだった模様。青森の方には申し訳ないですが、この時点で活躍は期待薄。2021年度の種付け頭数も11頭とごくわずか。やはりここから血が繋がっていくのは、ちょっと無理そうです。
 ただ、この少ない産駒から活躍馬を出せば、ステップアップして繁殖牝馬の質が上がってそこから大物を!という可能性は一応ありそう。日本ではほぼないパターンであり、難しそうですが、この可能性に希望を見出したいです。


2025年10月12日日曜日

知らないうちに生まれてたブレイクタイムが活躍 谷口牧場と浦河育成センター

■2017/10/26 知らないうちに生まれてたブレイクタイムが活躍 谷口牧場と浦河育成センター
■2022/04/13 G1勝っていた…と思ったら勝ってなかったブレイクタイム


■2017/10/26 知らないうちに生まれてたブレイクタイムが活躍 谷口牧場と浦河育成センター

 Enjoy Ruffian 2010年3月号 ルーツ オブ ビクトリー〈最終回〉村本浩平 マイネナデシコ/谷口牧場は、マイネナデシコの故郷である浦河・谷口牧場を紹介した話でした。
  谷口牧場の代表馬としては、02年、03年の京成杯AHを連覇したブレイクタイムを紹介しています。そのブレイクタイムの出生時エピソードがすごいです。

「ある日、自分が車に乗っていると『放牧地にいる馬が出産しているぞ』と近くの生産者の方が電話をくれたんですよ。その時に産まれたのがブレイクタイムでした」
(谷口牧場の取締役、浦河育成センターの代表を務める谷口幸樹さん)
 
 母のホマレノプリンセスは、乳が張ってくるといった出産の兆候を見せない、やっかいな特徴を持った繁殖馬でした。この日の出産は無いと思った谷口幸樹さんは、ホマレノプリンセスを他の繁殖牝馬と共に放牧へと出したのですが、この読みがはずれちゃったんですね。
 急に産気づいたホマレノプリンセスは、放牧地でブレイクタイムを出産してしまったようです。

 たまたまそこに通りがかったのが電話をくれた近くの生産者と栗東の調教師だったといいます。「2人は近くにあったリヤカーに産まれたばかりのブレイクタイムを載せて、厩舎まで運んでくれたそうです。2人がいなかったら、その後のブレイクタイムの活躍はなかったかもしれません」と、おっしゃっていました。

 ちなみに、「浦河育成センターの代表」という谷口幸樹さんの肩書にあった浦河育成センターというのは、牧場と道路を挟んで隣の敷地。いっしょに育成牧場も営んでいるとのことです。
   こちらの浦河育成センターの主な育成馬には90年の桜花賞を制し、後にアグネスタキオン、アグネスフライトの母ともなったアグネスフローラがいます。アグネスフローラ自身桜花賞を制覇しており、大成功!という例。戦績を確認すると、デビューから5連勝で桜花賞制覇。次のオークスも2着だったものの、ここで引退となっています。めちゃくちゃ強かったですね。
   また、有馬記念において3年連続で3着となり、「ブロンズコレクター」とも言われたナイスネイチャもここの出身だそうです。

 そういや、谷口牧場は、日高行ったときに、道路側からここで馬を見た気がします。牧場の名前は全然覚えていませんが、谷口牧場は有名なので聞き覚えありました。


■2022/04/13 G1勝っていた…と思ったら勝ってなかったブレイクタイム

 上記で名前が出てきた馬たちをWikipediaから補足しておくことに。まず、谷口牧場の代表産駒ブレイクタイムから。なんとなくG1を勝っていた気がしたのですが、「主な勝ち鞍に2002年・2003年の京成杯オータムハンデキャップ」ということで、勘違いでした。また、馬主さんはノースヒルズマネジメントでびっくり。ノースヒルズは他の牧場の馬でも走りますすね。

<2000年2月、京都競馬場の新馬戦でデビューし1着[3]。ダートの条件戦を2着、1着としたのち芝に転じ、重賞には手が届かないものの葵ステークス、菩提樹ステークスの2つのオープン特別で勝利。明けて4歳を迎えた2001年、初戦となる5月東京競馬場でのダートのオープン特別オアシスステークスでプリエミネンスの2着としたのち安田記念に参戦し、15番人気ながらブラックホークの2着に入り波乱を演出する>

 私がG1勝っていたと勘違いしたのは、上記の安田記念のせいかも。好きなブラックホークの方が買っていました。このときブラックホークの馬券を買っていたような気もします。残りの説明は以下の通りでした。

<続く4戦は1年近い休養を挟んで2着2回、3着1回と勝ちきれなかったが、2002年9月の京成杯オータムハンデキャップで重賞初勝利を挙げた[3]。続く3戦は振るわず、CBC賞のあとに骨折が判明して戦線を離脱[3]。2003年夏に復帰して1走ののち出走した京成杯オータムハンデキャップを連覇した[3]。長期休養ののち2004年の関屋記念に出走して5着、これが最後のレースとなった>

 「引退後は種牡馬として6シーズンにわたって供用されていた」という話があってびっくり。全く覚えがありません。父は私が「日本に合う」と信じていたデインヒル(ダンチヒ系)であり、成績からしても一応種牡馬入りはわからなくもないでしょう。
 ただ、<血統登録頭数がわずか5頭、うち出走頭数4頭という結果>であり、種牡馬成績は残念なことに。種牡馬入りしていたことを知らないのも無理はない感じです。
 その後は生まれ故郷の谷口牧場に戻って余生を過ごしていたが、2019年7月3日に放牧地で右前脚の繋ぎ部分を骨折し、翌4日、安楽死の措置が取られたそうです。

2025年10月11日土曜日

恋人を勝たせるため、人気馬目掛けてタックルした騎手が18ヶ月騎乗停止処分、オーストラリアのカートライト騎手

■2018/05/10 恋人を勝たせるため、人気馬目掛けてタックルした騎手が18ヶ月騎乗停止処分、オーストラリアのカートライト騎手
■2022/06/28 女性騎手が多いオーストラリアでは、歴代年間最高勝利数トップも女性騎手
■2022/06/28 本格感とアマチュア感のカオス…オーストラリアのピクニック競馬の魅力

■2018/05/10 恋人を勝たせるため、人気馬目掛けてタックルした騎手が18ヶ月騎乗停止処分、オーストラリアのカートライト騎手

 タイトルの通りなので見なくても内容はわかるのですすけど、すげぇなぁという映像です。一歩間違えれば死人が出ていましたし、今回くだされた「18ヶ月騎乗停止処分」というめったにない重い処分ですらまだ甘いかもしれません。



 この事件が起きたのは、2017年1月14日、南オーストラリア州・モーフェットビル競馬場でのハンデ戦。
 ブービー人気の馬に騎乗していた手のジョッシュ・カートライト騎手は、内から大外まで馬場を横断。脚色良く追い込んできた大外の人気馬2頭にそのまま「体当たり」!
  ぶつけられた馬は大きくバランス崩し、その外の馬にもぶつかって落馬寸前。よく立て直したなと思います。

  記事では、直線では体当たりした馬に目を向けて「確認」しており、その上で横断している。コースの端から端までを横断していることも指摘。
 このレースで勝利した恋人の女性騎手のアナを「勝たせるため」だったともされていました。
(JRAではあり得ない18カ月騎乗停止!? 悪質極まる「横断」で猛批判を喰らった若手騎手を"蛮行"に駆り立てた理由 | GJ より)


■2022/06/28 女性騎手が多いオーストラリアでは、歴代年間最高勝利数トップも女性騎手

 同じページに記載する話を…と「オーストラリア 騎手」で検索したのですが、全然違う系統の話が出てきました。他に書く話もないですし、そのまま紹介します。
 最初の話では、女性騎手が絡んだ暴走騎乗でした。記事そのものは後で紹介するのですが、ある記事によると、そもそも<オーストラリアは競馬全体において女性騎手の比率が高い>とのこと。この女性騎手の比率の高さとしては、女性騎手がダントツでリーディングトップになった…というのが、インパクトがあって、わかりやすい話でした。
 初来日のときには日本で勝ちまくって大暴れして帰っていったダミアン・レーン騎手に大差をつけての圧勝。史上最高の記録を出しており、歴代最高騎手が女性騎手…といったことにもなるかもしれません。

<7月31日をもってオーストラリアの2020/21年シーズンが終了した。中で歴史的な快挙と言えるのが、ビクトリア州(メトロポリタン=メルボルン地区)のチャンピオンジョッキーに女性のジェイミー・カー(25)が輝いたこと。
 スピードスケートのオリンピック代表選手を両親に持つカー騎手は、ビクトリア州ではネイチャーストリップで制したライトニングSを含むGⅠ2勝(全豪ではカスカディアンで勝ったドンカスターマイルなども加わり計4勝)。メトロポリタン(主要競馬場)での勝ち鞍は105勝に上り、史上初めて100勝の大台に乗せてのタイトル獲得となった。2位D・レーン騎手には42勝もの差をつけており、まさにぶっちぎりでの戴冠>
(豪州ジェイミー・カー騎手 史上初の100勝以上でビクトリア州チャンピオンに | 競馬ニュース・特集なら東スポ競馬より)
https://tospo-keiba.jp/akiyama/1869




■2022/06/28 本格感とアマチュア感のカオス…オーストラリアのピクニック競馬の魅力

 ところで、先程引用した<オーストラリアは競馬全体において女性騎手の比率が高い>は、<賞金が安くアマチュア騎手のみのオーストラリアの「ピクニック」競馬に行ったら「競馬が好きってこういうこと」と再確認できた>(22/4/24(日) 12:31配信 須田鷹雄)という記事であった話でした。

<オーストラリアの競馬は3つのカテゴリに分けられている。大レースも行われる主要場での開催がメトロ、地方や下級条件戦で行われるのがカントリー。その中間に位置づけられているのがプロヴィンシャルだ。一部の州ではプロヴィンシャルと言わず、カントリー場の中にニュアンスの違いがある。
 人馬のレベルとしてはメトロ、プロヴィンシャル、カントリーという並びだが、実はもうひとつカテゴリがある。「ピクニック」だ。
 いきなりほのぼのしたネーミングだが、このピクニック開催はアマチュア騎手しか参加できない開催なのである(馬は一般開催で走っている馬でもOK)。賞金も安いしレベルが高いとは言えないが、その代わり関係者にもお客さんにも「とにかく競馬が好きで好きで」という雰囲気が漂っている>
<オーストラリアは競馬全体において女性騎手の比率が高いが、ピクニック開催はさらに高い。騎乗と騎乗の合間に幼い子供と芝生で遊んでいるような騎手もいる>
https://news.yahoo.co.jp/articles/b5f83c8c9c66f6fc97b7bd909f1c5661d961be2c

 「ピクニック」で特に女性騎手が多いのは、その前の説明部分から想像できます。「仕事や子育ての関係で専業騎手は目指せないけどとにかく競馬に乗りたい、というような人もいる」とのことでした。
 また、「全体的に負担重量が重いので、体格的な問題から職業騎手になることを諦めた人がアマチュアとしてレースに乗ることもあるようだ」ともされていました。これらの関係なのか、「騎手はアマチュアだが中にはキラリと光る技術を持つ人もいる」そうです。

 なお、中継はされませんが、実況はあり。さらに、ネットや場外で売られることはないものの、馬券も発売しているというので意外にプロっぽいですね。ブックメーカーは、主要場の馬券も売る最新設備の業者も来ているといいます。
 ただし、騎手と同様に玉石混交。昔ながらの「馬名は手書き、オッズ変更は手でつまみをくるくる回す」というタイプのブックメーカーもいるといいます。観客はマジでピクニック状態だそうで、カオスさがあり、たいへん楽しそうな感じでした。


2025年10月10日金曜日

競走馬射殺容疑で逮捕の競優牧場・榊明彦代表とは?多方面から馬を学んだ勉強熱心な人

■2016/10/22 競走馬射殺容疑で逮捕の競優牧場・榊明彦代表とは?多方面から馬を学んだ勉強熱心な人


■2016/10/22 競走馬射殺容疑で逮捕の競優牧場・榊明彦代表とは?多方面から馬を学んだ勉強熱心な人

 まだ読んでいなかったOur Pleasure2015年7月号「馬恋慕」(河村清明)に、逮捕された競優牧場・榊明彦代表の話が載っていました。もちろん逮捕前ではあるものの、既に射殺事件のあった後の話ですが、この事件については触れられていません。
 馬を殺しちゃうくらいですので不真面目な人なのかと思いきや、記事ではベタ褒めだったんですよね。

<北里大学で学び、獣医師の資格を取得した。在学中は馬術部に所属し、卒業後は美浦トレセンやJRA日高育成牧場で研修した。その際、研修の一環として装蹄師免許も取得したという。僕はこれまで、さまざまなホースマンと馬産地で接してきたが、これだけ多方面から馬を学んだ人も珍しい。昭和54 年に牧場へ戻り、父親と協力しながら800mの馬場を作るなど、その後はまっすぐ馬づくりに励んできた>

 以前から何度も書いているように、私はこの競優牧場出身のマイネルフロストが今一番好きな馬です。で、マイネルフロストのラフィアンに倣って昼夜放牧も取り入れたとのこと。これも競馬への熱心さを示すエピソードになっていますね。

<フロストはすでにBRF へ移動していたが、同期生を対象に、初めての夜間放牧を競優牧場では行ったという。裏の放牧地が鹿の通り道のため、危険だろうとずっとためらわれていたが、とても暑い夏になり、避暑の意味合いもあった。
 すると、てきめんの効果が現れ、関係者を驚かせたのだ。懸念した事故は、小さなケガこそままあるものの、深刻なトラブルには発展していない。何より、熱を出したり、肺炎の兆候を示したりする馬がほとんどいなくなったという。
“ 丈夫さ”こそが競走馬のすべてのベース。
 それをフロストが、競優牧場の生産馬たちが証明しているのかもしれない>

 ただ、この夜間放牧開始は事件の遠因となっているかもしれません。記憶違いだったら関係ない話になるのですが、確か射殺事件は夜に行われたため。「夜間放牧」がなければ、起きなかった犯行だと言えるでしょう。
 また、「裏の放牧地が鹿の通り道」というのも、事件と絡みます。当初は、鹿と間違って撃たれたのでは?という説が出ていたんですよね。北海道では過去にも同様の競走馬射殺事件がある他、ハンターが人間を誤射したと思われる射殺事件があり、「裏の放牧地が鹿の通り道」であったことは、自作自演を隠して偽装しやすい要素となっていました。
 実際、私も「ハンターによる誤射の可能性あり」という立場から、最初から「自作自演」と決めつけていたネットの主張に対して、「擁護」していたんですよね。実際には、この「自作自演」の決めつけが当たっていたようなのですが、両方の可能性があるのですから当たることもある…という話であり、決めつけで誹謗中傷して良い理由にはなりません。
 …ということで、犯行が判明した後から読むと、かなり複雑な気持ちになる記事でした。


2025年10月9日木曜日

古川奈穂騎手、福永祐一騎手に並ぶ!初勝利から4週連続勝利

■2021/05/10 藤田菜七子効果?古川奈穂・永島まなみと女性騎手が同時デビュー
■2022/07/01 古川奈穂騎手、福永祐一騎手に並ぶ!初勝利から4週連続勝利



■2021/05/10 藤田菜七子効果?古川奈穂・永島まなみと女性騎手が同時デビュー

 毎年新人騎手では一応「注目」という騎手がニュースになります。低レベル世代でも一応誰かがトップになるわけで、無理やり「注目」とする年もあるんでしょうけどね。で、2021年の場合ですが、レベルはともかくでかい話題があります。なんと女性騎手が2人同時デビューすることになりました。
 女性騎手が同年に2人デビューって初めてじゃないですかね…と思ったら、1996年、JRAで初めて女性騎手がデビューしたときは、細江純子、牧原由貴子、田村真来の3人だったそうな。この頃はほとんど競馬見ていなかったので、知らなかったです。田村騎手なんか名前すら記憶にないですね。
 なお、古川奈穂騎手(20)は、競馬学校在学中に左肩を負傷した影響で留年してのデビューであり、2人同時デビューとなったのは偶然でした。

 私は藤田菜七子騎手のときの、マスコミの扱いの大きさとフィーバーには驚きました。過去にも女性騎手はいたためです。ただ、確かに久しぶりの中央の女性騎手ではありましたし、衝撃は大きかった模様。古川奈穂騎手(20)は、高校に進学するも、藤田菜七子騎手が活躍する姿を見て「女性でも騎手になれるんだ」と知り、競馬学校受験を決意したといいます。中学のときから東京競馬場や中山競馬場にたびたび足を運んでレースを見ていたのに、知らなかったんですね。やはり最近女性騎手が中央にいなかったためだと思われます。
 目標とする騎手は、武豊騎手と、自厩舎、栗東・矢作芳人厩舎の坂井瑠星騎手。若い人だと武豊騎手の若い頃や全盛期を知らないと思うのですが、それでも武豊騎手のようです。
 あと、古川なのでフルキチを思い出したものの、小学校6年生のとき、家のテレビでたまたまゴールドシップが勝った2012年の有馬記念を見たのが、競馬との出会いだったとのこと。
 それから、どうでもいい話なのですけど、ここの部分を書くとき、フルキチの本名がわからなくて検索。古川吉洋騎手でした。フルキチのインパクトが強すぎて、全く覚えられません。いっそのこと、「古川フルキチ」とか「「古川古吉」とかに改名しないでしょうか?
(古川奈穂20歳、永島まなみ18歳が藤田菜七子以来の女性騎手デビュー “負傷で留年”にも負けない根性と“父の夢” - 競馬 - Number Web - ナンバー 2021/03/05 より)

 フルキチの話はいいとして、もうひとりの女性騎手の話を。栗東・高橋康之厩舎に所属する永島まなみ騎手(18)の場合は、地方競馬の兵庫に厩舎を構える永島太郎調教師の次女という競馬関係者。父は地方通算2043勝を挙げた名手で、小牧太騎手、同期の岩田康誠騎手らに次ぐナンバー3だったそうです。地方騎手ではありますが、いわゆる「サラブレッド」と表現して良さそうな血筋。父の姿を見て「カッコいい」と思い、騎手を目指すようになったといいます。
 その父は、中央の競馬学校を受験したが不合格となり、また、兵庫で騎手になってからも中央への移籍にチャレンジしたことがあったものの、実現しなかったとのこと。父の叶わなかった夢を娘が叶えた形です。
 永島まなみ騎手が目標とする騎手は、武豊騎手と岩田康誠騎手。また武豊騎手か! 岩田康誠騎手は地元出身騎手ということでしょうが、いつの間にか落ちぶれていてびっくり。トップクラスのイメージだったんですけどね。



■2022/07/01 古川奈穂騎手、福永祐一騎手に並ぶ!初勝利から4週連続勝利

 古い記事で、なおかつ無料部分しか読んでいないのですが、今頃<JRA新人騎手の古川奈穂 競馬と無縁の家庭からなぜ?>(松本龍三郎 2021年5月16日 13時00分)という記事を読んでいました。
 そもそも古川奈穂機種は記事当時活躍していた模様。この世代はもうひとりの永島まなみ騎手が好評で、良いと言われていた覚えがなかったのでびっくりしました。
 ちなみに私は永島まなみ騎手も当時は良さがわからず(2022年の方が好印象です)。あと、私がこの世代で一番良いと思ったのは確か別の男性騎手だった記憶。でも、しばらく見た後に「やっぱダメだな」と思い直しました。なので、この世代は特に評価する騎手はいない状態です…。

<3月13日の阪神競馬第6レース(3歳1勝クラス、芝1600メートル)。のちに重賞を制覇するバスラットレオン(牡(おす))に乗り、スタートから先頭に立って逃げ切り勝ちを収めた。6日のデビューから開催3日目の初勝利で、日本中央競馬会(JRA)の女性騎手の最速記録を25年ぶりに更新。さらに初勝利から4週連続の勝ち星は歴代新人2位タイで、昨年の3冠馬コントレイルの手綱も執る福永祐一騎手(44)の新人時代に肩を並べた。
 取材をした4月末時点で、今年の新人8人中トップの6勝を挙げていた>
https://www.asahi.com/articles/ASP5H71RTP59UTQP02J.html

 さて、記事タイトルになっている「競馬とは無縁の家庭で育った彼女がなぜ、この世界へ飛び込んだのか」の話。こちらによると、以前紹介した<藤田菜七子騎手が活躍する姿を見て「女性でも騎手になれるんだ」と知り、競馬学校受験を決意した>という説明は、少し違っていたようです。

<体を動かすことが好きで、犬や魚などを飼う動物好きだった。小学4年の1年間だけ乗馬を習ったが、競馬との接点は皆無。中学受験を控えた2012年末、「たまたまテレビで見た」GⅠ有馬記念で、1着で駆け抜けた芦毛(あしげ)の人気馬ゴールドシップに魅了された。中学生になると、母親と連れだって東京競馬場(東京都府中市)や中山競馬場(千葉県船橋市)へ通った。一眼レフで好きな競走馬を撮影し、グッズを買い集めた。
  「私は人間より動物の方が興味があるので、将来は獣医師か動物関係の仕事に……」。高校生になり、漠然と進路を考えていた16年春、転機が訪れた。
 JRA女性騎手で歴代最多勝更新中の藤田菜七子騎手(23)がデビューした年だ。16年ぶりにJRAに誕生した女性騎手が男性に交じって躍動する姿は、スタンドから見つめていた15歳の心を突き動かした。
 「過去にも女性がいて、海外にもいることは知っていた。でも藤田騎手を実際に見てから、『自分がなる』『自分もなれるんじゃないか』とイメージを持てるようになりました」>


2025年10月8日水曜日

武藤雅騎手の姉で歌手の武藤彩未命名のモリアーナ、父武藤善則調教師が管理

■2022/08/14 武藤雅騎手の姉で歌手の武藤彩未命名のモリアーナ、父武藤善則調教師が管理
■2018/05/09 武藤雅・木幡巧也 ・松若風馬騎手が勝てるのは減量のときだけ?
■2016/11/27 吉田豊騎手、意味不明の騎乗で不興を買う 先行馬を行かせずに後方で馬場掃除



■2022/08/14 武藤雅騎手の姉で歌手の武藤彩未命名のモリアーナ、父武藤善則調教師が管理

 以前POGで指名したレイデオロが近親にいる血統ということで指名したモリアーナ(父エピファネイア、母ガルデルスリール)。好きな武藤雅騎手が鞍上で、武藤雅騎手の父・武藤善則調教師が管理しています。

 4番人気だった新馬戦を勝って1番人気で臨んだコスモス賞は1番人気に。ゲート内での馬の動きとゲートが開くタイミングが悪く出負けしましたが、最初にある程度上げて行って2番手まで上げます。
 ここで上げるべきだったかどうか評価が分かれるところ。特に少頭数でもありますし、キレる馬ならじっくり足を溜める方が良い場合もあります。ただ、私は先行馬タイプと見ていたので正解だと感じました。
 そこからコーナーで逃げ馬の後ろまで行ってマークする形。あまり早めに抜いてしまうと今度は標的にされるおそれがあるものの、逆に仕掛けが遅いと末脚比べになります。遅くなりやすい2歳戦で少頭数で馬群が短くなって…という条件のため、今回は早めで良いんじゃないかと思ったら、その通り抜け出す形で2馬身差をつけて快勝。騎乗は文句なしでした。

 強かったのですが、どうもこれはガス抜きの騎乗だったそうな。調教も軽かったようです。しかも、本来はマイルがベストだというので、今回は適距離より短い中での快勝でした。メンバーも悪くないと見られていましたので予想以上の強さです。
 抜け出した後はふわっとしたところがあると言われていましたので、今後は2番手ではなく、もう少し後ろでも良いかもしれませんね。

 このモリアーナの掲示板を見ていたら、「姉が名付けて兄が乗って父が管理」みたいなコメントを発見。検索してみると、名付け親は武藤騎手の姉で、歌手の武藤彩未さんという情報が出てきました。

<デビュー戦が強い勝ち方で、厩舎サイドも期待しているみたい。名付け親は武藤騎手の姉で、歌手の武藤彩未らしい。たまたま見た番組で、名前を憶えてました>
(コスモス賞 2歳オープン 1,800m(芝)別定 予想! | カニコロの下剋上、1口馬主 と 株のブログより)
https://ameblo.jp/22grwa156jr/entry-12758507258.html

 お姉さんが歌手という時点で初耳。ウィキペディアを見てみると、歌手だけでなくいろいろやっていたようです。

<武藤 彩未(むとう あやみ、1996年4月29日[1][2][3][4] - )は、日本の歌手[1][3]、元アイドル[1][5]、モデル、タレント[1]。つばさレコーズ所属、元アミューズ所属[6]。茨城県出身[1][3][4]。可憐Girl's及びさくら学院の元メンバーであり[1][2][4][5]、さくら学院では初代生徒会長(リーダー)を務めた>
<自身が8歳の頃に、母が子供服ブランドのカタログモデルに応募し、モデルデビュー。(中略)その後、子供ファッション雑誌『Kids Style』(オリコン)の専属モデルとなり[8][2]、アミューズに所属。DAISY LOVERS paradise kids(ナルミヤ・インターナショナル)の広告モデルもしていた。2007年2月号から2009年3月号まで少女マンガ誌『ちゃお』(小学館)のメインCMモデルを務め、多くのCMに出演[8]。また、ちゃおスタイル専属モデルも務める>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E8%97%A4%E5%BD%A9%E6%9C%AA

 そこは全然話題になっていなかったのですが、私が不思議だったのがなぜ姉が名付け親に?という部分。まさか姉本人の持ち馬なんだろうか?というのが気になっていました。で、見てみると、やはり馬主は別人で、高橋文男さんという方でした。
 1億円ホースは3頭いますが、いずれも名前に覚えがありません。一番稼いでいるのは、ピーチシャダイという馬で1億4,597万円。古臭い名前だと思ったら、1977年生まれ。ベテランなんですね。ただ、そもそも社台の冠名だよね?と確認するとデビュー時はやはり吉田善哉さん名義。途中で買った馬でした。

 ということで、昔からやっている馬主さんですが、近年も活躍馬がまずまず。1億円未満でも4位、5位に入っている現役のヤシャマルやデュアライズは名前を見た覚えがあります。特にヤシャマルは名前が印象的ですね。良い名前だと思います。
 この2頭は武藤善則厩舎ではないものの、武藤善則厩舎の馬もちょくちょくいます。武藤善則厩舎との関係の良さから、武藤彩未さんの命名…というところに話が行ったのかもしれません。



■2018/05/09 武藤雅・木幡巧也 ・松若風馬騎手が勝てるのは減量のときだけ?

 2018年4月15日の阪神競馬場メインであったアンタレスステークス。応援するマイネルバサラが出ていたので見ていました。
 前に行ってほしい馬なので前行ったのは良かったものの、逃げないとダメな馬でないのに逃げてなおかつハイペース。ダートでは珍しいほど離して逃げており、バテて最下位負け。ちょっとひどかったです。

 この鞍上はテン乗りだった松若風馬騎手。「オーバーペースになって失速。申し訳ありません」としており、ペースがおかしくなったことも認めています。掲示板でも悪い反応が多めでした。

洋芝大好きさん [661] 洋芝大好きさん
あのぶっ飛ばし方は何?
テンからガンガン行かなきゃいけない馬じゃないんですけど・・・・

ゲストさん [669]
最低な乗り方
マイネルから依頼もうこないでしょ

ゲストさん [670]
笑た。一人で、わちゃわちゃになって自滅しやがった。ちーん。馬券買いましたが自己責任ですが酷い騎乗でしたね。マイネルの人材難は続きます。ちーん
 http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2013101861

 ただ、私が気になったのが、思わぬところに非難が行っていたコメントです。

ラインガウさん [672]
典型的な強気に任せた減量乗りなんだよな
木幡や武藤とかもそうだけど
この手の騎手は減量取れると伸び悩む

 今回の騎乗は明らかに飛ばし過ぎであり、減量うんぬんの問題ではないような気がします。減量騎手でもおそらくバテたでしょう。完全にミスです。

 それはさておき、木幡騎手は複数いて、該当の騎手がよくわからずに気になりました。2018/05/06現在、木幡巧也騎手、木幡初也騎手がともに5勝で59位で微妙で、「減量取れると伸び悩む」以前の問題です。ちなみに木幡育也騎手は2勝で89位でした。
 一方、武藤騎手は17勝で25位ですから上記の文脈でもOKでした。ただし、松若風馬騎手は29勝の11位ですので、伸び悩んでいるはずの松若騎手の方が成績が良く、いまいち説得力がありません。

 木幡騎手が誰のことを言っているのか気になるので、 過去のリーディングも見てみました。2017年までで一番戦績が良いのは木幡巧也騎手であり、彼のことを言っている感じでした。

木幡巧也       
年度    順位    1着
2017    56    18
2016    24    45
       
木幡初也       
年度    順位    1着
2017    47    22
2016    55    18
2015    79    9
2014    64    12
       
木幡育也       
年度    順位    1着
2017    92    6

 あと、そもそも松若風馬騎手は以下のように年度別成績を見ても、それほど伸び悩んでいる感じはありません。たぶん2015年の終盤から減量が取れているはずです。

松若風馬
年度    順位    1着
2018    11    29
2017    25    42
2016    20    52
-------------------
2015    17    60
2014    24    47

 データを見ると、よくわからん…という指摘コメントでした。



■2016/11/27 吉田豊騎手、意味不明の騎乗で不興を買う 先行馬を行かせずに後方で馬場掃除

  特別書きたい話はないのですが、なにか書いておこうということでひとつ。感想メモの中で比較的目立つのは、、吉田豊騎手の16/11/27 東京5R 3歳上500万下 12:15ダ1400ですかね。吉田豊騎手はグラスアクト騎乗でした。
 グラスアクトは先行馬と見て良いでしょう。差したときもありますが、うまく行っていません。さらに今回は一気に400m短縮のダート1400。3戦連続1800で、5戦中4戦が1800。それ以外はマルが一度だけという馬で最内ですから、最初に行かないと包まれる可能性大でした。で、この内枠が災いしたというコメントも見られます。

[48] なみこさん
内枠はこうなるんだよなあ
はじめから後ろから外を回すと決め打ちするならそこまで不利じゃないんだけど、
結局、先行したいのに外から次々いかれて後ろからの形
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2013102378

  ただ、最初から全然行く気なかったように私には見えたんですよね。これは前述したようなこれまでの競馬からすると意味がわからない選択です。コメントはやはりこの意味不明というものが多くなっていました。

 [50] hanimaruさん
何がしたかったのか?
見ている範囲では、サッパリわからん

 [47] ゴイコエティアさん
最後方まで下げて何がしたいんですか。

 [46] カナシミニサヨナラさん
なぜに下げてるの・・
乗れなさすぎにもほどがある

 吉田豊騎手は以前は悪いイメージなかったものの、最近やる気のない騎乗が多くなった気がして、今個人的にはたいへんイメージが悪い騎手です。 ただ、メモしている点数評価見ると印象と違うということはよくあり、吉田豊騎手の場合もほぼ平均の2.98点で、120人中49位という何ともコメントしづらい結果でした。普通です。