2023年4月12日水曜日

競走馬の寄生虫、実は珍しくない!何割が寄生?

■2020/06/04  競走馬の寄生虫、実は珍しくない!何割が寄生?


■2020/06/04  競走馬の寄生虫、実は珍しくない!何割が寄生?

 POG馬で後に皐月賞4着と検討したウインカーネリアンは、3歳の1月に体内に虫が発見されたことがあります。
 これについて掲示板では、「体内に虫もいたって・・・鉾田の管理どないなってるねん・・・」といった反応が出ていました。ただ、体内の虫と管理は関係するんだろうか?と不思議に思いました。

 なにか参考になるものはないか?と探して、PDF馬の寄生虫病(中央畜産会)というのを発見して読んでみました。
 これによると、そもそも虫の寄生率は高いとのことで別に珍しくないようです。1982年から10年間の調査の場合、当歳馬では30%、育成馬では60%、繁殖牝馬ではなんと74.2%になんらかの虫が寄生していたそうです。
 また、1980年からの12年間で、臨床的に寄生虫障害が出ていなかった安楽死馬450例を調べたケースでも、やはり67.1%に実は虫がいたという同じくらいの数字が出ています。ただし、これはその前の10年と比べると減少。今はもっと減っているかもしれません。また、競走馬の場合は上記とは逆に若い馬で寄生が多く、主に牧場などでの寄生が原因であることが予想できます。
  これを見ると寄生しているのが普通のようで、一部の施設の馬だけが虫に寄生するというわけではなさげですね。
 ただし、寄生しても問題ないとは書かれていません。わかりづらいだけで障害がないわけではないとのこと。貧血や下痢、食欲不振などが考えられるため、競争能力にも問題があるとされていました。

 また、感染防止は可能なのかどうかも気になるところ。 で、結論としては、感染防止策がありますので、一応、施設による寄生率の差が出る可能性はあるようです。短くまとめると以下のような感じでした。
(1)放牧地の耕作や客土で虫や卵を排除。
(2)他の馬からの感染機会を避けるため、過密な放牧を避ける。
(3)馬糞は散乱しないうちに速やかに除去。
(4)馬糞は堆肥としてよく発酵・発熱・熟成させて、虫や卵を殺滅してからまく。
(5)反芻動物との交互・混合放牧が、感染幼虫の除去に有効。
(6)放牧地を4ヶ月以上休牧する。
(7)中間宿主となる蚊やダニを撲滅するため、周囲の環境衛生に注意する。