2024年8月17日土曜日

ブリンカーをするのは日本だけ?ヨーロッパ競馬では珍しい

■2020/09/23 ブリンカーをするのは日本だけ?ヨーロッパ競馬では珍しい
■2024/08/08 ヨーロッパの馬は物怖じしないのでブリンカーは必要ない?


■2020/09/23 ブリンカーをするのは日本だけ?ヨーロッパ競馬では珍しい

 Our Pleasure2019年2月号のRacing 360(秋山 響)は、2018年の欧州競馬で圧倒的な存在感を見せたのがイギリスのジョン・ゴスデン調教師に関する話。日本でも有名なエネイブルでG1凱旋門賞を制しただけでなく、イギリスのシーズン最後の大一番である10月の「英チャンピオンズデー」のメインレースであるG1英チャンピオンSをクラックスマン、準メインのG1クイーンエリザベスⅡ世Sをロアリングライオン、さらには長距離の大一番G2英チャンピオンズロングディスタンスCもストラディヴァリウスで優勝していました。
 ただし、コラムでは、エネイブルもクラックスマンにしてもそう順調ではなかったと強調。このうちエネイブルは、5月に膝を傷めており、年内に1度しか使わずに凱旋門賞を制したという初めての例でした。また、クラックスマンは格下相手に辛勝、続いて敗退と、2度精彩を欠いた後は、馬場を嫌って回避を続けてやっと出走したレースでの復活優勝でした。

 さて、問題はこのクラックスマンを復活させたエピソード。ここ2戦で精彩を欠いたのは重馬場だけがその理由ではないと見ていたゴスデン調教師は集中力を増すために欧州では珍しいブリンカーを装着させての復活でした。前走はその前のレースを走った牝馬に関心が行っていたとしており、この対策だったようですね。
 ただ、そもそも欧州ではブリンカーをつけるのが珍しいというのが、日本の競馬ファン的には驚き。このクラックスマンの例ではブリンカーの効果があったのでは?という見方であったものの、そもそも多用されていないというのは、ブリンカーに効果がない、あるいは、効果がある場合が少ないという可能性もあるかもしれません。まだまだ競馬の世界は科学的根拠のない迷信がはびこっており、効果が不明なものも多いです。ここらへんはもっと研究を進めてほしいと感じました。


■2024/08/08 ヨーロッパの馬は物怖じしないのでブリンカーは必要ない?

 実際の効果がどの程度か?という話は別として、ブリンカーに効果がありそうだと人々が考えるのは、ブリンカーが馬の視野を奪っていることは間違いないためでしょう。馬にとってはブリンカーの有無で見え方が異なっているのは間違いありません。

Wikipedia
<ブリンカー (blinkers) は競馬および乗馬や馬車などにおいて、馬の視野を制限するための馬具である。ブラインダー (blinders)、遮眼革、遮眼帯ともいう。 >
<ブリンカーは馬の両目の外側部分に、革やプラスチックを材料としたカップ状などのものが使用される。頭絡に着脱できるものもあるが、競馬ではマスク状のものになっているものも多い。日本の競馬ではマスク状のものに「メンコ」と呼ばれる耳覆いを付したものが広く用いられている。
 着用することで真横や後方の視野を遮ることになり(馬の視野はおよそ350度である)、それによって馬が前方への進行に集中できると考えられている。競馬ではコース沿いにいる観客や、乗馬や馬車においても通行人や自動車などに驚いてしまうために考えられた馬具である。 >
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%BC

 読み直していて思い出したのが、ヨーロッパの競馬では馬と馬との距離感が近いため、日本の競走馬がうまく適応できないことがある…という話。ひょっとしたら日本の馬たちは、周囲を気にしすぎるためにブリンカーをつけることが多く、ヨーロッパの馬たちはいろいろなことに慣れていて物怖じしないので、ほとんどブリンカーが必要ないのかもしれません。